FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki内検索 / 「【アルテマソード】」で検索した結果

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  • 【アルテマソード】
    100話 132話 182話 303話 308話 309話 393話
  • アイテム履歴
    ...】 【君主の聖衣】 【アルテマソード】 【ブラスターガン】 【毒針弾】 【鋼の剣 】 【微笑みの杖】 【フラタニティ】 【不思議なタンバリン】 【スコールのカードデッキ】 【鉄の杖】 【銀球鉄砲】 【山彦の帽子】 【バリアントナイフ】 【マジカルスカート】 【アンブレラ】 【うさぎのしっぽ】 【静寂の玉】 【アダマンアーマー】 【ブレイブブレイド】 【クロスクレイモア】 【ビームウィップ】 【タークスのスーツ(男性用)】 【暗闇の弓矢】 【プレデターエッジ】 【クリスタルの小手】 【星降る腕輪】 【ドレスフィア(パラディン)】 【魔法の法衣】 【ガイアの剣】 【破壊の剣】 【ドラゴンテイル】 【ダーツの矢】 【番傘】 【官能小説】 【草薙の剣】 【スノーマフラー】 【ハリセン】 【ナイフ】 【銀のフォーク】 【ミスリルアクス】 【カヌー】 【雷鳴の剣】 【さざなみの剣】 【水のリング...
  • 100話
    第100話:怨念の剣士 ベアトリクスの血は昂ぶった。 たった今、彼女は変わったのだ。 アレクサンドリア王女ガーネットに仕える騎士がひとたび汚れた指輪を身につけたときから、 荒れ狂う暴政のもとに仲を引き裂かれた男女の怨念の乗り移った修羅となった。 君主の衣を身にまとい、神々しい光沢を備えた剛剣を手にして。 慣れた冒険者も寄せ付けないほどの険しい山岳地帯も、彼女の猛る足踏みはまるで意に介しなかった。 荒涼とした山地はもうすぐ終わる。下山すれば平坦な草原が続く。 ベアトリクスはひっきりなしに四方八方を見ながら進んだ。 それは殺す相手を探すために。 運命に翻弄され運命による犠牲者となった恋人たちの恨みの魂を、惨劇によって静めるために。 【ベアトリクス(呪いによる精神支配・暴走)  所持品:血のエンゲージリング、君主の聖衣、アルテマソード  行動方針:参加者を...
  • 303話
    第303話:ベアトリクス強襲 ―?…ああ、なんじゃ。人の声か…。 「さっきの爆発音といい一体何があったんだい?酷い有様だねぇ?」 「爆発音の割りに燃えたという感じがしないあたり、おそらくフレアだな」 わずかに意識をつないでいたフライヤの耳に誰かの声が聞こえる。 「こっちのモンスターは既に事切れている」 「この男はまだ息があるね。よーし、ちょっと待っとき。今回復してやるからね。  ザンデ、辺りの警戒を頼むよ!」 体はもうほとんど動かない。視界も霞の中。 人とものの判別もつかないが、誰かがやってきたようだ。 ―伝えなければ。危険な連中、カインやスミスのことを― 「ウネ、あそこにも誰かいるようだ。わしが見てこよう」 仲間に声を掛けて、背の高い影が動き近づいてくるのがわかる。 フライヤは最後の力を使って顔を上げ、 「む?こっちもまだ息があるのか」 目の前の影に...
  • 312話
    第312話:この暗い空の下で ひとまず次のフィールドへ移動するためレーベ南部の森を歩くリュックとわたぼう。 後ろを歩いていたわたぼうが立ち止まる。 何事か、と振り向いたリュックは、空を見上げるわたぼうの姿を眼にした。 「わたぼう、どしたん?」 リュックが声をかけ、わたぼうと同じように空を見上げる。 雲一つない、澄み切った青い空。 「空、きれいだな、と思って…」 「ほんとだねえ」 しかし突如、空を見上げていたリュックの眉がひそめられる。 ー綺麗な、空…? 目を閉じ、もう一度目を開けた視線の先では、今度は空がどす黒く染まって見えた。 この島で行われている殺し合いの結果生じた、生者のものとも、死者のものとも知れない負の感情。 怨嗟、無念、後悔、苦痛、恐怖、狂気ーそんなものが渦巻いて、綺麗なはずの空を暗くしている。 しかし、そのことをわたぼうには告げない。わざわざ刺激...
  • 309話
    第309話:ケフカを探して 「クソッ! 見つからん!」 パパス等との戦闘を離れ、レオは一晩中森を駆けずり回っていた。 しかし、今だその目的は果たされない。 放送に名を呼ばれてはいないということは、まだあの男は生きている。 いや、あの男の事だ、おそらく人々を惑わし、誑かし、陥れ、上手く生き遂せる事だろう。 そんなことを許すわけにはいかない。 あの男だけは、野放しにしておくことはできない。 この手で息の根を止めねばならないだろう。 そう強い決意と共に森を駆け回るレオだったが。 崩壊までの時間は残り僅かと迫っていた。 もちろんそういうことも考えながら移動していたが、少し熱くなりすぎていたようだ。 思いのほか時間がない、おそらく到着はギリギリになるだろう。 これで扉探しに手間取ればアウトだ。 一刻も早く奴を探し出したいところだが、今は仕方あるまい。 レオ...
