FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki内検索 / 「【天空の鎧】」で検索した結果

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  • 【天空の鎧】
    116話 506話
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    ...鎧】 【般若の面】 【天空の鎧】 【スパス】 【黒のローブ】 【天の村雲】 【シルバートレイ】 【アポロンのハープ】 【ジ・アベンジャー】 【ブロンズナイフ】 【君主の聖衣】 【アルテマソード】 【ブラスターガン】 【毒針弾】 【鋼の剣 】 【微笑みの杖】 【フラタニティ】 【不思議なタンバリン】 【スコールのカードデッキ】 【鉄の杖】 【銀球鉄砲】 【山彦の帽子】 【バリアントナイフ】 【マジカルスカート】 【アンブレラ】 【うさぎのしっぽ】 【静寂の玉】 【アダマンアーマー】 【ブレイブブレイド】 【クロスクレイモア】 【ビームウィップ】 【タークスのスーツ(男性用)】 【暗闇の弓矢】 【プレデターエッジ】 【クリスタルの小手】 【星降る腕輪】 【ドレスフィア(パラディン)】 【魔法の法衣】 【ガイアの剣】 【破壊の剣】 【ドラゴンテイル】 【ダーツの矢】 【番傘】 【官能小説】...
  • 【天空の兜】
    90話
  • 【天空の盾】
    16話 69話 79話 101話 108話 178話 184話 304話 313話 318話 380話 461話 487話 492話 511話 514話
  • 【光の鎧】
    73話 315話 393話
  • 【刃の鎧】
    15話 110話 423話
  • 【神秘の鎧】
    39話 253話 256話 324話 332話
  • 【厚手の鎧】
    3話
  • 146話
    第146話:魔物 先程の三人組に追いつけないのはわかっていた。 少し走って、茂みを抜けたところでデールは一旦立ち止まった。 心臓が早鐘を打っている。なんだろう、この興奮は……。 ふと右手を見ると、森で枝か何かで斬ったのだろう、一筋の切り傷が出来ていた。 マシンガンも悪くはないが、ナイフの方が楽しそうだ。 うっとりと見つめていると、手首に血液が一筋つたった。 デールはそれを、舌で舐めとった。 どんよりと塩辛く、そして鉄がさびたような匂いが口の中に広がる。 飲み込むと陶酔感がじわりと広がっていき、麻酔のように全身を痺れさせた。 「壊したい」 そう呟いた瞬間、デールの中で何かが弾けた。 腹の底から押し寄せてきた衝動をはき出すように、デールは笑った。大声をあげ笑った。 彼を支配したのは壊れない物を壊してしまう快感かもしれない。 「さあ、誰が一番頑丈だ?」 鋼の肉体も...
  • 347話
    第347話:自由意志 この世界に飛ばされてから数十分、シンシアとエドガーは黙っていた。 とりあえず隠れて少し様子をみようと、手近な木陰に身を潜めているということもあるのだが。 ――デッシュとランドが死んだ、目の前で殺された。 その事実が二人の、特にシンシアの心を打ちのめしていた。 この殺戮ゲームが始まってから自分を支えてくれていたザックスがこの場にいないのも要因の一つだった。 「行くか」 急に発せられた声に、シンシアはビックリする。エドガーが立ち上がり、荷物を手に取る。シンシアも慌てて立ち上がった。 「行くんですね」 「ああ。…とりあえず、もう一度仲間を探すしかない。ところでシンシア」 「はい?」 「本当に、行くか?」 「え?」 エドガーの言葉が意外なものであったため、シンシアはろくな反応ができなかった。ポカンと口を開けたまま、エドガーを見る。 「デッシ...
  • 116話
    第116話:現実味のない事実 「…うむ、何か成果があがったら連絡するよ、レディ。期待していてくれたまえ」 エドガーは一旦、ひそひ草での会話を切った。 ――バーバラが信頼できる少女であることはわかった。 お互いの仲間の情報などを交換し、これからのことについても随分話した。 位置が近ければ合流していたのだが…地図を見る限り、合流するには大陸をほぼ一周するしかない。 そこまで歩くのはお互いに危険だ。次のステージで近くなる事を祈るしかない。 そして何より、大事な用事があり自分はここから動けない。そう、バーバラに話した『成果』とは―― 「あれ、もういいのか?」 「ああ、ずっと話しているわけにもいかないだろ。研究が進んだらまた連絡をとる事にするよ。  ちなみに、期待しておいてくれ、と言っておいたから」 「げ、責任重大じゃねえか…」 エドガーの目の前で青年――デッシ...
  • 461話
    第461話:ウル ~ある会話の風景~ 「みんなーヘンリーとソロ、連れてきたよー」 「レナ、エリア! 良かった目覚めたんだな……」 「エリアさん、良かった。レナさんも」 「うん、ありがとうソロ。ヘンリーも……ごめんなさい。私どう謝ってもいいのか判らないけど」 「いいさ、俺はこの通りピンピンしてる。エリアも回復した。だから、いいさ」 「はい、私もこうして元気……とはいえないけど、ここで今笑えています。だから気にしないでください」 「ヘンリー、エリア……それレナを追い詰めてる」 「うう……ごめんなさい」 「さて、今ウルにいる全員がここに揃ったわけだな」 「あのヘンリーさん、わたぼうが寝てるんですけど。一応ビビが今様子をみています」 「ん、なんだ疲れがでたのか? まぁそっとしておいてやろう」 「じゃあこれからのことを検討しようぜ、ずっとこの村にいるわけには行かないだろう」...
