「不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物」(2024/04/13 (土) 10:35:43) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

このページでは下記の3作品を紹介する。 -『不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物』:ゲームボーイ用ソフト。 -『不思議のダンジョン 風来のシレン 月影村の怪物』:↑のリメイク移植版のWindows用ソフト。 -『不思議のダンジョン 風来のシレン 月影村の怪物 インターネット版』:↑にオンラインサービスやダンジョンを追加したWindows用ソフト。 ---- #contents(fromhere) ---- *不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物 【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんじーびー つきかげむらのかいぶつ】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&amazon(B000092P8F)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |メディア|4MbitROMカートリッジ|~| |発売元|チュンソフト|~| |開発元|チュンソフト&br()アクアマリン|~| |発売日|1996年11月22日|~| |定価|3,900円|~| |書換|ニンテンドウパワー&br()2000年3月1日/1,000円 F×4・B×4|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[風来のシレンシリーズ>不思議のダンジョンシリーズ#id_1f3b456f]]''| ---- **概要 スーパーファミコンのローグライクゲーム『[[不思議のダンジョン2 風来のシレン]]』の続編であり、ゲームボーイ向けに開発したソフトである。~ 機種が機種だけに前作より削られた機能は多いが、携帯機で気軽に遊べるようになったのが最大の特長である。 生け贄を要求する怪物に悩まされる「月影村」が今作の舞台であり、怪物を討伐し子供を救出するのが主人公シレンの目的である。~ 時間軸としては前作『風来のシレン』と『[[風来のシレン4>不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ]]』の間の話に当たる。 **特徴 -ボタン数が減ったため、メニュー欄の表示、向きの変更、ななめ移動、矢の発射のコマンドが変更された。 --SFCと比較して操作性が不便になったが、限られたボタン数でこれらのコマンドを可能にしたことは評価できる。 -ゲーム画面がモノクロなので、敵のレベルが色でなく数値で表示されるようになった。 --モノクロゆえにモンスターがレベルアップしても見た目で区別がつかないせいか、レベル2以上のモンスターには「2」「3」という数字が付いて点滅することで、区別できるようになっている。 --新登場のモンスターは、シンプルなデザインの敵が多い。モノクロかつ低解像度でも分かりやすいデザインを心がけたのだろう。 --アイテム変身能力を持つ魔物が「ンドゥバ系」から「かさタヌキ系」になるなど、似たような能力を持った新モンスターに置き換えられている。 -ダンジョンの視界が明るくなり、通路にいても画面内にいるモンスターやアイテムなどの姿が映るようになった。 --これにより、ほとんどの敵から先制攻撃を受けずに進むことが可能で、「透視の腕輪」なしでも攻略しやすいゲームバランスとなっている。 -本編のダンジョン「供養峠」は「やさしい」「ふつう」「むずかしい」の3種類の難易度を選べる。 --難易度によって出現するアイテムやモンスター、クリア階数が変化する。 --本編をクリアするには「供養峠」を最低3回クリアする必要があるが、最初の2回は「やさしい」か「ふつう」で挑んでもクリアとなる。 ---ローグライクに慣れていない初心者でも安心して攻略でき、ゲームのシステムを覚えられる。 --本編ダンジョンの難易度選択は、『[[風来のシレン2>不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!]]』でも「初級」「中級」「上級」という形で引き継がれている。 -「突発型モンスターハウス」システムが誕生した。 --部屋をうろついていると突然モンスターハウスになり、その部屋に大量のアイテムと敵とワナが設置される。 --フロアに最初から設置されているタイプのモンスターハウス(旧作までの仕様)は廃止された。前述の視界の仕様を考慮しての仕様変更だと思われる。 -『[[トルネコの大冒険>トルネコの大冒険 不思議のダンジョン]]』の要素の一部が逆輸入。 --読むとダンジョンから脱出できる「ひきあげの巻物」、飲むとランダムな位置にワープする「高飛び草」、満腹度が減らなくなる「ハラヘラズの腕輪」、厄介な能力を持つが必ず眠っているモンスター「ちょうちんフグ」、他の敵に化けた状態で出現する敵「カラス天狗」といった、初代トルネコの要素が実装されている。 --供養峠は「子供を助けて村まで連れ帰る」という往復型。製作者曰く「前作のスラライベント((ダンジョン内で遭遇する事のある迷子の少女・スララを死なせることなく奇岩谷の家まで送る事。飛び道具を使う敵が多くなる区域を通過するため割と難しい。))が元」であり、その対処法が分かっていれば楽。 //往復型のダンジョンがあるのは、初代トルネコ以外の不思議のダンジョンシリーズでは本作のみ。 -「パスワード」(後のシリーズでの「冒険の足跡」)システムが誕生した。 --「そうこをつかわずクリア」「マムルにたおされた」といった様々なクリアや散り様などのリストがあり、それを埋める楽しみ方もできる。 --ちなみに「パスワード」と言う名の通り、クリア実績に応じて文字列が表示される。 ---現状では無意味だが、当初は本編クリアの特典応募の際にこのパスワードを記入することが要求された。 ---- **評価点 ''ストーリー'' -ゲーム性とは関係ないが、ストーリーの出来の良さを評価する声が多い。 --舞台である月影村の秘密や今作のヒロイン「ケヤキ」との恋の行方など、今までの不思議のダンジョンには無かったストーリーが構成されており、10作以上のシレンシリーズが発売された現在でも、「シレンのストーリーで一番好きなのは月影村」と答えるプレイヤーもいるほどである。 --本作は元々前作のリメイクとして出す予定だったが、諸事情でスラライベントの仕様をベースにしたオリジナルストーリーになった経緯があり、ある意味怪我の功名とも取れる。 -クリアとなるラスボス討伐後も、ケヤキとの見応えあるイベントが用意されているので必見である。 --ダンジョンを失敗し続けることで見られるという、シリーズでも珍しいタイプのイベントが多い。 --また、クリア後になるとタイトル画面も『風来のデレン~月影村の脱出』に変更され、「もっと不思議なダンジョン」をクリアするとさらに『風来のミレン~月影村の恋人』に変更といった、細かくかつバカゲーのような芸が見て取れる。 -凝ったストーリーでありながらも、スムーズにクリアできるのであれば3回のプレイでエンディングまで到達できる。ローグライクならではの軽快なゲーム性とストーリーをうまく両立している。 --最速でクリアすると一部のイベントは見られなくなるが、初代トルネコのように不自然な展開になるわけではない。 ''フェイの問題'' -前作にも存在した「フェイの問題」が本編と無関係な独立したモードになり、メニュー画面からいつでも遊べるようになった。問題の数はなんと100問。 --独立したモードのため、前作のようにクリアしたらアイテムが貰えるようなご褒美はなくなったが、プレイに制限はないのでチュートリアル感覚で気軽に挑戦できる。 -フェイの問題では本編とやや設定が異なり、攻撃や投擲は確実に命中し、ワナの不発も起こらないため、運に左右されにくくなった。 --また、ぬすっトド系が落とすアイテムは雑草に固定されている。 -好きな問題から挑戦することができる。クリアするとチェックが付き、クリア状況が一目でわかるようになっている。 --後半の問題には難易度がかなり高いものも含まれており、良い意味でプレイヤーを悩ませてくれる。 --100問目では、ゲーム本編では滅多にお目にかかれないレアアイテム「分裂の壺」を使った、バランス崩壊級の技を実演できる。 ''ゲームバランスの調整'' //手放しに「改善」と呼ぶには意見が分かれると思うので -モンスターのステータスや特殊能力の調整。 --SFC版では荒削りだった、ダンジョン深層のモンスターの攻撃力が調整。36F以降のモンスターは攻撃力255、という極端なゲームバランスとはおさらば。 ---フロア内のモンスターの可視化と合わせ、盾の強化が出来なくてもクリアしやすくなった。 ---「死の使い」「メガタウロス」など攻撃力が非常に高いモンスターもいるので、決してぬるくなったわけではない。 --「ドラゴン系」「ガイコツまどう系」「畠荒らし系」「火炎入道」など、SFC版で厄介だった一部モンスターが削除。 ---特にドラゴン系やガイコツまどう系は強敵だったので、彼らの代替系統モンスターが存在してない点は大きい。 --「オヤジ戦車系」の砲弾ダメージが少なくなった、エーテルデビルが「エーテルもどき」になり透明ではなくなった、「めまわし大根」は混乱草を投げるだけで毒草を投げなくなった、「死神」が壁をすり抜けなくなったなど、特殊能力が緩和されたモンスターもいる。 ---「ガンコ戦車」が経験値の多さの割に大して強くないことを利用して、オヤジ戦車をわざとレベルアップさせて狩る、「ガンコ狩り」という新たなテクニックが生まれた。 -「強化の壺」「分裂の壺」などの所謂バランスブレイカーアイテムは、ゲーム本編では入手が非常に困難になっている。 --モンスターの強さもアイテムの強さも控えめになっている分、アイテムを堅実に駆使できるかが問われる。 --強力なアイテムが引けなくて強敵相手に詰むという状況が減り、戦略の幅が広がったとも言える。 -倉庫以外の町中でアイテムが使えない。そのため、村人を殺すという非道なことは不可能になった。 --ストーリーが大きくぶち壊されかねないので、当然の仕様とも言える。 --倉庫内ではアイテムを使用できる。ただし、シレンのステータスを強化してもダンジョンに入ると元に戻る。 --今作では、倉庫に置いたアイテムは常に識別状態になった。ただし、「むずかしい」に持ち込むと未識別状態になる。 ---どれが何か憶えておいて「むずかしい」に5個のアイテムを持ち込み、すぐに名前を付けることで、少しでも識別の助けにできるようになった。 ---- **賛否両論点 -GBの容量では厳しかったためか、SFCで好評だった「肉」・「白紙の巻物((巻物の名前を書き込むとそれと同じ効果の巻物として使える。あまりにも便利なため後の作品では「一度読んだことのある巻物しか書き込めない」という縛りがついたが、それでも有用なアイテムの一つ。))」・「(仲間になるキャラ以外の)ダンジョン内のNPC」など、廃止された機能は多い。 --しかし、「壺」・「合成」・「仲間NPC」・「ダンジョン内の店」など、前作で好評だった新要素はおおむね継承されている。 --「肉」や「白紙の巻物」は、続編『[[風来のシレンGB2>不思議のダンジョン 風来のシレンGB2 砂漠の魔城]]』で容量が増えた事により復活した。 -「月影村出口」は所謂「もっと不思議のダンジョン」に相当するダンジョンだが、全49階と前作の「フェイの最終問題」より短い分、やや難易度が低め。 --あくまで歴代の「もっと不思議のダンジョン」の中では難易度が低めというだけで誰でも簡単にクリアできるわけではないが・・・。 -BGMが全て、前作であるSFC版初代からの使い回し。元々はSFC版のリメイクとして発売する予定だった影響と思われる。 --村やダンジョン、イベントシーンなどを含めて全てのBGMがSFC版で既出のものであり、本作独自の新曲が無い。 ---ただし、すぎやまこういち氏が手掛けたBGMそのものは名曲揃いであるため、GB音源の8bit版アレンジとして楽しむことは出来る。勿論、本作単体で見た場合には気にならないだろう。 --後々のシリーズでも主要曲は概ね共通しているため、音楽を伝統化したい意図は感じられるのだが、それらの作品では書き下ろし新曲も採用している。 ---後年では、『[[風来のシレン5>不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス]]』のようにすぎやま氏作曲のBGMが全く使われていない作品も存在する。 --ちなみに、前作であるSFC版ではクリア後のダンジョンでは流れないBGMが2つ((『SFC版』のこばみ谷の1~2Fで流れる「杉並の旧街道」と、5~6(7)Fで流れる「天馬峠」というBGM。今作の供養峠の1~2Fと3~4Fで流れる。))存在したが、今作ではどちらもクリア後のダンジョンでもランダムで流れるようになった(ただしWindows版では天馬峠のみ)。 //--大事なアイテムをうっかり失う危険は減ったが、ゴミアイテムを捨てるつもりでダンジョンに潜っても勝手に倉庫に戻るのは知らないと厄介な仕様。 //--村でアイテムを処分するために、倉庫には投げたアイテムが消失する「ゴミ壺」が設置されている。 //これはたいしたことではないと思うが。 -倉庫からダンジョンに持ち込めるアイテムが5個だけになった。 --前作のようにいくらでも持ち込めたら簡単になり過ぎる怖れがあるので、やむを得ないとも言えるが。 --ちなみに5個以上持ち込んだ場合、6個目以降のアイテムは自動的に倉庫に戻る。 -ドラゴンシールドについて --炎のダメージを弱める特殊能力を持つドラゴンシールドだが、本作では炎を吐く攻撃を持つドラゴン系が削除された影響で、炎を吐いてくるのはラスボスだけなので、実質対ラスボス専用能力になってしまっている。 --「供養峠」ではラスボスは最深層に1匹いるだけである。しかし、「月影村出口」では''「ドラゴンハウス」や中盤フロアでラスボスが普通に出現する''ので、それなりに使い所がある。 --それにドラゴンシールドは基本防御力が高く、特殊能力を抜きにしても十分使える盾なので、問題点とするほどの事でもないだろう。 //--これは初代不思議のダンジョンの「トルネコ」でもそうだったが、向こうのドラゴンはザコで降りれば降りるだけいくらでも出てくるのに対して、こちらのオロチは「もっとむずかしい」を除けば最深階の1匹だけである。 //ラスボスとはオロチのこと。ネタバレ防止のために一応伏せておきます ---- **問題点 -きちんとしたななめダッシュができない。 --B+スタート+ななめ十字キーを入れてもダッシュにならないことがある。 //ギタンなどのアイテムを拾ってしまうハメになる。 //それは、嫌ならななめダッシュしなければいいだけであって…そもそも、ギタンは武器使用する場合があるからまだしも、他のアイテムを「拾ってしまう」デメリットって、あるのだろうか? ---スタートを押さずにB+十字キーを入れるとダッシュできるが、当然暴発する可能性が高い。 --斜めダッシュがないと困るケースは、「斜めの位置にギタンがあり、且つ非常事態」という、普通に考えれば稀なケースである。 ---しかし本作においては、モンスターハウスを回避するために斜め移動を行うというテクニックが存在する(後述)。 -テンポが悪い。 --前作のSFCシレンと比べると、ダッシュの速度やメッセージの表示にもたつきがある。 ---ハード性能に起因するため仕方ない面もあるだろうが、全体的な動作がもっさり気味なのも、快適さを失っている。 --操作方法や後述のロード時間の長さとも相まって、前作に慣れている人ほどストレスを感じる。 --画面内にマップが表示されなくなり、いちいちセレクトボタンを押して確認する必要が出るなど、不便さも目立つ。 -中断から再開した時のロード時間が非常に長い。 --フロアが切り替わった直後に中断すれば素早くロードできるが、行動を重ねるほどロードが長くなるという仕組みを知らないと厄介。 ---前作と同じ現象のため、対処方法にすぐ気付いた人はいる。ただしゲーム内や説明書などでは明確な説明はなく、知らずにプレイすると低評価の要因にもなる。 --ロード時間が長いと画面にフミやケヤキが登場して「しばらくお待ち下さい」という専用画面が出るが、だからといって数十秒も待つのは苦痛である上、画面に可愛い女の子の顔が出て来ることに若干の恥ずかしさを覚えてしまう。 --ハードウェアの仕様とはいえ、ロード時間に限らず全体的に処理速度はSFCと比べると格段に遅い。快適に遊べないという程ではないが。 -モンスターハウスの仕様。 --前述の通りだが、厳密には「部屋内に市松模様状に敷き詰められた見えない罠を踏むと発生」する仕組みとなっており、この仕組みを知らないと部屋の中で逃げ道が塞がれた状態で出現、知っていると(本来は非常に厄介な)大部屋ハウスさえ楽々と回避できる。 --部屋の入口でハウスが発生しなければ、その部屋では斜め移動をする限り絶対にハウスは出現しない。また、アイテムがあるマスには罠は無いので、配置から安全地帯を見極めることもできる。 //モンハウは罠扱い。開幕大部屋などでは足下コマンドで「罠」を確認できる場合がある -モンスターの撃つ矢がシレン以外に当たった場合、そのダメージは何故かシレンのレベルに依存する。 --レベルが十分高くなった帰り道においては、仲間が大ダメージを受けて一撃で倒される事が多い。 ---特に、供養峠15F~17Fに出現する「ちびタンク」は貫通する銀の矢を撃ってくるので、帰り道はかなり危険。 --ゲームバランス上はいい具合のスパイスとして機能しているが、明らかにバグである。 ---厳密には『トルネコの大冒険』や『SFCシレン』にも存在したバグ。ただし今作では本編クリアに大きく影響する。 -倉庫の問題 --2回クリアするまでは倉庫が建設されない。それまでは村に戻った時点で手持ちのアイテムが消滅する。 --「ゴミ壺」に壺を投げると中身のアイテムごと処分できるが、モンスターは消えずに出てしまう。 ---具体的にはトドの壺と魔物のるつぼが該当。前者はアイテムを盗まれ、後者は装備やアイテム次第では倒される危険がある。 ---後のシリーズでは村の中で使える「捨てる」コマンドが追加されたり、商人に売却することが出来るようになった。 --倉庫内で底抜けの壺を割る、もしくは吸い出すと落とし穴を作れるが、これに落ちると直前に訪れたダンジョンの1Fに出る。 ---これが「もっとむずかしい」の場合、手持ちと倉庫内のアイテムが全て消滅してしまう。 --倉庫を最大まで増築しないまま「むずかしい」をクリアしてしまうと、二度と増築できなくなってしまう。 -おはらいの巻物 --呪いを解く効果があるおはらいの巻物は、今作では月影村出口にしか出現しない。しかも、困った時の巻物にも同じ効果があるため、ほぼ下位互換になってしまっている。 ---困った時の巻物よりおはらいの巻物の方が入手しにくいという問題点はSFCシレンにもあった。 ---せめて、所持アイテム全ての呪いを解く効果なら下位互換にはならなかったのだが。 //これこそ大した問題点ではないと思うけど。アイテム1つ1つに文句を言ってたらキリがない。 //-巻物 //--呪いを解く「おはらいの巻物」、そのくらい普通で出たってよさそうなものだが、今作では「もっと難しい」に当たる「月影村出口」にしか出現しない。しかも、「こまったときの巻物」で同じ効果が出るため、非常に影が薄い。 -スーパーゲームボーイでもカラー表示にならない --専用の背景が出てくるなど対応はしているようだが、肝心のゲーム画面がモノクロのまま。 ---前作ではモンスターが色分けされていたように、色付けによる視認性が重要なゲームなので少々残念。 ---SGBは「背景」と「キャラクター」を識別できないので、キャラクターに専用の着色をすることができない。仕様上仕方がない部分である。 ---- **総評 快適性の難点などSFC版より劣る点もあるが、GBという限られた容量のハードで不思議のダンジョンを活かしたのが本作である。~ チュンソフト初のGBソフトでありながら、シレンの要素を最大限失わせなかったのは大きく評価できると言えよう。 ---- **余談 -早解きキャンペーンはクリア後に表示されるパスワードをはがきに記載して応募すれば良くなり、手軽に参加ができるようになった。 --過去作におけるクリアキャンペーンは、クリアしたセーブデータが表示された画面を写真に撮って送るという方法であり、参加のハードルが高かった。 --対象が先着10000人に拡大されたため多くの人が受け取ることが出来た。 -スマホ版や下記のPC版も登場しており、リメイク回数が多い。おそらくシンプルでバランスが取れており、遊びやすいことが関係しているのだろう。 &br ---- *不思議のダンジョン 風来のシレン 月影村の怪物 【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれん つきかげむらのかいぶつ】 |ジャンル|ローグライクゲーム|CENTER:&amazon(B006WSWQYW,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Srz69458L._SL160_.jpg)&amazon(B00007G29F,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51SE6Y3szeL._SL160_.jpg)| |対応機種|Windows 95/98|~| |発売元|チュンソフト|~| |開発元|チュンソフト&br()アクアマリン|~| |発売日|【パッケージ版】1999年12月8日&br;【インターネット版】2002年12月20日|~| |定価|【パッケージ版】2,980円(税抜)&br;【インターネット版】オープン価格|~| |備考|【インターネット版】&br;2006年1月31日をもってオンラインサービス終了&br;2014年4月9日をもって認証サービス終了|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(PC) 不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物をWindows向けにリメイクしたものである。~ ストーリーはほとんど変化がないが、ハードがパソコンになったことにより、キーボードで操作可能、自分が操作しやすいようカスタマイズも可能となった。 パッケージ版、インターネット版、インターネット版のパッケージの3つのバージョンが順に発売された。