  • 132話
    第132話:狂気への抵抗 ぼんやりと星空を見上げていたレオンハルトでも、その気配にはすぐに気付いた。 静かな夜風の吹く平原の中で、その昂った気配はあまりにも異質だ。 そしてそれは確実に、迷わずにこちらに向かってきている。 レオンハルトは背筋が寒くなった。死への恐怖からではない。 その女の、まるで何も映していないかのような、それでも狂気一色に染まっている瞳は、 今すぐ血を見せろと、惨劇を見せろと言っているかのようであった。 レオンハルトには、殺されることの恐怖感はなかった。死を受け入れようとしていたから。 しかし、そんな彼でも――その女から放たれる威圧感は、恐ろしかった。 裁かれる時がきたのか、とレオンハルトは思った。 心の狂った、血に餓えたこの相手に、残虐的に殺されるとしたら。 それがどんなに惨めで、痛みと苦しみを伴う死に方だとしても――それが自分の罪の...
  • 315話
    第315話:Helpless 「大丈夫か!?返事をするのだ!!」 レオは、リュック達にも気づかず倒れている2人にそう呼びかけていた。 先程見つけた人影、それは間違いなく瀕死の重傷を負った参加者だった。 既に2人とも意識が無い。できれば両方を救ってやりたい。 だが、 「私の力では……くそッ!」 そう、どうすることも出来ない。回復の手立てが一切見つからないのだ。 自分の至急品に回復アイテムなどは存在しない。 このままこの2人は死を待つのか……。 「む?」 その時、彼は気が付いた。2人分の支給品袋があったのだ。 そしてその隣には、謎の生物が死んでいた。恐らく参加者だったのだろう。 しかしそれには目もくれず、支給品袋を拝借して中身を全てぶちまけた。 だがその中身は散々なものであった。 一つの袋からは鍛冶セットらしき物と鎧、 もう...
  • 【アルテマウェポン】
    68話 139話 147話 189話 196話 210話 325話
  • 182話
    第182話:迷いの剣 無数の星が散らばる星空の下で、剣と剣が交わっていた。 耳を劈くような金属音が、闇の中に幾度となく響く。 「くっ……」 レオンハルトの息遣いは若干荒くなっていた。 それでも、相手の女は顔色一つ変えることなく、冷たい表情のまま剣を振り下ろしてくる。 (このまま続けば・・・長くは持たないな…) そう判断したレオンハルトは、防御から攻撃に転じた。 女の剣を受け止めたと同時に、そのまま足を強く大地に踏み込み、腕に力を込め全体重をかけた。 女も同じように力を込め、踏み止まる。 互いに自分の持つ全ての力を込め、剣と剣が押し合う。 両者とも、大地を揺るがすようなすさまじい気迫での睨み合いが続く。 だが、ここは男性と女性の腕力の差であろうか。 キィン、と軽く剣が唸ると同時に女の体勢が崩れる。 (――今だ!) レオンハルトはすかさず剣を振った。 普...
  • 503話
    第503話:EYES ON ME 暗い井戸の底、ひとりの男が、目の前の瀕死の緑髪の男を見て苦悩していた。 「…緑色の髪の男に遠くから射撃された……  ……リノアとかいう連れがいたそうだが、彼女は助からなかったらしい…」 数時間前に、カインから聞いた言葉が呼び起こされる。 目の前にいる男が、リノアを殺したのか?そうであれば、この男を許すことはできない。 男が手に持っている銃、これがリノアを殺した凶器なのかもしれない。 だが、もしこの男がリノアの死と何の関係もないとしたら? 彼の傷の具合からして、早急な治療がなければ、そのまま帰らぬ人となるだろう。 そして今、彼を助けられるのは自分たちしかいない。 スコールは苦悩していた。自分が選ぶべき選択肢に。 上の方から、自分の名前を呼ぶ、マッシュの声が聞こえる。 ふと上空を見ると、赤い光が目に...
  • 【アイスソード】
    106話 127話 187話 199話 298話
  • 308話
    第308話:AeroBlaster ザンデをも吹き飛ばした技を持つ相手に対し出し惜しみも小細工も不要。 そう考えたウネは即座に持てる最大の呪文、トルネドの詠唱に入る。 耳鳴りの音が次第に大きくなり気圧の急激な変化を知らせる。 ベアトリクスの前で空気が渦を為し始め、現れた旋風が瞬く間に天へと伸び、その勢いを増す。 渦の発生に反応して大きく飛びのくベアトリクス。 すぐに竜巻は天を衝き、ゆっくりとその身をうねらせていた。 (トルネドは外れちまったか。ま、そんな簡単にはいかないもんだね) 発達した白い障壁が二人の間を裂き、お互いの姿が見えなくなる。 「さーて、どう来る?接近か、それとも魔法かい?」 両手に魔力を集中して、魔法反射の魔法、リフレクを準備する。 二人の間では白くうねる風速100mの牙が無作為に暴れまわっている。 竜巻に触れた森の木々が破片と化す。巻き上げ...
