FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki内検索 / 「【コルトガバメント(予備弾倉×5)】」で検索した結果

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  • 【コルトガバメント(予備弾倉×5)】
    10話 103話 111話 117話 140話 263話 272話 297話 330話 435話 483話 520話
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    ...杖】 【青銅の盾】 【コルトガバメント(予備弾倉×5)】 【死者の指輪】 【プリンセスリング】 【正宗】 【デスペナルティ】 【天使のレオタード】 【ロープ】 【スネークソード】 【対人レーダー】 【デジタルカメラ】 【デジカメ用予備電池】 【変化の杖】 【村正】 【ふういんのマテリア】 【天空の兜】 【貴族の服】 【釘バット】 【賢者の杖】 【ロトの盾】 【リノアのネックレス】 【レッドキャップ】 【ミラージュベスト】 【グレートソード】 【竜騎士の靴】 【破邪の剣】 【G.F.ケルベロス】 【ドラゴンオーブ】 【英雄の薬】 【厚手の鎧】 【般若の面】 【天空の鎧】 【スパス】 【黒のローブ】 【天の村雲】 【シルバートレイ】 【アポロンのハープ】 【ジ・アベンジャー】 【ブロンズナイフ】 【君主の聖衣】 【アルテマソード】 【ブラスターガン】 【毒針弾】 【鋼の剣 】 【微笑みの...
  • 301話
    第301話:生まれ出たソレは 確かに彼女の頭上に現れた小さな太陽は。 術者の手を離れ制御を失った。 方向を変え明後日の方向へそれた太陽は。 大きく砂を巻き上げあたり一面を飲み込んだ。 直撃は避けられた、だが、その破壊の被害は逃れることはできなかった。 大きく積もった砂の山が、ゆっくりと崩れてゆく。 その中から何かが立ち上がる。 片腕を失い、全身を焼かれながら。 だが、それでも、確かにソレは生きていた。 もはや痛みなどという感覚は無い。 もはや苦痛などという感情も無い。 あるのはただ、生への渇望のみ。 生き残る。 何をしても。 誰を殺しても。 その始まりはなんだったか。 大切な人への誓いだった気がする。 大切な人への償いだった気もする。 今はもう、そんなことすら思い出せない。 感情をなくしたはずのソレは。 血に濡れ焼け焦げた口元で...
  • 10話
    第10話:すぐそこにある狂気 降り立ったのはレーべの村の民家の中。 窓から外を見ると、辺りには人の気配が無かった。猫の子一匹居ない。今のところは。 ティファはぞっとした。 本当に、もう逃げられないのだ。これは現実なのだ。 クラウドたちはどうしたのだろうか。その姿は見当たらない。 おそらくは別々に違う場所に飛ばされたのだろう。探せばどこかにいるはず。 それでもティファは複雑な気分にならずにはいられなかった。 やっぱり、みんなで殺し合うのか、もう逃げられないのか。と。 いや。ともかく、しばらくは様子を見よう。 そこから糸口が掴めるかも知れない。 腹を決めてベットの上に座り込むと、ティファは支給された袋の中を探ってみた。 入っていたのは先の説明でティアマトの言っていた物が一通り。 それから、袋の底のほうからから一枚の紙と共に重い鉄の塊が出てきた...
  • 164話
    第164話:覚悟 ――殺された、自分達のせいで。 ――もういない、ラグナもエーコも。 「畜生…!」 (フン、負け犬の遠吠えだな。) マッシュの頭の中で誰かが応える。 ―兄弟子のバルガス。 まだダンカン師匠に弟子入りしたての頃、何度試合をしても奴にはかなわなかった。 (畜生…!なぜだ、なぜ…勝てない?) 打ちのめされ、傷だらけで地面を這いながら何度も俺はそう呟いた。 そしてそんな俺に、何度も奴はこう吐き棄てた。 (ふふ…、才能の差だ。俺は師匠の実の子だからな。赤の他人であるお前とは違う。) ――こんな時にあの頃を思い出すなんて。修行不足なんて言葉じゃあ…済まされないな。 2人の亡骸を前にして跪いたマッシュの目に、とめどなく涙が溢れた。 「弔って…、やらなくちゃね。」声が、震えていた。 アイラは...
  • 103話
    第103話:錯乱 「指笛?」 「そうッス。こうやって指を口に入れて…吹く!」 シューッ、と空気の抜けた音だけがする。 「うーん、出来ない」 蒼い髪の少女は、既に笑顔を取り戻していた。 「諦めちゃ駄目ッスよ」 ティーダとターニアが、まるで兄妹のように、指笛を練習している。 あんな妹がいたら良かったと、エアリスは思った。 平和、だった。彼女が現れるまで。 森を行く一つの影。 ティファは、森の暗がりの中を歩いていた。 右手には銃。 ――何を狩る訳でも無く。防衛手段だと、自分に言い聞かせて。 レーベを出て、何時間か歩いた。 鬱蒼と生い茂る森。ここで何を見つけることになるだろう。 その時はまだ、あまりの緊張感からか、近くにいる三人には気づいていなかった。 「誰か近づいてくる…?」 エアリスが、何者かの気配を感じた。 その方向を見やると、タンクトップ...
  • 111話
    第111話:恐怖と暴走 魔女の放送が始まったとき、ティファの足は自然に止まった。 勿論世界の振動によってまともに走れなくなったというのもあるが、 それ以上に、確実に聞き届けようという彼女の意思が足を止めたのだ。 死者の名が、抑揚無く読み上げられていく。 その一つ一つが命を与えられこの世界に生まれてきた証だ、などと、考えていないかのように。 『…バレット』 他の名前と何の変わりもなくただ読み上げたその名前が、ティファの心を揺さ振る。 「バレット…」 バレットが殺された…? 殺した人は誰…? 許さない。許せない。許せる訳が… 『…エアリス』 最後のほうに呼ばれたその名前は、ティファの心を揺さ振るだけでは済まなかった。 全ての思考が停止し、あるいは心臓が止まったのではないかと思えるほど、その瞬間は空虚で。 ゆっくりと身体が活動を再開したとき、彼女の思考...
