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ガーディアンズ/電神魔傀2

【がーでぃあんず/でんじんまかいつー】

ジャンル ベルトスクロールアクション
対応機種 アーケード
発売元 バンプレスト
開発元 ウィンキーソフト
稼動開始日 1995年
判定 なし
ポイント 主人公リストラ
キャラクターがしゃべらない
コンボシステムがアツい
ストーリー意味不明
販売元の方針転換による被害を受けた本作


概要

  • 同社のベルトスクロールアクション『電神魔傀』の続編。『電神魔傀』のアレンジ移植版『ゴーストチェイサー電精』を含めるとシリーズ第3作となる。
    • 本作の正式なタイトルは『ガーディアンズ』だが、基板の設定でタイトルを『電神魔傀2』に変更することが可能。(後述の通り、電神魔傀の続編で制作されていたものを、急に「また別のオリジナル作品」とする方針転換のせいである)
    • 見た目はよくあるベルトスクロールアクションだが、非常に爽快感がある作品となっている。
  • 前作の主人公「魔傀 元聖」とヒロイン「衣世」がリストラされ*1、代わりに前作ラスボスのギルリアン*2を含む4人を追加した計8名のキャラクターを使用可。
    • 前作からの続投である「ゼル・ティア」は前作の化け物じみた姿から、(羽の生えた)美女の姿に変わっているが、これは前作からある設定である*3

システム

  • 前作からのシステムとしてゲージ消費の必殺技が全キャラクターに4つ以上+超必殺技が搭載されており、POWゲージを消費することによって必殺技を繰り出せる。
    • POWを貯めるにはレバーニュートラルか敵を攻撃、アイテム収得などで貯まる。ただしPOWがない状態で必殺技を使用すると他のベルトアクション同様HPを消費する。またHPとPOWがない状態で必殺技を使用すると強制的にPOW貯めモーションになる。
  • 得意武器
  • コンボシステム
  • 前作の空中コンボは敵単体へのダメージソースの一つとしての役割を持っていたが、本作ではスコアを稼ぐ用途に変化した。
    • 空中でコンボを繋げていくと攻撃力に補正が掛かっていき、最終的にはベルスクにしては破格の100以上のもコンボ叩き出す事が可能に。
    • ステージクリア時にはMAX Hitに応じてボーナス点を獲得出来る。本作で全国スコアを目指すのならコンボをマスターするのが鍵になるだろう。
    • コンボシステムの強化に伴い、敵に連続攻撃を与えた際にHit数も表示される様になった。
  • その他
    • 完全ライフ制を採用していた前作までとは異なり、ライフ+残機制を採用。
    • 前作に存在したガン系の武器は無くなっているが、飛び道具自体は必殺技の一つとして残っている。

評価点

  • 「地味」の払底
    • ゲーム内のグラフィックは同期発売のゲームの中でも書き込まれている部類。
    • 加えて、特有のコンボシステムの存在共々、シリーズ全体で指摘されていた「地味さ」は完全に払底されたと言っても過言では無いだろう。
  • 体力ゲージ周りの改善
    • 前作では「残機設定の無い完全体力制でスコアを稼ぐと体力の最大値が上昇する」という、独特な体力ゲージ仕様が特徴だったが、本作では「ライフ+残機制」かつ「体力の最大値は変動無し」という、大抵のベルトアクションで採用されている非常にありふれた仕様に変更された事で、ゲーム自体へは非常に取っつきやすくなったと言える。
    • なお、本作のスコア稼ぎについてはコンボボーナス(後述)に受け継がれた為、前作の「体力がゼロに近い程高得点を獲得が出来る」システムは廃止になった。
  • 比較的手頃な難易度
    • 回復が多く、必殺技も高性能な技が多いのでベルトアクションの中ではそこそこ簡単な部類。
      • が、一旦ハイスコア狙いのプレイを始めると一転して難易度が急上昇し、逆にクリアが困難になる。
    • 豊富な必殺技類に加えて、ガード・起き上がり攻撃・起き上がりライン移動・広範囲攻撃等のプレイヤー救済システムも多く、プレイヤーが高性能。
  • プレイヤーは数は8名と、当時のベルトスクロールアクションでは非常に多い。