~ インターネット版のパッケージには、他ユーザーとのチャットやミニゲームが楽しめるコミュニケーションソフト「もののけ広場 ~風来のシレン・コミュニティードア~」が収録されている。 ゲーム本編も十分楽しめるが、最大の目玉はフェイの問題作成キットと言っても過言ではない。 ---- **変更点 -グラフィックがSFCシレンとほぼ同等のものに変更。モンスターのレベルは数字ではなく色で判別できるようになった。 --シレンは右目が見えるグラフィックになった。ちなみに『[[DS>不思議のダンジョン 風来のシレンDS]]』で同じものが使われている。 --SFCシレンと同じようなサクサクとした動作が可能になった。 -視界やモンスターハウス等の仕様もSFC版のものに戻った。 --GB版で問題点とされた斜めダッシュも可能である。 -冒険のリプレイを「旅の記録」として外部ファイルに保存することができる。 --保存するかどうかを決めるのは冒険開始前で、冒険中も記録開始することができるが、記録されるのは次のフロアからである。 --フェイの問題などと同様、ネット上で他人に配布することもできる。動画投稿サイトがほとんど無かった発売当時ならではのシステムである。 -マウスやゲームパッドでの操作のほか、テキストベースのローグライク式の操作も可能である。 --パッドの割り当て設定はインターネット版のみ。旧版はSFCとは異なる使いにくいデフォルト配置のみ。 --GB版の少ないボタン数でしかプレイができないという問題点は解決された。 -その他、細かい調整が行われている。 --「ドラゴン系」「ガイコツまどう系」の2種のモンスターが復活。GB版で月影村出口中盤に出現していたラスボスはドラゴンに差し替えられ、深層にはスカイドラゴン・アークドラゴンが出現するようになった。ドラゴンシールドの使い所が少ない、という賛否両論点も改善された。 --ラスボスは月影村出口には出現しなくなったが、炎のダメージが30→40に強化され、スカイドラゴン同様に直線上にいないシレンにも炎を吐くようになった。 --エーテルもどきが「エーテルデビル」になり透明能力が復活した、めまわし大根が毒草も投げるようになったなど、一部のモンスターの能力がSFC版準拠に。 --「卵」を持った状態で「デロデロの湯」を踏むと、「おんせん卵」にランクアップするようになった。 --「バトルカウンター」のダメージ反射量が、従来の1/3から1/2に増えた。シリーズで最もバトルカウンターが強い作品だろう。 //--「やまびこの盾」で「ちょうちんフグ系」のハラヘリーを反射し、逆に満腹度を回復させる事ができるようになった。 --モンスターのステータスが再調整。例としては、序盤に出るちょうちんフグの経験値が3(GB版)→35(Win版)と大増された。 --大部屋モンスターハウスのワナの数が異常に多い。 --供養峠1F~3Fのシャッフルダンジョンは、「変化の森」「谷間の竹林」「山峡の川原」の3種からランダムに選ばれる。 --身代わり状態のモンスターを金縛り状態にすると身代わり状態が永続する裏技、「身代わり縛り」が不可能になった。 --パスワードが40種類から50種類に増加した。中には「''ゲイズに超不幸の種を飲まされた''」「月影村を脱出する直前で倒れた」といった上級者向けなものも…。 --オドロがつるはしの「壁を何度か掘ると壊れる」能力も消すようになり、これを利用して「こわれないつるはし」を作れるようになった。 ---ただし、オドロはベース武器自体が持つ能力は消してくれないので、つるはしを他の武器に合成する必要がある。 ---「壁を掘れる」能力を先に消されてしまうと失敗なので、運も必要。 --秘剣カブラステギの作成方法が増えた。作ると修正値は0にリセットされるが、剛剣マンジカブラに合成されていた特殊能力は引き継げるようになった。 ---1.剛剣マンジカブラを2つ合成する。 ---2.剛剣マンジカブラ+99に天の恵みの巻物を使う。 ---3.剛剣マンジカブラ+99を変化の壺に入れる。 ---4.剛剣マンジカブラの修正値が+100以上になるように合成の壺で合成する。 --ラセン風魔の盾と火迅風魔刀も同様に、作る手段が増えている。ただし、カタナを2つ合成しても火迅風魔刀にはならない。 -インターネット版限定の変更点もある。 --おんせん卵以外にも、「旅仲間の杖」「変化の杖」「消え去り草」「物忘れの巻物」と、新アイテムがいくつか追加されている。 --倉庫に置いた壺の中身が消えなくなった。 --''分裂の壺に吸い出しの巻物を入れることができなくなり、無限増殖が不可能になっている。''ただし、フェイの問題でのみ入れることが可能。 ---- **評価点(PC) ''ゴミ壺ダンジョン'' -倉庫にあるゴミ壺(アイテムを捨てるための設備)に新たに「''自分を捨てる''」のコマンドが追加されており、供養峠クリア後にそれを選ぶことで追加ダンジョンに行くことができる。追加されたダンジョンはいずれも個性的なものである。詳細は以下。 +「日替わり15階」「週替わり30階」「月替わり50階」 --これらのダンジョンに一度出て再び入ると、なんと同じ地形のダンジョンが一定期間現れ続けるのである。 ---例えば週替わり30階だったら、1週間は同じ構造、同じ魔物配置、同じアイテム配置のダンジョンが発生する。 ---そのため、計画的なプレイが有効である。普段とは一味違う不思議のダンジョンが楽しめる。 --ランキング対象は「クリアタイム」で、上位陣は敵やアイテムや階段、落とし穴の位置を把握しての高速クリアで競っていた。 -これより下のダンジョンはインターネット版のみである。 +「クロンの拳」 --武器と盾が一切出現しないダンジョンで、その代わりに大量の「ちからの種」が落ちている。 ---他にも「会心の腕輪」や「パワーアップの巻物」がよく落ちており、多くのモンスターを素手で一撃で殴り倒すことが可能。 --力が高くなるとはいえシレンは防御力0なので、いかにモンスターに殴られないように立ち回るかが重要になる。 +「一色即発」 --フロアごとに統一されたカラーを持つ敵のみが出現する。その関係上、モンスターテーブルは特殊で、20Fで終了する。 ---例えば20Fの敵は、どうくつマムル・アークドラゴン・ハイパーゲイズ・ギガヘッド・メガタウロス・壊滅イノシシ、と赤色のモンスターで統一されている。 ---色もグラフィックも同じで外見での見分けがつかない、タウロスとミノタウロスだけが登場するフロアも存在する。 --50F相当の敵が全20Fで登場するため展開が速いが、全てのフロアにモンスターハウスが存在するため、シレンのレベルアップやアイテムの充実速度も早い。 --身代わりの杖や不幸の杖といった「敵のレベルを変化させるアイテム」が一切登場しない。鬼面武者系やガイコツまどう系など、敵のレベル変化を引き起こすモンスターも登場しない。イッテツ戦車を除くボウヤー系とアークドラゴンを除くドラゴン系も出現しない。つまり''敵の色が変わることがほぼ無い''という徹底ぶり。 ---例外は、やまびこの盾で混乱したゲイズ系の同士討ちによるレベルアップ、セルアーマー系が弾いた武具が敵に当たって倒れたことによるレベルアップ。 //--全フロアにモンスターハウスが必ず存在し、上手く攻略すればアイテムや経験値を毎フロア大量に稼ぐことができる。 +「果てしなき道」 --エンドレスダンジョンで、51F以降も潜り続けることが可能。フロア数は9999Fまで記録される。 ---『[[外伝>不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!]]』の「冥炎魔天の挑戦」のような、同じようなフロアが暫く続く仕様はない。 ---ただし51F以降は背景やBGMが変わらないため、単調に感じてしまうこともある。 --クリアはないので、最終的にはシレンが死ぬ必要がある。 //--ランキング対象は「フロア数」で、 //ランキング対象がフロア数なのは今週の穴の「足跡はどこまで?」。果てしなき道はスコアを競う +「試し斬り」 --追加ダンジョンの中で(後述する「今週の穴」の一部を除いて)唯一の持ち込み可能(5個まで)ダンジョン。 --全10Fだが、1Fから強力な敵がフロアごとのテーマに沿って出現するうえ、全てのフロアにモンスターハウスが存在する。 ---10Fではラスボスが大量発生し、炎の集中砲火を浴びるため、ドラゴンシールドがあっても長居は危険。 --強化の壺・分裂の壺・識別の腕輪といった、GB版では入手困難だったレアアイテムが入手可能。 --ランキング対象は「クリアタイム」。 +「杖道一直線」 --落ちているアイテムは杖や一部の壺、腕輪、食料のみで、杖を駆使して進んでゆくダンジョン。 --「旅仲間の杖」というアイテムが落ちており、使うとモンスターを1体だけ仲間にすることができる。 ---仲間は「アークドラゴン」が定番。仲間になるとフロア中に炎を吐けなくなり弱体化するものの、攻撃力や防御力が他のモンスターと比べてズバ抜けて高い。 +「今週の穴」 --週ごとに異なるダンジョンに挑戦することができる。ダンジョンは全部で21種類も用意されている。 ---風来人最適化計画:いかに少ないターンでダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---チキレンジャー:いかに少ない経験値でダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---足跡は何処まで?:エンドレスダンジョンで、何階まで潜れるかを競う。 ---生涯一泥棒:エンドレスダンジョンで、何回泥棒できたかを競う。 ---クロン節制拳:ダンジョン自体はクロンの拳とほぼ同じ。いかに少ないターンでダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---クロン軍鶏拳:ダンジョン自体はクロンの拳とほぼ同じ。いかに少ない経験値でダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---奥義菜食主義:クロンの拳の高難易度版で、草以外のアイテムが一切出ない。全50F。 ---杖道免許皆伝:杖道一直線の高難易度版で、透視の腕輪や旅仲間の杖が出現しない。全50F。 ---杖道オプティマ:ダンジョン自体は杖道免許皆伝とほぼ同じ。いかに少ないターンでダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---チキン杖者:ダンジョン自体は杖道免許皆伝とほぼ同じ。いかに少ない経験値でダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---泥棒三昧:店が多く出現し、泥棒に成功した回数を競う。全50F。 ---迷宮狂騒曲:道具を5つまで持ち込めるが、全階層で大迷路が出現する。全5F。 ---迷宮葬送曲:HPが自然回復しない。他は迷宮狂騒曲と同じ。全5F。 ---大迷宮葬送曲:モンスターの赤点やアイテムの青点が映るミニマップが表示されない。他は迷宮狂騒曲と同じ。全5F。 ---サドンデス:Lv70、最大HP5固定でスタートする。全15Fだが、最序盤以外は敵の攻撃は1発で致命傷となる。 ---癒されぬ遠き道:道具を5つまで持ち込めるが、HPが自然回復しない。エンドレスダンジョン。 ---暗夜行路:部屋の中でも通路のように周囲1マスしか見えない。全30F。 ---歩測大全:ミニマップが表示されない。全30F。 ---収縮道具袋:アイテムを10個しか持てない。全50F。 ---突風注意報:フロアに300ターン留まると突風に飛ばされてゲームオーバーになる。全50F。 ---''無限地獄'':暗夜行路、歩測大全、収縮道具袋、突風注意報の全ルールが適用されたエンドレスダンジョン。シリーズ最難関のダンジョンと言っても過言ではない。 ''フェイの問題作成キット'' -アイテム・モンスター・階段・罠・シレンの初期位置全てを自分で設定可能であり、問題作成の操作も簡単である。 --「モンスターハウスの巻物」を除いて、ゲーム中に存在するほぼ全てのアイテムを配置可能。 --しかも''ラスボスまで配置可能''なので、全敵ラスボスなどぶっとんだ問題も作ることが可能。 -さらにシレンの初期LVや最大HPまで設定可能であり、最大HP1で乗り切る問題や最大LV70で敵と戦う問題まで作れる。 --そのため、「問題を作って解く」だけでなく、ダメージ計算式や敵から受けるダメージなどの調査にも使われた。 -一方、問題が100問セットで一つのファイルとして存在するというPCならではのシステムになっており、コピーや配布は容易。 --さらに''作った問題を自由に配布することをチュンソフトが認めた''ため、公式サイトやファンサイトでは作られた問題が配布されており、DLすることで全国のユーザーが作った問題も楽しむことが可能だった。 -今作最大の目玉となったのがこのシステムだろう。 --このフェイの問題作成キットは、Win版の『[[不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!]]』にも導入された。 ''インターネット版限定の装備品'' -インターネット版ではゴミ壺ダンジョンでの救助も可能であり、救助して貯まる救助ポイントが一定までたまったときや、公式サイトのダンジョンの全国ランキングで特定の順位(1位やキリ番など)をとったときなどに、普通には手に入らない強力な装備品を受け取ることができた。 --「日替わり15階」のランキングではレア武器しかもらえずレア盾が出ない、「供養峠」のランキングではレア装備の代わりに「識別の腕輪」などが貰える、といった細かい調整もあった。 -レア武器一覧 --洞窟マムルの剣:剣を1回振る度に1ギタン得る。 --一つ目斬:一つ目系モンスターに3倍ダメージ。 --破邪の鎌:ゴースト系モンスターに3倍ダメージ。 --ドレインレイド:ドレイン系モンスターに3倍ダメージ。 --龍神剣:ドラゴン系モンスターに3倍ダメージ。『シレン2』や『アスカ見参』にも登場した武器。 --サトリのつるはし:壊れることなく壁を掘れる。前述の通り、本作ではこれ以外にも壊れないつるはしを作る手段が存在する。 --旋風かまいたち:前方3方向に加えて、正面2マス先にも攻撃できる。 --メガタウロスの斧:ミノタウロスの斧より会心の一撃が出やすい。 --まさくに:攻撃した相手をたまに1マス吹き飛ばす。どうたぬきの色違い。 --チュンソフ刀:倒した敵がアイテムを落としやすくなる。 --無双チュンソフ刀:倒した敵が高確率でアイテムを落とす。チュンソフ刀+99に天の恵みの巻物を使うと変化する。 --豪剣マンジカブラ:攻撃した敵をたまに即死させる。 --魔剣カブラステギ:攻撃した敵を高確率で即死させる。豪剣マンジカブラ+99に天の恵みの巻物を使うと変化する。 -レア盾一覧 --洞窟マムルの盾:敵から攻撃を1回受ける度に1ギタン得る。 --龍神の盾:炎のダメージを1/4に減らす。 --轟雷ナバリの盾:爆発のダメージを1/4に減らす。 --鬼哭の盾:敵から攻撃を受けると、稀に盾が+1強化される。 --心眼の盾:見切りの盾よりも攻撃回避率が高い。 --バトルリベンジ:直接攻撃を受けると、それと同じダメージを敵に跳ね返す。 --アイアントドの盾:敵から攻撃を受けると、たまにシレンがワープする。盗みを防ぐ能力も健在。 --幻魔の盾:ワナを踏んだ時の発動率が下がる。 --ラセン幻魔の盾:ワナを踏んだ時の発動率がかなり下がる。幻魔の盾+99に地の恵みの巻物を使うと変化する。 -これらのレアアイテムはベース専用で、他の装備品に能力を合成することはできない。また、分裂の壺に入れることができない。 -既存の装備品の能力を強化したものが多く、『シレン4』の装備成長システムを先取りしていたとも言える。デザインは既存の装備品の色違い。 -持ち込み可能ダンジョンでしか使えないこともあり、コレクションアイテムとしての存在意義が大きかったが、実用的な能力を持つ武具も存在する。 --例えば、秘剣カブラステギ+99にドレインバスターを合成すればドレイン系モンスターはまず一撃で倒せるので、ドレインレイドはハズレと見なされることが多かった。 -「癒されぬ遠き道」などの高難易度持込可能ダンジョンでは、旋風かまいたち・無双チュンソフ刀・轟雷ナバリの盾・ラセン幻魔の盾を使うプレイヤーが多かった。 -残念ながら、オンラインサービスが終了した現在は入手不可能になっている。 ---- **問題点(PC) -旧パッケージ版はキーコンフィグ不可、BGM絡みの不具合(互換モードでフリーズ報告あり)、データバックアップ不可等の問題点がある。 --インターネット版ではこれらは改善されている。 -フェイの問題には店主を配置できず、盗賊番や番犬も配置できない。 --『SFCシレン』のフェイの問題に店のあるものが1問だけあったが、それを再現することはできない。 --『外伝』のフェイの問題作成キットでも店は配置できないので本作に限った問題ではないが、外伝では盗賊番と番犬は配置可能である。 //店主をフェイの問題で配置できるようにしたらバグが大量発生しそうだし、技術的に難しいと思われる。配置できないのも止む無し。 -やまびこの盾が万能すぎる。 --元からあったゲイズ系の催眠術の反射・きり仙人系の変な呪文の反射に加え、今回復活したガイコツまどう系の杖の反射も可能になり、更にGB版にはなかった''ちょうちんフグのハラヘリーを反射して逆に満腹度を10%回復できる''という超機能が追加。 --シリーズ総じて便利なやまびこの盾だが、ハラヘリーを反射して満腹度を回復できてしまうのは本作のみである。やまびこの盾を持っている場合、ちょうちんフグが「高経験値・高アイテムドロップ率・満腹度無限供給機」という三拍子揃ったボーナスモンスターと化す。 --ここまで強力な性能を持っていながら、やまびこの盾のレアリティはそれほど高くなく、月影村出口では普通に拾って入手できてしまう。必中の剣やドラゴンシールドは月影村出口では普通に落ちていないなど、本作では一部装備品のレアアイテム化が始まっているが、やまびこの盾は入手が容易である。 --最上位種のかんてらフグが唱える「ハラチヂミー」を反射して、最大満腹度を増やすことも可能。もっとも、かんてらフグが出るような深層で最大満腹度を増やしてもあまりメリットはないので、こちらはゲームバランスにはさほど影響はない。 -ゴミ壺ダンジョンの一部が手抜き。 --例えば「風来人最適化計画」というダンジョンは、出現アイテムやモンスターは月影村出口とほとんど変わらない。 ---何が違うかというと、「クリア時の総ターン数の少なさを競う」ルールに変わっている。しかしこれでは、風来人番付の並び順が変わるだけである。全49階と全50階という違いもあるが、それがどうした。 --「クリア時のシレンの経験値の少なさを競う」ルールの「チキレンジャー」もあるが、こちらもやはりダンジョン内容は月影村出口とさほど変わらない。 ---わざわざ新しいダンジョンを作らなくても、番付の記録を「スコア」「ターン」「経験値」といった項目で並び替えられる仕様にすれば解決した問題である。 --「クロン節制拳」「クロン軍鶏拳」は「クロンの拳」、「杖道オプティマ」「チキン杖者」は「杖道免許皆伝」、「足跡は何処まで?」「生涯一泥棒」は「果てしなき道」のルール違いダンジョン。一見ダンジョン数が多いように見えるが、これではコピペダンジョンを増やしているだけである。 ---杖道免許皆伝に至ってはクリア自体が非常に難しく、ターン数や経験値を競っている余裕がない。杖道一直線のルール違いならまだ需要があったのだが。 ---生涯一泥棒は名前だけ見ると「泥棒三昧」の類似ダンジョンに思えるが、泥棒三昧と違って店の出現率は特別高くなく、ただのルール違いダンジョン。ダンジョン名でプレイヤーを騙そうとしているようにも思える。 --「今週の穴」を含めたゴミ壺ダンジョンの総数は29個。三段階の難易度がある供養峠と、月影村出口を含めば33個もある。ダンジョンの総数だけ見れば『外伝』や『シレン5』といった他のシリーズに引けを取らないものの、実際はルール違いダンジョンが多いためにボリュームはやや劣る。 ---『外伝』でも「ガチンコ万歩計」「万歩の経験」というルール違いダンジョンはあるが、本作月影村の方がかなり多く、ダンジョンを水増し追加している。 ---- **総評(PC) GB版の問題点を解消したことに加え、一味違う不思議のダンジョンと「自分で問題を作る」フェイの問題作成キットを開発した点は大きい。~ フェイの問題は作成と配布が一時ブームとなり、ファンサイトや攻略サイトには必ずといっていいほどダウンロード用ページが置かれていたほどである。 ---- **余談(PC) -発売当時は「電網月影村」という公式サイトがあった。現在は閉鎖済み。 --各ダンジョンの全国ランキングを見たり、公式掲示板で他のユーザーとコミュニケーションをとったり、自作フェイの問題の配布ができたり、パッチや壁紙をダウンロードすることができた。 -近年のシリーズでは「1回の冒険につき救助要請を出せるのは3回まで」という制限があるが、本作ではその制限が無かった。 --1回救助してもらうごとにスコアが半減するというペナルティはあったが。 -インターネット版のオンラインサービスは2006年1月31日に終了しており、現在では救助機能などを使うことはできない。 --公式サイトも閉鎖し、風来人番付を全国ランキングに投稿する機能も終了している。 --『外伝』のようなオフライン対応パッチは配布されなかった。 -ユーザー認証用サーバーもXPのサポート終了とともに停止したため、インターネット版は''今購入しても正規の方法では認証が出来ずプレイできない。'' --すでに認証が行われている環境であればプレイすることが可能だが、その場合も当然オンライン絡みの事項は利用不可能。 --有志により認証を強引に突破する手段も解明されているが、あくまでも非公式であるため自己責任である。 --発売が20年以上前ということもあり、購入するとしたら現在のOSの動作状況などを事前に調べておいたほうがいい。 -非公式だが、有志によりダンジョンデータが解析され、オリジナルのゴミ壺ダンジョンを作って遊ぶツールも作成された。 -通常入手不可能な没アイテムが多数存在する。恐らく、インターネット版限定のアイテムをさらに増やすつもりだったが没になったのだろう。 #region(没アイテムの一例) --オリハルコン棒:こん棒と同じ性能。 --きたえた長巻:長巻と同じ性能。 --真必中の剣:必中の剣と同じ特殊能力だが、攻撃力はこちらの方が高い。 --獅子皮の盾:皮甲の盾と同じ性能。 --赤銅甲の盾:青銅甲の盾と同じ性能。グラフィックも青銅甲の盾と一緒で、赤くない。 --伝説の木の盾:木甲の盾と同じ性能。 --伝説の鐘の盾:鉄甲の盾と同じ性能。 --鉛の盾:重装の盾と同じ性能。 --こだまの盾:やまびこの盾と同じ性能。 --無印良品の盾:使い捨ての盾と同じ性能。 --魅惑の種:飲んでも効果がないが、敵にぶつけると仲間にできる。旅仲間の杖の下位互換。 --見破りの杖:振った敵の体力、攻撃力、防御力、レベル、経験値が表示される。 #endregion
