wiki クライムウェイヴ(Sysop読書録 活字をめぐる冒険) 内検索 / 「ハード・キャンディ」で検索した結果

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  • ハード・キャンディ
    ハード・キャンディ ハード・キャンディ (ハヤカワ・ミステリ文庫) ハード・キャンディ (Hayakawa Novels) 題名:ハード・キャンディ 原題:Hard Candy (1989) 著者:アンドリュー・ヴァクス Andrew Vachss 訳者:佐々田雅子 発行:早川書房 1991.4.30 初版 価格:\1,700(本体\1,650)  さてヴァクスの第四作『ハード・キャンディ』。続けて読めて何という幸せ者! というのは、この本は基本的に新しい物語ではなく、これまでのバークの取り残してきたさまざまな事件を総ざらいしてしまうという内容だからだ。なんとなく『赤毛のストレーガ』で感じたマフィアの老依頼主ジュリオの獣的な悪をバークたちが見捨てていたのが心残りだったし、ストレーガの病からもバークは恐怖と寒気の中で逃避していた。『ブルー・ベル』の方は一旦...
  • ゼロの誘い
    ...ローグと感じていた『ハード・キャンディ』であったろう。あれをもってバーク・シリーズの「ニューヨーク死闘編」は終了したとされている。だから『ブロッサム』と『サクリファイス』は、言わば外伝であったはずなのだ。  作者はおそらく外伝だけにはしたくなかったゆえに、これまで多くを語られることがなかったバークの秘密を、この二作を通してつまびらかにしたのだった。それなりの衝撃は読者にもあった。しかし、やはりバークのシリーズのクライマックスは『ブルー・ベル』以外に有り得ない。  『ハード・キャンディ』がこの投げ出されたままの傑作(=『ブルー・ベル』)を、エピローグのようにして巧くまとめたのだと思う。そこでぼくのほうはいったんバークを終えていた。  そして『サクリファイス』でバークは本当に終わると言われた。そしてさらに三年後、バークはまた『サクリファイス』を引きずるようにして、...
  • vachss
    ...88 佐々田雅子 ハード・キャンディ 1989 佐々田雅子 ブロッサム 1990 佐々田雅子 サクリファイス 1991 佐々田雅子 ゼロの誘い 1994 佐々田雅子 鷹の羽音 1995 佐々田雅子 嘘の裏側 1996 佐々田雅子 セーフハウス 1998 菊地よしみ クリスタル 1999 菊地よしみ グッド・パンジイ 2000 菊地よしみ その他 凶手 1993 佐々田雅子
  • キャンディーランド
    キャンディーランド キャンディーランド (ハヤカワ・ノヴェルズ) 題名:キャンディーランド 原題:Ten Plus One (1963) 著者:エヴァン・ハンター/エド・マクベイン Evan Hunter/Ed McBain 訳者:山本 博 発行:早川書房 2001/10/31 初版 価格:\1900  エヴァン・ハンターとエド・マクベインの二つのペンネームを敢えて使ったダブル・ジャンル作品である『キャンディーランド』。まず本の作りが凝っていて、表紙が裏表にある。どちらからでも読める設計になっている。ちょうど中央部で折り返しているため、一つの中編を読み終わったら、今度は本を逆さまに持って反対方向からもう一方の中編に取り掛からねばならない。編集後記はだから本の真中あたりのページに、それも二通りちゃんとあったりする。  もともと都会の病弊を描くと上手...
  • ダンシング・ベア
    ...『ブルーベル』から『ハード・キャンディ』への変貌に対比されるような種類の大異変が、この作品には起こっている。これまでのクラム リーの長編はすべて純文学の分野に収められていたらしいのだが、本作はまずそういう類いの作品では決してないだろう。あまり寄り道のないミステリーであり、ハード・アクション小説である。まことに派手な、全編、銃撃だらけの展開となっている。  簡単に言ってしまえば『酔いどれの誇り』『さらば甘き口づけ』に較べると、ずっとストーリー重視の展開だから、ページ繰る手が止まらないという意外なエンターテインメント小説なのだ。これをして、クラムリーが堕した、と取るべきか、クラムリーはエンターテインメントとして優秀だ、と取るべきなのか、ぼくには判断がつかない。いずれにしたってどちらもクラムリーの真正な一面なのだ。この種の他面性をだらしなく持ちづづけること自体が、クラムリー文学の...
  • セーフハウス
    ...たまらなく怖かった『ハード・キャンディ』あたりは、壮絶なクライマックスを迎えてはいたけれど、チームが一丸となってけっこう巨大なテロリスト集団と火線を交えての戦いをやらかすというのは、このシリーズのイメージ外だった。  今回は堂々バークと互角にやり合う謎の人物が登場……。バークはいわゆる「悪党パーカー」のように周到な犯罪者であり、徹底したプロフェッショナリズムによって管理、制御された非常にディフェンスの効いた行動に終始する主人公である。かつて馳星周がFADVではそのハンドルがバンディータであった頃、バークは基本的に「へなちょこ」だと評したが、それもそのとおりで、バーク自体は強くはない。むしろ弱いがゆえに備えている。バークの行動の規範はおよそあらゆる敵対的なものごとへの不安であるから、異常なほどに神経を尖らせる。徹底してディフェンシヴな行動こそがバークの規範である。これにタメを張...
