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*チョロQワンダフォー! 【ちょろきゅーわんだふぉー】 |ジャンル|レースゲーム|&amazon(B00020PWRE)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM|~| |発売元|タカラ|~| |開発元|イーゲーム(E-GAME)|~| |発売日|1999年8月5日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |廉価版|PlayStation the Best for Family&br;2001年8月23日/2,800円(税別)|~| |判定|なし|~| //↑判定変更議論手続きを経てから判定を変更してください。 //https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4889.html |ポイント|ゲーム性の大幅変更&brレース<探索&br''燃料制の導入''&br()''シリーズ中でも非常に高い難易度''&br''特定のユーザーからは「黒歴史」という声も''|~| |>|>|CENTER:''[[チョロQゲームリンク>チョロQシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- //対応機種欄は上位ハードで起動できるとしても本来のハードのみ記載して下さい。『テンプレ』に違反しております。 **概要 PS版チョロQシリーズの4作目((『コンバットチョロQ』などの派生シリーズを含めると7作目。))にあたり、ボリュームたっぷりで評価の高い『[[チョロQ3]]』(以下前作)の後に発売された。初代PSでは廉価版や教育用ソフトを除けば最後のチョロQシリーズであり、初のE-GAME開発のチョロQ。~ 前作のエンディング後の画面で『チョロQ4』の製作・開発を示唆していたが、発売されたのは製作会社の異なる本作であった。但し開発スタッフはタムソフト時代のスタッフが移籍している事が判明している。((『3』までと『ワンダフォー』、それぞれのスタッフロールを見比べると、一部共通のスタッフの名前がクレジットされている。)) ---- **特徴・評価点 -街要素の充実・拡大 --従来作のレースメインで、街要素はあくまでサブであったゲーム構造とは大きく変わり、今作は街要素がメインとなった。 ---今作では様々な街を中心にして走り回り、各街の「Q's ファクトリー(以下Q's)」という場所に行ってレースに参加するという流れになっている。 ---レースの受付だけではなく、燃料の補給やパーツの変更、データのセーブもこのQ'sで行うことになる。 ---またそれぞれの町にはいくつかの宝箱があり、これを開けることによって自車の性能を強化するパーツを獲得することができる。 --過去作はプレイヤー以外のチョロQの存在が街では殆ど皆無だったのに対し、今作は様々なチョロQが暮らす世界が舞台となった。 ---チョロQは人と同じような扱いとなっており、RPGさながら他のチョロQと会話することができる。 --街を回ってパーツを集めながらレースに勝つという「RPGレースゲーム」になっている。 -イベント・ストーリーの充実 --ゲームの最終目的はワールドグランプリ(以下グランプリ)で総合優勝すること。 ---ストーリーがほぼ存在せず、基本的にひたすらレースが目的であった過去作とは異なり、プレイヤーがレースに出場するためのストーリーも存在する。 ---グランプリの開催には優勝カップの返還が必要になるのだが、前回の優勝者である主人公(プレイヤー)は優勝カップを不注意で壊してしまい、&br()代わりとなるものを探すべく各地を飛び回る、というストーリー。 --レースで勝ったり、住人のお願いを聞いてあげたり、ミニゲームをクリアしたりすると、スタンプがもらえる。 ---住人に話しかけるだけで良いものもあれば、各街を行き来しないといけないものなど様々。 ---スタンプは全部で100個あり、全スタンプの入手は大変なものの、やりごたえのあるものになっている。また、スタンプを全て集めてからある人物のもとへ行くと、シリーズ恒例のあのアイテムが… ---スタンプの他にもメモ帳が存在し、((メモ帳はスタンプ帳と一体化しており、スタンプ確認時にも素早く確認することができる。))特定の住人から聞いた攻略のヒントが記されていく。主人公の解説書の口調とメモ内の口調の違いはある意味必見((前者は「~だよ。」「なんだ。」など大人しめの口調、後者は「~てくれ。」「楽勝やね。」「間違えやがったな。」など若干粗野な口調。))。 --ストーリーが進むと過去の世界へ行くことになる。 ---過去へ行くのは、前述の通り代わりの優勝カップを手に入れるため((作中の過去世界では優勝カップを返還する必要はなく、そのまま優勝者が所持して良いことになっている。理由としては過去世界では金が豊富に採れるので、いくらでも代わりの優勝カップを作ることができるため、との事。))。 ---過去でもマップの形状は大きくは変わらず、一部の建物に現代と似た外観のものもある。とはいえ、しっかりと現代の街との差別化がなされており、街の外観は殆どが大幅に変化している。例えば現代の自分のガレージの場所が過去では地下迷路の入り口となっていたりと、現代と過去の比較が楽しめるようになっている。 ---過去の世界の「ゴールドシティ((現代では「イエロータウン」と「ブラックシティ」という2つの街に分かれている。))」と「ブルーシティ((傲慢で自分本位な性格の住人と、水神様を信仰する真面目で純粋な性格の住人との2通りの住人がいる。過去の世界では栄華を極めた街であったが、ある理由により現代ではブルーシティにあたる街が…そして過去世界のブルーシティにいた傲慢な住人達が、現代でゴールドシティを分断させた遠因になった、と言う話を作中のある人物が語っている。但し本人曰く「作り話」であり、過去のレッドタウンで聞けるこの街とゴールドシティの関係も「うわさ」であること、住民に関する矛盾点(過去・現代どちらでも同じボディで同じ場所におり、イベント後にお礼をくれるなど性格の観点から見てもイエローに追い出された可能性が低い住民が2人存在する。ブラックシティの住民自体も一部住民の性格に難があるだけで、その殆どはブルーに比べフレンドリーで印象がかけ離れており上記の人物の話とさほど噛み合わない、など。)も存在するため真相は不明。))」関連の設定は攻略に直接関わるものではないものの、現代と過去の住民や街の違いから「なぜああなってしまったのか」を考えさせられる、デフォルメ玩具を元とした『チョロQ』シリーズらしからぬ生々しい設定となっている。 -その他 --オプションパーツの登場 ---「オプションパーツ」は該当する全てのパーツを自由に着脱する事ができ、接地能力を3段階で調整できる「バリアブルウィング」や、使用すると莫大な燃料を消費する代わりに強力な加速力とスピードを得られる「ジェットタービン」などの、装備すると特殊能力が得られるパーツとなっている。 ---オプションパーツを全て装備した自車は非常に重装備な外観となり、初期状態と比べて見違える様な外観となる。 ---これらのオプションパーツは「タイムユニット」を除き、汎用ではなく選んだボディに合わせた専用のデザインが用意されている。 --UI関係では、コースマップは常に左端に表示されるようになった。 ---『[[チョロQ3]]』までの3部作に比べるとサイズはやや小さめだが、自車や敵車の位置を判別する事が困難、という訳では無い。 ---この仕様はPS2でのタイトル(HGシリーズなど)でも採用された。 ---- **賛否両論点 ''過去作とはゲーム性が大きく変化したため、賛否両論点が多く、評価も分かれる部分が多い。'' -グラフィックが前作までと比べ大幅に変化、車の動きもレースゲームとしては十分だが前作までに比べると少しもっさりとしており遅いと感じ易い。過去作の感覚でプレイすると痛い目を見る。 --グラフィックに関しては基本的には(あくまでPSのゲームとして)綺麗なのだが、一部グラフィック(例としてタイヤのグラフィック)が粗い。 --実は、''グラフィックを作り込み過ぎてPSの性能を超えてしまい本来のグラフィックよりも粗く表示されてしまっている''…というのが真相。容量の事を考えると、恐らく後述の選べるボディが少ない原因の一つ。一部のエミュレーターでプレイすると本来のグラフィックを見る事ができる。 -過去作の人気キャラのリストラ --上記の通り本作ではグラフィックが全て新しく作り直され、その影響もあってか過去作で人気だった「マッドスペシャル」((玩具チョロQのシリーズの1つ「カスタマブルチョロQ」内のマッドレーサースペシャルという製品がモチーフ。))や「ペガサス」系統のライバルキャラクター((グランプリで上位を走る「〇〇ペガサス」という名称の、跳ね馬マークが特徴的な某社の車がモデルのキャラクターを指す。))がいなくなってしまった。但し上記の2台の様に作品を跨いで登場したキャラは全体を見ても珍しく、ましてやマッドスペシャルに関してはモデル元玩具の販売が終了していた事情もあり致し方ない面もある。 --一応前作までとは別のキャラクターとしてではあるが、万年最下位ポジションでお馴染みの「せいそうしゃ」や、『チョロQ3』で特殊なポジションだった「人生ゲームのコマのボディ」を着けたチョロQなど、本作のキャラに継承されている要素も存在する。 -''燃料システムの導入'' --''今作の「ぼうけんにでる」モードでは、シリーズで初めて「燃料」という概念が導入され、燃料をなくさないようにレースをしなくてはならなくなった。''(「とりあえずあそぶ」や「ふたりであそぶ」モードでは燃料は無い)ガス欠になっても走行はできるが最高速が急激に低くなるので、ゴール付近でない限りリタイアは必至。 --アクセルを踏むだけで燃料が少しずつ消費される他、上述したオプションパーツ「ジェットタービン」を使用することで莫大な燃料が消費される。 --&bold(){この「燃料」は消費して量を減らす程、自車の加速性能が良くなる。}このため敢えて燃料をガス欠ギリギリまで使い、自車の性能を最大限に活かすという戦略もある。 --エンジンの一つ「ウルトラターボ」は数あるエンジンの中でも最高のパワーを誇るが、燃費の悪さも最高。その消費量たるや1つ前のエンジンの2倍にもなるほど。 ---ウルトラターボと上記のジェットタービンとの併用は特にご法度であり、この組み合わせで運用する際には綿密な燃料調整を必要とする。しかしスピードミッションやラダー、バリアブルウィングと組み合わせて上手く燃料を管理することができれば、他車を寄せ付けない強力な組み合わせと化す。 --なお、本作には&bold(){「クラッチ」}も存在し、クラッチを切って燃料の消費や減速を抑える事ができる。これによる惰性走行中(アクセルOFF)は燃料を一切消費しない((実際の自動車ではクラッチを切ろうがエンジンが掛かっている間は燃料を消費する。))