  • 371話
    第371話:蜂蜜のように エドガーは森の中を駆けながら背に負った青年の呼吸が弱くなっていくのを感じていた。 彼のマントに染み込んでくる血の量も軽視できない。 『マズイな。もう長くは持たない……どうする?』 あの銃を持った男も虚を突いたおかげでかなり引き離したが、以前気配は追ってくる。 「シンシア、この人のザックを探ってみてくれ。  何か使える物が入っているかもしれない」 「は、はい」 シンシアは大剣アポカリプスを持ったまま苦しそうに走っているが今はエドガーにも気遣う余裕はない。 片手で器用にリュカのザックを抱え、中を探る。 その顔が失望にゆがんだ。 「駄目です……袋に入った小さな柔らかい紙とお鍋しか入っていません。  後は普通の配給品です」 それを聞いたエドガーも諦観が頭を掠める、その時……。 「そうか……いや、待てよ!」 灰色の脳細胞が頭に電球が浮かび上が...
  • 207話
    第207話:希望の鍵 「そろそろ大丈夫か…。デッシュ、後ろはどうだ?」 ザックを肩にかけ、ウインチェスターを手にしたエドガーがデッシュを振り返り、言った。 デッシュはかぶりを振った。注意深く、今しがた歩いてきた後方の道のりを睨み付ける。 「……大丈夫みたいだな。追ってくる気配はねぇ」 「そうか…」 エドガーはデッシュの返事に軽くうなずき、地図を広げた。 先程、マシンガンの襲撃を受けた場所から反対の方角へと逃げてきたが、 いつの間にか森のかなり奥地に入り込んでしまったようだ。このまま更に北に行くと、 大きな川 ── すなわち見通しの良くなる川岸だろう ── にたどり着くらしかった。 (広いところには出ないほうがいいな……) そう考え、決めた進路を頭にたたきこむと、地図を折りたたんだ。 エドガーが考えをよぎらせていた、その時…急に嫌な感じがした。敵が襲い掛かって...
  • 514話
    第514話:クジケヌココロ 「こっちだ、デカブツ!」  わざと注意を引くように声を上げ、ダーツを投げつける。  ダーツの矢は一直線に巨大な的に突き刺さった。  分厚い皮膚の前ではダメージは毛ほども無いだろう。  だが、コチラに注意を引くことはできた。  魔物の瞳に捕えられると同時に、敵に背を向け走り始める。  魔物は地響きを響かせながら、目の前の獲物を逃すまいとその後を追ってくる。  ここまではコチラの思惑通り。  まずは敵を誘導して、戦場をこの場から遠ざける。  宿屋を巻き込まない為、という理由もあるが。  何より、すぐ側で横たわる彼女の体をこれ以上傷つけたくなかった。  敵の間合いギリギリ外、付かず離れずの距離を保ちながら敵を誘導する。  地を揺らしながら進む魔物の動きは、巨体に見合って遅い。  だが、歩幅の大きさがコチラとは違いすぎる。  総じて進む早...
  • 101話
    第101話:レーベ村宿屋にて 「どうなんだ?助かりそうか?」 「…なぜか、回復魔法の効きが悪くて…でも、とりあえず傷はふさがりました。  まだ目は覚まさないだろうけど、死ぬ事はないと思います」 「そうか、よかった…」 ほっと息をつくロックに、ソロも、汗を拭いながら笑った。 テリーとの戦いで重傷を負ったヘンリーは今、宿屋のベットに寝かされている。 ここに担ぎ込んだとき、ヘンリーは完全に意識を失い――もう先程のような悪態をつくこともなく、顔色も真っ青だった。 それを見たロックはほんの一瞬だけ、もう駄目なんじゃないかとも思ってしまったが。 ソロが汗を流しながら必死で回復魔法を重ねがけしていくうちに、少しずつ顔色がよくなっていった。 苦しげだった表情も今は緩んでいる。ひとまずは助かったのだ。 「というか、アンタも大丈夫か?休みなしで魔法を…」 「さすがにちょっ...
  • 215話
    第215話:火は心の底に潜み 夜風が闇の色に染まった森をさざめかせ、あたりには炎のはぜる音が響く。 思いのほか夜は冷えるようだ。焚き火の前に座るシンシアは、いくつかの枯れ枝を火の中に投げ入れた。 めまぐるしく過ぎていった一日が終わろうとしている。 既にここまで30人以上が死に、散らばって行った参加者たちの居場所はどこともしれない。 今現在ここにいるのはエドガー、デッシュ、シンシアの3名のみ。 焚き火をはさんだ向こう側でエドガーとデッシュが対人レーダーを調べると言って、 筆談を交えつつなにやら話し込んでいる。 あたりを見回りに行ったザックスとランドはまだ帰ってこないままだ。 (ソロはどうしているのかな…) シンシアの頭にこのゲームに参加している唯一の知り合いの姿が浮かんだ。 小さい頃から何をするのにも一緒で、幼馴染というよりは兄妹のように過ごしてきた存在。 ちょっと...
