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*グロリア・ユニオン 【ぐろりあ・ゆにおん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B004UJOP8A)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|アトラス(インデックス)|~| |開発元|スティング|~| |発売日|2011年6月23日|~| |定価|UMD:6,279円/DL:4,980円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|D.H.Eシリーズとは違うライトなノリ&br()システムは良くも悪くもシリーズそのまま|~| |>|>|CENTER:''[[Dept.Heaven.Episodes.シリーズ・ユニオンシリーズリンク>Dept.Heaven.Episodes.シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ユグドラ・ユニオン]]』『[[ブレイズ・ユニオン]]』に続くシリーズ3作目。「ユニオン」の名を冠しておりゲームシステムも前作・前々作と同一ではあるものの世界観は共有されておらず、『Dept. Heaven Episodes』シリーズにも含まれていない。 **ストーリー この世に存在している意思の力“ウィル”によって繁栄していた国があった。 ユーフォリア王国、王位継承者にのみ宿る強大なウィルの力で世界の頂点に君臨していた大国である。 ユーフォリア王国を始め、人々はウィルの力で様々な文化を築き上げていった。絶対的力を持っていたユーフォリア王国。 しかし、その歴史はある日終わることとなる。ユーフォリア王国は海へと沈み、世界の八割は海に包まれた。 海に沈む直前、ユーフォリア王国はその文化を世界に残すため、膨大なウィルを詰め込んだクリスタルを世界各地に封印し、それは伝説となって現代に語り継がれた。 クリスタルの伝説。世界の八割が海になったことで活性化した海賊達は、その伝説を求め海へ飛び出したのであった。 そして、ここにも一人、一攫千金を狙う海賊少年がいた。 (公式サイトより転載) **ゲームシステム やはり複雑なシステムであり初見のプレイヤーは首を傾げることも多いものの、相変わらずシナリオの進行に応じて順次解放されてゆくシステムと登場人物によるチュートリアルも健在。チュートリアルは自ターンのメニュー内で確認できるため無理なくルールを身につけることができる。ルールの詳細は『[[ユグドラ・ユニオン]]』の当該項目を参照。 **評価点・前作、前々作からの改善点 -キャラクターデザインは『[[ラジアータ ストーリーズ]]』『[[ラジアントヒストリア]]』を担当したこにしひろし、『ドカポンキングダム』の為重英子。カードデザインは引き続き戸部淑が担当。等身が高く肉感的なキャラ造詣となっており、きゆづきさとこの愛らしいデザインとは毛色が違う。 --会話シーンは基本的にキャラ毎の一枚絵で進行していたものの、今作では各キャラに表情差分が用意されており、豪華声優による演技と相まってより臨場感が高められている。キャストには主人公のイシュトに下野紘、メインヒロインのルルゥに花澤香奈を始め藤原啓治、伊藤静など軒並み人気声優が名を連ねる。 -(正確には『ブレイズ・ユニオン』からだが)スキル使用時にボイスによる詠唱が入るようになった。敵のザコキャラに至るまでしっかり喋るようになったため、「表示される字幕とボイスが噛み合ってない」という問題は解消されている。 -装備品の交換が可能。これにより敵の陣容に対応しより柔軟な戦略が取れるようになったほか、各キャラの初期装備などを難関マップや後半ステージにまで持ち越すこともできるようになった。「瞬間チャージ」や「ゲージ・レート蓄積」など初期装備には強力な特殊能力を持つものも多いため、上手く使いこなせればゲームの難易度が変わる。 --ただし、相変わらず装備品を「外す」ことは不可能。 -海賊船の使用が可能となった。一般ユニットと同様マップ上を移動でき、ユニオン内に組み込むことで支援砲撃(突撃時に敵メンバーを一体減らす。投石機と同じ効果)を行うことができる他砲撃により敵の士気に直接ダメージを与えることができる、水辺が平地に挟まれているような地点に待機させると橋の代わりになり通行できる、ユニットを搭載しての大移動などこれまでにない新たな戦略が生まれた。 --誰に船長を任せるかで砲撃の威力や性質が変わるのもユニーク。敵が自分の船を所有している場合はもちろん敵も使用してくる。 -前作『ブレイズ・ユニオン』は『ユグドラ・ユニオン』の直接の続編((話の内容は過去編にあたる。))だったのに対し、本作は世界観を一新した新作であるため過去作をプレイしなくても楽しめる。 --とは言いつつも、ファンサービスとしてシリーズお馴染みのミスティックウィッチ・パメラを始め『ユグドラ』『ブレイズ』からそれぞれ一人ずつゲストキャラが登場している。 #region(ネタバレ注意) -『ユグドラ』からは主人公のユグドラがまさかの参戦。同一人物ではなく、賞金稼ぎで構成された海賊「ファンタジニア旅団」を纏め上げる女団長という設定。自前の悪センサーで悪を探知し、悪を見つければ所構わずいい笑顔で愛用のガトリングガン「''センチュリオバスター''」を乱射、口癖は「''寄らば撃ちます!''」・・・なんだ、いつものユグドラか・・・。 -原作とは異なり使用武器が銃に変更(グラフィック上はガトリングガン)され、ジハードも無いためかつてのような無双は不可能になっているものの、rageが神聖属性・かつ神聖攻撃を無効化できる銃キャラは彼女のみ、加えてATKの初期値・成長率が共に抜群に高いため活躍の余地は十分にある。キャストはもちろん中原麻衣。また戦闘BGM「黄金を纏う破壊者」も「ユグドラ出撃」のアレンジとなっている。 -一方の『ブレイズ』からは詩に残せるほどの強者を求めて旅する吟遊詩人、イータが登場。こちらは設定的に同一人物と思われる。 --昼・夕方は女性、夜間は男性として扱われユニット特性も変化するトリッキーなキャラも相変わらず。前作同様、唯一の琴キャラである。 #endregion いずれのキャラもルート次第では仲間にならない。会話での出番も控えめなため目立ち過ぎず、本来の主人公を喰うといったことはなくゲストとしての立場をしっかり貫いている。 -メディアインストール対応。これによりテンポの良さはシリーズ随一。 -槍キャラが最大4人も仲間になるがしっかり個性がつけられており、どのキャラも選択肢に入る --水辺が多い本作では数値以上の活躍を見せるフィービー、唯一の飛行ユニットであるラズベリー、こちらは唯一のLサイズユニットのカミュル、標準的な能力で癖のないミネソタとどのキャラにも個性がある。 **賛否両論点 -システムは完全に過去作の使い回しである。他に類を見ない独特のシステムを持つシリーズとは言え、三作目ともなるとさすがにマンネリ感が目立つ。 --タクティクスカードも特定のキャラ専用のものが数枚追加された程度にとどまり、目新しさに欠ける。 --またカードの強弱も相変わらず。「スティール」「グラヴィティカオス」「シールドバリア」等の優位は依然揺るがず、逆にこれまで弱かったカードは弱いままなのもマンネリに拍車をかけている。 --しかしながらそれは同時に過去作で培ったノウハウをそのまま生かせるということであり、ルールを熟知しているシリーズ経験者なら違和感なく序盤から十二分にゲームを楽しめるため、「大きな改変をされるよりは」という肯定的意見も多い。 -新たに追加されたカードの効果のインフレがあまりにも激しい。 --特に壊れているのがメインヒロイン、ルルゥ専用の「コウアレス」。発動すると分身が一つ(ヘッド一人になる)代わりに''全ステータスを最大値に引き上げ、強攻撃のダメージが上昇し、強攻撃の頻度も激増する''という狂った性能。さらに勝利するとATKが引き上げられたことに加えて「コウアレス・エンド」による士気ダメージボーナスが入る。ゲージを破壊できない点を除けば''ジェノサイドにそっくり''である。