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    <title>ドリームチームが犯罪者を追い詰める... @ まとめWiki</title>
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    <description>ドリームチームが犯罪者を追い詰める... @ まとめWiki</description>

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    <title>ゲスト一覧</title>
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    <description>
      **エピソード＃0「ツーリスト～旅する死神～」
（人物名）不明
（人物説明）‘トマホーク’　連続殺人鬼
（簡単な経歴）二週間ばかりで、三つの州を股にかけ手斧で１４人を殺害した犯人。
　　　　被害者の血のついた手斧を所持していた。
　　　　気が少々狂っており、少女を人質にビルの屋上にハーパーと対面した。
　　　　しかし目的は、自分の物語を作るために射殺されることであった。
　　　　そのはずだったが、狂気の源の手斧を銃弾で粉砕されＬＡＰＤに逮捕される。
現地警察は同一人物だと判定したのはたった３日前だったので、ハーパーの課題となった。

**経済関係者が連続して殺害される話(仮)
(人物名)テリー・ヴィルヘルム・ボイジャー 
・やり手の女社長だったが重役と対立し記者を解任。 
・その後は事業も次々失敗し資金も持ち逃げされる。 
・母親が自殺し、さらに2回離婚。 
数十ヶ月前にNYで狙撃され、左胸を貫通し即死。 

**正式名称未定
（人物名）スザンナ・シェパード 
（人物説明）代理母　犯人 
（簡単な経歴）ある実業家一家の長男夫婦の仲介業者を介して代理母を依頼された 
　　しかし、重度の麻薬中毒が後で判明したが、胎児を人質に長男夫婦を脅迫 
　　妊娠中は麻薬に手をつけない代わりに大金を要求した 
　　長男夫婦は条件をのみ、子どもは無事に生まれた。スザンナは疾走、行方をくらませた 
　　以上が17年前に出来事である 
　　17年後、長女を誘拐。大金を要求した 
　　長女に対し、「ママ」と呼ぶことを強要するなど歪んだ愛情をもっている 
　　長男夫婦を不幸のどん底に突き落とそうと企んでいる 
　　実は、長男夫婦の失脚をもくろむ姉夫婦と裏でつながっている 


（人物名）ジェイラス・S・フェザー 
（人物説明）ある保険会社重役　犯人 
（簡単な経歴）ある保険会社重役 
　　重度のセックス依存症患者。スザンナとは改善セラピーに知り合った 
　　顧客の家族に対し、性的関係を持ちかけていた 
　　スザンナに頼まれ長女に性的暴行を加えようとする 
　　「警察やFBIなど怖くない！」と念仏のように呟く 


（人物名）ダニー・アトリー 
（人物説明）LAPD勤務の警官　犯人 
（簡単な経歴）LAPD勤務の警官 
　　人が死ぬところが見たいという異常な趣味がある 
　　スザンネに対し、警察の内部情報を教えていた 
　　最終的に衝動を抑えられず長女をガソリンで焼死させようとする 

**正式名称未定

（人物名）ポール・メイ、ロニー・リビングストン、ウィリアムズ・ セバリー 
（人物説明）一家惨殺事件犯人 
（簡単な経歴）8年前に休暇で別荘に来ていた一家を惨殺した犯人たち 
　　主犯格はポール 
　　とくに動機もなく楽しみで人を殺した 
　　未解決の事件だったが、8年後にロニー、ウィリアムズが相次いで殺される 


（人物名）リナ・エリオット(偽名)/クリスティーナ・パーソン(本名) 
（人物説明）一家惨殺事件被害者遺族　犯人 
（簡単な経歴）ロニー、ウィリアムズを殺した犯人 
　　実は、8年前に起こった一家惨殺事件の唯一の生存者であった次女である 
　　事件の後、名前を変え復讐のために3人に近付いた 
　　自分の中では“復讐が終わるまであのときの休暇は終わらない”という意味を込めて、 
　　犯行現場に「Endless holidays（終わらない休暇)」と書いていた 

**正式名称未定

（人物名）マシュー・イノー・グリント 
（人物説明）犯人/医者 
（簡単な説明）２０代後半の医者。誠実そうな外見だが、２人の女性と関係を持 
　　　　　　　っていた。そんな折、院長の娘との婚約が決まり、関係のあった 
　　　　　　　女性両方に別れを提案するもだが、一方の女性に脅され、睡眠薬 
　　　　　　　で自殺に見せかけて殺害した。さらにもう一方の女性も“念のため” 
　　　　　　　にコンクリートブロックで足を繋ぎ海に沈めた(女性は意識不明の重体で発見） 
　　　　　　　さらに、アリバイ作りに雇った背格好の似た男を口封じに絞殺する 
　　　　　　　目的のためなら手段を選ばないことから、ソフィアからは「ブレーキの壊れた機関車」 
　　　　　　　チャールズからは「抑えの利かない獣」と例えられた 
            「論理的に~」「物理的に~」が口癖らしく、何度も使う 

**正式名称未定
（人物名）エリサ・マイルズ
（人物説明）ルイの見合い相手、被害者
（簡単な経歴）ルイの見合い相手。&quot;結構いいところの令嬢&quot;らしい
　　ルイの両親が(ルイに内緒で)セッティングした。ルイと一緒に拉致されて死にかける
　　今まで親に言われるがままだったからか自分の考えをほとんど持っていない
    やや天然気味    </description>
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    <title>ツーリストpage5</title>
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    <description>
      本部への再上申からベックマンとハーパーが足早に戻ってきた。 
「諸君！これより『旅人』に関する捜査は、ＦＢＩ本部によって行われることになった。 
これにより我々のこの非公式なチームは……」 
ここでベックマンは「チームだよな？オレたちは……」と言って一時表情を和らげた。 
「……『ヨルダン川の辺』に関するデータも含む、総ての捜査資料を本部の捜査チームに引き継いで解散ということになる」 
「えーーーっ！？」 
即座にキャリーが不満の声を上げた。 
「これまで私たちが追っかけてきたっていうのにー？！」 
「仕方ないんだキャリー」 
ベックマンに代わり説得を買って出たのはハーパーだった。 
「これまで『旅人』は殺人現場から次の殺人に使う凶器を持ち去ってきた。 
そしてモーガン殺しの現場から持ち去られたのは、空気感染能力をもつレストン株に、遺伝子操作によって人への致死性を付与した、いわばスーパー・レストン株だ」 
「あなたの気持ち判るけど……でもハーパーの言う通りよ」 
そうは言いながらも、エミーの口ぶりもどこか残念そうだった。 
「スーパー・レストンが凶器に使われたら、殺人のターゲットそのものは特定の誰かだとしても、結果は不特定多数を巻きこむバイオテロになっちゃうんだから」 
「ありがとうエミー、ハーパーくん」 
すまなそうに言うベックマンの表情にも、他の皆と同じ感情が見て取れる。 
「もうこの事件は、ただのシリアルキラー捜査ではなくなってしまった。例のディミトリィ・ノラスコが所属するＨＲＴにも既に臨戦態勢での待機命令がだされている。 
ＣＤＣはもちろんのこと、国家非常事態省やホワイトハウスにも連絡がゆくだろう。 
軍の対ＮＢＣ戦部隊にも連絡がいくだろう。軍の対ＮＢＣ戦部隊だって出て来るかもしれない」 
すると……いつのまにか彼の定位置になっていたパソコン前の椅子で、クリスが遠慮勝ちに手を上げた。 
「あの……ですね。おそらく僕は掲示板からの追跡を続けろって指示を貰うことになると思うんですよ。…でもって、エミーとキャリーはここクワンティコで待機ってとこかなと…。プリスキン刑事はもちろんニューヨークに戻ると……。 
で、ベックマンさんとハーパーさんはどうなるんですか？」 
困ったような顔でベックマンはハーパーの顔を見た。 
肩をすくめてそれに応えると、ハーパーはクリスだけでなく、エミーやキャリーにも向かって口を開いた。 
「我々二人は、それぞれの担当エリアに戻り、通常の活動に復帰するよう指示されている」 
クリスは鼻柱に皺を寄せて天井を仰ぎ、エミーは逆に床へと視線を落とした。 
ハムスター女だけは、黙っていることができなかった。 
「そ、そんなのってないですー！」 
ハムスターがトラのように叫んだ。 
「これまで『旅人』を追いかけてたのはハーパーさんとベックマンさんなのに！前に上申したときは相手にもしてくんなかったのに！こんどは、オマエもういいから引っ込んでろって言うんですかーー！？」 
「……オ、オマエら？オマエらって、オレたちのことか？？」 
ベックマンは苦笑し、ハーパーはゲラゲラ笑い出した。 
「あの、あのあのあの……別に私、お二人のことをオマエなんてお呼びしてつもりは……」 
「判ってる。判ってるさ。キミの言いたいことは」 
青くなったり赤くなったりオロオロするキャリーを宥めると、ハーパーは彼女に手を差し出した。 
戸惑いながらもキャリーがそれを握り返すと、ハーパーは順にクリス、エミー、ソフィアと握手を交わしていった。 
「ありがとう皆、短い時間だったが、とてもいいチームだったと思うよ」 
「お！？私とも握手してくれるのかな？」 
差し出されたハーパーの手に驚いたようにそう言うと、慌ててロレンツォはズボンで手を拭いた。 
「……ありがとうございます」 
あくまでクールに、ソフィアは握手を交わした。 
「とても勉強になりました。これからも……」 
「此処に来ないか？」 
「え？」 
「君は管轄の狭い州警よりも、こっちの方が合ってるような気がするな。その気があるなら待ってるぞ」 
「…………………考えさせてください」 
そして、ハーパーに続いて全員が全員と握手を交わし、この臨時捜査チームは「発展的に」解散をしたのだった。 

　ハーパーらから「旅人」捜査を引き継いだＦＢＩ本部の動きは、さすがに速かった。 
クリストファー・ウィンフィールドも引き続き参加したＩＴ犯罪捜査班は掲示板書き込み者を追跡し、「旅人」の次のターゲットを特定しようと努めていた。 
一方、これと並行して掲示板書き込み者の生死確認も行われ、ハーパーらの捜査ではあぶり出されなかった殺人も見つけだされた。 
その結果、「ＨＮの頭文字を連ねると黙示録の四騎士になる」というロレンツォ説の正しさが立証。 
ＦＢＩ本部は「旅人」の次のターゲットを、ＨＮがＥで始まる掲示板書き込み者４人に絞り込んだ。 
プロバイダーに圧力が加えられ、４人全員の住所と氏名を直ちに特定。 
それは、さすがというより他にないＦＢＩの組織力による成果であり、ＦＢＩ上層部も「旅人」捕捉は時間の問題と、考えはじめていた。 

ただ一人、クリストファー・ウィンフィールドを除いては……。 
（ホントに大丈夫なのか？！） 
心に湧きおこる不安にかられて、クリスは自分のブースで立ち上がった。 
「旅人」は、クリスがやったのと同じようなやり方で、獲物の個人情報を得ていたにちがいない。 
そう考えたＦＢＩ上層部は、「旅人」狩りにＩＴ犯罪捜査班を投入した。 
クリスの見渡す室内には、見渡す限りパーテーションで区切られた小ブースが並んでいた。 
パチパチと音がするだけのその一つ一つに、パソコン一台と捜査員一名が配置されており、ネット上から「旅人」の足取りを追いかけているのだ。 
（呆れるほどの組織力だな。人権もプライヴァシーもあったもんじゃないね。でも…） 
クリスの心には、ある暗い確信が根を張っていた。 
（ＦＢＩ本部は「見えない」と思って「ヨルダン川の辺」を土足で踏み荒らしてる。だけど……） 
……バキッ！ 
（……「旅人」が気づかないなんてこと、あるはずがない！） 
気づかぬうちに、クリスは手にしたポールペンをへし折ってしまっていた。 
（こんなとき、あの社長なら、どうするだろう……） 

同じころ、クリス・ウィンフィールドの覚えた不安と呼応するかのように……… 

「……………………」 
ただ黙したまま、男は携帯を閉じた。 
口元に浮かぶ酷薄な笑み。 
彼には総て予想の範囲だった。 
連続殺人に気付いた者の最初にぶつかる壁が「獲物の選定方法」。 
「ヨルダン川の辺」の掲示板が獲物の「選択場」であることに気づいた場合、追跡の手もネット上からかかるだろう。 
だから……「ヨルダン川の辺」を監視していれば、「敵」の捜査の進捗状況を察知することができるだろう。 
技術的なことや、難しいことはなにも必要ない。 
ただ「ヨルダン川の辺」の来客数を見ればいいのだ。 
「ヨルダン川の辺」は、極マイナーなＨＰだ。 
歴史だってそんなに長いわけでもない。 
だから来客数の伸びもごく微々たるペースであって、一日の来客数が０の場合だって特に珍しくは無かった。 
ところが……ロバート・モーガンを殺した翌日、「ヨルダン川の辺」へのアクセス数が二ケタにも達したのだ。 
来客数が急に伸びたそのワケは？ 
……考えるまでも無い。 
だがそれだって、彼にとっては予想のうちだ。 
………バカものがエサに喰いついてくれたのだ。 
こっちはこっちの計画を、粛々と実行すればいい。 
ただそれだけのことだ。 

（我はペイルライダー、我は疫病をもたらすもの……主の僕となりて、ミレニアムを拓く捨石とならん……） 

再び口元にかすかな笑みを浮かべると、「旅人」はバイクのキーに手を伸ばした。 
----
　ついに「旅人」の足跡を捕まえ、チームを解散したあの日の３日後……。 
久しぶりにハーパーは、馴染みのホットドッグスタンドに足を運んでいた。 
いつもの席で新聞を広げていると、注文した覚えも無いハーパー・スペシャル＝特濃ブラックコーヒーがテーブルでどきつい香りをテーブルで放っていた。 
目を上げると、店主のボブが煩そうについっと視線を外した。 
僅かな動作に「オレからのサービスだ」と「煩せえからいちいち聞くな」という二通りのニュアンスを読みとったハーパーは、そのまま黙ってコーヒーカップを口へと運ぶ。 
ハーパーの手にした新聞には「旅人」がらみの報道は、特には見当たらない。 
しかし彼の元には、エミー・ハワード、クリストファー・ウィンフィールドから、その後の展開についての続報が入れられていた。 

まず、ロバート・モーガンの頭蓋骨を粉砕した「長さ２０インチの鋳鉄製の棒」はソフィアの見立て通り、やはり天秤秤だった。 
トロントで殺されたニッキー・スローンが「魔女の生まれ変わり」として人の罪の軽重を計るとき使うことになっている天秤秤が、ニッキー自身の手により撮影所から持ち出され、「旅人」の手に渡っていたのだ。 
またクワンティコのプロファイリング班は、「旅人」を強度の秩序型と推定。 
「高い知能と人を引き付ける外観や話術」を持ち「経済的に恵まれ」た「３０代後半から４０代前半ぐらい」で「独り住まい」をしている「男性」として「旅人」像を描き出していた。 
　更にクリストファー・ウィンフィールドも参加するＩＴ犯罪捜査班が割り出した「ヨルダン川の辺」のパソコン所在場所をカンザス州のレバノンと割り出した。 
だが急行した捜査員が発見したのは、パソコンだけが設置された無人の部屋だけだった。 
部屋は一年間の賃貸契約で、５年前からの自動継続。 
家主が契約相手と顔を会わせたのは一度も無く、最初の一回は電話であとはメールでのやりとりだったという。 
契約書記載の氏名はエリック・ジョーダン。 
住所と保存されていたメールアドレスからフィラデルアィアの高級アパートを突き留めたのがその翌日。 
エリック・ジョーダンの風貌その他は、プロファイリング班の描いた犯人像と見事に一致していた。 

犯人はジョーダンと断定して間違いない。 

ＦＢＩ本部はジョーダン追跡と並行して、最後の獲物である可能性のある「Ｅで始まるＨＮの主」四人を密かに保護下に置き、その周囲に十重二十重の警戒網を張り巡らせ「旅人」来訪を待ちかまえていた……。 

ロスでチャールズ・ハーパーが顰めっツラでどす黒いコーヒーを啜っていたころ……。 

大陸の反対側、ヴァージニア州クワンティコでは、ＨＲＴ隊員たちが、一つ部屋に集合していた。 
　赤毛のアイリッシュ、ＨＲＴ隊長エドガー・ファーガは集まった部下たちを前にいつものように切りだした。 
「さて諸君……」 
二枚目だが、いかつい顔立ちでもあるので実年齢より年上に見える。 
そのため、落ち着き払った口調ともあいまって、「ハイスクールのフットボールかバスケットボール部のコーチみたいだ」と評するむきもあった。 
事実、エドガーはその職務に関して間違いなく「名コーチ」といえた。 
「……例によって予習の時間だ。予習と復習をサボるヤツは……」 
「長生きできませんっ」 
タイミングよく誰かが応じてエドガーはニヤリと笑う。 
「……よく判っているな。その通り！自分の命だけではない！人質や仲間を誤射したりしない為にも、予習・復習は不可欠なのだ」 
そしてエドガーは、目の前のホワイトボードにバンと音をたてて一枚の写真を貼り付けた。 
同時にその拡大版がホワイトボードに投影された途端、ＨＲＴ隊員たちの顔から笑いが消えた。 
「こいつがナサニエル・ジョーダン。通称『旅人』だ。貴様らが、せっかくの楽しい週末に彼女とデートにも行けず、むさくるしい野郎ばかりで待機する破目になったのは、コイツのせいだ」 
それは三人の男が並んだ写真の、その真ん中の男をアップにしたものだった。 
落ち窪んだ青い目、両サイドだけ後退した生え際、そして山脈のように隆起した鼻柱と二つに割れた顎……やや藪睨みで顔の左側をカメラ正面に向けている。 
左腕にトロフィーを抱え、右手のガバメントは明らかにカスタム仕様。 
明らかに何かの射撃競技会での入賞記念写真である。 
それが、エリック・ジョーダンという男だった。 
「判っている限りで既に２２人を殺し、２３人目を殺そうとしている男だ。 
こいつの犯行には、前の殺人現場から次の殺人で使う凶器を持ち出すというパターンがある。 
そして、最後の現場から持ち去られた物、言い換えれば次の殺人で使われる凶器が…… 
これだ！」 
エドガーは一目で顕微鏡写真と判る写真を、ライダーの隣に貼り付けた。 
「これは、最後の被害者、ロバート・モーガンが作り出した最凶最悪の殺人ウィルス、エボラ・スーパー・レストンだ。 
「隊長！質問が……」 
隊員の一人が声をあげた。 
「もし仮に、それがニューヨークで凶器として使用されたと仮定すると、どういうことになりますか？」 
「ＣＤＣの技官の意見では、マンハッタン島を即座に検疫隔離しないかぎり、最悪一週間で州全体が壊滅するそうだ」 
あまりの回答に、隊員のあいだではどよめきすら起こらない。 
「捜査の結果、『旅人』の次の標的はこの男と……」 
ホワイトボードに顔が映し出されると、「あれっ？コイツは……」という声が漏れた。 
「…諸君らもテレビなどで見たこともあるだろう。この男、ＨＮは『エレクター』。民主党選出の下院議員で週末開かれる民主党党大会に出席するためフィラデルフィアにやって来る！」 
会議室を埋める男たちのあいだに電気が走る！ 
「諸君！もう判っただろう！『旅人』の２３番目の殺人の舞台は、市域住民１２万の大都市だ。 
今回の行動には陸軍の対ＮＢＣ部隊も参加するが、それはあくまで最悪の事態を想定してのバックアップに過ぎない！前線に立って市民を守るのは、我々ＨＲＴだ！！」 
「…ファーガ隊長」 
ブリーフィングが終って帰りかけたエドガーを、出来の悪い生徒のようにディミトリィ・ノラスコが廊下で呼びとめた。 
「なにか質問か、ディミトリィ？」 
「こいつが『旅人』だってことですが、間違いないんでしょうか？」 
数秒ほどディミトリィの顔をじっと見返してから、エドガーはおもむろに口を開いた。 
「オマエは単独で『旅人』を追っていたんだったな？」 
「なんでそれを？？」 
「ウィンチェスター市警からやんわりと文句が来た」 
「……すみません」 
「気にするな。もう慣れた」 
独断先行に過ぎるディミトリィがいまだにＨＲＴに留まっていられるのは、ひとえにエドガーのおかげと言ってよかった。 
「……で、オマエはこのジョーダンが『旅人』じゃないと言うのか？」 
「そこまでは言いませんが……ただ……ちょっと」 
ディミトリィは口ごもった。 
「上手く説明できないか？」 
「ただ、酷く嫌な感じがするんです。上手くは言えないんですが……」 
エドガーの視線がディミトリィから離れ、しばし宙をさまよった。 
何の根拠も無いと頭から否定されても仕方の無い話だろう。 
しかし、エドガーはそんな男ではなかった。 
「……ときどきいるだろ？天気の変り目を先読みするようなヤツ。あるいは…ゲームがやたらと強いヤツ」 
「はあ？」 
「ああいうのはな、本人も気がつかないうちに、脳味噌が瞬間的に判断してるんだそうだ」 
「なんの話をされてるんですか？」 
「オマエの話だ！まあ最後まで聞け！！」 
エドガーは明らかに言葉を探し、選びながら話をしていた。 
「相手の視線とか……筋肉の動きとか……あるいは湿度の変化とか……そんなものを察知して、意識するより早く判断する。けれども……意識より早い瞬間的な判断だから、根拠を聞かれても答えられない。説明できない……判るか？オレの話が？？」 
ディミトリィはとりあえず頷いておいた。 
「オマエはそういう部類のヤツなんだと、オレは思う」 
「………」 
「オレたちは、上層部の判断に従って動いてるだけだ。だがオマエは違う。ただ一件とはいえ、現場に立ち何かを掴んで来た。 
それがオマエの『嫌な感じ』の正体なのかもしれん……だがな」 
殴ったら拳の方が壊れそうな、岩を刻んだようなエドガーの顔が、ジッとディミトリィを見据えていた。 
「ＦＢＩに限らず、警察や軍の力というものは組織の力だ。組織の力で国民を守っているのだ……」 
ディミトリィは、エドガーの「岩の顔」の意味を、そして彼の言わんとすることを察しとった。 
「……だから、ＦＢＩの頭脳がある決定をした場合、手足であるＨＲＴが、これと異なる行動をすることは許されない。わかるか？ディミトリィ」 
「はい」 
頷いたディミトリィの顔は、憑き物が落ちたようなスッキリした表情だった。 
「……我々ＨＲＴに選択の余地はない。あくまでナサニエル・ジョーダンを『旅人』として逮捕するしかない。もしこれに従わないならば組織に留まることはできないと、そういうことですね」 
エドガーが頷き返すと、一礼してからディミトリィは背を向けた。 
部下の後ろ姿が廊下の彼方に見えなくなるまで、エドガーはそのままの姿勢で見送っていた。 
彼の顔は、もう岩の顔ではなくなっていた。 

　腹は決まった。 
そうとなればディミトリィの動きは速い。 
ブリーフィングのあったその日のうちに、ディミトリィ・ノラスコはニューヨーク市警を訪れていた。 
「……ＨＲＴ所属、ディミトリィ・ノラスコ……ＦＢＩの方ですね」 
「たぶんすぐに『元』ってことになるだろうな」 
ディミトリィの答えに、ソフィアの瞳が微かに揺らいだ。 
ＨＲＴには対「旅人」で待機命令が出ているはずだ。 
こんなところをウロウロしていていいはずない。 
「つまりアナタは、ＦＢＩは間違った相手を折っていると考えているのですね」 
「察しがいいな。…まぁ確信とか証拠とかがあるわけじゃねえんだが……。もしオレのカンが当たってりゃあ、殺人ウィ……」 
「秘密漏洩にはなりませんから、ご心配なく」 
「そうだったな。アンタはハーパーと一緒にあの場に居合わせたんだったな」 
どこまで話していいのか？そのレートが無くなってディミトリィの態度がざっくばらんになった。 
「話し易くて助かるぜ。上層部は、『旅人』のつぎの仕事場はフィラデルフィアだと考えてる」 
「フィラデルフィア……たしか黙示録に登場する７つの教会の一つですね」 
「そうさ。それも上層部がフィラデルフィアを次の仕事場と睨んでる理由のひとつさ」 
「……フィラデルフィア……門をひらく。御言葉に従い、名を否まず、力があった……」 
おそらく何度も読み込んでいたのだろう、ソフィアは「黙示録」中のフィラデルフィア教会に関する個所を暗唱した。 
「フィラデルフィアでは確か……」 
「カンがいいな。エミーの言った通りだ。フィラデルフィアじゃ週末、民主党の党大会が開催される。つまり『門を開く』ってわけだ。確かにスジは通ってるよな」 
（……この男も同じだ）とソフィアは感じ取った。 
ハーパーやベックマン、キャリーにエミーにウィンフィールドと同じ種族。 
管轄に縛られるセクショナリズムとか、他の人がやるだろうなどという無責任とはもっとも遠いところにいる人種。 
自分のできることを、最大限までやり抜こうとする人種。 
ニューヨーク市警という「枠」に自分は囚われている。 
しかし目の前の男は、自分を閉じ込める「枠」を一気に乗り越え此処にやって来たのだ。 
思わず前のめりになって、ソフィアは言った。 
「アナタは本当の殺人を防ぐため、待機命令も無視して此処に来られたんでしょう？私にも是非強力させてください！」 
「それじゃあ、お言葉に甘えて……最初の凶器になったボルカニック連発銃を見せてくれねえか？」 

　ディミトリィが手にした弾薬は、極めて異質なものだった。 
手にした１発、そしてテーブルに並んだ５発の弾も、すべて真鍮の薬莢がついていない。 
ボルカニックライフルの弾薬は、弾の底部に発射薬が埋め込まれる構造なのだ。 
「ボルカニック社ってなぁ確かＳ＆Ｗの前進だったよな？ってこたぁ、マサチューセッツに在ったのか？それともウィンチェスター繋がりでコネチカット？？」 
「コネチカットで１８５５年創業。１８６６年に解散です」 
「弾薬製造は？……当然同じか。聞くまでもないな。こんな妙な弾作ってるトコなんて、銃の製造元以外あるわけねえか………」 
ディミトリィは古びた弾丸をテーブルに置くと、今度はライフルの方を手に取った。 
銃把の前のレバーを動かす操作感は、普通のウィンチェスターライフルと特に変わるところは無い。 
「……この銃の出どころは？こんなもん持ってるヤツならマニアか火器関係の博物館だ。 
すぐ判んじゃねえのか？」」 
「それが判らないんです。全米ライフル協会や著名ガンマニア・研究家にも協力を求めたんですが、持ち主は判っていません」 
「それも妙な話しだな……こんな骨董品の出どころが判んねえなんて……」 
苛立たしげにディミトリィが首を傾げた時だった。 
証拠保管室の扉が開いて、ソフィアの相棒グレック刑事が入って来た。 
「おう探したぞプリスキン！例のロケット・ボールの出何処が判ったかもしれん！………って、この兄ちゃん、だれ？？」 
「ＦＢＩのディミトリィ・ノラスコ捜査官です。それよりグレック、この弾の製造元が判ったっていうの！？」 
グレックは鼻の穴をふくらませて胸を張った。 
「鑑識のヤツに機械いじりの好きなヤツがいてよ、そいつが言ったのさ。この弾そのものは鋳造だけど、火薬を入れる窪みは電動ドリルかなにかで開けてるみたいだってよ」 
「電動ドリルだと！？」 
ディミトリィは驚いてテーブルから総ての弾を掴み取った。 
古びて酸化による染みの浮いた金属表面は、確かに百数十年の時の流れを感じさせた。 
しかし目を閉じて弾の底面をそっと指で撫でてみると、中の一発に鋭角の部分がある。 
「○×▼□！」 
ディミトリィの口から、ここには到底書けないような悪態が迸った！ 
「ワザと古びたようにしてるのだわ！歴史関係の博物館の収蔵品なのね？」 
ディミトリィに代わってソフィアが聞き返すと、グレックは一枚のメモをヒラヒラさせることで応えた。 
「ニアピンだな。所有者はカリフォルニアの郷土史家らしい。カリフォルニア、特にゴールドラッシュのころのカリフォルニアの物品を中心にコレクションも多いらしいな。 
名前はパトリック・ライダー。住所は、ほら、このメモさ」 
「よこせ！」 
グレックの手からメモを奪い取って、ディミトリィは証拠保管室を飛び出した！ 
「グレック！私も行きます！代わりに有給申請出しといて！！」 
「お、おい！」 
止める暇もあればこそ、ディミトリィを追ってソフィアも保管室を飛び出していった。 

　ディミトリィとソフィアはロケットボールを手掛かりにカリフォルニアへ…。 
同時にＦＢＩ本隊は「旅人」を絡め取らんと、フィラデルフィアに十重二十重の網を張る。 
ひとたび凶器の殺人ウィルスを使われれば、巨大都市が地獄に変る。 
なにがなんでも食い止めなくては。 
同じその思いを胸に、「旅人」狩りは北米の両極へと別れて走り出していた。 
そしてもう一人……。 
「やれやれ、今朝も奥さんに朝飯作ってもらえなかったのかい？」 
「なんでわかった？」 
「ホットドッグも注文したからね」 
ハーパーの前のテーブルにはハーパー・スペシャル＝特濃ブラックコーヒーとモーニングセットのホットドッグが並んでいる。 
「やれやれ……個人情報バレバレだな」 
ギブアップを宣言すると、ハーパーはコーヒーカップを口へと運んだ。 
ハーパーの手にした新聞には、今日も「旅人」がらみの報道は見当たらない。 
だが、フィラデルフィアでの民主党党大会を明日に控え、ＦＢＩ本体は合法非合法あらゆる手段を尽くして、必死に「旅人」エリック・ジョーダンの行方を追っているはずだった。 
「だが本当に……」 
「何か言ったかい？」 
「ああ、ごめん。独りごとだよ。気にしないで……」 
ボブに謝るとハーパーは視線を新聞紙面に落とした。 
見開き両面を使ってアメリカ全土が掲載されている。 
どこかのスーパーだかの広告で、自社の店舗がどれだけ全国に在るかを誇っている。 
もちろんフィラデルフィアにも店舗所在の☆印がついていた。 
ハーパーはテーブルにあったペンで無意識に丸く囲った。 
（本当に、エリック・ジョーダンという男が「旅人」なのか？そして次の殺人の舞台は本当にフィラデルフィアなのか？） 
さらにハーパーは、彼が知る限りの「旅人」による殺人の舞台を広告に書き入れていった。 
（最初がニューヨーク………サウスダコタ………ポートランド………アリゾナ、アラスカ、トロント、そしてメリーランド州フレデリックか……） 
ほどなくしてシリアルキラー「旅人」の全仕事が地図上再現された。 
やや東部に集中しているきらいもあるが、おおむね全米あまねく均等に散らばっている。 
（そういえば、「ヨルダン川の辺」のパソコンが置かれていたカンサス州レバノンは、通称「アメリカのへそ」だ。 
当然、全米にばら撒かれた殺人のど真ん中に「ヨルダン川の辺」はあることになる。ゆっぱり、ジョーダンが「旅人」で間違いないのか……） 
そのときカウンターの向こうから店主のボブが唸るように言った。 
「答えなら、ロスアンゼルスだよ」 

[[続く&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/32.html]]    </description>
    <dc:date>2011-10-29T02:09:57+09:00</dc:date>
    <utime>1319821797</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/15.html">
    <title>設定一覧</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/15.html</link>
    <description>
      **登場人物について
2 ：創る名無しに見る名無し：2011/01/01(土) 21:50:19 ID:s52/D/Sn
テンプレ 
・（人物名） 
（人物説明） 
（簡単な経歴） 
（登場頻度）←「レギュラー」・「準レギュラー」・「ゲスト」のいずれかをここに 

88 ：&gt;&gt;1：2011/02/26(土) 21:06:59.10 ID:EZcS5H6A

●レギュラー（毎回登場する） 
・ＦＢＩロサンゼルス支局（ドリームチーム）捜査官 
主任＋副主任＋６名（先着）　計８名 

以下は特に人数制限を設けない 
●準レギュラー（隔週で登場する） 
・ＦＢＩコンサルタント（ＦＢＩに協力している人たち） 
物理学者やメンタリスト等はここに含まれる 
・ＬＡＰＤ 
・探偵 
・民間人 
登場人物の家族などはここに含まれる 
・敵組織幹部 
・ＦＢＩ上層部 
●ゲスト（その回限りの登場、ただし再登場可） 
・被害者 
・加害者 
・その他民間人
**舞台について
68 ：&gt;&gt;1：2011/02/22(火) 15:29:06.34 ID:0R7SfVyz
 
忙しくなかなか来られなくすいませんでした。 
設定が曖昧な個所があり、混乱させてしまい申し訳ありません。 
新しい設定を載せます。 

・舞台設定は2012年 
・主な主役はＦＢＩとロス市警、一部民間人(研究者・探偵・自称霊能力者含) 
・基本、話の流れは一本道で進行する。ただし、話の都合上仕方なくサブの別ルートが進行していくのは認める。 
・ＦＢＩに新設されたチームが発足したところから開始 

・敵組織は、犯罪に必要な知識・武器を提供する。ただし、必ず登場・関与しなくてもいい。 
・敵組織の正体は、民間軍事企業や利益団体の複合体(開始時主人公たちは知らない) 
・敵も一枚岩ではない。様々な考え・思惑が存在する。 
・幹部たちもお互いの顔などは知らない。匿名でコンタクトをとりあっている。 
・テロも当然ありうる(できれば後半)。 

**犯罪者、囚人などの参考及び設定など
127 ：創る名無しに見る名無し：2011/03/04(金) 21:22:16.09 ID:GR2zJnti
警察に協力する収監者というと、ヘンリー・ルーカスとかテッド・バンディ、それからグレアム・ヤングもそうだ。 
ただルーカスの場合は自身の殺した数が多すぎる（一説には１０００人超）ため、その解明のお手伝いというだけ。 
テッド・バンディはレクター博士のモデルの一人だが、これも延命目的のスタンドプレイ色が濃い。 
犯罪の解明というより、他人が犯した犯罪の被害者救命に功があったのが「毒薬日記」ことグレアム・ヤングだ。 
症状を聞いただけで盛られた毒薬を当て、その解毒方法も指示できたという。 

正直、レクターのパクリは気が進まない。 
創造性が無いのにも程ってもんがあるだろう？ 


128 ：創る名無しに見る名無し：2011/03/04(金) 21:47:15.14 ID:GR2zJnti
連続すまん 
自分で考えてみたシリアルキラー 

その１「ツーリスト」 
ニューヨークを起点として全米横断しながら殺しまくる殺人鬼。 
移動距離が大きすぎて当初は誰も連続殺人とは気づかないが、プロファイラーが「単独の殺人とは思えない。絶対他にもやってる」と指摘。 
更にお話の途中で「実はアレもコレもおなじヤツの仕業らしい」とＦＢＩが介入してくる。 
[[ツーリストpage1&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/24.html]]

その２「ティーパーティー（あるいはマッドハッター）」 
現在アメリカで勢いを持っている草の根保守運動「ティーパーティー」にひっかけて、リベラル派新聞が命名。保守派新聞は当然この呼び名を嫌い「マッドハッター」と呼ぶ。 
どちらも語源は「不思議の国のアリス」。 
移動タイプの毒殺犯という稀有な類型。 

その３「グレイゴースト」 
１９４５年製ワルサーＰ３８（グレイゴースト）を使う。 
ターゲットは売春や麻薬販売など犯罪組織の幹部。 
４５年製Ｐ３８は程度が悪く、撃っているうちにスライドがぶっ飛ぶ（そうなると射手もタダではすまない）危険がある。 
なぜそんな危険なガラクタで殺しをするのか？がミソ。 
正体は元ＳＡＳ兵あたりに設定し、更に脳腫瘍で余命いくばくも無い人物で、犯罪組織の抗争に巻き込まれて家族を失ったということにする。 
自分の脳腫瘍が破裂するのが先か？それともグレイゴーストが吹っ飛ぶのが先か？という形で自身と拳銃を重ね、生きているあいだに出来る限りゴミ掃除をするのが目的。 
敵の正体を知ったＤＴはなんとか生かして逮捕しようとするが……。 
ラストはＧＧ対ＤＴ対麻薬犯罪組織の対決。 
犯罪組織全滅の後、ＧＧ対ＤＴの一対一になる。 
ＤＴのメンバーを犯罪組織の者と勘違いしＧＧはＰ３８を撃つが、そのとき銃はバラバラに吹き飛ぶ。 
慌ててかけつけたＤＴのメンバーに対し、「よかった。間違えていオマワリさんを撃っちゃうとこだったよ」と笑ってＧＧは死ぬ。 
死因は、銃の暴発ではなく脳腫瘍の破裂だったということになる。 

個人的に気に言ってるのは「グレイゴースト」だが、第１話に使いやすいのは「ツーリスト」だろう。「ティーパーティー」はギフォーズ議員銃撃事件と絡めた場合に面白い。 


----
429 ：創る名無しに見る名無し：2011/10/26(水) 22:50:31.69 ID:3lvOq2pb
肝心なことを書いておくのを忘れた。 
「旅する死神」構成過程で集めた資料。 

ＦＢＩ関連施設所在地 
「上層部」と書かれているＦＢＩ本部はワシントンＤＣ。 
「ＨＲＴ」「プロファイリングチーム」「ＦＢＩアカデミー」はヴァージニア州クワンティコ。 
ただ、ワシントンＤＣそのものが地理的にはヴァージニア州の中に在るので、大雑把に全部ヴァージニア州内にあると考えてもいい。 

時差 
合衆国本土内には四つの時間帯がある。 
ちなみに東部ニューヨークと西海岸のロスアンゼルスでは三時間の時差。 
だから日本語で書くと、ロスの人間が「おはよう」と電話してニューヨークの人間が「こんにちは」と答える可能性がある（これが英語なら、どちらも「ハロー」ですむ）。 

ロス市警署長 
日本語表記で「署長」とすると警察署の長のようになってしまう。色々迷った挙句現地表記の「チーフ」に。 
だからギャレット・チーフと書いてあっても「チーフ」の部分は肩書。 

それぞれの都市の地勢なんかも調べてたから、書いてるより調べてる時間の方が長かった。 
やっぱり外国が舞台ってのは難しい（笑）。     </description>
    <dc:date>2011-10-28T21:50:23+09:00</dc:date>
    <utime>1319806223</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/16.html">
    <title>エピソード一覧</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/16.html</link>
    <description>
      ***パイロット版エピソード
-[[ドリームチーム・ファイル０（試案）]]
-[[幼稚園バスジャック]]
-[[銀行襲撃]]
-[[ＥＰ＃０「ツーリスト～旅する死神～」]]
***本編
&amp;bold(){}EP#0「ツーリスト～旅する死神～」
-[[EP#0「ツーリスト～旅する死神～」page1&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/24.html]]
-[[page2&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/27.html]]
-[[page3&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/28.html]]
-[[page4&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/30.html]]
-[[page5&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/31.html]]
-[[page6&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/32.html]]
-[[page7&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/33.html]](完結)


-[[EP#x「錯綜するＬＡ～暴走と復讐の果てに～」&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/26.html]] 
-[[EP#X「密売組織」&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/25.html]]
-[[EP#X 序章&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/29.html]]
-[[EP#X ~出会い~]]    </description>
    <dc:date>2011-10-28T21:48:38+09:00</dc:date>
    <utime>1319806118</utime>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/14.html">
    <title>登場人物紹介</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/14.html</link>
    <description>
      **wide range investigation unit (広域捜査班) メンバー

（人物名） トーマス・ベックマン（通称「トム」） 
（人物説明）ＦＢＩアラスカ支局局員→ドリームチーム主任 
(簡単な経歴) 北欧系。男性54歳。ワシントン出身。 
　　　　　　現場からは遠ざかっていたが、ＤＴ(仮)設立時に主任に抜擢された。 
　　　　　　部下にほとんど命令を下さず、ダメ上司と思われてしまうこともある。 
　　　　　　実際は、対ソ諜報戦で培った鋭い洞察力と勘（感覚）や高い調整力・
　　　　　  コミュニケイション能力、応用力を持ち、情報収集能力・分析力に優れる。 
　　　　　　表立って行動せず、チーム内のパイプ役として動き、さり気なく接して問題を処理している。 
　　　　　　あくまで捜査官としての能力であり専門外のことは苦手。 
　　　　　　政治的駆け引きに強く、チームに最大限の利益と最小限の損害をと考え奔走する。 
　　　　　　管理職の仕事は「頭を下げること」「尻拭い」だと考えている。 
　　　　　　ただし、誤った道に進もうとする部下に対して叱りつけることもある。 
　　　　　　部下はもちろん犯人に対しても呼び捨てにせず、必ず「君」「さん」付けで呼ぶ。 
　　　　　　自身のことを出不精と称している。 
　　　　　　死別した妻と10年間音信不通の息子がいる。 
　　　　　　一人称は「私」 


（人物名）チャールズ・ハーパー 
（人物説明）ドリームチーム副主任 
(簡単な経歴) カナダ生まれ。小学生の時にシアトルへ移住。 
　　　　　　中学・高校で風紀委員を務めていた。 
　　　　　　正義感が強く、犯罪を憎んでいる。 
　　　　　　指揮能力に長けているため副主任に抜擢された。反面、政治的な駆け引きに弱い。 
　　　　　　完全な暗記型で、論理的な思考が苦手。原因は、大学時代の某教授によるもの。 
　　　　　　格闘に弱い。FBI研修生時代も落第ギリギリだった。ただし、射撃は得意(中の上クラス)。 
　　　　　　特技は銃の組み立て。慎重かつ用心深いためか、銃を必ず2丁以上持つ（お気に入りはショットガン）。 
　　　　　　皮肉が多い。一人で旅行すると、怪我や事件に巻き込まれる特異体質の持ち主らしい。 
　　　　　　LAPDの内部監査をやっている妻(サラ・ハーパー)と2人の子供(一男一女)がいる。43歳男性。 

（人物名） キャリー・グリーン 
（人物説明）ドリームチーム メンバー 
(簡単な経歴) 27歳。白人女性。 
　　　　　　FBI捜査官になって日が浅いが、ドリームチームに自ら志願した。 
　　　　　　明るい性格の持ち主だが、つい本音を言い怒らせる時もある。　 
　　　　　　世の中の役に立ちたいという思いが強く、率先して行動したがるところがある。 
　　　　　　ある意味で破天荒な性格で、メンバーを驚かせる大胆な行動を取ることも。 
　　　　　　父親が外交官だったため、幼少時代は友達が作れず悩んでいたらしい。 
　　　　　　5ヶ国語を話すことができる(英語・ドイツ語・フランス語・中国語・日本語)。 
それ以外の能力は平均的。身長が低い(158cm)ことを気にしている。 
　　　　　　実は、8分の1だが日本人の血が入っている（母方の曽祖母が日本人）。 

ワトソン君にマスコット要素を加えたようなキャラです。 
イメージは、ちょろちょろ動くハムスターです。 

(人物名）ディミトリ・ノラスコ 
（人物説明）海兵隊兵長 →模範囚→ＳＷＡＴ→ＨＲＴ→ＤＴメンバー
（簡単な経歴）南米系のヒスパニック。３０代前後の男性。 
　　　　　　海兵隊の兵長だったが、かつての友がイラク戦争後に強盗を起こし、共犯と間違えられ強制的に除隊される。 
　　　　　　自分と同じような境遇の人を減らすため、警察に入る。格闘と銃撃が得意でＳＷＡＴに入隊。 
　　　　　　能力をかわれＦＢＩのＨＲＴにいたが、ふとしたきっかけでＤＴに一員となる。 
　　　　　　知能派ではなく肉体派。（本人いわく軍の中でも頭がいいほうらしい。） 
　　　　　　軍にすぐ入隊したため大学へは行っていない。爆薬の知識などは豊富。銃のことも詳しい。 
　　　　　　「トムの弟」ことリチャードとは同期。しかし本人は知らない。 
　　　　　　一人称は「俺」。すぐに感情的になりやすく単純。 

後に、ハーパーとのキャラかぶりを防ぐため、「単独行動型」に設定された。 
単独行動型ということで、ブレーキ役になるルイとくっつけられることになる。


（人物名） ルイ・フィリップ・プラン（通称：ルイス） 
（人物説明）ドリームチーム メンバー 
(簡単な経歴)30代前半。フランス系アメリカ人の男性。 
ドリームチームのメンバーだが、FBI上層部が送り込んだスパイでもある。 
　　　　　　チームの内情を報告することが任務。 
　　　　　　家族のほとんどが警官や弁護士という一族。 
　　　　　　自身も警察出身で警官時代は爆弾処理班にいた。 
　　　　　　自身家かつ野心家で、上司・被害者以外にはやや上から目線な態度をとる。 
　　　　　　謝るのが何より嫌いで、いかに自分のプライドが傷つかずに謝れる方法を見つけるのが日課になるほど。 
　　　　　　ただ、自分が明らかに悪い場合には認めるところは認める。 
　　　　　　かなり大げさなジェスチャーとまくしたてる口調で話す。 
　　　　　　記憶力が高いため、基本的に資料に目を通すだけで覚えてしまう。これを利用して、メンバーの資料をほぼ全て覚えた。 
　　　　　　本人いわく「やると決めたことはとことんやる主義」。 
　　　　　　戦闘能力も高い（合気道や柔道を習っていた）が、体を動かすのは趣味じゃないらしい。 
　　　　　　一族を誇りに思っており、野心家の理由も一族の繁栄のためを思ってのこと。 
　　　　　　幽霊などの類が苦手。ギャンブルや恋愛も苦手である。 
　　　　　　着任後、ディミトリとコンビを組むことに。 

　　　　　　 
　　　　　　スパイだったはずが、次第に丸めこまれてメンバーの一員になるパターンです。 
　　　　　　彼には、ディミトリのブレーキ役になってもらいます。 


（人物名）ソフィア・プリスキン 
（人物説明）ＮＹ警察プロファイラー→ドリームチームメンバー 
（簡単な経歴）ロシア系アメリカ人。元プロファイラー。基本的無口。 
　　　　　　優秀な警官で犯罪心理学の天才。 
　　　　　　あまり人を信頼せず、群れることを嫌い単独行動をする。 
　　　　　　プロファイラーだが、現場の仕事をよくする。 
　　　　　　唯一の肉親である兄を「トムの弟」に惨殺される。 
　　　　　　その際に怒りに任せ、突入し保安官２名が犠牲になり、田舎の警察署に左遷される。 
　　　　　　ＤＴ参加後は、メンバーをだんだん信頼していく。 
　　　　　　リチャードとよく面会する。

　　（人物名）クリストファー・ウィンフィールド 
（人物説明）ＩＴ技術分析官→ドリームチームメンバー 
（簡単な経歴）愛称クリス。アフリカ系アメリカ人。30代前半 
　　　　　　　FBIのIT技術分析官をしていたが、自分の能力を生かせる場所と直感(本人談)し、DTに参加した 
　　　　　　　頭脳明晰で分析関係の腕も確か。ただ変わった性格の持ち主で、空気を読まず減らず口を叩い 
　　　　　　　たり、ウンチク(主に陰謀論)を語る癖がある。だが、当の本人は陰謀論を信じてない。陰謀論を 
　　　　　　　聞くときの他人の反応を見るのが楽しいらしい 
　　　　　　　とにかくノリが軽く普段の会話も冗談を交えて話すが、捜査をするときは一転して真剣になり 
　　　　　　　無口になる。このとき横やりを入れられるのを激しく嫌っている 
　　　　　　　大学時代は心理学を専攻していたらしいが、結局中退した 
　　　　　　　元は、ブラックリストに載るほどの敏腕ハッカーだった(本人曰く「過去の汚点」） 
　　　　　　　形っ苦しいとベックマンとハーパーを主任・副主任と呼ばない。なので、ベックマンは大統領、 
　　　　　　　ハーパーは社長と呼ばれている 
　　　　　　　クリスチャンである。彼女がいたが、最近振られたらしい 
　　　　　　　最終的に外で捜査するのが夢。甘いものが好き 
　　　　　　　一人称は「僕」 

（人物名）エミー・ハワード 
（人物設定）潜入捜査官→ドリームチームメンバー 
（簡単な経歴）３０代の白人女性。黒髪 
　　　　　　元々はFBIの潜入捜査を担当していたが、ある事件で左遷され書類仕事をしていた 
　　　　　　感情がこもってない抑揚のない喋り方と歯に衣着せぬ物言いをする 
　　　　　　ロレンツォ顔負けの毒舌家で、時々相手の心をえぐるようなことをさらっと言う 
　　　　　　 消極的な面倒臭がり屋で、人間に対し無関心な上に協調性に乏しいため、少々
　　　　　　社会性に難がある 
　　　　　　抑揚のない喋り方をする理由は「一々感情を込めるのが面倒だから」 
　　　　　　必要とあらば感情のこもった普通の喋りもできる 
　　　　　　美人でモデル体型だが、上記の性格と服のセンスもかなり悪いため長続きしなかった 
　　　　　　休日は、家にこもってほとんど外出しない 