  • 459話
    第459話:光が導く地へ 炎を思わせる黄昏の光は消えた。 天井に輝くは紅玉のような月。投げかけられるは血の色彩。 右手に聳え立つ山脈を臨み、スコールとマッシュは歩き続ける。 兄弟。仲間。脱出の手掛かり。 白魔道士に扮したかつての友。緑のバンダナを巻いた金髪の男。彼らとは別に存在しているのかもしれない緑髪の男。 探さねばならない相手は数多く、けれども、彼らは一点を目指す。 偽りの情報に導かれたまま。 (兄貴――どうか無事でいてくれ!) ケフカの企み。それは可能性として有り得る話。 だが、ウルに向かったという男は、現実に人を殺めている存在。 しかも敬愛する兄の命が掛かっているとなれば、どちらを追うかなど決まっている。 微塵の迷いもなく、マッシュは歩き続ける。 (……殺すのか、あいつを) 倒さなくてはいけない敵。死なせるべきではない仲間。 マリベ...
  • 434話(後編)
    434話:誰彼誘う闇、残照の光 「遅かったな。他の連中とスミスはどうしたんだ?」 フリオニールはカインに駆け寄り、声をかける。 カインは彼を一瞥すると、小さな声で何事かを囁いた。 サックスには聞き取れなかったが、フリオニールがかすかに肯いたことだけは見逃さない。 しかし二人は何事もなかったように、話を始めた。 「用事を頼んだからな。何もなければ直に戻ってくるはずだ。  それより、そこにいる連中は誰だ?」 「……ああ、スコールとマッシュのことか?  良く知らないが、お前と一緒にいるケフカとかいう奴に会いたいんだとよ」 「スコールにマッシュ……!?」 カインはどことなくわざとらしい仕草で目を見開き、高い声で叫ぶ。 名を呼ばれた二人は、きょとんとした表情でカインを見た。 「俺達のことを知っているのか?」 スコールの問いかけに、カインはゆっくり肯く。 「ああ。数時間...
  • 68話
    第68話:悲しみの先に ツンツンのチョコボ頭の青年、クラウドはアリアハン城から南の海岸に立っていた。 彼は正直こんなゲームには興味が無かった、殺す気も無いし、殺される気も無い。 ただ、エアリスやティファやシド…仲間が死ぬところは見たくない、そんな心境だった。 そのためには生き残らねばならない、ただし殺人はやむをえない場合を除いて無しで。 やむをえない場合、襲い掛かってきたらそいつは容赦なく斬る、逃がせば仲間を危機に晒すことになるからだ。 そう思いつつ、彼は支給品を確かめた。 柄しかない剣と神羅の奴らが着込んでいそうなスーツが入っていた。 柄しかない剣は握ってみれば剣が使用者の体力に比例し出てくる、アルテマウェポンだった。 スーツはなんとも言えず、本当にただのスーツに見えた。 しかし、クラウドは知らない、このスーツがそこらの鎧よりも防御力があることを。 「とりあ...
  • 210話
    第210話:究極魔法 武器防具屋を出ると、クラウドはレックスが走り去った方へと急いだ。 それにしても、先ほどの爆発の威力は凄まじい。 見渡す限りの建物は黒く焼け焦げ、ひどいものは崩れ落ちて原型すら無くしている。 さっき落ちた雷といい、この大爆発といい、どうもセフィロスの他に、誰か強力なマーダーがいるようだ。 しかもあの2人が斬られた時のセフィロスの動きからして、彼らは手を組んでいる。 だとしたら厄介な事この上ない。結界に守られているとはいえ彼らもいつまで大丈夫かわからない。 そのためにも、早くレックスを探し出して、彼らの所へ連れ戻して… ―――!! あと数百メートルで一部半壊した城へと到達しようとした地点で、クラウドは背後に気配を感じた。 閉ざされた氷のように冷たく、研ぎ澄まされた剣のように鋭く、魔晄に浸された魔物のように邪悪なあの気配を。 立ち止まり、ゆっく...
  • 【ロングソード】
    78話 132話 182話 298話 334話 470話 485話 490話 526話
  • 139話
    第139話:虚無の襲撃者 クラウドは逃げた。夢中で走った。 ――大きな建物と町らしいものが見えてきた頃、地鳴りと轟音が彼を転倒させたが、それが彼をかえって落ち着かせた。 虚空のスクリーンに現れた魔女が、次々に死者の名前を読み上げてゆく。 「バレット…エアリスも」 彼は地面に膝をついたまま、拳を握り締めた。が、悲しむ余裕など無いのもわかっていた。 ユフィ、シド、ザックス…そしてティファ。彼らは果たして無事だろうか。 早く探し出さねば。その思いが彼を立ち上がらせる。 追ってきたはずのセフィロスと、もう一人はどうした? 辺りを注意深く見回すと、遥かに見える岩山のほうから、一人の黒髪の女が歩いてくるのが見えた。 「この辺は危険だ!早く…」 逃げろ、と言おうとして彼は息をのんだ。女の瞳を、見てしまったから。 赤い瞳にあったのは、殺意でも、狂気ですらなく。――ただ、深淵。 ...