おまけにこのカード、''最序盤で手に入る''ためスキルの解禁と同時に使用可能になることも考慮すると、ジェノサイドよりえげつない。 --他にも「遺跡カード」と呼ばれる主人公専用のカード群がある。ほぼ無条件で敵ヘッド以外を全滅・地形効果を無効化・士気ダメージボーナスを与える「タイダルウェイブ」を始めこちらも強力なもの揃い。 --終盤になると敵も強力なカードを多用してくるためそれに対抗するための措置と言えなくもない。 -To eatアイテム、MVP獲得によるステータス上昇が前作である『ブレイズ』ほぼそのまま。To eatアイテム(いわゆるドーピングアイテム)の効果は、1作目である『ユグドラ』ではステータスを大星1つ分上昇させる効果だったものの、『ブレイズ』では小星2つ分と大きく効果が引き下げられ(例えばATK2.0のキャラに使うと3.0になっていた所を、2.2までしか上昇しなくなった)、本作もそれをそのまま引き継いでいる。((とはいえ、『ユグドラ』は逆に複数キャラのステータスをカンストさせられる程ステータスアップ手段が多すぎたため、それを是正する目的と思われる。)) --MVP獲得によるボーナスは『ユグドラ』ではリトライ無しでのクリアで小星+1、リトライ無し・特定ターン数以下によるクリアで+2だったものの、前作ではリトライ無し・特定ターン数以下で+1(ついでとばかりに、どのステータスが上がるかがシナリオによって固定であった)とノルマは変わっていないのにボーナスだけが下がってしまっていた。((ただし、士気の最大値が300上昇するのでトータルで見ればそれほど損はしていないとの意見も。))。本作では、アップする数値はそのままであるものの、4種のうちどのステータスを上げるかはセーブ&ロードで調整できるようになっている。 --これにより、ステータスインフレは起きにくくなったものの、複数キャラを育てるとステータスが上がりづらくなってしまっている。 //上記のMVPおよびto eatアイテム部分は本作からの問題ではなく前作、ブレイズ・ユニオンからの変更点なので記述を修正します。 -ストーリーは良く言えば明るく軽快、悪く言えば稚拙。 --例を挙げるなら最序盤のメインヒロインの登場シーン。なんと「美少女が空から降ってくる」という王道すぎる展開に加え、主人公は「美少女だから」という理由で手放しで彼女を信用。当のヒロインはいきなり主人公に秘められた能力の存在を指摘、「私についてきて欲しい」と冒険に出かける・・・という、ライトノベル的なストーリー。 --また何の伏線もなく新たな設定やキャラが登場するご都合主義的な展開も日常茶飯事である。それに対するキャラの反応もツッコむ、ボケる、鼻の下を伸ばすなど今いちシリアスに徹し切れていない。もちろん、全編通してこんな調子というわけではないが。 //--また劇中で堂々と「ツンデレ」「病ンデレ」といった現実世界での俗語が登場するのも世界観にそぐわない。確かに分かりやすくはあるものの、安易なキャラ付けと言わざるを得ない。 //作風自体に賛否はあっても作風には合ってるし、世界観にそぐわないとは思えない。完全な異世界であって現実の航海時代じゃないんだし --特にあるキャラの自軍加入経緯はあまりにもお粗末過ぎ、「本作のシナリオの酷さが象徴されている」とよく槍玉に上げられる。 #region(その加入経緯(ネタバレ注意)) -序盤からボスとして登場する「アンヌ・コーマック」というキャラ(設定上は女海賊、ゲーム上のクラスはヴァルキリー)。とある経緯から莫大な懸賞金をかけられた主人公を狙うシャルム海賊団の船長なのだが、なんとナンパ勝負で仲間になる。正確には、ナンパ男を撃退した女キャラと友情を感じ、自軍に参入してくるという・・・さすがにオイオイと突っ込みたくなる酷さ。 --海賊団の船長といえば一国一城の主と言って良く、彼女自身も「悪名は全海域に轟いている((公式サイトより。))」レベルの大物。そんな人物があっさり仲間になる(=他の団の軍門に下る)のはさすがに不自然。 --また彼女が仲間になるマップは女性キャラを特定の位置に配置すると水着イベントが見られるいわゆる''水着回''というのも緩い空気に拍車をかけている。 #endregion **問題点 -本作でもせっかくの専用カードなのに使えないカードがちらほら存在する。 --自爆技になりかねない「メテオ」、スキルを発動しない方が勝ちやすい「セルヴェイション」に至ってはもはやどうしようもないレベル。 -主人公と兵種がかぶったアンヌが若干不遇 --ステータス面は軒並み高水準で同レベルの主人公を大きく上回るため、事実上の専用スキル「レヴォリューション」さえ使いこなせれば強みもあるのだが、強制出撃だらけの主人公と兵種がかぶってしまっているのが痛すぎる。 -本編でやるべき重要な内容をエクストラコンテンツで行っている -味方側の鎌ユニットの廃止 --本作の鎌ユニットは、セミラスボスであるキーラのみで、「オブリヴィアスドーン」も彼(彼女?)専用スキルになってしまった。元々本シリーズにおいて鎌は相性的に強すぎるので、仕方のない面もあるが、かつての該当ユニットであるミステールとベアトリーヌはそれを踏まえた性能になっているので、本作もそうすべきではないかという意見がある。 --黄泉の国の吸血鬼という設定のラズベリーは鎌で良かったのでは、とも言われている。とはいえ、飛行ユニットであるため、それに鎌を武器として使えれば強すぎる可能性もあるが。 **総評 ゲームとしては快適になったもののこれまでのシリーズの硬派なシナリオから一転、コメディ調の軟派なシナリオに変わってしまったのは賛否両論。~ ゲームのテンポは良好、フリーマップの導入やアイテム集めなどのやりこみ要素も健在のためゲーム性は決して損なわれていない。&br() **余談 -2021年3月18日に『グロリア・ユニオン FHD EDITION』がSwitch/iOS/Androidで配信された。 --ユグドラの強化や、メテオの使い勝手の改善をはじめ、独自の要素が多数追加されている。なお、『FHD EDITION」は公式の呼称だが、旧作と区別するための名称らしく、配信ゲームとしての名前は変わらず『グロリア・ユニオン』のみ。
*グロリア・ユニオン 【ぐろりあ・ゆにおん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B004UJOP8A)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|アトラス(インデックス)|~| |開発元|スティング|~| |発売日|2011年6月23日|~| |定価|UMD:6,279円/DL:4,980円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|D.H.Eシリーズとは違うライトなノリ&br()システムは良くも悪くもシリーズそのまま|~| |>|>|CENTER:''[[Dept.Heaven.Episodes.シリーズ・ユニオンシリーズリンク>Dept.Heaven.Episodes.シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ユグドラ・ユニオン]]』『[[ブレイズ・ユニオン]]』に続くシリーズ3作目。「ユニオン」の名を冠しておりゲームシステムも前作・前々作と同一ではあるものの世界観は共有されておらず、『Dept. Heaven Episodes』シリーズにも含まれていない。 **ストーリー この世に存在している意思の力“ウィル”によって繁栄していた国があった。 ユーフォリア王国、王位継承者にのみ宿る強大なウィルの力で世界の頂点に君臨していた大国である。 ユーフォリア王国を始め、人々はウィルの力で様々な文化を築き上げていった。絶対的力を持っていたユーフォリア王国。 しかし、その歴史はある日終わることとなる。ユーフォリア王国は海へと沈み、世界の八割は海に包まれた。 海に沈む直前、ユーフォリア王国はその文化を世界に残すため、膨大なウィルを詰め込んだクリスタルを世界各地に封印し、それは伝説となって現代に語り継がれた。 クリスタルの伝説。世界の八割が海になったことで活性化した海賊達は、その伝説を求め海へ飛び出したのであった。 