FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki内検索 / 「【消え去り草】」で検索した結果

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  • 【消え去り草】
    169話
  • 【消え去り草 】
    78話 470話
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  • 78話
    第78話:罪人 俺は罪を負った。 いや、ここに来る前からずっと、それは裏切りという名の――― 何故俺は、立ち上がらなかった? 目の前で実の妹が殺され、親友が叫んでいるというのに。 それは…俺が裏切り者だからだ。 俺は力に魅せられた。そして捨てた、掛け替えの無いものを。 決定的な絆の断ち切れはきっと、二度と治る事は無い。 断ち切れたものを、溝を越えて助けることは出来ない。 俺はただ、遠く離れたところから傍観するのみだ。 それで良いのか?いや、良い筈がない。 そんな事は判っている…だがそれでも、もう取り返しのつかない事だって、ある。 空は変わらず高く、青い。 まるで、俺を置いていくかのように。 マリアはもうここにはいない。ならばあの、青い空の向こうにいるのだろうか。 フリオニール、お前は…どうしている?マリアを失って、それでもなお…生きよ...
  • 132話
    第132話:狂気への抵抗 ぼんやりと星空を見上げていたレオンハルトでも、その気配にはすぐに気付いた。 静かな夜風の吹く平原の中で、その昂った気配はあまりにも異質だ。 そしてそれは確実に、迷わずにこちらに向かってきている。 レオンハルトは背筋が寒くなった。死への恐怖からではない。 その女の、まるで何も映していないかのような、それでも狂気一色に染まっている瞳は、 今すぐ血を見せろと、惨劇を見せろと言っているかのようであった。 レオンハルトには、殺されることの恐怖感はなかった。死を受け入れようとしていたから。 しかし、そんな彼でも――その女から放たれる威圧感は、恐ろしかった。 裁かれる時がきたのか、とレオンハルトは思った。 心の狂った、血に餓えたこの相手に、残虐的に殺されるとしたら。 それがどんなに惨めで、痛みと苦しみを伴う死に方だとしても――それが自分の罪の...
  • 169話
    第169話:月光 「ひどいよ――約束が違うよぉ!!」 バーバラは走りながら叫んだ。 その声は虚しく街の外れの闇に消えていった。 「最高だ! あなたは僕が壊すのにふさわしい。  僕に悲鳴を聞かせてください。その雪のように白い肌からワインのような赤い血を出してほしいんですよ。  あなたの叫ぶ声を聞かせてください。もっともっと絶望に満ちた声をもっと…」 一発の銃声が響き渡る。 デールの放った銃弾がバーバラの右足を貫通した。 「………っ!!!!」 バーバラは声にならない悲鳴をあげ、まるで糸の切れたマリオネットのように地面に倒れた。 (…助けて、あたし死にたくない。助けてくれるんじゃなかったの?いやだ、死にたくない!!) バーバラはアーヴァインと名乗った男に騙されたということは感じ取っていた。 そして自分は助からないことも。 「そろそろ鬼ごっこは終わりみたいですね」 ...
  • 264話
    第264話:永遠にセリス 俺はまた守れなかった。 離れるべきではなかったのに。 俺は……俺は同じ事を……… また…守ってやれなかった……… ロックの目から涙が溢れ出す。 俺はレイチェルを守れなかった。 そして、セリスも守れなかったんだ。 辺りが霞んで見える。 この世の全てが絶望に覆われたように感じる。 心の底で危惧していたことは現実になった。 ギルガメッシュが俺の異変に気づいたのか、声をかけ続けているように見える。 「ダイジョウブカ!?モシカシテオマエノシリアイガ…」 何を言っているのかがよくわからない。 わからない。 言葉が意味を持ってないみたいだ。 いや、単に俺が理解しようとしていないだけか。 太陽の光が美しく大地を照りつけている。 絶望というのはこれほどまで、目に映る光景を綺麗にするも...
  • 182話
    第182話:迷いの剣 無数の星が散らばる星空の下で、剣と剣が交わっていた。 耳を劈くような金属音が、闇の中に幾度となく響く。 「くっ……」 レオンハルトの息遣いは若干荒くなっていた。 それでも、相手の女は顔色一つ変えることなく、冷たい表情のまま剣を振り下ろしてくる。 (このまま続けば・・・長くは持たないな…) そう判断したレオンハルトは、防御から攻撃に転じた。 女の剣を受け止めたと同時に、そのまま足を強く大地に踏み込み、腕に力を込め全体重をかけた。 女も同じように力を込め、踏み止まる。 互いに自分の持つ全ての力を込め、剣と剣が押し合う。 両者とも、大地を揺るがすようなすさまじい気迫での睨み合いが続く。 だが、ここは男性と女性の腕力の差であろうか。 キィン、と軽く剣が唸ると同時に女の体勢が崩れる。 (――今だ!) レオンハルトはすかさず剣を振った。 普...