  • 私刑
    ...バーク・シリーズの『ハード・キャンディ』なのであるなあ。これすべてメリハリだと思うのだ。シリーズ中の一つのクライマックスとは言え、きちんと書けている作家がいるだけに、そういうところを考えて一作中のクライマックスに繋げて欲しいところである。  ちなみにぼくは最近はこのシリーズは登場人物のせせこましい人間関係の営みのほうに愛着を覚えるようになっているみたいだ。こういうところを描かせたら本当に巧い作家なんだけれど。 (1996.02.03)
  • フラッド
    ...のストレーガ』から『ハード・キャンディ』までを一気読みした後、徳間文庫版『フラッド(上・下)』を手に入れて……さあ悪名轟く翻訳だろうがなんだろうが、とりあえず読もうか……と思ったある日、ミスマガに本書、新訳の広告が出ていたのだった。これは待つしかない、と思った。そしてさんざん待ったから、大切に読んだ。  ぼくの「大切に読む」というのは50頁を2時間くらいかけて読むという意味である。ある日「おれはゆっくり読んで文章を味わうのだ」と言ったら「俺は読むの早いけど文章味わっていないというわけではないよ」と反論されたりしたこともあるのだが、それでも思うのだ、俺は俺なりに味わうのだ……と。ま、とにかくたまにはこうして大切にじっくり読む。こうするとほとんどその作品の存在を忘れることがなくなり、一生その本はぼくのどこかについて歩くようになる。ちなみにぼくがドストエフスキーに明け暮れた年は、ド...
  • ブラッド・キング
    ブラッド・キング [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 題名:ブラッド・キング 原題:Blood Stained Kings (1995) 作者:Tim Willocks 訳者:峯村利哉 発行:角川文庫 1996.12.25 初版 価格:\880(本体\854)  ティム・ウィロック...
  • エド・マクベイン
    エド・マクベイン Ed McBain / エヴァン・ハンター Evan Hunter / カート・キャノン Curt Cannon 《87分署シリーズ》は1956年生まれだ。ぼくの誕生年がちょうど同じその年である。それからぼくがずっと生きてきた間じゅうずっと、このシリーズは続いてきている。ひとりの作家が成し遂げた仕事としてみれば、これは驚くベき偉業であるように思われる。  このシリーズは、今、その最初の作品から読み始めたとしても、面白さが時間の経過により損なわれるということはあまりないだろう。確かにその時代、時代の特色というのは背景として伺うことができるものの、人がやらかすこと、ましてそれが犯罪であったり男と女の愛憎のもつれであったりする場合には、時代がどんなに移って文明が進歩したとしても、それほど大きな変化はないものである。 とりわけそれが大都市のことであればなおさらだ。...
  • ヴードゥー・キャデラック
    ヴードゥー・キャデラック 題名:ヴードゥー・キャデラック 原題:Princess Naughty And The Voodoo Cadillac (2000) 作者:フレッド・ウィラード 訳者:黒原敏行 発行:文春文庫 2003.07.10 初版 価格:\943  バリー・ギフォードを思わせる。彼の超短編小説(あるいはエピソード)を積み重ねて創り上げたスタイルでありながら、ギフォードよりずっと主人公にこだわり、人間たちにこだわり、宗教にこだわらず、金と女には思い切りこだわる。ギフォードよりはほんの少しだけマトモ(?)な舵取りがなされた長編小説がこの『ヴードゥー・キャデラック』。  もちろんほとんどのキャラクターはクレイジーである。元CIAスパイ。傭兵の訓練隊長。カエルにそっくりな大金持ち。どこをとってもチープでガタのきた連中が大金の詰まったトランク...
  • マスカレード・ホテル
    マスカレード・ホテル 題名:マスカレード・ホテル 作者:東野圭吾 発行:集英社 2011.10.09 4刷 2011.09.10 初版 価格:\1,600  とんと本を読まなくなった。というよりは、読めなくなった。自分の時間がこれほどない日々を過ごすのは人生において初めてかもしれない。そのくらい休日も取れず日々早朝から夜遅くまで残業三昧であるが、それでもわずかな時間をつまみあげては読書の時間にあてがってゆく。  東野圭吾『マスカレード・ホテル』読了。上記のような条件のせいか、密度の薄い本はあまり内容が入ってこない。継続ではなく、断続的に切れ切れに読むために、作者の意図が伝わりにくいのかもしれない。  そんなハンディを折り込んだとしても、それでもやはりここのところの東野圭吾はつまらないと思う。少なくとも『真夏の方程式』に続いて、さらにつまらない...
