この項では、東雲のもつ能力について解説する。
【剣薙】の使用する能力とは別なので、注意。
1 剣薙の陣
効果範囲:半径0m~50m
【剣薙】としての能力。
自身を起点として360度、周囲に対して複合因子で構成された無数の剣を生成、展開する。
周囲召喚される剣は全て形が違っており、全てが名前のない無銘剣である。
いずれも実在する武器を模しているとされている。
共通して片手で振るうことのできる長剣、両手剣か太刀が生成され、剣は基本召喚されると地面に刺さり、存在を維持し続ける。
が、東雲が離れすぎるか東雲から剣が離れすぎると自然と消滅する機構になっており、
また、設置した刀剣を投擲などした場合、地面に刺さった数秒後に因子に還る。
東雲が移動をすると、東雲を必ず中心とするように設置されていた剣は消失、進む前方に再設置される。
実在する剣に酷似したものも一応生成可能であり、多くの複合因子を消費すればその剣にある伝説通りの性能を発揮させることができる。
また範囲内なら他人が使用することも可能である。
唯一「名前付き」で作り出せるのは「剣幻」に分類される4つの剣だけ。詳細は下記。
2 剣幻
「剣薙の陣」から生み出される名前付きの4本の剣の総称。
『無銘』『悠久』『壊闢』『潺』の4本であり、普段使うのは「無銘」と「悠久」の2振りである。
『無銘』…銘は「むめい」。
自らの身の丈ほどもある長太刀。フォトンを切り裂く効果を持ち、東雲が持ったときのみ、重みを感じさせない高速剣戟を繰り広げることができる。
『悠久』…銘は「ゆうきゅう」。
一般的なカタナと同じサイズの小太刀。人体や物に当たらずすり抜け、納刀するまでではあるが、フォトン適正を一時的に無くすことが可能。
『壊闢』…銘は「かいびゃく」。
刀身が赤黒いもやのようになっている、形の定まらない刀剣。振り抜くときに鎌のように形をとる。この剣でつけられた傷口は即座に壊死するため、修復がほぼ不可能。 この剣のみダークファルス因子のみで構成されている。
『潺』…銘は「せせらぎ」。この剣のみ詳細は未だ語られていない。
3 何度その日を迎えても
一定条件下での不死性、その名称。
悠と共にナベリウス奥地・壊世区域に向かった際、【剣薙】と化した東雲がアンガ・ファンダージを喰らった際に手に入れた能力。
心臓をつぶされようと、脳を破壊されようと即時再生する。
発動するのは自身の「即死」事象に対してだけであり、毒や流血での死には効果を発揮しない。
また、その即死事象の傷にのみ治癒するため、他の傷は完全には治らない。
スキル「アイアンウィル」とは全くの別物。
副次的効果として、能力発動時に強制的にダークファルス因子に蝕まれるため十中八九【剣薙】として覚醒する。
4 選定されし十五の命運
アクティベート・フィフティンスと呼称され、自らの体内に直接刻まれている十五もの術式。
【剣薙】に堕ちる以前に自身の体に刻み込んだ術式。
その全ては、「選定」に使用された十五人の能力の原型である。
十五人に施された能力はその一点だけに特化されているため、東雲より効果は高い。
術式を使用する際は刻まれた術式が体表に浮かび上がる。
術式は直接体内、体外に刻まれており、その影響で彼の体は少しの運動でも崩壊してしまう。
その自身の体を驚異的なスピードで修復、繋ぎとめているのは十五の術式のうちの一つ、そして彼自身の保有する「複合因子」による影響。
そのためどんな動きをしても自身が崩れたり、死ぬことはない。
…のだが、その度に体中に激痛が走るため、常人には耐えることは不可能であるとされる。
それでも痛がる素振りを見せないのは、それ以上の地獄を知っていたからとも、結月悠香のためなら痛みすらも厭わないから、とも。