  • 354話
    第354話:オニゴッコ 「ち……っ!」 「逃げるな男!出来るだけ奇麗に壊してやる!」 レオンハルトはデールの猛攻に手を焼いていた。 彼は木陰から隙を突いて逃亡し、デールを撒こうと考えていた。 だがあの時は幸い弾切れの不安もあったデールが引き金を引くことを躊躇い、助かった。 しかしどうやら危険な賭けに負けてしまったらしい。今は肝心のデールに追いかけられている。 「本当は戦っても良いんだが……!」 だが、今の彼には少々難しい問題だ。 何せ今の彼はフリオニールの事で必死になり、集中力も散漫になっている。 そして「殺す気満々の人間」と「無闇に人を殺す事を躊躇う人間」が戦っても、当然後者が不利だ。 そしてこれも当然だが、自分は後者の方だ。 だがそうこうしている内に、城の出入り口にたどり着くことが出来た。 このまま外に出れば、撒ける可能性も高くなる。...
  • 190話
    第190話:宝玉の意思、届かぬ遺志 火の勢いが弱まってきたことに気付いたオレは、ゆっくりと村の方へ歩いていった。 それで、もうすぐ村の中に入るぞ、って辺りで、突然何かにつまずいたんだ。 転んだ拍子に荷物はぶちまけるわ、膝はすりむくわ……オレは苛立ちながら、周囲を見回した。 でも、不思議なことに、躓けるようなものは見当たらなかった。 その代わり、少し離れたところに妙な草がたくさんと、ページが開かれたままの小さな冊子が落ちていて。 オレは冊子を手にとって読んでみた。 「……消え去り草?」 聞いたことのない草だった。効果は……名前のとおり、姿を消し去って透明になる。 つまり、オレがつまずいたのは透明になった奴の身体だってことだ。 ちくしょう。そいつは姿を隠してオレの命を狙ってるんだ。オレを転ばせて、笑ってるんだ。 「出てこいよ、このヤロウ!」 オレはラケットを掴み、様子...
  • 287話
    第287話:名もないその剣は フリオニールは、悲鳴にも似た絶叫を張り上げつづけた。 その姿に、レオンハルトが慌てて駆け寄る。 「おい…おい!フリオニール!」 肩を掴んで揺さぶり、そう何度か呼びかける。 「落ちつけ!俺がいるぞ!」 続けていると、ただ叫びつづけていた声が次第に小さくなり、やがて疲れたような喘声に変わった。 「…少し…」 暫くして、フリオニール。「…少し、時間をくれ…」 「お前、何も分かってないな」 そんな彼に、昔からの友人は冷たく返す。 「時間はないんだぞ」 わざと突き放すように、そう言い捨てた。 「とりあえず、昨日よりはマシになってきてはいるな」 ギルガメッシュに歩み寄りながら、レオンハルトは言う。 「ちょっと冷た過ぎやしねえか?」 「なに、変に気を使うよりはこの方がいいのさ」 短く話すと、二人はうつむいて立ち尽くしている彼を見やる...
  • 334話
    第334話:サス―ン城にて 「何故だフリオニール!どうしてあんなことを…」 どこか大きい城の正面、剣を構えて向き合う二人のうち、一人がそう叫ぶ。 「どうして?どうしてか」 もう一人がオウム返しに言うと、構えの姿勢のまま声を上げて笑った。 「簡単な事だレオンハルト。マリアを返してもらうんだよ」 フリオニールのその言葉に、レオンハルトは反射的に「…何?」と問う事しか出来なかった。 「だから、本当に簡単な話だ。まず、他の参加者を全て殺す。」 「そして俺が最後の一人になった時に、あの魔女にマリアを返してもらう。単純明快だ」 「安心しろ。その時はお前も、ついでにミンウもリチャードも返してもらうから。あ、マティウスだけは別な」 惚けたような目でレオンハルトの混乱しきった顔を眺めながら、彼は一気にまくしたてた。 「そんな…そんな馬鹿馬鹿しいことを、本気で…?」 数歩、殴ら...
