血性,膿性,乳び性に分けられるが,これらはいずれも滲出性 肉眼的に血性であってもヘマトクリットが1%以下の場合は臨床的意義は少ない. ヘマトクリットが20%以上,あるいは末梢血の50%以上のときには血胸と考えてよい. 胸水が白濁しているときには細胞成分が多いか,あるいは脂質成分が高い. 胸水を遠沈して上清が清澄になり,沈渣に白血球が多ければ細胞成分主体であり,膿胸といえる. 遠沈しても白濁していれば脂質成分で,乳び胸か偽乳び胸である. 乳び胸は胸管より乳びが胸腔内に漏れたものであり, 偽乳び胸は胸水の吸収が遅延し,赤血球や白血球成分が変性してコレステロールやレシチン-グロブリン複合体を主体とする脂質が増加するもので,コレステロール結晶を含むことがある. [ 表1 ]乳び胸と偽乳び胸の鑑別 | |乳び胸 |偽乳び胸| |中性脂肪* |110mg/dl< |50mg/dl>| |カイロミクロン |あり |なし| |コレステロール結晶 |通常なし |時にあり| |基礎疾患 |胸管の損傷 |慢性胸膜炎| /*50~110mg/dlではカイロミクロンの有無により決定する. [ 表2 ]滲出液と漏出液の鑑別 1.胸水の蛋白濃度>3.0g/dl(ただし血清蛋白正常) 2.胸水の蛋白濃度/血清の蛋白濃度>0.5 3.胸水のLDH/血清のLDH>0.6 4.胸水のLDH>血清LDHの正常上限値×2/3(ただし血清LDH正常) 上記の項目のいずれかを満たせば滲出液である.