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//「[[修正依頼]]」が出ています。問題点、総評を追記できる方はご協力をお願いします。 //---- *HARAKIRI 【はらきり】 |ジャンル|シミュレーション|~| |対応機種|PC-8801mkIISR以降|~| |開発/発売元|ゲームアーツ|~| |発売日|1990年|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|外人による誤った日本観(という設定)&br()国取りSLGとしては高難易度|~| //PC-9801には対応してないです。PC-88ゲームがプレイ可能なハイブリッドPCのPC-98DOを混同してるのだと思いますが、PC-88モードでのプレイになります。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ゲームアーツが作った戦国SLG。尚、ゲームアーツがPC88シリーズで展開した作品においては本作が最終作でもある。((本作以降はPC98やFM-TOWNSでもソフトを何本か出しているが1992年からはMD/MCDを皮切りにセガのCS機へとプラットフォームを移行している))~ 『日本研究家のアメリカ人「J.S.スタインバーグ」によるデザイン』という前置きがある作品。 -その実は、「誤った日本観に基づく出鱈目な戦国時代設定」という代物。ご丁寧に日本文化にはまるあまり、自分に日本名をつけたという設定まである。その名も「中村横田」。ただし''このスタインバーグ氏は架空の人物''であり、製作に外国人スタッフは関わっていない。すなわちこのゲームに登場する間違った日本観は外国人の勘違いによる産物ではなく、''あくまでバカゲーとしてわざと狙ったものである''。突っ込んだら負けである。 //-ちなみに実際の製作者は宮路武。 //一応、実際の製作者についてはCO。 -前後して、同じように誤った日本観を基にした作品として『[[天外魔境シリーズ]]』が出ているが、ベクトル的には全く違う方向に吹き飛んでいる代物である。 --そもそも天外魔境シリーズは「ジパングという名の日本に似た世界」であり、本作のような「勘違い(のフリ)した日本」とは違う。普通のファンタジーRPGでも、アリアハンやヴァナ・ディールが舞台であり西洋に実在する国ではない。 -他に勘違いした日本観に基づくバカゲーとしては『[[ファーストサムライ]]』が存在するが、あちらはイギリスのヴィヴィド・イメージ社が開発した、本当に外国人の手による作品。わざとか天然かは微妙なところだが。 ---- **ストーリー SAMURAIの統領であるSHOGUNは、毎年全国の有力DAIMYOを呼び集め、桜の鑑賞会HANAMIをおこなった。~ HANAMIにくるDAIMYOは皆、NENGUという貢ぎ物を差し出さねばならなかった。~ HANAMIは、勢力の拡大を行わせないためのSHOGUNの策略でもあった。~ 歴代のSHOGUNの中でも、特にYOSHIMUNEはHANAMIが好きで、DAIMYOたちに命じてサクラが千本も続く見事な並木通りを作らせた。~ 元禄十四年三月十四日の正午、日本で第二の実力者、ASONOはYEDOのKINKAKUJIに向かう途中、~ BLACK-BELT-NINJAに襲われ、MIKADOから預かっていたCHA-NO-YUの道具を壊されてしまった。~ ASONOは、自分の実力を妬むSHOGUNの陰謀であることを見破り、SHOGUNを糾弾しようとした。~ しかし、ASONOの機先を制し、SHOGUNは、ASONOがCHA-NO-YUの道具を壊したことを責める。~ 「CHA-NO-YUの道具一つ預かることのできない田舎マイナーDAIMYOめっ!」と~ 全国から来たDAIMYOたちの前でののしられたASONOは、HAJIを感じる。~ 正しいSAMURAIの礼儀を知るASONOは、あまりのHAJIに堪えきれず、~ その場でHARAKIRI(切腹)をして果てた。~ 第一の家来、KAROであるOH-ISHI以下、ASONOに使えた四十七人の家来は、~ ARUJIであるASONOが理不尽な理由からHAJIを受けたことを知り、復讐に燃える。~ 四十七人のBUSHIは、BUSHIDOの精神に基づきARUJIの仇を打つことを天に誓った。~ ASONOの死から一年が経ち、再びHANAMIが行われるシーズンがやってきた。~ 城門の外には、SOBAYAに変装したOH-ISHI以下四十七人がいる。~ HANAMIを行うため、城を出てきたSHOGUNを襲い、見事に命を奪い、彼らはASONOの名誉回復に成功した。~ 元禄十五年十二月十四日、SHOGUN-YOSHIMUNEが「桜の廊下」で殺されたこの事件を「四十七人の変」という。~ 跡継ぎがいないうちにSHOGUNが死んだため、SHOGUNのポストは空いたままになった。~ 全国の有名なDAIMYOたちはSHOGUNのポストをねらって争いを始めた。~ そして果てしない大乱の時代が幕を開けた。 #region(突っ込んだら負けではあるがあえての突っ込みどころ一覧) -HANAMIの件は参勤交代のことを指しているようだが、NENGUはDAIMYOが渡す物ではない。 -YOSIMUNEはむしろ倹約家。 --さらに、元禄は西暦1688年~1704年。吉宗の将軍就任期間は1716年~1745年で、元禄より後。元禄年間・忠臣蔵の頃の将軍であれば、徳川綱吉が相当する。 ---一応、江戸時代を扱う架空作品では設定上メジャーなSHOGUNを当てはめることがあるのでYOSHIMUNEが選ばれたのだと思うが……アメリカ人がSHOGUNの個人功績など理解しにくいと思われるし…… -BLACK-BELT-NINJAとあるが、NINJAに黒帯も何も……。 -マイナーDAIMYO(笑) --どうやら外様大名のことを指すらしい。ちなみにこれは昔の洋ゲーではありふれた表現で、有名処では『ウィザードリィ』で使われている。なお、譜代大名はメジャーDAIMYO。 -YEDOにKINKAKUJIはない。 -「茶の湯」 -OH-ISHI以下四十七人の家来ということから、どうやら忠臣蔵が骨子らしい。が、ASONOじゃなくてASANO(浅野長矩)だろ。 -SOBAYAばかり47人もいたら怪しすぎる。((一応、当時は個人で担げる屋台のソバ屋が普通にあったのでソバ屋がいること自体はそこまでおかしくはないと思う…日没後に営業したりもしたらしいので…でも全部ソバ屋と言うのはやはり怪しい…)) //--一応各自が屋台等でそれぞれ待ち伏せしているとは記載されていないので、大型店舗で各自が店員に扮しているならば怪しまれ……いくらYEDOとは言え47人も勤務中の店員がいるSOBAYAなんておかしいか…… --そしてそんな連中に討ち取られるSHOGUN。なんというザル警備。 -城を出てきたのに「桜の廊下」とはどういうわけなのか。((道沿いに一面桜が植えてあるから桜の廊下と呼ばれているのかもしれないが……)) -十二月十四日といえば冬である。HANAMIを行うのは、YEDOは勿論SATUMAでも無理。RYUKYUの花見は寒緋桜という1月~3月に咲く品種で行うが、それでも12月中旬は厳しい。 -仮に後継ぎがいないままSHOGUNが死んでも、尾張、紀州、水戸の御三家から次のSHOGUNが選ばれるはずだが。((吉宗が暗殺されたのなら(時代劇的には)尾張大納言徳川宗春が大喜びで将軍の座を掴むと思われるが、残念ながらゲームに登場しない。水戸黄門はいるのに。そして紀州は(時代劇的に)吉宗の他に有名な人がいないので当然出演者無し。)) --というかSHOGUN暗殺なんて実行したが最後、御三家、親藩、譜代大名、旗本からフルボッコにされて終了なのでは……? --ただし、選べる勢力を考慮すればYEDO幕府のそういった権力維持装置はHARAKIRIでは存在していないのかもしれない。 -''読みにくい。'' #endregion ---- **特徴 -基本システム的にはオーソドックスな戦略シミュレーション。ただし難易度は高め。 --難易度が高くなる要因に大兵力を率いて日本侵攻をしてくる元寇や黒船がいるせいだが。 ---この手の突然発生の第三勢力としては一向一揆もあるがこちらは前述の2勢力ほどの脅威ではない。 -初回ゲーム開始時にレベル(1~5の5段階。1が最も易しい)とプレイ人数(1~4人)を選択する。尚、複数人プレイの場合はターン毎に交代する方式。 --尚、高レベルでゲームを開始するとかなり早い段階で元寇や黒船がやってくる傾向が強い。 -登場人物がめちゃくちゃ。 --まずプレイヤーは自分の分身となる大名を選択するが、そのラインナップは戦国大名のみならず、古くは源平合戦の頃の武将から、幕末、さらには実在する現代の人物すら存在する。またさまざまな時代の人物が混在しているため、一部デフォルトの支配地が史実の支配地域とは全く異なる者もいる。((尚、律令制の国分けはかなり省略されており、支配地域の地名も旧国名に混じって現代の地名が出てくる始末。例えば「武蔵」は「東京」になってたり、「安芸」は「広島」になっている。だが、「信濃」が「軽井沢」だったり、上総・下総・安房が「成田」と一纏めにされているなどツッコミどころ満載なのも存在する。)) ---登場する武将は一応戦国シミュレーションとして押さえておくべき面子が一通り揃ってはいる。が、それらに混じって''千利休''、''一休禅師''、''杉田玄白''、''平賀源内''、''松尾芭蕉''、''ザビエル''、''三浦安針''、''夢窓疎石''といった文化人・学者はともかくとして、''琵琶法師''((職業名であり個人名ではない。))