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2D格闘ツクール95 - (2016/08/15 (月) 09:19:02) の編集履歴(バックアップ)


この記事では、『2D格闘ツクール95』と『2D格闘ツクール2nd』の2作品を取り扱うこととする。



2D格闘ツクール95

【つーでぃーかくとうつくーるきゅうじゅうご】

ジャンル 2D格闘ゲームコンストラクションソフト

対応機種 Windows 95
発売元 アスキー*1
開発元 OUTBACK
発売日 1998年1月
定価 10,290円(税込)
廉価版 VALUE!:2001年4月2日/3,800円
判定 なし
ポイント まるで簡単じゃないツクール
一からプログラミングするよりはマシ
煮え切らない仕様や不具合は多い
結局作り手次第
恐怖のメモリーエラー
ツクールシリーズリンク

概要

『ツクール95シリーズ』の1つ。要望の多かったジャンルの一つ。
『95シリーズ』としては大体中期頃に発売された作品で、その中では知名度は高い方である。
ちゃんとしたグラフィックさえ用意できれば、当時の市販並かやや下程度のゲームが作れるというレベルの完成度は持っており、これを使用した有名作品は多い。
コンテストパークでの普及率は高いとは言えなかったものの、同シリーズの中では比較的受賞作がちらほら見られた。

ただ、やはり格闘ゲームを作るということは当然、口で言うよりも難しいわけであり、このツール自体にも制作初心者を意識していない部分が目立つ。
そのため本作は購入したという声が聞かれる一方で、反面完成作は他のツクールと比べると比較的少数となっている。

対応機種はWin95のみだが、一応公式発表では98までは動作し、それ以降は不安定という評価になっている。 ちなみに、本作と次作の『2nd』を利用するツクラーは俗に「格ツクラー」と呼ばれている。

評価点

  • 作り手次第で本格的な内容がいくらでも作れる
    • グラフィック、SE、BGMなど、良質なものさえ揃えられれば、「本当にアマチュアか?」と首を傾げるほどの良作を作ることが可能なポテンシャルがある。
    • あくまで出来ることは2D格闘ゲームとして基本的なことしか出来ないのであるが、逆に言えば基本的なことは全て実現可能。
    • キャラクターの追加制限などは特にないので、自分の手に収まるレベルならいくらでも作ることは十分出来る。
  • 製作補助ツールとしての自由度の高さ
    • 一工夫すればツールの仕様以上の作品を作ることは不可能ではなく、知識さえあれば市販レベルの面白いゲームは製作出来る。
    • この点は後のRPGツクールシリーズにも言えることであり、本作はある意味それを先取りしていたと言えなくもない。

賛否両論点

  • 対戦中のズームイン・アウト機能がある
    • 要は、お互いが画面の外へ下がろうとするとそのステージの限界分程度まで画面が広がるという『龍虎の拳』に近いシステムを採用している。
    • お互い離れるとキャラが小さくって見づらいという欠点はあるが、お互いがある程度自由に動ける点は評価されている。
    • ただしこの仕様のおかげで優秀な飛び道具持ちを用意するとそのキャラがやたら強くなりがちで、吹き飛ばし属性の攻撃を加えるとさらに酷いことになる。
    • この機能は続編の『2nd』で廃止されたが、評価点もあることから惜しむ声もある。

問題点

  • 仕方ないとはいえ、敷居が高い
    • キャラ1体に必要な膨大な数のアニメパターンをキャラ数分だけ用意するのは並大抵なことではなく、ここで躓いてしまう人が大勢いた。
    • 加えてレイアウトも体力ゲージからカウントまでのグラフィックを用意する必要がある。
      サンプルを流用すれば手間は省けるが、こんな所まで1から用意するとなれば凄まじい労力となる。
  • 使える素材が限られる
    • 基本は収録されているサンプルゲームから流用することが推奨されるが、流石に格闘ゲームではそこまで素材を多く出来ておらず、特にグラフィックに関しては流用が難しい。
  • ツクールでありながら内容が難解
    • 「プログラミングを必要としない」というのが本作の特徴であるが、本ツールは後の『RPGツクールXP』のスクリプトと同様取っ付きにくさが顕著。
      • 経験や知識があればすぐに理解出来ることは多く、順応は早いのだが、当然初心者からすれば難解であるためチンプンカンプンになってしまいがちで、挫折の原因となった。
    • そもそもプログラミングの出来る人向けではないため、この点は本末転倒であると言える。
      • 説明書やヘルプでは「技レベル*2」や「共通リアクション*3」等の仕様に対する説明が少なく、サンプルを読みほどくか、手探りで覚える事になる。
      • リアクションなどに設定漏れがあった場合、試合が突如終了するといった仕様なのかバグなのかよくわからない症状が発生する為、初心者は戸惑いやすい。
  • 格ゲーとしてみた際のトリッキーな仕様
    • 本作のキャラは常に相手の方向を向くため、突進技をからぶった場合、技を終えてから相手の方を向くのではなく
      技の途中であろうが即座に方向転換する為、一般的な格闘ゲームの感覚でプレイすると戸惑いを覚える事も
  • 目立ったバグの多さ
    • アップデートありきなのにも関わらず放置されたバグが大変多かった。
      • 代表的なものとしてセーブ中に「メモリーエラー」と表示された挙句、キャラクターのグラフィックが砂嵐のように化けるという恐ろしいエラーがかなりの頻度で発生する。
        当然そのキャラのグラフィックは直らないのでセーブ時にはメモリーエラーが発生しないことを祈るしかない。
  • アップデートパッチ必須
    • 発売当初はストーリーモードが存在せず、暴れまくるCPUと対戦するだけという有様で、さらにはデーターが不安定でエラーが多発するというおおよそツールとして機能していない程の完成度だった。
      • アップデートパッチを当てる事でようやく現在の評価に落ち着く形になる。
  • 仕様による難儀な要素が多い
    • ストーリーモードにおけるコンティニュー機能がない。
    • グラフィックを半透明に出来ない。
    • 1キャラに使用できるパレット数が16色と少ない。
    • 基本自由度が高いのに、何故か一部レイアウトが固定の部分がある。

総評

格闘ゲームを作ることは他のゲーム以上にとんでもない手間がかかるということをツクラーに教えてくれたツール。
意気揚々と購入したは良いが、いざフタを開けると何をして良いかまるでわからず、挫折してお金をドブに捨てたユーザーは多かったであろう。
その中におけるわずかながらの根気のあるプレイヤーがゲームを完成させ、評価されていったと言えよう。
『2nd』が出たことで本作の利用価値はかなり薄れたが、廉価版が当時発売されていたため、安さでこちらを選ぶプレイヤーもいた。
流石に現在は絶盤であることや続編の存在により、本作を利用したゲームが出ることはほぼない。


余談

有名な作品に、コンテストパークで入賞した「マジカルモンスターズシリーズ」や、キン肉マンを題材とした非公式格闘ゲーム「キン肉マン-マッスルファイト-」などがある。


2D格闘ツクール2nd.

【つーでぃーかくとうつくーるせかんど】

ジャンル 2D格闘ゲームコンストラクションソフト

対応機種 Windows 95~Vista
発売元 エンターブレイン
開発元 OUTBACK
発売日 2001年12月5日
定価 10,290円(税込)
判定 なし
ポイント やっぱり簡単じゃないツクール
色数が増えて、ますます市販レベルのゲームに近づける
制限時間設定に起因するバグが足を引っ張る
元プロも使用するほどお助けツールとしては優秀な部類
実はロングランなツール

概要(2nd.)

恋愛シミュレーションツクール2』と同時発表された、ツクール95派生作品の生き残り組の一つで、名前の通り『2D格闘ツクール95』の続編。
前作のバグや不便な仕様の改善、色数の増加、さらなる機能追加による作成幅の増大など、パワーアップ版として十分な性能は誇っている。
何より強化されたのは画面で、サイズが広がった他、色数が増加されている。これにより現代レベルの鮮やかなグラフィックの格闘ゲームも作りやすくなった。
ただしその代わりに新たなバグが生まれており、ある程度パッチで改善されたものの、基本的な使い方をするとそのバグに苦しめられることになる。

他に格闘ゲームを作るための補助ツールで目立ったものがないためか、本作は格闘ゲーム製作ツールとして、使用率は高いものとして知られている。
発売して10年経ってからもしばしば本ツールを使って完成させたゲームが発表され、しばしば話題にあがっている。
しかも『RPGツクール2000』のように公式が何度も廉価版をリリースしてロングランとなっているツールとは異なり、本作は絶盤であるのにも関わらず使用されている。

評価点(2nd.)

