FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki内検索 / 「399話」で検索した結果

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  • 399話
    399話:送還 走っていた。 ダーツが抜け落ちた腕の傷からは赤い糸が伸びている。 胸の傷から流れる血は衣服を赤く染め、痛覚で激しく警告を発しているはず。 だが、今は伝わらない。 右腕には血にまみれた一振りのナイフを握り締めて。 顔は泣きつかれて憔悴しきったような表情を貼り付けて。 取り付かれた様によろよろと走っていた。 先発した二人を見送った後、 ザンデはじっくりと地図を見ながら今後の動きについて計画を練っていた。 明朝にここで待つことを宣言してしているから動ける時間は残り18時間程。 不測の事態に備えて、また目的のため丁寧に行動することを鑑みて、 ウル~カズス~サスーン城と移動、そこで折り返しここへ戻るというルートを定め、 それから魔王と呼ばれた男は移動を開始すべくゆっくりと腰を上げる。 出口直通の魔方陣で一瞬で外へ。 日光の下に出てすぐに、こち...
  • 99話
    第99話:偵察者 「二人、死んだか。あの銀髪の二人組がやったのか?やつらには要注意だな」 男はナジミの塔の最上階で先ほどのセシルとガーランドの戦いの一連の流れを見ていた。 名をアルガスといった。没落した貴族の一族の末裔である。 初めは自分で他の全員を殺そうと考えていた。が、様子を伺っている内に、 竜王のように1対1ではとうてい勝てそうもない参加者がいると分かった。とるべき行動は決まった。 他人を利用するのだ。残りの数人となるまで。そして、消耗したところを狙って殺す。 あとは、それまでに集めた道具を駆使して勝ち抜けばいい。自分が動くのは、最後の最後でいいのだ。 どこの馬の骨かも分からない連中と一時的にでも組むのは正直反吐の出る思いだったが、生き残るためには仕方がない。 できるだけ強く、ゲームに乗っていない人物で、そして裏切りが容易そうな人物を探そう。 支給...
  • 299話
    第299話:Lex Aeterna 何が起きたのだ、何が起きたというのか。 私は死んではいないのか、何故なのだ。 思い出せ、思い出すんだ。 先程あの男の爆発で私は吹き飛ばされたはずだ。 今の私では確実に死んでいた……はずだ。 しかし何故生きている! あの女と共に爆風によって散ったであろうに! ……そうか。 あの男は怒りに満ちていた。 正常な判断ができずに私ではなく女のほうを重点的に狙ったのだろう。 そうとしか思えない、そうではないと説明が出来ない。 私が今の爆発で殆どダメージを受けずに、吹き飛ばされてはいるがここに立っている理由はそれしかない! 砂の霧が晴れた。ほら、あの女は見えない。 吹き飛ばされたのだろう、辺りには私しかいないではないか。 私はまた幸運に生かされたのだ。 呪われているのかと思う程の幸運で、確かに。ここに。 ...
  • ザンデ
    ...5話 382話 399話 423話 434話 436話 451話 463話 466話 474話 482話 491話 494話 504話 507話 521話 532話 544話
  • 【チキンナイフ】
    31話 384話 399話 423話
  • レナ
    ...0話 384話 399話 414話 423話 430話 447話 452話 461話 487話 492話 497話 501話 511話 546話 547話
  • 199話
    第199話:えふえふ 城下街で悲劇が起こる中、ジタン、リノア、キーファの三人組は未だ本を読み漁っていた。 「あ~~!みつからねー」 読んでいた本を投げ飛ばし、キーファは横になった。 すでに横になっているジタンは俺の攻略本を読んでいた。 『邪法の心得』、『呪いにおける精神分析』、…etc. 呪いのことは書いてあっても解除手段についてはどれもぼかしたような表現しかない。 しかも、呪いの効果は使用者によってまちまちのようで、魔女の呪いなんてたまったものじゃない。 「ーっ、なんだこれ!?こんなものまであるのかよ!」 攻略本を読んでいるジタンがいきなり声を上げた。 「何が書いてあったんだ?」 キーファはジタンの持っている攻略本を覗き込む。 すると、アイテム紹介の欄にこう書かれていた。 えふえふ【左手装備】 形状不明の謎のアイテム。 一説...