、挙句の果てには''浦島太郎''、''銭形平次''、''子連れ侍''((おそらくは子連れ狼の事であろうが、わざと名前をパロディにしているのは何らかのトラブル回避を考慮してのことだろう。))、''弁天小僧''といった架空の人物まで、色々おかしな名前が混じっている。 //一応、文化人や学者や僧はコーエーのチンギス4にも武将扱いで出ているので・・・ --普通に登場する戦国武将も説明書ではでたらめな説明がなされていたりして一筋縄ではいかない。また浅井長政、朝倉義景、今川義元、長宗我部(後述するが、字数制限のせいでフルネーム表記されていない)、大友宗麟、村上義清など本来なら大名なのに在野の一兵卒に貶められた可哀想な者も多い。 ---ただし、後のコーエー作品でも「英雄集結」などifシナリオという形で、時代設定無視のオールスターで遊べるものを作っていたりする。「早すぎた名作」「(下衆な物言いをすれば)英雄集結はHARAKIRIのパクリ」と言えなくもないだろう。 #region(大名一覧) -''源頼朝'' --戦国時代と全く関係のない大名(?)その1。しかも支配地域は鎌倉ではなく何故か義経終焉の地東北((東北は前九年の役・後三年の役で源氏宗家が討伐の総大将を務め、勢力を拡大しようとして朝廷によって奥州藤原氏に成果を持っていかれた所であるので源氏としては縁が無いということは無いが。))。ただしこの時点で既に十分ボケが入っているためか、所属武将のラインナップ自体は普通(多少時代の下った北条時宗がいるが)で、源平合戦中は鎌倉に籠って地場固めを行っていた当主の頼朝は魅力が低く城守のみが高めで、前線で華々しい戦果を挙げながら最終的には頼朝に粛清された源義経・木曽義仲は能力が高いが忠義が低く抑えられているといった、ステレオタイプな設定になっている。当主の能力が低く土地も痩せててパッとしないように見えるが最北端のため立地がかなり良く意外と初心者向けの勢力。 -伊達政宗 --普通の大名。支配地は陸前と磐城、配下武将も片倉景綱、伊達成実などを揃えておりこれといった突っ込みどころはない。ただし、収入が少ない・工作忍者があまり優秀でないという弱点がある。 -上杉謙信 --普通の大名。配下武将の能力はいずれも高い上、兵種のバランスも良い。謙信も全武将中最高の戦闘99を誇り、当主としては最強クラスとイメージ通り。ただし年齢が28歳と妙に若い。また「軒猿」という精強な忍者集団を抱えていたとされる上杉家だが、工作忍者は少ない上に能力も低く''何故か尼子家の家臣であるはずの立原久綱がいる''。優秀な忍者武将の宇佐美にその名残を残す。 -武田信玄 --普通の(ry。武田信玄自身の能力は最強クラスで、配下にも騎馬が多いのも史実通り。ただしお館様が謙信同様29歳とやはり若い。また、主力である騎馬は生産コストが高く立地も四方八方から攻められやすい悪さのため、意外と難易度が高い勢力。 --上杉謙信と敵対しているのは史実と同じ。なおHARAKIRIでの敵対理由は''謙信が送ってきてくれた塩をCHA-NO-YUで使う砂糖と間違えて使ったから''。 -''三船徳川'' --何故か三船敏郎((西洋ではサムライムービーのせいでミフネはサムライの代名詞であり、ウィザードリィでも最強のサムライ(雑魚敵扱いの為、無限に湧くが)と扱われている。))と融合した内府徳川家康。彼が徳川家康を演じてでもいるのだろうか ---三船敏郎がアメリカにその名を知らしめたドラマ『将軍 SHOGUN』では徳川家康をモデルにした吉井虎長という役名で出演しているので、これを意識している可能性はある。%%それでも三船徳川はないだろう%%((余談だが、『将軍』は「(れっきとした)外国人が作った日本を舞台とした作品」である。)) --ムービースターだからか能力値が全体的に高い。ただしそれ以外は、城攻だけは苦手だったり支配地は関東((ゲーム画面で見ると武蔵・相模・下総・上総・安房の現在で言う南関東一帯あたり))だったりと史実通り。家臣は最強クラスの騎馬である本多忠勝の他、徳川秀忠、酒井忠次など優秀な足軽が揃っている。強いておかしな所を上げるとすれば石川数正の忠義が高いくらいか。 ---''SHOGUNの先祖がいるならそもそもこんな戦乱は起こらないはずでは?''と突っ込んでしまう。 -織田信長 --普通の(ry。特筆すべきは''信長存命中なのに秀吉・三成・光秀らに独立されている''というところ。一般的な戦国関連のゲームでは能力的に優遇されていることが多い信長だが、本作での能力は戦闘以外はいずれも凡庸。配下も多くの武将を下記の秀吉らに引き抜かれているが、残留している武将はなかなか優秀で、特に丹羽長秀、滝川一益が非常に優秀なため、そこまで弱くはない。 --何故か年齢が秀吉・三船徳川より若い。''と言うか信長様今までSHOGUNに従っていたんですか?'' -豊臣秀吉 --普通の(ry。強いて言うなら史実では既に大坂の陣で根絶やしにされたので''存在自体''がおかしいのだが。秀吉自身の能力は城攻99を筆頭に全体的に高く、配下武将も数が多い上いずれも優秀。足軽の福島正則、浪人の黒田如水、侍の豊臣秀長と主力になる武将が強力で、騎馬の加藤清正、鉄砲の半兵衛((言うまでもないが竹中半兵衛(竹中重治)のこと。ゲーム画面上では文字数制限のせいでこのような表記になっている。))などを合わせればどのような相手でも戦える。配下が強く、国力も高いので難易度は島津に次いで低い勢力。だが、''豊臣秀次・秀頼だけは目を覆いたくなるほどの低能力''という欠点を抱えている。 -石田三成 --何故か支配地域が北陸。実戦において冴えないエピソードが多いためか、三成自身の能力は城守以外最低ランクで、特に魅力はたったの5。だが部下は数こそ少ないが精強で、特に島左近と真田昌幸は恐ろしいほど強く、この二人と足軽の小西行長、九鬼嘉隆でほとんどの合戦はどうにかなると言ってもいい。そのため難易度は意外と低い。 -明智光秀 --家臣は斎藤利三、筒井順慶などおおむね史実通りだが領地が西にずれている。明智光秀の能力は魅力以外そこそこ高いのだが、三日天下のイメージが強調されているのか配下の忠義がいずれも低い上に忍者などの兵種がいない。しかも配下の津田信春と一色義有は恥が高く開幕即切腹する可能性があり、優秀な武将の中川清秀、筒井順慶は忠義が特に低く、油断すると即座に引き抜かれるなどマイナス要素ばかりが揃っている。勢力的には雑魚同然の弱さで、おそらく難易度が最も高い勢力。 ---本能だけで生きており、謀反理由も特になく突発的に行ったらしい……。 -毛利元就 --普通の(ry。配下武将・支配地域もおおむね史実通り。大名の毛利元就はかなり強く、配下も多い上それなりの能力。だが毛利元就は''なぜか秀吉・大老井伊よりも若い''。 --切腹の作法を確立させたと言われる、ある意味本作における最重要人物の清水宗治が所属。彼自身はかなり強いが、恥の初期値が高すぎて開始直後にHARAKIRIすることもしばしば。 -''足利尊氏'' --戦国時代と全く関係のない大名(?)その2。さらに何故か伊予以外の四国を支配している。 ---一応阿波で生まれた足利一族の足利義栄が三好家に擁立されて一応室町幕府第14代将軍になったものの、四国とは基本的に関係ない。 --よって本来そこを支配していた三好長慶や長宗我部氏((字数制限の為「長宗我部」としか書かれていないが、知名度からおそらく長宗我部元親を指していると思われる。))は在野の浪人扱いである。 --ダイミョーの尊氏を始めとして所属武将、諜報忍者はいずれもトップレベルに強いわけでもなく、全く使えない程に弱いわけでもないという、「ごくごく普通の能力の面々」ばかり。ネタ枠として出ているはずなのに、最も特徴に欠ける勢力である。 -''平清盛'' --戦国時代と全く関係のない大名(?)その3。しかも支配地域は平家終焉の地壇ノ浦を擁する中国地方西部。数だけでいずれも凡将揃いの中、''平将門''が強いが、史実では殆ど関係のない人物((清盛は将門と対立した伯父・国香の子孫にあたるため、全くの無関係というわけでもない。))。本来の部下はみんな適度に弱い上、忠義も低い。さらに平清盛、平将門以外は兵種が「侍」しかないため、本来の部下を捨て駒・盾にして将門の一撃に賭けるのが基本戦略。 ---しかし将門公を登場させてよく祟られなかったものである。 -北条氏康 --天下の名城小田原城で知られる北条家だが、''何故か九州東部と伊予を支配している''。所属する武将は皆城守に優れている。小田原城が無いくせに……。 --当主の氏康は城守99を筆頭に高い能力を誇る優秀な大名。配下武将も城守だけではなく、他の能力も高い。特に北条早雲が強力。また、諜報忍者が異常に優秀なため工作活動が容易に行えるのも利点。 -''S.小杉'' --戦国時代と全く関係のない大名(?)その4……というか、ニンジャムービースターのショー・コスギ氏。この作品世界では「世界の三船」に並んだと言える。本物のニンジャではないためか、戦闘能力は低め。配下の武将にも五右衛門・鼠小僧など忍者が多いが、中には南蛮兵を率いる天草四郎の姿も。さらに南近江を治めていた六角氏及びその配下達の姿も何故か見られる((当時出ていた信長の野望シリーズでは(そもそも六角氏が出てこない初代を除いて)六角氏が伊賀国の大名にされていたからだと思われる。))。実際のショー・コスギとは全く縁のない九州北部(筑前・筑後・肥前)を支配している。 --配下の忍者武将の能力はいずれも低く、主力を張れるのが高い能力を誇る天草四郎ぐらいしかいないため、戦力的にはかなり厳しい勢力と言える。だが、工作忍者は優秀。 -島津義弘 --普通の(ry。精強な武将を多く抱え、さらに地の果てなので周囲に敵が少ないという地の利があるため非常に強力。元寇と黒船、両方が近辺に登場する可能性がある点を考慮しなければ全大名中最も難易度が低い。 -''大老井伊'' --井伊直弼((大老を務めた井伊姓の人物は直弼を含め5人いるが、知名度や当時のパソコンで「弼」の字が表記できるか怪しいことを考えれば直弼のことを指していると思われる。))。一応史実では大名である。支配地は他の武将が支配していない空白地域であるが、いずれも史実の天領と関係のない場所ばかり。所属武将は江戸期の著名人で構成されており、''青木昆陽''、新井白石((史実では吉宗の将軍就任後に失脚させられ、考案した政策はすべて却下され、オマケに失脚前に立てた功績を記す資料や書物も処分されると言うASONO以上にかわいそうな旗本))、田沼意次、間宮林蔵といった「何でこんな奴らを戦場に送り込むんだ?」と突っ込みたくなるような((一応、田沼と新井に関しては武家であるし、間宮は幕府隠密なので戦と無縁というわけでもないが…))人物のオンパレード。その中に江戸時代とも井伊家とも無関係な千利休((一応、史実では秀吉の怒りを買って切腹に追い込まれているが「タイトルに合わせたネタ要員枠なのか?」と思われている節も。))がなぜかいる。まともなのは井伊直政、井伊直親ぐらい。 --配下武将の数だけはバカみたいに多いが、ほとんどが非戦闘要員ばかりのため、能力はいずれも低い。アテになるのは大岡越前((但し、初期の段階で恥の値が閾値ギリギリなので、早期に恥の値を下げないと数ターンのうちに(高確率で)切腹してしまうのが難点))、由井正雪程度で、大名の直弼も初期年齢が高く能力も凡庸なため難易度は高い。ただし「飛び地だらけとはいえ支配地域数は圧倒的に多い=序盤から資金源が豊富」「やたら堅い大阪城を持つため粘り易い」など悪い所ばかりではなく、他の勢力とは違った戦法・セオリーが求められ、かなり個性的。 ---一応YEDO時代に存在した人物たちなのである意味''存在するべき者たちが最も冷遇されている''というHARAKIRIのカオスさを物語る勢力とも言える。 さらにNPC専用の第三勢力としてランダムで以下の3勢力が出現する。&bold(){たとえ誰かの支配領土であろうともお構いなしに突如侵攻してくる(!)}ため、常に気が抜けない。 -''一向顕如'' --イベント「仏教徒の反乱」で登場する、日本を農民主権の「ジョード」とすべく暗躍する宗教革命軍。要するに一向一揆衆であり、本願寺第十一世の顕如のことであろう((配下武将の一向教如は本願寺第十二世の教如だと思われる))。何故か「一向」が姓になっている。士気は全員99だが兵種が最弱の農民しかおらず、武将も少ないため、あまり強くない。 ---本来なら高いカリスマを有すであろう顕如の魅力が7と異様に低い。多分浄土真宗の方が知ったら怒ると思われる。 -''フビライ'' --イベント「元寇」で主に九州地方に出現するモンゴル軍の長。強力な騎馬民族であるという設定通り、オリジナル兵種の元騎馬兵が強力。ただし、鉄砲隊が一人もいないため相撲レスラーをぶつければ割と簡単に蹂躙することができる。ちなみに現実のモンゴルとは違い、相撲レスラーはいない。 ---YEDO時代には''もう元寇の時のような勢力は残ってないだろ・・・''と突っ込んではいけない。 -''ペリー'' --イベント「黒船来航」で太平洋に面した国に現れる亜米利加第七艦隊の長。高圧的ながら交渉でまとめようとした正史は潔く無視し、''いきなり武力で制圧に来る''。圧倒的な兵力を擁し、旗本並みの戦闘力を誇る南蛮兵と強力な銃の使い手である南蛮鉄砲兵を用いる。 ---一応YEDO末期に来航したが''YOSHIMUNEの時代に日本に干渉してはいないだろ・・・''と(ry #endregion -「恥」という唯一無二? の概念。 --「恥」とは大名に仕える武将自身の恥辱を表すステータスのことで、敵部隊を全滅させる・参加した合戦で勝利することで数値は下がり、逆に部隊を全滅させられる・合戦で敗れれば上がる。また、忍者による工作でも敵武将の恥の数値を上げることが出来る((但し、忍者のコマンドは全部金100と高コスト。しかも、このコマンドを実行すると敵側の忍者といきなりコマンド選択式RPGのような戦闘画面で戦う羽目になる。勝利条件は敵側の忍者を倒すか敗走させればOK))。そして''恥の数値が高くなると、その武将はターン終了時に「これ以上の恥には耐えられぬ」と言い残し切腹してしまう''。((概ね恥の値が70を超えると「ほぼ確実に切腹」の危険性がある。ただし確率による判定のため、閾値を超えた状態のまましばらく生き残ることも多々ある。)) --このゲームでは大名以外のキャラは老衰死しない((CPUが操作する大名が領地を残して死亡した場合は配下の武将が「先代の影武者となった」という設定で後を継ぐ(顔グラフィックは変わらない)が、プレイヤーが操作する大名が死亡した場合は領地や家臣が残っていようが、天下統一目前であろうが問答無用でゲームオーバー。そのため大名の年齢は制限時間とも言え、初期年齢が高い大名ほど効率的にゲームを進めなければならないことになる。なお、大名本人の恥は0で固定のため、(ASONOこそ恥で切腹しているが)大名が恥で切腹してしまうということは起きない。))。また、率いている部隊の全滅こそあれど合戦時の討死という概念も存在しない。そのため死因は切腹のみ。「意味ないじゃん」と思う方も多いだろうが、実は「武将雇用数は最大で20人という上限があるが、武将を解雇するコマンドがない」ため、&bold(){無能な武将は故意に切腹に追い込む必要がある。} --尚、''切腹は自分から命じる事もできる。''実質的な解雇コマンドではあるが切腹させているのでゲーム中は二度と出てこなくなる。例え跡取り息子の秀頼も無能な上に武将雇用数上限を圧迫する枠潰しとして見られると切腹させられることもあるし、他所の武将を引き抜いてから切腹を命じれば実質的な暗殺となる。 --''恥の初期値が高すぎてゲームを始めていきなり切腹する武将もちらほら。''例えば平手政秀。一応史実どおり((念の為に説明すると平手政秀は主君である織田信長の奇行を諌めるため切腹している。))ではある……と言うより、''そのために出したキャラ''のような。 --ランダムで仕官してくる在野の武将を雇うこともできるが、その中にも&bold(){恥の初期値が平気で閾値を越えている者}がおり、雇ったターンに即切腹されてしまうことも。''腹を切るためにわざわざ人の家の庭を借りに来たようなものである''。&s(){もはや「何しに来たんだお前は・・・」とツッコむ以外にない。} --初期段階で恥の数値が高いのは、基本的に史実で切腹した人物だが、中には平清盛の子でありながら、後白河院に降ってただ一人生き延びた平頼盛のように、&bold(){「恥知らずは腹を切って死ね」}といわんばかりの人物もいる。((尚、前述の大岡越前は例外中の例外。ストーリーで徳川吉宗が亡くなっているので、殉死と言う扱いだろうか。また、史実では病没であるが、実際に吉宗没後、その後を追うように同年死去している。)) --元軍や黒船の武将は恥の概念に乏しい外国人であるためか全員恥の初期値は0。ただし''合戦で部隊を全滅させたり、忍者による工作によって恥を上げれば彼らでも例外なくハラキリをしてしまう。'' ---切腹シーンにはグラフィックが表示される。やけにリアルに描写され、無駄にクオリティが高い。((自軍の武将が切腹した場合、何故か「切腹後に"BANZAI”の文字が出てきて、その後に介錯のアニメーションが流れる」というこだわりようである。)) ---これをゲームの主題に持ってきたのがバカゲー扱いされる所以であるが、戦国時代当時のシミュレートという観点で「失敗すると恥をかき、高まりすぎると自発的に切腹する」「他家の謀略によって家中に居たたまれなくなるほどの恥をかかされ、切腹する」という事態は何ら不自然ではない。こちらもコーエー戦国シミュレーションに取り入れられたとしても何の不思議もない。''切腹以外に武将を処分する方法がない''とか、他国の有能な武士を謀略によって切腹させるばかりか''自国の無能な武将を効率的に自発的切腹に追い込む事が重要な戦略のひとつ''という点がおかしいだけである。 ---敵国を滅亡させてその配下を従えたとしても、戦に負けた事で恥が上昇しており、まるで殉死のように大名の跡を追うこともしばしば。ある意味リアルな挙動でもある。 ---他のゲームで例えるならSTGなどで自ら死んでランクを下げる、RPGでポーションがもったいないので死にかけの仲間を放置、と考えてもらえればいい。 -大名を戦争で捕らえた場合、「首を切る」しか出来なくなるが、処刑される事はなく、たとえペリーやフビライであっても「そなた達の手は借りぬ!自刃いたす''&color(#F54738){うぬ゛!}''((原文ママ。赤字で強調される))」と切腹してしまう。 --その後で死んだ大名を家臣達が囲んで悲しむグラフィックが表示されるのだが、奥の掛け軸にはデカデカと''「死」''と書かれている。 -今作では金がかなり重要な作りになっており、何をするにも金が必要。だが、お金さえあればなんでも出来ると言っていい。ただし序盤は金策に苦しむが。 -ランダムで発生するイベントの中には「帝(みかど)が全国の大名に貢物を求める」というものがある。