FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki内検索 / 「203話」で検索した結果

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  • 203話
    203話:奪い続けた結果 ギルダーは目の前にある不利な状況に、舌打ちをした。 数時間前。ギルダーは山沿いに東南方向へと向かっていた。 地図によると近くに湖があるらしいという事が判ったからだ。 飲み水の心配が無くなりそうではあるし、何より戦いで有利そうだ。 闇夜に紛れて湖の中へと放り込む等の、基本的で効果のありそうな策が使える。 だが、そんなギルダーは見つけてしまった。 近くにあった地下へと続く階段。闇に紛れて見逃しそうな建物にそれはあった。 中には地下室への扉がある。丁度良い。何か良い物があるかもしれない。 しかも誰かが潜伏していれば…急襲をかけて殺せば良い。 ギルダーは決心した。 中へ入って、良さそうであればそこでの潜伏も考えよう。 「成程ねぇ。全く、今日はお客さん多すぎだっての」 「セージさん、私も手伝うわ」 「いや、僕一人で...
  • 103話
    第103話:錯乱 「指笛?」 「そうッス。こうやって指を口に入れて…吹く!」 シューッ、と空気の抜けた音だけがする。 「うーん、出来ない」 蒼い髪の少女は、既に笑顔を取り戻していた。 「諦めちゃ駄目ッスよ」 ティーダとターニアが、まるで兄妹のように、指笛を練習している。 あんな妹がいたら良かったと、エアリスは思った。 平和、だった。彼女が現れるまで。 森を行く一つの影。 ティファは、森の暗がりの中を歩いていた。 右手には銃。 ――何を狩る訳でも無く。防衛手段だと、自分に言い聞かせて。 レーベを出て、何時間か歩いた。 鬱蒼と生い茂る森。ここで何を見つけることになるだろう。 その時はまだ、あまりの緊張感からか、近くにいる三人には気づいていなかった。 「誰か近づいてくる…?」 エアリスが、何者かの気配を感じた。 その方向を見やると、タンクトップ...
  • ビアンカ
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  • 【ライトブリンガー】
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  • ギルダー
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  • 【ファイアビュート】
    63話 108話 144話 203話 357話 438話 454話 455話 508話 522話 525話
  • タバサ
    ...5話 200話 203話 213話 216話 218話 226話 227話 235話 244話 245話 259話 271話 335話 336話 339話 357話 359話 372話 390話 438話 454話 455話 476話 479話 489話 496話 508話 525話 542話 561話
  • 【手榴弾×5】
    6話 61話 203話 357話 480話 484話
  • 303話
    第303話:ベアトリクス強襲 ―?…ああ、なんじゃ。人の声か…。 「さっきの爆発音といい一体何があったんだい?酷い有様だねぇ?」 「爆発音の割りに燃えたという感じがしないあたり、おそらくフレアだな」 わずかに意識をつないでいたフライヤの耳に誰かの声が聞こえる。 「こっちのモンスターは既に事切れている」 「この男はまだ息があるね。よーし、ちょっと待っとき。今回復してやるからね。  ザンデ、辺りの警戒を頼むよ!」 体はもうほとんど動かない。視界も霞の中。 人とものの判別もつかないが、誰かがやってきたようだ。 ―伝えなければ。危険な連中、カインやスミスのことを― 「ウネ、あそこにも誰かいるようだ。わしが見てこよう」 仲間に声を掛けて、背の高い影が動き近づいてくるのがわかる。 フライヤは最後の力を使って顔を上げ、 「む?こっちもまだ息があるのか」 目の前の影に...