  • 499話
    第499話:未完の魔手 「どーゆうことだよ!」 砂の上で足を止めて前を行く二人へと大声で疑問を表現する。 訥々と目的地でのできごとの詳細を証言していたアルス、聴いていたオルテガが同時に振り向く。 「だいたいアルス、最初からカインをまるっきり敵扱いってのはなにさ!? ちゃんと説明してほしーね!」 「………逆に聞きたいな。どうして君はカインの肩を持つんだい?」 「ハァ!?……カインはエッジの仲間で、えーと一緒に世界まで救ったそれはかけがえのない大事な仲間なんだよ!  それがいったいどうしてそんな話になるのさ? おかしーよ!」 「それだけかい?」 「それだけ!? 何その言い方っ! エッジはあたしを助けてくれて、それからねえ……」 「ユフィよ、落ち着け。アルスも挑発は止せ。とにかくまずは言い分を全て出し切ろうではないか。  アルスは何を以ってカインを敵だと見るに...
  • アルガス
    99話 166話 172話 230話 254話 283話 289話 339話 378話 395話 404話 414話 439話 448話 460話 473話 486話 498話 510話 518話 530話 544話 555話 話?
  • カイン
    4話 31話 94話 119話 154話 160話 168話 171話 178話 181話 184話 187話 199話 233話 294話 298話 336話 339話 359話 375話 376話 394話 401話 405話 409話 415話 418話 421話 434話 457話 464話 465話 470話 498話 510話 518話 536話 560話
  • フライヤ
    40話 106話 127話 159話 187話 199話 233話 294話 298話 303話 308話 309話 312話 315話 330話 393話
  • ジタン
    3話 83話 115話 153話 157話 199話 211話 209話 221話 223話 224話 227話 241話 247話 248話 249話 260話 268話 326話 346話 352話 362話 374話 387話 426話 439話 456話 469話 477話 481話 489話 496話 529話 542話 552話 562話
  • ユフィ
    35話 54話 119話 154話 180話 183話 208話 255話 293話 295話 307話 341話 405話 394話 407話 427話 434話 450話 463話 466話 478話 490話 499話 524話 526話 549話
  • オルテガ
    55話 128話 163話 291話 302話 305話 322話 388話 396話 402話 416話 425話 431話 468話 478話 490話 499話 524話 526話 549話
  • 139話
    第139話:虚無の襲撃者 クラウドは逃げた。夢中で走った。 ――大きな建物と町らしいものが見えてきた頃、地鳴りと轟音が彼を転倒させたが、それが彼をかえって落ち着かせた。 虚空のスクリーンに現れた魔女が、次々に死者の名前を読み上げてゆく。 「バレット…エアリスも」 彼は地面に膝をついたまま、拳を握り締めた。が、悲しむ余裕など無いのもわかっていた。 ユフィ、シド、ザックス…そしてティファ。彼らは果たして無事だろうか。 早く探し出さねば。その思いが彼を立ち上がらせる。 追ってきたはずのセフィロスと、もう一人はどうした? 辺りを注意深く見回すと、遥かに見える岩山のほうから、一人の黒髪の女が歩いてくるのが見えた。 「この辺は危険だ!早く…」 逃げろ、と言おうとして彼は息をのんだ。女の瞳を、見てしまったから。 赤い瞳にあったのは、殺意でも、狂気ですらなく。――ただ、深淵。 ...
  • ピエール
    25話 80話 81話 122話 129話 141話 159話 195話 276話 277話 281話 297話 299話 342話 344話 350話 379話 385話 386話 402話 403話 410話 417話 419話 446話 449話 456話 469話 477話 489話 496話 508話 522話 525話 542話 559話?
