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雷電

【らいでん】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売元 テクモ
開発元 セイブ開発
稼動開始日 1990年
判定 良作
雷電シリーズリンク


概要

  • 1990年にてテクモ(現:コーエーテクモゲームス)が発売、セイブ開発が開発担当を行った縦スクロールシューティング。
  • 赤機体(1P)と青機体(2P)の超高空戦闘爆撃機「雷電」を操り、地球から宇宙圏までの舞台を戦い抜いていく、という設定。公式でのストーリー設定は存在するもの、作中での明確な描写が"ほぼ"皆無である。

特徴

スコア関連で特殊な仕様があるものの、基本的には「ショットとボンバーを駆使して進む極めてオーソドックスな縦スクロールSTG」である。

  • 8ステージ&ループ制、最大2人同時プレイが可能。ソロプレイでは戻り復活、2人同時プレイでは途中復活となる。
    • ミス条件は「自機が空中の敵及び敵弾に触れる」こと。戦車などの地上敵には自機への当たり判定は無い。
      • 自機がミスすると、周辺に機体の破片が飛び散るのだが、実はこれに攻撃判定が存在する。
  • パワーアップ方式・アイテムについて
    • ショットボタンでメイン・サブショットを同時に撃つ。サブショットに関しては専用アイテムを取得していないと発射できない。
      • ショットは2種類からの選択制で、攻撃範囲の広さに優れた赤アイテムの「バルカン」と、攻撃範囲が狭いが貫通力及び攻撃力の高さに優れる青アイテムの「レーザー」の2種類。赤アイテムか青アイテムのどちらか片方を連続取得でパワーアップ、違う色のアイテムを取得するとショット性能だけ切り替わる仕組みとなっている。
      • サブショットも2種あり、黄色いM字パネルで直進型で威力重視の「ニュークリアミサイル」、緑のH字パネルで誘導性能を持つ「ホーミングミサイル」が撃てるようになる。同種パネルの取得でパワーアップ、異種パネルで種類切り替えなのはメインショットと同様。
      • 赤・青アイテムは最大8段階、M・Hアイテムは最大4段階までのパワーアップが行える。パワー最大時に該当アイテム、またはPアイテムを取得すると、代用効果としてスコアボーナスが得られる。アイテム出現は主に「アイテムキャリアーなどを破壊する」「特定箇所にショットを撃ち込む」「自機がミスをする」の方法がある。
      • なお、デュアルプレイ時限定だが、片方の自機が"もう片方の自機"にショットを当てると特殊なショットが撃てる。
    • ボンバーボタンでボンバーを放つ。回数制限がありストック回復も厳しめ(初期3発、最大7発)のため乱用できないが、広攻撃範囲・高攻撃力・敵弾をかき消す・爆風内に入ると半無敵状態になれると非常に強力。ただし入力から爆風発生までに若干の間があるので、緊急回避ではなく決め打ちで放つ使い方となる。
  • スコアボーナス・その他のシステムについて
    • ステージクリア後は「ボンバーストック及びステージ内で取得した勲章アイテム」の数によってスコアボーナスが得られる。ただし、ステージ内でミスしてしまうと、それまでに取得していた勲章はすべてノーカウントになってしまう。
    • 隠しキャラに「ミクラス」と「フェアリー」が存在する。前者は取得時に勲章よりも高いスコアボーナスを得られる。後者は特定箇所を撃ち込む事で出現、取得後にミスをすると、次回復活時にフェアリーが出現して大量のパワーアップアイテムをばら撒いてくれる*1

評価点

無名メーカーが放ったヒット作

大作・ブランド至上主義だった当時のAC業界において、本作は異例ともいえる「知名度0の状態から大人気となった」作品である。
ゲームシステムは良く言えばオーソドックス、悪く言えばマンネリで新鮮味に欠けており、前評判は決して良いものではなかった。ヘタをすれば不人気のまますぐにゲーセンから姿を消し、他の作品に埋もれてしまうこともありえなくはなかった。
しかし蓋を開けてみると丁寧に作られた内容がプレイヤーを魅了。シューティングにさほど興味のない層も本作をプレイしたり、あまりゲームセンターに通わないサラリーマン達も好んでプレイする*2という風に多くの新規層・リピーター層を獲得していったのである。
その結果、本作は1990年のACシューティングにおけるトップクラスの人気作へと上り詰めていく。