いわゆる入札方式で、最も貢物の額が高い大名の願い事をかなえてくれるのだが、そのラインナップは「冠位を授ける(大名の魅力が上昇)」「''神風を起こす''(指定する国の兵力を激減させる)」「''地震を起こす''(指定する国の城レベルを激減させる)」。金次第で国土に厄災を起こすミカド……。怖い。いろいろな意味で。どこかの団体に訴えられなかったのだろうか…。 --また、これとは別に&bold(){「帝にHANAMIを要求される」}というイベントも有り、&bold(){このイベントをクリアするためには開催金として金200を払う}というえげつないもの。&bold(){このイベントを断ったり、資金が足りない場合は配下の武将全員の恥の値が上昇する}(上昇値はランダム)。できれば遭遇したくないイベントである。 -年代は西暦ではなく年号で表現されているが、''元禄が36年''まで続き、その次が''享保''とムチャクチャになっている。((元禄は17年まで、享保の前には宝永と正徳が挟まる))%%黒船と元寇が同時に来るゲームで何を言ってるんだという話だが%% -武将の兵科は旗本((大名の直属部隊にあたる兵種。))・足軽・侍・''相撲レスラー''・鉄砲・騎馬隊・忍者・''浪人''・''農民''・南蛮兵・南蛮鉄砲兵・元兵・元騎馬兵がある。武将の兵科によって運用する部隊を構成する兵種が決まる。 --能力は低いが価格が安いため序盤から数をそろえやすい足軽と浪人、能力は非常に高いが徴兵コストがかかりすぎるため最初はお荷物になる騎馬隊、間接攻撃が可能な鉄砲隊、数倍の兵力差でも互角以上に戦えるほどの圧倒的な強さを有すが機動力に難がある上に鉄砲には無力な相撲レスラー、逆に機動力以外は並だが鉄砲隊と南蛮鉄砲隊には圧倒的に強い忍者などバリエーションは豊富。おかしな兵科が混じっているような気もするが、細かい突っ込みはきりがないので避けておく。 -合戦の際にはまず防衛側が「一騎討ち」を行うかどうかを選択する。一騎討ちは双方から代表者を出し、負けた側は全兵力の3割程が減少するペナルティが付く(申し込まれた側、つまり侵攻側が一騎討ちを拒否すると全兵力を1割程失う)。ここまではシステム的なものとして容認できるが、その一騎討ちで行われるのは兵科に関係なく''相撲''。相手がペリーだろうとスモウレスリングで勝負。((ちなみに一騎討ちのシーンはまず画面上部で「互いの武将が向かい合って座礼→そのまま立ち上がって戦闘態勢」という一見シリアスなところから始まるが、その直後に「画面下部でスモウレスリングでの戦いを始める」という爆笑ものとなっている。)) --一騎討ちが終わると通常の戦闘場面になる。形式としては極めて普通の戦闘で、特筆すべき点はないが攻防各10ターン(10日)で決着(総大将の部隊を全滅させる、もしくは防衛側の総大将が初期状態で陣取っている本拠地マスを侵攻側の武将が占領する)がつかない場合は防衛側の勝利で戦闘終了。また防衛側は任意のタイミングで「籠城」を選択し、籠城戦に持ち込むことができる((ただし、侵攻を受けた国に武将が一人も配置されていない場合は一騎討ちと野戦をすることなく即座に籠城戦となる他、野戦で防衛側が敗れた場合は自動的に籠城戦に移行する))。 --籠城戦は通常の野戦とはかなり勝手が違い、攻め手が「兵糧攻め」「力攻め」「内応待ち」の3つのうちどれかを選ぶ。敵城への攻撃力は攻め手の「城攻」と守り手の「城守」のパラメータで決まり、城レベルを0にできれば攻め手の勝利で領土を奪える。 ---野戦よりも制限ターン数が短く(籠城戦は3ターンで終了)、防衛側の戦闘能力が低くても城守と城レベルが高ければ余裕で攻め手を撃退できる。ただし、「内応待ち」が決まるとどんな城であろうが簡単に落城するため、油断はできない。 -戦略画面での文字切り替え機能がある。これはバカゲー要素で、たとえば「忠義91 城攻37 城守76」と書いてあるところが「忠義九一 城攻三七 城守七六」と書かれているようなもので、異様に読みづらい。この文章はまだ一行だけだからそれほどでもないが、武将一覧を表示してみると理解できる。後述動画でも紹介されている(7:50ごろ)ので、気になる人は見てみよう。 **評価点 -オープニングでアソノの介錯シーンを作品上の文化施設や風情を交えながら映す。''これだけのためにわざわざフロッピー1枚分''使っており((尤もこれは『抜忍伝説』(ブレイングレイ)から始まった当時の流行であり、本作に限った話ではない。))、無駄にクオリティが高い。 #region(オープニング) &Youtube(https://www.youtube.com/watch?v=2Ha72CuL-wk) #endregion -顔グラフィックなどの美術面は非常にクオリティが高い。織田信長、豊臣秀吉、ペリーなどはよく知られる肖像画の雰囲気を残したまま上手くゲームに落とし込んでいる。 -戦略画面でのBGM変更機能がある。BGMは「大河ドラマ風」「日本風」「''中国風''」の三種類。バカゲー要素ではなく、単調になりがちな戦略級シミュレーションにおいて気分転換まで配慮されているゲームは特筆に値する。フロッピーディスクにゲームを収めなければならなかったこの時代、余計な容量はとことん切りつめられるのが当たり前だった。 --ちなみに本作はかなりの名曲揃いである。特に野戦BGMは熱い。BGMはゲームアーツ作品ではおなじみのメカノアソシエイツが手掛けている。尚、一部の曲がPC88の拡張音源ボードであるサウンドボードⅡに対応している((ProjectEGG配信版はサウンドボードⅡ仕様のBGMが流れる。))。 **問題点 -金食い虫な割に効果が薄い忍者工作 --前述の通り、忍者コマンドは1回の実行で金を100消費し、敵側の忍者とコマンド選択式RPGのような戦闘を行うのだが、&bold(){大抵は敵側が負けそうになると変わり身の術を使い、「今までのは偽物だった」と言いながら同じ名前の忍者が襲ってくる}((ちなみにプレイヤー側も戦闘中の忍術コマンドで使用可能なので結局一緒である。敵側・味方側とも「忍」の横に書いてある数値が忍術の使用可能回数。))と言う展開が起きてなかなか勝たせてはくれず、戦いが長引くと相手が敗走して中途半端に終わる((一応、任務成功扱いにはなるがパラメーターはあまり変化しない))。なんとか敵側の忍者を倒して勝利してもパラメーター数値((使用コマンドが「敵に恥をかかせる」の場合は敵側武将の恥の値が上がり、「敵国を混乱させる」は敵の兵力が下がり、「悪い噂を流す」は敵側武将の忠義の値が下がる))がそれほど大きくは変動しないので、大抵のプレイでは使われない「死にコマンド」と化している。 -一般的な日本史の知識がある程度ないとバカゲーとして楽しむのは困難 --「何を言ってるんだお前は?」と思うかもしれないが、普通の歴史物SLGのスタイルでありながらこれまでにもあちこち出てくる出鱈目な時代考証の各種要素に対し、ツッコミやら可笑しく笑いながら楽しむとなるとある程度日本史の知識がなければ「何処がツッコミ入れたくなるくらいに笑えるのか」を理解するのは無理な話である。 --一般的なバカゲーはこういった一般常識や特定分野の知識を求められることなく楽しめる物が多い(と思われる)のだが、本作の場合はフィクションとは言え歴史物を扱っている関係上どうしても避けられない部分ではある。 **総評 これまでアクションゲームの開発がメインだったゲームアーツにとっては初の戦国SLGという意欲作。だが、既に先駆者もいる中で埋没しないよう取った手段は「外国人がよくやる誤った日本観に基づく出鱈目な時代考証(風味)」に「恥」と「切腹」を加えて主軸にするというある意味突飛もない代物。ゲーム自体は手堅く作られていてSLGとしては及第点だが、節々に現れるバカゲー要素のおかげでそれなりの知名度を得たことで、今も日本のオールドPCゲーマーの間では語り草となっている。現在はProject EGGでも配信されているので「歴史物SLG好きかつぶっ飛んだ世界観が許容できる人」なら一見の価値はあろう。 ---- **余談 -J.S.スタインバーグはHARAKIRI2を計画中としていたが、その後全く製作されているという話は聞かない。 -付属の冊子である「忍者本」だが、&bold(){その内容はもはやマニュアル以上に破天荒なネタ度の高い一品}である。 -登場人物の一部が「[[肖像権上等>クイズ迷探偵NEO&GEO クイズ大捜査線パート2]]」なことで移植・配信が絶望的…と思ったら[[プロジェクトEGGで配信>http://www.amusement-center.com/project/egg/cgi/ecatalog-detail.cgi?contcode=7&product_id=413]]されている。要ソフト価格735円+EGG利用料月額525円。どういうことなの……。 --過去には2006年にアスキーから刊行されたムック、「蘇るPC-8801伝説 永久保存版」の付録ディスクにも収録されている。 -なお、後にゲームアーツがメガCDで発売した戦国SLG『天下布武 ~英雄たちの咆哮~』には本作で培った思考ルーチン等のノウハウが継承されている。 -OPの制作には外注開発会社である日本アートメディアも関与している。 -本作発売後、%%S.小杉%%ショー・コスギが主演、原案、製作に携わった『兜 KABUTO』において、三船敏郎が徳川家康として出演。奇しくも本作が先どった形になった。 ---- **動画 #region(ニコニコ大百科の記述もなかなか充実。) &nicovideo2(sm20029086){340,185} #endregion ----