  • 【ブロードソード】
    286話 360話 482話 484話
  • 【スネークソード】
    46話 207話 277話 386話 402話 410話 417話 419話 469話 479話 525話
  • 【ブラッドソード】
    51話 357話 359話 383話 525話
  • 【グレートソード】
    27話 85話 96話 152話 168話 173話 184話 380話 430話 515話
  • 【シーカーソード】
    180話 463話
  • 546話
    第546話:惨害の痕で寄り添って 《1》 「ピアスが鳴ったんだが、赤い奴は逃げたしって少し油断してたのかもしれない。  俺は振り返れたと思うんだがな、暗いもんで顔が見えなかったんだ。  だから、本当に振り返れたのかどうかはわからないな。  どっちにしたって、あっというまに腕を捻り上げられて地面に押し付けられたよ。  あれは兵士とか傭兵とか、とにかく軍人のやり方だ。  初めて本物を体験したんだけど、なんていうか、痛いってモンじゃないね。辛い、だな。  こんな痛いなら肩なんて外れてしまえー、あーすいません降伏しますギブギブ、って感じ。  それで『いぃぃぃぃっ!?』みたいな声あげちまってなあ……恥ずかしいのなんの。  確かに、あの状況じゃ俺がエリアを襲った敵だと勘違いされても仕方ないんだが、  一言くらい謝って欲しいもんだぜ。なあ?」 ...
  • 547話
    第547話:紛れ込んだ不純物 みんなの話が終わったのが多分一時間ほど前だから、あの二人はもう一時間近く喧嘩しているのか。 森が燃える音と風の音、そしてサイファーとスコールの殴り合ってる音を聞きながら、僕らは怪我人の治療をしている。 マッシュは魔石の召喚獣のおかげで、命は取り留めているものの、いつ誰が襲ってくるかも分からない。 バッツなど、魔法があまり得意ではないのに白魔道士にジョブチェンジして治療を行っている。 魔法を装備しなくても使えるのが、少し羨ましい。 生き返りの泉、回復の泉が使えれば一瞬だが、伏せておいた。そんな便利な泉を魔女が残すはずがない。 まあ、元々の世界でもリヴァイアサンを倒したことで効力は失われてしまっていたのだが。 道具の数も限りがある。この村にはポイゾナしか売っていなかったし、道具屋の回復薬は昼間にほとんど使ったらしい。 頼れる...
  • 【バスターソード】
    42話 116話 274話 277話 386話 402話 524話
  • 【クリスタルソード】
    28話 33話 44話 69話 79話 101話 108話 318話 423話 463話 466話 483話
  • 147話
    第147話:守りたい心 ガギッ! クラウドとパイン、それぞれの持つ刃がぶつかり合って嫌な音を立て、また離れる。 …もうこうして幾度、攻防が続いたことだろうか。 クラウドの体の芯には、澱のように疲労が溜まり始めていた。 (それでも…俺は負けるわけにはいかないんだ。) 参加者名簿に、死んだはずの彼女の名を見つけたとき。 死んでいるはずの彼女が、何故?と疑問が脳裏をかすめたのは一瞬で。 あとは、喜びのほうが大きかった。 今度こそは、死なせずに済むかもしれない。 今度こそは、守りきれるかもしれない―― ――だが、その望みは、僅か半日足らず。魔女が彼女の名を呼んだ瞬間に潰え去った―ー また、守れなかった。 また、死なせてしまった。 その事実が、何よりも痛切な悔恨となって、彼自身をさいなんだ。 悔しい。心が痛い――もうこんな思いは、嫌だ- だからこそ、残された仲間たち...
  • 51話
    第51話:蘇った命 恐ろしいほどの殺意を込めた目で、ただその男を睨み続けるミンウ。 だがその男のほうはそれを臆することもなく、ミンウを冷めた目で見返していた。 「…白魔道士ミンウよ…勘違いをするな。私はこのゲーム、無差別に人間を殺すつもりはない」 「嘘を吐くな…!現に貴様は今その男を殺しただろう、皇帝!」 そう。男――皇帝マティウスの足元には、背中に巨剣を突き刺した男=バレットが倒れていた。 誰がやったかなど、一目瞭然である。しかし、肝心のマティウスは表情を崩すことなく淡々と述べていく。 「これは自衛の結果だ、いきなり殴りかかられて黙っている訳にもいかぬのでな」 ミンウはわからない、といったふうに首を振った。 「…わからない、貴様の目的は何なのだ!」 「目的…か。そうだな、敢えて言うならば…」 マティウスは口元に手を当て、少々考えるような仕草をしてみせてから、言った...