。 ---作中でも解説してくれる住民がいるが、エンジンブレーキ((実際の自動車にも存在する、エンジンそのものが減速しようとする仕組みの事。))が効かなくなるため。ガス欠になった際は、下り坂であればクラッチを切って惰性で走った方が速い場合もある。 ---現実のようなクラッチを急に繋ぐことで起きる(エンジンとタイヤの回転差等による)ショックや減速も無いため、燃費を考慮する必要が出てくる終盤は、クラッチを活かせるセクション((下手にスピードを出すと壁にぶつかり燃料をロスしてしまう、ブルーシティコース中盤の細いS字カーブなど。))で積極的に活用することが求められる。((その他にも、上手く使えば暫くの間アクセルボタンを押さなくても良くなる為ハンドル操作がし易くなる、更にジャンプ中にアクセルボタンを離してクラッチを切れば、速度を落とさずに燃料を温存できる、などの応用が効く。)) --燃料の残量を考慮して走らなければならず、過去作のように制限なしに走り回れなくなった為自由度が減った。ゲーム性としては複雑性が増したため、合わない方もいると思われる。 ---「そもそもゲームで、しかもチョロQで再現されても困る!」との声もあるが、燃料システムは『[[チョロQ HG2]]』にも受け継がれる事になる(クラッチは廃止)。 -挙動の大きな変更 --『チョロQ3』までは比較的少ない減速でもコーナーを曲がれたが、今作はしっかりと減速をしなければタイヤのグリップが落ち、更に素早く曲がれない挙動になっており、慣れるまでが大変。((裏を返せば何度も走り込むほど腕の上達を感じられる、無印チョロQの様なスパルタンな方向へと原点回帰したとも捉えられる。)) --前作までのゲーム然とした挙動というよりは、[[GRAN TURISMO>グランツーリスモ]]に近いレースシミュのようなやや難しい挙動になっている。前述した燃料システムやクラッチシステムもそうだが、システム自体が悪いという訳ではない((むしろ燃料は多すぎず少なすぎない絶妙な量となっているし、クラッチに関しても燃料節約だけでなく操作のしやすさにも応用が効く、戦略性が高く出来の良いシステムとなっている。))ものの、こちらに関してもチョロQシリーズでそれをやる必要があったのか、という声がある。 --しかし、''『チョロQ』シリーズ自体が型にとらわれない作風''であり、本作の様な生々しい設定の存在、そして本作の挙動や、挙動の方向性こそ異なるものの『チョロQ3』までの硬派な挙動を採用しての人気があるという一面も存在する。 --システムの出来自体は良いものの、前作までとは大きく異なる方向性に多くのプレイヤーが戸惑う事となった。 -全体的な難易度の高さ --序盤で走る事になる「レッドシティ」「グリーンパーク」でのレースの敵車がやや速く、丁寧な旋回・減速を心掛けないと入賞できない。 --最初に街から街へと移動する際に、跳ね橋やゲレンデと言ったミニゲームステージを通過する事になるのだが、どれも難易度が高い。中でも過去世界の「音当て峠」は音を聞き分けて正解を選んでいかないといけない上に、11ステージ中1回でも間違えると最初の峠からやり直しの為、音感の乏しいプレイヤーの場合非常に苦戦する。 ---燃料も最初の入口でしか補給ができない。但し正解ルートはいつも決まっている為、聞き分けられない場合はメモを取りながら進めれば、時間はかかるがクリアはできる。 --過去のグランプリはジェットタービン前提のバランスなのか、このパーツ無しでは3位入賞でさえ危ういほどに敵車が速い。~ 敵車の速さのバラつきも激しく、パターンによっては非常に難易度が跳ね上がる。特にオフロードコースの「グリーンタウン」の難易度が高い。 --しかしジェットタービンの使用を禁止されている現代のグランプリは、第1戦のオンオフ混合の「ブラックシティ」コース以外は、基本的に適切な運転を行えばドライバーズポイントを抜かれることは少なく、更に過去世界に比べ、上位勢のライバルの順位が変動しやすいという要因もあり、過去のグランプリに比べると些か拍子抜けな印象を受ける。 ---現代のグランプリの最終戦はある隠しコースで行われ、特殊な路面の為に一見かなりの高難易度に思えるが、コースの構成に気付いて対策するとあっさりと勝てるため、最終戦とは思えぬ難易度となっている。コースの構成を利用せずに挑むと苦戦する為、それが救済措置になっているとも言えるが。 --但しあくまで「過去のグランプリと比べて」難易度が低いというだけであり難易度自体は高く((むしろ非常にシビアな難易度の過去グランプリと比べると、程よい難易度になっている。))、現代のグランプリも「跳ね橋の宝箱」の様な高性能パーツを取得していないと非常に難易度が跳ね上がる。 ---特に上述の「ブラックシティ」はパターンによっては1位優勝が非常に厳しくなる。又、2戦目の「グリーンパーク」ではとあるライバルがホームストレートで鬼の様な加速とスピードを出す為、警戒していないとあっという間に抜かされてしまう。 -パーツショップの廃止 --過去作とは異なり、お金の概念やパーツショップが存在せず、パーツは町などの特定の場所に配置されている宝箱から入手する必要がある。 --レースで勝てない場合に他のコースを何度も走ることでお金を貯め、より良いパーツを購入し、そしてリベンジ、というこれまでのシリーズで出来た回り込みが序盤はできない。 ---裏を返せば、資金稼ぎをせずとも入賞に必要なパーツを手に入れられるということでもある。序盤2つの町を除けば入賞せずとも次の町へ行ける為、中盤以降は探索を優先すれば高性能なパーツを手に入れて戻ることも出来る。 ---ストーリー進行に関わるような一部パーツは、フラグ管理や別のパーツを入手してからなど手順を踏まないと入手できないように対策されている。 -パーツの性能表記のわかりにくさ --過去作ではパーツの性能はグラフである程度は容易に確認できたのだが、今作では一行だけの簡潔な説明文しかなく、具体的な性能を把握できない。~ 使い方を間違えるとタイムが逆に遅くなったりもするような代物もあるため、先述した難易度の高さに拍車をかけてしまっている。 #region(例を挙げると…) --「ローハイミッション」は''「ローとハイの2段しかないのだよ」と書かれているだけ''で、使用するまで特性((ギアが他ミッションの1速と5速相当の2段しかなく、巡行中の変速が無い代わりに1速からシフトアップした後の加速力が極めて低く、その一方で最高速度は全ミッションの中で特段速いわ-けでもない。))が殆ど分からない様な解説となっている。 --「スピードミッション」は「最高速重視」、ワイドミッションは「加速が良く、最高速も高くバランスが良い」という説明文で通常ワイドミッションの方が後から入手することもあり上位互換のように見えるのだが、実際はスピードの方がバランス型((1速の加速の遅さはタイヤが空転してくれるおかげで気にならず、2〜4速の繋がりが良く5速の加速もかなり良い。最高速も263km/hと、300km/hの『スーパーミッション』よりは劣るが十分であり、何よりも両者のバランスが全ミッションで1番良いので汎用性が突き抜けて高い。おまけに入手に複雑な操作や手順を踏む他パーツに比べると入手も容易となっている。))で対するワイドの方は遥かに実用性で劣っており(後述)、実際の性能に当て嵌まらない解説となっている。 --「バリアブルウィング」の説明文は「接地能力を高めたり弱めたり」というものだが、ウィングをどう操作すると接地能力が高まるのか弱まるのか、接地能力が変わると走りにどう影響するのかの説明がなく、分かりにくい。 ---正解は「ウィングを立てると接地能力が増し、跳ねにくくなってグリップが強くなる。下ろした場合はその逆の作用が起こる」というもので、レースなら常に立てておくだけで非常に大きなメリットを得られる。~ 逆に使い方をよく把握せず、ウィングを下げたまま走ったり、グリップが上がる効果を見落として「跳ねないコースだから」と言って立てないまま走ったりしてしまうと、''それでなくとも難しい難易度がさらに上がってしまう。''((特にウィングを下げたままでのグランプリは、それだけでかなりの難易度の縛りプレイと化し、初見のプレイヤーならまずクリアできない)) --「ラダー」の説明文も「空気の流れで向きを変える」とこれまた分かりにくい。 ---正解は「空中で旋回できるようになり、地上でのハンドリング性能も上がる」というもので、これも強力。~ ただし滑りやすくなるというデメリットがあり、コースによってはステアリングを弱くするかラダー自体を外すほうが速く走れるのだが、ラダーの効果をしっかり把握していない事にはその発想に至るのは難しい。 #endregion --エンジンだけは例外で、「パワー」と「消費燃料」の2項目が明記されているため、パッと見でも性能を把握できる。 -使い所がかなり限定されるパーツがある --ほぼグリーンパークのゲレンデ専用のタイヤ「スタッドレス」や、跳ねにくくなるので水中移動時には有利だが加速が悪くなる「おもいシャーシ」など。 --「ローハイミッション」に関しては、先程の特性の通り性能に癖がありすぎて街乗りも満足に行えない。ある程度出番のある先述2種のパーツと異なり、このパーツが必要となる状況は通常の攻略においては無いと言っても良い。 ---しかし入手時点((現代から過去に行く直前まで。))のミッションの中では(ジェットを使用せずに維持できる)最高速が最も高く、中速域の加速力を補い高速で走れば、この時点で手に入っている他2種よりも非常に速いスピードが維持できる((この時点でローハイの次に速いノーマルミッションとの差はおよそ40km/h前後。))ため、序盤に「跳ね橋の宝箱」のパーツを入手しておき、低い加速力をカバーして過去の世界のミッションが手に入るまで使うという利用方法も存在しない訳ではないが、近年ではそちらでの有用性自体怪しいというRTA勢からの疑惑も浮上している… --先程述べた「ワイドミッション」はバランスが良いという解説に反して、最高速は「スピードミッション」と同等の263km/hであるがギア比が低速域の加速重視に寄せられているため、速度が140km/hに達するまでは速いもののそれ以降を5速だけでカバーする((本作で使用できるミッションは「ローハイミッション」以外は全て5段変速(5速オートマチック)。))ことになり加速力が大きく下がってしまう。スピードミッションよりも後に手に入る((あくまでストレートが多く1番300km/hまで出しやすいレッドシティでワープした場合の話ではあるが。))ミッションなのにもかかわらず、各コースとの相性にムラがあり実戦で活用しづらいミッションとなってしまっている。 ---ネタ性やロマン性((他と一線を画したある意味潔い性能な上に、速い速度さえ出せれば加速は段々と良くなっていくので、いかにスピードを落とさずに走るかという楽しみ方が出来る。最初は他車に置いていかれる程遅いがスピードを維持すれば上位にも喰らいつけるという特徴故に、縛りプレイ時にも映えやすい。))