そして、ここにも一人、一攫千金を狙う海賊少年がいた。 (公式サイトより転載) **ゲームシステム やはり複雑なシステムであり初見のプレイヤーは首を傾げることも多いものの、相変わらずシナリオの進行に応じて順次解放されてゆくシステムと登場人物によるチュートリアルも健在。チュートリアルは自ターンのメニュー内で確認できるため無理なくルールを身につけることができる。ルールの詳細は『[[ユグドラ・ユニオン]]』の当該項目を参照。 **評価点・前作、前々作からの改善点 -キャラクターデザインは『[[ラジアータ ストーリーズ]]』『[[ラジアントヒストリア]]』を担当したこにしひろし、『ドカポンキングダム』の為重英子。カードデザインは引き続き戸部淑が担当。頭身が高く肉感的なキャラ造詣となっており、きゆづきさとこの愛らしいデザインとは毛色が違う。 --会話シーンは基本的にキャラ毎の一枚絵で進行していたものの、今作では各キャラに表情差分が用意されており、豪華声優による演技と相まってより臨場感が高められている。キャストには主人公のイシュトに下野紘、メインヒロインのルルゥに花澤香奈を始め藤原啓治、伊藤静など軒並み人気声優が名を連ねる。 -(正確には『ブレイズ・ユニオン』からだが)スキル使用時にボイスによる詠唱が入るようになった。敵のザコキャラに至るまでしっかり喋るようになったため、「表示される字幕とボイスが噛み合ってない」という問題は解消されている。 -装備品の交換が可能。これにより敵の陣容に対応しより柔軟な戦略が取れるようになったほか、各キャラの初期装備などを難関マップや後半ステージにまで持ち越すこともできるようになった。「瞬間チャージ」や「ゲージ・レート蓄積」など初期装備には強力な特殊能力を持つものも多いため、上手く使いこなせればゲームの難易度が変わる。 --ただし、相変わらず装備品を「外す」ことは不可能。 -海賊船の使用が可能となった。一般ユニットと同様マップ上を移動でき、ユニオン内に組み込むことで支援砲撃(突撃時に敵メンバーを一体減らす。投石機と同じ効果)を行うことができる他砲撃により敵の士気に直接ダメージを与えることができる、水辺が平地に挟まれているような地点に待機させると橋の代わりになり通行できる、ユニットを搭載しての大移動などこれまでにない新たな戦略が生まれた。 --誰に船長を任せるかで砲撃の威力や性質が変わるのもユニーク。敵が自分の船を所有している場合はもちろん敵も使用してくる。 -前作『ブレイズ・ユニオン』は『ユグドラ・ユニオン』の直接の続編((話の内容は過去編にあたる。))だったのに対し、本作は世界観を一新した新作であるため過去作をプレイしなくても楽しめる。 --とは言いつつも、ファンサービスとしてシリーズお馴染みのミスティックウィッチ・パメラを始め『ユグドラ』『ブレイズ』からそれぞれ一人ずつゲストキャラが登場している。 #region(ネタバレ注意) -『ユグドラ』からは主人公のユグドラがまさかの参戦。同一人物ではなく、賞金稼ぎで構成された海賊「ファンタジニア旅団」を纏め上げる女団長という設定。自前の悪センサーで悪を探知し、悪を見つければ所構わずいい笑顔で愛用のガトリングガン「''センチュリオバスター''」を乱射、口癖は「''寄らば撃ちます!''」・・・なんだ、いつものユグドラか・・・。 -原作とは異なり使用武器が銃に変更(グラフィック上はガトリングガン)され、ジハードも無いためかつてのような無双は不可能になっているものの、rageが神聖属性・かつ神聖攻撃を無効化できる銃キャラは彼女のみ、加えてATKの初期値・成長率が共に抜群に高いため活躍の余地は十分にある。キャストはもちろん中原麻衣。また戦闘BGM「黄金を纏う破壊者」も「ユグドラ出撃」のアレンジとなっている。 -一方の『ブレイズ』からは詩に残せるほどの強者を求めて旅する吟遊詩人、イータが登場。こちらは設定的に同一人物と思われる。 --昼・夕方は女性、夜間は男性として扱われユニット特性も変化するトリッキーなキャラも相変わらず。前作同様、唯一の琴キャラである。 #endregion いずれのキャラもルート次第では仲間にならない。会話での出番も控えめなため目立ち過ぎず、本来の主人公を喰うといったことはなくゲストとしての立場をしっかり貫いている。 -メディアインストール対応。これによりテンポの良さはシリーズ随一。 -槍キャラが最大4人も仲間になるがしっかり個性がつけられており、どのキャラも選択肢に入る --水辺が多い本作では数値以上の活躍を見せるフィービー、唯一の飛行ユニットであるラズベリー、こちらは唯一のLサイズユニットのカミュル、標準的な能力で癖のないミネソタとどのキャラにも個性がある。 **賛否両論点 -システムは完全に過去作の使い回しである。他に類を見ない独特のシステムを持つシリーズとは言え、三作目ともなるとさすがにマンネリ感が目立つ。 --タクティクスカードも特定のキャラ専用のものが数枚追加された程度にとどまり、目新しさに欠ける。 --またカードの強弱も相変わらず。「スティール」「グラヴィティカオス」「シールドバリア」等の優位は依然揺るがず、逆にこれまで弱かったカードは弱いままなのもマンネリに拍車をかけている。 --しかしながらそれは同時に過去作で培ったノウハウをそのまま生かせるということであり、ルールを熟知しているシリーズ経験者なら違和感なく序盤から十二分にゲームを楽しめるため、「大きな改変をされるよりは」という肯定的意見も多い。 -新たに追加されたカードの効果のインフレがあまりにも激しい。 --特に壊れているのがメインヒロイン、ルルゥ専用の「コウアレス」。発動すると分身が一つ(ヘッド一人になる)代わりに''全ステータスを最大値に引き上げ、強攻撃のダメージが上昇し、強攻撃の頻度も激増する''という狂った性能。さらに勝利するとATKが引き上げられたことに加えて「コウアレス・エンド」による士気ダメージボーナスが入る。ゲージを破壊できない点を除けば''ジェノサイドにそっくり''である。おまけにこのカード、''最序盤で手に入る''ためスキルの解禁と同時に使用可能になることも考慮すると、ジェノサイドよりえげつない。 --他にも「遺跡カード」と呼ばれる主人公専用のカード群がある。ほぼ無条件で敵ヘッド以外を全滅・地形効果を無効化・士気ダメージボーナスを与える「タイダルウェイブ」を始めこちらも強力なもの揃い。 --終盤になると敵も強力なカードを多用してくるためそれに対抗するための措置と言えなくもない。 -To eatアイテム、MVP獲得によるステータス上昇が前作である『ブレイズ』ほぼそのまま。To eatアイテム(いわゆるドーピングアイテム)の効果は、1作目である『ユグドラ』ではステータスを大星1つ分上昇させる効果だったものの、『ブレイズ』では小星2つ分と大きく効果が引き下げられ(例えばATK2.0のキャラに使うと3.0になっていた所を、2.2までしか上昇しなくなった)、本作もそれをそのまま引き継いでいる。((とはいえ、『ユグドラ』は逆に複数キャラのステータスをカンストさせられる程ステータスアップ手段が多すぎたため、それを是正する目的と思われる。)) --MVP獲得によるボーナスは『ユグドラ』ではリトライ無しでのクリアで小星+1、リトライ無し・特定ターン数以下によるクリアで+2だったものの、前作ではリトライ無し・特定ターン数以下で+1(ついでとばかりに、どのステータスが上がるかがシナリオによって固定であった)とノルマは変わっていないのにボーナスだけが下がってしまっていた。((ただし、士気の最大値が300上昇するのでトータルで見ればそれほど損はしていないとの意見も。))。本作では、アップする数値はそのままであるものの、4種のうちどのステータスを上げるかはセーブ&ロードで調整できるようになっている。 --これにより、ステータスインフレは起きにくくなったものの、複数キャラを育てるとステータスが上がりづらくなってしまっている。 //上記のMVPおよびto eatアイテム部分は本作からの問題ではなく前作、ブレイズ・ユニオンからの変更点なので記述を修正します。 -ストーリーは良く言えば明るく軽快、悪く言えば稚拙。 --例を挙げるなら最序盤のメインヒロインの登場シーン。