　　　　　　メモ魔で何でもメモしているため、デスクが常にメモだらけになっている
　　　　　　感情の機微や証言の小さな差異を手がかりに矛盾点を突きつけ、容疑者を焦らせ
　　　　　　誤誘導させるなどの能動的な捜査を得意とする 
　　　　　　被害者・加害者関係なしにしつこく食い下がり聞き出そうとする。本人曰く相手を怒らせるのが特技 
　　　　　　笑いのツボがおかしいのか、変な所で笑い出したり周りより少し遅れて笑ったりする 
　　　　　　また、威張る者は徹底的に馬鹿にして軽蔑している 
　　　　　　イライラしていると舌打ちを頻繁にする 
　　　　　　口癖は「めんどくさい」「厄介事に巻き込まれた」 

　　　　　　中学の時に両親を事故で亡くしている。父親がゴードン長官と知り合いだったため一時期お世話になっていた 
　　　　　　今でも長官とは面識があり「伯父さま」と呼んでいる 
　　　　　　マリオ副長官を毛嫌いしていて、「役立たずの配管工」と称している 
　　　　　　また当初は、スパイであるルイスも嫌っていて「配管工のシェパード」とよんでいた 
　　　　　　ハーパーとは、過去に何度か捜査で協力している 
　　　　　　潜入捜査官時代誤ってハーパーに発砲(命中はしてない)されたことを事あるごとに持ち出しているが、恨んでおらず 
　　　　　　ただ単にからかっているだけである 
　　　　　　幼少時代、習い事をしていたためバイオリンとピアノを弾くことができる。一人称は「私」 

　　　　 
**ドリームチーム(仮) 協力者

（人物名）サンベルト・ロレンツォ 
（人物説明）監察医（DT関係者） 
（簡単な経歴）生まれはイタリア、育ちはアメリカの監察医。 
長い黒髪をゴムで後ろを縛っていて、一本結びにしている。 
ドリームチームの正式なメンバーではないが、彼らの協力者の一人で、彼らに惜しみもなく検死の結果を教える。 
外見は２０代前半に見える程若々しいが、キャリーやディミトリよりも、本人曰く年は上だとか（一説ではトムやハーパーよりも年上らしい） 
言葉・口調はかなり優しいが、かなりの毒舌。 


（人物名）バーナード・ブルータス・ウォレス 
（人物紹介）ＤＴの外部協力者 
（簡単な経歴）英国人。６５歳。体重１５０キロに達する巨漢。 
　　　　　　　水を飲むようにビールを飲むが、全く酔わない。 
　　　　　　　数年前まではアメリカの大学でシェイクスピア文学を講義していた。 
　　　　　　　現在は著述業をしているというが、何を著述しているのかは不明。 
アメリカに来る以前はアイルランド、イスラエル、パキスタンに住む。 
犯罪、特に「殺し」について造詣が深いのは、実は彼が……。 

（人物名）ケヴィン・レーマン 
（人物説明）DT(仮)広報官(関係者) 
（簡単な経歴）連絡調整及び渉外担当。片頭痛持ちでアスピリンを常に持っている 
　　　　　　　詳細をマスコミに公表したり、または止めたりと情報操作を受け持ち捜査を助ける 
　　　　　　　また他の組織への連絡も行っている 
神経質かつ几帳面な性格 
　　　　　　　あだ名は「T-1000」だが、私生活では結構笑ういい人 
　　　　　　　４０代前半 

（人物名）ボブ・ラインハート 
（人物説明）探偵・情報提供者(外部協力者) 
（簡単な経歴）ベックマンやハーパーに情報を提供している私立探偵 
　　　　　　どこか胡散臭いが腕は確か 
　　　　　　自称霊能力者で、持っていたものに触れると本人や関係者の霊が見えるらしい 
勿体ぶって話す癖がある 
　　　　　　３０代後半～４０代前半

**FBI 

(人物名）ゴードン・ヴェンター 
（人物設定）ＦＢＩ長官 
（簡単な経歴）初老の黒人。体格ががっちりとしていて大柄。 
　　　　経歴はまったくの不明で非公開にされている。 
　　　　性格はリアリストだが紳士的な一面も持つ。また、頭がよくまわる策士。 
　　　　上層部がらみの事件は現場におもむき、重圧をかける。 
　　　　暗殺された前長官に代わり、上層部に推薦されて就任した。 
　　　　個人的に凶悪犯罪者の処刑に立ち会うことも多い。 
　　　　一族は政府高官の家系。既婚者で孫が七人いる。ジジバカ気味。 
　　　　多様化する犯罪に対するべくＤＴの設立を決定した。また、人目おいている。 
　　　　トーマスに期待している。一人称は「このゴードンは～」

ハガレンのブラットレイ、レイブン、相棒の小野田官房長官が元ネタ。

（人物名）マリオ・バックマン三世 
（人物設定）FBI副長官 
（簡単な経歴）ユタ出身。短気な性格で、人の命を二の次に優先する。 
　　　　指揮する能力も貧しく、小心者。だが口は達者でピンチをよく切り抜ける。 
　　　　DTを「使えないクズ集団」や「あっても無駄で邪魔」と評する。 
　　　　最悪の事態になったら部下に押しつけたりと正義感の欠片もない。 
　　　　ゴードンの失脚を狙い、ルイスを送り込んだ。前長官暗殺との関係は不明。 

（人物名）エドガー・ファーガ 
（人物設定）ＨＲＴ指揮官 
（簡単な経歴）アイルランド系。赤毛で二枚目の顔つきの大がらな男。　 
　　　　正義感が強く間違ったことはすぐに指摘する。 
　　　　また、元ディミトリの上司で部下からの信頼もあつい。名策士として名が知れ渡っている。 
　　　　　若手ながらも、上層部の他のメンバーを言論で圧倒する。

（他の上層部メンバー）ミッキー・ビーン、ボブ・ダラス、テラ・セイン 
（特徴）ミッキー：無精ヒゲの白人。無口な唯一のＤＴ保守派　 
　　　　ボブ：肥満体系のラテン系。地位も上の方。　 
　　　　テラ：整った容姿の日系人。ＤＴ反対派だが、次第に変わってゆく。 

 
（人物名）ジョナサン・ハウスキー 
（人物説明）ＣＩＡ工作員→ＦＢＩ捜査官 
（簡単な説明）ＤＴ（仮名）に非協力的なＦＢＩ捜査官。 
　　　　　　優秀で頭が切れる男だが、ＣＩＡからのスパイ。 
　　　　　　科学や法医学などは無関心でＤＴを酷評し冷遇している。 
　　　　　　しかし、クリスとソフィアを評価する。その一方、ディミトリを嫌う。 
　　　　　　いつも冷静だが、時に激怒すると凶暴になることがある。 
　　　　　　ＣＩＡからのスパイということが、後に大変な事態を招くことになる。 
　　　　　　一人称は「わたし」もしくは「本官」

（人物名）ライベン・クロード 
（人物設定）FBI捜査官 
（簡単な経歴）ジョナサンの相棒。DTにはやや協力的。愛銃は「FN Five-seveN 」 
　　　　　猟師の息子でそのことがコンプレックスにしている。 
　　　　　遅刻が目立ち、勤務態度も悪い。が、頭は回る。違う意味でも切れやすい。
　　　　　しかし、拳銃を腕もそこそこで格闘術もそこそこ。 
　　　　　やる気があるのか不明な言動をよくする。
　　　　　
　　　　　「ツーリスト」の事件では偶然現場に居合わせたため協力する。
 
**警察関係者

（人物名）ティム・リー 
（人物説明)刑事(LAPD) 
（簡単な説明）３０代前半中国系の刑事。よく顔を出すモブキャラポジション 
　　　　　　　現場の説明など雑用を行う 
　　　　　　　DTのことは当初、あまり良い印象を持っていなかったが、 
　　　　　　　次第に尊敬に似た気持ちを持つようになる 
　　　　　　　保安官の弟がいる。既婚 
　　　　　　　一人称は「私(DTや上司に対して)」or「俺(身内に対して)」 

（人物名）レヴィ・キム 
（人物説明）LAPD 
(簡単な経歴)韓国系アメリカ人男性。外見年齢は30代 
　　　　　　LAPD勤務の刑事。性格は、良く言えば 
　　　　　　義理堅く、悪く言えば頭が固い頑固者 
　　　　　　基本的にFBI等余所者を嫌っているが、 
　　　　　　過去にFBIの露骨な介入で闇に葬られた 
　　　　　　とある出来事があったため 
　　　　　　身長が高く厳つい風貌に似合わず、天然な 
　　　　　　ところがある

（人物名）グラハム・イマオカ 
（人物説明）LAPD 
(簡単な経歴)日系4世。レヴィとは同期で腐れ縁 
　　　　　　日本名は「今岡 怜太(いまおか れいた)」 
            特撮・アニメオタクで隠れ厨二病(色々痛いブログをやってる) 
　　　　　　生真面目な日本人のイメージとはかなり 
　　　　　　かけ離れたいい加減な性格だが、仕事 
　　　　　　は言われた範囲ならしっかりこなす 
　　　　　　ちゃっかり上司に対してアピールする 
　　　　　　抜け目のなさも併せ持っている 
　　　　　　『危ない橋は渡らず、長い物には巻かれろ』 
　　　　　　が座右の銘らしいが、曲がったことが嫌いで 
　　　　　　犯罪を憎む強い正義感を内心に秘めている 

　　　　　　好きなヒーローはバットマンと仮面ライダー 
　　　　　　ティム・リーとは知り合いで、よく飲みに行く 
　　　　　　一人称は「俺」、ブログ上では「吾輩」「我」 
　　　　　　レヴィとは違い、FBIを嫌っていない。むしろ、 
　　　　　　コネをつくれる機会と捉えている　　　　　 
　　　　　　 



レヴィがロボットのボディならグラハムは頭脳 
ちょくちょく出てくる刑事兼三枚目ポジションです 
たまに２人して頓珍漢な推理をします(レヴィはDTに対して徐々にツンデレ化) 
ティムとは知り合いという設定で、トリオ・ザ・LAPDになるときもあります 

**組織の人間

（人物名）不明 
（特徴）マリナーズの野球キャップ 
（人物説明）必ず事件現場に現れる青年。中肉中背の白人。 
　　　　　現地警察が必ず職務質問する前にどこかに行って消える。 
　　　　　「トムの弟」事件から現れている。（そのころは少年だったらしい。） 
　　　　　クリスのネタによくされるが関係は不明。上層部は組織の人間と疑っている。 
　　　　　ディミトリやキャリーは幽霊と言っているが、幽霊ではない。 
          終盤に組織とＦＢＩをつなぐ、キーポイントになる。 


（人物名）コンスタント・ダウズウエル 
（人物説明）犯人 
（簡単な経歴）交換殺人、殺人ゲームを行う組織のトップ 
　　　ネットで殺人ゲームを中継していた 
　　　殺人ゲームとは、一言でいえば人間狩りで 
　　　「ある特定の場所に集められた移民やホームレスを参加者が武器を用いて狩る」というものである 
　　　さらに、交換殺人を行うサイトも運営していた 
　　　本人にとって交換殺人は「人の願いを叶える場」、殺人ゲームは「貴族の道楽」 

**犯罪者・囚人
（ 人物名）リチャード・Ｄ・ウィッツ 
（人物説明）シリアルキラー　死刑囚 
(簡単な経歴）ユタ州出身。元は優秀な軍人だった。（ディミトリと同期）だが、イラク戦争の従軍を拒否。 
　　　　　　このときに名誉除隊にさせられる。その後は郵便局に勤めていた。 
　　　　　　どんな人でも敬語を使う。性格は冷静だが残忍。知能は高い。 
　　　　　　数年前に、ブルックリンで「トムの弟」と名乗り連続予告アベック殺人を行った。 
　　　　　　４４口径の拳銃とショットガンで１６人を殺害した。その異様さから話題になった。 
　　　　　　ソフィアの兄もこの際殺している。（後に殺されかける。） 
　　　　　　そのメンバーによって捕まえられ、激しい銃撃戦の末失明してしまう。 
　　　　　　懲役３６５年と言い渡され、模範囚として服役中。自分を逮捕したソフィアとたまに面会している。    </description>
    <dc:date>2011-10-28T21:40:04+09:00</dc:date>
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    <title>Top Page</title>
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    <description>
      **ドリームチームが犯罪者を追い詰める... @ まとめWikiへようこそ

*ドリームチーム正式名称：wide range investigation unit (広域捜査班)に決定！

*遂に完結!!ＥＰ＃０「ツーリスト～旅する死神～」
**謎の無差別殺人犯ＶＳドリームチーム　
謎の殺人鬼「旅人-ツーリスト-」彼の正体はいったい？
奴を止められるか？

-スレ一覧
[[ドリームチームが犯罪者を追い詰める...&gt;http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1293885893/]]    </description>
    <dc:date>2011-10-27T23:38:20+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/32.html">
    <title>ツーリストpage6</title>
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      「えっ！」 
思わず叫んでハーパーは新聞を置いた。 
「ロ、ロスアンゼルスだって！？次の殺人が！？」 
「次の殺人？？いったいなんの話だい？ワシの言ってるのは懸賞の答えだよ。あんた、それをさっきから考えてたんじゃなかったのかい？」 
「……懸賞？？」 
「あんたが今読んでる新聞にも出てるはずだ。店にもポスターが張ってあるよ。ほら。あそこだ」 
ボブの指さす方を、反射的にハーパーは目線で追った。 
携帯の普及で今は殆ど使われてるところを見ないが、店の隅には電話スタンドがまだ接地されている。 
ボブの言うポスターはそのすぐ横に貼り出されていた。 
「カリフォルニア………ゴールドラッシュ展？」 
「あんた知らなかったのかい？こいつぁあ驚いた。テレビのニュースでも結構やってるぜ。ほら今も……」 
ボブの頭上の空間にはポータブルのテレビが置かれ、ちょうど朝のニュースがやっていた。 
マイク片手のレポーターと顎の鋭い金髪の男が話をしている。 

『ゴールドラッシュ展開催が明日に迫りましたね。陳列予定品が盗難にあったりと色々大変でしたが、ライダーさん、何かご感想を』 
『盗まれた品は、残念ながらまだ一つも戻っておりませんが、これも主の与えたもうた試練と信じ、なんとかこうして開催までこぎつけることができました。感無量です』 
『ありがとうございました。展示品提供者のお一人、パトリック・ライダーさんのお話しでした』 

（パトリック・ライダー？Ｐライダーってわけか） 
そして、いくらなんでも考え過ぎだぞと、ハーパーは頭を振った。 
ボブが答えを教えてくれた懸賞はポスターの下部に載っていた。 

ゴールド・ラッシュ展が開催されるのはどこの都市ですか？ヒント、「天使の都」といえば…… 

バカにするにも程があるぞと、ハーパーは苦笑した。 
（これで答えが「ロスアンゼルス」だと判らないヤツは、絶対頭がどうかしてるぞ） 
そして再び紙面の広告に目を落としたとき、ハーパーは背筋に一瞬嫌なものが走るのを感じた。 
（空白だ……） 
ハーパーが作ったばかりの「旅人」全仕事。 
そのなかで、カリフォルニアは全くの空白地帯となっている。 
「旅人」の足あとは、北のポートランドと南のアリゾナ、東はユタまでだ。カリフォルニアには……ヤツは来ていない） 

　チャールス・ハーパーが「旅人」の殺人地図を作っていた午前８時前……、東海岸のヴァージニア州では同日の１１時ごろ、ドア口をノックする音にエミーが顔を上げると、キャリー・グリーンが彼女らしからぬ浮かぬ顔で立っていた。 
理由をエミーが尋ねるより早く、キャリーは自ら口を開いた。 
「ディミトリィ・ノラスコさんが辞表を出して、どっか行っちゃったみたいです」 
「…あの鉄砲玉が？」 
「辞表は、ＨＲＴのファーガ隊長の預かりになってるみたいなんですけど」 
「ファーガのおっさん、ノラスコの奴を買ってるみたいで、いままでも随分庇ってたみたいだけど……待機命令中の職場放棄ってなったらどうしようもないわね」 
「でも辞表はファーガ隊長預かりになってるんでしょ？」 
「『旅人』狩りの出動命令が出た時ノラスコの奴が此処に戻ってなきゃ、辞表が預かりになってたって関係無いわよ。クビになっちゃうんだから」 
「そんなあぁ……」 
キャリーが泣き顔になった。 
彼女はディミトリィが単独で「旅人」を追ったことを知って、ある種の仲間意識を感じているようだった。 
「『旅人』狩りの出動は、いつになりそうなんですか？！」 
「上層部は『旅人』のつぎの舞台をフィラデルフィアの民主党大会だと考えてるわ」 
「ってことは次の日曜？！」 
「大会が始まってしまったらもうこっちの負けね。だから上層部は勝負を急いでるはず。 
ＨＲＴに出動命令が下るのは、だぶん今日。でなけりゃ明日の早いうちよ」 
（もしも……あくまで「もしも」だが……） 
一方ハーパーは、「旅人」全仕事図を前にして、すっかり「狩人」の顔になっていた。 
（「旅人」のつぎの仕事場がフィラデルフィアでなく、ここロサンゼルスだとするなら、それは何時だ？！） 
その答えは……自問する前から明らかだった。 
（フィラデルフィアで民主党大会が行われるより前だ。フィラデルフィアは、本当の標的を隠すためのフェイントに過ぎないからだ！） 
となると、ロスを次の舞台と仮定した場合、殺人は今日か明日。 
フィラデルフィアとの時差を考えれば、遅くとも明日の午前中ということになる！ 
（くそっ！時間が、無いっ！） 
たちまちハーパーの脳裏で、ＦＢＩ上層部が「鉄板」と信じているカードが次々裏返り始めた！ 
（「旅人」に迫るには、インターネットのＨＰ「ヨルダン川の辺」を経由するしかない。だから「旅人」は逆にそれを利用したんじゃないか！？） 
掲示板書き込み者を、書き込み時に使ったＨＮの頭文字と同じ頭文字の凶器で殺し、それによって一連の文章を作りだす。 
そうすれば捜査陣は、「ＰＡＬＥ」の最後の一文字、「Ｅ」で始まるＨＮの書き込み者を次の標的と考えるはずだ。 
しかし「旅人」はその裏をかいて……。 
不吉な衝動に突き動かされ、ハーパーは携帯を取り出すとクリストファー・ウィンフィールドに電話をかけた。 
彼からの情報によれば、「Ｅ」で始まるＨＮの書き込み者は他に三人いるはずだった。 
その中の一人でもロスアンゼルス近郊の在住者がいれば、逆に言うとロスアンゼルスは最後の舞台にはならないはずだ……。 

『……社長ですね。僕です。ウィンフィールドです』 
電話に出たクリスの声には、はっきりと疲れが感じられた。 
「忙しいところ悪いんだが……」 
『全然かまいません。実は僕の方から連絡したいくらいだったんですから。……で、用件は？』 
「例の掲示板に書き込んだ、Ｅで始まるＨＮの主の住所なんだが……州名だけでいい、教えてくれないか？」 
『おやすいご用です。えーと………いいですか？一人目は「エレクター」、ニューハンプシャー在住でこれが例のフィラデルフィアです。 
二人目は「エンパイア」でニュージャージー在住。 
三人目は「イージーラバー」でウィスコンシン。 
最後は「オイゲンシュタット」でミネソタ州在住です』 
「……ロサンゼルスと関係ありそうなヤツはいないかな？」 
『四人とも国のこっち側半分ですね。ロスと関係ありそうなヤツはいないと思いますよ』 
「そうか……ありがとう。ところで君の方の用件は？」 
『実は……気になっていることがあるんです。上層部は、掲示板の解釈を間違ってるんじゃないかって……』 

短く礼を言って、ハーパーは電話を切った。 
本当を言えば、考え過ぎだという証拠が欲しくてかけた電話だった。 
だが、その結果はむしろハーパーの疑念を強めるものでしかなかった。 
掲示板の本当の意味……本当の解釈とは？ 
そのとき、ハーパーの携帯が着信音を放った！ 

『…ハーパー？』 
「オレだよ、エミー。何かあったのか？」 
『ＨＲＴが動いたわ』 
「そうか！ジョーダンの尻尾を掴んだんだな」 
『イーストフィラデルフィア空港とトロリーバス乗り場に設置された防犯カメラにそれらしい人が写ってたのよ』 
「そこから予想される移動経路上の防犯カメラを追ったか……」 
『待機命令の出てたＨＲＴを動かす以上、上層部は居場所まで特定してるわね』 
「そうか……上層部の読みが当たってくれてりゃいいんだが……」 
すると……いつもは反応の早いエミーが携帯の向こうで一瞬黙り込むのがわかった。 
『ハーパー、それ、どういう意味？』 
「どういう意味って？そりゃ聞いた通りの意味さ。それよりエミー、ひょっとして君も何か……」 
ハーパーが最後まで言うより早く、エミーは答えを口にだした。 
『実はさっき、あのフロリダの変な医者先生から電話があったのよ。気になることがあってニューヨーク市警に電話したんだけど、プリスキン刑事はＦＢＩの捜査官と二人でどっか行ったらしいっていうのよ。それで先生、こっちに電話を……』 
「…彼女と行動してるＦＢＩ捜査官ってのは誰なんだ？」 
『たぶんＨＲＴのディミトリィ・ノラスコよ。待機命令無視して飛び出してったから』 
「おい！ＨＲＴはフィラデルフィアに出動したんじゃないのか！？」 
『もちろんあのボケナス抜きでよ！』 
これにはさすがのハーパーも絶句した。 
待機命令無視だけでも懲罰必至だというのに、肝心な出動に参加していないとあっては懲罰的解雇は免れない。 
（だが……それだけ必死の何かを追ってるってことか……） 
ドクター・ロレンツォからの電話。 
そして共に行動しているというディミトリーとプリスキン。 
事態はハーパーも知らないところで大きく動いていた。 
問題は、どこに向かって動いているかということだ。 
「……エミー、君のことだからロレンツォの連絡先も控えてあるんだろ？教えてくれないか？彼の電話番号を？」 

事態は何処に向って動いているのか？ 
その答えは「ヨルダン川の辺」の解釈にかかっている。 
そしてそれを正しく解釈できる男がいるとすれば、それはあの衒学的なイタリア系医師をおいて他には考えられなかった。 
ハーパーはエミーに教えられた連絡先をプッシュした。 

ジョンＦケネディ空港から空路でロスアンゼルス空港へ。 
空港内でレンタカーを借りだすと、あとは陸路で郊外に。 
ディミトリィ・ノラスコとソフィア・プリスキンの臨時コンビは、グレック刑事から渡された住所へと車を走らせていた。 
「やれやれ……とうとう国の反対側まで来ちまったぜ。いまごろはＨＲＴにも出動命令が出てるだろうよ。……となりゃあ、クビ確定だな」 
ハンドルを握るディミトリィがぼやくが、冷静なソフィアはそれを全く相手にしない。 
「……そろそろだと思います」 
「例の郷土史家先生のお宅か」 
当たりの風景は次第に家もまばらになり、あいだの荒れ地が目立つようになってきた。 
大小の赤茶けた砂岩が転がり、枯れ果てた木が骨のように白く乾いた木肌を晒す。 
僅かな草はそれらの陰に隠れてひねこびるばかり……。 
「……荒れ地の誘惑……」 
「…？何か言われましたか？？」 
「オマエ聖書読んだことねえのか？イエス様が４０日間荒れ地に篭るだろ？そうすっとサタンが来てだなぁ……」 
「…見えてきました！」 
「聞けよおい……」 
道は砂岩の赤い丘へと登り、その曲がった果てに一軒の巨大な灰色の家が姿を現した。 