に振り切っている「ローハイミッション」や、パワー(加速)重視で対極の性能を持つ「パワーミッション」((最初の街で容易に入手でき、最高速は全ミッション中最低だが、対照的にパワーは全ミッション中最高のミッションとなっている。序盤は基本的にタイヤのグリップが低くエンジンパワーも不足している上に、パワーがないと登れない地形もある為こちらはしっかりと使い所が用意されている。))等のミッション群と比べても特にアイデンティティがなく、縛りプレイ映えもせず入手タイミングも微妙な為使い所に困る。 -オフロード系タイヤの不足 --本作ではグランプリのシステム上、終盤までオフロードコースを走る事となるのだが、これまでの作品に比べオフロードタイヤの強化が無い。基本的に序盤に入手する「オフロード」タイヤか、終盤に入手する「ビッグタイヤ」を使用する事になる。 ---一応「ビッグタイヤ」はグリップ力に関しては「オフロード」のほぼ上位互換((内部データでは「ダート」でのグリップ力はオフロードと同等、「芝生」や「ウェット」「オンロード」などの路面でのグリップ力はオフロードを上回るなど、安定性が高い。但しビッグタイヤは車体の重量が増える(この仕様に関しても作中で説明が一切無い)ため、上り坂で速度が出にくいと言った弊害もある。))なのだが、「レーシングタイヤ」等のオンロード特化のタイヤと比べるとオフロード特化タイヤとして力不足であり、オフロードコース(特に過去)の難易度を高くしている。 ---前作『チョロQ3』ではオフロードタイヤのグレードは5種類(更にビッグタイヤが5種)存在し、他パーツの強化についていけるオフロードグリップに調整されていた事を踏まえるとあまりに種類が少ない。本作のオンロード系タイヤ3種が順当にパワーアップしている事も拍車を掛けている。 ---更に上述の通り性能表記も説明分のみの為(特に「オフロード」の説明文は『オフロードでもあまりグリップが落ちない』というどの程度のグリップがあるのか分かりづらい文章の為)、ビッグタイヤの方が対応できる路面が多い事にも非常に気付きづらい。 -MTの廃止 --本作はミッション(トランスミッション)が何種類か存在するのだが、コントローラーの使用ボタン数の関係もあってかAT(自動変速)のみであり、前作『チョロQ3』まであったMT(手動変速)はない。 --MTが苦手な人には有り難い点と言えなくもないが… -スタンプ全回収の特典 #region(ネタバレ注意) --スタンプをすべて集めて大富豪のウィルのところまで行くと、シリーズ恒例のアクマパーツの「アクマのタイヤ」を受け取ることができるが、今迄のシリーズと異なりタイヤ以外のアクマパーツが存在しないため、特典として少々物足りなさを感じる。 ---タイヤ単体で比較した場合の性能は今までのシリーズに劣る事はなく、一度装備すれば他のタイヤとは次元の違うグリップ力を見せつける。本作の理不尽とも言えるスタンプ100個までの難易度を考えれば十分の性能。説明文通り''理屈じゃない!'' #endregion -とりあえずあそぶ(とにかくあそぶ)の仕様の変化 --前作までの「とにかくあそぶ」モードでは、用意されたそれぞれのチョロQの性能が異なっていたが、本作の「とりあえずあそぶ」モードでは1台のタイヤを除き、パーツ性能がコース毎に統一((現代4コース用のセッティング3種とゴールドシティ用のセッティング1種の4種類が存在する。但しセレクト画面右端のチョロQを選んだ場合はタイヤがビッグタイヤに固定(オンロードグリップが他5台よりも劣る)となる。))され、それぞれの性能差が殆ど無くなった。 ---但し「チョロQ3」に引き続いて、本モードの1位入賞の難易度はどのコースも基本程良い難易度に収まっており((ビッグタイヤ車+ゴールドシティのみ上級者向けの組み合わせとなっており、高度なハンドリングとグリップの維持が求められる。))、『チョロQ2』の、捉え方によってはバグ技とも捉えられるL1ボタン加速の様な隠し技が1位入賞に必須な組み合わせは無い。 ---このモードでは燃料の概念が無く、装備もそこそこの装備((特にゴールドシティは外観では分からないがウルトラターボを装着している。))が設定されているので、装備が整いづらい序盤の街コースの予習にもぴったりのモードとなっている。 ---- **問題点 -過去作ではゲーム途中でボディチェンジが可能だったのだが、今作ではゲーム開始時に選択したプレイヤーのチョロQの車種は途中で変更できない。 --その上プレイヤーが選択できる車種は前作の100種類から''たったの6種類''までに減ってしまった。他のボディもあるがCPU専用であり、チョロQシリーズお馴染みの「せいそうしゃ」ことゴミ収集車などの変わり種を使う事もできない。 --また、カラーバリエーション(ボディカラー)も決められた''単色8種類しか選べず、''過去作で出来たRGB形式による色変更((『チョロQ2』『チョロQ3』だと、ペイントショップ1の時点では指定カラー16色のみ選択可能で未対応だが、ゲーム中盤に解禁されるペイントショップ2でRGB形式による色変更が可能だった。))や、ツートンカラーやステッカーで飾ったモータースポーツ仕様にすることもできない。そもそもカラーチェンジ自体、バグ技を利用しない限り終盤でしか行うことができない。 -コース・サーキットは、グランプリ専用も含めて前作の半分以下である全10コースしか存在しない。~ 上記のボディの問題もそうだが、当時のハード性能やソフト容量の限界という面もあるものの、それを差し引いても目に余る。 -キーコンフィグの仕様 --今作は初期設定のキーコンフィグが前作から変化し、チョロQ3までは×ボタンでアクセル・◻︎ボタンでブレーキだったが、今作では×ボタンでブレーキ・○︎ボタンでアクセルとなった。 --キーコンフィグは2種類のタイプから変更可能ではあるのだが、なんと&bold(){「ぼうけんにでる」で「はじめから」を選択する前にタイトル画面の設定で変更した場合のみしか適用されず、設定変更後に「つづきから」を選択しデータをロードしても適用されない。} --つまりキーコンフィグの初期設定でゲームを開始し、セーブしたデータでキーコンフィグを変更したくても2度と変更することができない。初期設定に戻したい場合も然り。 -現代において、グランプリに参加可能になるまでは「地下迷路((地下水道が迷路のようになっており、特定の住人から訊いた正しい順路をたどることで各街への移動ができる様になる。但しゲーム中で一度道順を聞いていなければ、たとえ正しい順路を辿っても「レッドシティ」など特定の街を除いて地下迷路の出口が出現しない為、必ず一度は道順を聞く必要がある。))」を用いなくてはならず、町から町への移動が少々面倒。 --グランプリに参加可能になると転送センターが使えるようになり、移動の負担が減る。ただし使用するには各町にある「ドミソビザ((作中でも言及されているが、「ピザ(pizza)」ではなくビザ(visa)。名前が某ピザ屋にそっくりであり、施設の外観と内装もピザ屋のそれである。作中にも「ピザ屋とよく間違えられる」といった旨の台詞が存在する。))」で"ビザ"を受け取っている必要がある。 ---もっとも現代のグランプリが開催されている時点で、物語の進捗的には最終盤であり、今更転送センターが使えても…といった感じはあるのだが。但し地下迷路やイエロータウンの門を通らなくても良くなる恩恵は大きく、グランプリ中の街間移動や各街のスタンプ回収時にはしっかりと役立つ施設となっている。 ---過去のグランプリ開催の時点で使用できれば利便性が上がった様にも感じるが、本作のタイムスリップを軸としたストーリーを意識しての仕様の可能性もある。((転送センターは現代のグランプリ開催時まで「ネットワークのバグ」によって使用ができないという設定の上、転送台のデザインが終盤のある街の仕掛けのデザインとの類似性がある。)) -各街や、それ以上に複雑な構造の地下迷路が存在するにもかかわらず、どちらも''ゲーム内でのマップが存在しない。'' --一応ポケットステーションでマップの確認は出来るがおまけ程度で、現在位置も確認できない。 --コイン集めもかなり大変。集めたら集めたで''地下迷路からどこかの街へ出ないと(途中リタイアしてしまうと)コインは没収となる''。マップが無いのでマッピングするか、攻略本を見るなどで対処するしかない。中には''無限回廊の中盤に設置されているものもある''。一応とある場所に存在する研究所で、質問の返答によってはそのコインの情報を教えてくれるのだが。 ---「そもそも街を行き来するのになぜ高速道路ではなく地下迷路や跳ね橋等を経由しなければならないのか?」という疑問点もあるが、これについては特に理由は語られない。 ---以降の作品でも、必ずしも全ての街間を高速道路で移動する訳では無い((むしろチョロQシリーズでは高速道路を利用する方が稀であり、レースやイベント等を除いた、純粋な街間の移動で高速道路を利用することになるのは『チョロQHG2』と『パーフェクトチョロQ』のみとなっている。))ので、チョロQシリーズでこういった面に突っ込むのは野暮かもしれない。 -過去に行くには「タイムユニット((装備して走行し300km/hを突破することで、現代と過去との2つの時空の行き来ができる装置。レース中や地下迷路などではリミッターがかけられており発動しない))」と「ジェットタービン((使用中は莫大な加速力とスピードを得ることができるが、同時に莫大な燃料を消費する。現代のグランプリを除き、町中やレース中でも使用可能。))」というアイテムが必須だが、これらの入手に少々手間がかかる。 --レースゲームを期待して買った層からすれば、この作業はなかなか大変だと考えられる。 --一度過去に行くと、グランプリへ参加可能になるまで現代には戻れないため((初めて過去に行った際にジェットタービンが壊れてしまうため。過去の世界で条件を満たして直してもらった後は、壊れることは二度となくなる。))、現代でギリギリ入賞した状態で過去に行くと苦戦を強いられる可能性がある。 ---但し過去の世界にある宝箱のパーツはそれまでの現代のパーツに比べ、どのパーツも性能の水準が高いものとなっており、尚且つ過去の世界の街はレースで入賞せずとも地下迷路や音当て峠を利用すれば自由に移動できるので、先に高性能なパーツを入手してからレースに挑む、という攻略ができる様にはなっている。 -メモ帳のメモの中に、特定の期間でないと記帳されないものがある。 --ブラックシティのとある住民の家に関するイベントを終えた後、スタンプを100個集める前にその住民の家にもう一度入らないと記帳されないメモがある。他にも同様の現象が起きる、隠しコースに関してのメモもある。 もっともメモ帳に関しては全て埋めても特典は無い為、記帳されない事で起きる弊害は殆ど無いのだが。 -タイムスリップ時のフリーズバグ --タイムユニットで時代を行き来する際、ワープする瞬間に走っている住人に話しかけてしまうとフリーズしてしまう。細い路地を通ってタイムスリップする事が多いブラックシティで稀に起こる。 -使用できるボタン数の関係上か、前作までは可能だったドライバー視点への視点変更ができなくなってしまった。