なんと「美少女が空から降ってくる」という王道すぎる展開に加え、主人公は「美少女だから」という理由で手放しで彼女を信用。当のヒロインはいきなり主人公に秘められた能力の存在を指摘、「私についてきて欲しい」と冒険に出かける・・・という、ライトノベル的なストーリー。 --また何の伏線もなく新たな設定やキャラが登場するご都合主義的な展開も日常茶飯事である。それに対するキャラの反応もツッコむ、ボケる、鼻の下を伸ばすなど今いちシリアスに徹し切れていない。もちろん、全編通してこんな調子というわけではないが。 //--また劇中で堂々と「ツンデレ」「病ンデレ」といった現実世界での俗語が登場するのも世界観にそぐわない。確かに分かりやすくはあるものの、安易なキャラ付けと言わざるを得ない。 //作風自体に賛否はあっても作風には合ってるし、世界観にそぐわないとは思えない。完全な異世界であって現実の航海時代じゃないんだし --特にあるキャラの自軍加入経緯はあまりにもお粗末過ぎ、「本作のシナリオの酷さが象徴されている」とよく槍玉に上げられる。 #region(その加入経緯(ネタバレ注意)) -序盤からボスとして登場する「アンヌ・コーマック」というキャラ(設定上は女海賊、ゲーム上のクラスはヴァルキリー)。とある経緯から莫大な懸賞金をかけられた主人公を狙うシャルム海賊団の船長なのだが、なんとナンパ勝負で仲間になる。正確には、ナンパ男を撃退した女キャラと友情を感じ、自軍に参入してくるという・・・さすがにオイオイと突っ込みたくなる酷さ。 --海賊団の船長といえば一国一城の主と言って良く、彼女自身も「悪名は全海域に轟いている((公式サイトより。))」レベルの大物。そんな人物があっさり仲間になる(=他の団の軍門に下る)のはさすがに不自然。 --また彼女が仲間になるマップは女性キャラを特定の位置に配置すると水着イベントが見られるいわゆる''水着回''というのも緩い空気に拍車をかけている。 #endregion **問題点 -本作でもせっかくの専用カードなのに使えないカードがちらほら存在する。 --自爆技になりかねない「メテオ」、スキルを発動しない方が勝ちやすい「セルヴェイション」に至ってはもはやどうしようもないレベル。 -主人公と兵種がかぶったアンヌが若干不遇 --ステータス面は軒並み高水準で同レベルの主人公を大きく上回るため、事実上の専用スキル「レヴォリューション」さえ使いこなせれば強みもあるのだが、強制出撃だらけの主人公と兵種がかぶってしまっているのが痛すぎる。 -本編でやるべき重要な内容をエクストラコンテンツで行っている -味方側の鎌ユニットの廃止 --本作の鎌ユニットは、セミラスボスであるキーラのみで、「オブリヴィアスドーン」も彼(彼女?)専用スキルになってしまった。元々本シリーズにおいて鎌は相性的に強すぎるので、仕方のない面もあるが、かつての該当ユニットであるミステールとベアトリーヌはそれを踏まえた性能になっているので、本作もそうすべきではないかという意見がある。 --黄泉の国の吸血鬼という設定のラズベリーは鎌で良かったのでは、とも言われている。とはいえ、飛行ユニットであるため、それに鎌を武器として使えれば強すぎる可能性もあるが。 **総評 ゲームとしては快適になったもののこれまでのシリーズの硬派なシナリオから一転、コメディ調の軟派なシナリオに変わってしまったのは賛否両論。~ ゲームのテンポは良好、フリーマップの導入やアイテム集めなどのやりこみ要素も健在のためゲーム性は決して損なわれていない。&br() **余談 -2021年3月18日に『グロリア・ユニオン FHD EDITION』がSwitch/iOS/Androidで配信された。 --ユグドラの強化や、メテオの使い勝手の改善をはじめ、独自の要素が多数追加されている。なお、『FHD EDITION」は公式の呼称だが、旧作と区別するための名称らしく、配信ゲームとしての名前は変わらず『グロリア・ユニオン』のみ。

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