//「[[修正依頼]]」が出ています。問題点、総評を追記できる方はご協力をお願いします。 //---- *HARAKIRI 【はらきり】 |ジャンル|シミュレーション|~| |対応機種|PC-8801mkIISR以降|~| |開発/発売元|ゲームアーツ|~| |発売日|1990年|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|外人による誤った日本観(という設定)&br()国取りSLGとしては高難易度|~| //PC-9801には対応してないです。PC-88ゲームがプレイ可能なハイブリッドPCのPC-98DOを混同してるのだと思いますが、PC-88モードでのプレイになります。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ゲームアーツが作った戦国SLG。尚、ゲームアーツがPC88シリーズで展開した作品においては本作が最終作でもある。((本作以降はPC98やFM-TOWNSでもソフトを何本か出しているが1992年からはMD/MCDを皮切りにセガのCS機へとプラットフォームを移行している))~ 『日本研究家のアメリカ人「J.S.スタインバーグ」によるデザイン』という前置きがある作品。 -その実は、「誤った日本観に基づく出鱈目な戦国時代設定」という代物。ご丁寧に日本文化にはまるあまり、自分に日本名をつけたという設定まである。その名も「中村横田」。ただし''このスタインバーグ氏は架空の人物''であり、製作に外国人スタッフは関わっていない。すなわちこのゲームに登場する間違った日本観は外国人の勘違いによる産物ではなく、''あくまでバカゲーとしてわざと狙ったものである''。突っ込んだら負けである。 //-ちなみに実際の製作者は宮路武。 //一応、実際の製作者についてはCO。 -前後して、同じように誤った日本観を基にした作品として『[[天外魔境シリーズ]]』が出ているが、ベクトル的には全く違う方向に吹き飛んでいる代物である。 --そもそも天外魔境シリーズは「ジパングという名の日本に似た世界」であり、本作のような「勘違い(のフリ)した日本」とは違う。普通のファンタジーRPGでも、アリアハンやヴァナ・ディールが舞台であり西洋に実在する国ではない。 -他に勘違いした日本観に基づくバカゲーとしては『[[ファーストサムライ]]』が存在するが、あちらはイギリスのヴィヴィド・イメージ社が開発した、本当に外国人の手による作品。わざとか天然かは微妙なところだが。 ---- **ストーリー SAMURAIの統領であるSHOGUNは、毎年全国の有力DAIMYOを呼び集め、桜の鑑賞会HANAMIをおこなった。~ HANAMIにくるDAIMYOは皆、NENGUという貢ぎ物を差し出さねばならなかった。~ HANAMIは、勢力の拡大を行わせないためのSHOGUNの策略でもあった。~ 歴代のSHOGUNの中でも、特にYOSHIMUNEはHANAMIが好きで、DAIMYOたちに命じてサクラが千本も続く見事な並木通りを作らせた。~ 元禄十四年三月十四日の正午、日本で第二の実力者、ASONOはYEDOのKINKAKUJIに向かう途中、~ BLACK-BELT-NINJAに襲われ、MIKADOから預かっていたCHA-NO-YUの道具を壊されてしまった。~ ASONOは、自分の実力を妬むSHOGUNの陰謀であることを見破り、SHOGUNを糾弾しようとした。~ しかし、ASONOの機先を制し、SHOGUNは、ASONOがCHA-NO-YUの道具を壊したことを責める。~ 「CHA-NO-YUの道具一つ預かることのできない田舎マイナーDAIMYOめっ!」と~ 全国から来たDAIMYOたちの前でののしられたASONOは、HAJIを感じる。~ 正しいSAMURAIの礼儀を知るASONOは、あまりのHAJIに堪えきれず、~ その場でHARAKIRI(切腹)をして果てた。~ 第一の家来、KAROであるOH-ISHI以下、ASONOに仕えた四十七人の家来は、~ ARUJIであるASONOが理不尽な理由からHAJIを受けたことを知り、復讐に燃える。~ 四十七人のBUSHIは、BUSHIDOの精神に基づきARUJIの仇を打つことを天に誓った。~ ASONOの死から一年が経ち、再びHANAMIが行われるシーズンがやってきた。~ 城門の外には、SOBAYAに変装したOH-ISHI以下四十七人がいる。~ HANAMIを行うため、城を出てきたSHOGUNを襲い、見事に命を奪い、彼らはASONOの名誉回復に成功した。~ 元禄十五年十二月十四日、SHOGUN-YOSHIMUNEが「桜の廊下」で殺されたこの事件を「四十七人の変」という。~ 跡継ぎがいないうちにSHOGUNが死んだため、SHOGUNのポストは空いたままになった。~ 全国の有名なDAIMYOたちはSHOGUNのポストをねらって争いを始めた。~ そして果てしない大乱の時代が幕を開けた。 #region(突っ込んだら負けではあるがあえての突っ込みどころ一覧) -HANAMIの件は参勤交代のことを指しているようだが、NENGUはDAIMYOが渡す物ではない。 -YOSIMUNEはむしろ倹約家。 --さらに、元禄は西暦1688年~1704年。吉宗の将軍就任期間は1716年~1745年で、元禄より後。元禄年間・忠臣蔵の頃の将軍であれば、徳川綱吉が相当する。 ---一応、江戸時代を扱う架空作品では設定上メジャーなSHOGUNを当てはめることがあるのでYOSHIMUNEが選ばれたのだと思うが……アメリカ人がSHOGUNの個人功績など理解しにくいと思われるし…… -BLACK-BELT-NINJAとあるが、NINJAに黒帯も何も……。 -マイナーDAIMYO(笑) --どうやら外様大名のことを指すらしい。ちなみにこれは昔の洋ゲーではありふれた表現で、有名処では『ウィザードリィ』で使われている。なお、譜代大名はメジャーDAIMYO。 -YEDOにKINKAKUJIはない。 -「茶の湯」 -OH-ISHI以下四十七人の家来ということから、どうやら忠臣蔵が骨子らしい。が、ASONOじゃなくてASANO(浅野長矩)だろ。 -SOBAYAばかり47人もいたら怪しすぎる。((一応、当時は個人で担げる屋台のソバ屋が普通にあったのでソバ屋がいること自体はそこまでおかしくはないと思う…日没後に営業したりもしたらしいので…でも全部ソバ屋と言うのはやはり怪しい…)) //--一応各自が屋台等でそれぞれ待ち伏せしているとは記載されていないので、大型店舗で各自が店員に扮しているならば怪しまれ……いくらYEDOとは言え47人も勤務中の店員がいるSOBAYAなんておかしいか…… --そしてそんな連中に討ち取られるSHOGUN。なんというザル警備。 -城を出てきたのに「桜の廊下」とはどういうわけなのか。((道沿いに一面桜が植えてあるから桜の廊下と呼ばれているのかもしれないが……)) -十二月十四日といえば冬である。HANAMIを行うのは、YEDOは勿論SATUMAでも無理。RYUKYUの花見は寒緋桜という1月~3月に咲く品種で行うが、それでも12月中旬は厳しい。 -仮に後継ぎがいないままSHOGUNが死んでも、尾張、紀州、水戸の御三家から次のSHOGUNが選ばれるはずだが。((吉宗が暗殺されたのなら(時代劇的には)尾張大納言徳川宗春が大喜びで将軍の座を掴むと思われるが、残念ながらゲームに登場しない。水戸黄門はいるのに。そして紀州は(時代劇的に)吉宗の他に有名な人がいないので当然出演者無し。)) --というかSHOGUN暗殺なんて実行したが最後、御三家、親藩、譜代大名、旗本からフルボッコにされて終了なのでは……? --ただし、選べる勢力を考慮すればYEDO幕府のそういった権力維持装置はHARAKIRIでは存在していないのかもしれない。 -''読みにくい。'' #endregion ---- **特徴 -基本システム的にはオーソドックスな戦略シミュレーション。ただし難易度は高め。 --難易度が高くなる要因に大兵力を率いて日本侵攻をしてくる元寇や黒船がいるせいだが。 ---この手の突然発生の第三勢力としては一向一揆もあるがこちらは前述の2勢力ほどの脅威ではない。 -初回ゲーム開始時にレベル(1~5の5段階。1が最も易しい)とプレイ人数(1~4人)を選択する。尚、複数人プレイの場合はターン毎に交代する方式。 --尚、高レベルでゲームを開始するとかなり早い段階で元寇や黒船がやってくる傾向が強い。 -登場人物がめちゃくちゃ。 --まずプレイヤーは自分の分身となる大名を選択するが、そのラインナップは戦国大名のみならず、古くは源平合戦の頃の武将から、幕末、さらには実在する現代の人物すら存在する。またさまざまな時代の人物が混在しているため、一部デフォルトの支配地が史実の支配地域とは全く異なる者もいる。((尚、律令制の国分けはかなり省略されており、支配地域の地名も旧国名に混じって現代の地名が出てくる始末。例えば「武蔵」は「東京」になってたり、「安芸」は「広島」になっている。だが、「信濃」が「軽井沢」だったり、上総・下総・安房が「成田」と一纏めにされているなどツッコミどころ満載なのも存在する。)) ---登場する武将は一応戦国シミュレーションとして押さえておくべき面子が一通り揃ってはいる。が、それらに混じって''千利休''、''一休禅師''、''杉田玄白''、''平賀源内''、''松尾芭蕉''、''ザビエル''、''三浦安針''、''夢窓疎石''といった文化人・学者はともかくとして、''琵琶法師''((職業名であり個人名ではない。))