  • 406話
    第406話:天に皇帝 地に勇者 サスーン城の場内に足を踏み入れた途端、アルスは足を止めた。 「レオンハルト、気配を消せ」 「既にやっている。……誰かいるな」 そう、城の中には彼らのほかに先客がいるようであった。 アルスの感じた気配は複数。 「どうする? 接触するか?」 レオンハルトの言葉にアルスはしばし考え込み、首を横に振った。 「いや、相手が何者かわからない以上、今は不用意に接触するべきじゃない。  もしも好戦的な相手だった場合、怪我をしている君を庇いながら戦うのは  少々厳しい物がある。相手は複数のようだから尚更だ」 アルスはシドを失ったことから、このようなことには慎重になっていた。 しかしその言葉はレオンハルトの自尊心を著しく傷つけたようだ。 「言ってくれるではないか、小僧。  俺は貴様に気遣われるほど柔な人生は送ってきてはいないぞ」 「冷静になれ、レ...
  • 403話
    第403話:四つの署名 ピエールは走りながら必死に次の一手を考えていた。 カナーンからの脱出は成功したものの、黒髪の少年が自分を追っている。 自分は今傷を負った状態だが、一方の相手はどうやら身体への異常はない。 このままではまずいと思い今も逃げているが、やはりこの様な状況では不利だ。 後ろを見ると、黒髪の男との距離は近くなっていた。 決めた。こうなればもう仕方が無い。使用回数がどうのと言っていられる状況ではない。 ピエールは妖術師の杖を構え、一直線に自分へと向かう黒髪の少年に光弾を発射した。 それは見事に当たり、相手の動きは鈍くなった。 だがそれでも少年はこちらになおも向かう。恐ろしい執念だ……やられる! 急いでもう一度、妖術師の杖を振った。使い切る事も惜しまずに。 そしてその賭けは……勝ち、らしい。 サイファーはアルスを追って走っていた。 アルス...
  • 173話
    第173話:Fire 『アーヴァインは裏切り者だ。誰かと手を組んで私達を皆殺しにする気だぞ』 『どういうこと、ピサロさん?!』 『殺されたのはこの小娘達の仲間だ。宿屋の前に呼び出して殺し、その血痕を利用して自身の死を偽装したのだ』 『そんな……アーヴァイン、僕やヘンリーさんとも気軽に話して……ゲームに乗ってるようには見えなかったのに』 『お前がお人よしだからだ、と言いたいところだが……相当な食わせ者だな、あの男は。  奴が行動を起こさなければ、私ですら欺かれ続けたかもしれぬ』 (あーあ、もうバレちゃったのか。自信あったんだけどなぁ) 三人の会話を聞きながら、アーヴァインは声を出さずに笑う。 灯台元暗しというが、彼の居場所はまさにその言葉通り。 実のところ、ピサロ達と二十メートルも離れていない。彼がいるのは宿屋の真裏だ。 (予想以上に頭いいね、ピサロさん。  ...
  • 225話
    第225話:再会 → 反乱軍のテーマ フリオニールを連れて音の方へ急ぐと、すでに戦闘は終わっているようだった。 木に寄りかかっている人影と、その眼前にもう一人誰かが立っている。 もしや、今まさに殺害の瞬間が訪れようとしているのでは― 「待て!そこのお前!」 ロックが叫ぶと、立っていた男――目以外の一切を覆い隠した衣装が少し気になる――は、 こちらをみて少し驚いたような素振りを見せると、腕を大きく振って「違えよ!誤解だ誤解!」と叫び返す。 2人がその声を聞いて立ち止まると、男は暫く間をおき、続けた。 「あー…お前らもさっきの音聞いてここまで来たんだろ?  おれもおなじでさ。来てみたら誰だか知らねえけど女の剣士がこいつを殺そうとしてたんだ。」 「…あの女騎士の強さはかなりの物だ。しかし何かに操られているようだった。」 それまで木陰に座り込み、うつむいていた男が口を開く。...
  • 298話
    第298話:裏切り 岩山の連なる山脈を、二つの影が人にあるまじき速さで下って行く。 影は山を抜けて平野に出、文字通り飛ぶような勢いで東へと一直線に進んで行く。 「確か魔女の話ではこの近くの扉は…」 「レーべの村とその南、つまり正面にある森の中だったな」 先に口を開いたフライヤに、カインがそう答える。 そして着地し、再び跳躍した時、目の前に広がるその森の中央に青い光が見えた。 その光は、参加者全員が集められた最初の部屋で見たものと、同じ淡い光だった。 「あの光が旅の扉のようだな・・・早めに見つかってよかった」 ふう、と安心したようにカインがため息をつく。 その時、フライヤが鋭く叫んだ。 「待てカイン、着地地点に人の姿が!」 「何!?」 慌てて下を見ると、確かに5人ほど、今まさに森に入っていこうとしている5つの人影が見えた。 「時間はどれぐらい残ってるんだ?...