  • フリオニール
    0話 16話 69話 79話 101話 108話 148話 182話 225話 264話 287話 298話 334話 375話 376話 389話 407話 420話 427話 434話 434話(後編) 457話 464話 465話 470話 485話 499話 519話 524話 526話 549話 557話
  • 239話
    第239話:ラムザ君の憂鬱 「はあ…」 丘の上から黒い海を見下ろしながら、ラムザはため息をついた。 あれからずっとアグリアスさんを探していたが、とうとう会えなかった。 というのも、彼の場合探す方向が悪い。 ゴルベーザと話した後、彼はよりによって東、つまりアグリアスが居る所とは真逆の方へと向かってしまったのだ。 そうして今、アリアハン大陸の東の森、その最果てから海を見下ろしているわけだが。 それにしても、あのアルティミシアと言う魔女は一体何者なのだろう。 僕らを突然この見知らぬ大地に送りこんで、殺し合いをしろとはどういうことだ? それに、日が沈む直前に現れたときのあの顔。まるで人が死んでいく様を楽しんでいるような表情だった。 ――三十一名…予想以上に良いペースだな。その調子で裏切りと殺戮を繰り返すが良い―― ふざけるな。何が「良いペース」だ。 こんな意味の無い...
  • キーファ
    58話 91話 115話 153話 157話 199話 211話 209話 212話 221話 223話 224話 227話
  • リノア
    91話 115話 153話 157話 199話 211話 209話 212話 221話 223話 224話 227話 241話 247話 248話 249話 260話 268話 326話 346話 364話 368話 424話 426話
  • 39話
    第39話:誕生!スーパーボンバーマン うおおおおおーーーーー!!」 雄叫びを上げ、自らを奮い立たせるモヒカン男。 正義をこよなく愛する男、ハッサンである。 彼は、心底怒っていた。 主催者アルティミシアに対して。 このゲームに対して。 そして、最初の広間で女性が殺されたとき、何もできなかった自分に対して。 こんなところで死んでたまるものか。絶対に、生きて脱出してやる。 そして、あいつをブン殴る。そう心に決めたハッサンであった。 しかし、気合いと怒りだけで脱出できるはずがない。 首輪をどうにかしないといけないし、アルティミシアに一人で勝てるはずもない。 同士を募り、アイテムを集めなければならない。 「おっと、そういや、オレの支給品は?」 ハッサンが袋を探る。出てきたものは3つ。 神秘の鎧。歩くだけで体力が回復するスグレもの。結構カッコイイ。 奇跡の...
  • 【地獄耳の巻物】
    99話
  • 【ミスリルの小手】
    27話 96話 152話 168話 181話 184話 199話 470話 518話 536話
  • 【えふえふ】
    106話 199話 298話 415話 470話
  • 339話
    第339話:人と焦りと不愉快と カイン達4人が森を進んでいた。静かに、ただ静かに進んでいた。 そして、セージとタバサが何度目かの地図のチェックをしている時に、カインは気づかれぬようにスミスに話しかけた。 「とりあえずお前の気持ちは汲み取ってやる…隙あらば殺してやる」 (ああ、本当に頼むよ。うざったくて堪らない) 「……だが、それはもう少し待ってくれないか?」 (…………はい?なんでだよ、言ってる事が違うじゃないか!) 念を送り、返事をするスミス。だがそれは納得のいっていない返事だ。 当然だ。早く殺して欲しいのにそれを待てという。どういう事か。 (どういう事?まさかしばらく利用する為に猶予を与えるとか?) 「それもある…だが、俺たちはこの世界をまだ良く知らない。城に到着してここの事をよく調べてからでも良いだろう」 (成程…迂闊過ぎるのは危険だしね。でも城に着いた...
  • 【目薬草】
    99話
  • 【アイスソード】
    106話 127話 187話 199話 298話
  • 【攻略本】
    58話 91話 153話 157話 199話 211話 293話 374話 446話 517話
  • 【ランスオブカイン】
    4話 31話 154話 168話 171話 178話 181話 184話 187話 199話 298話 336話 376話 401話 415話 418話 434話 470話 498話 510話 518話 536話
  • 439話
    第439話:Just before dark 「見えた!あれがカナーンね!」 「あっ、おい!」 アルガスの声も気にせず、アリーナは駆け出す。 もう一人の自分は、どこで何をしているのか。 取り返しのつかないことになっていないといいが。 彼女は彼女なりに、もう一人の自分について責任を感じていた。 どんな子であろうと、確かに彼女はアリーナが生んだのだ。 「早くこないと、おいて行っちゃうからねー!」 後ろへ声を張り上げ、足に力をこめる。 もし、悪いことを続けているなら、自分が止めなくてはならない。できるだけ早く。 夕焼けに赤く照らされながら、アリーナは駆ける。心は急いている。 あの人はきっと無事だと、ロザリーは信じていた。 大事なのは、放送で自分の無事をあの人に伝えることができるということ。 放送で呼ばれる人や、その仲間の人のことを考えると胸が痛んだが、 ...
  • 539話
    第539話:雷鳴が止むとき 【マッシュVSブオーン・前】 「こいつは、骨だな」 ダメージから判断するなら、虫の息。 けれど何か。そう、執念とも言うべき精神力がこの獣の命を繋ぎとめている。 ほとんど身じろぎさえしなくなった肉の塊に連撃を叩き込み、離れる。 ただひたすらにマッシュが繰り返す攻撃も、まるで効を奏しているように見えない。 「……先に俺の拳の方が音を上げそうだ」 いかづち降り止まぬ空を一瞬だけ見上げ、地面を蹴る。 わずかに逃げ遅れ、マッシュの身体を大電流が駆け抜けていく。 「っ!!」 苦痛は歯を食いしばって飲み込み、声に出さない。 バッツはソロを背負って助けを求める誰かのもとへたどり着けただろうか。 救いの手を、届けられただろうか。 俺達は同じ戦場で共通した敵、そう、理不尽な不幸、そしてとんでもない悪意と戦っている。 ...
  • 49話
    第49話:最後の抵抗 「ほっほっほ…」 いつものように笑ってみる。 邪悪な表情と禍々しい雰囲気に包まれたゲマは、森の中に佇む。 魔女。それは即ち自分であり、その信念は揺ぎ無かったはずだが。 このゲームの開催者の魔女は、遥か自分の上を行き、 決して追いつけはしないだろうと思わせた。 ――魔族に君臨する王の側近として名を馳せたこの私が、この小汚いゲームなどに参加ですか? あの日殺したはずの薄汚い男と、その息子に殺されたはずの私がまた殺し合えと言うのですか? 馬鹿馬鹿しい。 これでも、嘗ては魔族において高位であった身。 二度もゴミ同然の人間に殺されることはないでしょう その程度の自尊心は、持ち合わせているのですよ。 邪悪なその姿は、自らの放った炎に包まれた。 「アルティミシアと言いましたね?貴方の思い通りにはなりませんよ」 森の中に、甲高い...
  • 59話
    第59話:二人は 「それにしても、まさかあんたまでここに居るとはね…」 「それは、こっちの科白だ」 そういって男は空を仰ぐ。 それにつられ、隣の女も空を仰ぐ。 少しの時間空を見て、女は口を開いた。 「あんたは、このゲームに乗らないのか?お前のような- 「あたりまえだ」 女の言葉をさえぎった男の言葉に、女は目を丸くする 「わしが憎むのはノアとノアがいた世界。この世界に滅ぼすものはない。まあわしを襲うやつのことは言うまでもないが」 「おやおや、魔王とも呼ばれた男が…もうそんな考えはすっかりなくしたと思っていたが」 「ふっ…そうだったのかもしれん」 「?」 「この世界に降り立ってすぐにお前とあったそのときはノアの恨みを思って殺そうと思ったが… お前の目を見たらそんな自分が馬鹿らしくなってな。さっきも言ったが、わしが滅ぼすのはノアとノアのいた世界。お前たちではな...
  • 89話
    第89話:理由 「無残ね…」 赤いマントに身を包んだ女性、アイラは、吐き捨てるように言った。 スタートからずっと歩いてきて、見つけたのは二つの死体だけ。 金髪の少女、そしてこの男。 …おそらく殺したのは同一犯だろう。 切り口の鋭さは違えど、おそらくは同じ剣で斬られていた。 男の開いたままの瞼を閉じようとして身を屈めたとき、彼女は気づいた。 「…?」 死体の傍に、剣が無造作に捨ててある。 切れ味はよさそうだけど。 …少女や男の道具を全て持ち去った人間が、どうしてあの剣だけを置いて行った? アイラはそれを拾い上げた。 「…重い…」 これまで持ったどの剣よりも、重かった。 しかし、アイラはそれをまた捨てるような事はしなかった。 武器らしい武器は一つも持っていなかったから、それを捨てるのは少し恐ろしかったのだ。 アイラは再び立ち上がった。 ...
  • 9話
    第9話:ロマンティックな夢を求めて ロマンティックじゃねえな、とサイファーは思った。 このゲーム、この状況、不満に思うのは当たり前だが サイファーの抱えている不満は、普通の人が思うそれと少々ベクトルが違う。 殺しあうことに抵抗感があるわけではない。 敵の命を奪えないようではSeedはおろか、ガーデンにすらいられない。 問題は、自分が百人の中の一人に過ぎないということだ。 これがもし、「千人と戦って勝ち抜け」という内容だったら喜んで従っていただろう。 自分一人だけが受け立つ者だからだ。 千人の挑戦者を切り捨ててなお、会場に立ちつづけるチャンピオン。そこには英雄のロマンがある。 だが、今はどうだ。 チャンピオンでもない、魔女の騎士でもない。司令官でもない。 特別でもなんでもない、百個以上ある駒の中の一つ。 それが今の自分だ。まったくもって夢の...
  • 319話
    第319話:焔色のサラマンダー 岬の洞窟から駆け出したサラマンダーは、森の木の上に身を潜め静かに待っていた。 追撃が来ることを予想し、森で待ち伏せていたが当てが外れたようだ。 だが、うかつに動き回るよりも、一箇所に身を隠し待ち伏せしたほうがいいと考え。 その後も参加者が通るのをそこで辛抱強く待ち続けた。 しかし、幸か不幸か参加者がサラマンダーのテリトリーに来ることはなかった。 こういう殺し合いのサバイバルならば自分の殺し屋である領域だ。 人を殺すことに躊躇いなどはない。 だが、気がかりはジタン達だ。 あいつ等が勝手にくたばるのならば知ったことではない。 だが、流石に顔なじみを自分の手で殺すのは少しためらわれた。 「フッ…焔色のサラマンダーも甘くなったものだ」 そう一人呟き、待ち伏せていた木の上から降りる。 もう残り時間も少ない、もう参加者がここを通ることは...
  • 279話
    第279話:騎士の面前 マティウスは気づいていなかった。 彼の存在に、彼のその眼光に。 それは幸いだったのか、それとも不運だったのか。 マティウス達が扉を発見する直前、 ライアンは彼らの存在にいち早く気づき、そして何故か木の上に上った。 今冷静に考えれば馬鹿なことをしたと、ライアンも思う。 だが、今更に冷静になるとその理由はわかった。 それはマティウスの覇気。 ただならぬ、御稜威をも射していると思えるその覇気。 彼から感じたそれが、ライアンを遠ざけたのだ。 だがそれだけではない。 マティウスから、更に感じ取ったものがあったのだ。 それは、闇。 かつて、マティウスのいる世界を暗黒に染めようとした者がいた。 その者がまさにマティウス張本人だった。まぁライアンがそれを知る由も無いのだが。 だがライアンはその二面性に無意識に気が付いたのだ。...