  • 427話
    第427話:疑惑交差 フリオニールはマッシュとスコールが村の入り口に向かってきているのに気付いた。 二人ともかなりの実力者だと一目で見抜いたが、マシンガンもラグナロクがあるため、さほど恐れてはいない。 だが、まったく別の方向より、さらに数人やってきたのを見て、再考。 どちらかの組でも、ゲームに乗っていれば彼には好都合だが、さすがに自分に有利な前提条件で考えるわけにもいかないのだ。 子供の存在や人数から考えても、絶対ではないが向こうの三人組がゲームに乗っている可能性は低い。 さらに、大男は雲に乗っていて機動力は高そうだし、子供の方は銃をくるくると回している。 目の前の二人組を相手にすれば、上空から近づかれたり、撃たれたりする可能性がある。 三人組を相手にするのはダメだ。さっきは不意打ち(といっても断末魔をあげられてしまったが)だったのにもかかわらず、 マシンガンでは...
  • 514話
    第514話:クジケヌココロ 「こっちだ、デカブツ!」  わざと注意を引くように声を上げ、ダーツを投げつける。  ダーツの矢は一直線に巨大な的に突き刺さった。  分厚い皮膚の前ではダメージは毛ほども無いだろう。  だが、コチラに注意を引くことはできた。  魔物の瞳に捕えられると同時に、敵に背を向け走り始める。  魔物は地響きを響かせながら、目の前の獲物を逃すまいとその後を追ってくる。  ここまではコチラの思惑通り。  まずは敵を誘導して、戦場をこの場から遠ざける。  宿屋を巻き込まない為、という理由もあるが。  何より、すぐ側で横たわる彼女の体をこれ以上傷つけたくなかった。  敵の間合いギリギリ外、付かず離れずの距離を保ちながら敵を誘導する。  地を揺らしながら進む魔物の動きは、巨体に見合って遅い。  だが、歩幅の大きさがコチラとは違いすぎる。  総じて進む早...
  • 249話
    第249話:戦いは佳境に 「危ないぞみんな!離れろ!」 ジタンが叫ぶのとほぼ同時に、目の前の男の周囲から爆炎が吹き出る。 3人はかわす間も無く、その業火の中にとりこまれる、かに思われた。 「…まずいぜこりゃ」 吹き荒れる熱風の中に立ちながら、サイファーが呟く。 彼らと炎とを、淡い光の壁が隔てている。 3人の中で一番クジャから離れていたリノアが咄嗟に張ったシェルだ。 だがその彼らの命を繋いでいる壁は、その炎の勢いの前にあまりにも頼りない。 これじゃ今すぐにでも破られちまうぜ…サイファーがそう思った瞬間、ガラスのような音を立てて壁は崩壊した。 (危ねえ!) 迫り来る炎に、最初に反応したのは、3人の中で一番戦い慣れしたサイファーだ。 彼はリノアとリュカを咄嗟に抱え込むと、手頃な大きさの瓦礫が視界に入る。 文字通り火事場の馬鹿力を発揮し、人間2人を両腕に抱え、その...
  • 393話
    第393話:ある日の授業風景と、生徒の現実 はい、みなさん。P.156、『擬似魔法の確立以前に行われた呪術・第2章』ですよ。 ほらそこ、寝てないでちゃんと開いて。テキストを忘れたなら隣の人に見せてもらいなさいね。 コホン。……えー、太古の昔から、強い願いは現実を変えることができると信じられていました。 『生贄の儀式』も、一般的には、願いの強さを示すためのものであると考えられています。 「何を犠牲にしてでも叶えたい願いなんです、だから神様叶えてください!」というわけですね。 けれども、古代における呪術の中には、他の意図や意味から生贄を用いていたケースもあったようです。 ある遺跡から発掘された石版にはこう記されています。 『時を残すは人の歴史、歴史を紡ぐは人の意志、意志を生み出すは魂なり。  魂こそは時の源、大いなるハインに頼らずして、現世を変える唯一の力。  数多...
  • 523話
    第523話:カーネイジ(NO FUTURE) 咆哮と稲妻。 それがマッシュとブオーンの開戦の合図。 手負いの獣、そんなありふれた表現がぴたりとはまる相手。 降り注ぐ雷の第一波を覚悟を決めて弾丸のように突き抜け、巨体へと肉迫しながら格闘家の目は冷静に相手のダメージを見定める。 ヤツの左眼は見えていない。全身はあちらこちらが火傷、そうでなければ裂傷、あるいはその両方。 とりわけ右肩には深い傷がある。 重傷を負っている巨体には似つかわしくない反応速度で叩きつけられる右腕を紙一重にすり抜け飛び上がる。 スピードと体重を乗せた拳は遠慮なくモンスターの顎を下から叩いた。 鋼鉄の感触と相反する弾力。 分厚い肉が可能とする防御力に臆することなく続けざまに数発の打撃を打ち込んで地面に降りる。 こんな化け物をよくここまで追い詰めたもんだ、と感心するマッシュの目の前で緩慢に口が開か...