  • 442話
    第442話:風の中の「声」 47度の満月の後、幾百、幾千の星たちが、天を覆わんばかりに降り注ぐ、星降りの夜が訪れる。 その夜、世界中のモンスターマスター達は一同に集い、その腕前を競い合う。 それが「星降りの大会」。 前の大会では、主催国タイジュの代表、テリーが決勝戦でマルタ代表を破り、優勝を果たした。 その時は出場できなかったが、必ず次の大会ではルカかイルがマルタの代表となると目されていた。 『絶対にあたしが代表になるんだから! お兄ちゃんだからって容赦しないからね!』 おてんばで、勝ち気で、生意気なイル。 『へっ、そんなんでテリーに勝てるかよ! イルの方がよっぽど見込みがあるワル』 いたずら好きで、邪魔ばっかりして、口が悪いワルぼう。 でも…… どんな魔物にも、分け隔てなく深い愛情を注ぐ、優しいイル。 本当は仲良くしたいのに素直になれない、不器用で寂しがり...
  • 166話
    第166話:殺人嫌悪 「うっ、がぁっ、ゲホゲホッ」 胸の中が熱い。胃の中の物が込み上げる。 思わず中のモノを吐き出す。誰かに見られていては出来ないことだが。 ――冗談じゃない。アレは…何だと言うのだ! 自分にあるのは生き残りへの願望だ。 それは正しい。人間である者に平等に与えられた欲望だ。 ――だが、アレは何だと言うのだ! 生き残るために手段を選ばないのなら、分かる。 ――だが、アレは何だと言うのだ! 見た目は貴族風だったと思う。 否、寧ろ王族のようだった。 それが、何をした? 生き残るために誰かを殺したのではない。 己の本能、欲望、そして…快楽。 そのために人を殺したか。 ――アレは何だと言うのだッ! 認めるか。 確実に、このゲームは、人の心を蝕んでいるのだと。 そして、狂気に満ちたあの『怪物』の存在を。 自分の見た映像が心から早く消え去ることを...
  • 320話
    第320話:誰もいなくなった村 「……レナの姉か?」 隣でその言葉を聞いていたソロは、ファリスの顔を見つめ、 「ああ、そういえば」と間の抜けた声を上げる。 「あんた等、レナとあったのか? もしかして今一緒に行動してるとか?」 期待を込めた瞳がピサロを見つめる。 「いや、一時的に行動を共にしていただけだ。今は別だ」 「そう、か…」 その言葉に、ファリスは残念そうに目を伏せた。 「ファリス、レナって言うのは俺たちの妹のレナのことか?」 そこに、後ろでその話を聞いていたテリーが声をかけた。 「違う、オレの妹のレナだ」 「ハハッ、なに言ってるんだよファリス、ファリスの妹ということは、俺の妹って事だろ?」 楽しそうに笑うテリー、その顔に邪気も偽りもない。 まったくの本気でそう言っているのだ。 ソロはその顔を見つめる、そしてその顔には見覚えがあった。 目の前の男は間違...
  • 470話
    第470話:THE GRAVITY OF DARK SIDE 完全に地の利を味方につけたサックスはそれでも追跡を気にしながら慎重に村から離れていた。 結果としてここが浮遊大陸であることが彼を助けたわけである。 けれど慎重を期した代償である些細なはずの時間経過が彼に次の不運を呼び込むのだ。 同じ場所を北へ、少し前に通過していったルカたちとの時間差はほんの30分程度でしかない。 しかしその時間のうちにカズスの入り口である北の峡谷部はゲストの到着を許していた。 勇者アルス。黒騎士レオンハルト。 悪の巣へと向けて歩みを進める彼らにはいまや戦いの緊張感と決意がみなぎっている。 そうして、南北から峡谷を抜けようとした彼らは出会った。 時間が欲しかった。たとえ答えが出なくても、迷いが深まるだけでももう少し一人でいたかった。 なのにフリオニールを振り切り村を離れられたと思ったら...