  • 192話
    第192話:長い夜 気づけば、闇の中で佇んでいた。 何もない、虚空の中で。 誰も、いない。 声がするだけ。自分を責める声が、するだけ。 ――あなたはエアリスさんを殺したの… 蒼い髪の女の子の冷たい声が。 ――次に会ったら…仇をとる。 暗い響きを帯びた、金髪の青年の声が。 ――なんだ…まだ死んでいなかったの? 火傷を作った、顔も見ていない少年の声が。 ――誰も殺せてないんだねぇ。役に立たないなぁ。 コートを着た男の声が。 ――人殺しの仲間なんだな! 失意の少年の声が。 微塵にも優しさのこもっていない、それらの声。 自分の心の中で作り出した声。 私は殺人者だから? エアリスを殺したから? …誰からも許される事無く。 …誰からも愛される事無く。 ――ティファ、なんて事をしたんだ! あぁ、クラウド、ごめんなさい… ――謝って済...
  • 185話
    第185話:苦悩 もう、どれだけこうしているだろうか。 早くこんなところ立ち去りたい。 でも、いつまでもここにいたい、いなくちゃいけない、という気もする。 大小二つの小山を見つめ、アイラは溜息をついた。 死ぬべきじゃない人達が、死んでいく。 この山の下に眠る二人も、そう。 その悲しみ。その怒り。 きっと、それを味わう事無く過ごせた日々は幸せだったのだろう、と思う。 この数時間のうちで、誰もが、何か辛い体験をしたと思う。 この、隣で無防備に寝ている少女も、きっと、そう。 でも、彼女の心の声に耳を傾け、自分の心と向き合わせたとき、気づいた。 彼女の瞳にはちゃんと残っていた。 ――誰かを正しく愛する心が。 彼女に信用されているということより、彼女にそれが残っていることのほうが、嬉しかった。 思わず、上半身を後ろに倒し、上を見上げた。 綺麗な星空...
  • 272話
    第272話:親友になれた筈だった ――自惚れていたのだろう。 私が彼女を正しい道に案内したのだと。 私が彼女を狂気から救ったのだと。 そうやって私は彼女の信頼を得たのだと。 彼女の叫びと共に、疑った。 銃声と共に、気づかされた。 左肩を走る激痛と共に、思い知らされた。 二人の男性の叫びで、確信した。 彼女にとって、私は、クラウドという人とは比べられないほどに軽い存在だったのだと。 保護者を気取って、そのくせ彼女の発した警告に気づけなかった。 …私は、あまりにも、不甲斐無い。 確かに先程は、彼女の目に人を愛する心を見た。 ティナだって、彼女は正しい道を生きられると信じた。 彼女は確かに人を愛することを知っていた筈だった。 彼女は確かに正しい道を歩いていけた筈だった。 こんな状況でさえなければ。 こんな狂気の中にさ...
  • 263話
    第263話:壊れた音の直し方 ミッドガルの七番街スラムで経営していたBAR「セブンスヘブン」。 そこに置いてあった骨董屋から手に入れたジュークボックス。 デザインが気に入って、お値段もお手頃で、思わず視聴もせずに購入してしまったオンボロボックス。 17曲入りでお気に入りの曲は最後の方なんだけど最初は必ず一曲目の途中で最初に戻っちゃう。 何度も何度も一曲目の頭から繰り返す。そんな時は軽く蹴ってやると直るのだ。 なんとなくそんなことを思い出した。 あのジュークボックスは蹴っ飛ばして直ったけれど、今回のこれはどうやったら直るのだろう。 「夜が明けた。定刻だ…夜の闇に魂を彷徨わせた者達の名を告げる。  「アレフ」「ゴルベーザ」「デュラン」「メルビン」「ミレーユ」  「ラグナ」「エーコ」「マリア」「ギルバート」「パイン」  「ハイン」「セリス」「クラウド」…」 「夜が...
  • 296話
    第296話:妄想ご都合解釈 忘れさせたりなんかしない。 私はいつまでも消えないであなたの心の中にいるから。 死んでも、あなたの傍にいるから。 忘れさせなんてしない。 死んでも、死んでモ、死ンデモ、ズットアナタノソバニ… 来ないで、お願い、もう来ないで。 私が悪かったの、でも仕方なかったのよ。 私はクラウドと一緒にいたかった、生きてクラウドに会いたかった、それだけなの、それだけなのよ。 オカシイヨ、ドウカシテル。 アナタハヒトゴロシ。クラウドモアナタガコロシタ。 違う。クラウドを殺したのは私じゃない。 私はクラウドを殺してなんかいない。 アナタモアナタガコロスノ。アナタガイキルカギリアナタハワタシヲコロスノ。 ヒトゴロシ、ヒトゴロシ、ヒヒトゴロヒヒトトトゴゴロロシシトトゴゴロロロロシシシ… 嫌ァァァアアアア!!助けて、助けて… ...
  • 297話
    第297話:殺人者達 焼ける砂を身に被り、静かにピエールは待つ。 見つめる対人レーダーの光が、何者かの接近を知らせていた。 静かに、ロングバレルRを反応のあった方向に向け構える。 レーダーの反応は近き、その姿をロングバレルR越しの視界に捕らえた。 魔物の本能ゆえか、その視界に捕らえたものを瞬時に理解した。 ―自分ではアレには勝てない。 否、だからこそやるのだ。 生き残るのが目的ではない、ああ言う輩こそリュカ様の脅威、それを取り払う事こそ我が使命。 ―もっとも、あの方はそんな事など望まないだろうが。 それでもやるのだ、そんな人だからこそやるのだ。 変わらぬ決意を思い直し、ピエールはロングバレルRの引き金を引いた。 足元を汚す砂を気にしつつ、クジャは砂漠を進む。 しばらく進んだところで青い渦がクジャの視界に入った。 瞬間、刺すような殺意と共に左のほうで何かが...
