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いただきストリート2 ~ネオンサインはバラ色に~

【いただきすとりーとつー ねおんさいんはばらいろに】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 スーパーファミコン
発売元 エニックス
開発元 トムキャットシステム
発売日 1994年02月26日
定価 9,800円(税別)
プレイ人数 1~4人
廉価版 1997年09月25日/5,900円(税別)
判定 良作
ポイント シリーズの基礎が確立された2作目
邦楽界の大御所・筒美京平氏が作曲を担当
やり直し御法度のオートセーブ仕様
いただきストリートシリーズリンク

概要

堀井雄二氏が手掛ける「いただきストリート」シリーズの第2作。本作より発売元がアスキーからエニックスへと移行している。
この頃はまだコラボ要素はほとんど無く登場キャラクターもオリジナルのものだが、一部のマップや追加要素にドラクエ関連のものが見られる。

基本ルールはシリーズ全体を通して変わりなく、4人のプレイヤーが順番にサイコロを振ってマップ内を進み、サラリー(賞金)の獲得や店舗の購入、株の購入や店舗への増資を繰り返し、
他プレイヤーから買い物料を取ったり取られたりして、最終的にマップ毎に指定された目標金額まで誰よりも早くお金を稼ぐのが目的。


特徴・システム

本項では「シリーズ全体の特徴」及び「本作特有の特徴」両方の面について記述する。

  • 「株」のシステムを軸とした、運だけで勝ち負けが決まらないバランス
    • 本シリーズは『モノポリー』に近いルールとなっているが、そちらには無い大きな独自要素として「株」が存在する。
    • エリアの独占と店舗の拡大を目指すのは『モノポリー』と同じであり、株の運用もその戦法に乗じてインサイダー増資を狙うのが基本となるが、「相乗り」「配当金」など自分の店舗を利用せずに儲けられる株関連のテクニックも複数存在する。
      • 「自分の店舗を使わずに儲ける手段がある」と言う事は、そのまま「自分の運が思わしくなくとも勝ちの目を拾う事ができる」と言う事になる。その逆も然り。
    • 自分の運が思わしくない時にどれだけ挽回できるか、というのが本シリーズにおける腕前の見せ所である。このあたりは麻雀のゲームバランスに近い。
      • エニックス公式の攻略ガイドブックでは 「いたストは運2:実力8のゲーム」 と評されていた。運の割合の感じ方は個人により違うだろうが、実力が大きなウエイトを占めているのは間違いのないところである。
  • 意外と簡単で初心者でも楽しみやすいルール
    • 同じボードゲームである『桃太郎電鉄』と比べて「難しそう」と言う印象を持たれやすい本シリーズだが、基本的なルールはそこまで難しくない。
  1. マークを集めて銀行に行き、サラリーの獲得や株の購入を行う
  2. どのエリアでもいいので、同じエリアの店舗をなるべく多く買い集める。可能であればエリア独占を狙う
  3. 同エリアの店舗を集めると増資可能額が伸びるので、そのエリアの株をたくさん購入してたくさん増資を行う(これを「インサイダー増資」と呼ぶ)
    • 勝利までにやるべき事はこの3つのみであり、これは初心者も上級者も変わらない。勝利への道筋を固める補助手段として「取引」や「5倍買い」等のシステムや前述した株関連のテクニックも存在するが、プレイ中に少しずつ覚えていけば良いし極論使わなくても運次第で何とかなる。
      • 事実として、上記3つしか行わないDランクCPUの「しんじ」や「あやか」がツキに恵まれて高ランクのCPUを出し抜く事もしばしば発生する。