  • 368話
    第368話:森深きにて、闇深まりぬ 「本当に大丈夫?」 「大丈夫だよ」 「ほんっとに大丈夫?」 「大丈夫だから」 「ホントのほんとの本当に?」 森深く、明るい、だが真剣な声が響く。 あの草原からこの森にかけて、リュカとリノアはこんなやり取りを延々続けていた。 「そんなに信用ないかなぁ」 「リュカは何でも自分に溜め込んで、それを顔に出さないから恐いのよ」 表面上のリュカは落ち着き、元来の穏やかさを取り戻している。 けれどそれを、どこまで正直に受け止めるべきだろうか。 確かにリノアは、リュカの「大丈夫」を全く信用していないのだ。 視線をそらせば瞳を暗く沈ませて、ちらりと横目にそれを見ると、またすぐに笑顔を作り直す。 誰かに心配をかけないために無理をすることに、体が慣れきっている、そういう風にリノアには思える。 その気遣いは大したものだと褒めてや...
  • 547話
    第547話:紛れ込んだ不純物 みんなの話が終わったのが多分一時間ほど前だから、あの二人はもう一時間近く喧嘩しているのか。 森が燃える音と風の音、そしてサイファーとスコールの殴り合ってる音を聞きながら、僕らは怪我人の治療をしている。 マッシュは魔石の召喚獣のおかげで、命は取り留めているものの、いつ誰が襲ってくるかも分からない。 バッツなど、魔法があまり得意ではないのに白魔道士にジョブチェンジして治療を行っている。 魔法を装備しなくても使えるのが、少し羨ましい。 生き返りの泉、回復の泉が使えれば一瞬だが、伏せておいた。そんな便利な泉を魔女が残すはずがない。 まあ、元々の世界でもリヴァイアサンを倒したことで効力は失われてしまっていたのだが。 道具の数も限りがある。この村にはポイゾナしか売っていなかったし、道具屋の回復薬は昼間にほとんど使ったらしい。 頼れる...
  • 546話
    第546話:惨害の痕で寄り添って 《1》 「ピアスが鳴ったんだが、赤い奴は逃げたしって少し油断してたのかもしれない。  俺は振り返れたと思うんだがな、暗いもんで顔が見えなかったんだ。  だから、本当に振り返れたのかどうかはわからないな。  どっちにしたって、あっというまに腕を捻り上げられて地面に押し付けられたよ。  あれは兵士とか傭兵とか、とにかく軍人のやり方だ。  初めて本物を体験したんだけど、なんていうか、痛いってモンじゃないね。辛い、だな。  こんな痛いなら肩なんて外れてしまえー、あーすいません降伏しますギブギブ、って感じ。  それで『いぃぃぃぃっ!?』みたいな声あげちまってなあ……恥ずかしいのなんの。  確かに、あの状況じゃ俺がエリアを襲った敵だと勘違いされても仕方ないんだが、  一言くらい謝って欲しいもんだぜ。なあ?」 ...
  • 274話
    第274話:絶望的観測 俺たちは走っている。西へと向かって走っている。 (忘れたい) 耳の中で、様々な音が反響している。 無機質に鳴り響く電子音が。迸る炎と、肉が焦げる時の異質な音が。 正確なリズムで打ち出され続ける銃弾の音が。 ぽたぽたと地面に落ちる、涙のしずくの音が。 そして……コルク栓を抜くようなやけに軽い音が、耳から離れない。 (あの音が、耳から離れない) 何が悪かったのか、俺にはわからない。 疲労や眠気が集中力を妨げてしまったのかもしれない。 マシンガン男のような狂った襲撃者の存在が、神経をすり減らせてミスを誘発させてしまったのかもしれない。 ……そうじゃなくて、他に理由があるのかもしれない。 俺にはわからない。 (……きっと、最初からバレてたんだ) 俺は後ろを走っているエドガーとデッシュを見る。 二人はずっと...
  • 511話
    第511話:走る風 巡る炎 村北部の森を抜けたところで、2人は少しの間、呆然と立ち尽くしていた。 目前で村を燃やす炎を吐く者のあまりの大きさに圧倒されたのである。 「こ…こんなモンスターも参加してるのか…」 「…バッツさん…まずは宿屋を…」 互いに、元いた世界で同じくらいの大きさの敵も相手にしてきた。 だがこの世界に来てから、モンスターではなく、人間ばかりを相手にしてきた2人にとって、 村で咆哮を上げているブオーンの姿はあまりに非現実的だった。 そもそもこの世界自体が、非現実の元に成り立つものなのだが。 バッツとソロの2人は、村の北の森で行方不明となったヘンリーを探していた。 そこで村の中央部の異変に気づいた。凄まじい地響きが伝わり、モンスターの咆哮が聞こえたのだ。 2人は、宿屋に残っているエリアたちの危機を感じ、村へ戻ることを決めた。 ヘンリー...
  • 149話
    第149話:ルナティック・ハイ ――彼は変わっていない。 兄とよく似た風貌も、聡明さを象徴するかのような瞳も、人々の心に静かに響く優しい声も。 外見だけならば、彼は何一つ変わっていない。 ――彼は変わってしまった。 昔の彼は、優しすぎるぐらいに優しい人間だった。 他人を傷つけぬために、自分を犠牲にすることができる人間だった。 けれども今はどうだ。人を傷つけることも、命を奪うことさえも楽しんでいる。 ――彼は狂っていない。 狂人は待つことを知らない。いつでも真理と結果のみを求め、浅薄な妄想の世界に浸ろうとする。 彼はそうではない。機を待ち、慎重に事を進めることの大切さを知っている。 ハイになっても、いざとなれば冷静に判断することができる。そうするだけの自制心も持っている。 ――彼は狂っていた。 血に餓えた獣に、いや、それ以下の存在に成り果てていた。 獣は生きるた...