『ミスター・ハーパー、お久しぶりです。ロレンツォです』 
電話の向こうの医師の声は、酷く疲れているようだった。 
「お疲れのところすみませんが、ロレンツォ先生……ＦＢＩの方にお電話いただいたと聞きまして……」 
『ええ、お電話さしあげましたよ。さしあげましたとも』 
医師は電話口で喉の調子でも整えているようだった。 
『このあいだクワンティコでお話しましたよね？夢見が悪くて眠れないと』 
「……ルービン殺しの夢ですね。そのお話は、確かにうかがいましたが……」 
『クワンティコまでお邪魔したから、さあこれでぐっすり眠れるぞと、そう思ったんですよ。ところが、やっぱり眠れない。それどころか悪夢がますます酷くなる……』 
（まさかこの医者、愚痴をこぼしたくってＦＢＩに電話してきたんじゃないだろうな？） 
不眠の悩みだったら精神科医に相談してくれ？との思いがハーパーの頭をかすめる。 
『昨日の夜もやっぱり眠れないもんで、それならいっそ悪夢の元と対決しようと思って、パソコン立ち上げて『ヨルダン川の辺』に行ったんですよ』 
「あのＨＰに行かれたんですか」 
『ええ、行きましたよ。で、ハーパーさん、質問なんですが……』 
「質問ですか、守秘義務がありますから答えられる範囲なら……」 
『窺いたいことは、ＨＰの主に関する事項です。名前とか住所に、エリックとかジョーンズ、ジョーダン、あるいはエディスンという名称が含まれていませんか？』 
「……！？」 
一瞬ハーパーが絶句したことを、医師は敏感に察知したらしかった。 
『含まれているんですね』 
捜査上の秘密ではあるが…ハーパーは直ちに腹をくくった。 
「含まれています。あのＨＰの開設者がエリック・ジョーダンという男なんです。しかしロレンツォ先生、何故それに気付かれたんでしょうか？」 
電話の向こうで医師がため息をついたのが聞えた。 
『ジョーンズあるいはジョーダンは簡単です。ＨＰのタイトルからすぐ出て来ますよね？』 

＊ 日本でヨハネと表記される名前は英語ではジョーンズ、同じくヨルダン川はジョーダン川になる。 

「そっちはオレにも判りますが…、エリックの方は？」 
『「ヨルダン川の辺」のトップページを覚えていますか？』 
「あれはなんて言えばいいのか……」 
ハーパーはクワンティコで見たＨＰを思い浮かべた。 
「なんて表現したらいいのか……茶色の唐草模様がぐるぐる渦巻いたりしてるデザインだったかと……」 
『唐草模様じゃないです。あれは唐草模様なんかじゃない』 
そしてロレンツォの声のテンションが微妙に上がった。 
『模様をずっと指で辿ってみてください！頭があることに気がつくはずです！』 
「頭がある？あの唐草模様に？？し、しかしそれにいったい何の意味が？！」 
『あれはヘビ、あるいはドラゴンです。しかも自分の尻尾を口に加えている。 
つまり、あのトップページで渦巻いているのはウロボロスなんですよ！！』 
「ウ、ウロボ…ロス？」 
『自分の尻尾を加えることで無限円環を意味するドラゴン。それがウロボロスです。 
そして…『邪竜ウロボロス』というタイトルの幻想小説を書いた作家の名前が、エリック・クラッカー・エディスン！』 
ハーパーの頭の中で、様々な情報が一気に繋がった！！ 
『あのＨＰは単なる駄洒落です。エリックからウロボロス、そしてジョーダンからヨルダン川を導いて洗礼者ヨハネ。 
いいですか、ミスター・ハーパー！あのＨＰは、他人の信仰心を笑う性質の悪いブラックジョークに過ぎないんです。しかし、それをジョークで済まさなかったヤツがいた！そいつが「旅人」なんですよ！！』 
ハーパーは確信した！！ 
（エリック・ジョーダンは「旅人」なんかじゃない！） 
そして次の標的がロスアンゼルスであるということも。 
（円環だ！始まりが終わりへ、終りがはじまりへ！ニューヨークの凶器の出元で、殺人ウィルスが使われるんだ！！） 

「さて諸君」 
ＦｅｄＥｘの集配トラックに偽装した隊員輸送車内で、エドガー・ファーガはきりだした。 
「あと５分ほどでこのトラックは、とあるビジネスホテルの前に到着する。 
『旅人』はそのホテルの三階、廊下の一番奥から二つ目の３０２号室だ」 
隊員たちの誰一人として質問などしない。 
いまは、ファーガ隊長の式のもと、チェスの駒に徹して行動すべきときなのだ。 
「ホテルのロビーにはすでにこちら側の人間が待機しており、我々の到着と同時に２基あるエレベーターを２基とも抑える手配になっている。 
建物内の本階段は我々が、非常階段は別動のＢチームが上がる。三階３０５号の人間は客を装った監視要員だが、それ以外はすべて一般人だ。廊下に出て来られては面倒なので、それ以前に迅速に決着をつける必要がある」 
トラックがスピードを落としたのが社内からもはっきり判った。 
他の車のエンジン音やクラクションが遠くなったので裏道に入ったらしい。 
裏道に正面玄関があるのであれば、ビジネスホテルの中でもランク低い部類だ。…ということは……。 
「このホテル、ロビー班の報告によると、壁は薄くて階段は上がるとギシギシ音がするそうだ。つまり大人数ではヤツに確実に感づかれる。よって、最終突入はオレを含む５名。メンツは……」 
そして……偽装トラックは、ホテル前にゆっくりと停車した。 

かっきり続けて二回、それからあいだをおいてもう一回、３０２号室のブザーを押した。 
ブザーに反応し、部屋の中で足音がゆっくり戸口に近づいてくる。 
そして短くもう一回。 
それが突入の合図だった！！ 
正面突破部隊が特殊爆薬でドアを破壊し室内に突入！ 
同時に、階上の４０２号待機の隊員が、ロープ伝いで通りに面した窓から飛び込んだ！ 
「ＦＢＩだ！」「な、なんなんだ！？」「抵抗するな！」「おとなしくしろ！！」 
３０２号は一瞬で爆発の煙と男たちの怒号に満ちた！ 
白い埃のなかにチラチラ動く赤い点は、向かいの建物に待機した狙撃班だ！ 
エドガー・ファーガ率いるＨＲＴ突入班は、突入開始後数秒も要さずに「旅人」ジョーダンの逮捕に成功していた。 
「例の物を探せ！」 
エドガーの指示で、隊員らが直ちに室内を捜索。 
隊員の一人が、寝室で古びた革張りのアタッシュケースを発見した。 
「鍵は掛っていませんが……開けてみますか、隊長？」 
エドガーが無言でうなずき、隊員は金具を操作した。 
カチャッ！ 
微かな金属音。 
そしてアタッシュケースは、内臓のバネにより自分からその内部を晒した。 
……………。 
拍子抜けしたように、ケースを開いた隊員が言葉を漏らした。 
「なんだ？こりゃ？？」 
アタッシュケースの中身は……ありふれた替え下着と、ウィスキーのポケットボトルだけだったのだ。 

「失礼ですが、どちらさま……」 
「旅人」がインターホンで最後まで誰何しきるより早く、「ネコ足の訪問者」は監視カメラに向けてライセンスを提示した。 
「自分はＦＢＩ捜査官のディミトリィ・ノラスコ。となりはニューヨーク市警のソフィア・プリスキン刑事です。失礼ですが、パトリック・ライダーさんでしょうか？すこし窺いたいことがあるんですが」 

　がちゃっ…ガチッ…チャキッ、 
ロックの解除音は三回だった。 
どれも意外なほど重くがっしりしている。 
開き始めたドアの、初期速度も遅い…。 
（…重いドアに頑丈な錠が三つ） 
ほとんど職業病だが、ディミトリィは瞬時にドアの強度を値踏みした。 
同時にドアに触れた手が、その厚みと材質がライヴオーク、樫であることを伝えてきた。 
（このドア、斧やスレッジハンマーでも跳ね返すぞ） 
ディミトリィはこのライダーという男の家を、「ちょっとした要塞」と判定した。 
立て篭もりの舞台にされたなら、ＨＲＴといえども苦戦は免れないだろう。 
装甲板のような扉がゆっくり開いて……静かな笑みをたたえて館の主人が立っていた。 
「私がパトリック・ライダーです。今日はいったいなんの御用なのでしょうか？」 
「郷土史家」などという肩書からある程度高齢の男性を想像していたディミトリィとソフィアだったが、現実のＰ・ライダーは３０代後半ぐらいにしか見えなかった。 
身長６フィートに僅かに欠けるくらい。 
無造作に手串でまとめた金髪。 
落ち窪んだ青い目に、薄い唇。 
きれいに髭が剃られているせいで、こけた頬が目立つ。 
その面立ちから連想する肩書は「郷土史家」でなく「苦行僧」だろう。 
女性らしい観察を働かせてソフィアが尋ねた。 
「失礼ですが、どこかへお出かけになるところだったのでしょうか？」 
「実は、ロスのど真ん中で今日からゴールドラッシュ展が始まるんですが、その開会セレモニーに呼ばれていまして、それで出掛けるところだったんですよ」 
「お忙しいところ申し訳ありませんが、少しお時間よろしいでしょうか？」 
何時になくソフィアが多弁なのは、口下手なディミトリィをフォローするためだ。 
「時間厳守というわけでもないですから別にかまいませんよ、さあどうぞ」 
館の主人に導かれ、ディミトリィとソフィアは応接へと通された。 
家の外観は「大地の底から四角く切りだされた岩」だったが、応接間はログハウスのような作りになっていた。 
壁には古い人物写真が何枚もかかっていた。写真の男たちは皆豊かな髭をたくわえ、手には古い小銃を携えている。 
「みな、私の一族です」 
ディミトリィの視線を追うと、誇らしげに「旅人」は言った。 
「私の先祖ウィリアム・ライダーは、ザカリー・テイラー将軍指揮下でメキシコ軍を破ったその年に、このカリフォルニアの地にやって来ました」 
「旅人」はその中の一枚、ひときわ古い写真を指さした。 
「ウィリアムです。彼は黎明期のカリフォルニアを縦横に駆け巡りました。 
雪の残るトラッキー湖畔までドナー隊を探しに行ったメンバーの一人でもありました。 
血なまぐさい殺人旅籠事件や、奇怪な影のつきまとうハルピン・フレイザー殺しでも、彼は必死に犯罪者の影を追ったのです。 
無法者の凶弾に斃れるその日まで、カリフォルニアの治安を守るため、彼、ウィリアムは駆け続けたのです」 
その男は、八の字髭をたくわえ古臭いデザインの帽子を目深に被っていた。 
帽子のつばの下から覗く眼光が鋭い……。 
だが、ディミトリィの目はウィリアムの手にしたものに釘付けになっていた。 
「ボルカニック連発ライフル！」 
ディミトリィが写真に駈け寄った。 

「ライダーさん！アンタこの写真にも写っているボルカニック連発銃をもってませんでしたか？」 
言葉足らずのディミトリィをソフィアがフォローした。 
「私たちは、デルハイル事件を追っているのですが、その凶器として使われたのがボルカニック連発ライフルだったんです」 
「デルハイル事件というのは……ニューヨークで投資会社の社長が射殺された事件でしたね？新聞だと凶器はライフルということでしたが……ボルカニックだったんですか」 
やや眉を寄せて「旅人」は抑制の効いた驚きを見せた。 
「弾の製造業者からここが浮かびました。製造依頼を受けた業者がジャイロ・ジェット弾の規制に触れないか、市警の意向を聞いた記録があったんです」 
「ロケット・ボールがジェイロジェット規制にひっかかる？」 
「旅人」にもこれは初めて聞いた話だった。 
「わたしには覚えがありませんが……何年ごろの話ですか？」 
「記録によると９６年のことのようです」 
「それでしたら、きっと父の依頼だと思います」 
「旅人」は別の壁面に飾られたカラー写真を指さした。 
「父、ランドルフ・ライダーは一族の歴史に強い誇りを抱いていました。それで、一族がこのカリフォルニアにやって来たころからの歴史的な文物や器物をコレクションしていたんです」 
父の想いを口にするとき、「旅人」は微かに胸を反らした。 
「ウィリアムは当時最新式の火器であったボルカニック連発銃を手に、このカリフォルニアにやって来ました。ですから父がボルカニック銃を手に入れるばかりでなく、それ用の弾まで作らせていたとしても、別に驚くには当たりませんね」 
そして「旅人」は静かな声で「父にとってはそれだけ価値のあることだったんでしょう」とつけくわえた。 
「そんじゃそのボルカニック連発銃はいま何処に？！」 
「父がコレクションにあったんだと思いますが、もうここにはありませんよ」 
「此処に無いってんなら、じゃあ、何処にあるんだ？！」 
「一地年ほど前、父のコレクション一切寄贈してしまったんですよ、ロスアンゼルス市に」 
「するってぇといまもロス市が？」 
「ところが…ややこしい話なんですが、市がゴールドラッシュ展開催を準備しているあいだに賊に入られまして……」 
「ってこたぁ、ボルカニック連発銃も？」 
「もしその銃がニューヨークで使われたというのなら、他のガラクタと一緒にそのとき盗まれているんだと思いますよ」 
自分の額を鷲掴みにしてディミトリィがソファーに背中を預けると、入れ替わりにソフィアが尋ねた。 
「御手数ですがミスター・ライダー。違いなく寄贈品の中にボルカニック連発銃があったか確認することはできませんでしょうか？」 
「……たしか随分以前に父の作った目録があったと思います。探してみましょうか？」 
「是非、お願いします」 
「わかりました。しばらくお待ちいただけますか？」 

　ライダーが部屋を出ると、ディミトリィがソファーから立ち上がった。 
「やっぱりスタート地点はこのカリフォルニアだったんだ！」 
「でもノラスコ捜査官、これまでの『旅人』のパターンだと、ロスで誰か殺されていなければならないはずです」 
「おう、早速ロス市警に回って調べてもらうか」 
「それよりハーパー捜査官と連絡をとって調べてもらった方が……」 
ソフィアは携帯を開いたが、すぐポケットへと放り込んでしまった。 
「どうしたんだ？電池ねえのか？？」 
「アンテナが立ちません」 
「そうか、ほとんど砂漠みたいなトコだからな……ん！？なんだありゃ？？」 
妙な声をあげて、ディミトリィがランドルフ・ライダーの写真の隣に貼られた、もう一枚の写真に顔を塚寄せた。 
「………ライダーの一族の写真じぇねえぞ、間違いねえ！こりゃチャールス・ハーパーだ！！」 
「……まさか」 
しかし、それは間違いなくＦＢＩロス支局所属の捜査官、チャールス・ハーパーの横顔を写したものだった。 
おそらく新聞記事から切り抜いたもので、さらによく見ると写真の上と下に何か言葉が走り書きされている。 
「上の言葉は……外国語かよ」 
「ドイツ語です。ええと……『心するがよい。怪物と争う者、みずから怪物となる惧れのあることを。深淵を覗くとき、深淵もまた汝を覗いていることを』。ニーチェですね。それから下の書き込みは……『狩人よ、追え！我を』………………………まさかこれは？！」 
ソフィアとディミトリィの顔色が変わった次の瞬間、外で銃声がバンバンと二発、続けざまに轟いた！ 
「ちっくしょう！！」 
拳銃を掴みだしてディミトリィが窓際に飛び付くと、青白色にペイントされた大型バイクにうち跨って、パトリック・ライダーが屋敷から走り出すところだった！ 
「ヤツだ、ソフィア！ライダーが『旅人』だったんだ！」 

[[続く&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/33.html]]    </description>
    <dc:date>2011-10-27T23:35:04+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/33.html">
    <title>ツーリストpage7</title>
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      「ソフィア！ハーパーに連絡しろ！『旅人』を阻止させるんだ！」 
「了解です！」 
ソフィアは携帯を取り出したが、使い物にならないことを思い出し、すぐに部屋の固定電話に手を伸ばした。 
だが受話器からはなんの音も聞こえてこない。 
「電話器死んでます！」 
「こっちもだ、ドアが開けらんねえ！電子ロックでコード知らなきゃロック解除できねえようになってやがる！」 
「それなら窓を…」 
「無駄だ、ソフィ……」 
「普通に開けるつもりはありません！」 
ソフィアはＭ９を両手で構えると窓ガラスに向け立て続けに三連射した！ 
バン！バン！バン！……しかし，ガラスには僅かな傷がついただけ。 
「ぼ、防弾ガラス！」 
「だから無駄だって言ったろ。こんな要塞みたいな家の窓が防弾ガラスじゃねえわけねえ」 
「それじゃどうすれば外に！？」 
「この家の電源を探すんだ。電子ロックなら、電源を止めりゃドアは自動開放されるんだよ！」 
「…それならきっと」 
ソフィアは家の裏手へと駆けこんだ。 
「…あった！」 
「カンがいいな。この手の設備は大抵家の裏手、台所か倉庫の近くだ」 
ディミトリィが配電盤を開いてメインスイッチを切ると、横の裏口が音もなく開いた。 
家の表に走るとレンタカーへ。 
「運転頼む！」 
拳銃を抜いてディミトリィが助手席に滑り込んだ。 
「……は、はい」 
「町に入られたら厄介だ。途中の砂漠地帯でヤツに追いつけ！オレが仕留める！」 
「了…解です」 
頼りなげな返事…。 
ガクンという大きな振動とともに、車のエンジンが咳き込んで止まった。 
「おまえひょっとして……運転下手か？」 
「はいっ！」 
今度は元気に返事してエンジンを再始動すると、ソフィアは迷わずアクセルペダルを床まで一気に踏み込んだ！ 
「おわっっ！」 
安レンタカーの薄い背もたれにディミトリィの背中がめり込む！ 
派手なスキール音とともに車が前に飛び出したすと、今度はディミトリィの側のウィンドミラーが門柱に接触しモゲて飛んだ！ 
そして家の敷地を飛び出して州道を西にとるとき、車は派手に一回転と１／４、つまり４５０度ターンを決めた。 
ワザとやったんなら凄い腕だが、もちろんワザとではない！ 
「おい！交代しろ！やっぱりオレが運転する！」「そんな時間ありません！」 

　ハーパーには確信があった。 
次の殺人ウィルスを使う殺人が最後の犯罪。 
そしてベックマンが恐れていた「とびきり邪悪なイベント的殺人」に違いないと。 
そしてその舞台は… 
（間違いない！あのゴールドラッシュ展だ！掲示板をエサにＦＢＩの目をフィラデルフィアに引きつけておいて、同時期に開催されるゴールドラッシュ展を狙う。そしてそのターゲットは……） 
Ｅ＝Ｅｖｅｒｙｂｏｄｙ……つまりは皆殺し。 
一年のうち「少なく見積もっても」３６５日は晴れると言われるカリフォルニアで、ハーパーの背中に寒気が走る。 
（だが……ＦＢＩやロス市警を動かすには、「旅人」の殺人とゴールドラッシュ展を結び付ける証拠が必要だ！） 
どうすればゴールドラッシュ展と「旅人」を結び付けることができるのか？ 

『自分の尻尾を加えることで無限円環を意味するドラゴン。それがウロボロスです』 

「そうだ！」 
ハーパーが思わず声に出して叫び、店主のボブが驚いたように目を剥いた。 
「さっきのニュースで言っていたゴールドラッシュ展出展品の盗難事件だ！ニューヨークで使われたボルカニックライフルがゴールドラッシュ展の出展品から盗まれた品だったとしたら！？」 
ロスからニューヨークへ。 
そして全米を駆け巡って再びロスへ。 
「…それですべての辻褄があう！！」 
（ロス市警に照会だ！） 
ハーパーは直ちに携帯を取り出した。 
『…お待たせしました。ロスアンゼルス市警です』 
聞き覚えのある声。 
なんどか顔をあわせたこともあるソバカス顔の女性警官の声だ。 
「オレはハーパー、チャールズ・ハーパーです。すみませんが監察部の……」 
『ああ、奥さんね。ちょっと待って……』 
婦警もハーパーの声に聞き覚えがあったらしく、二つ返事で電話を回してくれた。 
だが、内線回送された先で受話器をとったのは彼の妻ではなかった。 
『……ハーパーさん？僕です。マイクです。もうしわけないですが奥さんは……』 
「あれ？いないのか？？」 
『今日はチーフや部長のお供でゴールドラッシュ展のオープニング･セレモニーに出席してますよ』 
「な、なんだって！？」 

　ハーパーは、盗まれたゴールドラッシュ展示予定品の中にボルカニックライフルがあったかどうか、調べてくれるようマイクに依頼して電話を切った。 
これまで「旅人」は、ＦＢＩ捜査官としてのハーパーが追う獲物だった。 
しかしマイクの話によると、ハーパー自身の妻が「旅人」の最後の舞台にキャストとして上がっているという！ 
店の時計はあと２０分ほどでゴールドラッシュ展が開幕するという時刻を示している！ 
（…時間が無い！！） 
マイクからの調査結果は待てない。 
血相変えてハーパーはホットドッグスタンドを飛び出した。 
「そんなバカな！？」 
フロントガラスに噛みつこうとでもするような姿勢で、ソフィアがもらした！ 
「もう荒れ地を抜けてしまったとでも！？」 
「そんなはずぁねえ！」 
ソフィアに負けない大声でディミトリィも怒鳴り返した。 
「こんな砂に覆われた道を高速でぶっ走ったら、必ず砂埃が巻き上がる！けども、見渡す限り砂埃なんて……」 
…そのとき！ 
車の右手で低く鈍い爆音が沸き起こったかと思うと、数メートルほどの砂岩の崖から、巨大な黒い影が飛び出してきた！ 
「待ち伏せかっ！」 
ディミトリィの叫びと同時に、車のルーフを重い車輪が一撃！ 
鉄製のルーフ中央が一気に４インチ以上もめり込んだ次の瞬間、青白い幽霊のようなカラーリングのバイクが車左手に着地！ 
その乗り手の右手に長銃身のルガーが！ 
「アタマさげろーっ！」 
自分も身を伏せながら、とっさにソフィアのアタマにも左手をかけてハンドルに叩きつけるような勢いで頭を下げさせる！ 
バイクと車、唸る二つのエンジンで拳銃の発砲音は聞えなかったが、車の右と左、二枚のガラスが粉々になって吹き飛んだ！ 
「ぶつけろソフィア！」 
「……了解っ！」 
ソフィアが手荒くハンドルを右にきると、波打つように蛇行した車の後部がバイクを襲う！ 
重量１トンを超える鉄の塊のアタックを受け、バイクのバランスが一瞬崩れた。 
「お返しだぜ！」 
ディミトリィのベレッタＭ９も猛然と火を吹いた！ 
バイクのバランスを半ば腕づくで立て直すと、「旅人」は車の後部へとバイクを素早く横滑りさせた。 
「……チャンス！」 
ルームミラーでこれを見たソフィアが、今度は床までブレーキを踏みける！ 
車とバイクの車間が一瞬でゼロになり、バイクの前輪が車のリアバンパーに触れた！ 
しかし「旅人」は追突しかかった状態でクルマのトランク部分に蹴りを入れると、今度は車の左へと滑り出た！ 
「ソフィア！頭を下げろ！」 
ディミトリィが叫びソフィアが頭を下げると、伏せたソフィアの頭越しに「旅人」とダィミトリィの銃撃戦が始まった。 
残っていたガラスはあっというまに総て砕け散った。 
ベレッタが吐き出す焼けた薬莢が車の中で飛び跳ね、いくつかはソフィアやディミトリィにもぶつかったが、熱いと感じる余裕など無い！ 
（５発……６発……） 
猛スピードで走りながらの銃撃戦……しかしその中でディミトリィは冷静に敵の発射弾数をカウントしていた。 
（Ｐ０８のマガジンは装弾数７発。薬室に１発あったとしても、最大で８発……） 
……マガジンを交換するには両手を使わねばならない。 
しかし高速でバイクを運転しながら、ハンドルから両手を離してマグチェンジするのは、不可能ではないまでも極めて困難だ。 
（あと２発撃ったら、ヤツは弾切れだ。そこで、決めてやる！） 
車の右に左にと車線を変えながら銃撃をかけていた「旅人」のバイクが突然スピードを上げ、左から一気に車を追い抜いた。 
「旅人」のＰ０８が２回撥ね、ルームミラーと左ウィンドミラーが弾け飛ぶ！ 
「今ので弾切れだぁっ！！」 
ディミトリィがＭ９を両手ホールドし狙いを合わせた。 
……「旅人」とディミトリィの目があった。 
（笑ってる！？） 
そしてディミトリィは、車のボンネットからもうもうと白煙が吹きだしているのに気がついた！ 
「オーバーヒート？！」 
「そうか、ヤツがあの要塞みたいな家から脱出したとき聞えた、あの２発の銃声は、これだったのか！」 
家から脱出したとき、「旅人」は二人の乗って来た車のラジエターに２発、弾を撃ち込んでおいたのだ。 
連絡手段の無い砂漠地帯の真ん中にディミトリィとソフィアを置き去りにして、自分は 
悠々とロスに向かう……。 
「……はめられました」 
「狙った場所でエンコさせるため、敢えて勝負を仕掛けたのか！畜生っ！！」 
ヤケクソでディミトリィの最後の一発は、もちろん「旅人」には当たらなかった。 
「旅する死神」の後ろ姿は、みるみる小さくなっていった。 

ゴールドラッシュ展会場に向かったハーパーの車は、事故発生によるノロノロ運転の群れに飲みこまれつつあった。 
「くそっ！こんなときに！」 
裏道を行くか？と思ったそのとき、マナーモードにしておいたハーパーの携帯が震動した。 
『…マイクです。さっきの件ですけど』 
「で、どうだった？！」 
『盗難にあったゴールドラッシュ展示予定品のなかに、ボルカニックなんたら…の記録は有りませんでした』 
（…とりこしぐろうだったか） 
『…でもアンティークライフルの記録はありました。それからロケットボール弾のレプリカ品が２ケース１２発……』 
「ロケットボールだって！」 
車のシートの上で、ハーパーは本当に飛び上がった。 
「そのアンティークライフルがボルカニックだ！ロケットボールは専用弾なんだ！！」 
ありがとうを言う余裕も無く携帯を切ると、ハーパーは行く手の道路状況を見遥かした。 
ハーパーの車のいるあたりではまだノロノロ走行だが、１００メートルほど行った先の 
合流路あたりで完全に止まっていた。 
（開会まで……あと１５分か） 
ついに意を決してハーパーは車を降りた。 
「…キミキミ、ここは駐停車禁止…」 
つかつかやって来た警官に、ハーパーは身分証明を見せ車のキーを押しつけた。 
「ＦＢＩだ！邪魔だったら動かしてくれ！」 
「動かしてって？オレがかぁ？！」 
「まかせたぞっ！」 
それ以上相手に言わせず、ハーパーは猛然と駆け出した。 

　戦いの余韻を全身に感じながら、「旅人」はバイクを走らせていた。 
（ハーパー以外にも、まだあんな奴らがいたのか） 
風に晒された頬に思わず笑みが浮かぶ。 
（この国も、まだまだ捨てたもんじゃないのかもしれない） 
ディミトリィとソフィアが訪ねて来た時、あの家で二人を殺すことは十分可能だった。 
自身が「砦」と呼ぶ家は、彼がデザインした彼だけの戦場だったからだ。 
だが、殺さなかった。 
ＦＢＩや警察官が単独で行動することは普通ない。 
女性刑事はロス市警でなくニューヨーク市警だった。 
男の方も戦闘力からして並みの捜査官のはずはない。 
それが、フィラデルフィアでなくこのロスにまでやって来た。 
間違いない。 
彼らも狩人だ。 
「旅人」の先祖、ウィリアム・ライダーのように、縦横に国を駆け、そして命賭けで悪を撃つ「狩人」。 
（……ハーパーだけではなかったか） 
そして「旅人」の頬が、無駄ではなかったとの想いに再び緩む。 
絶滅危惧種たる「狩人」が集まって、彼を討伐するならそれでよし。 
彼を討伐できないなら、利己主義と拝金主義の腐り果てたこの国を、彼の手で浄化するだけだ。 

　「旅人」の駆るバイクは、砂漠地帯を抜け、住宅地に入って行った。 
これまで長い旅を続けてきた「死神」は、その旅の終着点に辿りつこうとしていた。 
　（くそぅ…なんて暑さだ） 
ハーパーは走りながら上着を脱ぐと、近くの植え込みに放り込んだ。 
下のシャツは水でも浴びたように濡れそぼっている。 
顔といわず首といわず、滝のように流れる汗のせいだ。 
日ごろの走り込みは怠っていないつもりだったが、それでもきつい。 
そもそも日ごろ走り込みだと服装はトレーニングウェアだし、重い拳銃も下げていない。 
でも、足を止めるわけにはいかなかった。 
ゴールドラッシュ展に「旅人」が現れる。 
殺人ウィルスによる大量殺人を実行するために！ 
しかもそこにはハーパー自身の妻もいるのだ。 
ハーパーは必至で駆けながら、携帯でなんとか妻とコンタクトをとろうと何度も試みていた。 
（頼むっ！出てくれ！！） 

『……もういい加減にしてよ！何度も何度も！』 

やっと電話に出てくれた彼の妻は怒っていた。 
『…セレモニーの最中に電話に出られるワケ無いじゃないの！』 
「ごめん、それより……」 
『朝ちゃんと話しといたじゃないの？！』 
妻はさっぱりハーパーの話しを聞いてくれない。 
『…今日はチーフや部長のお供でゴールドセッシュ展のオープニングセレモニーに参加するって。ほんとにいつも上の空で……』 
「悪かったよ、今度はちゃんと気合い入れて話し聞くから……」 
『そのセリフだってもう何度も…』 
……話が前に進まない。 
そのとき…電話の向こうで何かの破裂音が聞えた！ 
「おい！いまのはなんの音だ！？」 
『……バックファイアじゃないかしら？ちょっと見て来るわ』 
「バ、バカ！行くな！行くんじゃない！！」 
ハーパーの怒鳴り声も虚しく、妻との電話は切れてしまった。 
（待ってろ！オレが行くまで！頼むから！お願いだから！！） 
赤鬼のような形相に、道行く人が次々飛び退いた。 
そして、ゴールドラッシユ展会場のロスアンゼルス歴史博物館が見えてきた。 

　「愛馬」ペイルホースを停車させ、後輪左右のバッグを外して左肩に振り分け荷物にすると、「旅人」はロスアンゼルス歴史博物館の正面階段を大股に上がって行った。 
服装を見た係員が駈け寄りかかったが、顔を見て関係者だと思いだして足を止めた。 
「ライダーさん。どうされたんですか？そのかっこうは？埃だらけじゃないですか」 
「いけないよ君。人を服装で判断しちゃ」 
そして「旅人」は係員の眉間に口径９ミリの穴を開けた。 
一方のバッグから「カタツムリ」の仇名のある３２連弾倉を取り出して銃にセット。 
反対側のバッグからは、同じく革製のショルダーバッグを取り出した。 
バッグの中からは電気のコードが伸びていて端には作動スイッチらしきものがついている。 
バッグを肩にかけ、コードの余分な部分をざっと手首に巻きつけてからスイッチ部分を握ると、それで準備は終りだった。 
「さてと……５分ほど遅刻するかと思ったが、なんとか少しの遅刻で間に合ったな」 
「旅人」は１メートルをゆうに超える歩幅で悠然と、オープニングセレモニー会場に向かって歩き出した。 

　ゴールドラッシュ展開会セレモニーの会場では、ロスアンゼルス市市長が開会の言葉を述べているまっ最長だった。 

「……１８４８年、メキシコとの戦争に勝利し、ここカリファルニアは合衆国の一部と……」 
そのとき演説する市長の傍らで、微かにブーム………ブーム………とバイブの震動音が聞えて来た。 
「……それに続くゴールドラッシュによってカリフォルニアは更なる発展の……」 
ブーム………ブーム………ブーム 
「……発展の道に」 
苛立った市長が口ごもると、演壇後隅に座っていたスーツ姿の女性が警官が慌てたように席を立つと背後のカーテンの陰に消えた。 
「いらいこのロスアンゼルスはニューヨークに次ぐアメリカ第二の……」 

「……もういい加減にしてよ！何度も何度も！」 

カーテンの向こうから女の声がする。 
市長は無視して演説を続けた。 

「…セレモニーの最中に電話に出られるワケ無いじゃないの！」 

女の声はヒートアップしてきた…。 
「現在では！アメリカ第二位の大都市に……」 
カーテンの向こうの声を打ち消そうと市長の声も大きくなった。 

「今朝ちゃんと話しといたじゃないの？！」 

…市長の負け。 
カーテンの向こうの声の方がずっと大きい。 
もう記者席まで聞えている。 
記者の何人かはクスクス笑ったり、思わせぶりに顔を見合わせたり、俯いて笑い顔を隠したりしている。 

「…今日はチーフや部長のお供でゴールドセッシュ展のオープニングセレモニーに参加するって。ほんとにいつも上の空で……」 

記者席で「ハーパーだ、ハーパー」「どっちのハーパーだよ？」「決まってるだろ」 
などとおおっぴらに私語が交わされはじめた。 
市長はついに演説を止め、ロス市警チーフと監察部長がカーテンの方を振返った。 

「そのセリフだって…」 

ついに監察部長が席を立って背後のカーテンを引き開けた。 
さっきの女が背中を向けて携帯を耳に宛てている。 
監察部長が女の肩に手を賭けようとしたとき……博物館正面の方でバン！と破裂音が聞えた！ 

「……バックファイアじゃないかしら？ちょっと見て来るわ……………げっ！？」 
電話をかけていた女性は、振返ってみてカーテンが開いているのに気がついた……。 
しかし、市長をはじめとする列席者、それから記者たちも博物館正面へと続く扉の方を見ている。 
「市長、こちらへ」「…念のためです」 
市長を反対の避難口へと誘導しようとボディーガードたちが立ちあがった。 
一方、博物館の警備員がセレモニー会場正面出入り口へと小走りに向かう……。 
しかし、閉ざされた戸口に手をかけた警備員はすぐさま振返った。 
「開きません！」 
「なんだと！？」 
驚きの声をあげ立ち上がると、市警チーフは市長らに叫んだ。 
「待て！行くな…」 
警告の声と同時に、市警らの向かっていた先の非常口が、弾けるように左右に開いた。 
服装はカジュアルだが、埃まみれなので１００年以上まえの金鉱掘りのようにも見える。 
「ライダーくん、その服装はいったい……」 
「………いけませんよ市長。服装で人を判断しちゃ」 
そのときになって、市長は始めて相手の手にしているものに気がついた。 
ドラムマガジン付きの長銃身ルガー！ 
銃の存在に気づいたボディーガード三人が一斉に銃を抜く！ 
「旅人」は腰のあたりまで銃を持ち上げただけだった…。 
その姿勢のまま、バーーーーンとほとんどひと続きの銃声が響いて、三人の額にそれぞれ一つづつの真っ赤な穴が開いた！ 
額から赤い噴水をあげながらボディーガード三人が後ろざまに倒れると、中年女性記者の一人が怪鳥のような悲鳴を上げた！ 
「ぎ、ぎぇぇぇぇぇぇっ！！」 
それが引き金だった。 
開会式参加者たちは、他人を押し倒し踏みつけながら、一斉に開かない正面出口に殺到した。 
悲鳴に怒号を上げつつ我先に逃げようとする正装の人々を眺めながら、「旅人」は呆れたように呟いた。 
「……醜いな。なんて醜いんだろう」 
そして死神はチーフらの方に顔を向けた。 
「命をかける値打ちなんて無いよ。あんな奴らを守るために」 
右手の自動拳銃はチーフと監察部長のほうに向けられている。 
「僕の腕は御覧になったでしょう？いちいち照門なんて覗かなくたって、僕はこいつをアナタの眉間に正確に送り込めるんです」 
ロス市警幹部二人の額に玉の汗が浮かぶ。 
相手に指摘されるまでもなく、撃ちあっても勝負にならないことは判り切っていた。 
ただ一人……「旅人」が式場に入って来たとき、たまたまカーテンの後ろに居たため、気づかれずに済んだ女性警官を除いては……。 
出口に殺到する群衆を掻き分け、博物館側の警備員たちが駆け戻ってきた。 
各々の手には既に抜き身の拳銃が握られている。 
「じゅ、銃を捨てろ！」「手を上げるんだ！」 
めいめいが勝手に銃を構え、前後左右から「旅人」に迫る。 
「手を出すんじゃない！お前たちの手に負える相手じゃ……」 
しかし、無謀な行為を制止しようとするチーフの叫びよりも、「旅人」が動く方が速かった。 
「……わらわら出て来たね。殺られキャラの集団が」 
埃にまみれた上着が、うねる竜巻のようにその場でターン！ 
同時に、人間竜巻めがけ警備員らが一斉に発砲！ 
会場内が硝煙で満ち、何発かの弾丸は確実に旋回する上着を引き裂いたように見えた！ 
……しかし！ 
「はい、残念でした」 
無謀な挑戦を試みた警備員らは、一人残らず後ろざまに倒れていった。 
顔面から、赤く長い尾を引きながら……。 
「遅いよ。遅すぎる。銃を顔の前まで上げないと狙いが付けられないんじゃあ、僕には勝てないね……」 
そして、腰の銃把に指までかけたチーフの方を見て言った。 
「ギャレット署長。あなたは僕と撃つあおうなんて考えるほど、頭が悪いわけじゃないでしょ？」 
「旅人」は、これまで総てヒップシューティングの姿勢で、正確に相手の眉間を射抜いている。 
速さだけなら太刀打ちできる者もいようが、早撃ちでブルズアイをやれるガンマンなどいない。 
チーフのこめかみを汗が伝い、指がそっと銃把から離れた。 
「ライダーくん…君は何故こんなことを？」 
「……ギャレット署長、井戸の底を覗いたこと、ありますか？」 
「井戸？……井戸の底をか？」 
「深い深い、とっても深い井戸の底です。……覗いたことありますか？」 
とまどい気味のチーフの顔を見て「旅人」は言った。 
「僕は覗きましたよ。とっても深い、煙突よりも深い穴を……そうしたらですねぇ……」 
「旅人」はすっと目を細めた。 
「……底には真っ黒な満月のように水が溜まっていました。その真ん中から誰かが僕を見上げていたんです。よく見ると、それは僕自身でした。白目の無い、真っ黒な目をした僕自身が、じっと僕のことを見上げていたんです」 
はあっ、はあっ、はあっ… 
粗い息でハーパーが博物館正面の階段を駆け上がって行くと、入れ替わりに十数名の来館者が血相変えて駆け出していった。 
正面ロビーに駆けこむと、さっきの入館者たちを恐慌状態に陥れた原因「ちょっと前まで生きていた係員」がそのまま転がっている。 
（眉間をただの一発！ヤツだ！！） 
奥の「第一会場」と表示のある扉の向こうからは、凄まじい怒号や悲鳴。押し合いへしあう気配が噴き出している。 
それを押さえこんでいる扉は、取っ手にバイクを停めておくとき使うチェーン錠が巻きつけられていた。 
「この向こうか！」 
ハーパーは拳銃を抜くとドア脇に立ち、ドアとほぼ平行になる角度から３５７マグナムを構えたが……。 
（……もしこの向こうで既に殺人ウィルスが使われてしまっていたら！？） 
ドアが開いて感染者が市内に散った時点でゲームオーバーだ。 
（ど、どうする！？） 
そのとき、ハーパーの胸元で携帯が鳴った。 
電話ではない！ 
メールの着信音だ！ 

『ゴールドラッシュ展開会式場に、自動拳銃を持った男性がいます。 
名前はパトリック・ライダー。 
年齢は４０前後で、身長は……』 

メールは彼の妻からだった。 
（……メールオールか。さすがだな） 
閉ざされた事件現場から、会場内の情報を伝えてきた妻の豪胆さに舌をまく。 
しかし、メールの続くセンテンスを一読するなり彼の鼓動が急上昇した。 

『……右肩から左に襷がけしたショルダーバッグの中から電気コードが伸びて、男の 
左手の中に消えています。 
バッグの中身は爆薬で左手に握っているのは起爆スイッチではないかと……。』 

（ショルダーバッグの中身は例の殺人ウィルスで左手にその散布用スイッチか。まだスイッチを握っているってことは！） 
ハーパーはドアを封鎖するチェーン錠に再び拳銃を向けた！ 
（……殺人ウィルスは散布されてない！） 
今度は迷わず引き金を引き切った！ 
バンッ！ 
３５７マグナムがチェーン錠をぶち切ると会場ドアが爆発するように左右に開いて、正装した一群の男女が押し合い突き倒しあいながら、ロビーへと転げ出た。 
紳士・淑女の群れをドア脇でかわすと、入れ替わりにハーパーは開会式場に飛び込んだ。 
「おお、ついに来たね。待ってたんだ。『天使の都』の守護天使殿」 
「旅人」は笑顔でハーパーを迎えた。 
演壇の向かって左、ハーパーに背中を向ける姿勢で市長。 
その足元には護衛三人が転がり、彼らに代わってロス市警チーフが盾となって立ちはだかっている。 
更にその周りには半円を描くように博物館の警備員たちが顔面を開けに染めて動かなくなっていた。 
左手のコードはまだ握られたまま。 
長銃身ルガーを手にした右手はだらりと下がっている。 
しかしこの殺人者は、このままの体勢からでも必殺の９ミリ・パラベラムをハーパーの眉間に送り込むことができる……。 
妻の伝えてきた姿を両手ホールドの大型リボルバーでポイントしながら、ハーパーはゆっくり距離を詰めていった。 
「そのコードを握っているところを見ると、殺人ウィルスはまだ使っていないようだな。もうこの会場にいるのは我々だけだぞ。これで殺人ウィルスの散布は失敗だ。おとなしく……」 
しかし、笑顔のままで「旅人」は首を横に振った。 
「会場に閉じ込めた奴らがいなくたって、別に問題なんて無いよ」 
「問題無い？」 
「閉じ込めておいた紳士淑女のみなさんは、ただのギャラリーに過ぎないんだ。僕と君との決闘のね」 
「決闘だと！？」 
「あれ？嫌なのかな？？」 
「旅人」は両のまゆ毛をひょいと上げ、そして笑顔を見せてから真顔に戻って言った。 
「…まあそうだろうね。だって君は犯罪者を殺さないから。どんなときだってそうだった。あのトマホークのような殺人鬼だって射殺しなかった。でも、今日はそうはいかないよ」 
「旅人」は襷にかけたショルダーバッグを叩いて見せた。 
「エボラウィルス・スーパー・レストン株は、僕が持参しているこれ以外、市内の５か所にも仕掛けてあるんだよ。僕がこの……」 
…と言って「旅人」は、今度は左手をそっと掲げて見せた。 
「……この手に中のスイッチを押せば、そのすべてが殺人ウィルスをまき散らすんだ」 
「な、なんだと！？そんなことをしたら！」 
「もちろん最低でもロスは滅亡するね。それからロスでの封じ込めに失敗すれば、この国そのものも……」 
口の動きで「ボカン」と表現して「旅人」はまたも笑った。 
「『黙示録』によるとね、Ｐａｌｅライダーは悪疫をもたらすんだそうだよ」 
（ヤツに退く気は無いか……ならば） 
静かに視線を動かすと、カーテンの影から覗く気丈な妻の顔が見えた。 
目が合うと妻に向かってハーパーは、有るか無きかの微笑みを送り……そして「旅人」に言った。 
「よかろう。決闘に応じよう」 
「やっぱり応じてくれたね。信じてたよ。だって君は……」 
満足そうだった「旅人」の言葉が途切れた。 
ハーパーが、相手をポイントしていた拳銃を降ろすと腰のホルスターへと収めたからだ。 

ハーパーが拳銃をホルスターに収めたのを見て、不思議そうに「旅人」尋ねた。 
「……決闘を受けてくれるんじゃなかったのかい？」 
「正調の決闘ならこの状態からスタートだろ？……あ、そっちはそれでいいぞ。ホルスターなんて持って来てないだろうから」 
「なるほどね…それじゃ僕はお言葉に甘えて……」 
埃まみれの上着の男と、汗だく男が両手をだらりと垂らして向かい合った。 
カーテンの影でハーパーの妻が素早く十字をきったのが見えた。 
こころの中で（心配かけてすまない）と妻に詫びると、ハーパーはそれきりの妻のことも心の中から閉めだした。 
……ゆっくり息を吐きだしてゆき、吐き切ったところでそのまま呼吸を止める。 
視線はどこかを凝視するでなく、ただ向かい合う相手の全体を捉える……。 

ハーパーがトマホークの手斧を砕いたときのタイムがおよそ0.5秒。 
早撃ちの協議会でない、完全な実戦であること、それから動く標的だったことも考えればかなり早い方だ。 
だが「旅人」はマーク・リード並みの早撃ちで、おまけに標的射撃なみの正確さでもある。 
はっきり言って、ガンマンとしてはハーパー以上の腕だ。 
勝つのは９９．９９％「旅人」だろう。 
しかしハーパーには、残り０．０１％の勝機があった！ 

（お願いあなた！死なないで！！） 
ハーパーの妻が心の中で叫んだその瞬間！ 
二丁の拳銃がまるで一丁であるかのように、同時に吠えた！ 
「旅人」はヒップシューティングのまま、ハーパーはクラウチングの姿勢のままでピクリとも動かない……やがて………。 
ハーパーの手からリボルバーが音を立てて床へと落ちた。 
そして幾筋もの赤い線が指先を伝って床へと落ちる。 
「あなた！」 
カーテンの影からハーパーの妻が飛び出すと、崩れかかったハーパーに抱きついた。 
「あなた大丈夫なの！？」「……ああ、大丈夫だよ」 
そしてハーパーは気さくな口調で「旅人」に話しかけた。 
「殺せたのに、なんで外したんだ？」 
「…決まってるじゃないか、決闘に負けたからさ」 
「旅人」はスイッチを握ったままの左手を高く掲げて見せた。 
握った拳の中から出た電気コードは、肘のあたりで切断されている！ 
「ワザと後の先を狙ったね」 
人を撃つとき、先手をとった側の動作は脳の支配を受けている。 
しかし、後手に回った側の反応は、脊髄反射の支配を受ける。 
そのため後の先をとった方が、先手よりも０．２秒ほど早くなるのだ。 
もちろんそんなことのできるのは、恐ろしいほどのレベルに達したガンマンだけなのだが……。 
「後の先をとったばかりじゃない。この期におよんでまだ僕を殺さずに、作動スイッチのコードを狙うとはね。おそれいったよ。僕の完敗だ」 
そして「旅人」は左腕を降ろすと、そのままの姿勢で真後ろへと朽ち木のように倒れていった。 
「ど、どうしたんだ！？弾は当ててないはずだぞ！？」 
怪我も忘れてハーパーは「旅人」に駈け寄った。 
大の字に斃れた「旅人」の、それまで上着に隠れていた右脇の下に、ごく小さく鮮やかな赤い滲みが広がっていた。 
「なんだこの傷は？？何時、誰にやられたんだ！？」 
「実はここに来る途中、君の仲間とちょっと遊びすぎちゃってね。外の出血はそれほどでもないけど、でも肺の中はきっと真っ赤っかなのさ」 
「オレの仲間？……そうか！ディミトリィだな！」 
「たしかそんな名前だった。若いしちょっとマヌケだが、きっといい狩人になれるよ」 
「……おかしいなとは思ったんだ。いくらなんでもオレが勝てちまうなんて」 
「気にすることはないさ。運とか仲間とかだって、実力のうちだよ」 
……「旅人」が突然咳き込んだ。 
すると、蒼白の唇に赤い血の泡がひとつ、ぽつんとにわかに現れた。 
「最後にひとつ……言っておきたい……ことが……ある」 
「まて！無理するな！なにも言っちゃ…」 
「……ドラゴンに……１０の角と…七つの顔を持つ獣に……気をつけろ」 

そして、北米全土を股にかけ、死をまき散らした「旅人」はこの世に存在することを止めた。 

「何年ぶりですかね？」 
ＨＲＴ隊長エドガー・ファーガが右手を差し出すと、トーマス・ベックマンがガッシリ握り返した。 
「７年か、８年じゃないかな？ところでエドガー、君はディミトリィの解職に随分反対していると聞いたんだけど」 
「アラスカまで聞えてますか」 
エドガーは苦笑した。 
「まあ、あなたのことですから、きっと特別なルートがあるんだとは思いますが……」 
「徹底抗戦の構えだと聞いてるよ」 
ベックマンの顔からいつもの笑みが消えていた。 
「なぜそうしてまで彼を守る？」 
「それは……」 
エドガーも真顔になった。 
「ああいうヤツが必要だと思うからです」 
「ああいうヤツ？」 
「勇気と決断力、それから揺るがぬ正義感を持ち、ただ一人でも悪と対決する覚悟のあるヤツです」 
「何故そういう男が必用なのだと？」 
「オレは、ＦＢＩの組織力は世界一と信じています」 
エドガーはベックマンに向かって無意識に胸を張ってみせた。 
「…しかし、どんなに有能な組織でも組織であることによる弱点があります。その弱点を補完する存在が必要なのです！！」 
「……それがディミトリィってわけか」 
「ディミトリィだけではありません、あなたやロスのハーパーもそうです。あなた達がいなかったら、最低でもロスアンゼルスは死の町と化したでしょう」 
「おいおいなんだ、オレも含めての話しかよ」 
「もちろんです！それから……他にも加わった者がいると聞いています。彼らこそが、組織としてのＦＢＩを補完してくれる存在なんです」 
「それで君は……」 
ベックマンは聞いていた。 
エドガー・ファーガが自身の首まで賭けて、ディミトリィの解職に抵抗していると。 
「彼らは絶対に必要です。ディミトリィを首にするなどとんでもないこたというのが、オレの考えです」 
う～んと唸って、ベックマンは窓の外、クワンティコに広がる木々に目をやった。 
アラスカでは、落葉樹はすでに葉を落としてしまってしまっていたが、ヴァージニアではまだ紅葉したところだった。 
「だけどエドガー、君の考えには一つ、大きな問題があるよね？」 
「はい」 
その問いかけを期待していたかのように、すぐさまエドガーは返した。 
「ＦＢＩという組織の一部である以上、彼らを管理する人物が必用になります」 
「しかし、ディミトリィのような男は管理が難しい。ハーパーだって、彼の上司は……」 
ベックマンは何度かその愚痴の聞き役を努めたことがあった。 
「そこでですトム！」 
ＨＲＴ隊長が、ベックマンの前で直立不動の姿勢をとった。 
「ヤツらを束ねることができる男にただ一人心当たりがあります。オレがまだ駆け出しだったころ、オレと組んで導いて下さった先輩捜査官の方であります」 
（やれやれ……） 
ベックマンはもう一度窓の外の景色を見た。 
（冬枯れの前に、もうひと頑張りしろってことか） 