    • 前述のとおり腕前の高さが重要なゲームだが、だからと言って上級者と初心者が混ざって遊んでも「初心者が何もさせてもらえずに叩きのめされる」と言った事態にはならない。本シリーズはあくまでボードゲームであり、皆でワイワイ楽しめるパーティゲームなのである。
  • 資産がマイナスになると「破産」になりリタイアとなる。トーナメントではその時点でゲーム終了、資産が一番多いプレイヤーが優勝となる。こうしきゲームでは破産人数を設定でき、最後の一人になるまでプレイする事も出来る。
  • 目標金額を999,999Gまで設定できるシリーズ後作品と違い、本作では目標金額の上限はマップを問わず100,000Gまでとなっている。
  • 階層マップ、ループ構成のマップ、一方通行エリア*1など、後作品では廃止されているマップのギミックが存在する。
  • ゲームバランス
    • いたストSP』以降の作品と比べて高額店舗の買い物料が相対的に高く、またマップの分岐路における自由度も低い*2為、高額店舗にハマる事による一発逆転や一発破産の要素が強い。
    • ゲーム終盤でトップでも油断できない状況が増えるほか、低ランクCPUの計画性のない増資によって乱立する高額店舗が思わぬ障害になる事も。
  • オートセーブ
    • 本作では任意のタイミングでセーブする事ができず、特定のタイミングでオートセーブが行われる。
    • 具体的には各プレイヤーの手番終了後、手番中に株の売却・取引・改築などのコマンドを実行した後、サイコロの出目が決まった直後にセーブされる。
      • 不都合な出目を見て思わずリセットした後、ゲームを再開しようとして進行役であるこのみの「○○さんがサイコロの5を出したところからだったわね!」というセリフに絶望したプレイヤーも多い。
    • なお、サイコロを振ってから手番が終了するまでの間はオートセーブが行われない。
      • このため「チャンスカードを引く」「カジノで遊ぶ」「株の購入」「店舗の購入や増資」などの行動は、不都合な結果であればリセットしてサイコロを振った直後からやり直す事ができる。
      • トーナメントでも負ける前にリセットして同じキャラを選び、『この前の続きからでいい?』と言う問いかけにいいえと答えれば勝ち上がった所からやり直せる。CPUは勝ちあがったキャラ以外の2人は再抽選になりマップもこちらに選択権がある場合は違うマップを選べる。
  • サイコロの出目の仕様
    • シリーズの一部の作品ではCPUがサイコロの出目を操作している疑惑が問題視されていたが、本作におけるサイコロの出目はゲーム開始時に全て決められている事が明らかとなっている。
    • 具体的には2→3→6→2→1→5→……と言った感じの「出目の順番表(乱数テーブル)」がマスクデータとしてゲームデータ初期化時にランダムで生成され、以後はその順番表を全てのマップで使い回して出目を出す仕様*3
      • 上記の順番表を例にとると、あるマップでサイコロを2回振って2→3と出した後、そのマップを中断して別の(出目の最大値が同じ)マップでゲームをやり直すと出目は6→2→1→5→……と続く。
      • 理論上は何度もサイコロを振りながらマップをやり直せばいつかは理想的な出目の順番でマップを始める事ができる。TAS動画では50000回ほどサイコロを振り続けた例も。
    • CPUが出目の順番表を読んでいるかどうかは不明だが、少なくとも自分の手番における出目を読んだ上でのあからさまな行動(次の出目で手痛い出費が確定している場合、あらかじめ自主競売で資金を確保するなど)をしてくる事は無い*4