  • 色数の増加
    • グラフィックの彩度がかなりあがったことにくわえ、前作のようなズームイン・アウトを廃止したことで、作ったグラフィックが汚く見えることはなくなっている。
    • 製作者が腕の立つドッターであれば、現在でも通用する市販レベルのものをいくらでも作ることが可能である。
    • ツクール博物館では「ハイ・クオリティなゲームを作ることも可能」とされているが、これに関しては偽りなしと言えるだろう。
  • 変数導入による自由度の増加
    • 前作以上に様々なことが出来るようになり、キャラ別の特殊ゲージの作成、バトルスタイルの導入、2on2など出来ることの幅がかなり広がっていたり、作りやすくなったりしている。
      • それ以外にも、特定の攻撃のみ変わるK・O演出、超必殺などフルで見せたい技は留めの一撃までK・Oにならないなど演出面も強化可能。
    • 実際この点は本当に自由度が高く、本作が10年以上に渡って利用される理由の一つと言える。

問題点(2nd.)

  • 制限時間を無限にしないと不具合が起きる
    • 本作最大の問題点と言える。かなり声高に叫ばれていたのだが、この点はアップデートでも修正されず、仕様となった。
    • しかも、制作側ではなくプレイヤー側が設定出来る項目なので、説明書に「制限時間は∞のままにしてください」と注意書きをしなくてはならなかった。
  • 両手で数えられないほどあるバグ
    • 研究の末、その多くは「プレイヤーの工夫で避けられる」ことが判明している。まさしく愛の賜物であるが、公式の時点でもっとじっくり丁寧にサポートして欲しかったものである。
      • この当時のツクールは外注作品が大変に多く、修正への対応を要請しづらかったのかもしれないが…。
    • 上記の制限時間の不具合を含め、やはり回避出来ないものもあるが、それらは制約を付けることで一部避けられるものもある。
  • 相変わらずハードルが高い
    • 前作のブラッシュアップ版という側面が強いため、インターフェースは大分改良されているが、初心者にはまるで向かない。
    • 専門的な部分は前作よりもさらに複雑化しているところもある。よって、「プログラミング知識がなくても簡単にゲームが作れる」というツクールのキャッチコピーに見合わない内容となっている。
      • ただし色数が増え、ズーム機能が消えたため、ドット絵でなくてもゲームとしての体裁は保てるようになった。
    • 変数が実装されたが、デバッグプレイなどでもプレイ中に変数の値を直接確認する事は不可能
      • 加えて変数に任意の名前を付ける事も出来ないので非常にバグりやすい。使用する際にメモは必須である。
  • ツクールと思えないほどグラフィック素材が貧相
    • 要はサンプルゲームのものを使うしかないのだが、そのサンプルゲームも一般的なゲームデザインとは言えず、背景はともかくそれ以外は前作以上に自分の作品には使いづらい。

総評(2nd.)

Vista以降は動作保証されていないのにも関わらず、研究によって最新に近いOSでも動く方法が見出されているほどユーザーに愛されているソフト。
なんと一部の不具合はファンメイドでいくらか解決してしまった部分があるほど、本作の愛用者の息の長さと謎の技術力が伺える。
ただ、バグの多さで人が退いてしまったのも事実で、さほど当たらなかったのか、シリーズは本作で頓挫。
発売から10年以上経っているが、後継シリーズは一切登場していない。そのため仕方なく本作を使っている部分もある。
格ツクラーの中には「続編の3rdを」との声もよくあがっているが、現状は一切続編の芽もなければ、血筋を受け継いだツールもない。
その結果、本作は10数年近く前のツールでありながら、長らく使い込まれてきたことによって、現在でも通用するゲームを生み出せるというポテンシャルを出せることが発覚。
不満点はあがっているものの、ツールとしての優秀さはしっかり証明されることとなった。

高額のプレミアがつくほどではないが、本作の入手はやや困難であり、買うとしても10年前のゲームでありながら当時の定価かそれ以上を支払わないと購入することが出来ない。
この点は、『恋ツク2』と同様、廉価版が結局リリースされなかったことも尾を引いていると思われる。ただし『恋ツク2』は本作ほど値上がりはしていない。
流石にOSとの相性的に不便さも目立つことから、続編が大変望まれるが、今のところ派生ツクールは『アクションゲームツクール』の失敗から全滅しているのが現状である。


余談

格ツク2ndを用いた作品で有名なのは、システムやグラフィック等全てが商業作品に匹敵するクオリティな「ヴァンガードプリンセス」。

また、「クリムゾン アライヴ(Crimson Alive)シリーズ」などといった有料の同人格ゲーも市販されている。