----
「おはようエミー」 
『こんちわハーパー、そっちはどうなの？』 
「公式発表はまだだけど、例のウィルスの最後のアンプルが見つかったよ。映画観のロビーに仕掛けてあった」 
『エロ映画観？』 
「…うん、きっついヤツ」 
『やっぱりね。ライダーは堕落したアメリカ人に対するアルマゲドンを意図してたみたいだから。たとえば最初の被害者デルハイルは……』 
エミー・ハワードは得々と自説を語った。 
『……だからその映画館も只の映画じゃなくって、そういう映画観じゃなきゃいけないのよ。……ところでハーパー、あなた何でそのエロ映画がきっついヤツだって知ってるの？』 
電話越しの流れ弾に思わず首をすくめつつ、ハーパーは聞き返した。 
「ところでエミー、そっちはどうなんだい？何かあったから連絡くれたんだろ？」 
『たぶん一時間ぐらい後になると思うけど、上層部が記者会見を開くわ』 
「ロスでの騒動とフィラデルフィアでの不始末の釈明か。で、どんなシナリオで行くんだ？」 
『ベックマンの提案を飲んだみたい』 
「丸飲みシナリオか。フィラデルフィアとスロアンゼルス、どっちが最後の舞台になるかか絞れなかったから、最初から両面作戦でいったっんだっていうシナリオ」 
『功績横取りもいいとこよね。ふざけた話しだわ』 
「でもベックマン・シナリオならディミトリィの行動も上層部の承認済みってことになるから、当然馘首にはできないな」 
『ほんとベックマンのおっさん、意外に策士よね。あ、それからこれはあくまでウワサなんだけど、他にも何か発表するみたいよ』 
記者会見場でマイクの前に現れたのは、広報班でなくＦＢＩ長官ゴードン・ヴェンターだった。 
この時点で、その会見はすでに異例だったといえただろう。 
「……今後このような事件が再び発生した場合に備える必要を私は痛切に感じました。 
そこで我々ＦＢＩは新組織、Ｗｉｄｅ　ｒａｎｇｅ　ｉｎｖｅｓｔｉｇａｔｉｏｎ　ｕｎｉｔ（広域捜査班）を立ち上げることとしました。 
今回のロスの事件で活躍した二人の捜査官も、今後はその新組織に加わることとになります……」 


ファイルＮｏゼロ「旅する死神」 

お　し　ま　い     </description>
    <dc:date>2011-10-27T23:34:19+09:00</dc:date>
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    <title>ツーリストpage4</title>
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      ロレンツォは言葉の最後の部分を、ペースを下げて繰り返した。 
「偽りを…退けたが…愛から…離れた」 

『マニュエル・ルービン老は、街の郊外の富裕層が多く住む高齢者向けマンションの一室に、家族とも離れて一人で暮らしていました。どうもルービン老は正義感が強すぎて付き合い難い人物だったようですね』 

無表情なソフィアの顔の中で、ライトブルーの瞳が険しくなった。 
「ドクター・ロレンゾ。以前私とグレック刑事がお訪ねしたとき、ドクターはルービン老人を評して同じようなことを言われましたね」 
目まぐるしく複雑に動いていたロレンツォの指が動きを止めた。 
「……この観光案内を見つけたときから、私はずっと考えているんです。偶然なのかと。私の考え過ぎなのかとね」 
「偶然？……なにがですか？」 
「経済紙の編集者（ｅｄｉｔｏｒ）が電気ヒーター（ｅｌｅｃｔｒｉｃｈｅａｔｅｒ）の感電死（ｅｌｅｃｔｒｏｃｕｔｉｏｎ）で死んだ。 
ところが現場に行ってみると、寝室に失禁（ｅｖａｃｕａｔｉｏｎ）の痕があり、その枕元にはこれ見よがしにエフェス（Ｅｆｅｓ）の観光案内が置いてあった……」 
「もちろんそんなことは偶然……」 
そのときソフィアは、ついさっきのロレンツォの奇妙なセリフに思い当たった。 

『……ドクター……ド・クター……ドアストッパー……ド・アストッパー……』 

「ドクターは、犯人が言葉遊びをやっているとでも！？」 
声には出さず、首も降らなかったが、見つめ返すロレンツォの黒い瞳が「答えはイエスだ」と語っていた。 
「しかしドクター！」 
ソフィアの声から、冷静さのメッキが剥げかけていた。 
「……デルハイル殺しではどうなんですか？デルハイル殺しでは文字遊びなどは……」 
「デルハイルはライフル（Ｒｉｆｌｅ）銃で射殺された……」 
聖書の預言者のごとき厳かな口調でロレンツォは応じた。 
「……殺人現場には犯人の手でレンブラント（Ｒｅｎｂｒａｎｄｔ）の絵が掛けられていた。そして死の翌日、新聞各紙の見出しに踊った言葉は……」 
（あっ！） 
ライトブルーの瞳の前に、彼女も目にしたあの日の新聞がまざまざと蘇った。 

『……没落した（Ｒｕｉｎｅｄ）社長、ニューヨークの地で横死』 

（ニューヨークではＲ、スーフォールズではＤ、タラハシーではＥ……まさか、まさか本当に文字遊びなんか……） 
「……プリスキン刑事……」 
ロレンツォに呼びかけられ、ソフィアははっと我に返った。 
「……プリスキン刑事。ここ何日か、私は夢に見るんです。ルービン老殺しの場面をね。もちろん犯人の顔は判らないんですが……」 
ロレンツォは芝居がかった仕草で立ち上がった。 
「犯人は……Ｅに拘ってるんです。 
だから、何が何でも持参した電気ヒーターで殺したことにしたかった。 
エフェスの観光案内もそのために持参した。そうしたら……ルービン老は死に際に失禁するんです。 
すると……犯人はゲラゲラ笑うんですよ。何故かって、労せずしてもう一つ『Ｅ』が揃ったから。 
哀れにも感電死させられて失禁したルービン老の枕もとで、体を二つに折ってゲラゲラと、さも可笑しそうにね」 
そして急にロレンツォは真顔に戻った。 
「……こんな考え、信じてくれとは言いません。でもプリスキン刑事。私はアナタに賭けてみます。こいつがルービン老殺しで仕事を終えたとは思えないんです。一分一秒でも早くこいつを捕えてください」 

場所は変って……ここはバージニア州クワンティコ。ＦＢＩアカデミー併設された資料室。 

（あぁあ……「問題児」のあとに「サイボーグ女」ときて今度は「ハムスター女」なんて、今日はなんて日なのかしら） 
エミー・ハワードはカウンター越しにこれみよがしのうんざり顔をみせた。 
…が、「ハムスター女」別名「プレーリードッグ女」ことキャリー・グリーンに動ずる気配は無かった。 
「こんにちわっ！ミス・無愛想さん」 
「今日は何の用？」 
「……判ってるクセに」 
「あの死体に文字を刻む連続殺人鬼ってヤツなら、別に情報なんてないよ。そんな事件は、あんたの頭の中だけに在るの」 
さっさと帰れと言わんばかりの態度で、エミーは「みのむしパソコン」へと視線を戻した。 
「みのむしパソコン」というのは、大小のメモがディスプレイの周りに無数に貼り重ねられた有様に基づくキャリーの命名だ。 
いまは室内なので軽装だが、冬の外出時にはエミー自身も「みのむし」みたいになる。 
寒ければ、寒くなくなるまで重ね着する。 
そのときコーディネイトとか、流行とかは一切考えない。 
だから冬のエミーは、しばしば「みのむし」かホームレスのような姿になる。 
逆に暑ければほぼ水着といった具合だ。 
これにはいろいろと理由も囁かれているが、キャリーの見るところでは単なる「面倒くさがり」というだけだ。 
　バシッ！バシッ！……バチ！バチ！バチッ！ 
エミーは、必用以上に力強くキーを打ち、叩きつけるようにマウスを操作した。 
すべて、さっさとどっか行け！という無言の威嚇なのだが……。 
「…………用が無いなら、さっさとどっか行ったら」 
キャリーは何処へも行かず、資料室のカウンター越しにエミーの操作するパソコン画面をじいっと見つめ続けている。 
「聞えなかった？用が無いならさっさと……」 
「待ってるの」 
「……何を？」 
「死体に文字を残すシリアルキラーの情報が入って来るのを待ってるの。だってまだ何も情報来てないんでしょ？資料部のパソコンならどんな情報だって一番に……」 
……メガネの向こう、エミーの額に深い縦ジワが現れた。 
「（このドチビ！）鬱陶しいからさっさと……」 
そのとき、資料室の戸口近くで、歓声があがった。 
「おお！こりゃ珍しい！」 

振返りざまにキャリーが叫んだ。 
「ウィンフィールド先生！」 
一方エミーは不機嫌に唸った。 
「珍しいだって！？いったい何が珍しいって言うの？！」 
「だって珍しいじゃないか！」 
戸口で笑っているのはアフリカ系の男性だった。 
パッと見だと、テニス選手かサーファー。それともロックミュージャン？ 
いずれにしてもＦＢＩアカデミー内をうろうろしている類の人物には見えない。 
射すようなエミーの視線をおどけた仕草でかわすと、アフリカ系の青年＝クリストファー・ウィンフィールドは真白な歯を見せ笑った。 
「珍獣対決なんて滅多にゃ見られないからね。それも、みのむし対ハムスターなんて黄金カードじゃない？」 
「み…みのむしだって？……誰が言ったの、みのむしって？」 
キャリーがさりげなくエミーの視界から脱出した。 
「ま、気にしない気にしない」 
「ウィンフィールド先生！おはようございます！！」 
改めてキャリーが挨拶すると、クリスも笑顔で応えた。 
「おはよう。キャリー・グリーン。あいかわらず無駄に元気そうだね」 
「もっちろん元気です！だって、元気に無駄なんてありませんから！」 
ウィンフィールド先生といってもここはクワンティコ、ＦＢＩアカデミーの所在地なので数学や体育の先生のわけはない。 
近年増加するサイバー犯罪に対応し、ＦＢＩ内部にもサイバー犯罪捜査部門が設けられている。 
クリスはそうした部局の一員であり、クワンティコのアカデミーではサイバー犯罪について「実技」を中心とした教育プログラムの講師も務めていた。 
「ところでキャリー、悪いけどキミとエミーの話を聞かせてもらったんだけどさ。死体に文字を残すシリアル・キラーってのは何の話なんだい？」 

「……アリゾナで電ノコかぁ……」 
「チェーンソです。ウィンフィールド先生」 
わかったわかったと手真似で応えるとクリスはエミーに向かって言った。 
「なあエミー、キミ、どう思う？キャリーの言うシリアル・キラーなんだけど…」 
「考えられない」 
即座にエミーは顔を横に振った。 
「普通シリアルキラーは好みにうるさいもんでしょ？ 
なのにアリゾナの被害者は６０過ぎの男性で、アラスカは４５歳の女性。 
被害者にも手口にも共通性は無し。 
それに、そもそもこれだけの遠隔地に住んでいる被害者をどうやって選別したっていうの？ 
そんなの不可能だわ。以上。終り」 
「たしかにプロファイリングの常識じゃ、この仮定上のシリアルキラーは考え難いね。 
でもね、エミー。遠隔地に住む相手であったとしても、被害者として選別することは不可能じゃないよ。今はコレがあるからね」 
クリスは「みのむしパソコン」を指さした。 
「あっそうか！」 
すぐさまキャリーが歓声をあげた。 
「……ネットの掲示板ですね！」 
キャリーに大袈裟に頷くと、すぐさまクリスはエミーへと向き直った。 
「検索したいことがあるんだけど、ちょっとパソコン貸してくんない？」 
……クリスの検索はものの一分もかからずに終了した。 
「……思ったとおりだね」 
「………」 
クリスの肩越しにディスプレイを眺めていたエミーも、眉間に皺を寄せて何かを考えている。 
クリスにとって何が「思ったとおり」だったのか、判らないのはディスプレイの向こう側にいるキャリーだけだった。 
「あのウィンフィールド先生……」 
「ああ、ごめんキャリー。いま説明してやるよ。あっ、それからウィンフィールド先生じゃなく、クリスでいいぞ」 
クリスは、キャリーをディスプレイの見える位置に呼びこんだ。 
「アリゾナの事件には宗教的な臭いがする。現場は聖具販売店だし、キャリーが言うみたいにキャノニストって言葉が関係してるんなら、なおさらだ。それでね……」 
クリスはパソコンをどんどん前画面へと戻していった。 
いくどめかの「戻る」のあと、見覚えのある画面で止まった。 
「……ウィキですか？」とキャリー。 
口先を尖らせ、クリスは頷いた。 
「内容が正しいかどうかは保証のかぎりじやないけど、でもとっかかりにはなるからね。 
……でこのページは『聖書の登場人物の一覧』なんだけど……見て御覧」 
クリスはその中の一つにカーソルを合わせてクリックした。 
「……うわぁ……なに、この気持ち悪い絵！？」 
「カラヴァッジオ作『ホロフェルネスの首を斬るユディト』……キミの言うシリアルキラーは、これのパロディーをやったんじゃないかな？」 
「それじゃやっぱり！？」 
「犯人は宗教的な理由で被害者……っていうより、たぶん生贄を選んでるんだよ。どこかの宗教関係の掲示板でね」 
膝を叩いてクリスが席から立ちあがった。 
「もし、アリゾナかアラスカの被害者が使ってた携帯電話かパソコンに触れれば……出入りしてた掲示板を突きとめられるんだけど……」 
そのとき、クリスの鼻先に一枚のメモがつきつけられた。 
「ロス支局の番号よ」 
ぶっきらぼうにエミーは言った。 
「……ハーパーに連絡して調べてもらうのよ。その方が速いわ。それからキャリー、このあんたはこっちの番号に電話して」 
「これは？どこの番号？？」 
「アンタが来るより少しまえに来たニューヨークの刑事の携帯よ」 

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

「カナダの捜査官にも指摘されたんだ。旅人はどうやって獲物を選んでるのかってね。ネットの掲示板からとは思わなかったよ」 

クリスからの電話の三日後、早くもチャールズ・ハーパーの姿はバージニア州クワンティコにあった。 
「アメリカは精神病大国ですからね。国民の大半が心を病んで精神科に通っていて、残りのは教会に頼ってる……で社長。例のものは？」 
「社長？？…オレのことか？」 
「他に人、いないでしょ？」 
ハーパーとクリスの他に部屋にいるのは、ミス・ミノムシとプレーリードッグ女だけだ。 
ベックマンはウィスコンシンとトロントを廻って来るので、まだ到着していない。 
「…やれやれ、勝手に昇進させるなよ」 
頭を掻きながらハーパーはポケットからメモを取り出した。 
「パソコンでなく携帯で助かったよ。パスワードなんて聞かれたってどうしようもないからな」 
メモは、「主の羊社」のホバート老人の携帯に残っていた履歴情報だった。 
「これと他の情報を突き合わせればー、犯人が狩場に使ってた掲示板をー特定できるんですねー！」 
「先走らないでキャリー」 
目を丸くするキャリーにエミーが釘を刺した。 

「『掲示板を使ってた』ってのは、まだ仮説にすぎないんだから。 
それにもし『旅人』が掲示板を使ってたとしても、それが一つだけとは限らないのよ」 
「しかしもし掲示板による繋がりが証明できれば、『旅人』というシリアルキラーの存在を証明する一助にはなるんだ」 
ハーパーの言葉には強い期待がこめられていた。 

　ワシントンＤＣのＦＢＩ本部に対しベックマンが送った上申には、いまだ上層部からの反応が返されていなかった。 
北米大陸ほぼ全土をめまぐるしく移動しながら狩りをするシリアルキラーなど、いまだ現れたためしが無かったからだ。 

「獲物や殺人方法にも全く共通点が無いときちゃ、シリアルキラーの存在を信じろという方が無理ってわけさ」とハーパー。　 
「いずれにしても……」 
ウォードがＦＡＸしてよこした走り書きのメモに目を通しながら、クリスは言った。 
「……デルハイル、アイアンズ、レイノルズ、そしてルービン、ホバート、ソーンダーズ、カーモディー、スローン、全員分のデータが揃えば、何かが見えてくるはずですよ」 
「そのために私たちだってー随分頑張ったんですからー」 
キャリーはバーモント州サウスバーリントンのアイアンズ宅に、エミーはウスダコタ州スーフォールズのレイノルズ医院までそれぞれ足を伸ばし、現地警察の協力も得てパソコン履歴を調査してきたのだ。 
「……おかげで仕事は溜まるわ、有休は減るわ……」 
「気にスンナよエミー。君の仕事なんてどうせ窓際の退職勧奨ポストなんだから」 
エミーがクリスの後頭部をゲンコでこづいた。 
「…私が気にしてんのは有休の方よ」 
「ともかくだ。ＦＢＩ本部を納得させ動き出させるまでは、ここにいるオレたちだけで『旅人』を追うしかないんだ」 
「おいおいハーパーくん、『ここにいるオレたちだけ』って、オレは抜きなのかい」 
新たな声に部屋の四人が一斉に振返った。 

「……やっかいだったのはカーモディーさ。もうまいったよ。仕事が仕事だから使ってるパソコンがいくつもあってね……」 
ベックマンの国境を三度も跨ぐ大移動をねぎらうように、ハーパーが言った。 
「よくパスワードが判りましたね。私なんか……」 
「オレがパソコン詳しいわけないだろ、ハーパーくん。……ゴーントに頼んだんだよ」 
「ところで、おつかれさまってとこなんですけど大統領」 
割って入ったクリスのセリフにベックマンの目が点になる。 
「大統領？……ハーパーくんのことか？」 
「いや、オレは社長らしいから」 
「もちろんベックマンさん、アナタのことに決まってるでしょ。さっさと例のものを出してくれませんか？」 
「オレは大統領選に出た覚えなんてないぞ」と言いながら、ベックマンはクリップで止まった紙束を取り出した。 
「プライベートのはどれですか？」 
「プライベートのパソコンかい？」 
「バソコンと携帯」 
「ちょっと待って……………ああ、これだこれだ！」 
さまざまなメモをバタバタ出したり引っ込めたりしてからベックマンは目的の一枚を探し当てた。 
「ちょっと拝見…」 
会議机の上に、デルハイル、アイアンズ、レイノルズ、ホバート、ソーンダーズ、カーモディー、スローン、８人の被害者の携帯およびパソコン履歴が並んだ。 
「通信内容は家族や宗教観についてのもののハズだから……仕事用の携帯やパソコンは使わないでしょ」 
クリスは各被害者の記録を更に、公式のものを奥に、プライベートのものを手前に並べ分けた。 
「どうですか？ウィンフィールド先生？どっか共通する掲示板とかＨＰあります？」 
前のめりに飛びかからん勢いのキャリーの首ねっこを掴んで、エミーが強引に引き戻す。 
クリスは基本的には真正のコンピュータ・オタクなので、コンピュータ絡みの作業をしているとき邪魔されることを酷く嫌う。 
エミーはそのことをよく知っていた。 
クリスは胸ポケットからペンを取り出すと、８人のパソコン履歴に小さな○を次々書き加えた。 
「……全部に共通した接続先が一つだけ在りますよ。こりゃ、行ってみるっきゃないでしょね」 
クリスはパソコン前に席を移した。 

「……ブッブー！はっずれー。マイケル・ジョーダンのファンサイトでしたー」 
的外れの判定を下したキャリーが、エミーにより直ちに退場を命じられた。 
「『ヨルダン（ｊｏｒｄａｎ）の辺（ほとり）』……」 
クリスはサイトが掲げる文字を無意識に読み上げた。 
「毒蛇の子らよ、集え。寄り集いて悔い改めよ……」 
茶色の唐草模様が無限のループを描いて渦巻き、折り重なり、もつれ合う様を背景に、蛍火のように文字が明滅する。 
エミーが憤慨したように言った。 
「……このサイト、性質が悪いわね。画面になにか仕掛けがしてあるわよ」 
「さすがだエミーだ。伊達に性格悪くないな」 
「……あんたにゃ負けるわよ」 
「後で調べてみるけど、たぶんサブリミナル系の仕掛けがあるよ。全体のデザインは……ルイス・ウェインが末期に描いた絵みたいだね」 
メインメニューからＢＢＳへと次々画面を切り替えていく……。 
「………こりゃなんていうか……電脳告解室って感じだな」 
掲示板を流し読みしていたクリスが呆れたように呟いた。 
「掲示板の管理者なんて、何処の馬の骨かも判らないってのに……個人的な話をよくもまあ……」 
「でもクリス……」それまで我慢していたハーパーが口を挟んだ。 
「……掲示板ってのは実名やなんかは判らないんじゃ？」 
「判りますよ」 
クリスの答えは呆気なかった。 
「捜査機関だって法的手段に訴えりゃ誰が何書き込んだか特定できるでしょ？ 
合法的にできるんなら、非合法にだってできるんですよ。 
それになんてったって非合法の手段の方が、合法的手段より早くて簡単」 
「しかし……」 
反論しかかったがハーパーは言葉を飲み込んだ。 
クリストファー・ウィンフィールドの「前科」を思い出したからだ。 

いまから２０年ほど前、ペンタゴンを始めとする軍関係のコンピュータが次々と不法侵入を許し、「三目並べ」のプログラムを残されるという事件が立て続けに発生した。 
「三目並べ」にちなみ「○×」と名付けられたこのハッカーは、「反戦意図の左翼人種」とプロファイリングされ「かなりの若年。あるいは未成年かも」と推論されたのだったが……。 
捕まえてみればハイスクールの優等生。 
クリストファー・ウィンフィールド少年だったのだ。 
ＦＢＩや軍を始めとする国家機関は、そのころから単純なハッカー敵視を止め、ハッカー対策としてハッカーをスカウトするようになっていた。 
ただし……ハッカーでありさえすれば、ハッカーとしての腕が良いのであれば誰でもＯＫというわけにはいかない。 
スパイの採用基準と同じで、肝心なのは「人物」なのだ。 
そういう基準でクリストファー・ウィンフィールドは、起訴取引の一環としてＦＢＩの所属となったのだ。 

「うっわあぁ……いるわいるわ、心を病んだ奴らがいっぱい」 
「病んでる病んでる……こりゃ凄いね！」 
画面の流れる速さは目にもとまらぬほどで、ハーパーやベックマンにはＨＮを読みとることすらできないのだが、しかしクリスとエミーにはしっかり読めているらしかった。 
「…ちょっとストップ！」 
エミーが短く叫ぶより一瞬早く、クリスがスクロールを止めた。 
「ＨＮはアクトレス、常連だったみたいね」 
「……そうだねエミー。まちがいないよ。こりゃあニッキー・スローンの書き込みだ」 