賛否両論点

  • 覚え要素が多い。
  • プレイヤーが高性能な分、前作以上に覚える要素が多い。
    • キャラクターを自由自在に動かす為の各種操作の方法や必殺技のコマンド、ベルトアクションに付きものな敵のパターンにステージのルート分岐(後述)と、クリアを目指す為にも把握するべき要素が多すぎるのは否めない。
    • また、ハイスコアを目指すには各種コンボルートも把握しなければならず、更に覚え要素が増えてしまう。
  • せっかく追加された新要素の一端である『得意武器』だが、ボス戦の直前のフロアで必ず武器を廃棄する仕様になっているため、残念ながら蛇足感が否めない。

問題点

  • 前作の面影が殆ど無い…?
    • 本作の前作から引き継いでいる要素はプレイヤーくらいで、前作以上に書き込まれたグラフィックの存在も相まって、シリーズを知っているプレイヤー程ほぼ別ゲームと思われがち。
      • だからといって「電神魔傀とは全く違う作品」と割り切るには、あまりに「前作」の面影が濃く残っている。なぜそうなったのかは後述。
  • コンボシステムについて
  • このゲームの肝であるコンボシステムは非常に爽快だが、一定数以上(基板の難易度設定次第だが大よそ6~8HIT)HIT数を叩き出すと難易度が上がる。
    • クリア重視ならHIT数を稼ぐのが難しいパワー系キャラクター(スカルビュレとタルクス)なら簡単。
    • が、逆に攻撃力が低く、どうしても手数が多めになってしまう黒騎士とゼル=ディアはクリアが難しい。特に稼ぎ目的で60HIT以上のHIT数を挙げると更にクリアが困難になる。
    • しかし、体力をギリギリの状態までキープしなければならない前作の稼ぎと比較して、わざわざ体力を減らさなくても良いのが救いか。
    • つまり、本作はスコアを捨ててクリアだけを目指すクリアラーと、ハイスコアを目指すスコアラーの区別が比較的明瞭な作品と言える。
      • ちなみにコンボ稼ぎが熱い本作は、既にゲーメストの集計ではタルクスとギルリアンと刃零の3名がカンストされている。
  • 敵キャラクターはどれも名称が不明。
    • 一応、ボスの一人の忍者は前作の紫電(前作の高速道路面のボス)と思われる描写がある。
      • ちょうど、データ内部には「Shiden Kai」という名前が入っていて、二面の忍者ボスが紫電と関係があることを裏付けている。(詳細は後述)
      • 使用する武器こそ違うが、分身の術を扱いトリッキーに舞う戦術に加えて、前述の黒騎士・ギルリアンの設定を踏まえると紫電本人の可能性が高い。
    • 内部データ上では8人のプレイヤーキャラの名前と共に、ボスの名前らしい5つの謎の名称が入っている。(外部リンクの画像参照)
      • 「SHIDEN KAI」という、忍者ボスらしき名前が確認できる。残りの名前も「S.GEIM」→1面の長身筋肉女性、「BOTOMS」→3面の赤い大型戦闘ロボット、「SALAMANDER」→4面の亀みたいな怪生命体、「NAGASAWA」→5面の黒幕らしき男…と類推することができ、もし本作が「無事に完成」していればこれらの名が正式名称となるはずだったと予想できるが… 詳細は後述。
  • その他
    • 前作ではかけ声程度であったがボイスがあったが、本作では全てのキャラクターのボイスがカット。
    • ザコ敵の体力が表示されなくなった。 ちなみにボス敵の体力は表示される。
    • また、エンディングはキャラクターが味方の飛行船で勝ちポーズをとる場面が映し出されるのみ。 敵の正体は何なのか、今回のストーリーは何なのか、そして各キャラクターのその後は何なのか、そういった事は一切語られない。
      • 本来はこのためのセリフ、演出が豊富に用意されていたであろうが、全てカットされてしまった。詳細は後述。

総評

とにかく前2作の主役とヒロインは削除されたものの、『電神魔傀』の続編がアーケードで出たことは奇跡と言える。そして、前2作のシステムの欠点を補正した点は評価していい。