このページでは下記の3作品を紹介する。 -『不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物』:ゲームボーイ用ソフト。 -『不思議のダンジョン 風来のシレン 月影村の怪物』:↑のリメイク移植版のWindows用ソフト。 -『不思議のダンジョン 風来のシレン 月影村の怪物 インターネット版』:↑にオンラインサービスやダンジョンを追加したWindows用ソフト。 ---- #contents(fromhere) ---- *不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物 【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんじーびー つきかげむらのかいぶつ】 |ジャンル|ローグライクゲーム|&amazon(B000092P8F)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |メディア|4MbitROMカートリッジ|~| |発売元|チュンソフト|~| |開発元|チュンソフト&br()アクアマリン|~| |発売日|1996年11月22日|~| |定価|3,900円|~| |書換|ニンテンドウパワー&br()2000年3月1日/1,000円 F×4・B×4|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[風来のシレンシリーズ>不思議のダンジョンシリーズ#id_1f3b456f]]''| ---- **概要 スーパーファミコンのローグライクゲーム『[[不思議のダンジョン2 風来のシレン]]』の続編であり、ゲームボーイ向けに開発したソフトである。~ 機種が機種だけに前作より削られた機能は多いが、携帯機で気軽に遊べるようになったのが最大の特長である。 生け贄を要求する怪物に悩まされる「月影村」が今作の舞台であり、怪物を討伐し子供を救出するのが主人公シレンの目的である。~ 時間軸としては前作『風来のシレン』と『[[風来のシレン4>不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ]]』の間の話に当たる。 **特徴 -ボタン数が減ったため、メニュー欄の表示、向きの変更、ななめ移動、矢の発射のコマンドが変更された。 --SFCと比較して操作性が不便になったが、限られたボタン数でこれらのコマンドを可能にしたことは評価できる。 -ゲーム画面がモノクロなので、敵のレベルが色でなく数値で表示されるようになった。 --モノクロゆえにモンスターがレベルアップしても見た目で区別がつかないせいか、レベル2以上のモンスターには「2」「3」という数字が付いて点滅することで、区別できるようになっている。 --新登場のモンスターは、シンプルなデザインの敵が多い。モノクロかつ低解像度でも分かりやすいデザインを心がけたのだろう。 --アイテム変身能力を持つ魔物が「ンドゥバ系」から「かさタヌキ系」になるなど、似たような能力を持った新モンスターに置き換えられている。 -ダンジョンの視界が明るくなり、通路にいても画面内にいるモンスターやアイテムなどの姿が映るようになった。 --これにより、ほとんどの敵から先制攻撃を受けずに進むことが可能で、「透視の腕輪」なしでも攻略しやすいゲームバランスとなっている。 -本編のダンジョン「供養峠」は「やさしい」「ふつう」「むずかしい」の3種類の難易度を選べる。 --難易度によって出現するアイテムやモンスター、クリア階数が変化する。 --本編をクリアするには「供養峠」を最低3回クリアする必要があるが、最初の2回は「やさしい」か「ふつう」で挑んでもクリアとなる。 ---ローグライクに慣れていない初心者でも安心して攻略でき、ゲームのシステムを覚えられる。 --本編ダンジョンの難易度選択は、『[[風来のシレン2>不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!]]』でも「初級」「中級」「上級」という形で引き継がれている。 -「突発型モンスターハウス」システムが誕生した。 --部屋をうろついていると突然モンスターハウスになり、その部屋に大量のアイテムと敵とワナが設置される。 --フロアに最初から設置されているタイプのモンスターハウス(旧作までの仕様)は廃止された。前述の視界の仕様を考慮しての仕様変更だと思われる。 -『[[トルネコの大冒険>トルネコの大冒険 不思議のダンジョン]]』の要素の一部が逆輸入。 --読むとダンジョンから脱出できる「ひきあげの巻物」、飲むとランダムな位置にワープする「高飛び草」、満腹度が減らなくなる「ハラヘラズの腕輪」、厄介な能力を持つが必ず眠っているモンスター「ちょうちんフグ」、他の敵に化けた状態で出現する敵「カラス天狗」といった、初代トルネコの要素が実装されている。 --供養峠は「子供を助けて村まで連れ帰る」という往復型。製作者曰く「前作のスラライベント((ダンジョン内で遭遇する事のある迷子の少女・スララを死なせることなく奇岩谷の家まで送る事。飛び道具を使う敵が多くなる区域を通過するため割と難しい。))が元」であり、その対処法が分かっていれば楽。 //往復型のダンジョンがあるのは、初代トルネコ以外の不思議のダンジョンシリーズでは本作のみ。 -「パスワード」(後のシリーズでの「冒険の足跡」)システムが誕生した。 --「そうこをつかわずクリア」「マムルにたおされた」といった様々なクリアや散り様などのリストがあり、それを埋める楽しみ方もできる。 --ちなみに「パスワード」と言う名の通り、クリア実績に応じて文字列が表示される。 ---現状では無意味だが、当初は本編クリアの特典応募の際にこのパスワードを記入することが要求された。 ---- **評価点 ''ストーリー'' -ゲーム性とは関係ないが、ストーリーの出来の良さを評価する声が多い。 --舞台である月影村の秘密や今作のヒロイン「ケヤキ」との恋の行方など、今までの不思議のダンジョンには無かったストーリーが構成されており、10作以上のシレンシリーズが発売された現在でも、「シレンのストーリーで一番好きなのは月影村」と答えるプレイヤーもいるほどである。 --本作は元々前作のリメイクとして出す予定だったが、諸事情でスラライベントの仕様をベースにしたオリジナルストーリーになった経緯があり、ある意味怪我の功名とも取れる。 -クリアとなるラスボス討伐後も、ケヤキとの見応えあるイベントが用意されているので必見である。 --ダンジョンを失敗し続けることで見られるという、シリーズでも珍しいタイプのイベントが多い。 --また、クリア後になるとタイトル画面も『風来のデレン~月影村の脱出』に変更され、「もっと不思議なダンジョン」をクリアするとさらに『風来のミレン~月影村の恋人』に変更といった、細かくかつバカゲーのような芸が見て取れる。 -凝ったストーリーでありながらも、スムーズにクリアできるのであれば3回のプレイでエンディングまで到達できる。ローグライクならではの軽快なゲーム性とストーリーをうまく両立している。 --最速でクリアすると一部のイベントは見られなくなるが、初代トルネコのように不自然な展開になるわけではない。 ''フェイの問題'' -前作にも存在した「フェイの問題」が本編と無関係な独立したモードになり、メニュー画面からいつでも遊べるようになった。問題の数はなんと100問。 --独立したモードのため、前作のようにクリアしたらアイテムが貰えるようなご褒美はなくなったが、プレイに制限はないのでチュートリアル感覚で気軽に挑戦できる。 -フェイの問題では本編とやや設定が異なり、攻撃や投擲は確実に命中し、ワナの不発も起こらないため、運に左右されにくくなった。 --また、ぬすっトド系が落とすアイテムは雑草に固定されている。 -好きな問題から挑戦することができる。クリアするとチェックが付き、クリア状況が一目でわかるようになっている。 --後半の問題には難易度がかなり高いものも含まれており、良い意味でプレイヤーを悩ませてくれる。 --100問目では、ゲーム本編では滅多にお目にかかれないレアアイテム「分裂の壺」を使った、バランス崩壊級の技を実演できる。 ''ゲームバランスの調整'' //手放しに「改善」と呼ぶには意見が分かれると思うので -モンスターのステータスや特殊能力の調整。 --SFC版では荒削りだった、ダンジョン深層のモンスターの攻撃力が調整。36F以降のモンスターは攻撃力255、という極端なゲームバランスとはおさらば。 ---フロア内のモンスターの可視化と合わせ、盾の強化が出来なくてもクリアしやすくなった。 ---「死の使い」「メガタウロス」など攻撃力が非常に高いモンスターもいるので、決してぬるくなったわけではない。 --「ドラゴン系」「ガイコツまどう系」「畠荒らし系」「火炎入道」など、SFC版で厄介だった一部モンスターが削除。 ---特にドラゴン系やガイコツまどう系は強敵だったので、彼らの代替系統モンスターが存在してない点は大きい。 --「オヤジ戦車系」の砲弾ダメージが少なくなった、エーテルデビルが「エーテルもどき」になり透明ではなくなった、「めまわし大根」は混乱草を投げるだけで毒草を投げなくなった、「死神」が壁をすり抜けなくなったなど、特殊能力が緩和されたモンスターもいる。 ---「ガンコ戦車」が経験値の多さの割に大して強くないことを利用して、オヤジ戦車をわざとレベルアップさせて狩る、「ガンコ狩り」という新たなテクニックが生まれた。 -「強化の壺」「分裂の壺」などの所謂バランスブレイカーアイテムは、ゲーム本編では入手が非常に困難になっている。 --モンスターの強さもアイテムの強さも控えめになっている分、アイテムを堅実に駆使できるかが問われる。 --強力なアイテムが引けなくて強敵相手に詰むという状況が減り、戦略の幅が広がったとも言える。 -倉庫以外の町中でアイテムが使えない。そのため、村人を殺すという非道なことは不可能になった。 --ストーリーが大きくぶち壊されかねないので、当然の仕様とも言える。 --倉庫内ではアイテムを使用できる。ただし、シレンのステータスを強化してもダンジョンに入ると元に戻る。 --今作では、倉庫に置いたアイテムは常に識別状態になった。ただし、「むずかしい」に持ち込むと未識別状態になる。 ---どれが何か憶えておいて「むずかしい」に5個のアイテムを持ち込み、すぐに名前を付けることで、少しでも識別の助けにできるようになった。 ---- **賛否両論点 -GBの容量では厳しかったためか、SFCで好評だった「肉」・「白紙の巻物((巻物の名前を書き込むとそれと同じ効果の巻物として使える。あまりにも便利なため後の作品では「一度読んだことのある巻物しか書き込めない」という縛りがついたが、それでも有用なアイテムの一つ。))」・「(仲間になるキャラ以外の)ダンジョン内のNPC」など、廃止された機能は多い。 --しかし、「壺」・「合成」・「仲間NPC」・「ダンジョン内の店」など、前作で好評だった新要素はおおむね継承されている。 --「肉」や「白紙の巻物」は、続編『[[風来のシレンGB2>不思議のダンジョン 風来のシレンGB2 砂漠の魔城]]』で容量が増えた事により復活した。 -「月影村出口」は所謂「もっと不思議のダンジョン」に相当するダンジョンだが、全49階と前作の「フェイの最終問題」より短い分、やや難易度が低め。 --あくまで歴代の「もっと不思議のダンジョン」の中では難易度が低めというだけで誰でも簡単にクリアできるわけではないが・・・。 -BGMが全て、前作であるSFC版初代からの使い回し。元々はSFC版のリメイクとして発売する予定だった影響と思われる。 --村やダンジョン、イベントシーンなどを含めて全てのBGMがSFC版で既出のものであり、本作独自の新曲が無い。 ---ただし、すぎやまこういち氏が手掛けたBGMそのものは名曲揃いであるため、GB音源の8bit版アレンジとして楽しむことは出来る。勿論、本作単体で見た場合には気にならないだろう。 --後々のシリーズでも主要曲は概ね共通しているため、音楽を伝統化したい意図は感じられるのだが、それらの作品では書き下ろし新曲も採用している。 ---後年では、『[[風来のシレン5>不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス]]』のようにすぎやま氏作曲のBGMが全く使われていない作品も存在する。 --ちなみに、前作であるSFC版ではクリア後のダンジョンでは流れないBGMが2つ((『SFC版』のこばみ谷の1~2Fで流れる「杉並の旧街道」と、5~6(7)Fで流れる「天馬峠」というBGM。今作の供養峠の1~2Fと3~4Fで流れる。))存在したが、今作ではどちらもクリア後のダンジョンでもランダムで流れるようになった(ただしWindows版では天馬峠のみ)。 //--大事なアイテムをうっかり失う危険は減ったが、ゴミアイテムを捨てるつもりでダンジョンに潜っても勝手に倉庫に戻るのは知らないと厄介な仕様。 //--村でアイテムを処分するために、倉庫には投げたアイテムが消失する「ゴミ壺」が設置されている。 //これはたいしたことではないと思うが。 -倉庫からダンジョンに持ち込めるアイテムが5個だけになった。 --前作のようにいくらでも持ち込めたら簡単になり過ぎる怖れがあるので、やむを得ないとも言えるが。 --ちなみに5個以上持ち込んだ場合、6個目以降のアイテムは自動的に倉庫に戻る。 -ドラゴンシールドについて --炎のダメージを弱める特殊能力を持つドラゴンシールドだが、本作では炎を吐く攻撃を持つドラゴン系が削除された影響で、炎を吐いてくるのはラスボスだけなので、実質対ラスボス専用能力になってしまっている。 --「供養峠」ではラスボスは最深層に1匹いるだけである。しかし、「月影村出口」では''「ドラゴンハウス」や中盤フロアでラスボスが普通に出現する''ので、それなりに使い所がある。 --それにドラゴンシールドは基本防御力が高く、特殊能力を抜きにしても十分使える盾なので、問題点とするほどの事でもないだろう。 //--これは初代不思議のダンジョンの「トルネコ」でもそうだったが、向こうのドラゴンはザコで降りれば降りるだけいくらでも出てくるのに対して、こちらのオロチは「もっとむずかしい」を除けば最深階の1匹だけである。 //ラスボスとはオロチのこと。ネタバレ防止のために一応伏せておきます ---- **問題点 -きちんとしたななめダッシュができない。 --B+スタート+ななめ十字キーを入れてもダッシュにならないことがある。 //ギタンなどのアイテムを拾ってしまうハメになる。 //それは、嫌ならななめダッシュしなければいいだけであって…そもそも、ギタンは武器使用する場合があるからまだしも、他のアイテムを「拾ってしまう」デメリットって、あるのだろうか? ---スタートを押さずにB+十字キーを入れるとダッシュできるが、当然暴発する可能性が高い。 --斜めダッシュがないと困るケースは、「斜めの位置にギタンがあり、且つ非常事態」という、普通に考えれば稀なケースである。 ---しかし本作においては、モンスターハウスを回避するために斜め移動を行うというテクニックが存在する(後述)。 -テンポが悪い。 --前作のSFCシレンと比べると、ダッシュの速度やメッセージの表示にもたつきがある。 ---ハード性能に起因するため仕方ない面もあるだろうが、全体的な動作がもっさり気味なのも、快適さを失っている。 --操作方法や後述のロード時間の長さとも相まって、前作に慣れている人ほどストレスを感じる。 --画面内にマップが表示されなくなり、いちいちセレクトボタンを押して確認する必要が出るなど、不便さも目立つ。 -中断から再開した時のロード時間が非常に長い。 --フロアが切り替わった直後に中断すれば素早くロードできるが、行動を重ねるほどロードが長くなるという仕組みを知らないと厄介。 ---前作と同じ現象のため、対処方法にすぐ気付いた人はいる。ただしゲーム内や説明書などでは明確な説明はなく、知らずにプレイすると低評価の要因にもなる。 --ロード時間が長いと画面にフミやケヤキが登場して「しばらくお待ち下さい」という専用画面が出るが、だからといって数十秒も待つのは苦痛である上、画面に可愛い女の子の顔が出て来ることに若干の恥ずかしさを覚えてしまう。 --ハードウェアの仕様とはいえ、ロード時間に限らず全体的に処理速度はSFCと比べると格段に遅い。快適に遊べないという程ではないが。 -モンスターハウスの仕様。 --前述の通りだが、厳密には「部屋内に市松模様状に敷き詰められた見えない罠を踏むと発生」する仕組みとなっており、この仕組みを知らないと部屋の中で逃げ道が塞がれた状態で出現、知っていると(本来は非常に厄介な)大部屋ハウスさえ楽々と回避できる。 --部屋の入口でハウスが発生しなければ、その部屋では斜め移動をする限り絶対にハウスは出現しない。また、アイテムがあるマスには罠は無いので、配置から安全地帯を見極めることもできる。 //モンハウは罠扱い。開幕大部屋などでは足下コマンドで「罠」を確認できる場合がある -モンスターの撃つ矢がシレン以外に当たった場合、そのダメージは何故かシレンのレベルに依存する。 --レベルが十分高くなった帰り道においては、仲間が大ダメージを受けて一撃で倒される事が多い。 ---特に、供養峠15F~17Fに出現する「ちびタンク」は貫通する銀の矢を撃ってくるので、帰り道はかなり危険。 --ゲームバランス上はいい具合のスパイスとして機能しているが、明らかにバグである。 ---厳密には『トルネコの大冒険』や『SFCシレン』にも存在したバグ。ただし今作では本編クリアに大きく影響する。 -倉庫の問題 --2回クリアするまでは倉庫が建設されない。それまでは村に戻った時点で手持ちのアイテムが消滅する。 --「ゴミ壺」に壺を投げると中身のアイテムごと処分できるが、モンスターは消えずに出てしまう。 ---具体的にはトドの壺と魔物のるつぼが該当。前者はアイテムを盗まれ、後者は装備やアイテム次第では倒される危険がある。 ---後のシリーズでは村の中で使える「捨てる」コマンドが追加されたり、商人に売却することが出来るようになった。 --倉庫内で底抜けの壺を割る、もしくは吸い出すと落とし穴を作れるが、これに落ちると直前に訪れたダンジョンの1Fに出る。 ---これが「もっとむずかしい」の場合、手持ちと倉庫内のアイテムが全て消滅してしまう。 --倉庫を最大まで増築しないまま「むずかしい」をクリアしてしまうと、二度と増築できなくなってしまう。 -おはらいの巻物 --呪いを解く効果があるおはらいの巻物は、今作では月影村出口にしか出現しない。しかも、困った時の巻物にも同じ効果があるため、ほぼ下位互換になってしまっている。 ---困った時の巻物よりおはらいの巻物の方が入手しにくいという問題点はSFCシレンにもあった。 ---せめて、所持アイテム全ての呪いを解く効果なら下位互換にはならなかったのだが。 //これこそ大した問題点ではないと思うけど。アイテム1つ1つに文句を言ってたらキリがない。 //-巻物 //--呪いを解く「おはらいの巻物」、そのくらい普通で出たってよさそうなものだが、今作では「もっと難しい」に当たる「月影村出口」にしか出現しない。しかも、「こまったときの巻物」で同じ効果が出るため、非常に影が薄い。 -スーパーゲームボーイでもカラー表示にならない --専用の背景が出てくるなど対応はしているようだが、肝心のゲーム画面がモノクロのまま。 ---前作ではモンスターが色分けされていたように、色付けによる視認性が重要なゲームなので少々残念。 ---SGBは「背景」と「キャラクター」を識別できないので、キャラクターに専用の着色をすることができない。仕様上仕方がない部分である。 ---- **総評 快適性の難点などSFC版より劣る点もあるが、GBという限られた容量のハードで不思議のダンジョンを活かしたのが本作である。~ チュンソフト初のGBソフトでありながら、シレンの要素を最大限失わせなかったのは大きく評価できると言えよう。 ---- **余談 -早解きキャンペーンはクリア後に表示されるパスワードをはがきに記載して応募すれば良くなり、手軽に参加ができるようになった。 --過去作におけるクリアキャンペーンは、クリアしたセーブデータが表示された画面を写真に撮って送るという方法であり、参加のハードルが高かった。 --対象が先着10000人に拡大されたため多くの人が受け取ることが出来た。 -スマホ版や下記のPC版も登場しており、リメイク回数が多い。おそらくシンプルでバランスが取れており、遊びやすいことが関係しているのだろう。 &br ---- *不思議のダンジョン 風来のシレン 月影村の怪物 【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれん つきかげむらのかいぶつ】 |ジャンル|ローグライクゲーム|CENTER:&amazon(B006WSWQYW,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Srz69458L._SL160_.jpg)&amazon(B00007G29F,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51SE6Y3szeL._SL160_.jpg)| |対応機種|Windows 95/98|~| |発売元|チュンソフト|~| |開発元|チュンソフト&br()アクアマリン|~| |発売日|【パッケージ版】1999年12月8日&br;【インターネット版】2002年12月20日|~| |定価|【パッケージ版】2,980円(税抜)&br;【インターネット版】オープン価格|~| |備考|【インターネット版】&br;2006年1月31日をもってオンラインサービス終了&br;2014年4月9日をもって認証サービス終了|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(PC) 不思議のダンジョン 風来のシレンGB 月影村の怪物をWindows向けにリメイクしたものである。~ ストーリーはほとんど変化がないが、ハードがパソコンになったことにより、キーボードで操作可能、自分が操作しやすいようカスタマイズも可能となった。 パッケージ版、インターネット版、インターネット版のパッケージの3つのバージョンが順に発売された。~ インターネット版のパッケージには、他ユーザーとのチャットやミニゲームが楽しめるコミュニケーションソフト「もののけ広場 ~風来のシレン・コミュニティードア~」が収録されている。 ゲーム本編も十分楽しめるが、最大の目玉はフェイの問題作成キットと言っても過言ではない。 ---- **変更点 -グラフィックがSFCシレンとほぼ同等のものに変更。モンスターのレベルは数字ではなく色で判別できるようになった。 --シレンは右目が見えるグラフィックになった。ちなみに『[[DS>不思議のダンジョン 風来のシレンDS]]』で同じものが使われている。 --SFCシレンと同じようなサクサクとした動作が可能になった。 -視界やモンスターハウス等の仕様もSFC版のものに戻った。 --GB版で問題点とされた斜めダッシュも可能である。 -冒険のリプレイを「旅の記録」として外部ファイルに保存することができる。 --保存するかどうかを決めるのは冒険開始前で、冒険中も記録開始することができるが、記録されるのは次のフロアからである。 --フェイの問題などと同様、ネット上で他人に配布することもできる。動画投稿サイトがほとんど無かった発売当時ならではのシステムである。 -マウスやゲームパッドでの操作のほか、テキストベースのローグライク式の操作も可能である。 --パッドの割り当て設定はインターネット版のみ。旧版はSFCとは異なる使いにくいデフォルト配置のみ。 --GB版の少ないボタン数でしかプレイができないという問題点は解決された。 -その他、細かい調整が行われている。 --「ドラゴン系」「ガイコツまどう系」の2種のモンスターが復活。GB版で月影村出口中盤に出現していたラスボスはドラゴンに差し替えられ、深層にはスカイドラゴン・アークドラゴンが出現するようになった。ドラゴンシールドの使い所が少ない、という賛否両論点も改善された。 --ラスボスは月影村出口には出現しなくなったが、炎のダメージが30→40に強化され、スカイドラゴン同様に直線上にいないシレンにも炎を吐くようになった。 --エーテルもどきが「エーテルデビル」になり透明能力が復活した、めまわし大根が毒草も投げるようになったなど、一部のモンスターの能力がSFC版準拠に。 --「卵」を持った状態で「デロデロの湯」を踏むと、「おんせん卵」にランクアップするようになった。 --「バトルカウンター」のダメージ反射量が、従来の1/3から1/2に増えた。シリーズで最もバトルカウンターが強い作品だろう。 //--「やまびこの盾」で「ちょうちんフグ系」のハラヘリーを反射し、逆に満腹度を回復させる事ができるようになった。 --モンスターのステータスが再調整。例としては、序盤に出るちょうちんフグの経験値が3(GB版)→35(Win版)と大増された。 --大部屋モンスターハウスのワナの数が異常に多い。 --供養峠1F~3Fのシャッフルダンジョンは、「変化の森」「谷間の竹林」「山峡の川原」の3種からランダムに選ばれる。 --身代わり状態のモンスターを金縛り状態にすると身代わり状態が永続する裏技、「身代わり縛り」が不可能になった。 --パスワードが40種類から50種類に増加した。中には「''ゲイズに超不幸の種を飲まされた''」「月影村を脱出する直前で倒れた」といった上級者向けなものも…。 --オドロがつるはしの「壁を何度か掘ると壊れる」能力も消すようになり、これを利用して「こわれないつるはし」を作れるようになった。 ---ただし、オドロはベース武器自体が持つ能力は消してくれないので、つるはしを他の武器に合成する必要がある。 ---「壁を掘れる」能力を先に消されてしまうと失敗なので、運も必要。 --秘剣カブラステギの作成方法が増えた。作ると修正値は0にリセットされるが、剛剣マンジカブラに合成されていた特殊能力は引き継げるようになった。 ---1.剛剣マンジカブラを2つ合成する。 ---2.剛剣マンジカブラ+99に天の恵みの巻物を使う。 ---3.剛剣マンジカブラ+99を変化の壺に入れる。 ---4.剛剣マンジカブラの修正値が+100以上になるように合成の壺で合成する。 --ラセン風魔の盾と火迅風魔刀も同様に、作る手段が増えている。ただし、カタナを2つ合成しても火迅風魔刀にはならない。 -インターネット版限定の変更点もある。 --おんせん卵以外にも、「旅仲間の杖」「変化の杖」「消え去り草」「物忘れの巻物」と、新アイテムがいくつか追加されている。 --倉庫に置いた壺の中身が消えなくなった。 --''分裂の壺に吸い出しの巻物を入れることができなくなり、無限増殖が不可能になっている。''ただし、フェイの問題でのみ入れることが可能。 ---- **評価点(PC) ''ゴミ壺ダンジョン'' -倉庫にあるゴミ壺(アイテムを捨てるための設備)に新たに「''自分を捨てる''」のコマンドが追加されており、供養峠クリア後にそれを選ぶことで追加ダンジョンに行くことができる。追加されたダンジョンはいずれも個性的なものである。詳細は以下。 +「日替わり15階」「週替わり30階」「月替わり50階」 --これらのダンジョンに一度出て再び入ると、なんと同じ地形のダンジョンが一定期間現れ続けるのである。 ---例えば週替わり30階だったら、1週間は同じ構造、同じ魔物配置、同じアイテム配置のダンジョンが発生する。 ---そのため、計画的なプレイが有効である。普段とは一味違う不思議のダンジョンが楽しめる。 --ランキング対象は「クリアタイム」で、上位陣は敵やアイテムや階段、落とし穴の位置を把握しての高速クリアで競っていた。 -これより下のダンジョンはインターネット版のみである。 +「クロンの拳」 --武器と盾が一切出現しないダンジョンで、その代わりに大量の「ちからの種」が落ちている。 ---他にも「会心の腕輪」や「パワーアップの巻物」がよく落ちており、多くのモンスターを素手で一撃で殴り倒すことが可能。 --力が高くなるとはいえシレンは防御力0なので、いかにモンスターに殴られないように立ち回るかが重要になる。 +「一色即発」 --フロアごとに統一されたカラーを持つ敵のみが出現する。その関係上、モンスターテーブルは特殊で、20Fで終了する。 ---例えば20Fの敵は、どうくつマムル・アークドラゴン・ハイパーゲイズ・ギガヘッド・メガタウロス・壊滅イノシシ、と赤色のモンスターで統一されている。 ---色もグラフィックも同じで外見での見分けがつかない、タウロスとミノタウロスだけが登場するフロアも存在する。 --50F相当の敵が全20Fで登場するため展開が速いが、全てのフロアにモンスターハウスが存在するため、シレンのレベルアップやアイテムの充実速度も早い。 --身代わりの杖や不幸の杖といった「敵のレベルを変化させるアイテム」が一切登場しない。鬼面武者系やガイコツまどう系など、敵のレベル変化を引き起こすモンスターも登場しない。イッテツ戦車を除くボウヤー系とアークドラゴンを除くドラゴン系も出現しない。つまり''敵の色が変わることがほぼ無い''という徹底ぶり。 ---例外は、やまびこの盾で混乱したゲイズ系の同士討ちによるレベルアップ、セルアーマー系が弾いた武具が敵に当たって倒れたことによるレベルアップ。 //--全フロアにモンスターハウスが必ず存在し、上手く攻略すればアイテムや経験値を毎フロア大量に稼ぐことができる。 +「果てしなき道」 --エンドレスダンジョンで、51F以降も潜り続けることが可能。フロア数は9999Fまで記録される。 ---『[[外伝>不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!]]』の「冥炎魔天の挑戦」のような、同じようなフロアが暫く続く仕様はない。 ---ただし51F以降は背景やBGMが変わらないため、単調に感じてしまうこともある。 --クリアはないので、最終的にはシレンが死ぬ必要がある。 //--ランキング対象は「フロア数」で、 //ランキング対象がフロア数なのは今週の穴の「足跡はどこまで?」。果てしなき道はスコアを競う +「試し斬り」 --追加ダンジョンの中で(後述する「今週の穴」の一部を除いて)唯一の持ち込み可能(5個まで)ダンジョン。 --全10Fだが、1Fから強力な敵がフロアごとのテーマに沿って出現するうえ、全てのフロアにモンスターハウスが存在する。 ---10Fではラスボスが大量発生し、炎の集中砲火を浴びるため、ドラゴンシールドがあっても長居は危険。 --強化の壺・分裂の壺・識別の腕輪といった、GB版では入手困難だったレアアイテムが入手可能。 --ランキング対象は「クリアタイム」。 +「杖道一直線」 --落ちているアイテムは杖や一部の壺、腕輪、食料のみで、杖を駆使して進んでゆくダンジョン。 --「旅仲間の杖」というアイテムが落ちており、使うとモンスターを1体だけ仲間にすることができる。 ---仲間は「アークドラゴン」が定番。仲間になるとフロア中に炎を吐けなくなり弱体化するものの、攻撃力や防御力が他のモンスターと比べてズバ抜けて高い。 +「今週の穴」 --週ごとに異なるダンジョンに挑戦することができる。ダンジョンは全部で21種類も用意されている。 ---風来人最適化計画:いかに少ないターンでダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---チキレンジャー:いかに少ない経験値でダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---足跡は何処まで?:エンドレスダンジョンで、何階まで潜れるかを競う。 ---生涯一泥棒:エンドレスダンジョンで、何回泥棒できたかを競う。 ---クロン節制拳:ダンジョン自体はクロンの拳とほぼ同じ。いかに少ないターンでダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---クロン軍鶏拳:ダンジョン自体はクロンの拳とほぼ同じ。いかに少ない経験値でダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---奥義菜食主義:クロンの拳の高難易度版で、草以外のアイテムが一切出ない。全50F。 ---杖道免許皆伝:杖道一直線の高難易度版で、透視の腕輪や旅仲間の杖が出現しない。全50F。 ---杖道オプティマ:ダンジョン自体は杖道免許皆伝とほぼ同じ。いかに少ないターンでダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---チキン杖者:ダンジョン自体は杖道免許皆伝とほぼ同じ。いかに少ない経験値でダンジョンをクリアできるか競う。全50F。 ---泥棒三昧:店が多く出現し、泥棒に成功した回数を競う。全50F。 ---迷宮狂騒曲:道具を5つまで持ち込めるが、全階層で大迷路が出現する。全5F。 ---迷宮葬送曲:HPが自然回復しない。他は迷宮狂騒曲と同じ。全5F。 ---大迷宮葬送曲:モンスターの赤点やアイテムの青点が映るミニマップが表示されない。他は迷宮狂騒曲と同じ。全5F。 ---サドンデス:Lv70、最大HP5固定でスタートする。全15Fだが、最序盤以外は敵の攻撃は1発で致命傷となる。 ---癒されぬ遠き道:道具を5つまで持ち込めるが、HPが自然回復しない。エンドレスダンジョン。 ---暗夜行路:部屋の中でも通路のように周囲1マスしか見えない。全30F。 ---歩測大全:ミニマップが表示されない。全30F。 ---収縮道具袋:アイテムを10個しか持てない。全50F。 ---突風注意報:フロアに300ターン留まると突風に飛ばされてゲームオーバーになる。全50F。 ---''無限地獄'':暗夜行路、歩測大全、収縮道具袋、突風注意報の全ルールが適用されたエンドレスダンジョン。シリーズ最難関のダンジョンと言っても過言ではない。 ''フェイの問題作成キット'' -アイテム・モンスター・階段・罠・シレンの初期位置全てを自分で設定可能であり、問題作成の操作も簡単である。 --「モンスターハウスの巻物」を除いて、ゲーム中に存在するほぼ全てのアイテムを配置可能。 --しかも''ラスボスまで配置可能''なので、全敵ラスボスなどぶっとんだ問題も作ることが可能。 -さらにシレンの初期LVや最大HPまで設定可能であり、最大HP1で乗り切る問題や最大LV70で敵と戦う問題まで作れる。 --そのため、「問題を作って解く」だけでなく、ダメージ計算式や敵から受けるダメージなどの調査にも使われた。 -一方、問題が100問セットで一つのファイルとして存在するというPCならではのシステムになっており、コピーや配布は容易。 --さらに''作った問題を自由に配布することをチュンソフトが認めた''ため、公式サイトやファンサイトでは作られた問題が配布されており、DLすることで全国のユーザーが作った問題も楽しむことが可能だった。 -今作最大の目玉となったのがこのシステムだろう。 --このフェイの問題作成キットは、Win版の『[[不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!]]』にも導入された。 ''インターネット版限定の装備品'' -インターネット版ではゴミ壺ダンジョンでの救助も可能であり、救助して貯まる救助ポイントが一定までたまったときや、公式サイトのダンジョンの全国ランキングで特定の順位(1位やキリ番など)をとったときなどに、普通には手に入らない強力な装備品を受け取ることができた。 --「日替わり15階」のランキングではレア武器しかもらえずレア盾が出ない、「供養峠」のランキングではレア装備の代わりに「識別の腕輪」などが貰える、といった細かい調整もあった。 -レア武器一覧 --洞窟マムルの剣:剣を1回振る度に1ギタン得る。 --一つ目斬:一つ目系モンスターに3倍ダメージ。 --破邪の鎌:ゴースト系モンスターに3倍ダメージ。 --ドレインレイド:ドレイン系モンスターに3倍ダメージ。 --龍神剣:ドラゴン系モンスターに3倍ダメージ。『シレン2』や『アスカ見参』にも登場した武器。 --サトリのつるはし:壊れることなく壁を掘れる。前述の通り、本作ではこれ以外にも壊れないつるはしを作る手段が存在する。 --旋風かまいたち:前方3方向に加えて、正面2マス先にも攻撃できる。 --メガタウロスの斧:ミノタウロスの斧より会心の一撃が出やすい。 --まさくに:攻撃した相手をたまに1マス吹き飛ばす。どうたぬきの色違い。 --チュンソフ刀:倒した敵がアイテムを落としやすくなる。 --無双チュンソフ刀:倒した敵が高確率でアイテムを落とす。チュンソフ刀+99に天の恵みの巻物を使うと変化する。 --豪剣マンジカブラ:攻撃した敵をたまに即死させる。 --魔剣カブラステギ:攻撃した敵を高確率で即死させる。豪剣マンジカブラ+99に天の恵みの巻物を使うと変化する。 -レア盾一覧 --洞窟マムルの盾:敵から攻撃を1回受ける度に1ギタン得る。 --龍神の盾:炎のダメージを1/4に減らす。 --轟雷ナバリの盾:爆発のダメージを1/4に減らす。 --鬼哭の盾:敵から攻撃を受けると、稀に盾が+1強化される。 --心眼の盾:見切りの盾よりも攻撃回避率が高い。 --バトルリベンジ:直接攻撃を受けると、それと同じダメージを敵に跳ね返す。 --アイアントドの盾:敵から攻撃を受けると、たまにシレンがワープする。盗みを防ぐ能力も健在。 --幻魔の盾:ワナを踏んだ時の発動率が下がる。 --ラセン幻魔の盾:ワナを踏んだ時の発動率がかなり下がる。幻魔の盾+99に地の恵みの巻物を使うと変化する。 -これらのレアアイテムは合成の際にベースとして使用することにより他の装備品に能力を合成できる。分裂の壺に入れることができない。 -既存の装備品の能力を強化したものが多く、『シレン4』の装備成長システムを先取りしていたとも言える。デザインは既存の装備品の色違い。 -持ち込み可能ダンジョンでしか使えないこともあり、コレクションアイテムとしての存在意義が大きかったが、実用的な能力を持つ武具も存在する。 --例えば、秘剣カブラステギ+99にドレインバスターを合成すればドレイン系モンスターはまず一撃で倒せるので、ドレインレイドはハズレと見なされることが多かった。 -「癒されぬ遠き道」などの高難易度持込可能ダンジョンでは、旋風かまいたち・無双チュンソフ刀・轟雷ナバリの盾・ラセン幻魔の盾を使うプレイヤーが多かった。 -残念ながら、オンラインサービスが終了した現在は入手不可能になっている。 ---- **問題点(PC) -旧パッケージ版はキーコンフィグ不可、BGM絡みの不具合(互換モードでフリーズ報告あり)、データバックアップ不可等の問題点がある。 --インターネット版ではこれらは改善されている。 -フェイの問題には店主を配置できず、盗賊番や番犬も配置できない。 --『SFCシレン』のフェイの問題に店のあるものが1問だけあったが、それを再現することはできない。 --『外伝』のフェイの問題作成キットでも店は配置できないので本作に限った問題ではないが、外伝では盗賊番と番犬は配置可能である。 //店主をフェイの問題で配置できるようにしたらバグが大量発生しそうだし、技術的に難しいと思われる。配置できないのも止む無し。 -やまびこの盾が万能すぎる。 --元からあったゲイズ系の催眠術の反射・きり仙人系の変な呪文の反射に加え、今回復活したガイコツまどう系の杖の反射も可能になり、更にGB版にはなかった''ちょうちんフグのハラヘリーを反射して逆に満腹度を10%回復できる''という超機能が追加。 --シリーズ総じて便利なやまびこの盾だが、ハラヘリーを反射して満腹度を回復できてしまうのは本作のみである。やまびこの盾を持っている場合、ちょうちんフグが「高経験値・高アイテムドロップ率・満腹度無限供給機」という三拍子揃ったボーナスモンスターと化す。 --ここまで強力な性能を持っていながら、やまびこの盾のレアリティはそれほど高くなく、月影村出口では普通に拾って入手できてしまう。必中の剣やドラゴンシールドは月影村出口では普通に落ちていないなど、本作では一部装備品のレアアイテム化が始まっているが、やまびこの盾は入手が容易である。 --最上位種のかんてらフグが唱える「ハラチヂミー」を反射して、最大満腹度を増やすことも可能。もっとも、かんてらフグが出るような深層で最大満腹度を増やしてもあまりメリットはないので、こちらはゲームバランスにはさほど影響はない。 -ゴミ壺ダンジョンの一部が手抜き。 --例えば「風来人最適化計画」というダンジョンは、出現アイテムやモンスターは月影村出口とほとんど変わらない。 ---何が違うかというと、「クリア時の総ターン数の少なさを競う」ルールに変わっている。しかしこれでは、風来人番付の並び順が変わるだけである。全49階と全50階という違いもあるが、それがどうした。 --「クリア時のシレンの経験値の少なさを競う」ルールの「チキレンジャー」もあるが、こちらもやはりダンジョン内容は月影村出口とさほど変わらない。 ---わざわざ新しいダンジョンを作らなくても、番付の記録を「スコア」「ターン」「経験値」といった項目で並び替えられる仕様にすれば解決した問題である。 --「クロン節制拳」「クロン軍鶏拳」は「クロンの拳」、「杖道オプティマ」「チキン杖者」は「杖道免許皆伝」、「足跡は何処まで?」「生涯一泥棒」は「果てしなき道」のルール違いダンジョン。一見ダンジョン数が多いように見えるが、これではコピペダンジョンを増やしているだけである。 ---杖道免許皆伝に至ってはクリア自体が非常に難しく、ターン数や経験値を競っている余裕がない。杖道一直線のルール違いならまだ需要があったのだが。 ---生涯一泥棒は名前だけ見ると「泥棒三昧」の類似ダンジョンに思えるが、泥棒三昧と違って店の出現率は特別高くなく、ただのルール違いダンジョン。ダンジョン名でプレイヤーを騙そうとしているようにも思える。 --「今週の穴」を含めたゴミ壺ダンジョンの総数は29個。三段階の難易度がある供養峠と、月影村出口を含めば33個もある。ダンジョンの総数だけ見れば『外伝』や『シレン5』といった他のシリーズに引けを取らないものの、実際はルール違いダンジョンが多いためにボリュームはやや劣る。 ---『外伝』でも「ガチンコ万歩計」「万歩の経験」というルール違いダンジョンはあるが、本作月影村の方がかなり多く、ダンジョンを水増し追加している。 ---- **総評(PC) GB版の問題点を解消したことに加え、一味違う不思議のダンジョンと「自分で問題を作る」フェイの問題作成キットを開発した点は大きい。~ フェイの問題は作成と配布が一時ブームとなり、ファンサイトや攻略サイトには必ずといっていいほどダウンロード用ページが置かれていたほどである。 ---- **余談(PC) -発売当時は「電網月影村」という公式サイトがあった。現在は閉鎖済み。 --各ダンジョンの全国ランキングを見たり、公式掲示板で他のユーザーとコミュニケーションをとったり、自作フェイの問題の配布ができたり、パッチや壁紙をダウンロードすることができた。 -近年のシリーズでは「1回の冒険につき救助要請を出せるのは3回まで」という制限があるが、本作ではその制限が無かった。 --1回救助してもらうごとにスコアが半減するというペナルティはあったが。 -インターネット版のオンラインサービスは2006年1月31日に終了しており、現在では救助機能などを使うことはできない。 --公式サイトも閉鎖し、風来人番付を全国ランキングに投稿する機能も終了している。 --『外伝』のようなオフライン対応パッチは配布されなかった。 -ユーザー認証用サーバーもXPのサポート終了とともに停止したため、インターネット版は''今購入しても正規の方法では認証が出来ずプレイできない。'' --すでに認証が行われている環境であればプレイすることが可能だが、その場合も当然オンライン絡みの事項は利用不可能。 --有志により認証を強引に突破する手段も解明されているが、あくまでも非公式であるため自己責任である。 --発売が20年以上前ということもあり、購入するとしたら現在のOSの動作状況などを事前に調べておいたほうがいい。 -非公式だが、有志によりダンジョンデータが解析され、オリジナルのゴミ壺ダンジョンを作って遊ぶツールも作成された。 -通常入手不可能な没アイテムが多数存在する。恐らく、インターネット版限定のアイテムをさらに増やすつもりだったが没になったのだろう。 #region(没アイテムの一例) --オリハルコン棒:こん棒と同じ性能。 --きたえた長巻:長巻と同じ性能。 --真必中の剣:必中の剣と同じ特殊能力だが、攻撃力はこちらの方が高い。 --獅子皮の盾:皮甲の盾と同じ性能。 --赤銅甲の盾:青銅甲の盾と同じ性能。グラフィックも青銅甲の盾と一緒で、赤くない。 --伝説の木の盾:木甲の盾と同じ性能。 --伝説の鐘の盾:鉄甲の盾と同じ性能。 --鉛の盾:重装の盾と同じ性能。 --こだまの盾:やまびこの盾と同じ性能。 --無印良品の盾:使い捨ての盾と同じ性能。 --魅惑の種:飲んでも効果がないが、敵にぶつけると仲間にできる。旅仲間の杖の下位互換。 --見破りの杖:振った敵の体力、攻撃力、防御力、レベル、経験値が表示される。 #endregion

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: