wiki クライムウェイヴ(Sysop読書録 活字をめぐる冒険) 内検索 / 「ヴィクター・ギシュラー」で検索した結果

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  • ヴィクター・ギシュラー
    ヴィクター・ギシュラー Victor Gischler 長編小説 拳銃猿 2001 宮内もと子訳
  • カ行作家
    ...シア デイ・キーン ヴィクター・ギシュラー バリー・ギフォード カート・キャノン ローリー・R・キング A・J・クィネル ケイト・クイン デイヴィッド・グーディス ダニヤ・クカフカ クリストファー・クック トマス・H・クック ジュリー・クラーク マイクル・クライトン ブレイク・クラウチ ジェイムズ・クラムリー ベン・クリード ジャン=クリストフ・グランジェ キミ・カニンガム・グラント ジョン・グリシャム アゴタ・クリストフ ウィリアム・ケント・クルーガー デイヴィッド・クレイ ロバート・クレイス マシュー・クワーク アリソン・ゲイリン ポール・ケイン ジャック・ケッチャム ダグラス・ケネディ ラーシュ・ケプレル ジョー・ゴアズ マイクル・コナリー デイヴィッド・ゴードン ハーラン・コーベン レイ・ゴールデン ウィリアム・ゴールドマン パトリシア・コーンウェル S・A・コスビー ジョセ...
  • アメリカミステリ傑作選2001
    ...『ルーファスを撃て』ヴィクター・ギシュラー・加藤淑子訳/『ジェイルハウス・ローヤー』フィリップ・マーゴリン・加賀山卓朗訳/他 全18作収録  アンソロジーなんて滅多に読まない。好きな作家のシリーズ短編などをチェイスしてゆくときにだけ、仕方がなく買ったり借りたりして読むけれど、できたらその短編だけを読んで、あとは書棚に戻してしまってもいいくらいだ。  そういう気持ちになったのもアンソロジーというのは基本的に無駄が多いと感じるからだ。とりわけ日本のアンソロジーは駄目である。なんでこんな下らない作品が裂いているページのためにこのアンソロジーを買わなきゃ駄目なの? と問い正しくなるような本にばかり行き当たるのだ。  というわけでぼくはアンソロジー嫌いだったのだが、オットー・ペンズラーが毎年スペシャル・エディターに巨匠(L・ブロック、S・グラフトン、E・マクベイン等々)...
  • 拳銃猿
    ...2001) 作者:ヴィクター・ギシュラー Victor Gischler 訳者:宮内もと子 発行:ハヤカワ文庫HM 2003.02.15 初版 価格:\840  「パルプ」という言葉はいわゆる蔑称であるし、それには「B級」という意味も当然込められている。「パルプ」というのはつまりは紙の原料であり、紙の上に印字された物語などははなから相手にされていないというところまで貶められたアメリカにおけるある種の大衆向けの出版形態である。  でも今「パルプ」という言葉には様々な付加価値が付いている。「パルプ」という言葉に重みを与えたのが古くはダシール・ハメット。つまり「パルプ」と「ハードボイルド」は書籍出版の歴史において(あえて文学史とは言わないでおきます)、兄弟姉妹のように切っても切れない言葉なのだ。  その一方で「パルプ・ノワール」という言葉までが登場す...
  • マ行作家
    マ行作家 フィリップ・マーゴリン マイケル・マーシャル デイヴィッド・マーティン アレックス・マイクリーディーズ コーマック・マッカーシー エイドリアン・マッキンティ クレア・マッキントッシュ ロス・マクドナルド クイーム・マクドネル コーディ・マクファディン エド・マクベイン ジェイムズ・A・マクラフリン アリステア・マクリーン ホレス・マッコイ グスタボ・マラホビッチ マルコ・マルターニ エルザ・マルポ デイヴィッド・マレル シェイン・マローニー ヘニング・マンケル ジャン=パトリック・マンシェット ジグムント・ミウォシェフスキ ギョーム・ミッソ ベルナール・ミニエ レックス・ミラー リズ・ムーア レミギウシュ・ムルス アンドリュー・メイン ヴィクター・メソス ウォルター・モズリイ カルメン・モラ ピエテル・モリーン
  • バリー・ギフォード
    バリー・ギフォード Barry Gifford サザン・ナイツ・トリロジー ナイト・ピープル 1992 アライズ・アンド・ウォーク 1994 ベイビィ・キャット-フェイス 1995 長編小説 ワイルド・アット・ハート 1990 セイラーズ・ホリデイ 1991 ロスト・ハイウェイ 1997 評論 ケルアック ローレンス・リー共著 1978 ケルアックズタウン 1977 サローヤン伝説 ローレンス・リー共著 1984
  • ヴィクター・メソス Victor Methos
    ブラッドリー・ハーパー Bradley Harper 長編小説 弁護士ダニエル・ローリンズ 2018 関麻衣子訳
  • チョーク!
    チョーク! 題名:チョーク! 原題:Choke (2001) 作者:チャック・パラニューク Chuck Palahniuk 訳者:池田真紀子 発行:早川書房 2004.02.29 初版 価格:\2,300  『ファイト・クラブ』『サバイバー』『インヴィジブル・モンスターズ』と、すべてにおいて既存の小説という概念を打ち砕くやり方を通してきたパラニュークという天才。彼が新作を書く毎に、今度はどんな場所にどんな奇怪な塔を作り上げるのだろうか、という楽しみが増えてゆく。  奇怪な塔は最初は見えない。いつもジグソーパズルのピースのように部分をばらばらに発見することになる。それらの裏に出来上がる壮大な絵は、ピースだけからは想像もできなかったものであり、いつでもぼくらは予測を裏切られる。  すべては脳内のヴィジョンであるかのようなモノローグであるのに、世界...
  • アフター・ダーク
    アフター・ダーク アフター・ダーク 題名:アフター・ダーク 原題:After Dark (1955) 作者:Jim Thompson 訳者:三川基好 発行:扶桑社 2001.10.30 初版 価格:¥1,429  ジム・トンプスンはパルプ・フィクションというよう安手の三流犯罪小説の作家でありながら、その実、天才的な暗黒小説の作家としてアメリカの正統派ハードボイルドよりとしてではなくノワール生誕の国フランスで評価された作家だと言う。パルプ・ノワールという言葉が現在では適切かもしれない。  『死ぬほどいい女』や『残酷な夜』のラスト・シーンは通常の小説としてみれば、断裂があり破綻があり、あまりにも前衛的であり、読者をある意味で無視しきっているように見える。  実はトンプスンはその破綻・前衛によって、実のところB級パルプ・フィクションという位置ににとどま...
  • 警部ヴィスティング カタリーナ・コード
    警部ヴィスティング カタリーナ・コード 題名:警部ヴィスティング カタリーナ・コード 原題:Katharina-Koden (2017) 著者:ヨルン・リーエル・ホルスト Jorn Lier Horst 訳者:中谷友妃子訳 発行:小学館文庫 2020.2.11 初版 価格:¥1,000  人間に寄り添った小説、と巻末解説でミステリ評論家杉江松恋が書いている。ミステリ―国籍では珍しいノルウェイ。人口2万3千の地方都市ラルヴィクは著者の住む町でもある。ヒーローは初老の警部ヴィスティング警部。ジャーナリストの娘リーナは、組織的に対立に近い立場でありながら、作品の一方のヒロインでもある。  この地方都市にやって来たのは、出世頭であり冷血ぎみの手段を択ばぬ実績主義者の捜査官スティレル。鑑識技術の進歩により、27年前の未解決失踪事件の新たな証拠が出たという。ヴィ...
  • ヴードゥー・キャデラック
    ヴードゥー・キャデラック 題名:ヴードゥー・キャデラック 原題:Princess Naughty And The Voodoo Cadillac (2000) 作者:フレッド・ウィラード 訳者:黒原敏行 発行:文春文庫 2003.07.10 初版 価格:\943  バリー・ギフォードを思わせる。彼の超短編小説(あるいはエピソード)を積み重ねて創り上げたスタイルでありながら、ギフォードよりずっと主人公にこだわり、人間たちにこだわり、宗教にこだわらず、金と女には思い切りこだわる。ギフォードよりはほんの少しだけマトモ(?)な舵取りがなされた長編小説がこの『ヴードゥー・キャデラック』。  もちろんほとんどのキャラクターはクレイジーである。元CIAスパイ。傭兵の訓練隊長。カエルにそっくりな大金持ち。どこをとってもチープでガタのきた連中が大金の詰まったトランク...
  • ビター・ブラッド
    ビター・ブラッド 題名:ビター・ブラッド 作者:雫井脩介 発行:幻冬舎 2007.08.25 初版 価格:\1,700  『クローズド・ノート』のような素晴らしいミステリ外作品を発表した後に、またも『犯人に告ぐ』のような警察小説を書くことは大変なことだろう。ある意味、着想ありきの作家であるような印象が強まっている。『犯人に告ぐ』では「劇場型捜査」という新造語を生み出し、新しい警察小説の地平を切り拓いた。『クローズド・ノート』では、クローゼットから見つかったノートと、自分の生活を対比させながら、人生を見つめなおす感動の一瞬を演出する見事さが何より光った。  そう考えると、今、こうして警察小説に帰ってきた雫井脩介という作家が、ありきたりな作品を提供したのでは、ここまでこの作者の手腕に見事にやられてしまった読者としては、容易に満足するわけにはゆくまい。そ...
  • 弁護士ダニエル・ローリンズ
    弁護士ダニエル・ローリンズ 題名:弁護士ダニエル・ローリンズ 原題:A Gambler s Jury (2018) 著者:ヴィクター・メソス Victor Methos 訳者:関麻衣子 発行:早川文庫HM 2020.04.15 初版 価格:¥1,060  なんて素敵な小説なんだ? これは読み終わったときの感想でもあり、読んでいる途中の感覚でもある。そう、ミステリーのプロットのみならず、読んでいる時間が充実している小説なのだ。  軽妙な一人称文体による、ぱっとしない女性刑事弁護士の日常を活写しながら、重厚で手強いテーマへのチャレンジング精神豊かな、骨のある小説なのである。弁護士ヒロインの名前を邦題タイトルにしているので地味な印象を受けるが、映画されても素敵だろうなと思うくらい、ヒロイン以外にも忘れ難く味のある個性派キャラクターが脇を固める。  ...
  • ロンリー・ファイター
    ロンリー・ファイター 題名:ロンリー・ファイター 原題:BackSpin (1997) 著者:ハーラン・コーベン Harlan Coben 訳者:中津悠 発行:ハヤカワ文庫HM 1999.8.31 初版 価格:¥840  一二年前からの新人コーベン・ファンなので、新作の合間に古いマイロン・ボライター・シリーズを当たって読む。この作品もその一つ。だが、今回は少し趣が異なる。それは、二か月前に25年ぶりのシリーズ・スピンオフ『WIN』を読んだばかりだということ。その『WIN』は、マイロンの盟友である王子ウィンザー・ホーン・ロックウッド三世を主人公として25年後の2021年に刊行された準シリーズ作品。現在のウィンは40代となり、所有する不動産のマイロンの事務所であったオフィスは、秘書とスペースをウィンがそのまま別目的で使用しているが、ことあるごとにマイロンの不在を...
  • 偽りの目撃者
    偽りの目撃者 題名:偽りの目撃者 原題:Dropshot (1996) 著者:ハーラン・コーベン Harlan Coben 訳者:中津悠 発行:ハヤカワ文庫HM 1998.1.15 初版 価格:¥820  札幌読書会で取り上げて頂いて以来ハーラン・コーベンは全作読むに値するという強迫観念を抱いてしまったぼくは、最近の独立作品はもちろん、日本でコーベンとう作家が翻訳され始めた20年以上前の本シリーズにも今、中毒となりつつある。本作はマイロン・ボライター・シリーズのその第二作目。  シリーズ第一作『沈黙のメッセージ』でスポーツ・エージェントというあまり聞き覚えのない商売をしている主人公設定に驚いたのだが、読んでみるとロバート・クレイスばりの私立探偵型ハードボイルドであることに驚愕。  しかもシリーズ・キャラクターたちの個性も既に完成度が高く、第二...
  • ギャングスター・レッスン
    ギャングスター・レッスン ギャングスター・レッスン 題名:ギャングスター・レッスン 作者:垣根涼介 発行:徳間書店 2004.06.30 初版 価格:\1,700  いろいろな賞を受賞すると、一気に知名度が上がるから次の仕事が舞い込むのだろうと思う。嫌だといっても、文芸雑誌連載用の原稿にどうか書いてくださいと依頼されるのだろう。じっくり書きたいと断ってもしつこく編集の人に粘られるのだろう。  そういう意味では、今までになく早書きをしたなという印象のある本書は、『ヒート・アイランド』の続編である。前作の主人公アキは二十歳になり、プロの犯罪者チームの一員となる。もちろん前作で重要な役割を果たした柿沢と桃井のチーム、及川の抜けた後にアキが入り込むというエンディングをそのまま引き継いだ形になるのが本書である。  しかし文芸雑誌文化の功罪を強く感じさせる出...
  • 凶眼
    兇眼 作者:打海文三 発行:徳間書店 1996.11.30 初版 価格:\1,600  アーバン・リサーチのシリーズではある。このシリーズの特徴をここにきてようやく掴めてきた。要するにシリーズと言っても、常にゲストの個性がレギュラー陣と変わらぬ優遇を得るということだ。この主役を置かない複数主人公という設定になるシリーズにおいては、ゲストとは言え毎度、レギュラー以上の個性とロマンを与えられることになるのだ。 だからレギュラーを張るということは、逆にゲストの、過激と言えるほどの個性と常にバランスを取れるくらいの存在感を示さねば苦しいと言えるほどの打海世界なのである。鈴木ウネ子然り、佐竹然りである。 さらに言えるのはゲストといえどもいつレギュラー確保があるのか不明なほどの人材パラダイスが打海的世界なのである。最新作『愛と悔恨のカーニバル』では『されど修羅ゆ...
  • スキン・コレクター
    スキン・コレクター 題名:スキン・コレクター 原題:The Skin Collector (2014) 著者:ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver 訳者:池田真紀子 発行:文藝春秋 2015.10.15 初版 価格:¥2,350  リンカーン・ライム・シリーズもこれで11作。『ボーン・コレクター』に続く<コレクター>というタイトルなので、気になっていたのだが、やはり初代リンカーン・ライム登場篇となった『ボーン・コレクター』に誘拐され救出された少女パム・ウィロビーが成長して再登場するという点で、やはり関連付けはあった。そればかりか『ウォッチメイカー』の悪役を務めたリチャード・ローガンもまたこの作品のメインストーリーを縫うようにして存在感を見せてくれるので、シリーズ作品のサービスも充実した十字路的作品に仕上がっているように思う。  本書...
  • ノクターン
    ノクターン ノクターン 87分署シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫) ノクターン―87分署シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 題名:ノクターン 原題:Nocturne (1997) 著者:エド・マクベイン Ed McBain 訳者:高橋泰邦 発行:ハヤカワ・ミステリ 2000.5.31初版 価格:\1,100  今年は<87分署>シリーズの50作刊行を記念して早川書房はエド・マクベイン・イヤー! という企画を実施している。  この作品を皮切りに7月、11月とシリーズの翻訳出版が連続する。ホープ弁護士シリーズの方も、最終作が11月発売になるのだが、こちら<87分署>といえばこの人と言われる日本での研究家・直井明による<87分署>読本まで出版される。  娯楽小説に徹したペーパーバック・ライター=エド・マクベインの職人的サービス精神...