『……子供のころはこの名前のせいで虐められたりしたけど、初めて自分の名前を好きになれました。 
だって、この名前のおかげで大きな役を貰えたんだから……』 

「……その掲示板を丸ごと保存しておいてくれ」 
やりきれない想いにハーパーは堅く目を閉じた。 
過剰な自意識と明日への不安、根拠のない自信……掲示板に残ったニッキー・スローンの横顔は、どこにでもいる普通の若い女性だった。 
「トロントで撮影してることも書いてるわね」 
「このライダーってＨＮのヤツ、上手いね。まるでカウンセラーだ。相手を安心させて話を引きだすのが最高に上手い……」 
まだ続いているエミーとクリスのやりとりに背を向け、ハーパーは部屋を出た。 
廊下では、「追放処分」を食らったキャリーがふくれっ面して立っていた。 
「やあ、お疲れさん」「……お疲れさまでしたー」 
元気がとりえのハムスターのはずだが、テンションが低い。 
事件が急展開を見せたところで、エミーに部屋から摘み出されたのが不満なのだ。 
「本当におつかれさま」 
ハーパーはねぎらいの言葉をもう一度繰り返した。 
「アリゾナで会ったあと、一人で捜査を続けてたんだってな」 
「捜査だなんて……ただ一人でバタバタしてただけです」 
「しかしそのおかげで、アリゾナとアラスカ、トロントで起こった４件の殺人と、ニューヨークを起点にした４件が一本の線で繋がったんだ。 
全員があの掲示板にアクセスしてたことが照明できれば、ＤＣの本部を納得させることだってできるだろう。 
キミはその最大の功労者なんだ」 
ハーパーの言葉にウソはなかった。 
後半４件と最初の４件を繋ぎ、エミーとクリスを巻き込んだ結果、バラバラだった情報が科学反応を起こして一つになった。 
キャリーはその触媒としての役目を果たしたのだ。 
「……そうおっしゃっていただけると、素直にうれしいです」 
キャリーの話し言葉から語尾を引っ張るクセが消えた。 
「背がちっちゃいし、東洋系が入ってるせいか童顔なんで、いっつもいつも子供扱いされて……でも今回初めてなんか役に立てました。私、ＦＢＩに入って良かったです……」 
キャリーの素直な告白と女優を目指しながら惨殺されたニッキー・スローンの書き込みが、ハーパーの心の中で二重奏を奏でる。 
現実とぶつかりながらも、それでも希望を捨てない、若い女の善なる魂の二重奏……。 
そのとき、ハーパーが後にしてきた部屋から、エミーが追いかけて飛び出してきた。 
「ハーパーさん」 
「どうしたエミー？」 
「ひょっとすると、ひょっとすると８件じゃないかもしんない。『旅人』、たぶんもっと殺ってるよ」 

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ハーパーが部屋に戻ると、パソコン画面はスクロールを止めていた。 

「もっと殺してるって話だが、いったいどうしたんだ？」 
ハーパーの問いにクリスは「僕には……」と顔を横に振ってエミーを指さした。 
「ハーパー、ベックマンさん、ご存知ですか？ＨＲＴの問題児の……」 
「アイツか？！それならアラスカまで轟いてるよ」 
ベックマンはニヤッと笑った。 
「たしかデミトリィ………ええと……」 
「…ノラスコです。ディミトリィ・ノラスコ」 
「で。あいつがとうかしたのか？」 
「実はここしばらく拘ってる事件があったんです。このヴァージニア州内で地方紙の名物記者だったババア……じゃなかった、老女が」 
「ば、ばばあ！？」「聞いちゃった！聞いちゃった！」 
すかさずクリスが突っ込み、キャリーが尻馬に乗る。 
「…め、名物記者だった老女が…」 
「あ！ごまかそうとしてる！」「………」 
二度目の突っ込みはクリスの裏切りでキャリー単独の特攻になり、結局キャリー一人が再度の追放刑に処せられた。 
「……地方紙の名物記者だった老女がエレキギターで撲殺された事件があったんですが……」 
「ああ、僕もネットのニュースで見たような気がするな。たしかウィンチェスターじゃなかったっけ？」 
「そうよクリス、その事件よ。で、ベックマンさん、その事件でストリートギャングが一人挙げられたんですけど、ノラスコのヤツが冤罪だってバタバタ騒いでて……」 
「それと、この『旅人』の事件とどういう関係があるんだい？エミー？」 
「殺されたババ……老女の名前はミリアム・カポーティっていうんですけど、あだ名が……」 
「あっ！思い出したぞ！」 
椅子からクリスが飛び上がった！ 
「そのババアの仇名は『エリス』！つまりギリシャ神話の『不和の女神』だ！！」 
スクロールの止まった掲示板に書き込まれていたのは、「不和の女神」というＨＮによる書き込みだった。 

「前の４件と後の５件のあいだか！前後が開き過ぎてるのが気になってたんだが……まてよ！？」 
画面を覗きこ込んだハーパーの声のテンションが一変した。 
「……ニッキー・スローンはＨＮ『アクトレス』、カポーティは『不和の女神』……」 
眉を寄せたハーパーの呟きがブツブツ続く…。 
自ら手を伸ばしマウスを掴むと画面をスクロールさせはじめた。 
「……アリゾナのホバート老人は『カノン』…………」 
カチッ！カチッ！ 
クリック音が続き、画面がぎこちなくギクシャクとスクロールする。 
「……あった！これだ！「『キッチンドリンカー』！！」 
ハーパーが小さく叫んだ。 
「「いままで『旅人』は被害者の特定のアルファベットについて拘りを見せていたが、その特定のアルファベットを選ぶ理由がサッパリ判らなかった。しかし……」 
手近の紙きれを引き寄せると、それに「Ｋｉｔｃｈｉｎｄｒｉｎｋｅｒ」と走り書きした。 
「『旅人』は基本的に獲物を掲示板『ヨルダン川の辺』の住人として知っている。『旅人』にとって獲物は『人』である前に、掲示板記載の『文字データ』なんだと思う…。だから…」 
ハーパーは、今度は「Ｋｉｔｃｈｉｎｄｒｉｎｋｅｒ」の上に「Ｃａｎｏｎ」、「Ｋｉｔｃｈｉｎｄｒｉｎｋｅｒ」の下に「Ｐｒｏｄｕｃｅｒ」「Ａｃｔｒｅｓｓ」と書いた。 
「どっちもＨＮとして書き込みがある。『アクトレス』は内容的にニッキーだから、『プロデューサー』はたぶんカーモディーだろう」 
「じゃあ！？じゃあ！？じゃあー！？」 
何時の間にか自主的に現場復帰していたキャリーが大声で叫んだ。 
「他の被害者のＨＮはー！？」 
「ちょっと退いてくれハーパーさん。オレが調べる。その方が速い」 
クリスが再びパソコン前に戻り、猛烈な勢いで画面をスクロールさせ始めると、「なんだか面白くなってきた」とエミーももう一台のパソコンを立ち上げた。 
「クリス！情報があったら読みあげて。全米犯罪情報センターに照会するわ」 
「オッケー、判った！」 
クリスが掲示板からＨＮと個人の特定に結びつく情報を読みとると、直ちにエミーが犯罪情報センターの記録と照会。 
自然発生的に集合した５人は、既にチームとして機能し始めていた。 
そして、更に……。 

「……ＨＮウルフェン！」 
「ウルフェン？？」 
「ホイットリー・ストリーバーの小説だよ。正体は多分プロの投資家で、自分が貪欲に過ぎないかと書いてる」 
「貪欲？……ああ、ウルフィッシュ（Ｗｏｌｆｉｓｈ）の駄洒落ね。ちょっと待って……それならＷで始まる凶器か……」 
クリスに負けず劣らずのスピードでキーが打ちまくられ、すぐさまエミーは答えに行き当たった。 
「ビンゴよ。ビル・アッシャー。５２歳。オレゴン州ポートランドの自宅でウィスキーボトルにより撲殺」 
「お、おい、また当たりなのか！？いまので何件目だ？」 
「いまのビンゴで６件目でーす」 
キャリーは三代目のパソコンで被害者データの表を作成していた。 
「キャリー！発生日付順に並べ替えてくれよ」 
「了解です、ウィンフィールド先生！」 
カチッ！ 
キャリーはなれた仕草でデータを発生日／昇順でソートをかけた。 

Ｒｕｉｎ／ライフル銃による射殺 
Ｉｒｏｎｉｓｔ／象牙の彫像による撲殺 
Ｄｏｃｔｏｒ／ドアーストップによる撲殺 
Ｅｄｉｔｏｒ／電気ヒーターによる感電死 
Ｗｏｌｆｅｎ／ウィスキーボトルによる撲殺 
Ｈｏｎｅｙｄｒｉｐｐｅｒ／ハーケンによる刺殺 
Ｉｎｄｉａｎ／アイロンのコードによる絞殺 
Ｒｏｃｋｅｒ／ロープによる絞殺 
Ｅｌｉｓ／エレキギターによる撲殺 
Ｄｏｍｉｎｉｃ／辞書のページを大量に喉に詰め込まれたことによる窒息死 
Ｂｒｅｗｅｒ／バットによる撲殺 
Ｌｏｗｙｅｒ／羊の骨付き肉（おそらく使用時は凍結）による撲殺。死体の上にはラオディキア教会の観光案内あり 
Ｃａｎｏｎ／チェーンソウによる滅多切り 
Ｋｉｔｃｈｉｎｄｒｉｎｋｅｒ／ナイフによる喉斬り 
Ｐｒｏｄｕｃｅｒ／ピースメーカーによる射殺 
Ａｃｔｒｅｓｓ／アーミーナイフによる喉斬り 

「ちょっと待って」 
並びを変えた表を見たベックマンから注文がついた。 
「アリゾナとニッキーの事件は小文字だったんだ。すまないがキャリー、小文字にしてくれるかな。それからエミー、死体に文字の情報は？」 
「特には無いですね」 
「それじゃ『旅人』の仕業とは限らないわけか」 
「でもベックマン…」 
エミーはだんだんベックマンとため口をきくようになっていた。 
「……羊の骨付き肉で殺られたネバダの事件じゃ、ラオディキア教会の観光案内があるわ。 
少なくともこれだけは『旅人』の仕業に間違いないでしょ」 
「うむ……しかし……」 
ベックマンはキャリーの表にもっと顔を近寄せた。 
「…この文字列じゃなんの意味も読みとれないな。並べれば、何か意味が浮かんでくると思ってたんだが……」 

「……いや、意味は通ってると思いますがね」 

肩越しに聞えた未知の声に、ベックマンが驚いて振返った。 

　エミーが戸惑い顔で尋ねた。 
「プリスキン刑事、その方は？？」 
尋かれたソフィアも明らかに戸惑っている。 
「……来なくてもいいと言ったんですが……」 
「ああ、僕のことなら気にしないで……夜の安眠を取り戻したくてついて来ただけですから」 
「ドクター・ロレンゾです。ドクター・サンベルト・ロレンゾ」 
「ロレンツォです」 
ソフィアの紹介を即座にロレン「ツォ」は訂正した。 
「ゾ、じゃなくてツォですから、プリスキン刑事はちっとも覚えてくれなくてね」 
「あのー、一般の方はー……」退去させようとしたキャリーにあやすような仕草を見せると、ロレンツォは室内に一瞬視線を走らせ、誰が指導的立場にあるのかを直ちに見切った。 
「あなたは……？」 
「ハーパーです。チャールズ・ハーパー。失礼ですが部外者は……」 
「その前に、私の話を聞いたほうがいいと思いますよ。なにせ、次の被害者に関わる話しですから」 
「つ、次の被害者だって！？」 
「……いいですか？」 
ロレンツォはまんまとその場に留まる暗黙の許可をゲットすることに成功した。 
「この犯人、……あなた方の呼び方に従って私も『旅人』と呼ぶことにしますが……『旅人』は、『ヨハネの黙示録』に拘りのようなものを見せていますよね？」 
ハーパーもこれに応じた。 
「それは我々も感じています。一連の殺人で観光案内の置かれていたのが三件で、エペソ、ペルガモン、ラオディキアと総て黙示録に関係したキリスト教会の所在地ですね。 
それにトロントで二件続いた殺人では、ペルガモン教会についての黙示録の記載が再現されています」 
「ニューヨークでの事件だと現場にレンブラント作『洗礼者ヨハネの斬首』が飾られていた。それからそのＨＰの名前ですが……」 
ロレンツォは「ヨルダン川の辺」を指さした。 
「……ヨルダン川というのは、ヨハネが洗礼を行っていた場所ですよね。イエスもそこでヨハネの洗礼を受けています。だから……」 
ロレンツォは今度はキャリーの作った表を指さした。 
「あの文字列も、『ヨハネの黙示録』に即した内容だとして読むべきなんです」 
ＦＢＩ捜査員とニューヨークの刑事の視線が文字列に集まった。 
「いいですか？ここに少なくともＲＥＤと読める部分があります。それからその下の部分はＢＬＣＫと続いてますね？これはＬとＣのあいだにまだ繋がりの見えてこないＡの事件があると考えれば……」 
「……ブラックだね。だけどそりゃ論理の飛躍が……」 
しかしクリスの反論するより早く、ロレンツォは自論を結論まで突っ走った。 
「……レッドの上にはＷＨＩがある！これは明らかにホワイトだ！つまり！黙示録の四騎士のうち『ホワイト』『レッド』『ブラック』と三騎までが揃っていることになる！」 
反論しようとしていたクリスも含めた全員の目が被害者リストに集まった。 
「……で、ブラックの次はＰＡまで来てるんですよね？次にくるアルファベットが何か、もう私が言わなくっても判ったでしょ？」 
………数秒の沈黙のあと、ハーパーはクリスに命じた！ 
「クリストファー・ウインフィールド！その掲示板に、ＨＮがＬで始まる書き込みがあるか！？」 
「一人います！ＨＮはロンサムボーイ（Ｌｏｎｅｓｏｍｅｂｏｙ）」 
すると、それまで口を出さずに聞いていたベックマンが不意に口を開いた。 
「ウィンフィールドくん！合法であると非業法であると手段は問わない。そのＨＮの主を特定できるかな！？」 
「………大統領、僕の前科を忘れたんですか？」 
クリストファー・ウインフィールドの瞳が鋭く光った。 

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

　「ＨＮ『ロンサムボーイ』は、メリーランド州フレデリック……」 
ネット上での追跡を開始してからクリストフォー・ウィンフィールドが目指す相手を特定するまで、僅か十数分だった。 
「……番地１３号、ロバート・モーガン」 
「近いわね！」とエミー。「やっほー！」はキャリー。 
「ハーパーくん！行ってくれ！！」 
「了解です！」 
「社長！車は僕のを使って！」とクリスがキーを投げた。 
「ご一緒させてください」と申し出たソフィアに、ハーパーが手真似で「来い」と承諾すると、二人はアカデミーを飛び出していった。 

「……青ざめた馬が完成するまで……」 

一同が声に振返ると、ロレンツォが独り、幽霊でも見たような顔でパソコン画面を見つめていた。 
「青ざめた馬（Ｐａｌｅ・ｈｏｒｓｅ）が完成するまで、あと２文字です」 
のろのろとロレンツォがベックマンの方に向き直った。 
「『ヨハネの黙示録』は世界の最終闘争について記述しています。そして『旅人』は、その黙示録に異様な拘り見せている……ベックマンさん……あと二文字です。『旅人』が『ペイル』を完成させたとき、いったいどんなことが起きるのだと思われますか？」 

州道４号を抜け５号に入ってから約一時間弱……ハーパーの運転するピックアップトラックが隣州メリーランドの住宅地へと滑り込んだ時、辺りは既に夜になっていた。 
急に車の窓を開け闇に目を凝らすソフィアに、ハーパーは尋ねた。 
「………どうかしたのか？」 
「警官の臭いがします…」 
「今のいままで知らなかったよ。警官に臭いがあるなんて」 
「………随分来ています。遅かったようですね」 
ナビの表示が目的地に近付くにつれ、樹間や屋並みのあいだに赤い回転灯が垣間見えるようになってきた。 
目指す家の周りはまずパトカーと野次馬で一杯だった。 
　やって来たピックアップトラックに気付いた年配の警官が野次馬を押しのけやって来た。 
「ＦＢＩのチャールズ・ハーパーさんとプリスキンさんだな？」 

「……ひょっとしてベックマンから？」 
「決まってるだろ。オレはここの署長のビンセントだ。まあこっち来てくれ」 
どうやらベックマンは、ソフィアのこともＦＢＩ捜査官と伝えてあるらしい。 
ソフィアに目配せすると、二人のＦＢＩ捜査官は署長に先導されてローバート・モーガンの家へと入って行った。 

　ロバート・モーガンの家は、見かけと中が全く違っていた。 
見かけは古いレンガの壁に蔦の這うニューイングランド風の作りなのだが、地下室に降りるとそこはライトグレイのプラスチックと金属の銀色に支配された別世界が広がっていた。 
壁に作りつけられた様々なスイッチのいくつかは警報装置で、いくつかは空調装置のようだ。 
警報装置を一目見るなりハーパーが唸った。 
「なんだ？この警報装置は？？民間の住宅に設置される水準のものじゃないぞ！？」 
「空調の方も妙ですね。最初は一時流行った個人宅用核シェルターかと思いましたが、与圧の設定が逆です」 
核シェルターの場合、放射性物質を含む空気がシェルター内に入り込まないよう、室内の空気圧を高くする。 
だがロバート・モーガン宅の地下空調は、室内を減圧する設定になっていた。 
「ハーパーさん。この家でロバート・モーガンはいったい何をしていたんでしょうか？」 
「……嫌な予感がするよ」 
「いい感してるな。さすがはベックマンの仲間だ」 
振返りもせずそう言うと、署長は地下室最奥の扉に手をかけた。 
「さてと……こっから先は地獄の一丁目だぞ」 
ビンセント署長が外から圧の掛ったドアを重そうに引き開けると、シューーーーッと外の空気が中へと吸い込まれる音が聞えた。 

塵ひとつ落ちていない銀とライトグレイの部屋の中で、深紅の広がりはとてもよく目立った。 
試験管に培養皿。 
顕微鏡に小型冷蔵庫。 
最奥の部屋は明らかに研究施設。それも、絶対外に漏らしてはならない物のための研究施設だった。 
無機的な部屋のど真ん中で、ロバート・モーガンは脳天をトマトのように潰され、大の字に手足を伸ばしていた。 
血にまみれた長さ２０インチほどの金属の棒が死体の傍らに転がっており、それが凶器らしい。 
「鋳鉄製だ。妙な装飾がされいるんだが……何なのかはまだ判ってない」 
「プリスキン、何か思い当たるか？Ｌで始まる道具でこういうものを……」 
「……天秤秤」 
「畜生！」 
悪態ついて右拳を左手の平に叩き込んだとき、ハーパーは殺人現場でうろついている人間の動きがプロらしく……というより警官らしく見えないのに気がついた。 
「署長」 
同じことを感じたらしくソフィアが署長に尋ねた。 
「彼らは鑑識のように見えません。……鑑識の作業前に素人らしい者が現場をうろついているワケをご説明いたたげませんか？」 
「ヤツらは殺されたロバート・モーガンの勤めていた研究所の者だ。なんでもモーガンが職場からなんたらいう株式だかを勝手に持ち出してたらしくてな……」 
「……株式だって？」 
冷蔵庫の中を調べていた男が突然振返った。 
真っ青な顔色と血走った目が、彼の心境を何より雄弁に語っている。 
「何度行ったら判ってもらえるんです！持ち出させていたのは、レストン株です！」 

　「レ、レストン株ですって！？」 
ハーパーからの緊急連絡を耳にするなり、サンベルト・ロレンツォが飛び上がった。 
「で、その大馬鹿者は、レストン株で何をやっていたんですか！？」 
「『ヨルダンの川辺』での告解の書き込みからするとですねー……」 
掲示板に目を通していたキャリーがロレンツォに言った。 
「……改良って書いてるんですけどー……。ところでドクター、レストン株ってなんですかー？」 
「エボラ出血熱って知ってるかい？死亡確率８０％に達する悪魔のウィルスなんだけど……」 
「昔本で読んだわね」ミノムシ女エミーも身を乗り出してきた。 
「……たしか血液その他の体液の飛沫で感染するって……」 
「普通のエボラアィルスなら、たしかにその通り。感染者の体液に触れない限り安全です。 
しかし、レストン株だけは違う！あのタイプのエボラは……」 
ロレンツォの顔は、モーガンの家を創作していた同僚たちと同じほどに青ざめていた。 
「……エボラウィルスのレストン株だけは、空気感染するんです！」 

[[続く&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/31.html]]    </description>
    <dc:date>2011-10-27T23:19:57+09:00</dc:date>
    <utime>1319725197</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/28.html">
    <title>ツーリストpage3</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/fbi_team/pages/28.html</link>
    <description>
      パトカー前で待っていたのはゴーントという男だった。 
制服警官たちから警部とか部長といった役職付きでなく、ただミスター・ゴーントと呼ばれていたので警察官ではない。 
ＯＳＩＣあたりの人間か？ともかく諜報機関くさいというのがハーパーのカンだった。 
「さーてお立会い…」 
香具師の口上のように言うと、ゴーントは邸宅の玄関を開いた。 
がっしりした樫材のドアを開くと玄関ホールになっていて……ドアから３メートルと離れていない箇所にチョークで描いた人型があった。 
「生で見たかっただろうが、オレの耳に入ったときにゃ搬送されたあとだった。生で見たきゃ検死官事務所に行ってくれ」 
「ありがとうゴーント。恩にきるよ」 
「ふん！これはこのあいだの借りを返しただけだ」 
「いや、このあいだのヤツはモントリオールの借りを……」 
ベックマンとゴーントの貸し借りは清算不能なほど込み入っているらしい。 
「ねえキミ…」 
ハーパーは脇にいた制服警官に尋ねた。 
「事件は何時頃に？」 
「それはほぼ特定できています」 
制服警官の答えは明快だった。 
トロント市警の調べによると、昨夜の午後７時半ごろ隣家の主婦がバンという破裂音を耳にしていた。 
炸裂音は一発だけだったので、主婦は車のバックファイヤーだったのだと思い込んでいたという。 
「破裂音がしてから二三分で車が走り去ったそうです」 
「車はどっちへ？」 
「それが……判らないそうです。慌てて逃げるというんじゃなく、普通に走り出す感じだったので気にも留めなかったと」 
「被害者はジョン・カーモディ。映画のプロデューサーだ。犯人は、たぶん新作の出資希望者だとでも偽って訪問したんだろう」 
耳元の声に気がつくと、ハーパーのすぐ横にゴーントが立っていた。 
「この家はこの町で映画を撮るときだけ暮らす借家だが、訪問者は少なくなかったそうだ」 
映画プロデュサーであれば、役者やスタッフから出資者にマスコミと出入りもさぞや多かっただろう。 
その中に死神が混じっていたとしても、見分けられるはずもない。 
「次回作は……なんたらオブ・ザ・デッドだそうだ。『プロデューサー・オブ・ザ・デッド』に改題せにゃならんだろうな」 
悪趣味な軽口に思わず閉口してゴーントから視線を外したとき、床の隅に重なった何枚かの色鮮やかな紙切れにハーパーは気づいた。 
「あれは？」 
「あの紙か？観光案内のパンフレットだ」 
ハーパーはその一枚を拾いあげた。白いギリシャ風の廃墟が青空を背景に聳え立つ写真が掲載されていた。 
「……トラヤヌス神殿？」 
「トルコの観光地だ。ポストにでも入ってたのをここに持ち込んであったんだろ。さあて次は市警本部で死体様との御対面だ」 

　１５分後、ハーパーとベックマンは、トロント市警の検死官事務所の薬臭い死体安置所で、ジョン・カーモディとの会見を果たしていた。 
「検死官の報告だと入射角は下からおよそ４５度だそうだ」とゴーント。 
「そりゃ驚きだな。まさかヒップシューティングってことか？」とベックマン。 
ハーパーがまとめた。 
「かなりの腕だ。……だけど、プロじゃない。多分趣味のシューターだね」 
カーモディーの遺体は、定規で測ったように両目の真ん中を射抜かれていた。 
ＦＢＩや犯罪組織の処刑人でも、眉間に一発だけという撃ち方は普通しない。 
人間の骨は堅いと同時に柔らかくもあり意外と丈夫なのだ。 
とくに頭蓋骨は、３５７マグナム級の弾でも角度によっては貫通できない。 
拳銃などとは比べ物にならないエネルギーを持つ軍用ライフルで撃たれても、運良く死なずに済むケースすらある。 
ヘッドシューティングをバンバン決めて、バッタバッタと敵を撃ち殺す……なんていうのは素人の幻想に過ぎない。 
確実に射殺するなら骨に守られていない腹に連射。 
それこそ、ハーパーがかつてクワンティコで習った射殺法だ。 
「なあゴーント、遺体のどこかに他の傷は無かったかい？」 
「検死報告にあるとおりだ。眉間の銃創一発だけさ」 
「……そんなバカな」 
ゴーントの答えに納得いかないハーパーは自ら遺体を調べてみた。 
遺体は検視後のため全裸のままだったが、彼の捜すものは遺体の何処からも見出せなかった。 
ハーパーが途方に暮れた様子で手を止めると、壁にもたれ眺めていたゴーントがきりだした。 
「ところでハーパーくん。トムから聞いたんだが……あんたらは被害者に文字を残すシリアルキラーが存在するって考えてるんだろ？」 
「ああそうだ」 
発見直後の現場写真に目を通しながらハーパーは答えた。 
「……アリゾナじゃチェーンソウが凶器で文字は『Ｃ』。アラスカだとアリゾナの現場から持ち出されたナイフが凶器で文字は『Ｋ』。 
この事件じゃアラスカの現場から持ち出された拳銃が凶器だから文字はガンの『Ｇ』かハンドガンの『Ｈ』、あるいはシングルアクションアーミーで『Ｓ』の文字があるはずなんだ」 
「なあゴーント……」 
いらつき気味のハーパーの邪魔にならないよう、ベックマンがさりげなく口を挟んだ。 
「………銃の方は間違いないんだよな？」 
「間違いない。シリンダー内に残っていた未発射の実包からオマエの送ってよこしたジュディスとかいう女の指紋が出た」 
「それならこの事件はアリゾナから連続した鎖の輪のひとつに間違いないはずだ」 
「いや、そう短絡的に決めつけるのは危険だぞトム。問題の銃は殺人よりもっと前に紛失していたのかもしれないじゃないか？」 
ベックマンが腕組みして眉を寄せると、カナダ人の大男はハーパーとベックマンの考えに対する本格的な攻撃を開始した。 
「それにだ、トム。オレにゃこの殺人が同一犯による連続殺人だとはとても思えんのだ」 