ゲーム内情報が少なすぎる関係でキャラクター設定やストーリーについて把握が難しい面こそあるが、
ゲームシステム及び難易度も悪く無く、稼働しているところを見かけたら是非プレイしてみて欲しい。

余談

  • 前々作同様国内では出荷数は極めて少なく、ネット上で検索してもなかなか情報が見つからない。
    • その反面、前作と同様にアジア圏を中心に海外ではかなりの大ヒットを飛ばしており、相当数のコピー基板が作られる程の需要があった為か、その数少ない国内版の基板も海外に流出してしまい、更にレア化してしまっている。
    • 国内外のオークション等で当作品が出品された際に基板の種類が複数存在するのは上記の通りコピー基板が相当数出回っているからである。更には『超加強版』と称する手を加えられたコピー基板も作られている。
  • このように長年謎が続いた本作だったが、全く意外にも韓国のネット掲示板からその謎を明かそうとする動きがあった。
    • あるユーザーが、2021年あたりまで本作に関する情報を集めていた。参考記事(朝鮮語) 「中世ゲーム掲示板民のガーディアンズ追跡年代記」1部 2部 3部 4部 5部 エピローグ
    • そのユーザーが(本作のキャラデザイン担当である山岸望とコンタクトして証言を得るなど)執念深く(?)本作に関する情報を捜し回った結果は以下の通りだ。
      • 確かに本来は、初めから『電神魔傀2』として企画され、そのまま順調に制作される予定だった…が、 販売元のバンプレストによる急な方針転換の犠牲になった作品 である。バンプレストがいきなり「本作を『電神魔傀』の続編でなく、 全くオリジナルの作品とする 」方針を打ち出した。それで急な対応を強いられたスタッフたちは、急いで電神魔傀隠しに走った… けど、ギリギリな予算と締切の都合で前作の色を全部隠す事ができず、いたる所に電神魔傀の要素を消しそこねてそのまま残してしまった。
      • 前作『電神魔傀』の販売不振が、このような方針転換の原因だったと思われる。「(スパロボのような版権物でない)せっかくのオリジナル作品『電神魔傀』が、興行成績が全く振るわなかった」→「もしここで一度失敗した作品の続編を出せば、前作の販売不振をそのまま引きずってしまうのではないか」→「だから今作っている『電神魔傀2』(仮)は、(電神魔傀2ではない)また違う作品にしよう」…とバンプレストの上層部が判断した結果がこのありさまである。
      • しかも本作は極めてスケールの大きい作品になる予定だったらしく膨大な量の要素をいっぱい詰め込んでいた。(中には、ゼルディアの音声データも大量に残っている)…だが、やはり予算と締切のせいで(そして電神魔傀隠しのあおりも重なって)全カット。本作に状況説明もセリフも何も出ないのは、このためである。
      • バンプレストの理不尽な方針転換のせいで本作は中身がぐちゃぐちゃにされたまま1994年中頃に一応納品された。しかし事実上未完成品な状態で長く放置されたあと、1995年12月になってようやく売り出されるようになった。
      • いずれにせよ、本作は最終的に 電神魔傀とは無関係な ソフトで、単に『ガーディアンズ』とだけ呼ばれるはずだった。でも、やはり色濃く残る 電神魔傀の続編らしさ は隠しきれなかった。加えて、特定条件下では電神魔傀2』のタイトルロゴ が出現する。これが、本作が 『ガーディアンズ:電神魔傀2としてユーザーたちの間で知られた決定的な理由である。
      • アジア圏の誰かが(海賊版コピー業者と推定)本作の内部データをいじって『電神魔傀2』と書かれたタイトル画面を出現させてしまった。この『電神魔傀2』タイトルの正体は、消し忘れた没データか、あるいはコピー業者が電神魔傀のアセットを無断で流用してでっち上げた物と考えられる。
  • 何れにせよ「公式的には電神魔傀と無関係」である本作だが、これを「事実上の続編」として扱うかどうかはプレイヤー皆さんの判断次第である。(むしろ、ファンから全力で存在を否定された某ゾルゲなサンダーフォース公式続編とは間逆に、こちらは(公式の認定が無くても)れっきとした電神魔傀の続編として認めてやっても良さそうだ)
+ 参考動画

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最終更新:1970年01月01日 09:00