  • 364話
    第364話:銀の別れ ジタンと別れて、リュカたちはは西へ西へと歩み続けていた。 目の前に森が広がろうと、その速度は落ちることはない。 付き従うリノアに歩調をあわせることさえ忘れて。 少しでも、息子を殺した仇敵から距離を離したかった。 自分が助けた、あの男から。 あまりに感情が高ぶっていて、リュカは地図を見ることさえ疎かにしていた。 だからぱっと視界が開けたとき、森を抜けたということに気づくのに、 森の中で広がった瞳孔が適当な大きさに縮むまで、待たなくてはならなかった。 草原には、今は誰もいなかった。 銀髪の剣士も、神殿騎士も。 ただそこにあったのは…。 銀色に輝く、モノ。 それが何なのか、リュカは知っている。 あるいは知っているような気がする。 自分が知っているモノと、今そこにあるモノは、同じである可能性がある。 け...
  • 466話
    第466話:Cross Purpose3 完結編 Scene-4-2 蠕動する世界に疾走を阻まれ、にわかに天へ姿を現した滅すべき悪をじっと睨む。 告げられたのは守れなかった友、そして疑惑の渦中にあった彼の仲間の名。 それぞれに祈りと赦しを願い、それからレオンハルトは押し黙ったままの勇者を気遣った。 「カズスへ、急ごう」 ただそれだけを返したアルス、その決意を込めた表情にそれ以上にかける言葉は見つけられなかった。 以来二人の間に一切の会話はなく、暗い森をただひたすらに悪の待つ地へと急ぐ。 戦闘を伝える爆発音を聞くまでは。 ピサロ達、ユフィ達、マティウス達がそうしたように彼ら二人もまた悪を絶つべくこの交差領域へと近づいていた。 そんな彼らが最初に出会った人の痕跡、それは木々の奥から聞こえる奇妙な声。 「おかしいな。こっちから確かに人の笑い声がし...
  • 【薬草】
    190話 234話
  • 438話
    第438話:夕暮れの寸劇 ――小鳥と野兎が、夕暮れの空の下にいた。  小鳥は、そびえ立つ塔の窓辺を舞っていた。  野兎は、城門に立つ人影を追っていた。 野兎は見ていた。 達観とも呆れともつかぬ表情を浮かべる、中年の男の姿を。 その視線の先にある、不機嫌そうに先を行く女性と、必死で追いすがる青年の姿を。 「ユウナ、何でそんなにスネてるんだよ……俺、何か悪いことでもしたッスか?」 「別に、拗ねてなんかないよ」 「だったら、何でさっきから俺の方向いてくれないんだよ?」 「キミだってそうじゃない」 野兎は知っている。 青年は、ここにはいない仲間を案じる言葉だけを言い続けていたことを。 そして青年と同世代の少年二人、彼らが森の中で交わしていた会話は 単純に身体や心を労わっているだけとはいえなかったことを。 流行のスポーツ、自分達の町、欲しい物...
  • 【飛竜草】
    190話 243話
  • 【雑草】
    190話
  • 【満月草】
    12話 190話
  • 【目薬草】
    99話
  • 【山彦草】
    12話
  • 【弟切草】
    190話
  • 【いやし草】
    190話
  • 【毒消し草】
    12話 190話 282話
  • 520話
    第520話:殺意の欠片と眠れない夜 息を吸い込んで、胸に手を当てる。 冷静になれと自分に命じ、感覚を研ぎ澄ますことに集中する。 逃げる、戦う、交渉する。全てに共通して重要なのは、先手を打つこと。 そのために、存在を感じ、相手を捉え、動向を読み、思考を見透かす。 武器も魔法も扱えない以上、僕にできることはそれだけなんだ。 「近づくな」 立ち上がるティーダと、闇の向こうに立つ人影に声をかけた。 一見したところ、大型銃器の類は持っていない。 けど、油断は禁物だ。 こんな道を外れた山の中に、好き好んでやってくる人間がどれほどいる? 大抵は戦闘を見かけたお人よしか、クソッタレの殺人者か。 今の状況で前者は有り得ない。 緑のぷよぷよピエールや、ストーカー女アリーナの襲撃から時間経ち過ぎてる……と思われるし。 だいたい、今の状況で単独行動を行ってる時点で十分疑うに値す...