  • ソウル・コレクター
    ソウル・コレクター 題名:ソウル・コレクター 原題:The Broken Window (2008) 作者:ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver 訳者:池田真紀子 発行:文藝春秋 2009.10.30 初版 価格:\2,381  本シリーズを書くのに当たり作者は作者なりに毎作毎に毛色を変えようと努力している。その気配はわかる。でも毎作、毎作、楽しく読みはするものの、ディズニーランドで一日を楽しく過ごしたといった種類の喜びは覚えるものの、心に響き割ったり、いつまでも残ったりする満足感のようなものは、残念ながらこのシリーズからは得られることがなく、ここのところ食傷しており、惰性で読むことはやめようと思っている、というような感想に終始していた。  それを読んでか、もしくは『このミス』の投票者のすべてに対してなのか、文春海外小説の担当者が、...
  • シャッター・アイランド
    シャッター・アイランド 題名:シャッター・アイランド 原題:Shutter Island (2003) 作者:デニス・ルヘイン Dennis Lehane 訳者:加賀山卓朗 発行:早川書房 2003.12.15 初版 価格:\1900  『ミスティック・リバー』の二週間後に本書を読む。他のルヘインは知らない、というぼくのような読者の場合、両作品のあまりの趣味の違いに戸惑いを感じるであろう、ということなのだろうか。予め、作者の新境地であると聞かされていたせいもあるのかもしれないが、とりわけ当惑感はゼロであった。素材にミステリーやホラーの要素が散りばめられていて、『ミスティック……』よりもずっとエンターテインメント性が高いという部分を除けば、やはりこれはデニス・ルへインの文芸色豊かな、男と女の精神史の物語であり、やはりそこに現出するのは社会層のなかに滲み出...
  • ウォルター・モズリイ
    ウォルター・モズリイ Walter Mosley 黒人私立探偵イージー・ローリンズ・シリーズ ブルー・ドレスの女 1990 坂本憲一訳 赤い罠 1991 坂本憲一訳 ホワイト・バタフライ 1992 坂本憲一訳 ブラック・ベティ 1994 坂本憲一訳 イエロードッグ・ブルース 1996 坂本憲一訳 長編小説 流れは、いつか海へと 2018 田村義進訳
  • ウインター・ホーク
    ウインター・ホーク 題名:ウインター・ホーク (上・下) 原題:Winter hawk (1987) 作者:クレイグ・トーマス Craig Thomas 訳者:矢島京子 発行 扶桑社ミステリー 1990.2.23 初版 1991.4.25 上/第5刷 下/第4刷 価格 上\660(\641)下\600(\583)  さてこの作品の方はすごく口込みの評価は低いのだが、 果たしてこの主人公が 『ファイアフォックス』シリーズのミッチェル・ガントでなかったら、どうであったろうか? ぼく個人としてはこの小説だって文句無しに優れものだと思う。中でもソ連の中でガントと同じ目的に向かう運命にあるドミトリー・プリャービンという男のこの小説での活躍ぶりは素晴らしかった。ミサイル・サイロでのラスト・シーンはぼくには忘れられなくなりそうな名シーンでもある。なぜこういう名シーン...
  • ピーター・ブローナー
    ピーター・ブローナー Peter Blauner 長編小説 欲望の街 1991 白石 朗訳 カジノ・ムーン 1994 岡田葉子訳 侵入者 イントルーダー 1996 白石 朗訳 一瞬の英雄 1999 服部清美訳
  • クレアが死んでいる
    クレアが死んでいる クレアが死んでいる (ハヤカワ・ミステリ文庫 13-15 87分署シリーズ) クレアが死んでいる〈87分署シリーズ〉 (1962年) (世界ミステリシリーズ) クレアが死んでいる (1978年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 題名:クレアが死んでいる 原題:Lady,Lady,I Did It! (1961) 著者:エド・マクベイン Ed McBain 訳者:加島祥造 発行:ハヤカワ文庫HM 1978.09.15 1刷  この本の後書きによると、作者のマクベインはシリーズ第四作『麻薬密売人』において刑事スティーブ・キャレラを殺そうとしたらしい。ところが出版社のほうがこれにクレームをつけ、ヒーローのキャレラを殺さないようにということになった。マクベインにとっては当初キャレラは主役ではなかったという内幕話である。しかしヒーローが死ななく...
  • 禍根(検屍官シリーズ)
    禍根(検屍官シリーズ) 題名:標的 上/下 原題:Flesh And Blood (2014) 作者:パトリシア・コーンウェル Patricia Cornwell 訳者:池田真紀子 発行:講談社文庫 2015.12.21 初版 価格:各\1,250-  何年も読んでいない時期があって、それを少しずつ読み始めて、やっと最新作に追いついた。読んでみれば、なるほど読み進むシリーズである。何年もブランクがありながら、シリーズ・レギュラーは、マリーノ、ベントン、ルーシーの三人くらいで、しかもヒロイン、ケイ・スカーペッタは、あまりにも個性的な彼らと非常に強固な運命共同体を作っているので、人間関係問題についてはこの四人の間だけがずっと続いていてわかりやすいシリーズなのだと言える。シリーズを中断したけれど、時間を置いてひさびさに手に取りたいという読者には安心のシリーズで...