  • 492話
    第492話:Dual Moon 天に輝くは紅玉のような月。投げかけられるは血の色彩。時はただ尽きるのみ。 ウルの村、その北に外れた場所に位置する建物の前。 木々の向こう、およそ不釣合いに煌々と輝く灯を遠目にサイファーは不釣合いに考え込んでいた。 ヒーローの定義。 弱きを助け、巨悪を挫く。シンプルかつロマンティック、皆に頼られ称えられる存在。 なのに、自分はどうだ。 目前にした殺人も止められず、守るべき存在とも切り離され。 なお自分が選んできた側が正しいのだという絶対の自信はあるがあげられた成果を考えるだけ悔しさと苛立たしさがこみ上げる。 これでヒーローと言えるのか、いやとても。 遠い光を背景にした闇から紅が浮かび上がったのはそんな中であった。 無言で現れた上背ある影は表情の見えない距離をおいて立ち止まる。 武器の類は不所持のようではあるが明らか...
  • 451話
    第451話:首輪雑談と方向転換 希望を打ち砕く三度目の宣告が夜の再来を教える。 南を目指していた三人は皆足を止めて押し黙り、それに耳を傾けていた。 (レオ将軍!?) 不安な心境は聞こえたよく知る名前に揺さぶられる。 動揺と狼狽に思わず泳がせた目には二人の魔王、二つの不動の背中が見えている。 (反応なしかよ。なんだコイツら…いや、魔王なんてこんなもんか) そう思った瞬間動揺よりも怒りや嫌悪のような気持ちが勝っていた。 自分の動揺と比較したその不動に氷のような冷たさを感じ取って思わず心中で悪態をつく。 だが、背中越しで分かりにくい角度であったがロックは確かに見たのだ、 冷徹だと思っていたその魔王がため息をつくところを。 (……ため息? ……なんだよ。そう、だよな…決め付けは良くないぜ、俺。くそ) 途端抱いていた怒りと嫌悪がなんだか恥ずかしく心の中に渦を巻く。 ...
  • 454話
    第454話:眠る太陽 ひとりになると色々と考えてしまう。 やっぱり単独行動はやめといた方が良かったかも。とティーダは少しだけ後悔した。 魔女の放送があったのが十分くらい前。そこで一行はロランとフルートの名を聞く。 決別したとはいえ行動を共にしていた仲間が死んでユウナはかなり落ち込んだ。 『ゲームが始まってから知り合った人が亡くなったのは、ロランさんとフルートさんが初めてなんです。  前の世界でもですが、あまり人に逢えませんでしたから』 とプサンがこっそりと教えてくれた。 だがティーダとしては、とっととサスーン城を調べて早くアーヴァイン達の所に戻りたいのが本音だ。 他にも首輪の解析についてや、どうせならターニアやロックやリュックらを探して行動を共にしたい。 という訳で、時間を無駄にしない為にも不安定な状態のユウナをプサンに任せ、ひとり東棟を調べているところだった。 「...
  • 487話
    第487話:迷走と覚悟と現実 「…誰です?」 誰何の声が殺気を帯びたその背を引き留める。 サラマンダーはゆっくりとその声に振り返った。 眼前には少年というには逞しく、青年というには幼げな影があった。やけに重そうな華美な盾を肩にかけ、剣は抜き身だが垂れたその切っ先に殺気はない。 「お前は?」 「僕はソロ。誰かを捜しているのですか?」 「捜す…そうだな、誰かを捜しているんだろうな。俺は」 言う唇が歪み、低い嗤いが漏れた。 あからさまに吹き出すその邪気をソロは無言で見つめている。 「この下らない茶番劇、だが俺が今ここにあるのは事実…」 閃光一閃、道の両脇でゆらめく仄明かりを映し、金属の鈍い光がソロの胸元に躍りかかった。 が、既にそこにソロの影はない。跳躍して飛びすさった彼は舌打ちするサラマンダーの面前、4、5歩先で盾と剣を構えている。 「あなたもか!茶番と言いながら魔...
  • 471話
    第471話:ウルに明かりが点いたわけ 「ええっ、ソロ戻って来てないの? っかしいなあ、交代したのになあ」 レナとバッツと一緒の帰り道。 これで全員集合だねってハッピーな気分のままヘンリーと話してびっくり。 確かに見送ったはずなんだけど、ソロはどこ行っちゃったんだろう。 多分自主的に見回ってんだろーなーって一人納得してうんうん頷くヘンリー。 んー、しょうがない、ちょっとあたしが探してきてあげよう! 「レナは先に行ってて。みんな心配してたんだよ~?  エリアもそろそろ起きてるかもしれないしさ、早く顔を見せてあげないとね。  あたしはソロ探してくるから、レナが起きたーって!」 「おう、頼むぜリュック。じゃオレはまだこの辺回ってるからまた声掛けてくれよ」 「了解! ほらバッツ、早くレナをみんなのとこに連れてってあげなよ」 すぱーんって空いてる方の肩...