  • セージ
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  • 503話
    第503話:EYES ON ME 暗い井戸の底、ひとりの男が、目の前の瀕死の緑髪の男を見て苦悩していた。 「…緑色の髪の男に遠くから射撃された……  ……リノアとかいう連れがいたそうだが、彼女は助からなかったらしい…」 数時間前に、カインから聞いた言葉が呼び起こされる。 目の前にいる男が、リノアを殺したのか?そうであれば、この男を許すことはできない。 男が手に持っている銃、これがリノアを殺した凶器なのかもしれない。 だが、もしこの男がリノアの死と何の関係もないとしたら? 彼の傷の具合からして、早急な治療がなければ、そのまま帰らぬ人となるだろう。 そして今、彼を助けられるのは自分たちしかいない。 スコールは苦悩していた。自分が選ぶべき選択肢に。 上の方から、自分の名前を呼ぶ、マッシュの声が聞こえる。 ふと上空を見ると、赤い光が目に...
  • 403話
    第403話:四つの署名 ピエールは走りながら必死に次の一手を考えていた。 カナーンからの脱出は成功したものの、黒髪の少年が自分を追っている。 自分は今傷を負った状態だが、一方の相手はどうやら身体への異常はない。 このままではまずいと思い今も逃げているが、やはりこの様な状況では不利だ。 後ろを見ると、黒髪の男との距離は近くなっていた。 決めた。こうなればもう仕方が無い。使用回数がどうのと言っていられる状況ではない。 ピエールは妖術師の杖を構え、一直線に自分へと向かう黒髪の少年に光弾を発射した。 それは見事に当たり、相手の動きは鈍くなった。 だがそれでも少年はこちらになおも向かう。恐ろしい執念だ……やられる! 急いでもう一度、妖術師の杖を振った。使い切る事も惜しまずに。 そしてその賭けは……勝ち、らしい。 サイファーはアルスを追って走っていた。 アルス...
  • スコール
    43話 90話 96話 107話 159話 140話 143話 164話 185話 263話 272話 280話 305話 351話 393話 405話 420話 427話 434話 459話 492話 500話 503話 511話 515話 535話 541話 546話 547話 554話 553話 556話
  • マッシュ
    43話 90話 96話 107話 159話 140話 143話 164話 185話 192話 263話 272話 280話 305話 351話 393話 405話 420話 427話 434話 459話 492話 500話 503話 511話 514話 523話 539話 546話 547話 554話
  • ターニア
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  • 【ティナの魔石】
    93話 96話 140話 420話 503話 523話
  • 【コルトガバメント(予備弾倉×5)】
    10話 103話 111話 117話 140話 263話 272話 297話 330話 435話 483話 520話
  • ヘンリー
    5話 62話 69話 79話 101話 108話 152話 161話 168話 173話 176話 178話 184話 201話 217話 229話 236話 267話 282話 313話 320話 343話 377話 380話 398話 423話 430話 441話 447話 471話 461話 458話 500話 503話 511話 515話 533話 541話 546話 547話 554話
  • サイファー
    9話 48話 98話 121話 130話 189話 196話 204話 205話 206話 228話 231話 237話 238話 241話 247話 248話 249話 260話 268話 283話 349話 351話 397話 402話 403話 425話 431話 443話 448話 453話 459話 492話 497話 516話 528話 539話 546話 547話 554話
  • エアリス
    33話 41話 72話 103話 120話
  • ティーダ
    41話 72話 103話 120話 150話 246話 269話 304話 331話 341話 356話 370話 373話 401話 424話 438話 454話 455話 476話 481話 491話 494話 506話 509話 520話 534話 548話 559話(前編)? 559話(後編)?
  • ティファ
    10話 103話 111話 117話 133話 140話 143話 164話 185話 192話 263話 272話 296話 297話 301話 330話 340話 435話
  • ザンデ
    59話 180話 183話 303話 345話 382話 399話 423話 434話 436話 451話 463話 466話 474話 482話 491話 494話 504話 507話 521話 532話 544話
  • ウネ
    59話 180話 183話 303話 308話 358話 378話 395話 404話 414話 448話 453話 473話 510話 518話 536話 543話 555話
  • 【ふきとばしの杖】
    33話 41話 103話 356話 424話 449話 483話
  • 【鋼の剣 】
    41話 103話 120話 494話
  • フライヤ
    40話 106話 127話 159話 187話 199話 233話 294話 298話 303話 308話 309話 312話 315話 330話 393話
  • ライアン
    84話 170話 273話 278話 279話 290話 298話 303話 308話 358話 378話 395話 404話 414話 448話 460話 473話 486話 510話 518話 532話 543話
  • ティナ
    27話 85話 93話 140話 503話 539話
  • 【アルテマソード】
    100話 132話 182話 303話 308話 309話 393話
  • 【君主の聖衣】
    100話 132話 182話 303話 308話 309話 393話
  • 【癒しの杖】
    180話 183話 303話 510話 536話
  • アルス
    74話 88話 109話 179話 232話 234話 243話 244話 245話 265話 270話 348話 389話 396話 397話 402話 403話 406話 438話 466話 470話 485話 490話 524話 526話 552話 557話
  • 【青銅の盾】
    41話 103話
  • ベアトリクス
    100話 132話 182話 303話 308話 309話 312話 315話 316話
  • 【ようじゅつしの杖(6)】
    379話 386話 403話 489話 525話
  • 【血のエンゲージリング】
    100話 132話 182話 303話 308話 309話 325話
  • レオンハルト
    78話 132話 182話 225話 264話 287話 298話 334話 354話 403話 406話 438話 466話 470話 524話 526話 549話 557話
  • ピエール
    25話 80話 81話 122話 129話 141話 159話 195話 276話 277話 281話 297話 299話 342話 344話 350話 379話 385話 386話 402話 403話 410話 417話 419話 446話 449話 456話 469話 477話 489話 496話 508話 522話 525話 542話 559話?
  • 13話
    第13話:伝説のガードとして 「どーせならもうちょっと気分のいいところからスタートしたかったよね」 ぶすっとした顔で独り言を言うリュック。 薄暗い洞窟の壁によりかかり、彼女はこれからのことを考えていた。 殺し合いをするべく集められたメンバー――あの部屋の中には彼女の見知った顔もあった。 ユウナん、パイン、そして 「ティーダにアーロン……か」 再会することは恐らくないと思っていたが、こんな形で再会できても嬉しくない。 もっとも、彼らのことだから、よっぽどのことでもない限りこんなふざけたゲームには 乗らないだろう。それが唯一の救い。 「うっし、とにかく皆と合流しなきゃ!」 両頬をパン!と叩いて気合いを入れると、ふと思い出したように彼女は袋の中身を覗き込む。 ナイフ、スカート、それから――何これ?傘? とにかく、ナイフがあるのはあり...
  • 53話
    第53話:罪悪感 「ごめんなさい… ごめんなさい……」 さっきから私の口から出る言葉は"ごめんなさい"だけ…。 椅子に座っていた男女を床に寝かせ、手に持つ短剣を使って首を切断する。 首輪に刺激を与えない様に、慎重に。慎重に…。 宿り主が死んだ今でも、首に装着された金属の輪は怪しく光輝いている。 あまり気分の良い行為じゃない。というより悪い。 殺人を犯しているのと同じではないだろうか? だが、自分は何の迷いも無く首を切断している。そんな自分が恐ろしくも感じる。 でも、私にはこうするしか方法が無いの。 戦闘の経験なんて無いし、この殺し合いの中で最後まで生き残る自信なんて無い。 もし戦闘が出来たとしても、私には彼――スミスを殺す事なんて出来ない。 もちろん他の人を殺す勇気なんて物も無い。 だから私はこのゲームから脱出する方...
  • 273話
    第273話:待機 また一人、逝ってしまった。 いくら手を伸ばしても届かないところで、 いくら目を凝らしても見えないところで、 堕ちてしまったのか。 運命に導かれし者達が、運命に弄ばれ、運命に立ち向かい、運命に捨てられていく。 悲しい現実に、仲間の死に、自分の無力に、思わず嘆息し、 戦士は、冥界の戦友達のために、目を閉じ暫し合掌した。 今まで戦士――ライアンは、誰一人として出会うことはなかった。 或いはそれは、運が良いのかもしれない。 だが、一人では、誰かを護ることも出来はしない。 そして、それは、彼にとって苦痛でしかないのだ。 「うん?」 目を開けると、視界の端に、僅かに蒼い渦の存在が見て取れた。 「旅の扉…」 これに入れば、次のフィールドに移動できるのだろう。 だが、彼はその傍に腰を下ろし、暫しの時を待つことにした。 誰か...