  • シンメトリー
    シンメトリー 題名:シンメトリー 作者:誉田哲也 発行:光文社 2008.02.25 初版 価格:\1,500  実際に、購入して手に取るまでは、この本が短編集だとはわからなかった。帯やタイトルでそのことの記述がないことに、版元に対する消費者側としての若干の不審の念を抱くが、これは小説家の責任ではない。  短編集と言っても、いずれも姫川玲子をヒロインとしたシリーズものである。『ストロベリー・ナイト』『ソウルケイジ』に続き、一年一作くらいのペースで長丁場が期待できるシリーズとなることを願うが、こうした短編を書いている様子から見ると、作者は時間をかけてヒロインやバイブレーターたちのキャラや歴史を固めているのだろう。  2004年10月から2008年1月までの短編集が収められているのを見れば、姫川玲子というキャラは、もう4年も前から登場していた...
  • 死のオブジェ
    死のオブジェ 題名:死のオブジェ 原題:Killing Critics (1996) 作者:キャロル・オコンネル Carol O Connell 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2001.08.31 初刷 価格:\980  本シリーズの最大の魅力は、もちろんヒロイン、マロリーの強烈な個性である。マイクル・コナリーのシリーズ・ヒーローであるハリー・ボッシュがなかなか自分の出自を明かさなかったように、マロリーもまた、その正体が掴みきれない。謎に満ちたマロリーの少女時代は、作品を重ねるごとに徐々にそのベールを剥がされてゆく。  本書ではストリート・チルドレンとして拾われる以前のマロリーに関する記述がなされている。奇想に満ちた錯綜のプロットの担い手であるキャロル・オコンネルは、大仰な表現による意味深げな語り口で読者を釣り出そうとする傾向が顕著である。...
  • アイム・トラベリング・アローン
    アイム・トラベリング・アローン 題名:アイム・トラベリング・アローン <オスロ警察殺人捜査課特別班> 原題:I m Traveling Alone (2013) 著者:サムエル・ビョルク Samuel Bjork 訳者:中谷友妃子訳 発行:ディスカヴァー文庫 2019.3.30 初版 価格:¥1,600  しっかりしたキャラクター作りは、今や北欧ミステリーの一番のセールスポイントではないだろうか。特に長期シリーズを見据えた作品作りに取りかかる時、作り手である作家は、綿密な経歴書をキャラクター毎に作ることを余儀なくされるだろう。日本の出版事情の場合、新人作家がシリーズに取り組もうとすると、まずは一作目が好評で売れ行きが十分であることが確認されなければならないだろう。そうでなければ続編を作ることはまだリスキーと判断されるだろう。しかし、慎重派の日本出版時事情とは...
  • 天使と罪の街
    天使と罪の街 題名:天使と罪の街 上/下 原題:The Narrows (2004) 作者:マイクル・コナリー Michael Connelly 訳者:古沢嘉通 発行:講談社文庫 2006.8.11 初刷 価格:各\648  作者がシリーズ主人公に死の運命を課すのはそれなりに苦しいに違いない。場合によっては主人公ではなくても、レギュラー・キャラクターの死にだって痛みを感じることだろう。キャラクターの創造主は、あくまで作家であるからだ。  なかでも、コナリーにとって、テリー・マッケイレブの命の重さは並みのものではなかったと思う。読者にとってもそれは同じだ。かつて心臓を病み、その命を殺人事件の犠牲者の心臓の移植によって永らえた男。その命をもたらした殺人事件の闇の奥をまさぐり、真相にタッチした男。  そういう魅力的なキャラクターのかけがえのない...
  • ボーン・コレクター
    ボーン・コレクター ボーン・コレクター ボーン・コレクター 上 (文春文庫) ボーン・コレクター 下 (文春文庫) 題名:ボーン・コレクター 原題:The Bone Collector (1997) 作者:Jeffrey Deaver 訳者:池田真紀子 発行:文藝春秋 1999.9.20 初版 価格:\1857  リンカーン・ライム。なんと言ってもリンカーン・ライムに尽きる。首から上、そして左手薬指一本しか動かない重度障害者が事件に挑む。ど肝を抜く設定。タイトルの『ボーン・コレクター』が霞むくらいの異常な存在。異常なプロット。よくぞ、ディーヴァーよ、やらかしてくれたと喝采気分の一冊である。  リンカーン・ライムは元鑑識課員の重度障害者であり、希望を失った自殺志願者であり、そして何よりも誇り高き男であり、切れに切れる天才的捜査官でもある。そして彼...
  • ベスト・アメリカン・ミステリ ハーレム・ノクターン
    ベスト・アメリカン・ミステリ ハーレム・ノクターン ベスト・アメリカン・ミステリ ハーレム・ノクターン (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 題名:ベスト・アメリカン・ミステリ ハーレム・ノクターン 原題:The Best American Mystery Stories 2002(2002) 編者:ジェイムス・エルロイ&オットー・ペンズラー編 James Ellroy, Otto Penzler 訳者:木村二郎、古沢嘉通、他 発行:ハヤカワ・ミステリ 2005.3.15 初版 価格:\1,900  アメリカの短編小説が翻訳される機会は非常に少ないと思う。もしかしたらアメリカ人は短編小説なんて書かないんじゃないか、と錯覚を起こしそうになってしまう。  ぼくがアメリカの短編小説をとても面白いと感じたのは、近年ではローレンス・ブロックの『おかしなことを聞くね』...