  • 当時のセイブ開発は、麻雀やアクションゲームを細々と開発していたメーカーであり、シューティングの実績は皆無*3のマイナーメーカーであった。恐らく前評判の段階では、多くのプレイヤーから「東亜シューティングの模倣作」「シューティングブームの乗り遅れ」といった印象を受けていたのかもしれない。そのようなメーカーが、まさか当ジャンルの本家である東亜プランのお株を奪うほどの躍進を見せるとは誰もが思わなかったであろう。

高難易度ながらも上質なゲームバランス

  • 本作の難易度は当時のACシューティングの中でも高い部類に入り、そう簡単にはオールクリアさせてくれない。
    「前半ステージから敵の猛攻が激しめで、後半ステージからは難易度がさらに跳ね上がる」「ミスするとパワーアップがリセット状態での戻り復活」という環境がプレイヤーを苦しめる。
    しかし、「どんな難関であっても、プレイヤーの腕前次第でクリアは可能」という絶妙なバランス調整がなされている。この計算された難しさが「次こそは…」というプレイ意欲を引き立て、「難しいのにやり続けてしまう」という中毒性に繋がっていく。
    • 初心者でもボンバーをケチらずにゴリ押しで進む、熟練者はボンバーに頼らないプレイも可能、と様々なプレイヤーに対応した懐の広さも本作の魅力と言えるだろう。

演出・BGM面

本作はシューティングの醍醐味である「敵を破壊する」事を重点に置いた作風となっている。
これ以外にもロケーションの変化といったわかりやすい見所も多く、「先を見たい」とプレイ意欲をかきたててくれる。

  • ショットのパワーアップには苦労させられるが、フルパワーになれれば大量の敵を一気に薙ぎ払える。画面の半分近くを覆うボンバーで敵を一気に消し去る様も超爽快。
  • グラフィックも同期のシューティングと比べても細かく書き込まれている。「ボスは撃ち込みに応じて炎上し、倒すと豪快な爆発音と共に沈んでいく」「特定のパワーアップを行うと自機が変形する」といった細かな演出の数々がいい味を出している。
    • 敵のデザインは機械的でありながらも、"どことなく"遺跡を彷彿させるものが多い。『ゼビウス』とはまた違った意味での神秘性を感じさせる。
  • 勇壮感溢れるBGMがゲームを盛り上げてくれる。特に1面BGMの「Gallantry(=「武勲」の意)」はその名の通り勇敢さが曲調にも表れている名BGM。本作のBGMの多くが『雷電DX』でアレンジされたのもむべなるかな。

問題点

  • 前述したとおり、難易度が高い。その理由は下記に挙げる仕様によるものであり、これらの問題点の多くは本作以降にも引き継がれていくことになる。
    • 自機の当たり判定が大きい。ほぼグラフィック通りであり、避けたつもりでも弾が自機にかすっていてミスという状況が頻繁に発生する。さらにショットが5段階以上になると自機が変形して大きくなり、当たり判定もこれに応じて大きくなってしまう。
    • 敵弾速度が速く、見切るのが難しい。本作を含めた雷電シリーズでは、所謂「チョン避け」を知らないと絶対に攻略できないゲーム内容となっている。
    • アイテムは同じ種類のものを取らないとパワーアップできない。うっかり別の種類を取ってしまうと、攻撃方法が大きく変わるだけでなく火力も全く上がらないので苦戦の原因になる。
    • 復活が難しく、一度でもミスするとそれ以降敵に圧倒されてしまいやすい。ソロプレイでは戻り復活であり、ゴリ押しで先に進むことができない。デュアルプレイではその場復活のため、『II』以降の感覚でプレイ可能。
      • 海外版ではソロプレイでもその場復活となる為、1周だけならこちらのほうが楽。
    • ボムが使いにくい。爆発までタイムラグがあるため緊急回避には役に立たない。使うならば雑魚敵が大量に出てきた時や、ボスが強力な攻撃をしてくる直前といった「ピンチに陥る前」に決め撃ちすることが望ましい。
    • レーザーが使いにくい。高威力なのが利点だが、攻撃範囲が狭い上に連射が途切れやすく、道中で使用するのは自殺行為に近い。ボス戦終了後の次のステージの攻略を考えると、バルカンのまま戦った方が安全。
    • 連射装置がないと弾避けに集中しにくい。
  • BGMが少ない。全8面に対し、ステージ曲は4曲。