  • 23話
    第23話:エンジニアの集中力 デッシュは大陸に辿り着いてからずっと、その支給品に夢中になっていた。 自分の世界では見たことの無い形状の武器と、水晶のような玉。 見たことも聞いた事も無いそれの仕組みを完全に理解したいと思うのは、自分がエンジニアであるが故か。 既に最低限の使い方は付属の説明書でわかってはいるのだが… ちなみに説明書の方は主催者のご丁寧な配慮か、上のほうに黒インクで"安易版"と書かれていたが…デッシュには余計なお世話であった。 武器のほうは拳銃、名前はウインチェスターという名の…いわゆる遠距離戦専用武器らしい。 水晶のような玉のほうはマテリアといい、凝縮した魔力を宿しているという。 そして、マテリアは専用の武器にはめないと扱うことが出来ない、と。 (といっても俺は元々、基礎魔法も使えないからなあ…術者に魔力が無くても使える...
  • 3話
    第3話:ジタンの現実 あの衝撃的なアクシデントから、場の空気がぴんとなったのがわかった。 血…本物の血だ!これは夢でもなければ劇でもない、現実だ! 赤い飛沫はそう叫んでいるようだったけど、あまりに非現実過ぎた。 アーヴァインとかいう軟弱そうな男が出てから少しして、今度はアーロンってヤツが呼ばれた。 アーロン…体もでかけりゃ剣もでかい…あんなのがいるのかよ。 行く前に俺たちの方を見てたな…誰か探してるのか? 次に呼ばれたアイラって人は、凄い綺麗で…どこかの踊り子さんか?ああ、こんな場じゃなければ声かけるのになあ…。 そのあと、アグリアスっていうこれまた綺麗な金髪の女性が呼ばれた。 声をかけるのが躊躇われるような、近寄りがたい感じ。 いやいや、ああいう子が案外男ができると変わったりするんだ…でもちょっと年上すぎかな。 そのときだった。 ...
  • 193話
    第193話:今日のところは デールは、ヘンリーの下から撤退した後、近くの山間部の方向へと走っていた。 疲労がたまるので、別に馬鹿正直に山間部に行こうとは思わない。 しかしその近くまでは行く予定だ。灯りも無い場所は潜伏が容易だからだ。 だが…… 「もうすぐ尽きるのか?」 愛用していたマシンガンの残り弾数に気がついたのだ。 見るともう1/3ほどしかない。これではしばらく長期戦など無理だ。 アラームピアスがあるが、やはり心強かったこのマシンガンに不安があるのは頂けない。 「この武器も、少しはしゃぎ過ぎたかな……」 銃弾を補給したいが、レーベの村に戻るのも危険だ。 というか、この世界には銃弾というものが無いのかもしれない。 デールも説明書を読んで理解しただけだ。ラインハットと同じような技術力で、こんなものがあるとは考えにくい。 「まぁいい。...
  • 83話
    第83話:焦り アリアハン城門前、暗い表情で地図を眺める男が一人。拳法着に身を包んだ青年、ジオだ。 彼の心は重い。 ゲーム開始早々攻撃を仕掛けられ、南に逃げ出したジオの目に留まったものは、平原からさらに南にあるアリアハンの城だった。 (城…目立つな。危険だが…もしかしたらあいつもいるかもしれない) そう考えたジオは、アリアハン城を目指しさらに南へと走った。 しかしこの決断は、彼にとっては良くない結果をもたらす。 もしもこの時、城に気付かずに橋方面に向かっていれば、求めている人に会えただろう。 しかしそれは運命の悪戯か、不幸な偶然か。ここで二人が出会うことは無かった。 「どこにいるんだ…アルカート…」 ぽつりと呟く。この街に来るまでの平原一帯と、この街はもう探し尽くした。 道中、知らない人間なら何人も見た(ゲームに乗っていなさそうな人間にはアルカートの事...
