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かぐや姫伝説 - (2024/02/06 (火) 10:27:00) のソース

*かぐや姫伝説
【かぐやひめでんせつ】
|ジャンル|アドベンチャー|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000096.jpg,height=160)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|ビクター音楽産業|~|
|開発元|マイクロニクス|~|
|発売日|1988年12月16日|~|
|定価|5,900円|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|随所でおバカ全開&br()ゲーム自体は普通|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
ビクター音楽産業が1984年にパソコン向けに発売したアドベンチャーゲーム『新竹取物語』のファミコン移植版。~
コマンド選択制になっており、アドベンチャーにしては珍しく難易度と得点、ライフが存在する。~
原作の時点で若干のお色気要素と下ネタが含まれており、その点を移植にあたっても踏襲しているが、原作自体も一応アダルトゲームではない。

**特徴(というかバカな点)
-スタートすると『てんのこえ』なる者から「かぐや姫の力になってもらいたい」と言われ、真っ先に渡されるのがあろうことか''ムチ''と''ロウソク''。子供からしたらヘンテツな道具にしか見えないかもしれない。が、ませた子供なら大抵アブない道具(SMプレイ)を連想した者もいるだろう。

-コマンドの中で『!』という項目があり 『たたかう』の他に『''キスをする''』『''はだかになる''』と現実世界だと変質者かつ職質確定な何とも馬鹿馬鹿しいコマンドがある。
--『はだかになる』は特別意味を成さない事が多いが、後述である通り、攻略の切り札にもなる。正に''裸だったら何が悪い!''である。ちなみに移動する時は律儀に服を着る。
--『キスをする』は実は''罠コマンド''。詳しいことは後述で。

-スタート序盤、洞窟の中に進むと少女を助け出す場面がある。助ける方法は二つあるがその中の一つは通常では気づきにくい方法。大抵はわかりやすい手段で助けることが多いのだが、そのときのかぐや姫発見時には必ずニセのかぐや姫が出てきて''必ずバッドエンド''になってしまう。
--スタート時のみならずこのようなことが''随所ノーヒントな所があり、難易度が高い''。時として詰みになってしまうこともある。

-序盤に亀のノンチが少年たちにいじめられているが、解決法の中で裸になってから戦うと''なぜか少年たちが感動する''。意味不明。

-攻略に失敗したり、たいりょくが0になるとゲームオーバー。たいりょく0の時のゲームオーバー時は''墓''。花束のほかにちゃんとムチとロウソクが添えられている。あれ…この展開[[どこかで見たような…。>たけしの挑戦状]]
--バッドエンドもどれもマヌケなものばかり。
---コブラとの戦いにまけると大事な所(いわば男の急所)をかまれてしまい''オカマになったり''、川超えに失敗すると顔を強打して変形してしまい、''お化け屋敷で働くことになってしまったり''。
---前述した『キスをする』の罠コマンドの理由。最後のクリアをする前に一度でも誰かにキスをしてしまうと、''キスマークをかぐや姫が見つけてしまい、ノンチとラブラブになってしまう''。と報われない(?)もの。しかも進行途中にキスを要求される様な罠場面もあり、これを知らないとうっかりコマンドを選択してしまったり…。

-地名がとてもユニーク。
--『''ギャルたく山''』は『もしもしサークル』というテレクラや『よいこのガッコウ』というクラブが存在し、色々怪しい雰囲気。その名の通り確かに女性だらけだが…。
---テレクラでは「池の前で会いませんか」という電話の後、セイコという女性に会う。会話はまるでさながら''ホストの接待''で気持ち良くするとお金と得点が増える。そして実は彼女は未亡人であることが判明し、ある物を渡すと戦艦をくれる。''テレクラやってる女性が実は未亡人で戦艦を持つ程の富豪…って、何者!?''
---クラブでは美しさを語るという''どう見ても美しさとは無縁なブス''サユリが割れない鏡に喜ぶ。モモコという先生風の女性らしい人がいるが、あることで冷や汗をかかせると、''実は男''であることが判明する。
---ほかに女の珍走団(世に言う暴走族のこと)もいて、珍走団には必ず一方的にボコボコにされてしまう。山の上にお寺があるが、お寺の和尚さんの正体があろうことか''珍走団のひとり''。理由も置き去りにされた父親に対しての憎しみが消えずその恨みを男の人に八つ当たりにした。という無茶苦茶なもの。
--『''ガンバル海''』は本当に頑張らないといけない程の難易度の高いダンジョン。
---自キャラを放っておくと波にあおられて''勝手に船がうごいてしまう''。回りを囲む岩山や随所に存在する渦潮に触れて''即死''してしまうので本当に気が抜けない。最難間のダンジョンである。
---途中で4択クイズを出す男がいるが、ゲームの原作者や荻野目洋子のデビュー作などのクイズも出してくるので、原作や荻野目洋子のファンの人でないとわからないものもある(荻野目洋子はビクター繋がりからだろう)。

