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*キャプテン翼IV プロのライバルたち 【きゃぷてんつばさふぉー ぷろのらいばるたち】 |ジャンル|サッカーシミュレーションRPG|&amazon(B000068HCE,image=https://image.middle-edge.jp/medium/8ede49de-6c58-4705-957d-0c148bb6cd26.jpg,height=250)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|12MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|テクモ|~| |発売日|1993年4月3日|~| |定価|9,700円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|演出面の劣化&br()試合時間増加に伴うテンポ悪化(ストーリーのテンポは改善)&br()浮き球バグとレベル変動制でバランス崩壊&br()オリジナルストーリーは(ツッコミどころが多いものの)高評価|~| |>|>|CENTER:''[[キャプテン翼シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 キャプテン翼シリーズの第4作((『III』の直前にGBで発売された『VS』を含めれば第5作目。))。ついにプロ化した翼達の活躍を描くテクモのオリジナルストーリー。~ 前作・前々作と完成度の高い作品が続いたために、その期待も相当のものだったと思われるが…。 **特徴 -ストーリーはシリーズ初のマルチシナリオ形式。各章最後の試合の勝敗により、最終的に4つのシナリオに分岐する。 --分岐に関わる試合はどれも非常に難易度が高く、勝つのは容易ではない。ただし、一度でも経験した分岐試合は、次の周回では勝敗に関係なく分岐先を選べる救済措置もあるため安心。 -オリジナルの主人公キャラクターが登場。展開次第では仲間になる。 -敵選手のレベルが味方の平均及び最大レベルによって変動するようになった。このような仕様はテクモ版キャプテン翼シリーズでも本作のみ。 -殆どの試合が負けても先に進めるようになった(再戦を申し込むことも可能)。ただし終盤は従来通り勝たないと先に進めない試合が多くなる。 -システムは前作からすでに完成されているので、目立った変更点は特になし。 --パス画面が3D風の表示になった。だからどうしたと言ってはいけない。 --こぼれ球に味方と相手の選手が同時に追いつくと、ペナルティエリア外でもせりあいが発生する。しかし…(後述)。 --『VS』で実装された雨の概念が仕様変更のうえで復活。試合中に雨が降ることがあり、選手の能力が下がる。 --ミーティングで相手のレベルやステータスを参照できるようになった。 -ミーティングで作戦が追加された。 --情報を元にした敵チームの対処法を教えてくれて、操作モードを選択できる。 --一人の選手だけを操作できるキャプテンモード、選手交代だけを操作する監督モード(オールスターのみ)が選択できる。 ---- //(2023/01/14追記) // ダイジェスト機能と試合数に関して修正。一部記述の位置を変更。 **問題点 ***演出面 -BGMの劣化。 --前作ではテンポが良く激しいリズムが特徴的な曲が多かったが、今作では環境音楽のような、スピード感のないゆったりとした曲調が多い。 ---曲自体が全て聴くに堪えないほど壊滅しているというわけではないが、サッカーという題材には相応しくない曲が目立つ。 ---特にオールスターは1P・2P共に最も緊張感のない曲が使われており、オールスター特有のお祭り感を考慮してもミスマッチである。せめてBGM選択機能でもあれば多少は良化が図れたのだが… --過去作で人気の曲を採用したのはいいのだが、その劣化ぶりは筆舌に尽くしがたい。名曲として名高い『II』のサンパウロFCと東邦学園、『III』のドイツの曲などは、こんな事になるのなら入れない方が良かったというくらいに酷い。 --前作までと同様にストーリーの進行に応じて自軍・相手共にBGMが切り替わっていくが、このうちDルートのサンパウロの中盤のテーマ(ラテンアメリカカップのブラジル代表のテーマと共有)は数十試合連続で使用される。楽曲自体は本作でも好評な部類だが、さすがに何十試合も変化がないととうんざりしてしまう。 --効果音も前作では「シュバッ!」「ズオオオッ!」という鋭い音を中心としていたのに比べ、今作では「どひゅ~ん」「ずもももも…」という低く重い音が多くなっている。 -試合演出、ビジュアルシーンの劣化。 --全体的に試合の流れがもっさりとしていてテンポが悪い。オマケに試合時間もプロに合わせて40~45分ハーフに増加、1試合当たりのプレイ時間が増加した。 ---競り合いで消費するタイムが増やされているが(10秒→40秒)、それでも前作以上にプレイ時間が長い。 ---40分ハーフで普通に決着を付けた場合、1試合あたりリアルで30分前後かかる。延長戦やPK戦に入ったり、イベントや天候などの要素付加がされた場合更に長くなる。 --前作までは素早い挙動や激しいフラッシュなどで派手さを強調させていたが、今作では動きがトロく演出も控えめ。 ---というより、演出効果がほとんどない。せいぜい足先が光ったり、シュートを打つ時に足を回転させたり、選手がブレて見える程度。 ---特にゲルティスのダークイリュージョンが顕著な例。前作までは暗黒空間の中を輝く光と化して飛行するゲルティスの姿が美しさすら感じる程の派手な演出だったのに、本作では「ゲルティスが異空間へのゲートを開いてその中に姿を消し、また別の場所にゲートを開いて出現してくる」という描写に留まっている。『II』『III』では見る事ができた、ゲートの向こうの暗黒空間内部は描写されない。これではただのワープにしか見えず、「ダークイリュージョン」の技名から期待される光景では無くなっている。 ---前作では敵選手やボールとの接触をフラッシュで表現し、それが接触結果が明示されるまでの「タメ」の効果を生み出していたのだが、本作ではフラッシュが削除された兼ね合いもあり、高いボールのパスやシュートを止めに行く際のジャンプが''ホバリングの如くゆっくりと上昇していく''という非常に不自然なものになった。 --これはボールの動きや必殺シュートも同じで、非常にゆっくりで、山なりで、遅い。 ---雨が降っていると画面処理がやや重くなり、さらにテンポが悪くなる。 ---しかも雨が降っていても、何故か空には雲がない。得点シーンなど一部の一枚絵には雨のパターンが存在せず、快晴のまま。 --カットイン演出も殆どのキャラが一つだけ。前作は表情が変わったり、台詞や必殺ディフェンスでは専用のカットインが多く用意されていたが、今作ではその多くがイベントでしか見られず、数もかなり減っている。 --アナウンサーが選手名を呼ぶ時、前作までと同様に「つばさくん」「ひゅうがくん」など、「くん」付けで呼ぶ。プロの世界に入った以上、大多数の選手は大人なのだが…。 ---世界最高峰のスーパープレイヤーが「ファンベルグくん」、41歳のベテラン選手が「ネルソンくん」などと呼ばれたりするのはさすがに不自然すぎる。 -オープニングは前作を踏襲した構成となっているが、そのせいで上述してきた画面演出・BGM・効果音の劣化具合が一目瞭然となってしまっている。 --『II』以降恒例となっているラスボス匂わせ演出もかなり控えめ。 #region(ネタバレ注意) --主要選手紹介が終わった後、字幕に合わせてストラット(≒イタリア)・ファンベルグ(≒オランダ)・フライハイト(≒ドイツ)のグラフィックが順に表示されるだけ。しかもストラットはイタリア代表ユニフォームではなく、ラテンアメリカカップ仕様のブラジル代表ユニフォームという妙なチョイス。 --日本クラブ選抜を示唆する選手は登場しない。ただし、上述の3人のあとに翼の眼差しのグラフィックが表示されるので、「日本クラブ選抜≒全日本から見たラスボスとなったサンパウロの翼」と無理矢理解釈できなくもないが。 #endregion -選手のカットインや反則発生時のジングルが試合中以外のイベントシーンでも多用されており、合わせるようにカットインの躍動感やジングルの緊迫感が薄れている。 -チーム名表記の統一性の無さ。 --「南武大フースバル」と「スクデットジャパン」のチーム名は短縮されたりされなかったりする。 ---試合前の対戦表示では「南武大フースバル」だが、試合でアナウンサーの呼称は「フースバル」のみ。&br() ただ「なんぶだいフースバル」表記(10文字)では文字数オーバーなので仕方ない面もある。 ---片やスクデットジャパンの場合、アナウンサーはちゃんとフルネームで「スクデットジャパン」と呼ぶのに試合前の対戦表示では「スクデット」のみ。ジャパンを「J」にするなど略されての表記すらされていない。 --この仕様は「日本クラブ選抜」にも当てはまる。試合前の対戦表示は「日本クラブ選抜」とフルネームであるのに対し、試合中は「日本」の表記が省略されて「クラブせんばつ」とアナウンスされる。 ---ちなみに後半から三杉が登場する際のアナウンスでは、「にほんは せんしゅをかえます」というように「にほん」と表現している。 -アルゼンチンでディアスのパートナーだったパスカルがオールスターで使えるようになったものの、&bold(){必殺ワンツー『アルゼンチン(ゴールデン)コンビ』が使えないどころか全く技なし}というあんまりな扱い。 -キャラ毎の顔グラフィックの扱い。 --立花兄弟がフィールドではモブ顔扱い(その他大勢顔)になってしまった。一応、技や対峙した時のカットインでは顔が出るのが救いだが。 --他にも後述の面々がフィールドでモブ顔に降格させられている。それ以外にザガロやネイなどもこの対象になっており、それに合わせるように能力も劣化した。 ---ただそんな中でアマラウとドトールは技のないキャラにもかかわらずちゃんと固有の顔((ドトールは今まで通り来生タイプのパーマ型、アマラウは前作まで浦辺タイプだったが何故か井沢のような長髪タイプになった。))が与えられ、地味に厚遇されている。またパスカルやバビントンも実力はモブ級になったにもかかわらず、顔はちゃんと維持されている。 ---その一方でユース時代からチームメイトということで特別な存在であるはずのジウはモブ顔に容赦なく降格させられている(前作までは岬顔だった)。ストラットの登場により霞んだには違いないが、ストラットや翼、石崎抜きにすればチーム内ではダイレクトシュートではトップクラスである上、翼との付き合いの長さなどもあって多少は特別扱いする価値はあるはずなのだが… ---そのくせサンパウロ内では最弱級のDFベルナルドが固有の顔(早田のような角刈りタイプ)になっている。 --浦辺型のカットインも追加されたが、今作初登場の金髪外人キャラのマッツォ1人にしか使われておらず、他はサンパウロのジュニエールはおろか''浦辺本人でさえ''そもそもカットインが入るイベントが存在しない。 --キーパーキャラとして地味ながら存在感のあった中西をオールスター限定ながらはじめてプレイヤーが使えるようになったのはファンとしては嬉しいはずなのだが、フィールド上のみながら専用顔グラフィックがあった『II』とは違い、無名キーパー同様顔なし(相手選手接近時に表示される背中側の立ち絵と共有)になってしまっている。オールスターのエディットで選べる選手の中で唯一の顔なしキーパーという、これまたあんまりな扱い。 ---過去作では『II』のポーランドのGKジャイッチが中西の色変えだったが、今作ではジャイッチも登場しない。もし中西に専用顔があったらついでに出演できていたかも? ---その一方でフランス代表の迷GK・アモロには金髪の森崎顔があてられている((原作のアモロは茶髪であり、髪型や輪郭も森崎とは異なっている。また、本作ではラムカーネもアモロ同様に金髪森崎顔となっている(前作では茶髪だった)。))。 //---ただ、中西は非常に特徴的な顔をしているため他キーパーの流用が効かず、専用の顔を作らなければならないのだが、中西自身そこまでするほどのキーパーかと言うと……という事情は察せられる。 //『II』ではちゃんと顔が用意されてたからこれは当てはまらないかと -中国のリ兄弟(ハンネ・バンクン)による高いボールの必殺シュート『昇龍脚』が「さあツッコんでくれ」と言わんばかりの変貌ぶり。 --『II』初登場からずっと「兄弟二人がタテに重なり、相方の肩の上からジャンプしてボレーシュート」というものだったが、本作ではジャンプまでは同じだが、そこからヘディングしている。これじゃ&bold(){『昇龍脚』ではなく『昇龍頭』}である。 -立花兄弟(次藤が必要)の新技がツッコミどころしかない。 #region(ネタバレ注意) -技名『スカイラブストーム』でガッツ370消費するドリブル状態からのシュート技。まず地上から「政夫or和夫が次藤にパス」→「次藤がスライディングのような姿勢で蹴り返す」→「政夫と和夫が''地上から自力で大ジャンプし''前転ツインシュートをする」というもので『スカイラブ』要素が皆無。&s(){ブースターシュートかパンサーストリームのパクリですか?わざわざパスしてリターンしなくても普通に次藤から蹴ればいいんじゃない?そもそも普通に浮き球に向かって前転ツインでいいんじゃない?} --しかも、元々立花兄弟自体ステータスが低めなのでガッツ消費量がムダに大きいだけでほとんど役に立たない。まだ高いボールで繰り出せる新技『時間差スカイラブ』の方が使い勝手がいい(「『スカイラブツイン』が低いボールしか出せないため高いボールに弱い」という弱点が補われる)。 ---なお、これができる以上絶対できるはずの「前転シュート」「前転ツインシュート」は使えない。あったとしても実戦で選択するかどうかは微妙だが、やはり「合体技はあるのに単独技が無い」というのは不自然である。 --社内や原作者あたりから「これスカイラブじゃないじゃん」とツッコミでもあったのか、次作ではちゃんとスカイラブ要素を持った『スカイラブタイフーン』に変えられた。 ---ただ、スカイラブタイフーンができるなら絶対使えるはずのオーバーヘッドキックとダイビングボレーは例によって無い。 #endregion ***ゲームシステム面 -試合数が(無駄に)多い。 --第1部は3試合と少ないが、第2部以降はシナリオによって差があるものの10試合前後をこなさなければならない。試合ごとに特徴的な敵選手やイベントが用意されているなら盛り上がるのだが、「''試合中にイベントが何もない''」「''相手全員が顔なしのモブキャラ''」といった消化試合が多く、作業感が強い。 ---そんな試合でも、後述の浮き球バグとレベル変動制への対策として、味方選手の起用や配置、試合中の指示を計画的に行う必要があるため、ひたすら面倒。 -ダイジェスト機能の落とし穴 --2周目以降では試合をダイジェストで飛ばすことができる。ただし、第1部と第2部のクリア済みの通常試合しか飛ばせない。 ---また、''必殺技を覚える試合を飛ばすと修得できなくなる''ため、無闇に飛ばしているとかえって不利になってしまう。一応敵選手の必殺技修得も飛ばせるのだが、一度はイベントを見ておかないとオールスターモードに登録されない。 --本来なら周回プレイの際に時間短縮を図る目的で搭載された機能と思われるが、上記の問題点により使い方が難しくなっている。 -周回プレイを始めるときの第1試合で敵のレベルがとてつもなく高くなるバグがある。 --前回クリア後の最終戦の敵レベルを引き継いでしまっているのが原因。確実に負けるが、再戦を申し込まなければレベルは元に戻る。 ---取り扱い説明書には''さも仕様であるかのように書かれている。'' --エンディング後、タイトル画面に戻ったらそのままコンテニューを選ばず一度リセットすれば普通に初期レベルで始まる。 -反則によるイエローカード・レッドカードやオフサイドがない、トリカゴを防ぐのが難しいといった問題点は相変わらずである。 --オフサイドは続編の『V』でようやく採用された。 -必殺シュートの消費ガッツが全体的に増加。 --今作では必殺ドリブル突破や通常浮き球シュートにより低コストで得点しやすくなっているため、必殺シュートは相対的に扱いにくくなった。 --ただしドリブルからの必殺シュートは1対1、FK、CKで成功率をある程度高めることは可能。得点源を必殺シュートに頼る選手もいる為、完全に存在意義がなくなったわけではない。 --一部の浮き球シュートが非常に使いにくい。 ---ツインシュート系の浮き球シュートが頻繁にポストに当たる。過去作でも浮き球シュートがポストに当たる光景はしばしば見られたが、本作ではあまりにも頻度が高く消費ガッツの高さも相まって地雷認定すらされている。 ---ツインシュートがポストに当たりやすいのは過去作からの仕様で、今作だけが飛びぬけて高いわけでもない。消費ガッツは全体的に高いが、岬のオーバーヘッドツインなど低くなったものもある。 ---日向のタイガーオーバーヘッド(低いボールでの低空オーバーヘッド技)は消費ガッツが490と異常に高いのに威力がかなり低く、''浮き球バグ補正を以てすら弾かれる可能性がある''という相当なガッカリ性能。前作でも消費の多さの割に威力が低かった難点は同じだが消費ガッツが増して劣悪性能なまま燃費だけが更に重くなった。((前作ではネオタイガーと同じ370だったのだが、今回ははじめからライトニングタイガー(490消費)を持っているのでそれに合わせられたものと思われる。))燃費最悪なので普通のボレーシュートを打つかパスなりスルーなりして次のチャンスを待ったほうがいい。 --なお、必殺シュート以外の必殺技の消費ガッツは、ほぼ前作の『III』を踏襲している。また、オーバーヘッドキックは10増加したのみ。 -追加必殺技に一部微妙なものが存在する。 --イベントでやたら引っ張る割に燃費と決定率が見合わない新田のファルコンクロウやマウリシオのジョルトシュート、心臓病でガッツ管理に気を遣わないといけないのに490も消費する三杉のムーンスライダーなどが代表例。 --ピエールとナポレオンは『III』同様シュペルエッフェルという必殺ワンツーを所持している。ルートによってはエッフェルワインダーと言う新ワンツーを修得するが、性能差はほぼ感じられず、シュペルエッフェルと何が違うのか全く分からない。シュートやパスと異なり、ボールの軌道を変化させるなどの演出もないため、本当に識別不可能である。そもそも2人の連携に磨きをかけたかったなら、スライダーキャノンを上回る新ツインシュートを編み出す方が早かったのではないか…? ---翼&岬のゴールデンコンビや日向&沢田の東邦コンビなどにも言えることだが、必殺ワンツーは技の名称や使用する選手の組み合わせが異なるだけで、画面上は全て通常ワンツーの2往復バージョンであり変わり映えしない。まして同一のコンビが複数の必殺ワンツーを持っていても、単なる枠の無駄遣いに感じてしまう。 -一部の必殺技は、追加必殺技を修得してしまうと2度と使えなくなる。(ドラゴンタイガー修得でライトニングタイガー消滅など) --翼のサイクロンだけは、イベントと矛盾しないためか、2周目でネオサイクロンに戻る(オールスターでは使用可能)。 -ガッツの回復の仕方。 --ベンチにいる選手はなぜかガッツが回復しない(ハーフタイムでも)。ベンチに引っ込んだキャラのガッツはゼロのままなのに、フィールドでボーッと突っ立っていたキャラは300くらい回復している、といったことになる。 ---ベンチに引っ込めた選手はもう交代できないので実害はない。 -一部挙動がおかしい。 --敵選手をマーク指定しても離れた所に行ってしまう。マークを外してディフェンスモードをプレスにする方が遙かにボールを奪いやすい。 --画面が切り替わった時にフィールド上の選手達が大移動してしまうことがある。キックオフ後すぐパスした際などに起こると戦略が狂う。 --ストラットがサンパウロ退団後にヨーロッパ遠征に行くルートで、GKのレナートの能力値がなぜか森崎と同じになっている。 ---パラメータが1か2違う程度なのでほぼ影響はない。ちなみにレベルは前章からそのまま引き継ぐので、前章でメオンを使用していてレナートのレベルが低いと苦戦する。 --ラスボスのイタリア戦もおかしい。試合前の会話で翼が「もうネオサイクロンは使わない」と宣言するのだが、試合中は普通に使えるし、「今は言えない」と含みのある発言をするにもかかわらず新必殺技を覚えたりもしない。 ---必殺ヘッドを持つランピオンがなぜかMF(7番だがフォーメーションがツートップのため)、しかもサイド際に追いやられている。彼を追いやって前線にいるFW11番リベリとトップ下の10番ジャシントは、共同必殺技の「ツインタックル」しか持っていない。ポジションが根本的に間違っている。 ---フォーメーションとの整合性が取れていないせい(オーソドックスなら本来のポジションになる)で本来のポジションと違ってしまっているのは他に、本来DFだが5番でツートップのせいでMFになっている東都大SVの次藤やクルゼイロのドトール。本来ならFWなのにブラジルタイプで11番のためMFになっているバスコ・ダ・ガマのザガロなどがいる((設定上ではやはりザガロはFWという認識のようでバスコ・ダ・ガマ戦で試合前にロベルトに情報を聞くと「FWザガロが得点し」と言う))。 -オールスターで加入するキャラとシナリオが一部合致していない。 #region(ネタバレ注意) -下記Aルート(全勝)の場合、準決勝でドイツと戦うのだが、そこで登場するポブルセンは「マーダーショット」や「フレームドリブル」といったラフファイタータイプの選手(加えて性格も非情に攻撃的)であり、このような選手は魅力を感じて対戦などでは使いたくなるものである(好みにもよるが)。 --だが、その試合の後、オールスターのエディットチーム対象に入っていると期待してみるや&bold(){彼の姿はなく入っているのは見知らぬフライハイト}。一応、ポブルセンもナショナルチームでドイツを選べば使えるが大抵の者はモブ選手が混じるクラブチームやナショナルチームよりエディットを選ぶ傾向にある。 --オールスターにポブルセンが加わることを期待していたのにガッカリ…そしてその時点ではフライハイトにストーリーで触れることはないので、どんな選手かと期待して使ってみると「レインボウパス」しかないショボそうな選手(詳細は後述・100%ではないがオールスターは晴れの場合が多い)で更にガッカリなんてことになっただろう。 --勿論どんなザコだろうが新しい選手が加わるのは選択の幅が広がるので悪くはないし、他のルートでポブルセンが加わる機会もあるので絶対使えないわけではないが、ここでポブルセンが加わらないのは何かの間違いとしか思えない。 //上の行の半角スペースが無いと以降のレイアウトがずれてしまうようなので、消さずに残しておいてください #endregion ---- **浮き球バグについて 本作において大きな問題とされている点の一つ。 -''レベルアップの際、浮き球能力を数値分加算補正する「たかいたま」「ひくいたま」が味方選手と比較して敵選手が1多く上がる現象。GKにはこれらの能力自体がない''。 --参考までに試合を飛ばさずレベル調整してプレイするとクリア時の平均レベルは18~20、主力は22前後位。この例だと終盤になるとこちらの浮き球値が60~90位なのに対して相手は100前後、主力敵選手だと120前後になってしまう。若林やミューラークラスの最強GKでも、レベル20時点でパンチング値は88。 -これで空中で相手に接触してしまったらまず勝ち目はなく、浮き球シュートを撃たれようものならどうあがいても取れない。一応低確率でカットしたりポストに当たることもあるが、あてにはできない。センタリングはフリーなのを確認して送るのが鉄則。 --特に問題なのが、敵の主力選手がワンツーを多用する思考ルーチンの場合。本作のワンツーは強めに調整されておりレベルの影響もあって止めにくく、為す術もなく浮き球シュートに繋げられて失点する危険性が高い。 --浮き球バグは途中加入の味方選手にも適用され、参戦の早い味方選手より空中戦に強くなる。前述の通り敵のGKも浮き球シュートに対しては弱いので、後半になると得点源として浮き球バグの恩恵が大きくなる。ただし加入後は成長しなくなるため、そのうちGK以外の敵には浮き球能力が追い抜かれてしまう。 --2周目以降ダイジェストで試合を飛ばした場合は、レベルの変動がないため敵の浮き球バグの影響を抑えられる。だがガッツ最大値が伸びにくくなるし、途中加入の味方の浮き球補正も小さくなって得点力が低下するので一長一短。 -ちなみに浮き球バグのせいで浮き球シュートでの失点率が多いと思われがちだが、実際はそうでもない。