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肝胆膵 - (2009/07/03 (金) 22:00:19) のソース

||原発性硬化性胆管炎(PSC)|IgG4関連硬化性胆管炎|原発性胆汁性肝硬変(PBC)|自己免疫性肝炎(AIH)|
|疫学|40代の男性|中高年男性|女|女|
|病因|||||
|症状|全身倦怠感や掻痒感、黄疸|黄疸|自他覚症状を欠くこと多い 皮膚掻痒感が最も多く、ついで黄疸 門脈圧亢進症症状|倦怠感が60%,黄疸(35 %),食思不振(27%)|
|合併症|欧米では半数近くが&u(){潰瘍性大腸炎}を合併|自己免疫性膵炎|&u(){シェーグレン症候群(30%)}・慢性関節リウマチ・慢性甲状腺炎|慢性甲状腺炎,関節リウマチ,シェーグレン症候群|
|検査|||赤沈亢進、&u(){血清IgM高値}|血沈亢進|
|自己抗体|抗核抗体 ANCA|抗核抗体 IgG4.....IgG4関連硬化性胆管炎との鑑別のため sIL-2R...IgG4関連硬化性胆管炎との鑑別のため|&u(){抗ミトコンドリア抗体(AMA)}・抗pyruvate dehydrogenase(PDH)抗体が高頻度に陽性で、高力価を示す|&u(){抗核抗体}が高力価陽性を示す(80倍以上)。抗核抗体とともに&u(){抗平滑筋抗体}や抗DNA抗体が同時に陽性を示すことも多い|
|内科的治療|ペニシラミン、アザチオプリン、ステロイド、メトトレキサート|ステロイド|&u(){ウルソデオキシコール酸} UDCAで正常化しない場合ベザフィブラートの併用が有効である場合がある。なお掻痒感を訴える場合は、&u(){コレスチラミド顆粒}の投与を試みる。脂溶性ビタミンA・D・E・K欠乏予防のため、適時補充療法を行う|プレドニゾロン 免疫抑制剤|
|外科的治療|狭窄部の切除や胆管空調吻合術||||
|肝移植|+||+||
|予後|||5年、10年生存率はそれぞれ89%、69%であった(全国調査第25報 平成16年度)||
#image(http://plaza.umin.ac.jp/~jspk/reg-meetings/2006reg-meet/35th-contents/35th-c-t1.png,http://plaza.umin.ac.jp/~jspk/reg-meetings/2006reg-meet/35th-contents/35th-c-t1.png)
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*IgG4関連硬化性胆管炎
日本のPSCの特徴
 原発性硬化性胆管炎(PSC)は本邦ではまれな胆道疾患であるが、近年注目を集めて いる。欧米ではPSCは若年者に多く、炎症性腸疾患の罹患率が高い。一方、本邦のPSC全国調査によると、日本のPSCは若年者と中高年の二峰性の年齢分 布を示し、中高年の症例群には、欧米には存在しない日本に特有の症例が含まれているとの指摘があった。近年、その中高年のPSCでは膵炎(自己免疫性膵 炎)の合併例が多いことが分かり、中高年のPSCは古典的PSCではなく、自己免疫性膵炎に関連したIgG4関連の硬化性胆管炎が含まれていることが明ら かとなりつつある。

自己免疫性膵炎とIgG4関連硬化性胆管炎
 自己免疫性膵炎患者で血中IgG4値が特異的に上昇することが報告された。その後、 自己免疫性膵炎の組織中にIgG4陽性形質細胞の浸潤が多数見られることが明らかとなり、自己免疫性膵炎ではIgG4に関連した免疫応答が病態形成に関与 していると考えられている。IgG4は健常人では全IgGの6%以下を占める最もマイナーなサブクラスであるが、自己免疫性膵炎患者ではその比率が高くな り、全IgGの40%を占めるまで上昇することもある。

 自己免疫性膵炎では高率に胆管炎を合併することが知られており、胆管にも膵と同様の密なリンパ球・形質細胞浸潤、線維化、閉塞性静脈炎が見られる。ま た、IgG4陽性細胞の多数の浸潤がみられることも分かっている。膵炎を合併して発症する症例が多いが、膵炎消退後に異時性に発症する症例や、膵炎の合併 がなく、胆管炎のみで発症する症例もあり、そのような症例ではPSCとの鑑別が困難となる。この胆管炎は自己免疫性膵炎関連胆管炎、自己免疫性膵胆管炎、 IgG4関連硬化性胆管炎など、いくつかの名称で呼ばれている。
*A型肝炎
魚介類 フィリピン
*E型肝炎
豚生肉
*アルコール性肝障害
肝腎コントラスト増強
病変は肝小葉中心部
AST/ALT>1
ASTは中心静脈周り
ALTは門静脈周り
*肝硬変
特発性細菌性腹膜炎 発熱 腹痛 Blumberg徴候
起因菌は大腸菌が多い
*肝移植
■肝移植の適応疾患 

先天性胆道閉鎖症、Wilson病、糖原病、α1-アンチトリプシン欠損症、肝芽腫、肝硬変(PBC)、劇症肝炎 
ミラノ基準(肝硬変に合併し、遠隔転移。血管侵聾がなく、3cm以下3個以内あるいは5cm以下1個)内であれば肝移植の適応となる。
■肝移植の禁忌 肝細胞癌以外の悪性疾患は一般的に移植適応にはならない。

1.絶対的禁忌 

肝外活動性感染症、肝外に転移した悪性腫瘍、進行した心肺疾患、AIDS、移植周術期・長期術後管理が不可能なケース 

2.相対的禁忌 

進行した腎不全、老年、門脈血栓、胆管癌(選択肢eは相対禁忌に当たる)、肝内シャントによる低酸素症、肺高血圧症、門脈下大静脈吻合術後、アルコール・薬物依存症、HIV陽性、低栄養状態
黒色石
※黒色石はビリルビンカルシウムの重合体から構成されコールタールのように真っ黒で割面は無構造です。黒色石は溶血性貧血、心臓弁置換術後の患者、肝硬変などでみられます。 
※ビリルビン系結石には、黒色石とビリルビンカルシウム石がある。黒色石の原因としては、肝硬変と溶血性貧血の他に胃全摘術後も覚えておかなければならない。
*クワシオルコルとマラスムス