  • 420話
    第420話:Rose,Wild rose 空の一端を掠めていく青い影にも気付かずに、フリオニールは走る。 彼方に見える緑、その向こうにあるはずの村――カズスを目指して。 度重ねた戦闘のせいか、走った距離のせいだろうか。 息は上がり、足は鉛のように重い。 だが、疲労や痛覚をごまかすためか、高揚した神経は無意味な全能感を脳に吹き込み続けている。 どこまでも走れそうな感覚、しかし限界が近いことを訴える筋肉。 その二つを取り持とうとするかのように、心は繰り返し、繰り返し一つのフレーズを流し続ける。 (俺は、野ばらだ……誰にも摘まれない……手折らせない……フィンの野ばらだ……) フィン王国の紋章、反乱軍の合言葉たる野ばら。 可憐な花を咲かせながらも、決して屈さず、媚びず、みだりに摘もうとする者の指を鋭い棘で貫く。 強大な帝国に対抗する者達の象徴としては、これ...
  • 500話
    第500話:夜空に星を 昨日に続いてその晩も、ラインハットは騒がしかった。 一夜のうちに失踪した王と、その兄夫婦を探し、兵士達が国中を駆け回っているためだ。 けれども、彼らの働きを嘲笑うかのように、一向に手掛かりは見つからず。 皇太后がいくら怒鳴ろうとも、三人の足取りは掴めずにいる。 「ええい、誰も彼も怠けおって!  よいか! 王が見つかるまで兵には休息も睡眠も取らせるな!  これは我が国の存亡が掛かった一大事! 身を投げ打ち、死ぬ気で探せと伝えるのじゃ!」 無茶苦茶な命令にも、反論できる者はいなかった。 実際問題として、一国の王と、王位継承者が居なくなっているのだ。 デール王とヘンリー夫妻が見つからなければ、ラインハットを継ぐ者は幼いコリンズただ一人。 彼を王の座に立てるとすれば、皇太后が実権を握る形になるだろう。 だが、皇太后は…… 魔物に誑かされたと...
  • 278話
    第278話:扉の向こうへッ! 「アグリアス!アグリアス・オークス!!」 「そう大声を出さなくても聞こえているッ!なんだ?」 「扉と思わしきものを見つけた」 「何?」 マティウスの予想通り、それは旅の扉だった。 マティウス達が森に到着してから数十分。彼らは扉を探し続けていた。 扉といっても、想像できる形は不可思議なものから現実的なドアの様なものまで千差万別。 旅の扉の存在を知らない彼らは手間取っていた。 そしてマティウスは服に葉っぱや枝をくっ付けてしまいながら、 必死に扉と思われるものを探し続け、そして目の前に広がる光の渦を見つけた……。 「アグリアス!アグリアス・オークス!!」 「そう大声を出さなくとも聞こえているッ!なんだ?」 「扉と思わしきものを見つけた」 「何?」 マティウスの予想通り、それは旅の扉だった。 青く光る渦...
  • 554話
    第554話:騎士達の計略 放送が流れ、そして知った。 仲間として一日を過ごし、そして自分達を見捨て裏切った男の死を。 「……ゼルも、死んだのか」 ふう、と息を吐く。 悲しいという気持ちはあまりなく、むしろざまあみろという笑いを抑えるので精一杯。 じゃあ今のため息は何なんだと言えば、人の死を喜べるようになった自分への驚きと呆れだ。 周囲を見る。 四度目の放送となれば覚悟やら耐性やらがついてしまうのだろうか、泣き出す者は予想より少なく、黙り込む者の方が多かった。 そんな、数少ない泣いている人間――ターニアの傍らに、サイファーの姿があった。 舌を打ちながら、小声で何か囁いている。 もしかしたら慰めているのかもしれないが、遠目で見る限りでは少女を脅しているチンピラそのもの。 見た目と態度で損をするタイプ、という奴だ。 「サイファー! あ...
  • 511話
    第511話:走る風 巡る炎 村北部の森を抜けたところで、2人は少しの間、呆然と立ち尽くしていた。 目前で村を燃やす炎を吐く者のあまりの大きさに圧倒されたのである。 「こ…こんなモンスターも参加してるのか…」 「…バッツさん…まずは宿屋を…」 互いに、元いた世界で同じくらいの大きさの敵も相手にしてきた。 だがこの世界に来てから、モンスターではなく、人間ばかりを相手にしてきた2人にとって、 村で咆哮を上げているブオーンの姿はあまりに非現実的だった。 そもそもこの世界自体が、非現実の元に成り立つものなのだが。 バッツとソロの2人は、村の北の森で行方不明となったヘンリーを探していた。 そこで村の中央部の異変に気づいた。凄まじい地響きが伝わり、モンスターの咆哮が聞こえたのだ。 2人は、宿屋に残っているエリアたちの危機を感じ、村へ戻ることを決めた。 ヘンリー...