総評

発売前は無名メーカーによる作品という点や、システム面も既存ゲームの寄せ集めという事もあってか、マイナスのイメージで見られていた。

だが、蓋を開けてみると、新鮮味やインパクトこそないがシンプルで上質なゲームバランスや大迫力の演出群といった作り込まれた要素が評価され、発売前の悪評を見事に覆す事に成功した。

その丁寧に作られた内容からダークホースとして人気を獲得。現在は1990年のSTGにおける代表作として位置づけられいる。


その後の展開

  • 本作のヒットでセイブ開発はこれ以降STG作品に注力していくことになり、『雷電シリーズ』はセイブ開発の看板タイトルに成長を遂げた。
  • 1面ボス前の背景に墜落した自機と同型と思わしき戦闘機の残骸が確認できる。
    • 本作の時点では世界観を深める背景演出に過ぎないが、後の『III』にて・・・。

家庭用移殖

本作の家庭用移殖は非常に多い為、「ソフト単体」と「オムニバス収録」の各分類に分けての紹介を行う。一方、海外ではATARI Jaguar、IBM-PC版が出ている。*4

ソフト単体としての移殖

  • FM TOWNS版 (1991年発売、電波新聞社)
    • 雷電伝説』の名義でリリースされた初移殖作品。後にギャルゲーメーカーとして開花するキッドが開発を担当。PS版がリリースされるまでは、最も移殖度が高いと評されていた。
    • BGMはCD-DAによるアレンジ楽曲となっている。
  • メガドライブ版 (1991年7月6日発売、マイクロネット)
    • こちらも『雷電伝説』の名義リリース。発売・開発は『CURSE』で知られるマイクロネットが担当。
    • 一人専用プレイとなり、自機変形演出が削除されている。また、レーザー・ニュークリアミサイルの攻撃力が異様に低下し、罠ショットへと成り下がっている。
    • 「真のラストステージ」と呼ばれる鬼難易度のオリジナルステージが1つ加えられ、全9ステージ構成となった。
  • PCエンジン Huカード版 (1991年11月22日発売、ハドソン)
    • 家庭用移殖の中では唯一『雷電』名義のリリース。開発は任天堂携帯機版『スーパーロボット大戦シリーズ』で知られるエーアイが担当。
    • 一人プレイ専用。家庭用向けに難易度をAC版より低下させ、STG初心者でも遊びやすくなっている。頻繁に画面が"ちらつきやすい"のが難点。
  • スーパーファミコン版 (1991年11月29日発売、東映動画)
    • 3回目の『雷電伝説』名義リリース。開発は悪名高きカオス(旧:マイクロニクス)が担当。
    • シューティング向きではないSFCとはいえ、「もはや移殖する気ないだろ」と突っ込みたくなる程に悪い意味で別物と化し、黒歴史・超絶劣化移殖扱いされている。
  • PCエンジン スーパーCD-ROM2版 (1992年4月2日発売、ハドソン)
    • 『スーパー雷電』名義の移殖。開発はHuカード同様にエーアイ担当。
    • 内容としてはHuカード版と同等。BGMがCD-DAによるアレンジ版となっているが、原曲に近いTOWNS版アレンジとは違い、かなり大胆でゴージャスなアレンジがなされている。
    • オリジナルステージが2つ加えられ、全10ステージ構成となった(MD版のそれとは別物)。
  • プレイステーション版 (2002年11月28日発売、ハムスター)
    • 『MajorWaveシリーズ アーケードヒッツ 雷電』名義の移殖。
    • 下記『雷電プロジェクト』から『雷電』のみを収録した内容。ゲーム自体は『雷電プロジェクト』と全く同じ。
    • 2007年3月27日からPS(MajorWave)版がゲームアーカイブスにて配信中。

オムニバス収録としての移殖

  • 雷電プロジェクト (プレイステーション、1995年1月27日発売、日本システム)
    • 雷電II』とのカップリング移殖。開発は原作同様、セイブ開発が担当。
    • 二人同時プレイ可能。ゲーム内のBGMを"原作オリジナル楽曲・アレンジ楽曲"のどちらかから選曲できる。さらには縦画面モードにも対応。ロード時間は最小限しか発生しない。
    • AC版の再現度が高く、「TOWNS版以上の移殖度」と評されるが、一部ボス敵の耐久度やアルゴリズムにて若干の相違が確認されている。
    • MajorWave版とは違い、こちらはゲームアーカイブス未配信。ただし中古ソフトは比較的容易に入手可能。