  • ノー・セカンドチャンス
    唇を閉ざせ 題名:唇を閉ざせ 原題:Tell No One (2001) 著者:ハーラン・コーベン Harlan Coben 訳者:佐藤耕士 発行:講談社文庫 2002.10.15 初版 価格:上下各¥990 コーベンのノン・シリーズ翻訳作品第一作は、軽ハードボイルド・タッチのマイロン・ボライター・シリーズとは趣きを変えた、重厚なノンストップ・バイオレンス・スリラー。  山と湖の自然とギャングの横行するストリートのどちらもが舞台となる、ニューヨークの隣町ニュージャージーは、作者の生まれ育った土地らしく、生き生きと活写されている。人も街も生命感たっぷりで、お洒落だったり猥雑だったりの変化に富んでいる辺りは物語を豊かにしているように思われる。  本書は8年前の殺人事件で犠牲なっていたはずの愛妻が、主人公である小児科医師の周辺に現れるという奇妙...
  • 標的(検屍官シリーズ)
    標的 [429] Client error `POST https //webservices.amazon.co.jp/paapi5/getitems` resulted in a `429 Too Many Requests` response { __type com.amazon.paapi5#TooManyRequestsException , Errors [{ Code TooManyRequests , Message The request was de (truncated...) 題名:標的 上/下 原題:Flesh And Blood (2014) 作者:パトリシア・コーンウェル Patricia Cornwell 訳者:池田真紀子 発行:講談社文庫 2015.12.21 初版 価格:各\1,250-  何年も読...
  • ピーター・ドイル Peter Doyle
    ピーター・ドイル Peter Doyle 長編 有り金をぶちこめ 1996 佐藤耕士
  • たとえ天が墜ちようとも
    たとえ天が墜ちようとも 題名:たとえ天が墜ちようとも 原題:The Heavens May Fall (2016) 著者:アレン・エスケンス Allen Eskens 訳者:務台夏子 発行:創元推理文庫 2020.09.25 初版 価格:¥1,180  状況設定が凄い。前作『償いの雪が降る』では、若き大学生ジョー・タルバートの眼を通して、ヴェトナム戦争を引きずる余命幾ばくもない三十年前の殺人事件の容疑者の真実を探るという作業のさなか、ジョー自身やそのガールフレンドであるライラ・ナッシュを襲うハードな運命と歴史の闇が彼らに試練と経験を与えることになった。  前作でも登場の刑事マックス・ルパートと弁護士ボーディ・サンデンは、彼らがダブル主人公として実に印象深い活躍をする本作に限らず、その後のアレン・エスケンス作品にはおなじみのメンバーともどもそれぞれレギ...
  • 闇夜に惑う二月
    闇夜に惑う二月 題名:闇夜に惑う二月 原題:February's Son (2019) 著者:アラン・パークス Alan Parks 訳者:吉野弘人 発行:ハヤカワ文庫HM 2023.10.25 初版 価格:¥1,600  ダーティな訳あり刑事ハリー・マッコイを主役としたシリーズの第二作早くも登場である。お次の第三作も既に出版されたばかりなので、遅れを取っているぼくは慌てて本作を手に取る。500ページを超える長尺の作品だが、スタートからぐいぐい牽引される、心地良いまでの読みやすさだった。  アナーキーな印象の刑事マッコイに、年下なのに面倒見の良いワッティー、上司にはタフでハードでおっかないのだがどうにも面倒見の良いマレーという捜査トリオがとにかく良い。前作を引き継いで読んでゆくとレギュラー出演組の個性がそのまま増幅されるほどにシリーズの魅力...
  • ゴーストライター
    ゴーストライター 題名:ゴーストライター 原題:It Happens In The Dark (2013) 著者:キャロル・オコンネル Carol O Connelle 訳者:務台夏子訳 発行:創元推理文庫 2019.3.15 初版 価格:¥1,480  氷の天使キャシー・マロリーのシリーズ最新作。実は、前々作『ルート66』感動の最終章を境に、確実に我らが美しきソシオパス刑事マロリーは、変化を遂げたように思う。  機械の如く無感情に見える彼女の中で何かが少しだけ変わった。ほんの片鱗に過ぎないかもしれないが、ある種の愛情に近いもの、優しさ、女性らしさのようなものが加わってきたように、ぼくには思えてならない。  そんなものはおくびにも出さないという不愛想さは、無論かつてのままである。どう見ても、常時、鋼鉄の鎧で武装しているように見える。ホルスター...
  • ジェフリー・ディーヴァー
    ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver リンカーン・ライム・シリーズ ボーン・コレクター 1997 池田真紀子訳 コフィン・ダンサー 1998 池田真紀子訳 エンプティー・チェア 2000 池田真紀子訳 石の猿 2002 池田真紀子訳 魔術師(イリュージョニスト) 2003 池田真紀子訳 12番目のカード 2005 池田真紀子訳 ウォッチメーカー 2007 池田真紀子訳 ソウル・コレクター 2008 池田真紀子訳 バーニング・ワイヤー 2010 池田真紀子訳 ゴースト・スナイパー 2013 池田真紀子訳 スキン・コレクター 2014 池田真紀子訳 スティール・キス 2016 池田真紀子訳 ブラック・スクリーム 2017 池田真紀子訳 カッティング・エッジ 2018 池田真紀子訳 真夜中の密室 2022 池田真紀子訳 キャサリン・ダンス・シリーズ スリーピング・ドール...