  • 127話
    第127話:判断ミス 「フライヤさん、本当に赤いローブのおじいさんはあっちに?」 先行くアルカートが振り返り、フライヤに問う。 「わしの見間違いでなければ良いのじゃが…確かにこっちの方角じゃった」 フライヤは森の方向を指差す、確かにそれは正しかった。 だが彼らが森につく少し前に、大陸を揺るがす地震が彼らの行く手を阻んだのだ。 「な、な、なんだよ!この地震はぁ!」 「身、身動きが…と、取れないです!」 「クッ…二人とも!手をわしの方に!」 地震で体制が上手く保てない二人が必死の思いで差し出した手をフライヤは思い切り引っ張り、それと同時に跳んだ。 そして、その地響きの音がやみ始めた頃に、華麗に着地していた。 「ふぅ、危なかったのう…わしも内心ヒヤヒヤものじゃったよ」 額を拭うフライヤ、アルカートとフィンは腰を抜かしていて立てないようだ。 そこに、あの忌々しい声が聞こ...
  • 329話
    第329話:即ち誘われる事よ 「何ッ!?」 「む?」 2人の人間が浮遊大陸に着地した。その2人の名はゴゴとアグリアス。 彼らはアリアハンの旅の扉からここ浮遊大陸に飛ばされたのだが……。 「まさか空中に飛ぶとは思ってはいなかったな……」 「そうだな、アグリアスよ。ところでマティウスの姿が無いようだが……」 そう、真相はアグリアスの言うとおりである。 そしてきょろきょろと辺りを見回し、マティウスを探していると――― 「ウボァー」 と、悲鳴(と言うべきなのかわからん声)が聞こえてきた。 後ろからだ、後ろの湖からだ。バシャーンという音もした。 これはもう間違いなく……。 「マティウーッス!!」 「ぐっ…服が重い……っ!浮かぬっ!」 「ほら、手を貸してやる!掴まれッ!」 予感的中。 マティウスは見事に湖の方へと投げ出されて溺れていた。 岸から...
  • 557話
    第557話:欺かれて、裏切られて、騙されて 「一人呼ばれたようだけれど、大丈夫?」 「気持ちは落ち着いたさ。いつまでも泣いてたんじゃ、死んじまったやつらに笑われちまう。  そりゃ、悲しくないっつったらウソになるけどな」 元の世界では、自分はバッツらを助けるために身を犠牲にした。 ガラフも、エクスデスの攻撃からバッツらをかばって死んだ。 だが、そのことでバッツらがエクスデスの討伐を諦めたか。そんなことはありえない。 ますます、決意を固めたはずだ。 悲しいのは誰だって同じ、でもそこから前に進めないとしたら、それは己の弱さのためだ。 いちいち感情にとらわれて、そのたびに誰かに喝を入れられるようじゃ、カッコ悪すぎる。 「へえ、ギルガメッシュ、泣いてたんだ…」 「そんなことはねえよ! 何だ、ほら、言葉のあやってやつだ」 「ん~、まあ大丈夫そうだね...
  • 188話
    第188話:物真似の極意 「私はパラメキアという場所の皇帝だった。  フッ、それももう昔のことだがな。  私は生まれつき強大な魔力を持っていた。  そして私はその力で皇帝になったのだ。」 皇帝は少しずつ話をし始めた。 ゴゴが続ける。 「わしは水没したウォルスの塔にいたのじゃ。  ちッ、ちッ ちッ、それもやつらに免許皆伝するまえのことじゃ。  わしは性格上人の真似しかできなかったのじゃ。  そしてわしはその力で溺れ死にかけたのじゃ。」 「ははは、お前は本当に物真似師というものみたいだな。  私はその強大な力で世界征服を目論んだんだ。  しかし、私の野望は四人の若者によって挫かれたのだ。」 「ははは、君は本当に凄い魔力もってそうじゃ。  わしはその性格の力を強めるためにウォルスの塔のクリスタルのかけらを手に入れることを目論んだんじゃ。  しか...
  • 266話
    第266話:マティウスという男 ゴゴとマティウス、この2人に出会って暫く経った。 この私アグリアスは生かされ、今はこの2人と行動を共にしている。 そしてレーベ南の森に扉が現れたと聞き、急いで東に向かっているのだ。 「しかし……何故私を助けたんだ?」 ふと、私は気になったことを尋ねてみた。 すると相手…ゴゴは何か迷っているようだった。表情はわからないが。 「俺は物真似師ゴゴ…物真似をして生きてきた……」 「いや、それはさっき聞いた」 「私はこのマティウスの物真似をしているだけ…詳しいことはこの男に尋ねるが良い」 流された。 とりあえずそれくらいのことは悟ることができた。 「ゴゴの代わりに答えるが…」 するとマティウスが話し出した。 これはありがたい。掴み所の無いゴゴよりは良い答えがもらえるかもしれない。 「貴様が実に興...