~ 視点変更ができないため、少々街の景観を眺めづらく、人によっては探索が少し辛いという問題がある。 -高難易度なミニゲーム、スタンプの数々 #region(クリックで詳細) --ミニゲームの一つである、レッドシティのジム牧場の牛数えゲームの難易度が高い。 ---牧場内の牛の頭数を数える必要があるのだが、地形の高低差が大きく、初見だと&bold(){坂が2つある}事に気付きづらい上、牛の姿が草の色に紛れ、確認しづらいため数えるのが困難。&br()しかも、''牛に接触すると即終了''、''プレイ毎に牛の頭数が変化する''というおまけ付きで、しっかりと牛を数えないといつまでもクリアできない事になりかねない((一応牛の配置や頭数はいくつかパターンが決まっており、牛の数は常に20頭よりも少ないという街の住民からのヒントメッセージも存在する。))。 ---なお、牧場内にもチョロQコインが落ちており、その回収実績もスタンプに含まれる。そしてミニゲームでは''クリアできなければコインは没収となる''ため、前述の仕様とあいまって回収の難易度は跳ね上がる。 --スタンプの中には、ミニゲームで規定タイム内にゴールする((あくまでスタンプ獲得用の規定タイムであり、通常攻略の場合、殆どのミニゲームには時間制限はない。))と言うものがあるのだが、その規定タイムが非常にシビア。 ---特にグリーンパークの「ゲレンデを60秒を切って降りることができた」のスタンプは、終盤の装備で挑んでもほぼ規定タイムギリギリなほどタイム設定が厳しい。 ---また、レッドシティの「跳ね橋で30秒を切って渡れた」のスタンプも、厳しいタイム設定となっている。 --「ブルーシティのレースを一度もぶつからずに完走する」という内容のスタンプがある。 ---他のコースは「ぶつからずに''入賞''」となっているのだが、このコースのみ後述する難易度の高さ故、「ぶつからずに''完走''」となっている。 ---このコースは狭い道が多い上、かなり入り組んでいるため壁や敵車に接触せずに走ることは困難を極める。このスタンプ入手で常に入賞レベルのスピードを出すのはやりこみプレイでもない限りは推奨しないが、遅すぎるのも危険。壁に接触しない様恐る恐る走っていたら後続車にぶつけられた…という事にもなりかねない。 --「サッカーをしてストレートでゲームに勝った」は人によっては恐らく本作で最も入手が難しいスタンプの一つ。 ---このゲームのサッカーは2on2((プレイヤー&Q'sレッカー車VSライバル&郵便車。レースでも同様だが、敵車には燃料の概念が無い。))でフィールド内をチョロQを操作して駆け回り大きなボールへぶつかって相手ゴールへ押し込み、先に3点を取ったチームの勝利というルールで行うのだが… ---ただでさえボールをコントロールするのが難しい上、フィールドはオフロードなのにもかかわらず、''コンピュータは殆どスピンせずに凄まじい旋回力で''ボールを狙ってくるため、1点勝ち取ることさえもやっとのところを、''失点することなく3点先取しなければならない。''故に実力だけでなく運も絡んでくるのも難しい理由の一つ。((集英社から出版された攻略本にも''「運を最大限に使え!」''という記述がある。)) ---味方のレッカー車のことも上手くサポート((ボールを取れる場面では敢えて自分がボールを味方から横取りする、ボールが壁際に行った場合はボールをレッカー車に任せる等。))してあげなければオウンゴールしてしまう。逆に言えば、終盤の装備を着けているにもかかわらず味方がオウンゴールしてしまう場合は、大抵は自身の操作に問題があるとも言える。&bold(){しっかりとサポートをしてあげれば味方も割とサポートをしてくれるので、NPCとの協力の楽しさはシリーズ中でも随一かもしれない。}但し装備が弱いままだと味方のオウンゴール率が非常に上がるので基本的に性能を強化してから挑む様に。 --「グリーンタウンのレースを一度もぶつからずに入賞する」というスタンプでは、コース終盤の坂に乗り上げてジャンプするセクションで、&bold(){坂に乗り上げた際に偶にぶつかった判定になってしまうという仕様}となっており、非常に難易度が高い。理不尽な仕様の為ストレスも溜まりやすい。 ---これを回避するには速度を落とすか、坂の右側から通り抜けるかで対策しなければならないのだが、坂を通り抜ける場所によってはジャンプ時に自車をコントロールできなくなり壁にぶつかり、速度を落とすと後続の敵車に追いつかれ易くなる。但しぶつからずに&bold(){「入賞」}なので3位を狙ってぶつからない様にすれば達成し易くなる。さらにビッグタイヤを装備すればぶつかった判定が殆ど出なくなる。 --又、ぶつかった判定の理不尽さ自体は本作のみの問題という訳ではなく、前作の『チョロQ3』や、『チョロQ2』にも存在する。((これらの作品の場合は無接触完走の特典はボーナス賞金のみの上に、完全クリアにも関係してこないので人によっては殆ど関わってこない問題ではある。しかしボーナス賞金を設定しているにもかかわらず、本作と同等、或いは本作以上に当たり判定が理不尽なコースが存在する。例を挙げると、コース序盤の段差を乗り越える際に、速度を落とすだけでなく加速の具合も調節しなければぶつかった判定になってしまうコース「チョロQホテル」(チョロQ3)や「冬の山」(チョロQ2)がその例。)) -但しこれらのイベントは本作の挙動や仕様に慣れ、周回クリアを楽しむ際には程良い難易度となっており、敷居が高いながらもゲームバランスは比較的纏まっている。 #endregion -「とりあえずあそぶ」モードの記録の保存 --「とにかくあそぶ」モードでレコードのセーブ・ロードが可能だった『チョロQ2』『チョロQ3』と異なり、本作では「とりあえずあそぶ」のレコードデータが保存できない。 //-サウンドテスト機能の削除 //--本作では『チョロQ2』『チョロQ3』ではあったサウンドテスト機能が無くなってしまった。 //但しこれは同じE-GAME製で開発側と販売側とで軋轢があり、音楽関係で販売側の不条理を受け入れざるを得なかったとの発言がコンポーザーからあった、『チョロQHG2』のBGMの事情を考慮すると意図的なものの可能性もあります。(本作にも元ネタがあるBGMの存在が多く発覚している)一応ゲームの問題点として挙げましたが、本作のBGMに関しては現状かなりデリケートな話題となるので非表示としました。もし非表示でもこの文章が本ページに不要と判断したのであれば、上記の「サウンドテスト機能の削除」ごと削除して頂いても構いません。 ---- **総評 前作までとは方向性が大幅に変化し、燃料制やクラッチなどの高い戦略性が求められる操作システムの導入、そしてゲーム全体の高難易度さからチョロQシリーズの入門としてはお薦めしづらいものの、挙動や仕様に慣れさえすれば、比較的良く纏まった絶妙な難易度となっており、~ 更に多くの街・多くの住人チョロQの存在や、個性豊かなオプションパーツ等のように、後のシリーズに影響を与えた要素も多く存在し、自車ボディの仕様やコースの少なさ等の問題点はあるものの、全体的な出来自体は良質であり硬派な作品だと言える。~ 覚えゲーであり高難易度だが練り込まれたゲームバランスや、過去作から一新された世界観、 ステージ中のパーツを探索し、入手して徐々にパワーアップするにつれ外観が変化していく、エネルギーゲージ(燃料)を上手く活かしオプション武器を駆使して苦境をスピーディーに切り抜けていくなど、2Dアクションで例えるなら初期の[[この作品>ロックマンX]]に近いポジションかもしれない。 ~ チョロQ3までとは大きく異なる今作では、ユーザーによって受け入れられるかどうかが分かれる作品となった。~ 今作の後、開発元のe-gameは本作の要素を発展させた『HG2』や、&br()街の数は少ないが、燃料システムを廃止し(但し一部パーツの燃料は存在する)レース面に力を入れた『HG3』を出すこととなる。 ---- **余談 -「概要」でも述べたように、製作スタッフはタムソフトからの移籍([[当時のサウンドスタッフのツイートリンクより>https://twitter.com/BUNPinkSardine/status/1063088929400705025]])。また、本作発売当時の雑誌に掲載された広告では、タイトル名が『チョロQ4 ワンダフォー!』となっている([[参考>https://twitter.com/choroq00/status/1360816555538345985]])。 -2001年にベスト版(廉価版)として再発売された際には、ディスクのデザインの黄色の部分がピンク色に変更された。 -「ふたりであそぶ」モードは初期状態だと「レースコース3つ+ミニゲーム2つ」と少ないが、「ぼうけんに出る」のデータをロードし、すぐにタイトル画面に戻った後、「ふたりであそぶ」を選ぶと、「ぼうけんに出る」のデータの進捗度によって走れるコースと遊べるミニゲームが増える。 -取扱説明書の24頁目にある「レースの紹介」欄にある、「グリーンパーク」のコースマップが、ゲーム本編のものとは少し異なっている。 --説明書のものは本編とは異なり、左右に装飾が無いシンプルなものとなっている。 -「グリーンタウン」のBGMが、セガが1989年にリリースしたアーケードゲーム「レーシングヒーロー」のステージ1のBGMと酷似している。 -「ブルーレイク」にはちょっとした小ネタがある。 #region(クリックで詳細) -「ブルーレイク」のQ'sファクトリーは建物がなく、''ただそこにレッカー車のチョロQが佇んでいるだけとなっている。'' --「ジェットタービン」と「ビッグタイヤ」、そしてその他最強パーツを装備し、勢いをつけてQ'sファクトリー付近のQ'sの石碑をジャンプ台にし、右側の壁伝いに走ると後ろに回り込む事ができる。 --そして背後からレッカー車に話しかけると「''ようこそ。いかにも、わたしがブラックバスです''」と、ブルーレイクの何処かにいる「ブラックバス((しばしば耳にするあの外来魚の事ではなく、黒色のボンネットバスのチョロQ。話しかけると、ブルーレイク脱出に関する秘密を教えて貰える。))」と同じセリフを話す。こちらに話しかけても、ブラックバスのスタンプを貰うことができる。 --その後に前進すればQ'sファクトリー内に入ってしまうが、入る前にレッカー車を後ろから押していれば、Q'sファクトリーの外にレッカー車を押し出すことができ、その後にまた話しかけても上記と同じセリフを話す。また、レッカー車を押し出した後でも通常通りQ'sファクトリーには入ることができる。 --改造動画によれば、同様の環境の「ブラックシティ」のうらないシスターは、Q'sファクトリーのレッカー車のセリフを話す様だ。 #endregion ----