-難易度によっては展開が一部増えたり、ミニゲームが増えたりする。例えば招待券は難易度が高いとバラバラになっており、パズルゲームになったりする。

-総じて展開が唐突で理解不能な所が多い。
//18禁ではないが、下ネタやエロさを含んだゲームであるためなのか判らない。しかし''バカゲーとしては故意であるのは確か''。

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**評価点
''グラフィック''
-多少のムラはあれどよく描かれているほうで、殆どのキャラクターはコミカルに描かれている。
--80年代に作られたゲームとあってどことなく懐かしいグラフィックで、どちらかというとマンガちっくな変な顔のキャラクターが多いが、女性キャラクターは本当に綺麗に描かれている。序盤に行き倒れになっている女の子クミやかぐや姫、おしょうさん、エリサなど、画力の入れ具合が半端ない。
--女装しているキャラもいるが、正体を明かさなければ本当に綺麗だし、ギャルたく山の受付嬢も綺麗ではないがそれほど酷い外観でもない。お寺に登場する老婆のおたまさんも笑顔がとても素敵。

''ゲームオーバーやエンディングが秀逸''
-大抵はゲームオーバーになる条件としてライフが0になり、死んだことになって墓石を拝むことも多いが、前述したようにあそこを噛まれてオカマになる人生を送る。顔面を強打してお化け屋敷で働くといった後味の悪さが薄れた(?)ユニークなゲームオーバーが存在している。
-全クリしてやっとかぐや姫の笑顔を拝めると思ったら、いつしたか判らない「キスをする」というコマンドのせいで激怒され、どんてん返しを喰らうといったバッドエンディングも用意されていたり何かと''浮気な男心''をくすぐる様な演出も本作の持ち味を出している。

**問題点
''難易度が高く、初見殺しが多い''
-選択肢次第では即ゲームオーバーになってしまうことも少なくない。
--その代わりの救済措置としてセーブが随所できるようになっている。

-コマンドの「キスをする」や、序盤に登場するクミの救出方法など正確な攻略方法を知っておかないと大抵はゲームオーバーかバッドエンドで終わってしまう。
--序盤は相棒になる「ノンチ」がいないためヒントが少なく手探りで攻略をしなければいけないが、やや厳しい点が多い。いくら進行してもニセかぐや姫しか出てこなくて途中で投げ出してしまった者も多いのでは…?

-同時に得点とライフ制をとっている為、計画的に進めないと途中で力尽きてしまう。最後までクリア出来たとしても得点のハードルが意外と高く真エンドに届かないといったこともある。

-アイテムも所持数制限があり計画的に処分をすることも必要になる。間違って捨ててしまうと再取得が出来ない。場合によっては詰みになる。相棒ノンチのヒントをキチンと聞くのがかなり重要。

''人を選ぶ作風''
-お色気や下ネタが遠慮なく出てくるため人を選ぶ。
--冒頭のムチとろうそくや、オカマ絡みの場面(ゲームオーバーに至っては堂々と「ゲイバー」と書かれている)、アイテムのブロマイド写真、「はだかになる」コマンド、エリサの水着姿などなど、挙げるときりがない。

''最後のダンジョン・ガンバル海の難易度''
-先述した操作しなくても通り勝手に船が動くことに加え岩場や渦潮に触れるだけで即ゲームオーバーになるが、更にかなり端に寄らないとスクロールしないため「気づいたらゲームオーバー」なんてことになりがちである。
-同様のダンジョンで竹やぶのセクションもあるものの、こちらは基本3つの分岐があるだけ。オノがあれば切り拓いて進める上岩場に当たっても何も起こらないし間違えても逆戻りして正答ルートを進めばいいだけである。

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**総評
グラフィックや不条理・支離滅裂なストーリーのおかげで本作独自の持ち味を上手く表現しており、初見殺しも多いが、笑い飛ばせるようなゲームオーバーもあり上手く狙って作られたバカゲーに恥じない作りとなっている。

一方でお色気、下ネタも存在するゲームなので、人を選ぶ作品ではあるが、そうしたノリが好きな人であれば面白がれる作品かもしれない。

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**余談
-開発は''まさかのマイクロニクス''。
--移植作品となると''処理落ちしたりロードが長かったり、音程が外れていると何かと悪名高い''下請け会社だが、PCソフトからの移植である今作では音楽もそこそこ良く珍しく出来が良い。アクション部分が少ないもののオリジナル作としては割と頑張っている方である。

-原作のパソコン版『新竹取物語』の続編として、1987年に『新玉取物語』が発売されている。
--なお、本作は3部作の構想があったらしいが結局実現しなかった。

-本作は1983年にポニー(現・ポニーキャニオン)より発売された『おーい!かぐや姫 衣衣の別れ』とは「発売年が1980年代前半」「発売元がレコード会社」「竹取物語が題材」「ゲームに下ネタが組み込まれている」と何かと共通点が多いために混同されやすいが、両作品は完全に無関係である。
--なお、こちらのほうは脱衣シューティングで本作とは異なり完全にアダルトゲームとなっている。
//誤字修正と若干加筆しました
//読みやすい様加筆を加えました
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