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J・E・S・U・S

【じーざす】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 PC-8801mkIISR以降、X1turbo、FM77AV、
MSX2
発売元 エニックス
発売日 1987年4月28日
定価 7,800円
判定 良作

概要

ストーリーを重視したコマンド選択式アドベンチャーゲーム。
謎を解く事よりストーリーを見せる事を主眼とし、当時のADV=謎解きという流れを大きく変えた。
そのため、様々な意味でADVにおけるターニングポイント的な作品として知られている。


ストーリー

2061年、ハレー彗星が再び太陽系に近づきつつあった。そして人類は再びハレー彗星へと探査船を送りだす。
1986年は無人機による調査だったが、今回は有人機での調査だ。
調査に向かうのは「コメット」と「ころな」の二機の探査船と、その発進基地である宇宙ステーション「ジーザス」。

今回の調査目的の一つに、「生命の起源が彗星にあったという説を解明すること」があった。
そのため各分野から8人のスペシャリストが集められた。
やがて彼らはハレー彗星へ調査に向かうため、それぞれの探査船に乗り込む。
その中の一人に主人公である「武麻速雄」の姿があった。彼はころな乗組員として搭乗していた。

二機の探査船はジーザスから発進。コメットが先に、ころなはその2週間後に。
コメットは先にハレー彗星へと接近。さっそく調査を開始する。その様子はころなにも伝わってきた。
しかし突然連絡が途絶える。ころなの乗員は皆異常事態と認識はしたが、状況が全く把握できない。
そこで船長は、武麻速雄へ調査を指示。彼は単身、宇宙艇でコメットへと向かった…。


システムと特徴

  • 一般的なコマンド選択式ADV。選択枝はそれほど多くなく、行ける場所もある程度絞られている。総当り的な面は避けられないが、苦痛になるほどではない。もっとも、途中ゲームオーバーになるような罠が用意されているなど、まるで引っかからずにクリアできる訳でもない。
  • 前半では直に歩き回る、アクションADV的な要素もある。
  • ストーリーラインには当時の有名な映画の影響が見られる。これ以上書くとネタバレになるので、あえて詳細は省く。

評価点

  • 冒頭でも記述したが、映像作品を意識した作りとなっている。アニメ調の絵を採用し、映画的な演出も導入。絵を見せるという部分を強調している。
    • キャラクター性がハッキリと強調されていた。また主人公(プレイヤー)自体のキャラクター性もよく出ている。主人公が謎を解く自らの分身ではなく、作中の登場人物の一人という立場は、当時としては珍しかった。
    • アクションADV要素も、映画性を崩す事なく作られている。
    • スタッフには当時や現在でも名の知れた人物が参加していた。プログラマーは、当時のプログラム投稿雑誌「I/O」で名作を輩出し続けエニックス発売のPC88版ゼビウスを作成したことで有名なアマチュアプログラマーとして知られた芸夢狂人。シナリオは「平成教育委員会」などの番組にも参加した雅孝司。音楽はドラクエのすぎやまこういち。グラフィックはこれまたドラクエの眞島真太郎である。
  • ゲーム性として斬新な要素はほとんどない。謎解きもそれほど難しいものではなく誰でもクリア可能、完全な一本道で複数EDなどはなかった。まさしくストーリーを楽しむためのADVである。

問題点

  • コマンドの中には「その他」という曖昧なものがあり、これがしばしばプレイを混乱させた。
  • 謎解きは難しくはなかったが、ラスト近くの「BGMの音階を聞き取って入力する」という場面では詰まる人が続出した。このBGMはゲーム中何度も聞かされている非常に単純な音階なのだが、音階が聞き取れない人には非常に難しく、プレイヤーの音楽適正によって難易度が両極端だったのである。
    ちなみに、どんな音階かというと「カエルの歌」の出だしといえば見当がつくだろうか(リズムは違うが)。

総評

それまでのアドベンチャーゲームと言えば、単語探しと言われるような理不尽な程の高難易度や総画面数・アニメーション処理や絵画速度を売りにしたものが多く、シナリオは二の次としたものが多かった。実際、攻略本が大ヒットし、パソコン雑誌でも読者から解法を教えてくれという葉書を紹介するコーナーが成り立っていたほどである。
そのような時代にあって、本作は誰にでもクリアできることを目的としたゲームとして製作された作品の一つである。
さらに音楽も単なる効果音、雰囲気を盛り上げるためにつけられたものではなく、ゲーム性に関わるものとして作品内に融合をした。
ADVというジャンル自体が「謎を解くことが目的」という単なるメーカーからのプレイヤーへの挑戦から、プレイヤーがシナリオに介入できる「買った人全てがシナリオを楽しむことが目的」と姿を変えたのである。
映像作品としてのテレビゲームが確立されたわけであり、その意味で本作の存在意義は大きい。
以降も続くADVでストーリーを感じるという流れは、ここから始まった。


余談

  • 作中『スペースマウス』というミニゲームがプレイできる。これはプログラム担当だった芸夢狂人のゲームで、1981年に同社から発売されていたもの。
    • 一方で、芸夢狂人は「多人数体制は一人で作ってた時より(特にスケジュール調整で)手間がかかって大変*1」として本作を最後に引退している。
  • エニックスより本作のゲームブック版が発売されている。ストーリーのベースは後述のFC版ベース。著者はあかほりさとる氏で、同氏の商業デビュー作でもある。

移植

  • 後年『ジーザス 恐怖のバイオモンスター』のタイトルでFCに移植された(1989年3月17日発売、キングレコード)。ストーリーの大筋はオリジナルと変わらないが、サポートコンピュータFOJYの外見がPC版ではそっけないレシーバー型だったのが主人公の恋人自作の愛らしいペットロボットに変更されたり*2、ベッドシーン*3*4などの一部描写が差し替えられている。CGも劣化しているが、FCの低解像度を考えたら仕方のない範囲だし、十分原作の雰囲気は保たれている。またPC版ではドラゴンクエストのフィールド曲が使われていたシーンがあったが、発売元が変わったこともありこちらも削除されている。


J・E・S・U・S II

【じーざすつー】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 PC-8801mkIISR以降、PC-9801VM/UV以降、X68000
発売・開発元 エニックス
発売日 1991年3月24日
定価 8,800円
判定 良作

ストーリー(II)

かつて、ハレー彗星有人調査という大きなプロジェクトにおいて大事故があった。
「原因は探査船のシステム障害によるもの」という発表があり、一応の終結をみる。

それから四年が経った。
主人公、「五色和也」はモナコでのビーグルレースへ参加するため、旅客船カリスト号に乗り込んでいた。
船はアドリア海を順調に進んでいたが、通信系のトラブルで停止。
それからしばらくして、カリスト号の付近に空から何かが落下したが、幸いにもカリスト号には大した影響もなく、
被害を避ける事ができた。
やがて乗員達が、その落下物を引き上げる。最初隕石と思われたそれは、宇宙用のコンテナだった。
そこには文字が書かれていた。「コメット」と。
そう。四年前、ハレー彗星調査事故で失われた探査船と同じ名前だった…。


特徴(II)

  • 前作と同じくコマンド選択式ADV。映画的な作りは、そのまま受け継いでいる。
  • アクションADV的要素はなくなった。
  • 前作のキャラクターは一部だけ登場する。一応、ストーリーには絡む。

評価点(II)

  • コマンド選択式ADVだが、この方式にありがちな「無駄な選択」を可能な限り避けられるように作られており、一通りフラグを立てると自動的に次の展開に進む(一般的なものはフラグを全部立てた上で、次の展開に進むコマンドをイチイチ探す必要があった)。
  • グラフィックに関しては、PC88版では中間色をフルに駆使して8色表示とは思えないほどの美麗な表現がなされている。
    • カメラワークも前作より発展しており、より映画的となった。
    • グラフィックは前作と同じく眞島真太郎。画風が大きく変わっている。前作に出たキャラクターも登場しているが、同一人物に見えない。
  • シナリオのボリュームが大幅にアップ。
    • 前作ではホラー色が強かったが、本作はさらにアクション色も加わっている。双方ともピンチのシーンがあるのだが、雰囲気が大分違う。全体としてのストーリーの出来は、十分満足できるもの。
    • 特にラストシーンは圧巻。ストーリーの締めくくりに相応しい。

問題点(II)

  • 当然ながら前作から設定を受け継いでいるのだが、一部設定が変わっている部分もある。

総評(II)

前作のストーリー重視という作りをさらに昇華。コマンド選択式の難点をある程度解消、ストーリーにより没頭できるようになっている。そして特筆されるグラフィックの出来は、まさに本作を象徴するもの。話作りがホラー一辺倒でなくなった点も、評価される点。設定が少々変わってしまっている点が残念だが、続編に相応しい作品である。



余談(II)

 本作では前作でもシナリオを担当した雅孝司が製作途中でメーカーと対立し降板。その際にシナリオごと引き上げてしまい、そのシナリオを元にした『プロンティス』(ビクター音楽産業)という作品が先に発売されてしまう事態となってしまった。
 本作発売前は雅孝司によるシナリオに基づいて作っていた原画で広報を行っていた。雅氏が降板し、代行ライターが立てられたのだが、CGを描き直す時間的余裕がなかったため、新シナリオとCGに整合性が取れない場面が多く見られる(例えば、主人公の和也は、普段レーサースーツを着ているのにメカニックという設定であり、一方のレーサー役のキャラクターは非常にラフな格好をしている等)。
 作品的な評価に関しては本作の方が『プロンティス』よりも高いのだが、残念ながらどちらも商業的には振るわない結果となってしまい、そのためか本作はコンシューマへの移植はなされることはなく知名度も今一つとなってしまった。
 ちなみにX68000版のCGはPC98版のものをそのままのサイズで表示(解像度640x400→768x512)しただけのものであり、ユーザーには手抜きと受け取られ評判は良くなかった。
 また、当時のPC雑誌によると本作はアニメ化の企画も持ち上がっていたらしい。

最終更新: