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第16話 - (2007/08/21 (火) 21:12:51) のソース

*第16話 

二人は夜遅くまで話した。ルイズは聞き疲れたのか、ベッドでぐっすり寝ていた。夢でも見ているようだ 

「…寝れねぇ…」 

「相棒、どうしたんだい?こんな夜中に?」 

「…いくぞ」 

「ちょっ!」 

エドはデルフリンガーを持って、部屋の外へと出ていった 


~ルイズの夢~ 

「ルイズ!ルイズ!…まったく、ルイズはどこなの?ルイズ~!」 

そう叫んでいるのはルイズの母であった。デキのいい姉たちと魔法の成績を比べられ、物覚えが悪いと叱られていたのである。 
ルイズは、そんな母から逃げ、彼女自身が『秘密の場所』と呼んでいる、中庭の池に向かう。 
中庭の池には、一艘の小舟が浮いており、そこにルイズは一人隠れていた。 
すると、一人のマントを羽織った立派な貴族が現れた

「泣いているのかい?ルイズ」 

「子爵さま、いらしてたの?」 

ルイズが子爵さまといった貴族は年のころは16歳くらい。つばの広い、羽根つき帽子に隠れて、顔は見えないが、ルイズには彼が誰だかわかったようだ 

「今日はきみのお父上に、あの話のことで呼ばれたんだよ」 

「まあ!」 

「ルイズ。僕の小さなルイズ。きみは僕のことが嫌いかい?」 

「そんなこと…ありませんわ」 

「ルイズ」 

そう言うと、優しくルイズに手を指し伸ばした。 
ルイズがその手を握ろうとしたそのとき、風が吹いて貴族の帽子が飛んだ 

「あッ」 

現れた顔を見て、ルイズは当然の声をあげた。 

「な、なによあんた」 

帽子の下から現れた顔は、憧れの子爵ではなく、使い魔のエドワードであった 

「…」 

エドは無言で右手を差し出していたが、いつの間にか右手は剣に変わり、ルイズの喉につきつけられていた 
「ちょっと…イヤ、…キャァァァ!!」 

~ルイズの部屋の外~ 

部屋の外では、エドがデルフリンガーを一心不乱に振っていた 

「ハァハァ…」 

「相棒、いつまでこうやってるつもりだい?」 

エドは一時間近く、剣であるデルフリンガーを振っていたのだ 

「ハァハァ…錬金術はな…ハァハァ…体と精神を両方鍛えないといけないんだ」 
「しかしなぁ…」 

「キャァァァ!!!」 

「「!?」」 

突然、ルイズの悲鳴が聞こえてきた 

「な、なんだ!」 

エドは慌ててルイズの部屋に入っていった。デルフリンガーをおいて 

「あ~い~ぼ~」

エドが慌ててルイズの部屋に入っていくと、ルイズがベッドの上で汗だくになっていた 

「おい!だ、大丈夫か?」 
「ハァハァ…」 

「何があった!」 

「イヤッ!!こ、来ないでよ~~~!!」 

「ん?なんだ?」 

ルイズは明らかにエドを拒絶している。 
その視線は、エドの右手を見ている 

「いやぁ~来ないでよ!このば、ばか~」 

「おい!起きろ!!」 

「へ?…ハァハァ…夢?」 
「何があった?」 

ベシッ! 

「いだっ」 

エドがルイズに、ムチで叩かれた 

「なにしやがる!」 

「…ハァハァ…あんたは…夢にまで…なんなのよ~」
「だから、なんなんだよ!まったく…」 

「!?(エドが夢に出たなんて言えないわよ!)…べ、別にっ!なんでも、なな、ないわよ!」 

「なんでもないのに、人をムチで叩くのか!!」 

「…もぉ~あんたには関係ないでしょッ!!」 

そう言うとルイズは、布団をかぶって隠れてしまった 
「(な、なんなんだよ!まったくワケ分かんねぇ)」 
エドも自分の寝床に入り、眠ってしまった 

その時、デルフリンガーは― 

「いいさいいさ…俺なんて…ブツブツ…」 

一人(?)いじけていた…