  • 522話
    第522話:出会いが二人を別つまで どれだけ熱くなろうともどこか心に冷たい部分が残っている。 何も考えずに暴れたかったという願いを打ち消すほどの自分の中にある職業上の性質を恨めしく思いつつ、俺はその音に反応した。 気を取られた分だけ鋭さを失った攻撃の間合いから悠々と女が抜け出す。 「急いでるって言ったじゃない!」 迷惑気に、けれど手馴れた構えで反転し、迎撃の構えが向けられる。 特別に鍛錬された聴覚を持たない人間に今の音を聞き分けることはできなかったのだろう。 炎に包まれた村にあってそれが目的の建物のものかどうかは分からない、分からないが確かに炎に苛まれる木材の悲鳴が聞こえたのだ。 熱くなる感情は打ち消すことができても、浮かんだビビのことは打ち消すことができない。 一度ならず二度まで小さな黒魔道士のことを気にかけた事実がそれを証明している。 いや、ビビの声を聞いた...
  • 16話
    第16話:喪失 それは、はたから見れば正常な状態に見えただろうか。 あの惨劇を前に狂気に身を包む事も無く、涙を流す事も無く、それは確かにその個室にいた。 「…俺、は、…何、何で、こんな」 たどたどしく、無機質な声で言葉を繋げていく。彼は自分の状態を疑問に"思おうとした"。 (上手く、いかない…) 「駄目だ、こんな、…アルティミシア」 今度は、憎むべき相手の名前を声に出す。 そうすればきっと憎くてたまらなくなるだろうと考えての事であった。 でもそれも、(上手くいかない) 「―――ッ…」 彼は自分の状態に、恐怖を感じ"ようとした"。唇を噛んで目を開き、息を飲んだ。 確かにほんの一瞬だけ、恐怖を感じた時の表情を形作ったが… それはあくまでも『演技』の部類に入るようなもので、すぐにまたその顔から表情が...
  • 373話
    第373話:二つの願い、二つの奇跡 赤い色彩を撒き散らし、森の中に倒れた少女。 その脇に立つ、少女と同じ姿をした『何か』が呟く。 「なるほど……あの小娘に継承したか」 金色に輝く瞳を遠くに向けて、それは無表情に笑う。 「広間に集めたのは失敗だったかもしれぬな。  あのわずかな時間で、私以外の継承者を見出していたとは……な」 魔女の力の継承は面識が無くてはできない。エルオーネのジャンクションと似たようなものだ。 見知らぬ相手に意識を接続できないように、見知らぬ存在に継承を行う事は魔女の力を持ってしても不可能。 だからこそ、魔女アデルは己の後継者を探し出すために少女を狩り集めた。 しかし――例え名前を知らなくても、顔を見ていればそれは『面識』として成り立つ。 大魔女バーバレラの後継者として生まれ、今では夢の世界の身体しか持たぬ少女。 そんな特異な存在だから...
  • 79話
    第79話:どこかに残るなにか ――なぜ、自分は死のうとしなかったのだろう。 なぜ、この女性は自分を助け、剣士を止めようとしたのだろう。 数時間前のフリオニールなら、きっと即答できたはずだ。 けれども今の彼にはわからない。それを哀しいとすら思えない。そういった情動を感じる『何か』が、凍り付いてしまった。 「……」 ただ、頭の中にある記憶と経験が。 そしてほんの少しだけ凍らずに残された『何か』が告げる。 フリオニールの身体は、それに従った。 眠るミレーユを揺さぶり、簡単には目覚めそうにないとわかると、彼女の身体を担いで気付かれぬよう戦場を離れる。飛ばされた盾を拾うことも忘れない。 そしてしばらく歩いていると、突然目の前の建物から一人の男が飛び出した。 「おい、大丈夫か!?」 バンダナを巻いた男――ロックが、フリオニールに話し掛ける。 フリオニールは、背中に持たれかか...
  • 503話
    第503話:EYES ON ME 暗い井戸の底、ひとりの男が、目の前の瀕死の緑髪の男を見て苦悩していた。 「…緑色の髪の男に遠くから射撃された……  ……リノアとかいう連れがいたそうだが、彼女は助からなかったらしい…」 数時間前に、カインから聞いた言葉が呼び起こされる。 目の前にいる男が、リノアを殺したのか?そうであれば、この男を許すことはできない。 男が手に持っている銃、これがリノアを殺した凶器なのかもしれない。 だが、もしこの男がリノアの死と何の関係もないとしたら? 彼の傷の具合からして、早急な治療がなければ、そのまま帰らぬ人となるだろう。 そして今、彼を助けられるのは自分たちしかいない。 スコールは苦悩していた。自分が選ぶべき選択肢に。 上の方から、自分の名前を呼ぶ、マッシュの声が聞こえる。 ふと上空を見ると、赤い光が目に...
  • 102話
    第102話:神様と元召喚士 「困ったことになりましたね……」 男は空を仰ぎ見ながら、ぼんやりと呟いた。 彼の名はマスタードラゴン。 天空の城にて世界を見通し、地上を護り続けている竜神である。 ――本来ならば。 「どうしたんですか、プサンさん?」 隣を歩いていた女性、ユウナが首を傾げる。彼は苦笑しながら答えた。 「いや、今の状況のことですよ。私、この通り戦闘やら何やらは苦手でして。  お恥ずかしい話ですが、剣もまともに振るったことがないのですよ」 彼にはわかっている。目の前にいる女性が、次元すらも違う異世界に住む人間だということに。 だから本当のことは話さない。いつも通りにプサンという仮初の名を使い、市井に生きる人間らしくふるまう。 もっとも、こんな場末の酒場のバーテンダーとしか見えぬ中年男の風体では、 正体を打ち明けたところで狂人扱いされて終わりだろうが。...