  • なぎらツイスター
    なぎらツイスター 題名:なぎら☆ツイスター 作者:戸梶圭太 発行:角川書店 2001.6.30 初版 価格:\1600  『ギャングスター・ドライブ』に続く戸梶風味ドタバタ・ヤクザ・アクションの第二弾とでも言うべきか。群馬県にある那木良町という片田舎の町に都会のヤクザ二人が一千万円を抱えて失踪した部下二人の消息を求めて訪れるシーンから物語は始まる。なんだかこたえられないスタートっぷりだ。  『Twelve Forces』でたっぷりと見せてくれたキャラクター作りが、本書ではまたまた爆発している。少しだけずれているだけにけっこうリアルで可笑しい奇人たち。この作家が大学で心理学を専攻していたというわけではないのだろうが、彼らの心理描写が実に客観的に見ていて可笑しく、悲しく、笑える。  地に堕ちたようなちっぽけな欲望を巻き散らかす男たちと、ヤクザとい...
  • 続・用心棒
    続・用心棒 題名:続・用心棒 原題:The Hard Stuff(2019) 作者:デイヴィッド・ゴードン David Gordon 訳者:青木千鶴 発行:ハヤカワ・ミステリ 2021.4.15日 初版 価格:¥1,900  『用心棒』というだけで怪しげな邦題のジョー・ブロディ・シリーズ第二作。『続・用心棒』とは、何だか昔の時代劇映画みたいだ。マカロニ・ウェスタンの『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』が「続」とか「新」とか、まるで別の作品なのに、タイトルで売れっ子俳優クリント・イーストウッドの二番煎じ三番煎じを狙ったという当時の映画界事情が思い浮かぶ。  いかがわしさ満載のこの作品は、あの毒々しい当時の映画看板を思い出させ、何だか汗臭く、昭和っぽく、やたらと懐かしい。ぼくは仕方なく、C・イーストウッドのイメージでジョーを思い描くことにしています。 ...
  • 終わりのないブルーズ
    終わりのないブルーズ 題名:終わりのないブルーズ 原題:Robbers (2000) 作者:クリストファー・クック Cristopher Cook 訳者:奥田祐士 発行:ヴィレッジブックス 2002.02.20 初版 価格:\900  長い長いロード・ノヴェル。でも旅は全然終わらない。エディはブルーズをプレイし続け、その演奏はやむことがない。時計を巻き忘れたような世界、アメリカの病葉とも言うべき、イースト・テキサスを舞台に、無意味な殺しを重ねるアウトローと、追跡者たちとのそれぞれの道ゆきを、重量感たっぷりに描き出した非常に読みごたえのある一冊。ぼくはこういう作品にはとことん目がないのだ。まいった。  「ふたりのナチュラル・ボーン・キラー」と帯にあるようにエディとレイ・ボブは刹那的な殺しを続ける。これを追うのが、理由のない疲労を抱えてどこか病んでい...
  • 神のこどもたちはみな踊る
    神の子どもたちはみな踊る 神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫) 神の子どもたちはみな踊る 題名 神の子どもたちはみな踊る 作者 村上春樹 発行 新潮社 2000.2.25 初版 価格 \1,300  阪神淡路大震災からはや5年。村上春樹が喫茶店を経営していたあの神戸を襲った地震をキイワードに、作家は連作短編を書いた。連作と呼べるほどの繋がりは確かにほとんどない。どうしてこれらの物語を一つの地震というキイワードで結びつけなければいけなかったのかはまったくの謎である。  でも村上春樹が90年代後半に確かに変わったのは、彼の目が歴史的な事実に向けられ始めたときのこと。徹底して、それこそ鼻につくほどの個人主義とエゴイズムの文学であった彼の作品に歴史的事実が舞い込み始めたのは『ねじまき鳥クロニクル』。  続いてこれ以上ないと言えるほどに有名な死刑囚ゲイリ...
  • 無実
    無実 題名:無実 上/下 原題:The Innocent Man (2006) 作者:ジョン・グリシャム John Grisham 訳者:白石 朗 発行:ゴマ文庫 2008.03.10 初版 価格:各\762  グリシャムによる最初で最後のノンフィクションらしい。最後の、というのは、グリシャム自信がこれからはフィクションしか書かないとあとがきで書いているからだ。  グリシャムがノンフィクションを書こうと思い立ったきっかけは、ある犯罪裁判のニュースに触れたことがきっかけである。何が作家をして膨大な調査作業に駆り立てたのかわからない。彼は、数時間のうちに主だった関係者に連絡を取り、その後、関係する場所に飛び、多くの事件関係者にインタビューを試みる。とにかく小説とは違った種類の労力を惜しげもなく駆使して、彼は一本のノンフィクション大作に仕上げた。そし...