  • 330話
    第330話:死そのもの ドシャ 上空のゆがみから放り出され、着地もままならない体は投げ出される。 地面にうつ伏せたソレは、生まれたて赤子のように震えながら。 何度も、崩れては立ち上がることを繰り返す。 ソレにとって、そんなことは苦痛でも何でもない。 そんな感情も感傷もない。 ただ立つ必要があるから立つ。 崩れるからまた立つ、それだけのこと。 何度それを繰り返しただろうか。 何度目かの繰り返しの果てソレは立ち上がった。 そして、それに達成を感じるでもなく、ソレは歩き始めた。 ふらふらと、今にも崩れそうな歩みでそれは歩く。 そして、しばらく進んだ頃。おぼろげな瞳が獲物を捕らえた。 瞬間。 これまでの怠慢な動きからは、信じられないほどの速さでソレは駆け出した。 その動きはもはや、人の動きではない、獣ですらない。 ただ向かい獲物へと突き進む。 ...
  • 117話
    第117話:醜鬼 「わかった?クラウドが知ったら私はもう終わり…。だから、知られないようにあなたを殺すわ」 一方的に喋り尽くすと、ティファは未だ呆然としたままの少女を見た。 月明かりが木々の間から差し込んできて、ティファは容易に少女の瞳に視線の圧力をかける事が出来た。 ターニアの表情は、恐怖に包まれていた。 当然だった。好きな男に嫌われたくないだけのために人を殺そうとする女が、目の前にいるのだから。 「でも、話さないと約束するならあなたを生かしてもいいわ…」 取引だった。しかも、あくどい取引だ。 そんなこと、わかっている。でも… 今、クラウドに換えられる物など無くて。 「…嫌だよ」 少女は、震える声で言った。 「おかしいよ!?どうかしてる!」 座ったまま、怒鳴るようにティファに声を浴びせる。 「そんなの…おかしいよ!クラウドって人に好かれたいから、人を殺...
  • 140話
    第140話:she is not dead 「殺ス、ソノ三人組ヲ殺ス。クラウドノタメニ…」 夢中で山道を駆け抜けるティファの頭は、それだけしか考えられないほど錯乱していた。 三人組には意外と早く追いついた、なにやら立ち止まって話をしている。チャンスだ。 「アノ三人組ヲ殺セバクラウドはラクニナル。」 狙いをつけて引金に指を掛ける… 「マッシュ、どうした?いきなり立ち止まって。」スコールが声を掛ける。 「いや、なんかザックの中が熱いんだ…。なんだろ。」 ごそごそとザックをまさぐるマッシュ、その時スコールは異様な殺気を感じた。振り返ると背後に銃を構える人影。 「みんな!伏せろー!!」 「ぱん、ぱん、ぱん」 山道に銃声が木霊する。 「ぐはあ!」「きゃあ!」立ち上がっていた二人は、即銃弾の餌食となった。 「えっ。2人ともどうした!」 マッシ...
  • 435話
    第435話:考える亀 前方の山を境に、左に緑の森、右に黄土色の砂漠が見える。 「腹減ったなぁ……」 「ずっと歩きづくめじゃったからな」 太陽はもう大分傾き、風は涼しさを増してきた。 山道を避け、山脈に沿って歩いて来たので、かなり遠回りになってしまった。 テリーはまだ肩の痛みが残っていたが、ギードに余計な体力を使わせ、負担を掛けたくなかった。 トンヌラはすっかり落ちついたらしく、ぺたぺたとテリーの後に付いてきている。 「この分だと、カズスへ着くのは夜になるかな」 「となれば、ここらで一休みした方がいいかもしれんな」 「ここなら回りも見えるし、安全かな…… よし! ご飯にしよう」 ひらけた平原の真ん中に腰を落ち着けたのには、ちょっと理由がある。 ここまで来る途中、山に大きな雷が落ちるのを見た。 ギードが言うには、あれは自然現象ではなく、人為的、魔法の類いだろう...
  • 133話
    第133話:救いと偽り 死にたい。 深い闇の中から意識を取り戻した時、思ったことはそれだった。 生きていても、彼には……クラウドにはもう会えない。 会う資格を無くしてしまったから。こんな醜い顔、見せたくないから。 だから私は、勇気を出してナイフを拾い上げて、自分の首筋に当てた。 でも―― 「何やってるのっ!?」 私が刃を滑らせようとしたとき、『彼』が現れた。 彼は私の手からナイフを奪い取ると、少し離れた地面へ放り投げる。 「ねぇ、どうしたんだい? 一体何があったの?」 手を握り締められたままそう聞かれたけれど、私は答えず……代わりに顔を上げた。 あまりに醜い、焼けただれた顔に、彼は眼を見開く。 でも、視線を逸らそうとはしなかった。まっすぐ私を見て、彼はこう言った。 「……痛いかもしれないけど、少し大人しくしてて」 それから彼はコートのポケットからハンカチを取...