  • ベイビィ・キャット-フェイス
    ベイビィ・キャット-フェイス 題名:ベイビィ・キャット-フェイス 原題:Baby Cat-Face (1995) 作者:Barry Gifford 訳者:真先義博 発行:文春文庫 2001.4.10 初版 価格:\590  「南部の夜」三部作の完結編。と言ってもそれぞれにつながりがあるとは言え、何かが完結したとはとても思えないけれど。主人公がどんどん入れ代わるストーリー。  親が死ねばその息子や娘の物語へ。あるいは主人公が死ねばバスに乗り合わせた女の子の物語へ。あるいは酒場でカウンターごしに居合わせた男の方の物語へ。物語は無限リンク的に語り継がれ、ときにはどこか昔に関係のある人々が、そうと知らずにその子孫同士がある場所で行き違うこともある。  そういう永い永い歴史をユーモアとバイオレンスを交互に出し入れしながら積み上げてゆく。奇怪なレゴ・...
  • 田口ランディ
    田口ランディ 長編小説 コンセント 2000 アンテナ 2000 モザイク 2001 7 days in BALI (『オクターブ』2007に改題改稿) 2002  木霊 2003 ひかりのメリーゴーラウンド 2005 短篇集 ミッドナイト・コール 2000 縁切り神社 2001 オカルト 2001 昨晩お会いしましょう 2001 その夜、ぼくは奇跡を祈った 2001 富士山 2004 ドリームタイム 2005 被爆のマリア 2006 ソウルズ 2006 エッセイ スカ-トの中の秘密の生活 1999 もう消費すら快楽じゃない彼女へ 1999 馬鹿な男ほど愛おしい 2000 できればムカつかずに生きたい 2000 からだのひみつ 2000 ぐるぐる日記 2000 根をもつこと、翼をもつこと 2001 こころのひみつ 2002 くねくね日記 2002 ハーモニーの幸せ 2002 田...
  • ゴルファーズ・キャロル
    ゴルファーズ・キャロル 題名:ゴルファーズ・キャロル 原題:The Golfer s Carol (2020) 著者:ロバート・ベイリー Robert Bailey 訳者:吉野弘人 発行:小学館 2021.11.29 初版 価格:¥2,100  年が明け、最初に読んだのがこの本。昨年の最後に読んだのが同じ作家のトム・マクマートリー四部作シリーズ完結編。そちらはスポ根と胸アツとリーガルミステリーが一緒になったような作品だったが、こちらはスポーツ小説とホームドラマとファンタジーが一緒になったようなノンジャンル小説。まさにジャンルの垣根を飛び越えても書きたい物語が胸の中に燃え上がっているような作家なのだろう。どの作品にも作家のどうしても書きたいものとそこへの情熱が込められていて、好ましいのだ。  作家とて商売。しかしそれによって生活しなければならない人生の...
  • 拳銃(ガン)
    拳銃(ガン)/ 「魔の拳銃」改題 拳銃 (1980年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 題名:拳銃(ガン) 原題:GUNS (1976) 作者:エド・マクベイン Ed McBain 訳者:久良岐基一 発行:ハヤカワ・ミステリ文庫 1980.4.30 初版 1986.7.15 2刷 価格:\420  マクベインの死を悼んで、古い未読のノンシリーズ作品に手をつけてみた。  こいつは、87分署シリーズのような健康的なクライム・ミステリでないばかりか、銃によって狂ってゆく若い犯罪者の救いのない破滅的な一夜の物語だった。マクベインには、ノン・シリーズのものにも光るものが数多くあるが、エヴァン・ハンターと共著と遊んでみせた『キャンディランド』にせよ、異色作『盗聴された情事』にせよ、どちらかと言えばシリアスで、ペーソスに満ちたものが多い。一言で言えば暗い小説が多い。 ...
  • ローンガール・ハードボイルド
    ローンガール・ハードボイルド 題名:ローンガール・ハードボイルド 原題:Sadie (2018) 作者:コートニー・サマーズ Courtniy Summers 訳者:高山真由美 発行:ハヤカワ文庫HM 2020.11.25 初版 価格:¥1,280  エドガー賞YA部門受賞作品。アメリカではYA部門にこんなに残酷な作品があるのかと知ってまずは驚愕。  原題は"Sadie"。この物語の主人公である19歳の少女の名前が<セイディ>。なので、このエキセントリックとも言える邦題は、多分に営業的な目論見、かつ内容にも即したものであるとの自信の表れか?  少し内容や雰囲気を説明したような邦題と思って頂けるとよいのかも。  妹マティが殺されたので姉が復讐のため殺人者と目される義父を追跡する旅に出る。ティーンエイジャーの娘セイディの一人...
  • スペード&アーチャー探偵事務所
    スペード&アーチャー探偵事務所 題名:スペード&アーチャー探偵事務所 原題:Spade and Archer (2009) 作者:ジョー・ゴアズ Joa Gores 訳者:木村二郎 発行:早川書房 2009.12.15 初版 価格:\2,000  ハードボイルド・ファンなら、誰しも、この本が十年に一度あるかないかの重要な話題の対象となることを理解するに違いない。 何しろハードボイルドの創始者であるダシール・ハメット、その代表作である『マルタの鷹』の前日譚というふれ込み、ハードボイルドの代名詞として今も生きるサム・スペードという名の、あまりにも有名な私立探偵とその時代に反映されるほどの存在感、さらに現在彼を甦らせる作家が、ジョー・ゴアズ、と、これ以上ないほどに出揃い尽くしたネタの宝庫。これらを前にして、ハードボイルド・ファンが手を拱いて静観しているだけ...