評価点

  • BGM
    • 筒美京平氏が作曲を担当。昭和以降の日本歌謡曲界を代表する作曲家の一人であり、氏が作曲を担当するゲームは(少なくとも公式でクレジットされているものでは)『ゆみみみっくす』のエンディングテーマと本作のみとなった*5
    • 本作を推す人の多くはBGMの素晴らしさをまず評価点として挙げるだろう。長時間聞き続けても飽きが来ない、それでいて自己主張し過ぎる事もない絶妙な塩梅の曲調はボードゲームに相応しいBGMであり、どのマップの曲も素晴らしい。
      • ゲーム設定時のエントリー画面で流れる「Happy Kitchen」、トーナメントモードで勝ち抜いた際のエンディングで流れる「もう何も云わないで」などマップ以外の曲の評価も高く、個人の好みで評価は分かれても、 「外れ曲」は一切ないと言っても過言ではない。
      • エンディングの曲など歌詞を付けて歌えそうな曲も多いが、こちらこちらのように公式の歌詞が付けられたBGMは残念ながら存在しない。
    • マップNo.15「アレフガルド」のみ、すぎやまこういち氏作曲の「広野を行く」が採用されている。こちらのアレンジも評価が高い。
    • なおサウンドプログラムやそれに伴う編曲、シングル音などは大久保高嶺氏が担当している。
  • キャラクター
    • 総勢15名のCPUキャラクターは文字通り老若男女揃った個性的な面々であり、ゲーム中に見せる様々なリアクションでプレイヤーを楽しませてくれる。
      • 諸手を挙げて無邪気に喜ぶ中学生、激怒して頭の火山を噴火させる寿司職人、アメリカナイズで陽気な高笑いを見せる金髪のネーちゃん、普段は冷静でも勝ちや負けが込むと途端に表情が崩れるインテリ学生……などなど。
      • キャラクターの動作や表情の変化は総じてオーバーに描かれ、大川清介氏によるキャラクターデザインも相まってコミカルな印象を与える。
    • リアクションはチャンスカードの内容や止まったマスの内容などに応じてかなり細かく設定されている。自分の手番の時だけでなく、人間プレイヤーを含む他人の行動に言及する事も。
    • 今作のみ相手から店の交換を持ちかけられた際、現金のやり取りが店の差額ピッタリでない事も多く、これもキャラクターの個性付けに一役買っている*6
  • グラフィック・演出
    • グラフィックは当時の他のSFC作品はもちろん次世代機をプラットフォームとするシリーズ後作品と比べても遜色のないものとなっている。
      • 低解像度のドット絵ながら賑やかで色鮮やかに配置されたマップパーツや、滑らかに動くCPUキャラクターのリアクションは今見ても古臭さを感じさせない。
      • 店舗が成長するにつれて豪華で威圧的な見た目となり他プレイヤーにプレッシャーを与えるのも本作の時点で既に健在。最高ランクの店舗である「ラストエンペラー」が店舗マスをはみ出してそびえ立つインパクトは後作品に勝るとも劣らない。
    • 演出もシンプルながら要所要所では的確なSEでゲームを盛り上げてくれる。SEが鳴ると同時にストップするBGMも演出を効果的に印象付けている。
  • 店舗ごとの固有名称
    • エリアのみならず店舗一軒一軒に固有の名称がつけられている。
    • もちろんゲームの進行に何ら影響は及ぼさないが、マップやエリアの雰囲気に合った店舗名にニヤリとさせられる事も。
      • ストリート9のフリーウェイには前作のキャラの名前が付けられた店があったり、エニックスソフトがあったりする。
  • 整備されたチャンスカード
    • 前作のチャンスカードは4×15の60マスの中から選ぶ形で縦・横・斜めのいずれか4枚以上並べて開くとボーナスがもらえるものの、9枚以上並べても額が増えなかったり、マップ固有のカードと他のマップの汎用カードの番号が共有されているなど雑多な印象があったが、今作から8×8の64マスになりボーナスの額は変わらないものの1列8枚でボーナスの額が最大になるように調整された。
      • マップ固有のカードを除くとほぼすべてのカードが最新作に至るまで番号・内容ともほぼ変わらずに使用され続けていることを考えると、完成度の高さがうかがえる。

賛否両論点

  • 追加要素の少なさ
    • 本作における追加要素は「空き地モード*7の追加」と「ドラクエ由来のマップ「スラリン」及び「アレフガルド」で人間プレイヤーの駒がスライムになる」のみ。マップもCPUキャラクターも最初から全て選択可能。
    • 追加要素の開放条件もトーナメントモードを1回クリアする事のみ。「スラリン」「アレフガルド」を最終戦以外で選びつつトーナメントモードを1回クリアするだけで全ての追加要素が解禁される事になる。
      • 物足りなさは感じるものの、シリーズ後作品でありがちな「要素解禁のためにトーナメントモードを何度もプレイさせられる」と言う煩わしさもないので良し悪しではある。
      • これらに関して、前作では勝たないと次のマップを選択できなかったため勝てない人は半永久的に同じマップをやっている。それならすべてのマップをオープンにしてしまおう。という事になったと堀井雄二が語っている。
  • 「マハラジャ」の存在
    • 「マハラジャ」とは、今作から登場したキャラクター。
      • プレイヤーの誰かが特定のチャンスカードを引くことによって登場する。
      • 他のNPC同様に、自分のターンになるとサイコロを振り、マップ上を移動して止まったマスの物件の買い物料を支払ってくれるが、税務署だけは支払ってくれない*8
      • 一定ターン数が経過すると帰っていく(1ターンで帰る事もある)。
      • マハラジャが登場している間は専用の豪勢なBGMが流れる。
    • 「マハラジャ(大王)」の名の通りの大富豪キャラで、サイコロを振ってたどり着ける中で、もっとも買い物料の高い物件に優先して止まるようになっている。しかし、高額物件は1位のプレイヤーが持っていることが多いため、下位プレイヤーの逆転チャンスというよりは、1位のプレイヤーの逃げ切り要因になってしまい競り合って白熱している状況に水を差すこともしばしば。
      • それもひとつの運要素、戦略要素*9と見なすこともできるが、無神経にお金をばらまくそのキャラ性も相まって、プレイヤーの反感を買いやすい。
    • せめてオプション設定でON/OFFを切り替えできればよいのだが、残念ながらそういった設定はない。
  • 大幅なイメージチェンジ
    • キャラクター、グラフィックデザイン、BGM等、ハイティーン~20代向けだった前作の雰囲気からは一転し、本作以降は『桃太郎電鉄』シリーズのような老若男女万人向けの親しみやすい雰囲気にイメージチェンジされている。
    • 本作から遊んだプレイヤーには違和感はないが、前作からのプレイヤーには、その振り幅の大きさに戸惑いを感じさせる。

問題点

  • 競売時のテンポの悪さ
    • 10G単位でしか値段を釣り上げられず(場合によっては20~50G単位になる事もある)CPUのコールも遅い*10ため、特に1人プレイ時は競売のテンポが悪い。
      • ゲーム終盤で破産又はそれに近い位の高額支払いが出た場合は多数の店が一気に競売にかけられる事となるため、競売だけで10分以上の時間が取られてしまう事も。
    • 値段の釣り上げ額については後作品では改善されている。
  • CPUの空き地運用力の低さ
    • 本作からの新要素となる空き地だが、後作品と比べるとCPUの空き地運用がヘタクソである。
      • まず空き地に止まった時に購入する物件が完全ランダムである。「税務署*11」や「ヘリポート*12」など、人間のプレイヤーであれば真っ先に抑えるであろう強力な物件を優先する事はない。
      • 物件購入後に他の物件に建て替える「改築」コマンドを使用する事もない。そのため改築インサイダー*13と呼ばれる重要なテクニックもCPUは使ってこない事になる。
    • 人間とCPUとで空き地から得られる恩恵が目に見えて違うため、空き地のあるマップはそれだけで人間にとって有利なマップとなる。前述した「空き地モード」でマップの大半を空き地にした場合は言わずもがな。
      • 空き地モードについては裏技めいた方法*14で全ての店舗マスを空き地に変化させた場合、チャンスカードNo.5(好きな店舗にワープ)などを引いた際に「空き地マスばかりで店舗マスを選択できない*15ため進行が止まってしまう」と言う不具合も存在する。
  • UIがやや不親切
    • ワープマスが色分けされておらずワープの繋がりが分かりづらい、マップの高速移動ボタンが無い、株の売買時に株価変動予測値が表示されない、など。
    • いずれもストレスを感じる程ではないものの、シリーズ後作品を経験している人にとっては少し戸惑うかもしれない。
  • 前作からの一部マップの廃止
    • 前作の5マップのうち、「右半球」*16を除くすべてのマップが廃止されてしまった。*17
      • どれもバランスの取れた良マップではあったが、特に前作の最終マップの「宇宙星雲」は、やり込んだプレイヤー同士では「『いたスト』と言えば宇宙星雲」と言えるほど愛されたマップだった。それだけに、前作ファンの失望は大きく、宇宙星雲をプレイするためだけに前作を手放さない者もいたほど。
      • 上級者向けの特殊ルールが採用されるマップだが、今作でこのルールが採用されたマップは存在しない。
  • 一部バグや不具合の存在
    • 主にCPUの挙動や対戦成績の記録に関してバグや不具合が存在する。
    • わざとゴールせずに増資をし続けるなど、通常プレイの範疇を超えた想定外のやり込みプレイを行おうとした際に不具合が起こる事が多い。
      • 普通にプレイしていればまず発生する事はない為、ゲーム進行に致命的な影響を及ぼす事はない。

総評

シリーズ2作目にして後作品まで続く基礎となる部分が概ね完成されており、それらの基礎を彩る演出もシンプルながら高レベルでまとまっている作品。
CPUの思考ルーチンや一部UIに若干の粗があるものの、それらを補って大きく余りある良質なBGMや魅力的なキャラクター達の虜となり、本作をシリーズ最高傑作と評する人も少なくない。


余談

  • 1994年3月24日にサントラCDとして「いただきストリート2 オリジナル・サウンド・トラック」が発売されている。
    • 題名に「オリジナルサウンドトラック」とあるが、実際にはオリジナル音源は収録されておらず、全曲アレンジされた音源が収録されている。もともとオリジナル音源を収録する予定だったのが、大人の事情で急遽変更になったのかもしれない。
      • アレンジ担当は秋谷えりこ氏。ゲーム使用曲27曲のほか、ゲーム未使用曲など9曲のアレンジも担当している。
    • 再販についても大人の事情なのか、2020年5月現在において一度も行われていない。その為オークションサイトでは中古品が高値で取引されている事も。
  • 本作は発売後およそ3年半後に廉価版が発売されている。
    • 廉価版の外見上の違いは「外箱の背景色が白色から青緑色になっている」事のみ。ROMカートリッジの外見上の違いはない。
    • ゲーム内容には明確な変更は見られない。前述のバグが修正されている可能性もあるものの、もともと再現性の低いバグであるため検証はされていない。