  • 445話
    第445話:光へと向かう力 『光が、また一つ消えたか……』 木々の間から満天の星空を仰ぎ見ながら、ギードは大きく溜め息をついた。 ファリス。 海竜を操り、女だてらに海賊の一団を率いた頭領。 一度は「無」の力によって消滅したギードが、今、存在しているのも…… 彼女らが持っていたクリスタルの欠片により、世界が再生されたおかげである。 だが、そんな勇ましい彼女も……クルルに続き、この地で儚く消えた。 ギードは目を閉じ、静かに祈りを捧げた。 再び、奇跡が訪れるようにと…… テリーは大木の根元に膝を抱え座っていた。 心配そうに目の前に佇むトンヌラの持つ、ランタンの赤い火が滲んで見える。 浮かんでは消える……自分達を守り戦った、リノアの笑顔……ドルバの最後の勇姿…… ……あの恐ろしいクジャでさえ、名前を呼ばれた。 ジタンが約束を守り、本当に落と...
  • 534話
    第534話:冒険のお話 「みんな、準備はいい? ここのぬしはどんなやつだろ?」 初めて見た旅の扉。そこに広がる、広くて深い異世界。今までとは比べ物にならない深さ。 深さはぬしの強さを表す。今度のぬしは相当強いに違いない。 ごくりと唾を飲み込む。それはヘルードも、グレンザも、ゴルゴも同じ。 最下層へ続く穴は、何よりも黒く、底がないように見えた。 仲間と手をつなぎ、勇気を出して穴へと飛び込む。 飛び込んだ先は深い闇。真っ暗。何も見えない。 「暗いな。みんな、俺から離れるなよ」 すぐそこにいるはずの仲間に手を伸ばす。その手は空を掴んだ。 「あれ? お~い、みんな、どこ行ったんだよ? こんなときに冗談はやめてよ」 返事はない。耳を澄ませると、聞こえるのは複数の息遣いだけ。 直ぐ隣には誰かが倒れていて、その隣にも誰かが倒れていて。それが延々...
  • 143話
    第143話:『人殺し』 「魔石、か……」 緑色に輝く石を見つめ、スコールは小さく息を吐いた。 ティナの魂が宿るそれは、安らぐようなぬくもりを残したまま、静かに明滅を繰り返している。 ――人を殺した少女の化身とは、とても思えない。 (ティナ……誰があんたを狂わせたんだ?) 答えはない。それ以前に、問い掛ける気になれなかった。 聞いたところでどうしようもないし、何より、自分の考えを肯定されたくないというのもある。 「……ともかく、それを使えば彼女を幻獣として召喚できるわけだな?」 頭に浮かび続ける陰鬱な思考を振り払うために、スコールは今までの話題を思い返して言った。 「ああ。ただ、ティナ自身の意思が応じてくれた時じゃないと無理だ。  無闇に呼んだら、ティナに負担がかかっちまう」 「でも、すごい力よね。あれほどの傷を治せるなんて……」 アイラが呟いた。(もっと早く気付...
  • 548話
    第548話:軽い気持ちと激情の空回り 本当はね、眠る気なんてなかったんだよ。 どっかのオジサンがうるさいから目だけつぶっとけーって。 だけどさ。ふっと気づいちゃったんだ。 頭の中で鳴ってる、さざ波みたいなノイズに。 最初は、死んだ人の声だって信じてた。 何せティーダに止められるちょっと前には、本当にはっきり聞こえてたから。 死にたくないとか殺してやるとか、ちょっと物騒なトーンが混ざってね。 でも、『なんかただのノイズみたいだな~』って思ったところで、別の考えが浮かんだのさ。 頭の中がザワザワして、なんか力が沸いてくるような感じもする謎の現象。 これって、エルオーネの"妖精さん"と似てないか? って。 まあ、確信があったわけじゃなくて、ただの思いつきなんだけど。 僕、"妖精さん"の方――ジャンクショ...
  • 395話
    第395話:古く青い箱 アルガス、彼は多くの支給品を持つ者である。 役立つ役立たないは関係ない。ただただ多くのアイテムを持つ者。 そんな彼は、またも新しいアイテムを手に入れようとしていた。 事の発端は、不機嫌な彼がある事を思い出したことにある。 彼は自身が2人分の支給品を持っていたのを思い出したのだ。 「よし、開けてみるか」 彼はかなり期待をしながら、袋を開けてみることにした。 そして今に至る。 「では行くぞ……当たり出ろッ!!」 まずは1つめの袋を開けた。すると入っていたのは……。 まずは妙なものだった。どうやって使うのかも判らないものが5つセットで出てきた。 説明書を見ると「マシンガン用の予備弾倉です」と書いてある。 しかしその肝心の"ましんがん"が無い。ならばこれ単体では大外れだ。 だがそのマシンガンとい...
  • 520話
    第520話:殺意の欠片と眠れない夜 息を吸い込んで、胸に手を当てる。 冷静になれと自分に命じ、感覚を研ぎ澄ますことに集中する。 逃げる、戦う、交渉する。全てに共通して重要なのは、先手を打つこと。 そのために、存在を感じ、相手を捉え、動向を読み、思考を見透かす。 武器も魔法も扱えない以上、僕にできることはそれだけなんだ。 「近づくな」 立ち上がるティーダと、闇の向こうに立つ人影に声をかけた。 一見したところ、大型銃器の類は持っていない。 けど、油断は禁物だ。 こんな道を外れた山の中に、好き好んでやってくる人間がどれほどいる? 大抵は戦闘を見かけたお人よしか、クソッタレの殺人者か。 今の状況で前者は有り得ない。 緑のぷよぷよピエールや、ストーカー女アリーナの襲撃から時間経ち過ぎてる……と思われるし。 だいたい、今の状況で単独行動を行ってる時点で十分疑うに値す...