  • 63話
    第63話:占われた者の―― 爽やかな潮風と波の音を聞きながら、ビアンカは支給品の袋の中を探っていた。 彼女が放り出された場所は、周囲に人の気配もなく、静かなところ。 だが、子供達や家臣、仲間の魔物、そして愛する夫が側にいないという状況は 今のビアンカにとって不安を増大させるものでしかなかった。 「とにかく、自分の身は自分で守らないと…」 呟きながら取り出したのは、飾りけのないサークレットのようなもの。 自分の頭には少し小さいかもしれないが、防具には変わりないだろう。自分のような 非力な人間でも装備できそうだし、魔力を秘めた特殊な防具だったりして…。 ビアンカは、そんな希望を感じながらそれを身に付け―― そして、『それ』を見た。 「…え?」 胸に剣を突き刺されて倒れているレックス。炎に焼かれて地面に転がっているタバサ。 無残な子供達の姿の向こうには...
  • 293話
    第293話:Out of Curiosity まずい。 セフィロスの思考はこれだけであった。 先程から旅の扉を探していたのだが、一向に見つからない。 彼はまさか井戸の中に扉があるとは思わず、ずっとうろうろとアリアハンを歩いていたのだ。 先程奇妙な本を見つけ、袋の中にしまってはあるが今現在自分が欲しいのはそれではない。 先程奇妙な杖を見つけ、袋の中にしまってはあるが今現在自分が欲しいのはそれではない。 先程奇妙な盾を見つけ、袋の中にしまってはあるが今現在自分が欲しいのはそれではない。 自分が欲しいのは、旅の扉の場所の情報だ。 それに黒マテリアも見つかっていない。あれは非常に良いものなのだが。 とにかく紛失したものは仕方が無いし、これ以上アリアハンにいるのも無駄だ。 と、唐突に何者かの気配を感じた。二人分だ。 今自分がいる場所はボロボロの酒場の...
  • 333話
    第333話:自信喪失 「ぐ……ごほっ、ごほっ、…」 綺麗な、黄緑色の草の上にギルガメッシュの赤い体液がぽたぽたと落ちていく。 腹に突き刺さっていた銅剣を、強引に抜き出したせいで余計に体力が失われる。 痛い。シャレにならないくらい痛い。 だが、そんなことよりも、 「ちくしょう…サリィ…」 ギルガメッシュは地面をたたいた。 口は悪いけれど、自分が絶望していたときに励ましてくれたサリィ。 一緒にいた時間はそれほど長くはないけれど、仲間だった。 ――正直、まだ、サリィが死んだのだとあまり実感できていない。 それは、『あの出来事』があまりにも唐突で一瞬のことだったからかもしれないし、 …それとも自分は、どこかで自分たちだけは死ぬはずがないと過信していたのかもしれない。 フリオニールの精神状態のことも、どこか楽観視していたように思える。 『なんとかなる』と。 ...
  • 33話
    第33話:記憶 レーベ北西の草原に、一人の少女がいた。 その蒼い髪の少女は、涙を止める術を知らない。 記憶の中で飛び散った鮮血が、何度も何度も彼女の瞳の中を染め上げる。 少女は、無防備ともいえる状態で、草原の真ん中で突っ伏していた。 蒼い瞳に浮かぶのは、勇気ある一人の女性。 ――あまりに無残に、その生涯を終えさせられたその姿を。 ――紫の髪を、血の池に横たえた、最初の犠牲者の姿を。 少女はかつて父も母も失った。 ともに安らかな死に顔だった。 お前を一人残していくのはつらい、と呟いて逝った。 それが死ぬことだと、今までそう思ってきた。 だが、その女性は最後の一言も発する事無く、絶命した。 きっとこのゲームでは、多くの人がそうやって死んでいくのだろう。 安らかな死など、認められないこの世界の中で。 止まらない涙を拭き、体を起こす。 こ...
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