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現代欧州風、都会の街。かつて、その街の華やかな大通りから一歩外れた裏側は、死と腐臭の漂う暗黒街だった。
数々の組織の領域と利権が複雑に絡み合い、日々抗争が絶えない無法地帯。
行き場の無い者たちが流れ着く肥溜め。溝川に枯葉が溜まるように屍が積み上がるスラム。
其処に一人の男が現れたのは、十数年前のこと。
圧倒的な強さとカリスマ性をもって瞬く間に街を支配下に置き、
厳粛な血の掟を定め、秩序と平穏を齎し、一大ファミリーを築き上げるまでに至った。
領域を荒そうとする者には凄惨な制裁を。
一度懐に入れた者には深い慈悲と確かな居場所を。
味方からは崇拝に近い敬愛を受けながら、敵の誰もが名を聞いただけで震え上がるファミリーのボス。

そんなボスの屋敷には、今―――――


「―――お父さんの、ばかっ! もういいっ!」


誰もが畏怖するボスを相手に、失礼千万な態度を取ることが許される、ただ一人の人物がいる。

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最終更新:2022年04月20日 22:31