  • 449話
    第449話:傍観者と勘違いと間違いと偶然の一致 赤いスープがことこと温まるにつれて、食欲を誘う匂いが漂い始める。 角が生えた兎と、何だかよくわからない野菜の絵が描いてあるシールを貼ったガラス瓶。 その中に入れられた、トマトシチューのような煮込み料理。 指をつけて舐めてみると、甘酸っぱくてスパイシーな独特の味が舌の上に広がった。 「もういいんじゃないかな。先に食べちゃおうよ」 火傷しないように瓶詰のふちを掴み、パンと一緒にニワトリ頭――ゼルの前に置く。 ゼルはぼんやりと赤いガラス瓶を見つめ、疲れたように息を吐いた。 「俺は後でいい……腹減ってねーし」 「あー? 昼間に『こんなんじゃ足りねー、ガクショクのパン腹いっぱい食いてー』とか言ってたの誰だよ」 「……この状況で食欲なんか湧くかよ」 「だからって何も食べなきゃ、おなかが空いて余計に気が滅入っちゃう...
  • 【マシンガン用予備弾倉】
    395話 518話 536話
  • 473話
    第473話:人を殺したりするのはいけないことです 焼けるようなのどの奥の痛みに苦しみながら、何とかぎりぎりでそれを胃の腑へと送り返すことに成功する。 この程度の光景など戦場では当たり前のことじゃねえか? 畜生! 割と凄惨なものが残されているとはいえ新兵のような反応を見せる自分に心中で悪態もとい活を入れる。 命のやり取りの事実を雄弁に語る血の香りが鼻を刺激する。 どうしてそうなったのか考えるまでもない回復の光とそれに包まれた女が見える。 傍目にももう生きていないことが明白な身体が見える。 ライアンがそれに近づいたため光が当たり、形の歪んだ頭の無残な姿が目に入った。 分かった。知りたくもない事であったが、いま分かった。 オレはあの時、灯台で死んでいたらしい。 さんざアマちゃんを馬鹿にしていたが歩く死人予備軍だったのは自分も同じだったってワケだ。 湧...
  • 483話
    第483話:二重写しの死影 何者かが追ってきている事には気付いていた。 相手をしようかとも思ったが、喉元から込み上げる吐き気が制止した。 澱のような感覚は、動けば動くほど全身に浸透していく。 やけに梃子摺らせてくれたカメ。あいつが使ったという毒の魔法の影響だろう。 これだから魔法使いは嫌いだ。 早くリュカに会いたい。 あいつは回復呪文を使っていたから、キアリーぐらい覚えているだろう。 ピエールかエドガー、あるいはリュカの娘とかいう子供――タバサを捕まえて、丁寧に壊しながら頼めばいい。 そうすれば、きっと昼間みたいに親切に、あたしの身体を癒してくれる。 目指すはサスーン。 方位磁針を取り出すまでもなく、ゴゴ達がやってきた方角だ。 あたしはザックから薄汚れた翼を取り出し、マントを羽織るように装備する。 テリーの奴が使えたんだから、あたしにだって使えるに決...
  • 456話
    第456話:騎士は災を振りまき進む サスーン城を出てから、特に何事も無く森の中を歩いていた。 あの忌まわしい放送があるまでは。 次々と死者を読み上げる魔女の声に足を止めて顔をしかめる。 私にとって知己の者の名は呼ばれなかったものの、一時とはいえ共に過ごした者の名が呼ばれた。 「アグリアス…」 もしあの時自分がアグリアスの変わりにセージ達を護ってれば彼女は死ななかったのかもしれない。 それはひとつの可能性。最早叶うことも無い可能性。 ならば過ぎた事を悔やむより、これからの事を考えよう。 それがアグリアスへの供養にもなるだろう。 ふと同行者であるゴゴの方を見てみる。 彼も覆面の上からではよく分からないが、私と同じような顔をしているのだろう。 どうしたと尋ねればおそらく「マティウスの物真似をしている」とでも言うのだろう。 だが今まで一緒に過ごしてきていたの...
  • 467話
    第467話:どうにもならない状況で 「どうして、助けてあげられなかったのかな」 俯いて、膝を抱えた少女の耳に、若者の声が届く。 「『大切なのは結果じゃない』」 共に旅した仲間が、旅の終着点で言い放ったフレーズ。 奇妙な懐かしさを覚えながら、リルムは瞼を閉じる。 脳裏に浮かぶのは、誰よりも頼りになった二人の女性の姿。 「リルムじゃなくて、ティナやセリスだったら……きっと助けられてたよね」 物真似師は夜空を仰ぎ、呟く。 「『過ぎ去ったことにしばられ、未来の時間をむだにすることはたやすい。  だが、それは何も生み出さぬ。前に進むことができぬ』」 様々なものを失った侍が、大切な者を亡くした女性に届けた言葉。 奇妙な服の奥にある眼差しも、心なしか、文面をしたためた男のそれに似ているような気がする。 「……けど」 リルムはまだ心の整理ができないのだというように、顔を伏せる...
  • 404話
    第404話:夢の中へ 「ウネさん、向こうに誰かいるみたい」 「ほう、こんなところで先客かい?読み違えたねぇ」 地獄耳の巻物が切れた聴覚はもどかしいほどに不便だ。 アリアハンではかなり離れた位置の音だって拾うことができたというのに、 今はちょっと向こうで何か会話しているのも聞き取ることができない。 さっき確認した相手の姿は婆さんに女、それに背負われているオッサン。 はっきりと断定できないことが苛立たしいが、こいつらはおそらく殺人者ではない。 それは、まず第一に足手まといになる怪我人を連れている。甘い奴等ってことだ。 そういう発想を誘う偽装ってこともありえるが、こんな僻地でやることじゃない。 次に怪我人以外の数が二人ってこと。 人間てのは怖いもんで、死体なんかに執着する奴もいる。 だが、そういう変態連中はもともと数はいないし、そうは徒党を組まないものだ。 以上...