*チョロQワンダフォー! 【ちょろきゅーわんだふぉー】 |ジャンル|レースゲーム|&amazon(B00020PWRE)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM|~| |発売元|タカラ|~| |開発元|イーゲーム(E-GAME)|~| |発売日|1999年8月5日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~2人|~| |廉価版|PlayStation the Best for Family&br;2001年8月23日/2,800円(税別)|~| |判定|なし|~| //↑判定変更議論手続きを経てから判定を変更してください。 //https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4889.html |ポイント|ゲーム性の大幅変更&brレース<探索&br''燃料制の導入''&br()''シリーズ中でも非常に高い難易度''&br''特定のユーザーからは「黒歴史」という声も''|~| |>|>|CENTER:''[[チョロQゲームリンク>チョロQシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- //対応機種欄は上位ハードで起動できるとしても本来のハードのみ記載して下さい。『テンプレ』に違反しております。 **概要 PS版チョロQシリーズの4作目((『コンバットチョロQ』などの派生シリーズを含めると7作目。))にあたり、ボリュームたっぷりで評価の高い『[[チョロQ3]]』(以下前作)の後に発売された。初代PSでは廉価版や教育用ソフトを除けば最後のチョロQシリーズであり、初のE-GAME開発のチョロQ。~ 前作のエンディング後の画面で『チョロQ4』の製作・開発を示唆していたが、発売されたのは製作会社の異なる本作であった。但し開発スタッフはタムソフト時代のスタッフが移籍している事が判明している。((『3』までと『ワンダフォー』、それぞれのスタッフロールを見比べると、一部共通のスタッフの名前がクレジットされている。)) ---- **特徴・評価点 -街要素の充実・拡大 --従来作のレースメインで、街要素はあくまでサブであったゲーム構造とは大きく変わり、今作は街要素がメインとなった。 ---今作では様々な街を中心にして走り回り、各街の「Q's ファクトリー(以下Q's)」という場所に行ってレースに参加するという流れになっている。 ---レースの受付だけではなく、燃料の補給やパーツの変更、データのセーブもこのQ'sで行うことになる。 ---またそれぞれの町にはいくつかの宝箱があり、これを開けることによって自車の性能を強化するパーツを獲得することができる。 --過去作はプレイヤー以外のチョロQの存在が街では殆ど皆無だったのに対し、今作は様々なチョロQが暮らす世界が舞台となった。 ---チョロQは人と同じような扱いとなっており、RPGさながら他のチョロQと会話することができる。 --街を回ってパーツを集めながらレースに勝つという「RPGレースゲーム」になっている。 -イベント・ストーリーの充実 --ゲームの最終目的はワールドグランプリ(以下グランプリ)で総合優勝すること。 ---ストーリーがほぼ存在せず、基本的にひたすらレースが目的であった過去作とは異なり、プレイヤーがレースに出場するためのストーリーも存在する。 ---グランプリの開催には優勝カップの返還が必要になるのだが、前回の優勝者である主人公(プレイヤー)は優勝カップを不注意で壊してしまい、&br()代わりとなるものを探すべく各地を飛び回る、というストーリー。 --レースで勝ったり、住人のお願いを聞いてあげたり、ミニゲームをクリアしたりすると、スタンプがもらえる。 ---住人に話しかけるだけで良いものもあれば、各街を行き来しないといけないものなど様々。 ---スタンプは全部で100個あり、全スタンプの入手は大変なものの、やりごたえのあるものになっている。また、スタンプを全て集めてからある人物のもとへ行くと、シリーズ恒例のあのアイテムが… ---スタンプの他にもメモ帳が存在し、((メモ帳はスタンプ帳と一体化しており、スタンプ確認時にも素早く確認することができる。))特定の住人から聞いた攻略のヒントが記されていく。主人公の解説書の口調とメモ内の口調の違いはある意味必見((前者は「~だよ。」「なんだ。」など大人しめの口調、後者は「~てくれ。」「楽勝やね。」「間違えやがったな。」など若干粗野な口調。))。 --ストーリーが進むと過去の世界へ行くことになる。 ---過去へ行くのは、前述の通り代わりの優勝カップを手に入れるため((作中の過去世界では優勝カップを返還する必要はなく、そのまま優勝者が所持して良いことになっている。理由としては過去世界では金が豊富に採れるので、いくらでも代わりの優勝カップを作ることができるため、との事。))。 ---過去でもマップの形状は大きくは変わらず、一部の建物に現代と似た外観のものもある。とはいえ、しっかりと現代の街との差別化がなされており、街の外観は殆どが大幅に変化している。例えば現代の自分のガレージの場所が過去では地下迷路の入り口となっていたりと、現代と過去の比較が楽しめるようになっている。 ---過去の世界の「ゴールドシティ((現代では「イエロータウン」と「ブラックシティ」という2つの街に分かれている。))」と「ブルーシティ((傲慢で自分本位な性格の住人と、水神様を信仰する真面目で純粋な性格の住人との2通りの住人がいる。過去の世界では栄華を極めた街であったが、ある理由により現代ではブルーシティにあたる街が…そして過去世界のブルーシティにいた傲慢な住人達が、現代でゴールドシティを分断させた遠因になった、と言う話を作中のある人物が語っている。但し本人曰く「作り話」であり、過去のレッドタウンで聞けるこの街とゴールドシティの関係も「うわさ」であること、住民に関する矛盾点(過去・現代どちらでも同じボディで同じ場所におり、イベント後にお礼をくれるなど性格の観点から見てもイエローに追い出された可能性が低い住民が2人存在する。ブラックシティの住民自体も一部住民の性格に難があるだけで、その殆どはブルーに比べフレンドリーで印象がかけ離れており上記の人物の話とさほど噛み合わない、など。)も存在するため真相は不明。))」関連の設定は攻略に直接関わるものではないものの、現代と過去の住民や街の違いから「なぜああなってしまったのか」を考えさせられる、デフォルメ玩具を元とした『チョロQ』シリーズらしからぬ生々しい設定となっている。 -その他 --オプションパーツの登場 ---「オプションパーツ」は該当する全てのパーツを自由に着脱する事ができ、接地能力を3段階で調整できる「バリアブルウィング」や、使用すると莫大な燃料を消費する代わりに強力な加速力とスピードを得られる「ジェットタービン」などの、装備すると特殊能力が得られるパーツとなっている。 ---オプションパーツを全て装備した自車は非常に重装備な外観となり、初期状態と比べて見違える様な外観となる。 ---これらのオプションパーツは「タイムユニット」を除き、汎用ではなく選んだボディに合わせた専用のデザインが用意されている。 --UI関係では、コースマップは常に左端に表示されるようになった。 ---『[[チョロQ3]]』までの3部作に比べるとサイズはやや小さめだが、自車や敵車の位置を判別する事が困難、という訳では無い。 ---この仕様はPS2でのタイトル(HGシリーズなど)でも採用された。 ---- **賛否両論点 ''過去作とはゲーム性が大きく変化したため、賛否両論点が多く、評価も分かれる部分が多い。'' -グラフィックが前作までと比べ大幅に変化、車の動きもレースゲームとしては十分だが前作までに比べると少しもっさりとしており遅いと感じ易い。過去作の感覚でプレイすると痛い目を見る。 --グラフィックに関しては基本的には(あくまでPSのゲームとして)綺麗なのだが、一部グラフィック(例としてタイヤのグラフィック)が粗い。 --実は、''グラフィックを作り込み過ぎてPSの性能を超えてしまい本来のグラフィックよりも粗く表示されてしまっている''…というのが真相。容量の事を考えると、恐らく後述の選べるボディが少ない原因の一つ。一部のエミュレーターでプレイすると本来のグラフィックを見る事ができる。 -過去作の人気キャラのリストラ --上記の通り本作ではグラフィックが全て新しく作り直され、その影響もあってか過去作で人気だった「マッドスペシャル」((玩具チョロQのシリーズの1つ「カスタマブルチョロQ」内のマッドレーサースペシャルという製品がモチーフ。))や「ペガサス」系統のライバルキャラクター((グランプリで上位を走る「〇〇ペガサス」という名称の、跳ね馬マークが特徴的な某社の車がモデルのキャラクターを指す。))がいなくなってしまった。但し上記の2台の様に作品を跨いで登場したキャラは全体を見ても珍しく、ましてやマッドスペシャルに関してはモデル元玩具の販売が終了していた事情もあり致し方ない面もある。 --一応前作までとは別のキャラクターとしてではあるが、万年最下位ポジションでお馴染みの「せいそうしゃ」や、『チョロQ3』で特殊なポジションだった「人生ゲームのコマのボディ」を着けたチョロQなど、本作のキャラに継承されている要素も存在する。 -''燃料システムの導入'' --''今作の「ぼうけんにでる」モードでは、シリーズで初めて「燃料」という概念が導入され、燃料をなくさないようにレースをしなくてはならなくなった。''(「とりあえずあそぶ」や「ふたりであそぶ」モードでは燃料は無い)ガス欠になっても走行はできるが最高速が急激に低くなるので、ゴール付近でない限りリタイアは必至。 --アクセルを踏むだけで燃料が少しずつ消費される他、上述したオプションパーツ「ジェットタービン」を使用することで莫大な燃料が消費される。 --&bold(){この「燃料」は消費して量を減らす程、自車の加速性能が良くなる。}このため敢えて燃料をガス欠ギリギリまで使い、自車の性能を最大限に活かすという戦略もある。 --エンジンの一つ「ウルトラターボ」は数あるエンジンの中でも最高のパワーを誇るが、燃費の悪さも最高。その消費量たるや1つ前のエンジンの2倍にもなるほど。 ---ウルトラターボと上記のジェットタービンとの併用は特にご法度であり、この組み合わせで運用する際には綿密な燃料調整を必要とする。しかしスピードミッションやラダー、バリアブルウィングと組み合わせて上手く燃料を管理することができれば、他車を寄せ付けない強力な組み合わせと化す。 --なお、本作には&bold(){「クラッチ」}も存在し、クラッチを切って燃料の消費や減速を抑える事ができる。これによる惰性走行中(アクセルOFF)は燃料を一切消費しない((実際の自動車ではクラッチを切ろうがエンジンが掛かっている間は燃料を消費する。))。 ---作中でも解説してくれる住民がいるが、エンジンブレーキ((実際の自動車にも存在する、エンジンそのものが減速しようとする仕組みの事。))が効かなくなるため。ガス欠になった際は、下り坂であればクラッチを切って惰性で走った方が速い場合もある。 ---現実のようなクラッチを急に繋ぐことで起きる(エンジンとタイヤの回転差等による)ショックや減速も無いため、燃費を考慮する必要が出てくる終盤は、クラッチを活かせるセクション((下手にスピードを出すと壁にぶつかり燃料をロスしてしまう、ブルーシティコース中盤の細いS字カーブなど。))で積極的に活用することが求められる。((その他にも、上手く使えば暫くの間アクセルボタンを押さなくても良くなる為ハンドル操作がし易くなる、更にジャンプ中にアクセルボタンを離してクラッチを切れば、速度を落とさずに燃料を温存できる、などの応用が効く。)) --燃料の残量を考慮して走らなければならず、過去作のように制限なしに走り回れなくなった為自由度が減った。ゲーム性としては複雑性が増したため、合わない方もいると思われる。 ---「そもそもゲームで、しかもチョロQで再現されても困る!」との声もあるが、燃料システムは『[[チョロQ HG2]]』にも受け継がれる事になる(クラッチは廃止)。 -挙動の大きな変更 --『チョロQ3』までは比較的少ない減速でもコーナーを曲がれたが、今作はしっかりと減速をしなければタイヤのグリップが落ち、更に素早く曲がれない挙動になっており、慣れるまでが大変。((裏を返せば何度も走り込むほど腕の上達を感じられる、無印チョロQの様なスパルタンな方向へと原点回帰したとも捉えられる。)) --前作までのゲーム然とした挙動というよりは、[[GRAN TURISMO>グランツーリスモ]]に近いレースシミュのようなやや難しい挙動になっている。前述した燃料システムやクラッチシステムもそうだが、システム自体が悪いという訳ではない((むしろ燃料は多すぎず少なすぎない絶妙な量となっているし、クラッチに関しても燃料節約だけでなく操作のしやすさにも応用が効く、戦略性が高く出来の良いシステムとなっている。))ものの、こちらに関してもチョロQシリーズでそれをやる必要があったのか、という声がある。 --しかし、''『チョロQ』シリーズ自体が型にとらわれない作風''であり、本作の様な生々しい設定の存在、そして本作の挙動や、挙動の方向性こそ異なるものの『チョロQ3』までの硬派な挙動を採用しての人気があるという一面も存在する。 --システムの出来自体は良いものの、前作までとは大きく異なる方向性に多くのプレイヤーが戸惑う事となった。 -全体的な難易度の高さ --序盤で走る事になる「レッドシティ」「グリーンパーク」でのレースの敵車がやや速く、丁寧な旋回・減速を心掛けないと入賞できない。 --最初に街から街へと移動する際に、跳ね橋やゲレンデと言ったミニゲームステージを通過する事になるのだが、どれも難易度が高い。中でも過去世界の「音当て峠」は音を聞き分けて正解を選んでいかないといけない上に、11ステージ中1回でも間違えると最初の峠からやり直しの為、音感の乏しいプレイヤーの場合非常に苦戦する。 ---燃料も最初の入口でしか補給ができない。但し正解ルートはいつも決まっている為、聞き分けられない場合はメモを取りながら進めれば、時間はかかるがクリアはできる。 --過去のグランプリはジェットタービン前提のバランスなのか、このパーツ無しでは3位入賞でさえ危ういほどに敵車が速い。~ 敵車の速さのバラつきも激しく、パターンによっては非常に難易度が跳ね上がる。特にオフロードコースの「グリーンタウン」の難易度が高い。 --しかしジェットタービンの使用を禁止されている現代のグランプリは、第1戦のオンオフ混合の「ブラックシティ」コース以外は、基本的に適切な運転を行えばドライバーズポイントを抜かれることは少なく、更に過去世界に比べ、上位勢のライバルの順位が変動しやすいという要因もあり、過去のグランプリに比べると些か拍子抜けな印象を受ける。 ---現代のグランプリの最終戦はある隠しコースで行われ、特殊な路面の為に一見かなりの高難易度に思えるが、コースの構成に気付いて対策するとあっさりと勝てるため、最終戦とは思えぬ難易度となっている。コースの構成を利用せずに挑むと苦戦する為、それが救済措置になっているとも言えるが。 --但しあくまで「過去のグランプリと比べて」難易度が低いというだけであり難易度自体は高く((むしろ非常にシビアな難易度の過去グランプリと比べると、程よい難易度になっている。))、現代のグランプリも「跳ね橋の宝箱」の様な高性能パーツを取得していないと非常に難易度が跳ね上がる。 ---特に上述の「ブラックシティ」はパターンによっては1位優勝が非常に厳しくなる。又、2戦目の「グリーンパーク」ではとあるライバルがホームストレートで鬼の様な加速とスピードを出す為、警戒していないとあっという間に抜かされてしまう。 -パーツショップの廃止 --過去作とは異なり、お金の概念やパーツショップが存在せず、パーツは町などの特定の場所に配置されている宝箱から入手する必要がある。 --レースで勝てない場合に他のコースを何度も走ることでお金を貯め、より良いパーツを購入し、そしてリベンジ、というこれまでのシリーズで出来た回り込みが序盤はできない。 ---裏を返せば、資金稼ぎをせずとも入賞に必要なパーツを手に入れられるということでもある。序盤2つの町を除けば入賞せずとも次の町へ行ける為、中盤以降は探索を優先すれば高性能なパーツを手に入れて戻ることも出来る。 ---ストーリー進行に関わるような一部パーツは、フラグ管理や別のパーツを入手してからなど手順を踏まないと入手できないように対策されている。 -パーツの性能表記のわかりにくさ --過去作ではパーツの性能はグラフである程度は容易に確認できたのだが、今作では一行だけの簡潔な説明文しかなく、具体的な性能を把握できない。~ 使い方を間違えるとタイムが逆に遅くなったりもするような代物もあるため、先述した難易度の高さに拍車をかけてしまっている。 #region(例を挙げると…) --「ローハイミッション」は''「ローとハイの2段しかないのだよ」と書かれているだけ''で、使用するまで特性((ギアが他ミッションの1速と5速相当の2段しかなく、巡行中の変速が無い代わりに1速からシフトアップした後の加速力が極めて低く、その一方で最高速度は全ミッションの中で特段速いわ-けでもない。))が殆ど分からない様な解説となっている。 --「スピードミッション」は「最高速重視」、ワイドミッションは「加速が良く、最高速も高くバランスが良い」という説明文で通常ワイドミッションの方が後から入手することもあり上位互換のように見えるのだが、実際はスピードの方がバランス型((1速の加速の遅さはタイヤが空転してくれるおかげで気にならず、2〜4速の繋がりが良く5速の加速もかなり良い。最高速も263km/hと、300km/hの『スーパーミッション』よりは劣るが十分であり、何よりも両者のバランスが全ミッションで1番良いので汎用性が突き抜けて高い。おまけに入手に複雑な操作や手順を踏む他パーツに比べると入手も容易となっている。))で対するワイドの方は遥かに実用性で劣っており(後述)、実際の性能に当て嵌まらない解説となっている。 --「バリアブルウィング」の説明文は「接地能力を高めたり弱めたり」というものだが、ウィングをどう操作すると接地能力が高まるのか弱まるのか、接地能力が変わると走りにどう影響するのかの説明がない。((一応、取扱説明書には使い方やある程度詳しい効果が掲載されてある)) ---正解は「ウィングを立てると接地能力が増し、跳ねにくくなってグリップが強くなる。下ろした場合はその逆の作用が起こる」というもので、レースなら常に立てておくだけで非常に大きなメリットを得られる。~ 逆に使い方をよく把握せず、ウィングを下げたまま走ったり、グリップが上がる効果を見落として「跳ねないコースだから」と言って立てないまま走ったりしてしまうと、''それでなくとも難しい難易度がさらに上がってしまう。''((特にウィングを下げたままでのグランプリは、それだけでかなりの難易度の縛りプレイと化し、初見のプレイヤーならまずクリアできないほど。)) --「ラダー」の説明文も「空気の流れで向きを変える」とこれまた分かりにくい。 ---正解は「空中で旋回できるようになり、地上でのハンドリング性能も上がる」というもので強力なのだが、滑りやすくなるデメリットもある。~ デメリットはステアリングを弱くすることでカバー可能で、コースによってはラダー自体を外すほうが走りやすくなるのだが、ラダーの効果をしっかり把握していない事にはその発想に至るのはやや難しい。 #endregion --エンジンだけは例外で、「パワー」と「消費燃料」の2項目が明記されているため、パッと見でも性能を把握できる。 -使い所がかなり限定されるパーツがある #region(例を挙げると…) --「スタッドレス」は雪道専用のタイヤだが、スノーコースはグリーンパークのゲレンデにしかない。~ ゲレンデにはクリアでスタンプ入手のタイムアタックがあるものの、通過するだけならどれだけゆっくり走っても良いため、スタンプを無視するなら入手する必要がない。~ おまけに入手自体もそこそこに面倒。 --「おもいシャーシ」は加速が下がるかわりに「あまり跳ねにくくなる」という説明があるのだが、''実際はこの跳ねにくくなる効果が実装されていない''ため、ただ加速が下がるだけのパーツとなってしまっている。~ 一応アクセルオフでスピードを維持しやすい、水中での最高速が上がるという長所はあるが、役立つ場面はほとんど無い。 --「ローハイミッション」は、先程の特性の通り性能に癖がありすぎて街乗りも満足に行えない。おもいシャーシと同様、このパーツが必要となる状況は通常の攻略においては無いと言っても良い。 ---しかし入手時点((現代から過去に行く直前まで。))のミッションの中では(ジェットを使用せずに維持できる)最高速が最も高く、中速域の加速力を補い高速で走れば、この時点で手に入っている他2種よりも非常に速いスピードが維持できる((この時点でローハイの次に速いノーマルミッションとの差はおよそ40km/h前後。))ため、序盤に「跳ね橋の宝箱」のパーツを入手しておき、低い加速力をカバーして過去の世界のミッションが手に入るまで使うという利用方法も存在しない訳ではないが、近年ではそちらでの有用性自体怪しいというRTA勢からの疑惑も浮上している… --先程述べた「ワイドミッション」はバランスが良いという解説に反して、最高速は「スピードミッション」と同等の263km/hであるがギア比が低速域の加速重視に寄せられているため、速度が140km/hに達するまでは速いもののそれ以降を5速だけでカバーする((本作で使用できるミッションは「ローハイミッション」以外は全て5段変速(5速オートマチック)。))ことになり加速力が大きく下がってしまう。スピードミッションよりも後に手に入る((あくまでストレートが多く1番300km/hまで出しやすいレッドシティでワープした場合の話ではあるが。))ミッションなのにもかかわらず、各コースとの相性にムラがあり実戦で活用しづらいミッションとなってしまっている。 ---ネタ性やロマン性((他と一線を画したある意味潔い性能な上に、速い速度さえ出せれば加速は段々と良くなっていくので、いかにスピードを落とさずに走るかという楽しみ方が出来る。