  • 唇を閉ざせ
    唇を閉ざせ 題名:唇を閉ざせ 上/下 原題:Tell No One (2001) 著者:ハーラン・コーベン Harlan Coben 訳者:加藤耕士 発行:講談社文庫 2002.10.15 初版 価格:各¥990  コーベンのノン・シリーズ翻訳作品第一作は、軽ハードボイルド・タッチのマイロン・ボライター・シリーズとは趣きを変えた、重厚なノンストップ・バイオレンス・スリラー。  山と湖の自然とギャングの横行するストリートのどちらもが舞台となる、ニューヨークの隣町ニュージャージーは、作者の生まれ育った土地らしく、生き生きと活写されている。人も街も生命感たっぷりで、お洒落だったり猥雑だったりの変化に富んでいる辺りは物語を豊かにしているように思われる。  本書は8年前の殺人事件で犠牲なっていたはずの愛妻が、主人公である小児科医師の周辺に現れるとい...
  • 白夜の警官 BLACKOUT
    白夜の警官 BLACKOUT 題名:白夜の警官 BLACKOUT 原題:Myrknaetti (2012) 著者:ラグナル・ヨナソン Ragnar Jonasson 訳者:吉田薫訳 発行:小学館文庫 2019.03.11 初版 価格:¥770   読み始めたら止まらないというのも、北欧ミステリの特徴なのかもしれない。本シリーズはアイスランド語から英語に訳されたものを日本語に訳した後、ようやく、ぼくら日本人の手に渡るという経路を辿るが、英訳化した出版社が、何とも頼りないことに、キンドル首位として有名になった作品から英語訳してしまったために、第一作→第五作→第二作と順番を前後させてしまい、シリーズとしての面白さを著しく損ねている。アイスランド語翻訳者が日本では希少なため、英語版からの邦訳となるから、英語圏出版社の通りの順番で書店に出回っているのが現状。作者...
  • ネヴァー・ゲーム
    ネヴァー・ゲーム 題名:ネヴァー・ゲーム 原題:The Never Game (2019) 著者:ジェフリー・ディーヴァー Jeffery Deaver 訳者:池田真紀子 発行:文藝春秋 2020.9.25 初版 価格:¥2,500  リンカーン・ライム・シリーズの幕開けとなる『ボーン・コレクター』は、思えばズキュンと胸を撃つ類いの作品であった。捜査官ライムの身体的設定にせよ、ただものではない悪党にせよ、絶妙なストーリーテリングにせよ!  実はライム・シリーズの前から、ディーヴァー作品には、ぼくは少なからずこだわっていた。『眠れぬイヴのために』『静寂の叫び』など単発作品の強い印象である。そこに来てこの『ボーン・コレクター』。ディーヴァー作品は、どれもスリリングで先が読めない。出版された途端にすぐに手に取り読んでゆく時代が僕の中で続く。翻訳されたものは...
  • スウェーディッシュ・ブーツ
    スウェーディッシュ・ブーツ 題名:スウェーディッシュ・ブーツ 原題:Svenska gummistövlar (2015) 著者:ヘニング・マンケル Henning Mankell 訳者:柳沢由美子 発行:東京創元社 2023.4.14 初版 価格:¥2,600  マンケル作品として個人的には初となる『イタリアン・シューズ』を読んでから5年。スウェーデン・ミステリーの代表格的存在である刑事ヴァランダー・シリーズは第一作と最終作しか何故か読んでいないという体たらくでお恥ずかしい限りなのだが、作者の遺作となる本作は『イタリアン・シューズ』とセット作と言いながら、さらに厚みを増して、なおかつ描写の丁寧さ、深さを考えると人生を振り返る作者と本作の主人公フレドリック・ヴェリーンは、分身ではないかと推察される。しかし、ヘニング・マンケルには『流砂』というノンフィクションの...
  • ハリウッド・ノクターン
    ハリウッド・ノクターン 題名:ハリウッド・ノクターン 原題:Hollywood Nocturnes (1994) 著者:ジェイムズ・エルロイ James Ellroy 訳者:田村義進 発行:文藝春秋 1997.01.20 初版 価格:各\2,400(本体\2,330)  LAシリーズは、その読者にとってはある種、終わってしまった祭り、もしくは吹き過ぎて行った狂気の疾風……であると思う。多くの血が流れ、多くの真実が闇の中に埋もれて行ったが、未だに熱っぽさの残る物語として、ぼくたちの生涯にどこかで疼き続けてゆくように思えてならない。  LAシリーズのあの悪夢と情念の日々。死んでいった多くの取り憑かれた男たち。彼らが作者の分身であることは、この作者の本を読めば読むほど確信に近くなってゆく。異常な過去に彩られた狂気の半生の後に開始された作家活動と...
  • 三秒間の死角
    三秒間の死角 題名:三秒間の死角 上/下 原題:Tre Sekunder (2009) 著者:アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ Anders Roslund Borge HellstStrom 訳者:ヘレンハルメ美穂訳 発行:角川文庫 2013.10.25 初版 価格:各¥840  本書は、『制裁』『ボックス21』『死刑囚』『地下道の女』に続くエーヴェルト・グレーンス警部シリーズの5作目であり、ある種の到達点となる作品である。それぞれの作品はそれぞれに異なる事件を扱っているものの、シリーズ全体がグレーンス警部を中心とした人生ヒストリーとなっているため、物語を動かす人間たちにも重点を置いて読みたい方は、どうか最初から順にお読み頂きたい。  かつてランダムハウス社から出されていた三作は同社倒産による長い絶版の後、『熊と踊れ』が大...
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