  • 340話
    第340話:素晴らしい力 「…なんだアレは?」 ハッサンとの戦いを終え砂漠を後にしたセフィロスの視界に、妙なものが映った。 人とも獣ともつかない何かが、ものすごいスピードで、こちらに近づいてくる。 「フン…まあいい」 セフィロスは村正を構える。 アレが何であれ、自分には関係はない。 来るというのなら切り捨てるまでだ。 低空を全身のバネを使って飛び回る。 奇妙な動きだが、捉えきれないほどではない。 セフィロスはタイミングを合わせ、村正を振り下ろす。 しかし、ソレは唐突に軌道を変え、斬撃をかわした。 そして、振り下ろした攻撃の隙を狙って、ソレは飛び込んできた。 口に咥えたナイフで、正確に首を狙う。 その攻撃を、セフィロスは左腕の甲で受けとめる。 すぐに刃を引き抜き、ソレは距離をとる。 貫かれた左腕から血が噴出す。 だが、そんなこ...
  • 【特毒消し草】
    282話
  • 436話
    第436話:Born to be free 「ふぅっ……」  何度目になるか分からない回復のための精神集中を終え、大きく息を吐き出す。  その効力は段違いに弱体化しており、特におそらく魔力を消費しすぎたためであろう疲労の方はいつまでも消え去らない。  チャクラはMPにかけてはほとんどその効果を失われていたが、それでも肉体の傷の方にはいくらかあてにできるようだ。  弾丸を抉り出した右肩、肉を削ぎとられた左太腿、簡易に止血したそれらはいくらかは回復し、すでに移動程度にはほとんど差し支えがない。  少しの無理程度で牙も持たぬ相手なら問題なく仕留められるだろう。  しかし――思い出せ。  自分が今まで戦ってきた相手のことを。  アグリアス。大剣を操り自分と互角に渡り合った女剣士。  フルート。細身にして強打、拳を肉体を凶器と化していた闘士。  ロラン。真っ直ぐな、そして勇敢...
  • 【ラリホー草】
    190話 243話
  • 195話
    第195話:運命にせよ、偶然にせよ 傷を負った身であったが、彼は平野へと逃げ道を求めた。 理由は二つ。 祈りの指輪を使いながらベホマを唱え続けたことで、辛うじて走れる程度にまで回復することができたため。 そして先ほど――ある人物が、じっとこちらを見つめているのに気が付いたためだ。 (はぐりん……?) 月光の下、銀色にきらめく液体金属のような姿。 何をするでもなく、ただ哀れむような視線をこちらに向けて。 草むらに半ば隠れるように、はぐりんはいた。 けれども、ピエールと視線が合った次の瞬間には――はぐりんの姿は、遠くへと消え去ってしまっていた。 顔見知りで、争いを好まない平和主義者のはぐりんだったから助かったのだ。 あれが他の人物であったなら。ましてや、殺し合いに乗った人物であったらどうなっていたことか。 (ある程度、戦場からは距離を取ったとはいえ…...
  • 532話
    第532話:ケフカ=パラッツォの実験 被験者・ライアンの場合 どこを走っていたのかさえ分からなかった。 何を疑っているのか? 何に臆病なのか? 「拙者は臆病者ではござらぬ!」 迷い歩く精神と肉体を立ち直らせるべく繰り返し繰り返し呟く。 そして、私は信じられぬ相手を見たのだ。 月の光があるとはいえ夜、だというのにはっきりと細部が認識できる。 魔族の甲鱗、爪、牙、鋭い眼光。醜く変貌した五体を持つその者の名は、デスピサロ。 戦慄する。 引き連れているのは魔族の従者であろうか。 何ということか、彼とこのような形で再会することになろうとは! だが、私とて勇者殿の仲間。この場面、この出会い、怯み、逃げるときではない。 「おおおおおっ!!」 鼓舞する如く、気合の咆哮をあげる。剣を振りかざし、倒すべき敵へと突進する! いつかと同じよう...
  • 443話
    第443話:消える灯、点す思い  蹴りを入れられた棚から派手な音を上げて本やら小物やらが床に散らばる。 「~~ッッ!! 何やってやがんだアイツらァッッ!!!」  荒げられた声の音源はサイファー。その原因は夕方の定時放送にある。  読み上げられた名前、失われた命――リノア。  家族を探す、と言い出したリュカを手助けしたいという彼女の意見に負けて別行動を許したのは半日前のこと。  同行者はリュカとジタン、一度は強敵を前に共に戦った間だ。二人は信頼しているしその力も理解している。  だが、いやだからこそ、リノアだけの名が呼ばれるという現実が苛立ちを増幅していた。  噴きあがる激情を分かりやすく表情に出したまま扉に手をかけるサイファー。 「サイファーさん、どちらへ!?」 「……すぐ戻る」  振り返りもせずに言い放って扉の向こう、残光の街へと出て行った...