、挙句の果てには''浦島太郎''、''銭形平次''、''子連れ侍''((おそらくは子連れ狼の事であろうが、わざと名前をパロディにしているのは何らかのトラブル回避を考慮してのことだろう。))、''弁天小僧''といった架空の人物まで、色々おかしな名前が混じっている。 //一応、文化人や学者や僧はコーエーのチンギス4にも武将扱いで出ているので・・・ --普通に登場する戦国武将も説明書ではでたらめな説明がなされていたりして一筋縄ではいかない。また浅井長政、朝倉義景、今川義元、長宗我部(後述するが、字数制限のせいでフルネーム表記されていない)、大友宗麟、村上義清など本来なら大名なのに在野の一兵卒に貶められた可哀想な者も多い。 ---ただし、後のコーエー作品でも「英雄集結」などifシナリオという形で、時代設定無視のオールスターで遊べるものを作っていたりする。「早すぎた名作」「(下衆な物言いをすれば)英雄集結はHARAKIRIのパクリ」と言えなくもないだろう。 #region(大名一覧) -''源頼朝'' --戦国時代と全く関係のない大名(?)その1。しかも支配地域は鎌倉ではなく何故か義経終焉の地東北((東北は前九年の役・後三年の役で源氏宗家が討伐の総大将を務め、勢力を拡大しようとして朝廷によって奥州藤原氏に成果を持っていかれた所であるので源氏としては縁が無いということは無いが。))。ただしこの時点で既に十分ボケが入っているためか、所属武将のラインナップ自体は普通(多少時代の下った北条時宗がいるが)で、源平合戦中は鎌倉に籠って地場固めを行っていた当主の頼朝は魅力が低く城守のみが高めで、前線で華々しい戦果を挙げながら最終的には頼朝に粛清された源義経・木曽義仲は能力が高いが忠義が低く抑えられているといった、ステレオタイプな設定になっている。当主の能力が低く土地も痩せててパッとしないように見えるが最北端のため立地がかなり良く意外と初心者向けの勢力。 -伊達政宗 --普通の大名。支配地は陸前と磐城、配下武将も片倉景綱、伊達成実などを揃えておりこれといった突っ込みどころはない。ただし、収入が少ない・工作忍者があまり優秀でないという弱点がある。 -上杉謙信 --普通の大名。配下武将の能力はいずれも高い上、兵種のバランスも良い。謙信も全武将中最高の戦闘99を誇り、当主としては最強クラスとイメージ通り。ただし年齢が28歳と妙に若い。また「軒猿」という精強な忍者集団を抱えていたとされる上杉家だが、工作忍者は少ない上に能力も低く''何故か尼子家の家臣であるはずの立原久綱がいる''。優秀な忍者武将の宇佐美にその名残を残す。 -武田信玄 --普通の(ry。武田信玄自身の能力は最強クラスで、配下にも騎馬が多いのも史実通り。ただしお館様が謙信同様29歳とやはり若い。また、主力である騎馬は生産コストが高く立地も四方八方から攻められやすい悪さのため、意外と難易度が高い勢力。 --上杉謙信と敵対しているのは史実と同じ。なおHARAKIRIでの敵対理由は''謙信が送ってきてくれた塩をCHA-NO-YUで使う砂糖と間違えて使ったから''。 -''三船徳川'' --何故か三船敏郎((西洋ではサムライムービーのせいでミフネはサムライの代名詞であり、ウィザードリィでも最強のサムライ(雑魚敵扱いの為、無限に湧くが)と扱われている。))と融合した内府徳川家康。彼が徳川家康を演じてでもいるのだろうか ---三船敏郎がアメリカにその名を知らしめたドラマ『将軍 SHOGUN』では徳川家康をモデルにした吉井虎長という役名で出演しているので、これを意識している可能性はある。%%それでも三船徳川はないだろう%%((余談だが、『将軍』は「(れっきとした)外国人が作った日本を舞台とした作品」である。)) --ムービースターだからか能力値が全体的に高い。ただしそれ以外は、城攻だけは苦手だったり支配地は関東((ゲーム画面で見ると武蔵・相模・下総・上総・安房の現在で言う南関東一帯あたり))だったりと史実通り。家臣は最強クラスの騎馬である本多忠勝の他、徳川秀忠、酒井忠次など優秀な足軽が揃っている。強いておかしな所を上げるとすれば石川数正の忠義が高いくらいか。 ---''SHOGUNの先祖がいるならそもそもこんな戦乱は起こらないはずでは?''と突っ込んでしまう。 -織田信長 --普通の(ry。特筆すべきは''信長存命中なのに秀吉・三成・光秀らに独立されている''というところ。一般的な戦国関連のゲームでは能力的に優遇されていることが多い信長だが、本作での能力は戦闘以外はいずれも凡庸。配下も多くの武将を下記の秀吉らに引き抜かれているが、残留している武将はなかなか優秀で、特に丹羽長秀、滝川一益が非常に優秀なため、そこまで弱くはない。 --何故か年齢が秀吉・三船徳川より若い。''と言うか信長様今までSHOGUNに従っていたんですか?'' -豊臣秀吉 --普通の(ry。強いて言うなら史実では既に大坂の陣で根絶やしにされたので''存在自体''がおかしいのだが。秀吉自身の能力は城攻99を筆頭に全体的に高く、配下武将も数が多い上いずれも優秀。足軽の福島正則、浪人の黒田如水、侍の豊臣秀長と主力になる武将が強力で、騎馬の加藤清正、鉄砲の半兵衛((言うまでもないが竹中半兵衛(竹中重治)のこと。ゲーム画面上では文字数制限のせいでこのような表記になっている。))などを合わせればどのような相手でも戦える。配下が強く、国力も高いので難易度は島津に次いで低い勢力。だが、''豊臣秀次・秀頼だけは目を覆いたくなるほどの低能力''という欠点を抱えている。 -石田三成 --何故か支配地域が北陸。実戦において冴えないエピソードが多いためか、三成自身の能力は城守以外最低ランクで、特に魅力はたったの5。だが部下は数こそ少ないが精強で、特に島左近と真田昌幸は恐ろしいほど強く、この二人と足軽の小西行長、九鬼嘉隆でほとんどの合戦はどうにかなると言ってもいい。そのため難易度は意外と低い。 -明智光秀 --家臣は斎藤利三、筒井順慶などおおむね史実通りだが領地が西にずれている。明智光秀の能力は魅力以外そこそこ高いのだが、三日天下のイメージが強調されているのか配下の忠義がいずれも低い上に忍者などの兵種がいない。しかも配下の津田信春と一色義有は恥が高く開幕即切腹する可能性があり、優秀な武将の中川清秀、筒井順慶は忠義が特に低く、油断すると即座に引き抜かれるなどマイナス要素ばかりが揃っている。勢力的には雑魚同然の弱さで、おそらく難易度が最も高い勢力。 ---本能だけで生きており、謀反理由も特になく突発的に行ったらしい……。 -毛利元就 --普通の(ry。配下武将・支配地域もおおむね史実通り。大名の毛利元就はかなり強く、配下も多い上それなりの能力。だが毛利元就は''なぜか秀吉・大老井伊よりも若い''。 --切腹の作法を確立させたと言われる、ある意味本作における最重要人物の清水宗治が所属。彼自身はかなり強いが、恥の初期値が高すぎて開始直後にHARAKIRIすることもしばしば。 -''足利尊氏'' --戦国時代と全く関係のない大名(?)その2。さらに何故か伊予以外の四国を支配している。 ---一応阿波で生まれた足利一族の足利義栄が三好家に擁立されて一応室町幕府第14代将軍になったものの、四国とは基本的に関係ない。 --よって本来そこを支配していた三好長慶や長宗我部氏((字数制限の為「長宗我部」としか書かれていないが、知名度からおそらく長宗我部元親を指していると思われる。))は在野の浪人扱いである。 --ダイミョーの尊氏を始めとして所属武将、諜報忍者はいずれもトップレベルに強いわけでもなく、全く使えない程に弱いわけでもないという、「ごくごく普通の能力の面々」ばかり。ネタ枠として出ているはずなのに、最も特徴に欠ける勢力である。 -''平清盛'' --戦国時代と全く関係のない大名(?)その3。しかも支配地域は平家終焉の地壇ノ浦を擁する中国地方西部。数だけでいずれも凡将揃いの中、''平将門''が強いが、史実では殆ど関係のない人物((清盛は将門と対立した伯父・国香の子孫にあたるため、全くの無関係というわけでもない。))。本来の部下はみんな適度に弱い上、忠義も低い。さらに平清盛、平将門以外は兵種が「侍」しかないため、本来の部下を捨て駒・盾にして将門の一撃に賭けるのが基本戦略。 ---しかし将門公を登場させてよく祟られなかったものである。 -北条氏康 --天下の名城小田原城で知られる北条家だが、''何故か九州東部と伊予を支配している''。所属する武将は皆城守に優れている。小田原城が無いくせに……。 --当主の氏康は城守99を筆頭に高い能力を誇る優秀な大名。配下武将も城守だけではなく、他の能力も高い。特に北条早雲が強力。また、諜報忍者が異常に優秀なため工作活動が容易に行えるのも利点。 -''S.小杉'' --戦国時代と全く関係のない大名(?)その4……というか、ニンジャムービースターのショー・コスギ氏。この作品世界では「世界の三船」に並んだと言える。本物のニンジャではないためか、戦闘能力は低め。配下の武将にも五右衛門・鼠小僧など忍者が多いが、中には南蛮兵を率いる天草四郎の姿も。さらに南近江を治めていた六角氏及びその配下達の姿も何故か見られる((当時出ていた信長の野望シリーズでは(そもそも六角氏が出てこない初代を除いて)六角氏が伊賀国の大名にされていたからだと思われる。))。実際のショー・コスギとは全く縁のない九州北部(筑前・筑後・肥前)を支配している。 --配下の忍者武将の能力はいずれも低く、主力を張れるのが高い能力を誇る天草四郎ぐらいしかいないため、戦力的にはかなり厳しい勢力と言える。だが、工作忍者は優秀。 -島津義弘 --普通の(ry。精強な武将を多く抱え、さらに地の果てなので周囲に敵が少ないという地の利があるため非常に強力。元寇と黒船、両方が近辺に登場する可能性がある点を考慮しなければ全大名中最も難易度が低い。 -''大老井伊'' --井伊直弼((大老を務めた井伊姓の人物は直弼を含め5人いるが、知名度や当時のパソコンで「弼」の字が表記できるか怪しいことを考えれば直弼のことを指していると思われる。))。一応史実では大名である。支配地は他の武将が支配していない空白地域であるが、いずれも史実の天領と関係のない場所ばかり。所属武将は江戸期の著名人で構成されており、''青木昆陽''、新井白石((史実では吉宗の将軍就任後に失脚させられ、考案した政策はすべて却下され、オマケに失脚前に立てた功績を記す資料や書物も処分されると言うASONO以上にかわいそうな旗本))、田沼意次、間宮林蔵といった「何でこんな奴らを戦場に送り込むんだ?」と突っ込みたくなるような((一応、田沼と新井に関しては武家であるし、間宮は幕府隠密なので戦と無縁というわけでもないが…))人物のオンパレード。その中に江戸時代とも井伊家とも無関係な千利休((一応、史実では秀吉の怒りを買って切腹に追い込まれているが「タイトルに合わせたネタ要員枠なのか?」と思われている節も。))がなぜかいる。まともなのは井伊直政、井伊直親ぐらい。 --配下武将の数だけはバカみたいに多いが、ほとんどが非戦闘要員ばかりのため、能力はいずれも低い。アテになるのは大岡越前((但し、初期の段階で恥の値が閾値ギリギリなので、早期に恥の値を下げないと数ターンのうちに(高確率で)切腹してしまうのが難点))、由井正雪程度で、大名の直弼も初期年齢が高く能力も凡庸なため難易度は高い。ただし「飛び地だらけとはいえ支配地域数は圧倒的に多い=序盤から資金源が豊富」「やたら堅い大阪城を持つため粘り易い」など悪い所ばかりではなく、他の勢力とは違った戦法・セオリーが求められ、かなり個性的。 ---一応YEDO時代に存在した人物たちなのである意味''存在するべき者たちが最も冷遇されている''というHARAKIRIのカオスさを物語る勢力とも言える。 さらにNPC専用の第三勢力としてランダムで以下の3勢力が出現する。&bold(){たとえ誰かの支配領土であろうともお構いなしに突如侵攻してくる(!)}ため、常に気が抜けない。 -''一向顕如'' --イベント「仏教徒の反乱」で登場する、日本を農民主権の「ジョード」とすべく暗躍する宗教革命軍。要するに一向一揆衆であり、本願寺第十一世の顕如のことであろう((配下武将の一向教如は本願寺第十二世の教如だと思われる))。何故か「一向」が姓になっている。士気は全員99だが兵種が最弱の農民しかおらず、武将も少ないため、あまり強くない。 ---本来なら高いカリスマを有すであろう顕如の魅力が7と異様に低い。多分浄土真宗の方が知ったら怒ると思われる。 -''フビライ'' --イベント「元寇」で主に九州地方に出現するモンゴル軍の長。強力な騎馬民族であるという設定通り、オリジナル兵種の元騎馬兵が強力。ただし、鉄砲隊が一人もいないため相撲レスラーをぶつければ割と簡単に蹂躙することができる。ちなみに現実のモンゴルとは違い、相撲レスラーはいない。 ---YEDO時代には''もう元寇の時のような勢力は残ってないだろ・・・''と突っ込んではいけない。 -''ペリー'' --イベント「黒船来航」で太平洋に面した国に現れる亜米利加第七艦隊の長。高圧的ながら交渉でまとめようとした正史は潔く無視し、''いきなり武力で制圧に来る''。圧倒的な兵力を擁し、旗本並みの戦闘力を誇る南蛮兵と強力な銃の使い手である南蛮鉄砲兵を用いる。 ---一応YEDO末期に来航したが''YOSHIMUNEの時代に日本に干渉してはいないだろ・・・''と(ry #endregion -「恥」という唯一無二? の概念。 --「恥」とは大名に仕える武将自身の恥辱を表すステータスのことで、敵部隊を全滅させる・参加した合戦で勝利することで数値は下がり、逆に部隊を全滅させられる・合戦で敗れれば上がる。また、忍者による工作でも敵武将の恥の数値を上げることが出来る((但し、忍者のコマンドは全部金100と高コスト。しかも、このコマンドを実行すると敵側の忍者といきなりコマンド選択式RPGのような戦闘画面で戦う羽目になる。勝利条件は敵側の忍者を倒すか敗走させればOK))。そして''恥の数値が高くなると、その武将はターン終了時に「これ以上の恥には耐えられぬ」と言い残し切腹してしまう''。((概ね恥の値が70を超えると「ほぼ確実に切腹」の危険性がある。ただし確率による判定のため、閾値を超えた状態のまましばらく生き残ることも多々ある。)) --このゲームでは大名以外のキャラは老衰死しない((CPUが操作する大名が領地を残して死亡した場合は配下の武将が「先代の影武者となった」という設定で後を継ぐ(顔グラフィックは変わらない)が、プレイヤーが操作する大名が死亡した場合は領地や家臣が残っていようが、天下統一目前であろうが問答無用でゲームオーバー。そのため大名の年齢は制限時間とも言え、初期年齢が高い大名ほど効率的にゲームを進めなければならないことになる。なお、大名本人の恥は0で固定のため、(ASONOこそ恥で切腹しているが)大名が恥で切腹してしまうということは起きない。))。また、率いている部隊の全滅こそあれど合戦時の討死という概念も存在しない。そのため死因は切腹のみ。「意味ないじゃん」と思う方も多いだろうが、実は「武将雇用数は最大で20人という上限があるが、武将を解雇するコマンドがない」ため、&bold(){無能な武将は故意に切腹に追い込む必要がある。} --尚、''切腹は自分から命じる事もできる。''実質的な解雇コマンドではあるが切腹させているのでゲーム中は二度と出てこなくなる。例え跡取り息子の秀頼も無能な上に武将雇用数上限を圧迫する枠潰しとして見られると切腹させられることもあるし、他所の武将を引き抜いてから切腹を命じれば実質的な暗殺となる。 --''恥の初期値が高すぎてゲームを始めていきなり切腹する武将もちらほら。''例えば平手政秀。一応史実どおり((念の為に説明すると平手政秀は主君である織田信長の奇行を諌めるため切腹している。))ではある……と言うより、''そのために出したキャラ''のような。 --ランダムで仕官してくる在野の武将を雇うこともできるが、その中にも&bold(){恥の初期値が平気で閾値を越えている者}がおり、雇ったターンに即切腹されてしまうことも。''腹を切るためにわざわざ人の家の庭を借りに来たようなものである''。&s(){もはや「何しに来たんだお前は・・・」とツッコむ以外にない。} --初期段階で恥の数値が高いのは、基本的に史実で切腹した人物だが、中には平清盛の子でありながら、後白河院に降ってただ一人生き延びた平頼盛のように、&bold(){「恥知らずは腹を切って死ね」}といわんばかりの人物もいる。((尚、前述の大岡越前は例外中の例外。ストーリーで徳川吉宗が亡くなっているので、殉死と言う扱いだろうか。また、史実では病没であるが、実際に吉宗没後、その後を追うように同年死去している。)) --元軍や黒船の武将は恥の概念に乏しい外国人であるためか全員恥の初期値は0。ただし''合戦で部隊を全滅させたり、忍者による工作によって恥を上げれば彼らでも例外なくハラキリをしてしまう。'' ---切腹シーンにはグラフィックが表示される。やけにリアルに描写され、無駄にクオリティが高い。((自軍の武将が切腹した場合、何故か「切腹後に"BANZAI”の文字が出てきて、その後に介錯のアニメーションが流れる」というこだわりようである。)) ---これをゲームの主題に持ってきたのがバカゲー扱いされる所以であるが、戦国時代当時のシミュレートという観点で「失敗すると恥をかき、高まりすぎると自発的に切腹する」「他家の謀略によって家中に居たたまれなくなるほどの恥をかかされ、切腹する」という事態は何ら不自然ではない。こちらもコーエー戦国シミュレーションに取り入れられたとしても何の不思議もない。''切腹以外に武将を処分する方法がない''とか、他国の有能な武士を謀略によって切腹させるばかりか''自国の無能な武将を効率的に自発的切腹に追い込む事が重要な戦略のひとつ''という点がおかしいだけである。 ---敵国を滅亡させてその配下を従えたとしても、戦に負けた事で恥が上昇しており、まるで殉死のように大名の跡を追うこともしばしば。ある意味リアルな挙動でもある。 ---他のゲームで例えるならSTGなどで自ら死んでランクを下げる、RPGでポーションがもったいないので死にかけの仲間を放置、と考えてもらえればいい。 -大名を戦争で捕らえた場合、「首を切る」しか出来なくなるが、処刑される事はなく、たとえペリーやフビライであっても「そなた達の手は借りぬ!自刃いたす''&color(#F54738){うぬ゛!}''((原文ママ。赤字で強調される))」と切腹してしまう。 --その後で死んだ大名を家臣達が囲んで悲しむグラフィックが表示されるのだが、奥の掛け軸にはデカデカと''「死」''と書かれている。 -今作では金がかなり重要な作りになっており、何をするにも金が必要。だが、お金さえあればなんでも出来ると言っていい。ただし序盤は金策に苦しむが。 -ランダムで発生するイベントの中には「帝(みかど)が全国の大名に貢物を求める」というものがある。いわゆる入札方式で、最も貢物の額が高い大名の願い事をかなえてくれるのだが、そのラインナップは「冠位を授ける(大名の魅力が上昇)」「''神風を起こす''(指定する国の兵力を激減させる)」「''地震を起こす''(指定する国の城レベルを激減させる)」。