  • 535話
    第535話:空回りの深夜 「ふう………」 完全に炎に包まれた宿屋を前にしてため息をつく。 それが安堵のためなのか、それとも出鼻を挫かれたためなのかは分からない。 宿屋まであと少しというところで、エリアが赤髪の男と金髪の女に背負われて助け出されたところを目撃したのだ。 エリアの顔は名簿で確認した。背負われていたのは彼女に間違いない。 彼女らは井戸のほうへと向かっていた。ならば、エリアのほうはもう心配ないだろう。 サックスやカインから聞いた、赤髪の男がいたのが気になったが、 まさか自分で助け出しておいてからわざわざ殺すようなバカもいまい。 それよりもちょっとの間とはいえ、緑髪の男の傍から離れてしまった。 アンジェロがちゃんと見張っていてくれていると思うが、少々心配だ。戻ろう。 途中、ふと怪物のほうを見ると、顔に真っ白のレーザーが直撃していた。 マ...
  • 459話
    第459話:光が導く地へ 炎を思わせる黄昏の光は消えた。 天井に輝くは紅玉のような月。投げかけられるは血の色彩。 右手に聳え立つ山脈を臨み、スコールとマッシュは歩き続ける。 兄弟。仲間。脱出の手掛かり。 白魔道士に扮したかつての友。緑のバンダナを巻いた金髪の男。彼らとは別に存在しているのかもしれない緑髪の男。 探さねばならない相手は数多く、けれども、彼らは一点を目指す。 偽りの情報に導かれたまま。 (兄貴――どうか無事でいてくれ!) ケフカの企み。それは可能性として有り得る話。 だが、ウルに向かったという男は、現実に人を殺めている存在。 しかも敬愛する兄の命が掛かっているとなれば、どちらを追うかなど決まっている。 微塵の迷いもなく、マッシュは歩き続ける。 (……殺すのか、あいつを) 倒さなくてはいけない敵。死なせるべきではない仲間。 マリベ...
  • 380話
    第380話:Geis 「フレア!」 極限まで圧縮されたエネルギーが、小規模の爆発を起こす。 石造りの壁は呆気なく打ち砕かれ、瓦礫の舞う通路の先には、さほど大きくない部屋が四人を招くように広がっていた。 「やったぁ!」「すごい、すごいよレナ!」 リュック達の歓声を聞きながら、レナは額の汗を拭う。 白魔法はともかく、すっぴん状態で黒魔法を……それもフレアのような高度な魔法を使うのは久しぶりだ。 やはりきちんと黒魔導士にジョブチェンジするべきだろうか。 一瞬悩んだレナだったが、携えた剣のことを思い出す。 エクスカリバーは騎士剣だ。 すっぴんかナイト以外ではまともに扱えないし、ナイトでは魔法が不得手になりすぎてしまう。 リュックとわたぼうがどこまで戦えるのかわからない以上、エリアは自分が守らなくてはならないのだ。 一撃必殺の攻撃力にも、移動能力にも欠けるが、この組み合わせ...
  • 554話
    第554話:騎士達の計略 放送が流れ、そして知った。 仲間として一日を過ごし、そして自分達を見捨て裏切った男の死を。 「……ゼルも、死んだのか」 ふう、と息を吐く。 悲しいという気持ちはあまりなく、むしろざまあみろという笑いを抑えるので精一杯。 じゃあ今のため息は何なんだと言えば、人の死を喜べるようになった自分への驚きと呆れだ。 周囲を見る。 四度目の放送となれば覚悟やら耐性やらがついてしまうのだろうか、泣き出す者は予想より少なく、黙り込む者の方が多かった。 そんな、数少ない泣いている人間――ターニアの傍らに、サイファーの姿があった。 舌を打ちながら、小声で何か囁いている。 もしかしたら慰めているのかもしれないが、遠目で見る限りでは少女を脅しているチンピラそのもの。 見た目と態度で損をするタイプ、という奴だ。 「サイファー! あ...
  • 477話
    第477話:巡る意思・継がれる遺志・騎士の意志 「着いたぞ、フィン! 城だ!!」 ゼルが最後に放った轟音から数刻。 あれから僅かに歩みを速めたジタンとフィンは、ようやく森を抜け サスーン城の門前まで辿り着いた。 「さっきの音が気になる。ここからは慎重にいかないと…」 「あっ! ジタン! あそこ、人が倒れてる!!」 「何!?」 「こいつは…。確か、ゼル、ってヤツ…。リノアの仇を取ると言っていた…。  …ダメだな。死んでる」 城の前に横たわるゼルの死体。 その躯は所々が焼け焦げ、喉笛が切り裂かれ、背中にはナイフが突き立てられている。 そしてその体は、まだほんのりと赤く、温かい。が…、 すこしずつ、だが確実に、熱が奪われ冷たくなりつつあった。 「まだ死んでから間も無い…か。それに…」 ジタンは、横たわるゼルの右手の部分に目を移...