  • 460話
    第460話:疑心暗鬼は猫と関係ない 沈滞していた屋内へと流れ込んでくるさっきまでとは質の違う空気を肌で感知する。 それから、物音、加えて複数人による声の応酬が鼓膜を叩いて、 床に身を横たえたままのギルガメッシュは薄く瞼を押し開ける。 暗く荒涼とした街路に人の姿は見えない。 だからアルガスは立ち並ぶ建物を探索することを主張し、ライアンはそれに追従する。 持ち主のいない、故に施錠も何もない扉を極めて注意を払いながら押し開け、 レイピアを構えるライアンを前に、用心深く暗がりを注視するアルガスを後ろにして忍び込む。 「次は…マジックアイテムの店か? 今度こそ使えるものの一つもありゃあいいがな。いくぞ」 丁寧な行動も三軒ほど空振りに終わり心中に苛立ちが波立つアルガスだが表情には出さないように努める。 それを察してか扉を指す仕草に無言でうなずいて静かに扉に張り...
  • 486話
    第486話:不愉快な彼は歩き出したばかり こいつは、オレの自信とプライドの問題だ。 自分はもう戦場の人間としてダメになっちまった。 どれだけグロいったって死体にさえビビるなんざもう言い訳できるレベルじゃねえ。どこの女子供だ。 引き裂かれる人の肉、流れ出る人の血液、そういう光景が神経に焼きついちまってる。 想像するだけで………人になんか剣は振るえないだろうな。 だいたいそんな状態じゃ遅れをとるのがオチだ。 「おいイザ、お前テリーとか言うヤツを探していたな?」 真っ暗とはいえ記憶に新しい街路を抜け、あいつらの隠れ家へと飛び込む。同時に言葉を吐く。 聞こえたはずの三人は突然のこと、突然の訪問に短い音で聞き返すしか出来ない。 「テリーだ。仲間にそういう名前の奴がいると言ってたろ?」 「あ、ああ、そうだよ、アルガス。いきなり何だい?」 彼の善人振りを示すように問い...
  • 414話
    第414話:夢世界より、悲愴とともに 山の上の平和な村、ライフコッド。 今日は一年に一度の村のお祭り。 今年は私が神の使いの役をやるの。 精霊のかんむりをかぶって、きれいな衣装で着飾って…… そばにはお兄ちゃんがいて、向こうにランドがいて。 お兄ちゃんの仲間のハッサンさんやミレーユさん、バーバラさんにテリーさん、 みんなお祭りを見に来てくれてる。 もうすぐ私の出番、神の使いの行進が始まる――― 夢を、平和な日々の夢を、見ていた。 「ねぇ、アルガス」 「あっおい、ちょっと待て、来るな!」 「?…ああ、アイテムの整理やってたの?随分たくさんあるのね」 こういうことはよくトルネコがやっていたっけ。既に名前を呼ばれた仲間のことを思い出すが、 気を取り直して広げられたアイテムの一つに手をのばした。 「おいおまえ、人のアイテムに勝手に触るんじゃねぇ!」 ...
  • 448話
    第448話:二人の懲罰者 「…で二十…七、か。明るいってのに随分派手に間引かれたな」  読み上げられたすべての名前の変化を確認し、名簿をザックへ放り込む。  聞いたことのある名前はいくつかあったが内容は自分には関係ない。ラムザの奴もまだ生きているようだ。  仲間でも死んだのか姫様がソロだシンシアだとやかましい。  年長二人はそいつをなだめるのが大変そうだ。  ライアンと婆さんはまあ分かってるって感じだがお姫様は今までもこんな調子だったのか?  それで自分がやったことが間接的な人殺しだけってんだから救い難いバカだ。もっとも同レベルの偽善者さんもたくさんいそうだが。  大体婆さんにしたって探してると言っていたドーガとやらは死んじまったし、本当に脱出できるのかねぇ。  バカと甘ちゃんの役立たずばかり残ったって何もできやしないぞ。  しかし、27人も減ればず...
  • 498話
    第498話:夜に見る光 自分の負の感情のままに作り出した不安定な状況は、しかし次の展開へとは至らない。 そんなただ徒に潰すしかない時間を前に、暴言へのたしなめと仲間の弁護を始めたライアン。 やれ「今は一致団結して苦難に当たるべき。不和を招くような発言はできるだけ避けたほうが賢明です」だの 「アリーナ殿にも何か止むに止まれぬ事情があるのでしょうぞ、理由なく力を振るう方ではない」だの 「戦う力を持つものが傷ついたもの、戦えぬものを守るのは当然のことですぞ」だの。 思ったとおりの仲間擁護に古臭い本にでも出てきそうな精神教条、そんなライアンを疎ましく思い、 感情的に衝突したアルガスは彼の制止も聞かず一人、カナーンの街を歩く。 脱出と勝利を両天秤にかけたアルガスの思惑はどこか中途半端のまま。 理由は自分でもわかっている。 どちらに乗るにしても、賭けるに足るだけの条件はまっ...
  • 555話
    第555話:冬来たりなば、嵐遠からじ 目を覚ますと、黒スーツ姿の変な角付きの男に拘束されて荷物もなかった。 アリーナを探している、知っていることを全て話せ。 剣を突きつけられながらそう言われて、アルガスは簡単に情報を渡した。 そもそも義理なんてない。 その結果として焼け跡となった屋敷跡で マティウスは瓦礫を引っ掻き回し、アルガスは固まったように立ちすくんでいる。 焼け落ちている屋敷を見たあとで向けられた氷のような視線が忘れられない。 このマティウスという奴、アリーナに恨みを抱いているのは間違いないが ただ死んでいればいいと考えているわけでもないようだ。 成り行き次第では、とばっちりがアルガスに向くことも十分予見できるものの はっきり言って逃げられる気がしない。 心中で悪態をつき反面顔色を青くしながら固まっていたところに――放送がやってきた。 ...
  • 510話
    第510話:人を騙したりするのはいけないことです 「さて、この町にいる4人の参加者を仕留めるということだが、誰から始末するのだ?  俺はライアンとアリーナについては多少は知っているが、他の二人はまったく知らん。  これから戦う相手の情報くらいは知っていても損はないだろう」 「…確かに、その通りだな。  ウネの婆さんは主に風の魔法を使うと言っていたな。  あと、夢の中で呼べば連絡を取ることができるとか言ってたぜ。  まあ、こっちは眉唾もんだが」 「風の魔法に通信の能力か…」 風の魔法は攻撃だけでなく防御にも使える。実に厄介なものだ。 回復が望めないこの状況で、ミールストームなどを使われたらたまったものではない。 少なくともバルバリシア程度の実力があると見積もっておくべきか。 通信能力のほうはよく分からない。夢で通信など可能なものなのか? こっちは保留だ。 「続けて...
  • 536話
    第536話:山中での戦い カインとウネ。双方動かない。相手が動くのを待っているのだ。 「………仕掛けてこないのか?」 「先攻を譲ってあげてるんじゃないか。年寄りの厚意は素直に受けるもんだよ」 本来、魔術師相手ならば魔法を唱えさせる間を作らず連続攻撃で畳み掛けるのが定石。だが、それを阻むのがこの地形。 階段状に切り立った崖に、ところどころ突き出したような足場。移動に気を取られ、相手の魔法の餌食になってしまう可能性がある。 相手は見たこともない風の魔法を使ってきた。 すでにウネは魔力を高めている。無策に飛び込んで、いきなり魔法に巻き込まれるなどは避けたい。 ちらと下界を見る。カナーンに見える炎の勢いは衰えない。 (この分なら、向こうが先に動くだろう。お手並み拝見といこうか) どういう理由でゲームに乗ったのかは分からないが、カインは仲間のうちに...
  • 518話
    第518話:煙が出たなら火種が散らばる 「貴様のような悪人を生かしておくわけにはいかんでござる!」 ライアンが怒りを込めた一撃を繰り出す。 「ほう? 俺はただ、生きるために必要なことをしているだけだが?」 カインは槍で軽くさばき、お返しにとばかりに神速の突きを繰り出す。 「己のために、他人を犠牲にするようなことが許されるはずがないでござるよ!」 ライアンは足を後ろに一歩下げてかわし、そのまま一回転してカインを横に薙ぎ払う。 「今朝の裏切りのことか? あれは騙されるほうが悪いのだろうが」 カインは上に飛び上がり、剣閃の範囲内から逃れると同時に、槍を下に構えてそのままライアン目掛けて飛び降りる。 「貴様……!!」 ライアンが横に飛んで攻撃をかわすが、カインはそこは予想済み。着地したと同時に槍で連続して突きを繰り出す。 世界によってはさみだれ突きを...
  • 【手榴弾×5】
    6話 61話 203話 357話 480話 484話
  • 175話
    第175話:急襲者 「あれ?確かこっちでお城だと思ったんですけど…」 天然のフルートと磁針の使い方を良くわかっていないサックスのガイドは城に向かうどころか洞窟を出てしまったのだ。 城は遠く離れた場所にドッスリと建っている。 「おいおい、どぉすんだよお。城はあっちだぜ?」 ゼルが二人に問いかける、すると。 「あっ、そういえば洞窟からお城に行くには盗賊の鍵が要るんでした。  だからお城には入れなかったわけですし、結果的にOKだと思いますよー」 ヘラヘラと笑いながら言うフルートに、もう呆れて物も言えなくなったゼルである。 「それで、どうすんのサ?」 「そうですねー、泳ぐことも出来ませんしねぇ。この近くにレーベって村が有りますから、そこを目指すとしましょーかー?」 やはり此処は出身者に任せるべきであろう―――相当不安だが。 そうして、再び不安なガイドの元、五人は歩き始めた...
  • 354話
    第354話:オニゴッコ 「ち……っ!」 「逃げるな男!出来るだけ奇麗に壊してやる!」 レオンハルトはデールの猛攻に手を焼いていた。 彼は木陰から隙を突いて逃亡し、デールを撒こうと考えていた。 だがあの時は幸い弾切れの不安もあったデールが引き金を引くことを躊躇い、助かった。 しかしどうやら危険な賭けに負けてしまったらしい。今は肝心のデールに追いかけられている。 「本当は戦っても良いんだが……!」 だが、今の彼には少々難しい問題だ。 何せ今の彼はフリオニールの事で必死になり、集中力も散漫になっている。 そして「殺す気満々の人間」と「無闇に人を殺す事を躊躇う人間」が戦っても、当然後者が不利だ。 そしてこれも当然だが、自分は後者の方だ。 だがそうこうしている内に、城の出入り口にたどり着くことが出来た。 このまま外に出れば、撒ける可能性も高くなる。...
  • 85話
    第85話:ハンデ戦 助かったと思った。 怖くて怖くてどうしようもなくて、岩陰に隠れて震えてた俺にリチャードは優しく声をかけてくれた。 一緒にいようって、守ってやるからって言ってくれた。 そして、俺が怖くないように、たくさんのことを話してくれた。 故郷にいた、子供の父親になってあげたいとか、お母さんを大事にしろとか…いろいろ。 俺もたくさん話した。キーファのこと、キャラバンのこと、サマルトリアのこと、医療のこと。 リチャードはどんな話も、楽しそうに聞いててくれた。 嬉しかった。ずっと話してると、首が飛んだのを見たときの恐ろしさは、だんだんなくなってきた。 なのに。 いきなりリチャードの表情が変わった。中腰になって、元々は俺の支給品だった剣をしっかりと握って、辺りを見渡す。 それで、俺も気がついた。すごい嫌な感じの視線がある…一人、いや二人?…まさか。 俺は怖く...