  • 179話
    第179話:修羅場近影 「やっぱり見誤ったね。だから僕はやめようと言ったんだ」 「ふん、だがまぁ…人に会わずには済んでるだろう?」 アルスとシドは山間部を静かに歩いていた。 なるべく気配を勘付かれないように、静かに静かに。 数時間前。 放送を聞いた二人はショックを隠しきれない様子だった。 特にシドは…エアリスの死が悲しみを際立たせていた。 だがその悲しみを振り切ったのか、すぐに移動をしようとあっさりと提案した。 ……だがその時に、2人の意見は真っ二つに分かれていた。 「まずは平野に下りてアリアハンまで歩こう。歩きやすい道では迎撃もしやすい」 「いや、山間部で静かに歩いてるほうが良い。  普通の人間はこんな場所は避けるからな。だから村近くに行くぞ、村」 そして結局、じゃんけんで勝った方の提案で進むことになって。 そしてその数時間前から今ま...
  • 369話
    第369話:魔女の力 サラマンダーとロランの戦いを見つめながら、バーバラは建物の影に身を隠していた。 (イクサス…大丈夫かな…) 洞窟を見つめ、その中に入っていった少年の身をを案じる。 『…ねが…い』 突然、バーバラの頭の中に、声が響いた。 (なに…!?) バーバラは驚き辺りを見渡すが、声の主の姿は見えない。 『…お、願い…の…力を…受け…取っ…』 再度声が響く、気のせいなどではない。 (力? 受け取るって…) 『魔…の…からを…手を、伸ば…て』 その声は、今にも事切れてしまいそうなほどか細く弱い。 (こ、こう?) その声に哀れみを感じたのか。彼女は言われるがまま、頭の中に直接送られてくるイメージに向かって手を伸ばした。 『ありが…う、…れと…彼に伝え…愛…てる…て』 そう言うと、頭の中のその声は、煙のように掻き消えた。 バーバラの手がそれに...
  • 309話
    第309話:ケフカを探して 「クソッ! 見つからん!」 パパス等との戦闘を離れ、レオは一晩中森を駆けずり回っていた。 しかし、今だその目的は果たされない。 放送に名を呼ばれてはいないということは、まだあの男は生きている。 いや、あの男の事だ、おそらく人々を惑わし、誑かし、陥れ、上手く生き遂せる事だろう。 そんなことを許すわけにはいかない。 あの男だけは、野放しにしておくことはできない。 この手で息の根を止めねばならないだろう。 そう強い決意と共に森を駆け回るレオだったが。 崩壊までの時間は残り僅かと迫っていた。 もちろんそういうことも考えながら移動していたが、少し熱くなりすぎていたようだ。 思いのほか時間がない、おそらく到着はギリギリになるだろう。 これで扉探しに手間取ればアウトだ。 一刻も早く奴を探し出したいところだが、今は仕方あるまい。 レオ...
  • 219話
    第219話:モンバーバラの妹 彼が、果報は寝て待つもんだぜ、と言ってからどのくらいが経つだろう。 彼は本当に寝てしまった。でも私には、眠れない夜。 闇がこんなに怖いなんて。夜がこんなに恐ろしいなんて。 …でもここは、静寂じゃない。 彼のイビキが、完全な静寂を防いでいる。 …少し、ありがたい。 寂しさに包まれることも防いでくれるから。 独りじゃない、と感じることが出来るから。 …姉さん、私、凄い弱虫かもしれない。 やっぱり、独りは耐えられないと思う。 いつだって姉さんが隣にいて、それに慣れてしまっていた。 今、彼がいなくて、本当に独りだったら。 ――私、きっと、泣いている。 眠れぬせいで時間を持て余し、カンテラの明かりの下、参加者名簿に目を通す。 今まで開きもしなかったそれには、嘗ての仲間が幾人も載っていた。 ――ブライとトルネコは、黒ずんだ赤い...
  • 19話
    第19話:占いネコ 暗くてジメジメした洞窟を、リュカは一人でサクサク進んでいた。 もちろん警戒は怠っていない。洞窟探索など慣れたものだ。 ただいつもと違うのは、命を預けられる仲間がいないことと、洞窟の陰に潜むのが魔物ではなく、 このゲームの参加者だ、ということぐらいだろうか。 (あっ、でも参加者に魔物もいた気がする・・・) 頭の隅でそんなことを考えながら、足は止めない。 動けばゲームに乗っている連中に見つかる危険もあるが、地理を把握しなければ逃げるときが困る。 それに、早く家族や仲間達、親友に再会したい気持ちが強かった。 角を曲がると、袋小路だった。 頭の中に描いた洞窟の略地図に×をつけ、そのままそこを去ろうと踵を返す。 と、その時、リュカはなんとも奇妙なものを見た気がして、もう一度振り返った。 震える王冠が浮かんでいる? 正確には...
  • 349話
    第349話:目つきの悪い金髪の男 「なんだろう、これ」 浮遊大陸に降り立ったイザは、足下に何か紙切れを見つけた。 「なんですか、その紙?」 それに気づいたロザリーがイザに声をかける。 「いや、そこに落ちてたんですけど」 「なにが書いてあるんですか?」 「まだボクも読んでないんだけど、えぇっと…」 『キンパツニキヲツケロ』 そこには、明らかに血で書かれたであろう文字が書かれていた。 「……金髪」 「金髪…」 二人は呟き、同じ方向を見つめた。 「あん? 何だよ」 二人が見つめるそこには、目つきの悪い金髪の男、サイファーが視線に気づきこちらを見つめ返していた。 「あんだよ、じっと見やがって…。ん、なんだその紙」 「いや、なんでもない」 イザは慌てて首を振った。 「貸せ」 そう言ってサイファーはイザの手から紙を奪う。 「『キン...
  • 109話
    第109話:日没 アリアハンの大地が夕日に照らされる。 アルスとシドはその大地の上で、地平線に近づいていく夕日を見つめていた。 「絶景だな」 「綺麗だろ?僕の故郷だからね」 濁りの無い海は、赤い光を受けてキラキラと輝く。 ここが殺し合いの会場だという現実を忘れてしまいそうなほどに、綺麗だった。 「暗くなってきたわね…」 セリスが窓の外を見てつぶやく。 彼女の目の前には、ベットに座って紅茶を飲む少年――パウロがいた。 セリスのつぶやきに、パウロはカップを置いて身を震わせる。 「あら、どうしたの?」 「…いいえ…夜は、怖いなと思って…」 セリスは、その理由に苦笑しながら答える。 「確かに…そうね」 そうして、また窓の外へと視線を動かす。 (一体、これまでにどれだけの人が死んだのか…? ロック…貴方は無事でいる?) 窓から見える夜空には、ぽつぽつと星...
  • 329話
    第329話:即ち誘われる事よ 「何ッ!?」 「む?」 2人の人間が浮遊大陸に着地した。その2人の名はゴゴとアグリアス。 彼らはアリアハンの旅の扉からここ浮遊大陸に飛ばされたのだが……。 「まさか空中に飛ぶとは思ってはいなかったな……」 「そうだな、アグリアスよ。ところでマティウスの姿が無いようだが……」 そう、真相はアグリアスの言うとおりである。 そしてきょろきょろと辺りを見回し、マティウスを探していると――― 「ウボァー」 と、悲鳴(と言うべきなのかわからん声)が聞こえてきた。 後ろからだ、後ろの湖からだ。バシャーンという音もした。 これはもう間違いなく……。 「マティウーッス!!」 「ぐっ…服が重い……っ!浮かぬっ!」 「ほら、手を貸してやる!掴まれッ!」 予感的中。 マティウスは見事に湖の方へと投げ出されて溺れていた。 岸から...
  • 169話
    第169話:月光 「ひどいよ――約束が違うよぉ!!」 バーバラは走りながら叫んだ。 その声は虚しく街の外れの闇に消えていった。 「最高だ! あなたは僕が壊すのにふさわしい。  僕に悲鳴を聞かせてください。その雪のように白い肌からワインのような赤い血を出してほしいんですよ。  あなたの叫ぶ声を聞かせてください。もっともっと絶望に満ちた声をもっと…」 一発の銃声が響き渡る。 デールの放った銃弾がバーバラの右足を貫通した。 「………っ!!!!」 バーバラは声にならない悲鳴をあげ、まるで糸の切れたマリオネットのように地面に倒れた。 (…助けて、あたし死にたくない。助けてくれるんじゃなかったの?いやだ、死にたくない!!) バーバラはアーヴァインと名乗った男に騙されたということは感じ取っていた。 そして自分は助からないことも。 「そろそろ鬼ごっこは終わりみたいですね」 ...