  • エドワード・バンカー
    エドワード・バンカー Edward Bunker 長編小説 ストレートタイム 1973 沢川 進訳 アニマル・ファクトリー 1977 小林宏明訳 リトル・ボーイ・ブルー 1981 村井智之訳 ドッグ・イート・ドッグ 1996 黒原敏行訳 ノンフィクション エドワード・バンカー自伝 2000 池田真紀子訳
  • さすらいのキャンパー探偵 水平線がきらっきらっ
    さすらいのキャンパー探偵 水平線がきらっきらっ 題名:さすらいのキャンパー探偵 水平線がきらっきらっ 著者:加納諒一 発行:双葉文庫 2019.09.15 初版 価格:¥640  辰巳翔一がこのようにシリーズ化されるなんて、かつての『春になれば君は』『虚国』ではもちろん想像だにしなかった。辰巳は固定した事務所で活躍する探偵というより、訪れた土地で副業的に巻き込まれるタイプの探偵と言う印象。これを決定づけたのが『虚国』であった。廃墟カメラマンが主業……と呼べるかどうかは収入の多寡から計れば疑問があるにせよ(苦笑)……だが、辰巳翔一イメージには、車を使った旅するハードボイルドのイメージを既に埋め込まれているような気がする。  だからこうして連作中編小説集となる定めは予期すべきことであったかもしれない。かつてより香納諒一は短編小説の名手として個人的には高く...
  • カ行作家
    カ行作家 フィリップ・カー フィリップ・カーター サイモン・カーニック ドナート・カッリージ モンス・カッレントフト シーナ・カマル エリック・ガルシア デイ・キーン ヴィクター・ギシュラー バリー・ギフォード カート・キャノン ローリー・R・キング A・J・クィネル ケイト・クイン デイヴィッド・グーディス ダニヤ・クカフカ クリストファー・クック トマス・H・クック ジュリー・クラーク マイクル・クライトン ブレイク・クラウチ ジェイムズ・クラムリー ベン・クリード ジャン=クリストフ・グランジェ キミ・カニンガム・グラント ジョン・グリシャム アゴタ・クリストフ ウィリアム・ケント・クルーガー デイヴィッド・クレイ ロバート・クレイス マシュー・クワーク アリソン・ゲイリン ポール・ケイン ジャック・ケッチャム ダグラス・ケネディ ラーシュ・ケプレル ジョー・ゴアズ マイクル・コナ...
  • ハートの刺青
    ハートの刺青 ハートの刺青 (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-4) 題名:ハートの刺青 原題:The Con Man (1957) 著者:エド・マクベイン Ed McBain 訳者:高橋泰邦 発行:ハヤカワ文庫HM 1976.7.15 1刷  <87分署>シリーズ第4作。このシリーズは今までのところどれも一定の水準に達しているばかりか、はっきりいって安心してその面白さを堪能できる。そうした確信を持つに至ってしまったのだ、ぼくは。しかしとりわけこの第4作は、面白かった。  主題は詐欺である。この本は、大小の詐欺について語られた一冊である。このなかには、わずか5セントを掠め盗る詐欺から、殺人をも容赦なく絡めた詐欺まで、さまざまな犯罪が盛り込まれている。そして、これらが平行に進行してゆき、複数の事件が複数の捜査員の手によって解決してゆく。  最も凶悪...
  • ススキノハードボイルドナイト
    ススキノハードボイルドナイト ススキノハードボイルドナイト 題名:ススキノハードボイルドナイト 作者:東 直己 発行:寿郎社 2001.4.18 初版 価格:\1,800  凄い本であるなあ、としみじみ&つらつら眺める。まずモノクロの陰の多い写真がいい。札幌在住の林直光というカメラマンの腕が実に冴えている。生々しさで。  よくぞ、こんな本に印刷されるのを承諾したなあ、と思われるほどに怪しい人々や、すっかり躁病モードになっている酔っぱらいたち。毒々しいお水さんたちのケバイ笑い。そういう写真集に囲まれて、よりモノクロの哀愁を湛えたコラムが、一冊の分厚い本という音楽を奏でる。本当に怪しげな本だ。アングラ(いいなあ、この響き)関係の本かい、と言いたくなるような、しかしそれにしては立派な装丁の、本当に作りたくって作った本という、多くの仕事が結実したひとつのかたち。 ...