  • 164話
    第164話:覚悟 ――殺された、自分達のせいで。 ――もういない、ラグナもエーコも。 「畜生…!」 (フン、負け犬の遠吠えだな。) マッシュの頭の中で誰かが応える。 ―兄弟子のバルガス。 まだダンカン師匠に弟子入りしたての頃、何度試合をしても奴にはかなわなかった。 (畜生…!なぜだ、なぜ…勝てない?) 打ちのめされ、傷だらけで地面を這いながら何度も俺はそう呟いた。 そしてそんな俺に、何度も奴はこう吐き棄てた。 (ふふ…、才能の差だ。俺は師匠の実の子だからな。赤の他人であるお前とは違う。) ――こんな時にあの頃を思い出すなんて。修行不足なんて言葉じゃあ…済まされないな。 2人の亡骸を前にして跪いたマッシュの目に、とめどなく涙が溢れた。 「弔って…、やらなくちゃね。」声が、震えていた。 アイラは...
  • 5話
    第5話:不可抗力とお人よし 悪魔の作為か、神のいたずらか。 旅の扉を潜った青年を待ち受けていたのは、はるか下方に広がる茂みであった。 「え? え、お、おおおおおおい!?」 一瞬の浮遊感が身体を包む。実際は落っこちていたのだが。 拡大する地面、バランスを取ろうとするも間に合わず、頭から草むらの中へ―― ――遠くから聞こえてくる若者の声。「もしもし」――「あのー」―― ああ、と彼は薄れる意識の中でため息をついた。 このまま自分は死ぬのだろうか。気絶した男なんて、殺し合いでは格好の獲物だ。 相手がよほどの馬鹿なお人よしでもない限り、このまま止めを刺される。 はは、なんて間抜けな死に方だろう。一生の笑いものだ。その一生ももうすぐ終わるだろうが。 ああ。せめて、死ぬ前に愛しい妻の料理をもう一度食べたかった。 アイツとパパスさんに会って一言話したか...
  • 240話
    第240話:穢れた希望は誰が手に在りて その名の由来は、誰も知らない。 造りし者の名なのか。場所の名なのか。 扱う資格を持つ者の名なのか。かつて携えた者の名なのか―― 誰も知らぬ、その名の意味はどうあれ。 その剣の持つ意味は一つ。 闇を切り裂く光を、天空の城へ誘うための道標。 だから、その剣は後に呼ばれる。邪悪を破る希望を……天空の勇者を導く剣。 ――『天空の剣』と。 けれど魔王の手に堕ち、英雄の血を浴びて曇った白銀の剣は。 今や、希望とはかけ離れた場所に立つ男の手に握られている。 殺人者として生きる決意を固めたその男には、剣自体は手に余る代物であれど…… 刀身に込められた魔力は非常に魅力的であった。 持つ者の力を倍増させる――男にとって、どのような武具よりも有用な魔力。 だから男は持ち去った。 己には扱いきれぬ剣を。 あらゆる魔を...
  • 523話
    第523話:カーネイジ(NO FUTURE) 咆哮と稲妻。 それがマッシュとブオーンの開戦の合図。 手負いの獣、そんなありふれた表現がぴたりとはまる相手。 降り注ぐ雷の第一波を覚悟を決めて弾丸のように突き抜け、巨体へと肉迫しながら格闘家の目は冷静に相手のダメージを見定める。 ヤツの左眼は見えていない。全身はあちらこちらが火傷、そうでなければ裂傷、あるいはその両方。 とりわけ右肩には深い傷がある。 重傷を負っている巨体には似つかわしくない反応速度で叩きつけられる右腕を紙一重にすり抜け飛び上がる。 スピードと体重を乗せた拳は遠慮なくモンスターの顎を下から叩いた。 鋼鉄の感触と相反する弾力。 分厚い肉が可能とする防御力に臆することなく続けざまに数発の打撃を打ち込んで地面に降りる。 こんな化け物をよくここまで追い詰めたもんだ、と感心するマッシュの目の前で緩慢に口が開か...
  • 192話
    第192話:長い夜 気づけば、闇の中で佇んでいた。 何もない、虚空の中で。 誰も、いない。 声がするだけ。自分を責める声が、するだけ。 ――あなたはエアリスさんを殺したの… 蒼い髪の女の子の冷たい声が。 ――次に会ったら…仇をとる。 暗い響きを帯びた、金髪の青年の声が。 ――なんだ…まだ死んでいなかったの? 火傷を作った、顔も見ていない少年の声が。 ――誰も殺せてないんだねぇ。役に立たないなぁ。 コートを着た男の声が。 ――人殺しの仲間なんだな! 失意の少年の声が。 微塵にも優しさのこもっていない、それらの声。 自分の心の中で作り出した声。 私は殺人者だから? エアリスを殺したから? …誰からも許される事無く。 …誰からも愛される事無く。 ――ティファ、なんて事をしたんだ! あぁ、クラウド、ごめんなさい… ――謝って済...