  • 29話
    第29話:背負うもの 「見つけたぞ、ケフカ」 レーべからすぐ南にある森の一画で重々しいその声が響いた。 支給品の袋をあさっていたケフカは声がした方へゆっくりと振り返る。 「これはなつかしい、レオ将軍ですか。イヤなときにイヤな旧友と出会うものだな」 「お前が友であったことなど、かつて一度もない」 ケフカの言葉に対し、茂みの奥から堂々たる足取りであらわれたレオ・クリストフは断固として言った。 道化師を真似て見せているのか派手な化粧を施している顔で、レオを舐めるように見つめる。 その眼差しは、笑っているようにも、嘲っているようにも見えた。 レオは、喉の奥で低く獰猛に唸った。 「…ケフカ、お前はこのゲームに乗るつもりなのか?自分ひとりが生き残る気か?」 疑問というよりも確信に彩られたレオの質問にケフカは答えなかったが、 ...
  • 119話
    第119話:決断を 空に浮かんでいた魔女の姿が消えた。再び、夜空が戻ってくる。 『ゲームの脱落者』として並べられた名前、それは同時に死を意味している。 自分の殺めた老人の名もあったのだろう。確認はしていないが、おそらくは。 「――セシル…ローザ…」 皮肉なものだ。 裏切り者の自分はまだここに生きているのに、セシルはもう逝ってしまった。 ただそれだけを思う。…涙を流す理由など、もう無いから。 所詮、現実とはそんなものなのだろう。正しい者が勝つとは限らない、生きるとは限らない。 …今回は、俺が生き抜いてみせよう。 カインは目を閉じて一度深呼吸をすると、空高く跳び上がった。 「エッジ…さん、すみません…待って下さい…」 「お、おい!大丈夫か!?」 膝をつき座り込んだマリアに、ユフィを担いだエッジが慌てて駆け寄り――瞠目する。 月明かりに照...
  • 69話
    第69話:戦いを求める者 ハイテンションを通り越して躁状態になっていたヘンリーだったが、ようやく落ち着きを取り戻したようだ。 「思ってたより遠かったな」 平原の向こうに目的地である村の影を認めて、ヘンリーは小さくつぶやく。 記憶の混乱も治まったらしく(G.F.の効果ばかりでなく、頭を打ったことによる面も大きかったのだろう)、 あれから妙なことは言っていない。 こうして普通にしていれば、王族に相応しい理性と威厳を感じないこともないのだが…… 第一印象を拭い去り、ソロの評価を改めるには到底及ばない。 それどころかギャップが激しすぎて、『ちょっとアレな人』という確信を高めるだけで終わっている。 「気をつけてくださいね。どこに敵がいるかわからないんですから」 「どうせ会うなら、敵よりも妻や弟や親友に会いたいんだけどな」 「あれ、奥さんなんているんですか? そんなこと一言も…...
  • 289話
    第289話:哀れな屍を アルガスが井戸に蓋をし、アイテムを探し始めてどれくらいの時間が経っただろうか。 彼はそろそろアイテム探しに飽きと疲労を感じ始めていた。 瓦礫が多い故に一向に見つからないまともなアイテム。 瓦礫の色がる街の中、何の収穫も無いままだった。 だが、そんな彼の前に姿を現したモノがあった。 「おいおい……これも銀髪野郎の仕業か?」 モノ。それは、少年の屍。 生きている間は「レックス」と呼ばれていたモノがそこにある。 不思議と腐ってはいないが、土にまみれ、喉を血で濡らしたその姿が痛々しい。 どこからか吹き飛ばされたのだろうか。 「嫌になるぜ、本当にな」 そう呟くと、彼はそれを蹴り飛ばした。 何の抵抗もしない体は予想以上に吹っ飛ぶ。 ―――と、アルガスはふと何かを思いついた。 彼は旅の扉の事をよく知らない。 一...
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