  • ジャック・ケッチャム
    ジャック・ケッチャム Jack Kecthum 長篇小説 オフシーズン 金子 浩訳 1980 隣の家の少女 金子 浩訳 1989 襲撃者の夜 金子 浩訳 1991 ロード・キル 有沢義樹訳 1994 老人と犬 金子 浩訳 1995 オンリー・チャイルド 有沢芳樹訳 1995 地下室の箱 金子 浩訳 2001 黒い夏 金子 浩訳 2001 中編小説集 閉店時間 金子 浩訳 2001-2007
  • ニューヨーク1954
    ニューヨーク1954 題名:ニューヨーク1954 原題:Night Life (2015) 著者:デイヴィッド・C・テイラー David C. Taylor 訳者:鈴木恵訳 発行:ハヤカワ文庫NV 2017.12.20 初版 価格:¥1,260  これは昨年末に読んだ本。先日読了したダグラス・ケネディ『幸福と報復』で、全米を襲ったマッカーシーによるレッド・パージ旋風と、その渦中で赤狩りの犠牲となる人々の細微に渡って綴られる悲劇に接し、過剰なまでの弾圧の実態を覗くことになった。本書はその同じ時代を警察小説という形で描いている。よりエンターテイメント性が強く、よりバイオレントな、いわゆる今どき映画風な小説として描かれている。著者デイヴィッド・C・テイラーは20年以上に渡って映画やTVの脚本家として活躍してきた人なのだそうだ。納得。テイラーの父親は名作『麗しのサブリ...
  • 十字路に立つ女
    十字路に立つ女 十字路に立つ女 (講談社文庫) 題名:十字路に立つ女 作者:逢坂剛 発行:講談社<推理特別書き下ろし> 1989年2月28日 初版 定価:\1,240(本体\1,204)  短編集『幻のマドリード通信』でお馴染みの、私立探偵もどき・岡坂神策を主人公に据えた長編作品。私立探偵もどきというのは彼の構えているのが「岡坂探偵事務所」ではなく「現代調査研究所」であるからだ。何を研究しているのかよくわからないながらも、とにかく何でも屋みたいなもので、自分の全能力を駆使してとにかく職業化しようという試みであることは間違いないみたいだ。岡坂神策は私立探偵と呼ぶにはインテリであり、スペイン現代史のアマチュア研究家という一面も持ち、時にはその種の研究書に原稿を寄せたりもする。探偵の仕事を請負いながら、翻訳もやるし執筆もやるという奇妙な職業なのだ。税務署へは著述業で...
  • 偽りの目撃者
    偽りの目撃者 題名:偽りの目撃者 原題:Dropshot (1996) 著者:ハーラン・コーベン Harlan Coben 訳者:中津悠 発行:ハヤカワ文庫HM 1998.1.15 初版 価格:¥820  札幌読書会で取り上げて頂いて以来ハーラン・コーベンは全作読むに値するという強迫観念を抱いてしまったぼくは、最近の独立作品はもちろん、日本でコーベンとう作家が翻訳され始めた20年以上前の本シリーズにも今、中毒となりつつある。本作はマイロン・ボライター・シリーズのその第二作目。  シリーズ第一作『沈黙のメッセージ』でスポーツ・エージェントというあまり聞き覚えのない商売をしている主人公設定に驚いたのだが、読んでみるとロバート・クレイスばりの私立探偵型ハードボイルドであることに驚愕。  しかもシリーズ・キャラクターたちの個性も既に完成度が高く、第二...
  • フレッド・ウィラード Fred Willard
    フレッド・ウィラード Fred Willard 長編 ヴードゥー・キャデラック 2000 黒原敏行訳
  • バリー・ギフォード
    バリー・ギフォード Barry Gifford サザン・ナイツ・トリロジー ナイト・ピープル 1992 アライズ・アンド・ウォーク 1994 ベイビィ・キャット-フェイス 1995 長編小説 ワイルド・アット・ハート 1990 セイラーズ・ホリデイ 1991 ロスト・ハイウェイ 1997 評論 ケルアック ローレンス・リー共著 1978 ケルアックズタウン 1977 サローヤン伝説 ローレンス・リー共著 1984
  • ラ行作家
    ラ行作家 C・A・ラーマー C.A.Larmer クラム・ラーマン ロブ・ライアン ギャビン・ライアル ロバート・ラドラム イアン・ランキン ジョー・R・ランズデール ウィリアム・ランディ ジェイムズ・リーズナー アレックス・リーヴ リック・リオーダン ジャック・リッチー ジョン・リドリー デイヴィッド・リンジー ジェフ・リンジー アンデシュ・ルースルンド カルロ・ルカレッリ ピエール・ルメートル べン・レーダー ドロレス・レドンド エルモア・レナード デニス・レヘイン(ルヘイン) ローリー・ロイ アッティカ・ロック ジャン=バティスト・ロッシ レナード・ローゼン デイヴィッド・ローン マイケル・ロボサム J・D・ロブ
  • スコット・トゥロー L. Scott Turow
    スコット・トゥロー L. Scott Turow サンディ・スターン・シリーズ 推定無罪 1987 上田公子訳 立証責任 1990 上田公子訳 有罪答弁 1993 上田公子訳 われらが父たちの掟 1996 上田公子訳 囮弁護士 1999 二宮馨訳 出訴期限 2006 二宮馨訳 無罪 2010 二宮馨訳  長編 死刑判決 2002 佐藤耕士訳 ノンフィクション ハーヴァード・ロー・スクール 1977 山室まりあ訳 極刑 -死刑をめぐる一法律家の思索 2005 指宿信訳 対談 スコット・トゥロー VS 中嶋博行 -現役弁護士作家二人が語る創作の秘密
  • 汚れた街のシンデレラ
    汚れた街のシンデレラ 汚れた街のシンデレラ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 題名:汚れた街のシンデレラ 原題:Manhattan Is My Beat (1989) 作者:Jeffery Wilds Deaver 訳者:飛田野裕子 発行:ハヤカワ文庫HM 1994.8.31 初版 価格:¥620  いわゆるサイコ・シリーズともジョン・ぺラムのハードボイルド路線のシリーズとも若干趣きを異にしたニューヨークのパンク娘ルーンを主役にしたシリーズ第1作(残り2作は未訳)。  パンク娘といえば、ジェン・バンブリー『ガール・クレイジー』という、『このミス』でぼく以外は誰も推さなかったというポップ・ハードボイルドが思い起こされ、本書もどことなく似た雰囲気でスタートする。どちらもただの店員。あちらは本屋だったが、こちらはレンタルビデオ・ショップ。こんなポップ・ミステリをディ...