金次第で国土に厄災を起こすミカド……。怖い。いろいろな意味で。どこかの団体に訴えられなかったのだろうか…。 --また、これとは別に&bold(){「帝にHANAMIを要求される」}というイベントも有り、&bold(){このイベントをクリアするためには開催金として金200を払う}というえげつないもの。&bold(){このイベントを断ったり、資金が足りない場合は配下の武将全員の恥の値が上昇する}(上昇値はランダム)。できれば遭遇したくないイベントである。 -年代は西暦ではなく年号で表現されているが、''元禄が36年''まで続き、その次が''享保''とムチャクチャになっている。((元禄は17年まで、享保の前には宝永と正徳が挟まる))%%黒船と元寇が同時に来るゲームで何を言ってるんだという話だが%% -武将の兵科は旗本((大名の直属部隊にあたる兵種。))・足軽・侍・''相撲レスラー''・鉄砲・騎馬隊・忍者・''浪人''・''農民''・南蛮兵・南蛮鉄砲兵・元兵・元騎馬兵がある。武将の兵科によって運用する部隊を構成する兵種が決まる。 --能力は低いが価格が安いため序盤から数をそろえやすい足軽と浪人、能力は非常に高いが徴兵コストがかかりすぎるため最初はお荷物になる騎馬隊、間接攻撃が可能な鉄砲隊、数倍の兵力差でも互角以上に戦えるほどの圧倒的な強さを有すが機動力に難がある上に鉄砲には無力な相撲レスラー、逆に機動力以外は並だが鉄砲隊と南蛮鉄砲隊には圧倒的に強い忍者などバリエーションは豊富。おかしな兵科が混じっているような気もするが、細かい突っ込みはきりがないので避けておく。 -合戦の際にはまず防衛側が「一騎討ち」を行うかどうかを選択する。一騎討ちは双方から代表者を出し、負けた側は全兵力の3割程が減少するペナルティが付く(申し込まれた側、つまり侵攻側が一騎討ちを拒否すると全兵力を1割程失う)。ここまではシステム的なものとして容認できるが、その一騎討ちで行われるのは兵科に関係なく''相撲''。相手がペリーだろうとスモウレスリングで勝負。((ちなみに一騎討ちのシーンはまず画面上部で「互いの武将が向かい合って座礼→そのまま立ち上がって戦闘態勢」という一見シリアスなところから始まるが、その直後に「画面下部でスモウレスリングでの戦いを始める」という爆笑ものとなっている。)) --一騎討ちが終わると通常の戦闘場面になる。形式としては極めて普通の戦闘で、特筆すべき点はないが攻防各10ターン(10日)で決着(総大将の部隊を全滅させる、もしくは防衛側の総大将が初期状態で陣取っている本拠地マスを侵攻側の武将が占領する)がつかない場合は防衛側の勝利で戦闘終了。また防衛側は任意のタイミングで「籠城」を選択し、籠城戦に持ち込むことができる((ただし、侵攻を受けた国に武将が一人も配置されていない場合は一騎討ちと野戦をすることなく即座に籠城戦となる他、野戦で防衛側が敗れた場合は自動的に籠城戦に移行する))。 --籠城戦は通常の野戦とはかなり勝手が違い、攻め手が「兵糧攻め」「力攻め」「内応待ち」の3つのうちどれかを選ぶ。敵城への攻撃力は攻め手の「城攻」と守り手の「城守」のパラメータで決まり、城レベルを0にできれば攻め手の勝利で領土を奪える。 ---野戦よりも制限ターン数が短く(籠城戦は3ターンで終了)、防衛側の戦闘能力が低くても城守と城レベルが高ければ余裕で攻め手を撃退できる。ただし、「内応待ち」が決まるとどんな城であろうが簡単に落城するため、油断はできない。 -戦略画面での文字切り替え機能がある。これはバカゲー要素で、たとえば「忠義91 城攻37 城守76」と書いてあるところが「忠義九一 城攻三七 城守七六」と書かれているようなもので、異様に読みづらい。この文章はまだ一行だけだからそれほどでもないが、武将一覧を表示してみると理解できる。後述動画でも紹介されている(7:50ごろ)ので、気になる人は見てみよう。 **評価点 -オープニングでアソノの介錯シーンを作品上の文化施設や風情を交えながら映す。''これだけのためにわざわざフロッピー1枚分''使っており((尤もこれは『抜忍伝説』(ブレイングレイ)から始まった当時の流行であり、本作に限った話ではない。))、無駄にクオリティが高い。 #region(オープニング) &Youtube(https://www.youtube.com/watch?v=2Ha72CuL-wk) #endregion -顔グラフィックなどの美術面は非常にクオリティが高い。織田信長、豊臣秀吉、ペリーなどはよく知られる肖像画の雰囲気を残したまま上手くゲームに落とし込んでいる。 -戦略画面でのBGM変更機能がある。BGMは「大河ドラマ風」「日本風」「''中国風''」の三種類。バカゲー要素ではなく、単調になりがちな戦略級シミュレーションにおいて気分転換まで配慮されているゲームは特筆に値する。フロッピーディスクにゲームを収めなければならなかったこの時代、余計な容量はとことん切りつめられるのが当たり前だった。 --ちなみに本作はかなりの名曲揃いである。特に野戦BGMは熱い。BGMはゲームアーツ作品ではおなじみのメカノアソシエイツが手掛けている。尚、一部の曲がPC88の拡張音源ボードであるサウンドボードⅡに対応している((ProjectEGG配信版はサウンドボードⅡ仕様のBGMが流れる。))。 **問題点 -金食い虫な割に効果が薄い忍者工作 --前述の通り、忍者コマンドは1回の実行で金を100消費し、敵側の忍者とコマンド選択式RPGのような戦闘を行うのだが、&bold(){大抵は敵側が負けそうになると変わり身の術を使い、「今までのは偽物だった」と言いながら同じ名前の忍者が襲ってくる}((ちなみにプレイヤー側も戦闘中の忍術コマンドで使用可能なので結局一緒である。敵側・味方側とも「忍」の横に書いてある数値が忍術の使用可能回数。))と言う展開が起きてなかなか勝たせてはくれず、戦いが長引くと相手が敗走して中途半端に終わる((一応、任務成功扱いにはなるがパラメーターはあまり変化しない))。なんとか敵側の忍者を倒して勝利してもパラメーター数値((使用コマンドが「敵に恥をかかせる」の場合は敵側武将の恥の値が上がり、「敵国を混乱させる」は敵の兵力が下がり、「悪い噂を流す」は敵側武将の忠義の値が下がる))がそれほど大きくは変動しないので、大抵のプレイでは使われない「死にコマンド」と化している。 -一般的な日本史の知識がある程度ないとバカゲーとして楽しむのは困難 --「何を言ってるんだお前は?」と思うかもしれないが、普通の歴史物SLGのスタイルでありながらこれまでにもあちこち出てくる出鱈目な時代考証の各種要素に対し、ツッコミやら可笑しく笑いながら楽しむとなるとある程度日本史の知識がなければ「何処がツッコミ入れたくなるくらいに笑えるのか」を理解するのは無理な話である。 --一般的なバカゲーはこういった一般常識や特定分野の知識を求められることなく楽しめる物が多い(と思われる)のだが、本作の場合はフィクションとは言え歴史物を扱っている関係上どうしても避けられない部分ではある。 **総評 これまでアクションゲームの開発がメインだったゲームアーツにとっては初の戦国SLGという意欲作。だが、既に先駆者もいる中で埋没しないよう取った手段は「外国人がよくやる誤った日本観に基づく出鱈目な時代考証(風味)」に「恥」と「切腹」を加えて主軸にするというある意味突飛もない代物。ゲーム自体は手堅く作られていてSLGとしては及第点だが、節々に現れるバカゲー要素のおかげでそれなりの知名度を得たことで、今も日本のオールドPCゲーマーの間では語り草となっている。現在はProject EGGでも配信されているので「歴史物SLG好きかつぶっ飛んだ世界観が許容できる人」なら一見の価値はあろう。 ---- **余談 -J.S.スタインバーグはHARAKIRI2を計画中としていたが、その後全く製作されているという話は聞かない。 -付属の冊子である「忍者本」だが、&bold(){その内容はもはやマニュアル以上に破天荒なネタ度の高い一品}である。 -登場人物の一部が「[[肖像権上等>クイズ迷探偵NEO&GEO クイズ大捜査線パート2]]」なことで移植・配信が絶望的…と思ったら[[プロジェクトEGGで配信>http://www.amusement-center.com/project/egg/cgi/ecatalog-detail.cgi?contcode=7&product_id=413]]されている。要ソフト価格735円+EGG利用料月額525円。どういうことなの……。 --過去には2006年にアスキーから刊行されたムック、「蘇るPC-8801伝説 永久保存版」の付録ディスクにも収録されている。 -なお、後にゲームアーツがメガCDで発売した戦国SLG『天下布武 ~英雄たちの咆哮~』には本作で培った思考ルーチン等のノウハウが継承されている。 -OPの制作には外注開発会社である日本アートメディアも関与している。 -本作発売後、%%S.小杉%%ショー・コスギが主演、原案、製作に携わった『兜 KABUTO』において、三船敏郎が徳川家康として出演。奇しくも本作が先どった形になった。 ---- **動画 #region(ニコニコ大百科の記述もなかなか充実。) &nicovideo2(sm20029086){340,185} #endregion ----

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