  • 205話
    第205話:破滅への序章 一 テリーがレックスのあとを追いかけようとするのを、クラウドが止めた。 「何するんだよ!」 「死にたいのか!今、ばらばらになったら、ここにいるみんな、どうなるかわからないぞ!」 「じゃあ…ほっとくのかよ!レックスを…!」 「今はこうするしかない!」 「……」 テリーは黙った。そして、クラウドの背中に手をあてて、しがみついた。 「…お姉ちゃん、ほんとにもう…?」 その答えはわかりきっている。 いったいどこに、路上で、息もせず居眠りをする女がいよう? クラウドの肩が震えるのをみながら、テリーは、悲しげに視線を落として、闇にむかって叫んだ。 「レックスーーー!戻って来るんだ…はやく、戻って…!」 ややあって、静かに、しかし力強く、クラウドは武器を構えた。 いる…間違いなく、強力な何者かが、この近くに潜んでいるのだ。 レ...
  • 417話
    第417話:止まらぬ想い 『まぁいい、早くテリーを追おう。  混乱してるみたいだし、僕らで保護してあげないと……』 ラムザはアンジェロにそう促して移動しようとしたが、 肝心のテリーがどちらの方向にいったのか分からない。 「ねえ、君の鼻でテリーの居場所を探せないかい?」 『駄目だわ。さっきの落雷の影響であたり一面に木や地面が焦げる臭いが充満しているの。  しばらく待つか、もう少しここから離れないと……』 「そうか……あんまり長居はしたくないんだけど」 悩むラムザ。ふと視界の端に青いものが移る。 目をやるとそれはテリーの被っていた青いニット帽だった。 駆け寄って帽子を拾う。 「こっちの方向かな? どっちみち手掛かりはこれしかないんだ。  行こうアンジェロ。テリーの臭いがしたら教えてくれよ」 わん、というアンジェロの返事を聞いてラムザは青い帽子を被ると東の方角へと駆...
  • 431話
    第431話:カナーンの夕凪  一行は街の南口から入り、そこからすぐの家にとりあえず怪我人を運び込む。  それから、二人の面倒と守りをパパスに任せ、死者を弔うべく探索を兼ねてオルテガは再び外へ向かった。  ザックスを拾ったあたりを目指し、それからさらに通りの奥へ。  血の香りが次第次第に強くなる。  そこで、知った顔と見知らぬ後姿に会った。  首がない躯が揺れる白いコートの足元に転がっている。  物体としてそこにある知った顔はなんともいえない表情でこちらを見ている。  …仲間には、妹には、会えなかったのか。  いつか、いやそのうち必ず出会ったろう知り合いの死体に直面し、浮かび上がる激情を飲み込む。  黙祷代わりとは行かないが数秒間目を閉じ、それからこぼれるように小さく哀れな名前を呟いた。  焦燥を表情に出さず、町の中央に横たわる大きな橋を駆け渡る。...
  • 448話
    第448話:二人の懲罰者 「…で二十…七、か。明るいってのに随分派手に間引かれたな」  読み上げられたすべての名前の変化を確認し、名簿をザックへ放り込む。  聞いたことのある名前はいくつかあったが内容は自分には関係ない。ラムザの奴もまだ生きているようだ。  仲間でも死んだのか姫様がソロだシンシアだとやかましい。  年長二人はそいつをなだめるのが大変そうだ。  ライアンと婆さんはまあ分かってるって感じだがお姫様は今までもこんな調子だったのか?  それで自分がやったことが間接的な人殺しだけってんだから救い難いバカだ。もっとも同レベルの偽善者さんもたくさんいそうだが。  大体婆さんにしたって探してると言っていたドーガとやらは死んじまったし、本当に脱出できるのかねぇ。  バカと甘ちゃんの役立たずばかり残ったって何もできやしないぞ。  しかし、27人も減ればず...
  • 495話
    第495話:dark of inside 「………………ぅ~ん」  闇に産声を上げた飛竜は、その胎盤たる闇の中で目を覚ました。  目を覚ました飛竜は辺りを見渡そうとするも、その目に映るのは暗闇のみ。  既に日の光は完全に落ち消え、明かりの無い洞窟内は完全に暗闇に包まれていた。  だが、その完全な暗闇を穿つように遠方に僅かな月明かりが差し込んでいる。  飛竜はその光を頼りに、出口へと向かい緩く両翼をはためかせた。  洞窟より抜け出し、見上げた空は墨色に染まり、見下げた泉はただ天上の月を写すのみ。  眠りに落ちる以前の喧騒が嘘のように、その場は静寂に包まれていた。  静寂の中、飛竜は月下に翼広げ、自らの身に起きた変化を再認する。 「あ、夢じゃなかったんだやっぱり」  広げた翼は夜の闇に負けぬ漆黒。  その大きさも前よりも一回りは大きい。  戦闘能力...