最初は他車に置いていかれる程遅いがスピードを維持すれば上位にも喰らいつけるという特徴故に、縛りプレイ時にも映えやすい。))に振り切っている「ローハイミッション」や、パワー(加速)重視で対極の性能を持つ「パワーミッション」((最初の街で容易に入手でき、最高速は全ミッション中最低だが、対照的にパワーは全ミッション中最高のミッションとなっている。序盤は基本的にタイヤのグリップが低くエンジンパワーも不足している上に、パワーがないと登れない地形もある為こちらはしっかりと使い所が用意されている。))等のミッション群と比べても特にアイデンティティがなく、縛りプレイ映えもせず入手タイミングも微妙な為使い所に困る。 #endregion -オフロード系タイヤの不足 --本作ではグランプリのシステム上、終盤までオフロードコースを走る事となるのだが、これまでの作品に比べオフロードタイヤの強化が無い。基本的に序盤に入手する「オフロード」タイヤか、終盤に入手する「ビッグタイヤ」を使用する事になる。 ---一応「ビッグタイヤ」はグリップ力に関しては「オフロード」のほぼ上位互換((内部データでは「ダート」でのグリップ力はオフロードと同等、「芝生」や「ウェット」「オンロード」などの路面でのグリップ力はオフロードを上回るなど、安定性が高い。但しビッグタイヤは車体の重量が増える(この仕様に関しても作中で説明が一切無い)ため、上り坂で速度が出にくいと言った弊害もある。))なのだが、「レーシングタイヤ」等のオンロード特化のタイヤと比べるとオフロード特化タイヤとして力不足であり、オフロードコース(特に過去)の難易度を高くしている。 ---前作『チョロQ3』ではオフロードタイヤのグレードは5種類(更にビッグタイヤが5種)存在し、他パーツの強化についていけるオフロードグリップに調整されていた事を踏まえるとあまりに種類が少ない。本作のオンロード系タイヤ3種が順当にパワーアップしている事も拍車を掛けている。 ---更に上述の通り性能表記も説明分のみの為(特に「オフロード」の説明文は『オフロードでもあまりグリップが落ちない』というどの程度のグリップがあるのか分かりづらい文章の為)、ビッグタイヤの方が対応できる路面が多い事にも非常に気付きづらい。 -MTの廃止 --本作はミッション(トランスミッション)が何種類か存在するのだが、コントローラーの使用ボタン数の関係もあってかAT(自動変速)のみであり、前作『チョロQ3』まであったMT(手動変速)はない。 --MTが苦手な人には有り難い点と言えなくもないが… -スタンプ全回収の特典 #region(ネタバレ注意) --スタンプをすべて集めて大富豪のウィルのところまで行くと、シリーズ恒例のアクマパーツの「アクマのタイヤ」を受け取ることができるが、今迄のシリーズと異なりタイヤ以外のアクマパーツが存在しないため、特典として少々物足りなさを感じる。 ---タイヤ単体で比較した場合の性能は今までのシリーズに劣る事はなく、一度装備すれば他のタイヤとは次元の違うグリップ力を見せつける。本作の理不尽とも言えるスタンプ100個までの難易度を考えれば十分の性能。説明文通り''理屈じゃない!'' #endregion -とりあえずあそぶ(とにかくあそぶ)の仕様の変化 --前作までの「とにかくあそぶ」モードでは、用意されたそれぞれのチョロQの性能が異なっていたが、本作の「とりあえずあそぶ」モードでは1台のタイヤを除き、パーツ性能がコース毎に統一((現代4コース用のセッティング3種とゴールドシティ用のセッティング1種の4種類が存在する。但しセレクト画面右端のチョロQを選んだ場合はタイヤがビッグタイヤに固定(オンロードグリップが他5台よりも劣る)となる。))され、それぞれの性能差が殆ど無くなった。 ---但し「チョロQ3」に引き続いて、本モードの1位入賞の難易度はどのコースも基本程良い難易度に収まっており((ビッグタイヤ車+ゴールドシティのみ上級者向けの組み合わせとなっており、高度なハンドリングとグリップの維持が求められる。))、『チョロQ2』の、捉え方によってはバグ技とも捉えられるL1ボタン加速の様な隠し技が1位入賞に必須な組み合わせは無い。 ---このモードでは燃料の概念が無く、装備もそこそこの装備((特にゴールドシティは外観では分からないがウルトラターボを装着している。))が設定されているので、装備が整いづらい序盤の街コースの予習にもぴったりのモードとなっている。 ---- **問題点 -過去作ではゲーム途中でボディチェンジが可能だったのだが、今作ではゲーム開始時に選択したプレイヤーのチョロQの車種は途中で変更できない。 --その上プレイヤーが選択できる車種は前作の100種類から''たったの6種類''までに減ってしまった。他のボディもあるがCPU専用であり、チョロQシリーズお馴染みの「せいそうしゃ」ことゴミ収集車などの変わり種を使う事もできない。 --また、カラーバリエーション(ボディカラー)も決められた''単色8種類しか選べず、''過去作で出来たRGB形式による色変更((『チョロQ2』『チョロQ3』だと、ペイントショップ1の時点では指定カラー16色のみ選択可能で未対応だが、ゲーム中盤に解禁されるペイントショップ2でRGB形式による色変更が可能だった。))や、ツートンカラーやステッカーで飾ったモータースポーツ仕様にすることもできない。そもそもカラーチェンジ自体、バグ技を利用しない限り終盤でしか行うことができない。 -コース・サーキットは、グランプリ専用も含めて前作の半分以下である全10コースしか存在しない。~ 上記のボディの問題もそうだが、当時のハード性能やソフト容量の限界という面もあるものの、それを差し引いても目に余る。 -キーコンフィグの仕様 --今作は初期設定のキーコンフィグが前作から変化し、チョロQ3までは×ボタンでアクセル・◻︎ボタンでブレーキだったが、今作では×ボタンでブレーキ・○︎ボタンでアクセルとなった。 --キーコンフィグは2種類のタイプから変更可能ではあるのだが、なんと&bold(){「ぼうけんにでる」で「はじめから」を選択する前にタイトル画面の設定で変更した場合のみしか適用されず、設定変更後に「つづきから」を選択しデータをロードしても適用されない。} --つまりキーコンフィグの初期設定でゲームを開始し、セーブしたデータでキーコンフィグを変更したくても2度と変更することができない。初期設定に戻したい場合も然り。 -現代において、グランプリに参加可能になるまでは「地下迷路((地下水道が迷路のようになっており、特定の住人から訊いた正しい順路をたどることで各街への移動ができる様になる。但しゲーム中で一度道順を聞いていなければ、たとえ正しい順路を辿っても「レッドシティ」など特定の街を除いて地下迷路の出口が出現しない為、必ず一度は道順を聞く必要がある。))」を用いなくてはならず、町から町への移動が少々面倒。 --グランプリに参加可能になると転送センターが使えるようになり、移動の負担が減る。ただし使用するには各町にある「ドミソビザ((作中でも言及されているが、「ピザ(pizza)」ではなくビザ(visa)。名前が某ピザ屋にそっくりであり、施設の外観と内装もピザ屋のそれである。作中にも「ピザ屋とよく間違えられる」といった旨の台詞が存在する。))」で"ビザ"を受け取っている必要がある。 ---もっとも現代のグランプリが開催されている時点で、物語の進捗的には最終盤であり、今更転送センターが使えても…といった感じはあるのだが。但し地下迷路やイエロータウンの門を通らなくても良くなる恩恵は大きく、グランプリ中の街間移動や各街のスタンプ回収時にはしっかりと役立つ施設となっている。 ---過去のグランプリ開催の時点で使用できれば利便性が上がった様にも感じるが、本作のタイムスリップを軸としたストーリーを意識しての仕様の可能性もある。((転送センターは現代のグランプリ開催時まで「ネットワークのバグ」によって使用ができないという設定の上、転送台のデザインが終盤のある街の仕掛けのデザインとの類似性がある。)) -各街や、それ以上に複雑な構造の地下迷路が存在するにもかかわらず、どちらも''ゲーム内でのマップが存在しない。'' --一応ポケットステーションでマップの確認は出来るがおまけ程度で、現在位置も確認できない。 --コイン集めもかなり大変。集めたら集めたで''地下迷路からどこかの街へ出ないと(途中リタイアしてしまうと)コインは没収となる''。マップが無いのでマッピングするか、攻略本を見るなどで対処するしかない。中には''無限回廊の中盤に設置されているものもある''。一応とある場所に存在する研究所で、質問の返答によってはそのコインの情報を教えてくれるのだが。 ---「そもそも街を行き来するのになぜ高速道路ではなく地下迷路や跳ね橋等を経由しなければならないのか?」という疑問点もあるが、これについては特に理由は語られない。 ---以降の作品でも、必ずしも全ての街間を高速道路で移動する訳では無い((むしろチョロQシリーズでは高速道路を利用する方が稀であり、レースやイベント等を除いた、純粋な街間の移動で高速道路を利用することになるのは『チョロQHG2』と『パーフェクトチョロQ』のみとなっている。))ので、チョロQシリーズでこういった面に突っ込むのは野暮かもしれない。 -過去に行くには「タイムユニット((装備して走行し300km/hを突破することで、現代と過去との2つの時空の行き来ができる装置。レース中や地下迷路などではリミッターがかけられており発動しない))」と「ジェットタービン((使用中は莫大な加速力とスピードを得ることができるが、同時に莫大な燃料を消費する。現代のグランプリを除き、町中やレース中でも使用可能。))」というアイテムが必須だが、これらの入手に少々手間がかかる。 --レースゲームを期待して買った層からすれば、この作業はなかなか大変だと考えられる。 --一度過去に行くと、グランプリへ参加可能になるまで現代には戻れないため((初めて過去に行った際にジェットタービンが壊れてしまうため。過去の世界で条件を満たして直してもらった後は、壊れることは二度となくなる。))、現代でギリギリ入賞した状態で過去に行くと苦戦を強いられる可能性がある。 ---但し過去の世界にある宝箱のパーツはそれまでの現代のパーツに比べ、どのパーツも性能の水準が高いものとなっており、尚且つ過去の世界の街はレースで入賞せずとも地下迷路や音当て峠を利用すれば自由に移動できるので、先に高性能なパーツを入手してからレースに挑む、という攻略ができる様にはなっている。 -メモ帳のメモの中に、特定の期間でないと記帳されないものがある。 --ブラックシティのとある住民の家に関するイベントを終えた後、スタンプを100個集める前にその住民の家にもう一度入らないと記帳されないメモがある。他にも同様の現象が起きる、隠しコースに関してのメモもある。 もっともメモ帳に関しては全て埋めても特典は無い為、記帳されない事で起きる弊害は殆ど無いのだが。 -タイムスリップ時のフリーズバグ --タイムユニットで時代を行き来する際、ワープする瞬間に走っている住人に話しかけてしまうとフリーズしてしまう。