  • さらば、愛しき鉤爪
    さらば、愛しき鉤爪 題名:さらば、愛しき鉤爪 原題:Anonymous Rex (2000) 作者:Eric Garcia 訳者:酒井昭伸 発行:ヴィレッジブックス 2001.11.20 初版 価格:\860  実際ハードボイルドほどさまざまな進化の形を見せてくれるジャンルというのは、他にないのじゃないだろうか。それだけ多くの人に愛され、印象に残った、文学上のエポックであるのだと言えるし、どれほど突き放したような文体で固ゆでの顔をしてみても、あくまで人間のハートに食い込んで放さない鉤爪のように、ぼくらには胸の奥深くで、あまりに近しい感覚を得ているのに違いない。  ハードボイルドは時には喜劇の形を取ることだってある。パロディ。ブラックユーモア。もっと笑い飛ばすような形に進化することだってある。恐竜が鶏に進化したのかもしれないように、ハードボイルド...
  • ヘルズ・キッチン
    ヘルズ・キッチン ヘルズ・キッチン (ハヤカワ・ミステリ文庫) 題名:ヘルズ・キッチン 原題:Hell s Kitchen (2001) 作者:Jeffery Deaver wrighting as William Jefferies 訳者:澁谷正子 発行:ハヤカワ文庫HM 2002.12.31 初版 価格:¥940  違う。いくら読み進んでも、ぼくの知っているディーヴァーではない。まるで全く違った方向を見ているし、これはディーヴァーではなく他の誰かが書いた作品だと言われればすぐに納得してしまうと思う。ウィリアム・ジェフリーズという違う名義であっても、所詮は同じ一人の作家がこれほど違った傾向の作品を書いているとは、俄かに信じがたいものがある。  ぼくが最初に読んだディーヴァー作品は『眠れぬイヴのために』。どちらかと言えばサイコサスペンスだったし、そうい...
  • 殺人鬼オーストゥンに帰る
    殺人鬼オーストゥンに帰る 題名:殺人鬼オーストゥンに帰る 原題:The Devil Went Down To Austin (2001) 作者:リック・リオーダン Rick Riordan 訳者:伏見威蕃 発行:小学館文庫 2006.07.01 初刷 価格:\800  テキサスを舞台にしたウエスタン・ハードボイルド。あるいはハードボイルド・ウェスタンでもいい。ジェイムズ・クラムリーやサム・ペキンパーが好んで止まない土地を、そのまま現在に持ってきて、巨匠たちの魂を受け継いだハードボイルド・シリーズを描くとすれば、こうなるという見本のようなシリーズである。  若き私立探偵でありながら、大学で英文学の非常勤講師も勤める。フィリップ・マーローと競り合わせたいくらいのへらず口の大家でありながら、カンフーの使い手でもある。優しげな表情の内側で、向こう気だけは誰...
  • 尋ねて雪か
    尋ねて雪か 尋ねて雪か―長篇ハードボイルド (TOKUMA NOVELS) 尋ねて雪か (徳間文庫) 題名:尋ねて雪か 作者:志水辰夫 発行:徳間ノベルズ 1984.11.30 初刷 価格:\680  雪の札幌を主舞台としたハード・ボイルド小説である。これを読み始めたのは、そもそも東京に大雪が降り始めたからである。おまけにぼくは風邪か扁桃腺炎かなにかで、熱を出して寝込んでしまった。だから時々窓の外の降りしきる雪に目をやりながら、この本を読んだのだ。そしてこの本がまた、いいのだ。  雪の札幌はぼくも訪れたことがある。雪祭りにはまだ遠い季節で、大通り公園ではホワイト・イルミネーションと呼ばれる電飾が施されていた。たいへん奇麗なものである。雪降る夜空に、テレビ塔が時刻を表示していた。街頭の温度計が、マイナス5~7℃を示していた。で、その辺の情景がこの小説には、...
  • ガード・スヴェン Gard Sveen
    ガード・スヴェン Gard Sveen 長編小説 最後の巡礼者 2013 田口俊樹訳
  • paperdoll
    ペイパー・ドール ペイパー・ドール―スペンサー・シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫) (↑アマゾンで注文) 原題:Paper Doll (1993) 著者:ロバート・B・パーカー Robert B. Parker 訳者:菊池 光 発行:早川書房 1994.1.15 初版 価格:\1,650  なんと言ってもこの結末はぼくは気に入らない。ハードボイルドということの定義の一つとして「決着のつけ方」というものがあるとぼくは思う。その上で苦い結末を味わわねばならないことだってあると思う。むしろその苦みこそがハードボイルドの旨味であったりするとも思う。だからこそ、そうした苦みから逃げてしまう曖昧な決着というのは、この場合どうしたものだろうか。  かつて『ダーティ・ハリー4』でソンドラ・ロック演じる復讐者の娘に対しての刑事ハリー・キャラハンの態度を、おすぎとピー...
  • ホット・キッド
    ホット・キッド 題名:ホット・キッド 原題:The Hot Kid (2005) 作者:エルモア・レナード Elmore Leonard 訳者:高見 浩 発行:小学館文庫 2008.1.12 初版 価格:\819  エルモア・レナードが続々小学館文庫から翻訳され、文庫価格で読める。彼のファンであれば、非常に歓迎すべき時代が到来したと感じているはずである。それと同時にハードカバーでは、これほどの作家でもなかなか売り上げに繋がらなくなったのかという、海外ミステリーに対する出版業界という市場の風当たりの強さも感じられ、寂しい気持ちが生じないこともなく、複雑な気持ちである。  ともあれレナードの作品は健在であるばかりか、近年作品の幅を大きく広げている様子すら窺える。本書は、現代の物語ではなく、実は銀行強盗が大流行りした1920年代のギャング団の時代に材を取っ...
  • 死の蒸発
    死の蒸発 死の蒸発 (角川文庫 赤 530-1 DKA探偵事務所ファイル 1) 題名:死の蒸発 DKA探偵事務所ファイル 原題:Dead Skip (1972) 作者:ジョー・ゴアズ Joe Gores 訳者:村田靖子 発行:角川文庫 1984.7.30 初刷 1984.12.20 再版 価格:\300  ダン・カーニイ探偵事務所、略してDKAは、車輌回収専門の、中堅どころの探偵事務所で、サンフランシスコから手の届く範囲内の、西海岸一帯で仕事を請け負っている。作中で、詳しいカバーエリアも解説されていたような気がするが、ディテールは覚えていない。いずれにせよ、地味この上ない職業にスポットを当てた、今では、はやりそうにない物語でありながら、それでいてシリーズ化されるほどにキャラクター造形が一冊では足りない、というくらい登場する人間たちに、特にこだわったシリーズのよ...
  • 鉤爪プレイバック
    鉤爪プレイバック 題名:鉤爪プレイバック 原題:Casual Rex (2001) 作者:エリック・ガルシア Eric Garcia 訳者:酒井昭伸 発行:ヴィレッジブックス 2003.01.20 初版 価格:\880  とにかく最初に恐竜探偵というふざけたアイディアを思いついてしまった時点で、この作者は勝ちを呼び込んだ。次に、恐竜探偵という無理をなんとか押し通してしまって作品をちゃんとしたエンターテインメントの形で完成させた時点で、おそらく世界の読者がスタンディング・オベイションに及んだ。少なくともぼくは立ち上がって喝采に加わった。そこまでが凄かったのだと思う。こういう作家が二作目、三作目と書き継いでゆくのは普通ならよほど苦しいことに違いない。  その苦しさが相当に出てしまっているなと思われるのが、二作目の本書。『プレイバック』とは読了後考えて...
  • でぶのオリーの原稿
    でぶのオリーの原稿 でぶのオリーの原稿―87分署シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 題名:でぶのオリーの原稿 原題:Fat Ollie s Book (2002) 作者:エド・マクベイン Ed McBain 訳者:山本 博 発行:ハヤカワ・ミステリ 2003.11.15 初版 価格:\1,200  少し前の作品ではピアノを練習していたシリーズのサブ・メンバー、88分署刑事のオリー・ウィークス。今度は彼が小説を書き上げた。内容はやはり捜査小説。何と主人公は女性刑事。次期市長を狙う有力候補が銃撃された現場に駆けつけた先で、オリーはその原稿を鞄ごと盗まれてしまう。大きな事件と小さな事件。オリーは二つの捜査に同時に乗り出す。もちろんレギュラー・メンバーである87分署刑事たちの協力を得て……。  原稿は劇中劇のかたちで二つめの物語をなしてゆく。原稿を...
  • ブラック・ナイフ
    ブラック・ナイフ ブラック・ナイフ (Hayakawa Novels) 題名:ブラック・ナイフ 原題:SHADOW PREY (1990) 作者:JOHN SANDFORD 訳者:真崎義博 発行:早川書房 1993.6.30 初版 価格:\1,800(本体\1,748)  シリーズを時間を置いて読むと前作の記憶がほとんど失せてしまい、人物的、または時間的な繋がりに関する興趣がすっかり失せてしまうといういい読書例がこの本であった。靄のかかった前作の記憶を刺激するような場面が頻発するにも関わらず、ダヴンポート刑事とその周辺を思い出すのはなかなか困難なのである。やはりシリーズものをとことん楽しむには一気読みに限る、とつくづく思うが、なかなかそうも言ってられないのが新刊追跡者たちの辛いところなのである。  さて本書は、前作とはまたがらりと趣向を変えて、叛アメリカ...
  • ジェイド・タイガーの影
    ジェイド・タイガーの影 題名:ジェイド・タイガーの影 原題:Jade Tiger (1982) 作者:クレイグ・トーマス Craig Thomas 訳者 田中昌太郎 発行 早川書房 1987.5.31 初版 価格 \1,800  前作ではレパードというハードウェアが登場し、これがほとんどファイア・フォックスと同じ発想であったにも関わらず、それらハードウェア類が大自然を舞台に縦横に活躍してくれたことで、ぼくらはなかなかクレイグ・トーマス作品ならではの大がかりなハード・スパイ戦の醍醐味というものを味わうことができたと思う。ところが本書はソフトウェアのスパイ戦。スパイ戦と言えば、これもC・トーマスはワン・パターンになるのか、いわゆる《もぐら》ものである。  とは言え本作は従来の《もぐら》ものに大きな一捻りが銜えられており、なおかつ英ソ対決という単純な図式...
  • ザ・ロード
    ザ・ロード 題名:ザ・ロード 原題:The Road (2005) 作者:コーマック・マッカーシー Cormac McCarthy 訳者:黒原敏行 発行:早川書房 2008.06.25 初版 価格:\1,800   この作家の本は『血と暴力の国』しか読んでいないので、本書が二冊目である。前作もロード・ノヴェルであったが、本書はまさにタイトルの通りのロード・ノヴェル。それも究極のロード・ノヴェルである。しかし巻末の訳者解説により、この作家はすべての小説がロード・ノヴェルなのであることがわかる。  こちとら70年代アメリカン・ニュー・シネマの世代である。ということは、ロード・ムーヴィーの世代ということでもあるのだ。だから、今でもロード・ノヴェルには魅せられる。例を挙げれば『イージー・ライダー』『バニシング・ポイント』『スケア・クロー』等々。 ...
  • さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ
    さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 題名:さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ 著者:香納諒一 発行:双葉文庫 2019.08.11 初版 価格:¥620  辰巳翔一のその後を描いた中編シリーズの開幕である。  この探偵には、既に三つ...
  • 強襲
    強襲 題名:強襲 原題:Gamble (2011) 作者:フェリックス・フランシス Felix Francis 訳者:北野寿美枝 発行:イースト・プレス 2015.02.01 初版 価格:\1,900  ディック・フランシスは二度死んだ。そう、最初は取材源であり創作の右腕であると言われた夫人のメアリ・フランシスが逝去したとき。その失意と取材の右足としての夫人の存在を失ってから、彼が立ち直るまでに7年の時間を要している。高齢での立ち直りに手を貸したのが、ディックの成長した子息フェリックスであった。その再起作となった『祝宴』の出来栄えの見事さと、復帰を果たした競馬シリーズへのリスペクトとで胸がいっぱいになったのを今でも覚えている。  そして父子二人の共著で長篇四作を遺し、ディックは本当の自身の死を迎える。それが本当の二度目の死かと思われた。ところが、奇...
  • 引擎 ENGINE
    引擎 ENGINE 題名:引擎 ENGINE 作者:矢作俊彦 発行:新潮社 2011.05.30 初版 価格:\1,600  ファム・ファタールというより、殺戮の天使と呼びたいようなヒットウーマンを追いかける刑事の運命。  とにかく面白い。すべてのページにハイテンポなアクションが詰まっている感じで止まらない。  矢作ソロ作品で、しかもおちゃらけないハードボイルドが、ここ数年定期的に出版されているので、毎年、このミスのトップが矢作になってしまう。そんな依怙贔屓はダメとは知りながら、やはり圧倒的に矢作のカリスマぶりに惹かれるのである。  毒をいっぱい持っているのに、コアな部分が少年のようなピュアな騎士道精神であったりするところがやっぱり他を圧倒しているような気がするのだ。  失われて久しいダンディズムが頼もしい限りだ。  物...
  • リチャード・ドハティ Richard Dougherty
    リチャード・ドハティ Richard Dougherty 長編小説 刑事マディガン 1962 真崎義博訳
  • あたしにしかできない職業
    あたしにしかできない職業 題名:あたしにしかできない職業 原題:Two For The Dpigh (1996) 著者:ジャネット・イヴァノヴィッチ Janet Evaovich 訳者:細見瑤子 発行:扶桑社ミステリー 1997.10.30 初版 価格:¥629-  ぼくは、ヒロイン型ハードボイルドも、ユーモアハードボイルドもどちらも、まあ、あまり読まない。だからどういうわけで、我が家の書棚にそのどちらのファクターも抱えているこの本が転がっているのか自分でもよくわからない。およそ四半世紀近く前になると思うが、どうやってこの作品はぼくの本たちの中に紛れ込んだのだろう。ぼくが買った? 誰かがくれた? あるいは、当時の冒険小説 ハードボイルドフォーラムのオフ会でよくやっていたブックプレゼントで手に入れてきた。読まないくせに。何となく三番目の要素が濃そうな気がする(...
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