  • 497話
    第497話:Miβgestalt 最初の異変は音、いや振動する大気だった。 次の静寂が恐ろしく感じられるほどの激変。誰もがあまりに突然の事に全身を緊張させ、周囲に注意を配る。 独り、夜空を眺めていたサラマンダーだけがいち早く災厄を見届けていた。 ボロボロの羽根は巨大な身体をやっとのことで支えながら、滑るように目標へ誘う。 第二の異変はその動きがもたらす隠れざる気配であり、さらに地を伝う震動がそれに続く。 だが、捜索という任を帯びて村の各地へと散っていたものの多くはまだ常識外れの存在に想像を馳せるには至らない。 不安を隠さない表情でついさっき西の空低く見た凶兆の方角を眺めていたレナは地面から足へと知覚された震動の方角を正しく捉えてその影を見た。 わずか一度、熱望する跳躍で地に散りばめられた光の中心へと巨体は降り立った。 二度目の咆哮が天を指して放たれ、≪災厄来...
  • 159話
    第159話:はぐりんの半日 【昼前】洞窟の中を捜したが、ご主人はいなかった。     外に行ってみよう。 【まだまだ昼前】草に話しかけながら歩いている女の子がいた。電波? 【多分お昼ごろ?】緑髪の女の子と帽子のお兄さんが、騎士風の人の死体の傍で荷物を漁っていた。            見つかりそうになったので木陰に隠れた。怖かった。 【昼過ぎ】道に迷う。ここはどこ? 【夕方】お兄さんとおじさんとお姉さんが、お墓を作っていた。     「リチャードさん」なる人と、金髪の女の子のお墓も作りに行こうかと相談していた。     悪いと思ったけど、三人がどこかへ行った後で、こっそりお墓を掘り返させてもらった。     茶色の巻き毛の女の子で、僕の知っている人じゃなかった。     良かった……のかな。ともかく、ご冥福をお祈りします。 【放送】…...
  • 493話
    第493話:その背の免罪符 静けさの中に規則正しいリズムが息づいている。 自分のものではない、背中で目覚めない少女のそれに幾ばくかの注意を払いながら、 ウィーグラフは鬱蒼として深い闇の森を切り裂いて進む。 警戒しながらもその足は留まる事なく目的として定めたルートを辿っていく。 託された捜索、密かに求める疑念の答えを見つけ出すために森を行く男が一人。 威風堂々たるその男パパスは今、声無き驚嘆を目前に現れた光景にぶつけていた。 ラムザもケフカも見つけられぬまま森の奥へと北上を続けた先に現れたもの。 それは何か得体の知れない力でなぎ倒された樹木、それが道となり、結果開けた空間が森を引き裂いているのだ。 ほぼ真北とおよそ北東方向の二方向へとその道は伸び、暗闇に消えている。 「圧力をかけられ折られておるな。一体どのような腕力…いや、巨躯か?  モンスターなので...
  • 334話
    第334話:サス―ン城にて 「何故だフリオニール!どうしてあんなことを…」 どこか大きい城の正面、剣を構えて向き合う二人のうち、一人がそう叫ぶ。 「どうして?どうしてか」 もう一人がオウム返しに言うと、構えの姿勢のまま声を上げて笑った。 「簡単な事だレオンハルト。マリアを返してもらうんだよ」 フリオニールのその言葉に、レオンハルトは反射的に「…何?」と問う事しか出来なかった。 「だから、本当に簡単な話だ。まず、他の参加者を全て殺す。」 「そして俺が最後の一人になった時に、あの魔女にマリアを返してもらう。単純明快だ」 「安心しろ。その時はお前も、ついでにミンウもリチャードも返してもらうから。あ、マティウスだけは別な」 惚けたような目でレオンハルトの混乱しきった顔を眺めながら、彼は一気にまくしたてた。 「そんな…そんな馬鹿馬鹿しいことを、本気で…?」 数歩、殴ら...
  • 329話
    第329話:即ち誘われる事よ 「何ッ!?」 「む?」 2人の人間が浮遊大陸に着地した。その2人の名はゴゴとアグリアス。 彼らはアリアハンの旅の扉からここ浮遊大陸に飛ばされたのだが……。 「まさか空中に飛ぶとは思ってはいなかったな……」 「そうだな、アグリアスよ。ところでマティウスの姿が無いようだが……」 そう、真相はアグリアスの言うとおりである。 そしてきょろきょろと辺りを見回し、マティウスを探していると――― 「ウボァー」 と、悲鳴(と言うべきなのかわからん声)が聞こえてきた。 後ろからだ、後ろの湖からだ。バシャーンという音もした。 これはもう間違いなく……。 「マティウーッス!!」 「ぐっ…服が重い……っ!浮かぬっ!」 「ほら、手を貸してやる!掴まれッ!」 予感的中。 マティウスは見事に湖の方へと投げ出されて溺れていた。 岸から...
  • 214話
    第214話:試練 「とりあえず…これでいいよね?」 アリーナは、クリムトの目を覆うように布を巻きつけていた。 細長くちぎったクリムトの服を巻き付けた簡易の眼帯だ。 慣れない作業だったが、それは不器用ながらに完成した。 「う、む。すまない」 クリムトは心底すまなそうに言う。それが、アリーナの心にまた罪悪感を与えて。 「ううん…あたしが、深く考えないで分裂なんてしちゃったから…」 「誰だってそういう事はある。…どんな賢者であっても」 クリムトは思う。 元の世界では全てを知っていたつもりであった。だが、ここに来て思い知らされている。 自分は何も知らなかった―― 「眼が見えなくなることで、わからなかった事がわかるようになってくる…」 クリムトは呟き、アリーナは彼に視線を向ける。 「人間は五感があると言うのに…大抵は視覚をベースにして物事を判断する。それが失われた...
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