ゴーントはベックマンに指を二本立ててみせた。 

「オレがこのカーモディー殺しを連続殺人の輪の一つだと思わん理由。その第一は……」 
ゴーントが二本指のうち人差し指を折った。 
「……犯行パターンの問題だ。犯行にパターンのある連続殺人犯の場合、パターンは犯人の性向そのものだ。そう簡単にゃ変わったりせんはずだな？しかしこの殺人にはまず『文字』が無い。 
それに射殺後直ちに犯人が殺人現場を立ち去ってる以上、現場から何かを持ち出す時間的余裕があったとも思えん。つまりパターンが二つも崩れている。それから次に……」 
中指も折ると両手を広げてゴーントは言った。 
「犯行エリアが広すぎる。北はアラスカから南はアリゾナってことは、北米全土を縦断してるってことだろ？だが、ここまで守備範囲の広いシリアルキラーがいたか？ 
まるで渡り鳥か旅人だ。 
普通のシリアルキラーどもは、大抵車で移動可能な範囲で獲物を調達する。 
それにこれだけ広範囲じゃ獲物の選択だって難しい。それともこの旅人は行き当たりばったりに人を殺すのか？」 
「いや……行き当たりばったりじゃあないね」 
ゴーントの厳しい指摘を受けながらも、ベックマンに動じる様子は無かった。 
「ハーパーくんは『文字』を凶器の名前と結びつけているが、オレは被害者の属性とも関係しているんじゃないかと思ってる」 
ハーパーとゴーントが同時に声を返した。 
「被害者の属性？」 
「アラスカのジュディス・ソーンダーズはアル中だったんだ。つまり、キッチンドリンカー（Ｋｉｃｈｉｎｄｒｉｎｋｅｒ）だったのさ」 
ベックマンはハーパーとは違った角度から事件にアプローチを試みていた。 
「犯人は明らかに宗教的な意図をもって獲物を選んでいるように感じる。 
アラスカの事件は酒に溺れる不信心者。アリゾナの事件は、たぶん人を殺していながら聖具を売ったことが糾弾の対象になった。カーモディー殺しは……彼がプロデュースした映画の内容に問題があったんじゃないかな？」 
今度はゴーントが左右の眉を寄せた。 
「キャノニストのＣ、キッチンドリンカーのＫというわけか？それならカーモディーは？？」 
「プロデューサーのＰ。シングル・アクション・アーミーの別名はなんて言うか知ってるよな、ゴーント？」 
口をぐっと「へ」の字にしてゴーントは答えた。 
「……ピースメーカー（Ｐｅａｃｅ　ｍａｋｅｒ）だ」 
しばし黙り込んだあと、ゴーントはベックマンとハーパーに言った。 
「……判った。オレの方でもアンタらの考えに沿う形で旅人探しに協力するとしよう」 

　現調と死体見分のあと、トロントはゴーントに任せてベックマンとハーパーはいったんそれぞれの縄張りに戻ることになった。 
だが……ベックマンがいままさに機中の人になろうとしたとき、突然彼の携帯が着信音を奏でた。 
曲は「チューブラーベルズ」。 
ゴーントからの着信だった。 

ハーパーがトロント空港でゴーントからの着信を耳にする、ほんの３０分ほどまえ……。 

「一応」映画女優のニッキィ・スローンは宿泊先の安宿でスタジオからの連絡を待っていた。 
「……そうなの。そうなのよぉ。プロデューサーがね、どっかのアホにぃ撃ち殺されちゃったのよ」 
……… 
「もちろんよ。せっかく主演をゲットできたってのにぃ………もっちろんよぉ、中止よ、中止！……ってゆうかぁ、もう終わりよねぇこの映画。ま、一応指示待ちってことなんだけどぉ………え？映画のタイトル？」 
……… 
明らかに会話しているのだが聞えてくるのはニッキィの声だけ。 
他に聞えるのは、外の道路を走る車の走行音。 
どこかの部屋で見ているテレビ番組の笑い声。 
それから……階段を上がってくるカツカツという足音。 
……それだけだ。 
話し相手の声は聞えない。 
「……なんたらオブ・ザ・デッド？！誰よぉ！？そんな変なタイトル教えたのぉ！そりゃあのプロデューサー、そんな頭悪そうな映画っきゃ作んないけどぉ……」 
……足音は階段を登り切って廊下にはいった。 
「……タイトルはねぇ……このまえ教えたでしょ？アタシよぉ、アタシの名前！思い出したぁ？？」 
ブーッ……短く一回、すこし間をあけてブッブーと二回。 
「……あれぇ？誰か来たぁ？ちょっと待っててぇー」 
ニッキィは受話器を枕元に置いて、ドア口に向かった。 
覗き窓から相手の様子を確認すると、相手の抱えた撮影スタジオのロゴの印刷されたクラフト封筒が真っ先に目に入った。 
「あ！待ってください。すぐ開けます」 
待っていた連絡だと思ったニッキィは、慌ててチェーンを外すとキーを外してドアを開けた。 
「お待ちして……」 
お待ちしていましたと、最後まで言い終えることはできなかった。 
無粋なナイフが、白い細首を深く大きく掻き切ったのだ。 

「被害者はニッキィ・スローン。カーモディーのプロデュースしてた次回作の主演予定だった女優だ」 
連絡を受け空港から急遽駆け付けたハーパーの足元に転がっているのは、「女優」という言葉の不似合いな、極々ありふれた田舎娘だった。 
死体を挟んで向こう側にはゴーントが、例によって壁にもたれて立っている。 
「殺されたとき電話中だったんで、電話相手の男が異常に気付いてすぐさま警察に連絡したんだ。 
その連絡先がトロント市警だったら、あるいは犯人を捕まえられたのかもしれんが……」 
「……そうか、電話相手は湖の向こう側だったんだな」 
「ウィスコンシン州警察は、トロント市警に連絡しろと言ったきりだったとさ」 
ゴーントの口調は吐き捨てんばかりだった。 
ニッキィの電話相手がトロント市警に連絡するまであいだに犯人は一連の作業を終え、悠々と現場を立ち去ってしまっていたのだ。 
「この娘の喉を裂いた凶器は、カーモディーがお守り代わりにいつもベルトに下げてたナイフだそうだ。もちろん射殺されたときも身につけてただろう」 
犯人は、カーモディーを射殺したその場で、被害者の身に着けていた「お守り」のナイフを奪っていったのだ。 
「ただのナイフじゃないですね。アーミーナイフです」 
死体の傍らに投げ捨てられた血まみれのナイフの上にハーパーは屈みこんだ。 
「……そうでなきゃＡになりません……」 
「ついでに言うとアクトレス（Ａｃｔｒｅｓｓ）のＡってわけだな」 
女優の喉は、不自然なカーブを描いて切り裂かれていた。 
キャンバスが狭かったので、さすがの旅人も苦労したようだ。 
ニッキィ・スローンの喉の傷は、無理すれば小文字の「ａ」に見えなくもなかった。 
そのとき、ハーパーの携帯が再び着信音を奏でた！ 
『………ハーパーくんかい？オレだよ。ベックマンだ』 
ゴーントから連絡受けたベックマンは現場には来ずに、ニッキィ・スローンの電話相手のところに向かったのだ。 
『詳しいことはそっちに戻って話すが……ニッキィのボーイ・フレンドが言うにはな、殺される直前、ニッキィは自分が主役を演るはずだった映画のタイトルのことを話してたんだそうだ』 
「主演を演るはずだった映画って……カーモディーがプロデュースしてた映画ですか？でもそれにいったいどんな意味が？？」 
『アラスカでのことを覚えているかいハーパーくん。君はあのとき、ジュディスの名前の謂れを話してくれたよね？』 
「ああ……ええ、たしかそんなこともありましたね。でも……」 
『聞いてくれハーパーくん。ニッキィのボーイフレンドが言ったんだよ。ニッキィの名前がそのまま映画のタイトルなんだって』 
「ニッキィの名前が映画のタイトルと同じ？それはいったい……」 
そして次の瞬間、大声でハーパーが叫んだ！ 
「そうか！そうだったのか！」 

ハーパーはトロント市警本部の会議室でウィスコンシンからトンボ帰りしたベックマンと再合流を果たした。 
「お疲れ様です」 
「いや、この仕事長いからね。この手の移動はもう慣れっこだよ」 
二人がろくに挨拶も交わさぬうちに、難しい顔をしてゴーントも戻って来た。 
「やあトム。いいところに来たな。こっちは今しがた検査がおわったところだ」 
「で、ゴーントさん。結果はどうでした？」 
「……君の読みどおりだったよ、ハーパーくん。どうやらオレの負けだな」 
「なあゴーント、調査とか言ってるのは例のパンフレットを調べたんだね？カーモディーの指紋は無かったんだろ？」 
もうギブアップだ、というようにゴーントが両手を上げた。 
「なんだトム。アンタも全部判ってるみたいじゃないか。判ってないのはオレだけか。もったいぶらねえでさっさと教えろ」 
ハーパーとベックマンは、しばし譲り合うように視線を交わしていたが、やがて年かさのベックマンが「それじゃオレが……」と話しはじめた。 
「きっかけはね、ニッキィ・スローンの名前の意味だったんだ」 
「ハーパーくんも『そうだ』とか『判った』とか騒いでたが、ニッキィー・スローンはニッキィ・スローンだろ？他にどんな意味があるっていうんだ？？」 
ベックマンは会議室のホワイトボードにマーカーペンでＮｉｋｋｉ・Ｓｌｏａｎと書き込んだ。 
「ニッキー・スローン。殺された女優の名だ。これをこう書くと……」 
ベックマンは、こんどは女優の名前の下に、発音こそ似通っているが全く別の言葉を書き添えた。 
「Ｎｉｃｋｙ・Ｔｈｒｏｎｅ……ニッキー・スローンだ。発音的には似ているが、しかしその意味は……」 
「……悪魔の王座……そうか！」 
ゴーントにもやっと納得がいったようだった。 
「ニックとかディックは『悪魔』の別称だ。そしてスローンは王座か、なるほどな……だが待てよトム！それとあの旅行パンフレットとどういう関係があるんだ？」 
「それはオレなんかに聞くよりも、携帯電話かパソコンで検索した方が速いな。試しに『トラヤヌス神殿』で検索してみろよ、ゴーント」 
「…ちょっと待ってくれよ」とゴーントは携帯を取り出すと、パンフレットを見ながら一文字づつ入力していった。 
「……さてと結果は……」 
ゴーントは上着のポケットから老眼鏡を取り出すと、携帯の表示を読み上げた。 
「やれやれ年はとりたくねえな……トラヤヌス神殿。ローマ帝国の属州ペルガモンに建てられた……」 
「判っただろ？ゴーント。ペルガモン（Ｐｅｒｇａｍｏｎ）。つまりＰだよ」 
「ま、まってくれよトム。たしかにＰが出て来るにゃあ出て来るが……」 
「いや、これで正解なんだよ。だってペルガモンは『サタンの王座のある場所』なんだから」 
「サ、サタンの王座だと！？…トム、おまえいったい何を言い出す……」 
だが、「……言いだすつもりだ？」と言い終える前にゴーントの口から言葉が途切れた。 
そして二三秒の空白のあと、ゴーントの口から全く別の言葉が飛び出した。 
「そうか！オレにも判ったぞ！答えは『ヨハネの黙示録』だな！！」 

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

…ベックマンの声は低く静かだったが、とてもよく通る声だった。 
「『ヨハネの黙示録』は、初期キリスト教の七つの教会に宛てて書いた書簡という体裁をとっているんだよ。 
その七つの教会の一つが『ペルガモン』で、メッセージの内容は『サタンの王座の場所で忠実に証している』云々というものなんだ」 
「つまりカーモディー殺しとスローン殺しは、事実上二件で一組ってわけか」 
「そうだよジョン。だからこそ、同じトロントで連続して犯行に及んだんだね。ここで問題になるのが二つの点だ。一つは、ニッキー・スローン殺しの現場から持ち去られた物は何か？ということ。犯人は必ず何かを持ち去っているはずなんだ」 
「そっちはオレが市警の連中に指示する。ただ、殺された女優の部屋には撮影スタジオから持ち出されたものもあるようなんだ。 
……ホラー映画だったんだから凶器に使えそうなものはゴロゴロしてたはずだしな」 
「それから、もっと大事なのが残されたアルファベットの意味だ」 
ベックマンはホワイトボードにアルファベットを、事件の発生順に書きあげた。 
「……アリゾナの『ｃ』、アラスカの『ｋ』、トロントの『Ｐ』と『ａ』。次のアルファベットが判れば、旅人の次の獲物をある程度絞り込むことができるんだが……」 
ホワイトボードを三人で睨みつけること数秒………。 
「……まいった」 
真っ先にギブアップしたのはやはりゴーントだった。 
「……こういう謎々まがいの仕事は苦手だ。オレは失礼して、市警の連中と一緒に『失せ物探し』で協力させてもらうよ。じゃあな……」 
あばよと手を振ってゴーントが会議室を出ていった。 
「……ハーパーくん」 
ＦＢＩ捜査官二人きりになると、ベックマンは切りだした。 
「……もうそろそろＦＢＩ全体で動きだすべき時だと、オレは思う」 
それはハーパーも考えていたことだった。 
だが…… 
ハーパーはついこのあいだ、ロスのコーヒースタンドで出会ったウォレスと名乗る大男の言葉を思い出していた。 

『……警察をはじめとする既存の捜査機関も、犯罪の変化に対応できなくなっているということなのです』 

（……まさにウォレスの指摘したような犯罪だ） 
僅かの間にアメリカを南北に縦断したばかりか、隣国カナダにまで足を伸ばして手早く二人を血祭りにあげた。 
ゴーントが言うところの『旅人』は、ウォレスが指摘するところの超広域・超高速型のハイパー犯罪者だ。 
（こんな犯罪者に、ＦＢＩの既存組織で対応しきれるんだろうか？） 
「……それにハーパーくん」 
ハーパーの思考を断ち切るように、ベックマンが声のボリュームを上げた。 
「オレがなにより怖いのは、『旅人』が単なる殺人だけで終えるつもりだとは思えないことなんだ」 
「……単なる殺人では終わらない？それはトム、いったいどういう意味なんですか？」 
「『旅人』の残すアルファベットには小文字が使われている。 
つまり単発の文字でなく、何らかの文章か単語を構成しているんだとオレには思えるんだ。だとすれば……その文章ないし単語が完結するとき……」 
ベックマンの声が、友達に何かの秘密を打ち明けるときのように、低く低くなった。 
「……なんというか、なにか特別な、とびきり邪悪なイベント的殺人が用意されているような、そんな気がしてならないんだよ」

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ＦＢＩ本体を動かすべくベックマンが上層部への働きかけを開始したころ……。 

「やあ、アナタならもう一度来ると思ってましたよ。……どうぞ、座ってください」 
サンベルト・ロレンツォは、医局内の食堂でニューヨーク市警のソフィア・プリスキンとの再会見をはたしていた。 
「こんどはお１人で？」 
…ロレンツォの問いには答えず、ソフィアは勧められた席に腰を下ろすと下げてきた紙手提げを二人の間のテーブルに置いた。 
「……ドクター・ロレンゾに手持ちのカードを晒してもらうためには、私の手の内を晒さねばならないのでしょう……」 
「手持ちのカード？」 
「ドクター・ロレンゾ。アナタがルービン事件の現場で発見した『何か』のことです」 
「…ん？私が見つけた『何か』ってのは、いったいなんのことです？」 
「とぼけないでください。先日私がドクターをお訪ねしたとき、ドクターは私とグルック刑事をテストされましたね。結果は落第だったようですが……」 
「……つまり……追試を受けたいということですか？」 
それには答えず、ソフィアは手提げの中からＡ４サイズの一枚の紙きれをとりだした。 
「これが私のカードです」 
ソフィアは紙をロレンツォの方に滑らせた。 
「実物を携帯で撮影して、パソコンからプリントアウトしました。実物は、新聞片面ぐらいの大きさです」 
ロレンツォが紙を表に返すと……光のもとに晒されたのは異様な絵だった。 
若い女と銀の盆か大皿にのった男の首……。 
窓から差し入る光が絵の周りだけ避けて通っているようにも見える。 
「御覧の絵は、ニューヨークのホテルでデルハイルが射殺された部屋に掛けられていたものです」 
「これはまた……よくこんな絵をホテルは飾りましたね」 
「グルック刑事もそう言いました。しかし、この絵はホテル側で飾ったものではありません。もともと掛っていた絵はありふれた果物の生物画だったんです」 
「ホテルが掛けたものではない？……ではデルハイル自身が？」 
「デルハイルでもありませんでした。殺された当日、朝昼晩の食事を部屋に運んだ客室係二人の証言では、絵は静物画のままたったそうです」 
「……ということはつまり……」 
「絵を掛けたのは犯人だと我々は考えました。そして「斬首」の絵を残した意味は、デルハイル殺しが「処刑」か「報復」であるという表明だと考えていたのです」 
「なるほど……それでルービン老が死んだ時、アナタ方はそれが『処刑』または『報復』 
の第二幕だと、そうお考えになられたんですね」 
「しかし残念ですがそれは二つの意味でハズレでした」 
「二つの意味と、おっしゃいますと？」 
「ルービン老殺しは、表面的には事故死の体裁をとっています。しかし処刑や報復であれば、それが殺人であることを隠しません。むしろ逆に大声で喧伝するのが普通です。そしてもう一つは……」 
無表情を通すソフィアの唇の端が、微かに引き締まる……。 
「第二幕ではなかった。私は、ルービン殺しは第四幕だったと考えています」 

「だ、第四幕！？」 
さすがのロレンツォもソフィアの言葉に色を失った。 
「では、二幕目と三幕目は？」 
「二幕目はバーモント州サウスバーリントンで書評家のダン・アイアンズが撲殺された事件です」 
「バーモントだって？ここタラハシーよりはまだニューヨークに近いが、しかし……何故バーモントの事件とニューヨークのデルハイル事件との繋がりが判明したんですか？」 
「それは……私の同僚、グルック刑事のお手柄です。彼はデルハイル殺しの現場に残されていた指紋の照会を他の州警に依頼しました。 
もちろんホテル従業員などの指紋は予め除いておき、正体の判別しない不明指紋のみ照会するのですが、グルックはそこで大きなミスを犯しました。 
デルハイル自身の指紋を除き忘れたのです」 
「はあ……なるほど。それでヒットしたんですね？デルハイルの指紋で」 
ソフィアは極めて小さく頷いた。 
「マッケンジーを撲殺するのに使われた象牙製の置物から、デルハイルの指紋が検出されました。アイアンズを殺した凶器は、デルハイルの持ち物だったんです」 
「……そこでアナタは、今度はアイアンズの……」 
「はい。アイアンズの指紋で各州警に照会してみました。すると、サウスダコタのスーフォールズで医師のマービン・レイノルズが殺された事件の凶器から、断片的にですがアイアンズの指紋が出ました」 
「つまり……レイノルズを殺した凶器はアイアンズのものだった」 
「出入りしていた者の話だと、殺人現場となった書斎で使われていたドアストッパーだそうです」 
「……ドクター……ド・クター……ドアストッパー……ド・アストッパー……」 
「ド」の部分を区切って歌うように発音すると、ロレンツォはかすかに首をかしげた。 
そして、考えを仕切り直すようにいったん天井を見上げてから、改めてロレンツォは尋ねた。 
「……それで、ルービンのバスタブに放り込まれた電気ヒーターから、サウスダコタの被害者の指紋が出たんですか？」 
ソフィアは無表情な顔を一度だけ横にふった。 
「診察室にあったはずのヒーターが確かに無くなっているそうで、型式もこちらの事件のものとよく似たものというところまでは判りました。しかし誰のものと判別できる指紋は検出されていないそうです」 
「そうでしょうねえ、風呂の湯の中に落ちたから……」 
ロレンツォが黙り込むのと同時に、彼の長い優美な指が、ギターでも弾くように複雑な動きを見せた。 
そしてまた天井を見上げ、そして、ロレンツォの視線はソフィアの顔へと戻って来た。 
「……なるほど。あなたの手の中のカード、確かに拝見させていただきました。それでは、私も自分のカードをテーブルに晒すとしましょう」 
「ちょっと待っていてください」と言い置いて席を立ったロレンツォは、数分ほどしてから、様々な色で印刷された数枚の紙切れを手に戻ってきた。 
「これは、私がルービン老の家を調べに行った時、殺人現場となった寝室で見つけたものです」 
ロレンツォがソフィアの前に並べた紙切れ。 
「……これは、いったい…」 
無表情を通していたソフィアの弓のように弧を描いた眉が、ハッキリと動いた。 
ロレンツォが見せた紙切れのど真ん中には、青空を背景に聳える白い廃墟が鮮やかに印刷されていた。 
「観光案内のパンフレットですよ。トルコのエフェスにあるアルテミス神殿の廃墟です」 

　「あ……」 
パンフレットに手を伸ばしかけたソフィアにロレンツォは言った。 
「一応手荒には扱わないでくれませんか？それ、本物ですから」 
「ド、ドクター・ロレンゾ！あなたは証拠品を現場から勝手に持ち出したんですか！」 
「かたいこと言わないでください。うっかり誰かに捨てられでもしたら適わないから、私が保管してただけですよ。さて……」 
ロレンツォはソフィアの持ってきた絵の写しと、自分の持ち出した観光案内とを並べてみせた。 
「プリスキン刑事、この二つには共通する要素があるんですが……何か判りますか？」 
一方は、女と銀の盆と盆の上に載った男の首、もう一方は青空に聳える白い柱……。 
一方は絵、一方は写真。 
しかし、絵画も古代ギリシャも、およそ古典に関する知識はソフィアの得意範疇には含まれていない。 
しばらくじっと眺めていると、ロレンツォが席を立ちテーブルを回って傍らに立った。 
「プリスキン刑事の持ってきた絵は、『洗礼者ヨハネの斬首』。書いたのは、『光と影の巨匠』にして『オランダ最高の大画家』レンブラントです。ほら…見てください」 
ロレンツォは絵の写しを光がもっとよく当たる場所に動かした。 
「……光の中にあるのに、絵の周りだけ闇を感じませんか？そう、まるで光がこの絵を避けてるみたいに……これこそレンブラントが『光と影の巨匠』と呼ばれる所以なんです」 
ロレンツォは美術の教師かあるいは画商なみに絵画の知識をもっているようだ。 
一方、ソフィアがレンブラントについて知っているのは、子供のころ見た日本製アニメで、主人公の少年が見たがっていた絵の作者ということぐらいだ。 
「レンブラントというと『夜警』が有名ですが、宗教画もたくさん描いてるんです。例えば………」 
「ちょっと待ってください」 
放っておくと果てしなく脱線しそうな危険を感じ、ソフィアはただちに軌道修正を図った。 
「美術談義ならあとで伺います。それより本筋を先におっしゃってください！」 
「いや、これは失敬失敬……」 
黒髪の結い目の緩みを直すような仕草をすると、ロレンツォはようやく核心について切りだした。 
「私が見つけた旅行案内はトルコのエフェス……いまでこそイスラム圏ですが、かつてはローマ帝国の一部でありキリスト教会もあった場所です」 
「…ドクター・ロレンゾ！私は本筋を先にと…」 
しかしロレンツォは、今度は話を止めなかった。 
「……エフェス（Ｅｆｅｓ）は、ローマ帝国の時代にはエフェソス（Ｅｐｈｅｓｏｓ）ｓと呼ばれ黎明期キリスト教の教会もあった。洗礼者ヨハネは有名な『黙示録』の中でこのエフェスの教会について『偽りを退けたが、愛から離れた』と記しています……」 

-[[続く&gt;&gt;http://www47.atwiki.jp/fbi_team/pages/30.html]]    </description>
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