  • 439話
    第439話:Just before dark 「見えた!あれがカナーンね!」 「あっ、おい!」 アルガスの声も気にせず、アリーナは駆け出す。 もう一人の自分は、どこで何をしているのか。 取り返しのつかないことになっていないといいが。 彼女は彼女なりに、もう一人の自分について責任を感じていた。 どんな子であろうと、確かに彼女はアリーナが生んだのだ。 「早くこないと、おいて行っちゃうからねー!」 後ろへ声を張り上げ、足に力をこめる。 もし、悪いことを続けているなら、自分が止めなくてはならない。できるだけ早く。 夕焼けに赤く照らされながら、アリーナは駆ける。心は急いている。 あの人はきっと無事だと、ロザリーは信じていた。 大事なのは、放送で自分の無事をあの人に伝えることができるということ。 放送で呼ばれる人や、その仲間の人のことを考えると胸が痛んだが、 ...
  • 406話
    第406話:天に皇帝 地に勇者 サスーン城の場内に足を踏み入れた途端、アルスは足を止めた。 「レオンハルト、気配を消せ」 「既にやっている。……誰かいるな」 そう、城の中には彼らのほかに先客がいるようであった。 アルスの感じた気配は複数。 「どうする? 接触するか?」 レオンハルトの言葉にアルスはしばし考え込み、首を横に振った。 「いや、相手が何者かわからない以上、今は不用意に接触するべきじゃない。  もしも好戦的な相手だった場合、怪我をしている君を庇いながら戦うのは  少々厳しい物がある。相手は複数のようだから尚更だ」 アルスはシドを失ったことから、このようなことには慎重になっていた。 しかしその言葉はレオンハルトの自尊心を著しく傷つけたようだ。 「言ってくれるではないか、小僧。  俺は貴様に気遣われるほど柔な人生は送ってきてはいないぞ」 「冷静になれ、レ...
  • 492話
    第492話:Dual Moon 天に輝くは紅玉のような月。投げかけられるは血の色彩。時はただ尽きるのみ。 ウルの村、その北に外れた場所に位置する建物の前。 木々の向こう、およそ不釣合いに煌々と輝く灯を遠目にサイファーは不釣合いに考え込んでいた。 ヒーローの定義。 弱きを助け、巨悪を挫く。シンプルかつロマンティック、皆に頼られ称えられる存在。 なのに、自分はどうだ。 目前にした殺人も止められず、守るべき存在とも切り離され。 なお自分が選んできた側が正しいのだという絶対の自信はあるがあげられた成果を考えるだけ悔しさと苛立たしさがこみ上げる。 これでヒーローと言えるのか、いやとても。 遠い光を背景にした闇から紅が浮かび上がったのはそんな中であった。 無言で現れた上背ある影は表情の見えない距離をおいて立ち止まる。 武器の類は不所持のようではあるが明らか...
  • 233話
    第233話:洗脳 ここはアルティミシア城の大広間。アルティミシアのしもべのうち何匹かが集まり、ゲームの管理をしている。 それは膨大な数の参加者の監視や旅の扉の調整などの仕事、また展開の記述、少し異なるがアルティミシアへのもてなしなど、 多岐にわたっており、非常にハードである。もちろん、報酬とか特別ボーナスといったものはない。 12時間で交代、控え室に入る。そこも庭園だったり宝物庫だったり、運の悪い場合は牢獄だったりするのである。 現在、昼間担当であったティアマトとウルフラマイターが同じ部屋で休憩中である。 「全ク、ハード ナ 仕事ダ!参加者達ガ死ヌ前ニ コッチガ クタバッテシマウ。体ノ アチコチガ ギシギシト鳴ッテオルワ!」 「この程度の作業に音をあげるとは。だからアルティミシア様に、牢屋に追い入れられるのだ」 「俺様ヲ貴様ト一緒ニ考エルナ。竜族ノ貴様ト違ッテ、俺様...
  • 539話
    第539話:雷鳴が止むとき 【マッシュVSブオーン・前】 「こいつは、骨だな」 ダメージから判断するなら、虫の息。 けれど何か。そう、執念とも言うべき精神力がこの獣の命を繋ぎとめている。 ほとんど身じろぎさえしなくなった肉の塊に連撃を叩き込み、離れる。 ただひたすらにマッシュが繰り返す攻撃も、まるで効を奏しているように見えない。 「……先に俺の拳の方が音を上げそうだ」 いかづち降り止まぬ空を一瞬だけ見上げ、地面を蹴る。 わずかに逃げ遅れ、マッシュの身体を大電流が駆け抜けていく。 「っ!!」 苦痛は歯を食いしばって飲み込み、声に出さない。 バッツはソロを背負って助けを求める誰かのもとへたどり着けただろうか。 救いの手を、届けられただろうか。 俺達は同じ戦場で共通した敵、そう、理不尽な不幸、そしてとんでもない悪意と戦っている。 ...
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