  • 500話
    第500話:夜空に星を 昨日に続いてその晩も、ラインハットは騒がしかった。 一夜のうちに失踪した王と、その兄夫婦を探し、兵士達が国中を駆け回っているためだ。 けれども、彼らの働きを嘲笑うかのように、一向に手掛かりは見つからず。 皇太后がいくら怒鳴ろうとも、三人の足取りは掴めずにいる。 「ええい、誰も彼も怠けおって!  よいか! 王が見つかるまで兵には休息も睡眠も取らせるな!  これは我が国の存亡が掛かった一大事! 身を投げ打ち、死ぬ気で探せと伝えるのじゃ!」 無茶苦茶な命令にも、反論できる者はいなかった。 実際問題として、一国の王と、王位継承者が居なくなっているのだ。 デール王とヘンリー夫妻が見つからなければ、ラインハットを継ぐ者は幼いコリンズただ一人。 彼を王の座に立てるとすれば、皇太后が実権を握る形になるだろう。 だが、皇太后は…… 魔物に誑かされたと...
  • 402話
    第402話:運命の交差 『待て! 俺にあんたと戦闘する意思はない!』 口無しの効果によって話すことの出来ないザックスは掌を目の前に突き出し 制止の意を伝えようとするが、殺気を込めて歩いてくる剣士は別の意味に受け取った。 「呪文か! 唱えさせない!」 そう吐き捨てて剣士、テリーはザックスへと肉薄する。 いきなり攻撃を仕掛けてきた上に無言で掌をテリーへ向けたのだ。 彼がそう判断するのも無理はなかった。 テリーの初太刀をバスターソードで弾き返し、ザックスは更に後ろに下がる。 『ぐっ、マズイ!』 今のザックスは口を開くことができないため鼻で呼吸するしかなく、 それは彼の想像以上に体力を奪っていく。 『長々と戦闘を続けられる状態じゃねぇな。  話して誤解を解くことが出来ない以上、何とか逃げ出すしかない』 そう判断し、踵を返そうとするがそれをテリーは許さない。 「逃すか...
  • 204話
    第204話:守りたいもの 一人と一体は、数時間前地下牢にいた男女と、ほとんど同じ行動をしていた。 台所で、そしてこの階段前の廊下で、このゲームの被害者を目撃したのだ。 もう、物言わぬ被害者を。 彼ら…リュカとケット・シーの行動と、彼ら…キーファとリノアが辿った軌跡との違いといえば、 被害者の墓を作るのではなく暴いたことと、この廊下で尻尾の生えた若者に会わなかったこと位だ。 リュカ達が、わざわざ作られた墓を暴いたのは、探し人がいるから。 丁寧に埋葬された状態では、それが誰なのかはわからない。 暴いた墓の主は、探し人ではなかったけれど。 「昔、墓を荒らした魔物を退治したことがあったんだ」 リュカはそんなことを漏らしていた。 その行為は気持ちがいいものではない。けれど墓の主のほうは、そんなことではすまされないだろう。 確認を終え、墓を元の状態に戻した後...
  • 147話
    第147話:守りたい心 ガギッ! クラウドとパイン、それぞれの持つ刃がぶつかり合って嫌な音を立て、また離れる。 …もうこうして幾度、攻防が続いたことだろうか。 クラウドの体の芯には、澱のように疲労が溜まり始めていた。 (それでも…俺は負けるわけにはいかないんだ。) 参加者名簿に、死んだはずの彼女の名を見つけたとき。 死んでいるはずの彼女が、何故?と疑問が脳裏をかすめたのは一瞬で。 あとは、喜びのほうが大きかった。 今度こそは、死なせずに済むかもしれない。 今度こそは、守りきれるかもしれない―― ――だが、その望みは、僅か半日足らず。魔女が彼女の名を呼んだ瞬間に潰え去った―ー また、守れなかった。 また、死なせてしまった。 その事実が、何よりも痛切な悔恨となって、彼自身をさいなんだ。 悔しい。心が痛い――もうこんな思いは、嫌だ- だからこそ、残された仲間たち...
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