  • 455話
    第455話:娘と父のmonologue 私が悟りの書を読んでいるときに、あの放送が聞こえました。 私の大切な人の名前が呼ばれました。 みんなの大切な人の名前が呼ばれました。 呼ばれるのは必ず、誰かの大切な人である誰かです。 人だけではありません。 魔物も、鳥も、虫も、花でさえも、全ては尊い命です。 どうして誰かの手で奪う事ができるのでしょうか。 私は不思議でなりません。 お母さんの名前とギルダーさんの名前は続けて呼ばれました。 お母さんを殺したという女の人の話を、昼間に聞きました。 私はその女の人を許せる自信がありません……。 でもその女の人も誰かの大切な人で、死んだら誰かが悲しむと思うと、なんだか苦しい気持ちになりました。 それからすぐに、はぐりんの名前も呼ばれました。 一緒に遊んでくれた、一緒に旅をした、一緒に戦った、大切な仲間です。 ...
  • 184話
    第184話:誤算だらけの現実と、予想外の結末 三人を硬直から解き放ったのは、空を焦がした火柱だった。 少しばかり離れた場所で、高く、高く炎が上がる。 「あれは……ピサロの呪文……?」 ソロの呟きに、ヘンリーが振り向く。 涙のせいで真っ赤にはなっていたが、瞳には明らかな理性と意思が戻っていた。 「あの騎士野郎か……って、待てよ。  少し早過ぎないか? お前ら、あいつと戦ってたんだろ?  ……それとも、アーヴァインが一人で向こうに行ったってのか?」 「それがね、ヘンリーさん」 ビビが説明する。あの時自分とソロを蹴飛ばした男は、すぐにどこかに行ってしまったということを。 けれども、ソロが使ったイオラが視界を遮ってしまい、結果ヘンリーを見失ってしまったのだということを。 「……ソロ。お前、バカだろ」 「まさかあんなにあっさり退却するとは思わなかったんですってば!」 ソ...
  • 108話
    第108話:ゲームの被害者 「操りの輪…!?」 ロックは呆然とそれを見つめる。――操りの輪。 そのサークレットは、かつてティナを追い詰めていたものに違いなかった。 そして今、それをにつけている女性がゾッとするような笑みを浮かべ――こちらに向かってくる! 「ま、待て!アンタは…うわっ!」 おそらくは操りの輪の影響下にある女性。説得しようと静止の声をかけるロックだが、もちろんそう簡単にいくはずもなく。 正確に自分を狙い、迫る鞭を剣で受け流すことしかできない。 (まずい、何とかして輪を壊すか、この人を気絶させるか…  つってもこの剣で輪を攻撃すれば、頭が砕けるだろ…どうする…?) 対峙しながら思案するロックは、そのまま女性から一瞬だけ視線を外し、はっとした。 いつの間にか、女性の背後にフリオニールがまわりこんでいた。その手にはしっかりと銅の剣が握られている。 ――そうだ...
  • 497話
    第497話:Miβgestalt 最初の異変は音、いや振動する大気だった。 次の静寂が恐ろしく感じられるほどの激変。誰もがあまりに突然の事に全身を緊張させ、周囲に注意を配る。 独り、夜空を眺めていたサラマンダーだけがいち早く災厄を見届けていた。 ボロボロの羽根は巨大な身体をやっとのことで支えながら、滑るように目標へ誘う。 第二の異変はその動きがもたらす隠れざる気配であり、さらに地を伝う震動がそれに続く。 だが、捜索という任を帯びて村の各地へと散っていたものの多くはまだ常識外れの存在に想像を馳せるには至らない。 不安を隠さない表情でついさっき西の空低く見た凶兆の方角を眺めていたレナは地面から足へと知覚された震動の方角を正しく捉えてその影を見た。 わずか一度、熱望する跳躍で地に散りばめられた光の中心へと巨体は降り立った。 二度目の咆哮が天を指して放たれ、≪災厄来...
  • 280話
    第280話:それはかつての物語 その昔 暗黒に満ちた世界があった もはやその世界は魔王の懐 希望は無く 絶望のみ その世界を光に満たさんと 四人の人間が天より舞い降りた その中の一人が かの勇者ロトである そして彼は魔王を打ち払うその時に 聖なる武具を手にした それは人の産物ではない それは人の空想ではない 神の手によって造られし希望の証 光の鎧 勇者の盾 そして 王者の剣 聖なる力により 護られるべくして護られた聖なる武具 伝説の鉱物の力と神の息吹によって造られた聖そのもの そう それは常人には扱うことなどできはしない 神に選ばれし者すら辿り付く事の無い領域 唯の人がそれを扱おうとも その重みに全てを潰されるのみ その聖なる光は 天に選ばれし者の為の光 その聖なる輝きは 天に選ばれし者の為の輝き 勇者はそれらを...
  • 271話
    第271話:あの蒼い天空の様な 誘いの祠の前にある地下室。 そこから少し東に行った所に、セージ達はいた。 「でね、お母さん!私今お兄さんに回復呪文を教えて貰ってるの。  もし習得できたらお父さんみたいにお母さんをうんと癒してあげるね!」 「それは楽しみね。そうなったら、タバサに頼っちゃおうかな~」 「ビアンカさん、この子結構やる気あるから本当に習得するかもしれないよ?」 放送から少し時間が経ち、彼等はあれから歩いていた。 悲しみを振り払うかのように楽しそうに笑いながら話をするタバサを見て、ビアンカは微笑む。 そうしなければタバサや皆の歩みを止めそうな気がして。 そしてセージも後ろ向きだった心を振り払うように、いつもの調子でタバサの話を聞いたりしている。 そしてギルダーは黙っていた。 黙って考え事をしていた。 小鳥が鳴いている。 青空を...
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