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胸水 - (2009/08/12 (水) 02:40:41) のソース

血性,膿性,乳び性に分けられるが,これらはいずれも滲出性

肉眼的に血性であってもヘマトクリットが1%以下の場合は臨床的意義は少ない.
ヘマトクリットが20%以上,あるいは末梢血の50%以上のときには血胸と考えてよい.
胸水が白濁しているときには細胞成分が多いか,あるいは脂質成分が高い.
胸水を遠沈して上清が清澄になり,沈渣に白血球が多ければ細胞成分主体であり,膿胸といえる.
遠沈しても白濁していれば脂質成分で,乳び胸か偽乳び胸である.
乳び胸は胸管より乳びが胸腔内に漏れたものであり,
偽乳び胸は胸水の吸収が遅延し,赤血球や白血球成分が変性してコレステロールやレシチン-グロブリン複合体を主体とする脂質が増加するもので,コレステロール結晶を含むことがある.

[ 表1 ]乳び胸と偽乳び胸の鑑別
| 	|乳び胸	|偽乳び胸|
|中性脂肪*    	|110mg/dl<	|50mg/dl>|
|カイロミクロン  	|あり	|なし|
|コレステロール結晶	|通常なし	|時にあり|
|基礎疾患     	|胸管の損傷	|慢性胸膜炎|


/*50~110mg/dlではカイロミクロンの有無により決定する.

[ 表2 ]滲出液と漏出液の鑑別
1.胸水の蛋白濃度>3.0g/dl(ただし血清蛋白正常)
2.胸水の蛋白濃度/血清の蛋白濃度>0.5
3.胸水のLDH/血清のLDH>0.6
4.胸水のLDH>血清LDHの正常上限値×2/3(ただし血清LDH正常)


上記の項目のいずれかを満たせば滲出液である.