細い路地を通ってタイムスリップする事が多いブラックシティで稀に起こる。 -使用できるボタン数の関係上か、前作までは可能だったドライバー視点への視点変更ができなくなってしまった。~ 視点変更ができないため、少々街の景観を眺めづらく、人によっては探索が少し辛いという問題がある。 -高難易度なミニゲーム、スタンプの数々 #region(クリックで詳細) --ミニゲームの一つである、レッドシティのジム牧場の牛数えゲームの難易度が高い。 ---牧場内の牛の頭数を数える必要があるのだが、地形の高低差が大きく、初見だと&bold(){坂が2つある}事に気付きづらい上、牛の姿が草の色に紛れ、確認しづらいため数えるのが困難。&br()しかも、''牛に接触すると即終了''、''プレイ毎に牛の頭数が変化する''というおまけ付きで、しっかりと牛を数えないといつまでもクリアできない事になりかねない((一応牛の配置や頭数はいくつかパターンが決まっており、牛の数は常に20頭よりも少ないという街の住民からのヒントメッセージも存在する。))。 ---なお、牧場内にもチョロQコインが落ちており、その回収実績もスタンプに含まれる。そしてミニゲームでは''クリアできなければコインは没収となる''ため、前述の仕様とあいまって回収の難易度は跳ね上がる。 --スタンプの中には、ミニゲームで規定タイム内にゴールする((あくまでスタンプ獲得用の規定タイムであり、通常攻略の場合、殆どのミニゲームには時間制限はない。))と言うものがあるのだが、その規定タイムが非常にシビア。 ---特にグリーンパークの「ゲレンデを60秒を切って降りることができた」のスタンプは、終盤の装備で挑んでもほぼ規定タイムギリギリなほどタイム設定が厳しい。 ---また、レッドシティの「跳ね橋で30秒を切って渡れた」のスタンプも、厳しいタイム設定となっている。 --「ブルーシティのレースを一度もぶつからずに完走する」という内容のスタンプがある。 ---他のコースは「ぶつからずに''入賞''」となっているのだが、このコースのみ後述する難易度の高さ故、「ぶつからずに''完走''」となっている。 ---このコースは狭い道が多い上、かなり入り組んでいるため壁や敵車に接触せずに走ることは困難を極める。このスタンプ入手で常に入賞レベルのスピードを出すのはやりこみプレイでもない限りは推奨しないが、遅すぎるのも危険。壁に接触しない様恐る恐る走っていたら後続車にぶつけられた…という事にもなりかねない。 --「サッカーをしてストレートでゲームに勝った」は人によっては恐らく本作で最も入手が難しいスタンプの一つ。 ---このゲームのサッカーは2on2((プレイヤー&Q'sレッカー車VSライバル&郵便車。レースでも同様だが、敵車には燃料の概念が無い。))でフィールド内をチョロQを操作して駆け回り大きなボールへぶつかって相手ゴールへ押し込み、先に3点を取ったチームの勝利というルールで行うのだが… ---ただでさえボールをコントロールするのが難しい上、フィールドはオフロードなのにもかかわらず、''コンピュータは殆どスピンせずに凄まじい旋回力で''ボールを狙ってくるため、1点勝ち取ることさえもやっとのところを、''失点することなく3点先取しなければならない。''故に実力だけでなく運も絡んでくるのも難しい理由の一つ。((集英社から出版された攻略本にも''「運を最大限に使え!」''という記述がある。)) ---味方のレッカー車のことも上手くサポート((ボールを取れる場面では敢えて自分がボールを味方から横取りする、ボールが壁際に行った場合はボールをレッカー車に任せる等。))してあげなければオウンゴールしてしまう。逆に言えば、終盤の装備を着けているにもかかわらず味方がオウンゴールしてしまう場合は、大抵は自身の操作に問題があるとも言える。&bold(){しっかりとサポートをしてあげれば味方も割とサポートをしてくれるので、NPCとの協力の楽しさはシリーズ中でも随一かもしれない。}但し装備が弱いままだと味方のオウンゴール率が非常に上がるので基本的に性能を強化してから挑む様に。 --「グリーンタウンのレースを一度もぶつからずに入賞する」というスタンプでは、コース終盤の坂に乗り上げてジャンプするセクションで、&bold(){坂に乗り上げた際に偶にぶつかった判定になってしまうという仕様}となっており、非常に難易度が高い。理不尽な仕様の為ストレスも溜まりやすい。 ---これを回避するには速度を落とすか、坂の右側から通り抜けるかで対策しなければならないのだが、坂を通り抜ける場所によってはジャンプ時に自車をコントロールできなくなり壁にぶつかり、速度を落とすと後続の敵車に追いつかれ易くなる。但しぶつからずに&bold(){「入賞」}なので3位を狙ってぶつからない様にすれば達成し易くなる。さらにビッグタイヤを装備すればぶつかった判定が殆ど出なくなる。 --又、ぶつかった判定の理不尽さ自体は本作のみの問題という訳ではなく、前作の『チョロQ3』や、『チョロQ2』にも存在する。((これらの作品の場合は無接触完走の特典はボーナス賞金のみの上に、完全クリアにも関係してこないので人によっては殆ど関わってこない問題ではある。しかしボーナス賞金を設定しているにもかかわらず、本作と同等、或いは本作以上に当たり判定が理不尽なコースが存在する。例を挙げると、コース序盤の段差を乗り越える際に、速度を落とすだけでなく加速の具合も調節しなければぶつかった判定になってしまうコース「チョロQホテル」(チョロQ3)や「冬の山」(チョロQ2)がその例。)) -但しこれらのイベントは本作の挙動や仕様に慣れ、周回クリアを楽しむ際には程良い難易度となっており、敷居が高いながらもゲームバランスは比較的纏まっている。 #endregion -「とりあえずあそぶ」モードの記録の保存 --「とにかくあそぶ」モードでレコードのセーブ・ロードが可能だった『チョロQ2』『チョロQ3』と異なり、本作では「とりあえずあそぶ」のレコードデータが保存できない。 //-サウンドテスト機能の削除 //--本作では『チョロQ2』『チョロQ3』ではあったサウンドテスト機能が無くなってしまった。 //但しこれは同じE-GAME製で開発側と販売側とで軋轢があり、音楽関係で販売側の不条理を受け入れざるを得なかったとの発言がコンポーザーからあった、『チョロQHG2』のBGMの事情を考慮すると意図的なものの可能性もあります。(本作にも元ネタがあるBGMの存在が多く発覚している)一応ゲームの問題点として挙げましたが、本作のBGMに関しては現状かなりデリケートな話題となるので非表示としました。もし非表示でもこの文章が本ページに不要と判断したのであれば、上記の「サウンドテスト機能の削除」ごと削除して頂いても構いません。 ---- **総評 前作までとは方向性が大幅に変化し、燃料制やクラッチなどの高い戦略性が求められる操作システムの導入、そしてゲーム全体の高難易度さからチョロQシリーズの入門としてはお薦めしづらいものの、挙動や仕様に慣れさえすれば、比較的良く纏まった絶妙な難易度となっており、~ 更に多くの街・多くの住人チョロQの存在や、個性豊かなオプションパーツ等のように、後のシリーズに影響を与えた要素も多く存在し、自車ボディの仕様やコースの少なさ等の問題点はあるものの、全体的な出来自体は良質であり硬派な作品だと言える。~ 覚えゲーであり高難易度だが練り込まれたゲームバランスや、過去作から一新された世界観、 ステージ中のパーツを探索し、入手して徐々にパワーアップするにつれ外観が変化していく、エネルギーゲージ(燃料)を上手く活かしオプション武器を駆使して苦境をスピーディーに切り抜けていくなど、2Dアクションで例えるなら初期の[[この作品>ロックマンX]]に近いポジションかもしれない。 ~ チョロQ3までとは大きく異なる今作では、ユーザーによって受け入れられるかどうかが分かれる作品となった。~ 今作の後、開発元のe-gameは本作の要素を発展させた『HG2』や、&br()街の数は少ないが、燃料システムを廃止し(但し一部パーツの燃料は存在する)レース面に力を入れた『HG3』を出すこととなる。 ---- **余談 -「概要」でも述べたように、製作スタッフはタムソフトからの移籍([[当時のサウンドスタッフのツイートリンクより>https://twitter.com/BUNPinkSardine/status/1063088929400705025]])。また、本作発売当時の雑誌に掲載された広告では、タイトル名が『チョロQ4 ワンダフォー!』となっている([[参考>https://twitter.com/choroq00/status/1360816555538345985]])。 -2001年にベスト版(廉価版)として再発売された際には、ディスクのデザインの黄色の部分がピンク色に変更された。 -「ふたりであそぶ」モードは初期状態だと「レースコース3つ+ミニゲーム2つ」と少ないが、「ぼうけんに出る」のデータをロードし、すぐにタイトル画面に戻った後、「ふたりであそぶ」を選ぶと、「ぼうけんに出る」のデータの進捗度によって走れるコースと遊べるミニゲームが増える。 -取扱説明書の24頁目にある「レースの紹介」欄にある、「グリーンパーク」のコースマップが、ゲーム本編のものとは少し異なっている。 --説明書のものは本編とは異なり、左右に装飾が無いシンプルなものとなっている。 -「グリーンタウン」のBGMが、セガが1989年にリリースしたアーケードゲーム「レーシングヒーロー」のステージ1のBGMと酷似している。 -「ブルーレイク」にはちょっとした小ネタがある。 #region(クリックで詳細) -「ブルーレイク」のQ'sファクトリーは建物がなく、''ただそこにレッカー車のチョロQが佇んでいるだけとなっている。'' --「ジェットタービン」と「ビッグタイヤ」、そしてその他最強パーツを装備し、勢いをつけてQ'sファクトリー付近のQ'sの石碑をジャンプ台にし、右側の壁伝いに走ると後ろに回り込む事ができる。 --そして背後からレッカー車に話しかけると「''ようこそ。いかにも、わたしがブラックバスです''」と、ブルーレイクの何処かにいる「ブラックバス((しばしば耳にするあの外来魚の事ではなく、黒色のボンネットバスのチョロQ。話しかけると、ブルーレイク脱出に関する秘密を教えて貰える。))」と同じセリフを話す。こちらに話しかけても、ブラックバスのスタンプを貰うことができる。 --その後に前進すればQ'sファクトリー内に入ってしまうが、入る前にレッカー車を後ろから押していれば、Q'sファクトリーの外にレッカー車を押し出すことができ、その後にまた話しかけても上記と同じセリフを話す。また、レッカー車を押し出した後でも通常通りQ'sファクトリーには入ることができる。 --改造動画によれば、同様の環境の「ブラックシティ」のうらないシスターは、Q'sファクトリーのレッカー車のセリフを話す様だ。 #endregion ----

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