というのも、COMは空中で延々とパスを繰り返した末地上の選手に渡したり、地上から直接シュートに行くケースも多く、MFやFWに地上必殺シュート持ちがいる場合はその選手中心にボールを回す思考ルーチンの場合が殆どのためである。そのため、シナリオ中では地上シュートで失点する割合の方が多い。強いGKは終盤にならないと使えないのもそのため。 ***浮き球について、もう一つの欠点 浮き球バグは非常に有名だが、浮き球についてはもう一つの欠点がある。 -前述のように、GKには「たかいたま」「ひくいたま」のパラメータが無い。&br()よってシュートを撃つ側は1レベル上がると「シュート」が3ポイント、「たかいたま」「ひくいたま」が1ポイント、合計4ポイント強くなるのに対して、GKは「パンチ」が3ポイント上がるだけ。 --つまりレベルが上がれば上がるほど、''どんなGKも浮き球のシュートを防げなくなる''。地上でネオサイクロンやメガロゾーンシュートなどの大量のガッツを消費する必殺シュートを使うよりも、ただのボレーシュートやヘディングの方が強くなってしまうのだ。&br()「浮き球バグによる自軍と敵軍の1ポイントの差」よりも、「GKに浮き球用のパラメータが無いことによる3ポイントの差」の方が影響は大きい。 --このため、もしも浮き球バグで攻撃を阻止されなかった場合、いくらでもボレーシュートで得点が可能になってしまう。&br()「もしかしたらコンピュータ側が浮き球の対決で圧倒的に有利になるのは、ゲームバランス上必要になったための仕様なのでは」という説もあるほど。((実際には内部処理の計算が間違っているらしく、やはり浮き球バグは正規の処理では無い。)) -オールスターではGK以外の全選手の浮き球能力がアップし、レベルもセーブファイルのうち最も高いものを参照する。高レベルになるとどのGKもダイレクトシュートに反応できなくなり、対戦は非常に大味なものとなる。 ---- **レベル変動制について 本作で採用されたレベル変動制は、その仕組みを知っているかどうかで作品評価が激変してしまうほどゲームへの影響が大きい。何も知らずに進めると大変なことになってしまうが、逆にシステムを知っていれば殆どの敵チームとほぼ互角の戦いができるようになる(ただし浮き球バグは空中での競り合いを避けるしか対策がない)。 -本作では1レベルアップにつき、どの選手も全てのステータスが一律で3(敵やオールスターの浮き球のみ4)上がり、1レベルの差が戦力にかなり響く。試合で活躍した選手ほどレベルが上がりやすいのは従来通り。 -本作では敵のレベルが味方のレベルに依存して算出される((平均レベルと最大レベルのどちらかに依存し、選手によって決まっている。エース級の選手が最大レベル依存である場合がほとんど。))ので、特定の選手ばかり使っているとレベルが突出してそちらを基準に敵のレベルが決まってしまい、他の味方選手が追いつけなくなってしまう。本作では、できるだけ多くの選手を使ってレベルが偏らないように調整しながら進めなければならない。 --ただ完全にフラットにする必要はなく、高レベル判定の敵やGKに対抗する為主力とGKのレベルは平均より1~3位高いのが望ましい(特に2部負けルート分岐のミラン戦は翼やストラットがGKより強くないとまず勝てない)。フィールダーは11人なので平均+2で行くなら4人、平均+3なら3人と言った所(今回は試合中でもレベルが上がるので、多少の余裕を持たせると良い)。レベル4以上差が開くと調整が難しくなり、他の選手が最大レベル参照の敵に辛くなってくる。 -ベンチに下がって試合終了した選手は獲得経験値が下がり、最初から控えの選手は平均レベル計算の対象外。レベルが上がりすぎた選手はベンチで休ませ、控え選手を積極的に使うようにすると敵のレベル上昇を抑えやすくなる。 --ただしベンチを活用できるのは基本的に中盤以降で、ルートによっては控え選手が1人もいないチームを操作する羽目になる。また翼などの主要選手は、イベントの都合でベンチに下げられない試合がある。 ---味方時のストラットや、日本代表所属時の日向に至っては全試合スタメン固定である。彼らを温存したい場合は、例えば滅多にボールが来ないであろうサイドバックにポジション変更する、といった対策を取らなければならない。 --GKはレベルを主力に追いつかせる為シュートをある程度受ける必要があるが、受けすぎると今度はレベルが突出してしまい他の選手に迷惑をかけてしまう。ベンチが使えるまではDFを必死で活用しないと調整が難しい。 -救済措置なのか、敵のGKは若林やミューラーといった有名GKでさえも軒並み平均レベル判定で登場する。しかし本作のGKは全体的に基礎能力が高めの為(森崎、レナート、アモロなどの弱GKは低い)、一般選手ではレベルが低いとゴールを奪うのもままならない。 ---- **賛否両論点 ***チーム面 -若林の極端な強化。 --若林が''ペナルティエリア外のシュートを能力無視で高確率で防御できる能力「G・S・G・K((WY編以降は『S・G・G・K=スーパーグレートゴールキーパー』で固定されているが、そもそも起源は無印時代に『S・G・K=スーパーゴールキーパー』と一度だけ呼ばれ、その直後『G・S・G・K=グレートスーパーゴールキーパー』となり、それが公式な呼称(但し最後に一度だけ『S・G・G・K』)となった。テクモ版では最後の一度が誤記と判断したのか常に『G・S・G・K』で統一されている。現在でもWY編以降の展開を嫌う層を中心に『G・S・G・K』の方を好んで使う人も珍しくない。))のスーパーディフェンス」''を習得。これが発動すれば、どんな強力なシュートだろうが問答無用でキャッチングできてしまう(更に今作では総合能力も大幅に上昇している)。これには若林らしいという意見もあれば強すぎるという意見もあり賛否両論である。 ---ただし、シュナイダーのネオファイヤーショットのように強力なシュートを打たれたり、レベル差がありすぎたりすると、ペナルティエリア外からであってもゴールを割られる事がある。 ---ドイツの切り札であるはずのフライハイトは必殺シュートのウォッシャードライブにエリア外補正がないため、若林であっさりとキャッチできてしまう。色々残念である。 ---浮き球バグの影響でエリア外なら無敵の若林がザコのボレーで失点してしまうので、正規の仕様ではないながらもバランスは取れている。また、これによって必殺技があるためエリア内からでもそこそこ渡り合える若島津と、結果的にお互いの特徴を両立させたことになった。 -舞台がプロに入った事で、翼よりも凄いプロの名選手たちが大挙登場。彼らとの戦いを乗り越え、成長して行く物語になる。 --その顔ぶれはファンベルグ(マルコ・ファン・バステン)、フーリア(ルート・フリット)、ニスケンス(フランク・ライカールト、名前はヨハン・ニスケンスから)、ピピン(ジャン・ピエール・パパン)、クァール(ロナルド・クーマン)、バティン(ガブリエル・バティストゥータ)、カージャレ(クラウディオ・カニージャ)、ディーノ(デイノ・ゾフ)、シューマッハ(ピーター・シュマイケル)などなど、当時現役もしくはOBの名選手たちをモデルとしており、まさにプロサッカーの厳しさを体験させてくれる。 --プロ選手たちが大いに目立った代わりに、原作からおなじみの翼と同世代の若手や、テクモのゲームで加わった新キャラクターたちはかなり控えめな能力になってしまった。 ---フランスのピエール、ナポレオンは今作登場のピピンによって影が薄くなった(本編中で「オレたちを わすれるなよ!」と言う台詞が出てしまうほど)。アモロは今までのテクモ版では強めだったが、''本作から原作再現の弱さになった''。ただしクラブチームのボルドーで登場する際は何故か一転して、若島津と互角の能力を持つ優秀なGKとなっているのだが。 ---前作で圧倒的な強さだったドイツ陣は、既存メンバーが総合的に弱体化した。シュナイダーは前作の切り札だったネオファイヤーショットが凡庸な威力になりストーリーでもいまいち目立たず、ミューラーは能力では若林と互角だが、GSGK補正がない。 ---カペロマンは前作で破格の扱いを受けていたが、本作ではライン際でのステータス補正が消失、サイドワインダーの威力も低下、挙げ句の果てに一部シナリオで最後までスタメン落ちとかなり不遇の扱いになってしまった。 ---その代わりラスボス版は、フライハイトの前半のこぼれ球完全フォロー能力によってかなり厳しい戦いを強いられる。また、ポブルセンの追加によって地上戦で戦える選手が増加した。 ---ブラジルも前作までと比べて全体的に選手の能力が低下。カルロスやゲルティスは同年代のエースに比べて基礎能力が1ランク低下。しかもすぐ地上必殺シュートを撃ちたがる選手が多く、若林のGSGKキャッチの絶好のカモに(本作でブラジル戦があるルートでは、全て若林が加入した状態で戦う)。 ---前作までオランダユース所属だったイスラスとリブタはスタメン落ち。イスラスはクラブチームのアヤックスでのみ登場、リブタに至ってはクラブチームにさえ所属しておらず、オールスターのエディットモードでしか選択できなくなった。さらに2人とも顔なし(その他大勢顔)のモブキャラ扱いに成り下がった。イスラスは『II』時代には&bold(){シュナイダーに匹敵する逸材}と言われていたのだが&s(){それは昔のこと、いやなかったことにされている}……。 --今までの作品でイマイチな扱いだったアルゼンチン((ディアスの大幅強化とバティン、カージャレコンビ加入。ただし今回サトルステギはいない))やラスボスの1チームに昇格したイタリア((ストラット、バンビーノ、リベリ、ジャシント、ゾフ、ロッシが加入。ヘルナンデスやランピオンも健在))等、扱いがよくなったチームもある。 --本作ではウルグアイのナショナルチームが存在せず、ビクトリーノやダ・シルバはウルグアイのクラブチームのモンテビデオ所属で登場。新キャラのサルバトーレ加入により攻撃力は増している。 ---何故かビクトリーノが顔なし扱いにされており、対峙しても台詞イベントが発生しなくなっている。原作でこそ直接対戦はしていないが((後のワールドユース編では対戦している。))、前々作・前作では対戦しており対峙した時にカットインで台詞が入っていた。 ---その一方で何故か初顔合わせであるはずのサルバトーレ((後のワールドユース編に登場する「サルバトーレ・ジェレンティーレ」とは無関係。))にそれまでのビクトリーノと同じ顔が与えられており、対峙した時の台詞が発生する。 -ミラン(クラブチーム)の異常な強さ --現実世界でもイタリアの名門クラブチーム。本作では下手なナショナルチームより強い扱いをされている。本編の試合ではAルート以外では必ずサンパウロで相手をしなければならず、非常に厳しい戦いを強いられる。 --オランダトリオ(ファンベルグ、ニスケンス、フーリア)&フランスのストライカー・ピピンによるスーパーカルテット、イタリアのDFゾフ((平均レベル参照で必殺技はないが、DF能力だけなら本作最強。更に守備時はコインブラを凌ぐ3倍速でフォロー能力も異常に高い。))とロッシ、FWのストラット(ストラットのミラン帰還時のみ)、MFバンビーノとエースが勢ぞろいのチームでモブの能力も高い。GKのオイガは全シナリオを見てもトップクラスの能力の持ち主で下手な原作キャラよりも強い。更に今作の中ではできの良い専用のBGMまで用意されている。 --ヨーロッパ遠征編の分岐試合ではストラットがサンパウロ側にいて、フーリアが前半出場していないがそれでも厳しく、勝利時の分岐点を通る場合ゲーム中最大の難関と呼べる試合になる。しかもこちらのGKが弱いレナートなので事実上ノーガードを強いられる。後半からはフーリアと、ストラットの親友バンビーノが参戦するため、難易度は更に上がる。最低でもモブの攻撃はカットできないと、チャンスもまともに作れない。救いはミランカルテット以外のレベルが平均参照であることくらい。 ---ヨーロッパ奮闘編では負けても先に進めるが、こちらは「ストラット離脱&戦力補充なしの最弱サンパウロ」で、フーリアも最初からいる。更に後半からピピンに代わってストラットが登場するが、このときの彼は基礎能力値が下げられている。もし彼がメガロゾーンシュートを覚えている状況だとしたら、勝つのは更に厳しくなる。ワールドクラブカップ編では負けると強制再戦だが、こちらも新戦力が増えている上、後半参加のストラットはメガロゾーンシュートを持っていないので意外と難しくない。ジャイロカップ編のみ戦わずに済む。 -ブラジルプロサッカー界の異常な弱さ --翼が目標にしていたのは「ブラジルで修行してプロのサッカー選手になり、ゆくゆくは日本代表としてワールドカップで優勝する」という事だった。ゲームでも『II』でブラジルに渡り、本作『IV』ではいよいよプロの世界へ。念願だった''ブラジルのプロサッカー''の世界に飛び込んだのだ。ところが……。 --そのサンパウロFCプロチームの顔ぶれは、バビントン((アルゼンチンへ帰国した模様))・ドトール・アマラウ((両者ともにクルゼイロへ移籍しており敵チームの選手として翼と戦う。ラテンアメリカカップでは頼もしいDFとして活躍する。))といったユース時代の仲間たちにも見劣りするほどの貧弱な選手たち。翼の他に頼もしいのはイタリアから来たストラットだけという有り様である。 ---それどころか日本から留学に来た''石崎が即スタメン入り''できるほど。一応最初は控え扱いだが、能力的にはベルナルドやファルコンあたりに代えて最初の試合からスタメンで出さない手は無い。 ---また、前作でも頼れる選手とまでは言えなかった一年目の新人ジウとレナートもスタメン起用((レナートがスタメンなのは正GKのバモラが故障したためという理由がある。ジウは「先輩たちと競争だな」と言われるが、その競争相手となる先輩FWはいない。))。レナートは前作ではそこそこ強化されていたのだが、本作ではプロのインフレにはやはり勝てなかったようで『II』同様の弱小キーパーに逆戻りしてしまった。 --対戦する他チームも、主力のほとんどは前作までに出ていた翼と同世代の選手たちばかり。しかも明らかに弱体化している選手が多いのに、その弱体化した若手が主力選手というチームばかりなのだ。 ---数少ない例外は、何故か全員がGKである。タファエル、ランペドーサ、能力はメオンと同レベルだが必殺技持ちのバモラ。ブラジル全体で見ても彼らぐらいしか強いプロ選手がいない。 ---後半に出てくるブラジル代表チームは前作からの(プレイヤー目線では)不動のメンバー。つまり、''昨年までのブラジル代表の選出メンバーは全員落選し、去年までユースにいた若手ばかりでナショナルチーム結成''という明らかな異常事態である。しかもその若手も大多数が弱体化している有様。((さすがにこの不自然な状態は『V』では変更され、主力のカルロス・サンターナとゲルティス、新たに才能を発揮し始めた新人シニョーリ、負傷して出場できないコインブラの他は全員プロの先輩たちでチームが編成され、主将もベテランのオリベイラが務めている。)) ---他の国ではきちんと若手よりも強いベテラン選手が登場しており、たとえばバビントンはアルゼンチン代表の全選手の中で一番弱いという扱いになっている。往年の彼の頼もしさを知るファンにとっては辛い話だが、そもそもルーキーイヤーで代表入りできたこと自体が快挙と言うべきであるし、逆に彼よりも能力の低い選手ばかりが選ばれているならばプロに対する説得力など微塵も無くなってしまう。 --まとめると「ヨーロッパの一流選手たち > 翼・ストラットなどごく一部の若手 > 多数のプロ選手 > プロの中では苦戦を強いられる若手たち > ''ブラジルのプロ選手''」という状況。サッカー王国ブラジルたる所以は何処へ…? -相変わらず敵に回ると極悪な強さの日向と若島津 --日向と若島津は全てのルートで一度敵として戦うことになるのだが、強さが尋常ではない。分岐試合のメキシコや、スーパージャパンカップ最終戦の大学選抜Vにおける日向は基礎能力が下がった弱体化バージョンだが、彼は必ず最大レベル設定なのでそれを感じさせない。メキシコシティ所属時は本来の能力値で、なおかつ対戦時はレベル補正が高いために苦戦必至である。 --一度ボールを持ったが最後、無限ガッツを良いことに強引なドリブルで次々と味方フィールダーを吹っ飛ばし、容赦なくライトニングタイガーをぶち込んで来る。日向のワンマンショーの体感的な難易度はミラン戦とも遜色がなく、運が悪いと冗談抜きで負ける。なおルートによっては沢田も一緒にいて、その場合更に東邦コンビでの切り込みも加わる。相方の若島津も強く、地上からの必殺シュートは三角飛びにより高確率でキャッチされるため、ドリブル突破か空中必殺技でないとゴールは難しい。(空中技は敵DF、および接触状態になって浴びせ蹴りを使われないように注意が必要) ---分岐試合では選手層が厚く、選抜戦を(一応)勝ち抜いたGKメオンがいるので3発中1発程度なら自力で守れるのが救いか… --味方に加入してくれればもちろん頼りになる。日向は後半加入なので試合を飛ばさなければ浮き球シュートもかなり強くなる。最初の分岐で勝っていれば、日向は最強クラスの地上必殺シュート・ドラゴンタイガーを修得し、若島津は牙龍三角飛びを繰り出す。 -オリジナル主人公の扱い --開始時に名前を入力するのに''二回目の分岐試合(メキシコ戦、ミラン戦)で勝利しないと使用できない''。本作は負けルートの方が難易度が高い傾向にあるため、そこで使用できないのはかなりの痛手。 ---分岐試合勝利時のボーナスキャラ扱いなら加入決定時に名前を入力すれば済むはずなので、本来は全シナリオで登場させる予定だったのだろう。 --また、加入してもポイントの振り分けを間違えると完全に空気化してしまう(全パラを均等強化するよりも、攻撃役か守備役かをはっきり決めて極振りするほうが使いやすくなる)。オリジナルシュートはあるが、浮き球バグ込みの浮き球シュートを打たせる方が強くて燃費もいい。 -二軍キャラの扱い --本作のストーリーモードでは一部の敵選手のレベルが自軍スタメンのレベルによって算出されるため、スタメンをベンチに下げて二軍キャラを使うことによって敵のレベルを抑制できる(特に敵GKのレベルを確実に下げられるのは大きい)。前作までは縛りプレイくらいしか出番がなかった二軍キャラの出番がやっとまわってきた。 ---三杉はベンチキャラでありながら能力が高いので、ガッツ切れにならない限りほぼフル出場することになるだろう。 --来生・滝・井沢の南葛トリオ(元・修哲トリオ)に顔グラがつき、ルートによっては「トライアングルアタック」というタックル必殺技も覚える。 ---が、何故か来生からしか発動できない。タックル能力が一番高いとはいえ2人分枠をつぶすことになるのでエディットのオールスターでは使い勝手が悪い。 ---また、このトリオは元々FW2人とMFの攻め要員の位置付けなのにタックル技だけというのも違和感がある。ただ、原作の時点で「攻撃役として登場したもののポジションを奪われたMF((代表的なのは松山、三杉、井沢、浦辺、また石崎も初期(南葛小でキャプテンの頃)では前衛(FW又はMF)だった))が守備に配置転換される」という事態が常態化しているので、彼らは「もう自分たちの実力では外国のGKからゴールを奪う事は不可能」と判断して守備技に生きる道を見いだそうと考えたのだろうか……。((続編の『V』ではトライアングルアタックは消え、ワンツーの連携「修哲トリオ」を編み出している。確かに個性としては正しいが、それを使って敵陣内に切り込んだとしてもこいつらのシュートで点を取れるのかという問題が……。)) -「KAZU」の扱い --オールスターのエディット限定のキャラ。元ネタは「カズ」こと三浦知良か? --オールスター戦終了後に毎回ピックアップされており、抜かれた時のカットインがSDだったりシナリオクリアごとに必殺技が追加されていく等、オールスターでの目玉キャラのような扱いをされているが…正直微妙な存在である。 ---また、その追加される必殺技にシュートが3種類あるが、どの状態のシュートなのかがイマイチわかりにくい。「クリアボム」などはディフェンス時のクリアーの技と勘違いしてもおかしくないほど。あとはドリブルとタックル技が1つずつあるが、これは名前に入っているので簡単にわかる。 --分岐ルートでオリジナルキャラの代わりに助っ人のような形で登場する、オリジナル主人公のライバルや先輩として登場させる、全シナリオクリア時の最後の敵として出す等、ストーリーでも一工夫加えればいくらでも登場機会が作れたはずなのだが…。 ---特に年齢無制限の世界大会において、翼たちより上の世代の日本人選手がチームに一人もいないのは不自然。有力な選手がいるのなら招集するべきでは?((『V』ではイタリアのジェノアというチームにカズヨシという選手がいるが、彼は非常に能力が低くなっており、これでは天才・超人揃いの翼たちの中に招集されなかったのも仕方が無いと言える説得力があった。なお、実際の三浦知良もその年は絶不調で、散々な成績に終わっていた。)) -石崎の性能の見直し。 --必殺ディフェンス、顔面ブロックが必中ではなくなっている(それでもかなり高い信頼度を誇るが、さすがに後半の浮き球バグの能力差をひっくり返せるほどではない)。今回は研修という形で序盤から居てくれるため必然的に頼ることになるのだが、大量のガッツを消費して不発はいただけない。 --ただし『III』で殆ど使い道がなかったヤマザルバスターは強化され、格上のGKにも決めやすくなっている。ルート限定だがヤマザルタックルという待望の必殺タックルも修得可能になった。顔面ブロックだけの一発屋だったこれまでよりも総合的な使い勝手は良くなっている。レベル差の影響が大きい本作では、石崎のレベルを平均より上げれば地上の要として立ち回ることも可能。 --浮き球バグの被害を最も受けているのは石崎。ただしこれまでも空中での競り合いは苦手だったので、相対的に評価は落ちていないという見方もできる。 -どういうわけか本作では早田系のグラフィックを持っている、又は過去作で早田グラだったキャラ(早田、ベルナルド、ディウセウなど)は総じてステータスが低く冷遇気味。特にディウセウはその顔までも失ってその他大勢顔にされるというひどい扱い。 --それでも早田は便利な必殺技が多いので前作同様、翼に代わる司令塔としての役割は一応果たせるレベルは保たれている。特に日本凱旋編では国内リーグの選抜試合全てに出場し、イベントでも他のルートより出番が多い。 -強制的なエンカウントなど、試合中の独特な措置が多く発生する。 --例えば全勝ルートのサンパウロ対全日本では、こぼれ球を必ず翼がフォローする。 ---不自然な上にチートが過ぎるがこれはストラットもいないオールザコメンバーで全日本相手に戦わなければならないことを考えると妥当と言えなくもない。 --最序盤のサンパウロ対クルゼイロ戦では、ストラットがボールを持って相手陣内の一定のラインを超えると強制的にドドールとエンカウントする。これは10秒切りドリブルのイカサマ技でも回避できない。 ---その状態でタックルを喰らうとぶっ飛ばされるイベントが発生し以後、強制エンカウントフラグは解除される。つまりストラットのタックルへのトラウマを演出するためのイベントのためだが、ドドールはタックルが強いキャラということは周知の事実だしストーリーパートでも言及されるので初見などで特に考えずゲームとしてプレイする以上取られまいとしてパスを選ぶのが既定路線であるためわけがわからず強制エンカウントばかりして毎回イカサマをされているようで腹立たしい気分になる。 ***ストーリー面 ネタバレが多いので折り畳む。 #region(あらすじ紹介。全面的にネタバレ注意) ''Aルート:ジャイロカップ'' -[サンパウロ]ブラジルのプロチーム、サンパウロFCに昇格した大空翼。小学校からの親友・石崎了も、日本の大学選手権V2を達成してブラジルに渡ってきた。キャプテンのストラットはイタリア人で、強豪チーム・ミランでプレーしていたストライカーだったが、練習中に親友に大怪我をさせてしまった事を気に病み、逃げるようにイタリアを後にしていた。性格も荒れ、周囲に当たり散らすストラット。その反面、彼は再び相手に怪我をさせる事を恐れ、激しいプレーができなくなっていた。翼はストラットに檄を飛ばし、全力のプレーを取り戻させる。ストラットは翼と和解し、キャプテンの座を譲る。(''C・Dルートへの分岐点'') -[ブラジル代表]中南米最強の座を賭けて行われるラテンアメリカカップが開催される。その国のリーグに参加していれば他国籍の選手も出場できるというルールのようで、ブラジル代表として出場する翼。さらにイタリアのストラットや、ブラジルのスーパーストライカー・コインブラ、カルロスなど、錚々たる選手が揃っていた。しかしその条件は他国も同じ。メキシコ代表には日向と若島津が参加していた。(''Bルートへの分岐点'')、''日向との戦いを制して、翼はラテンアメリカカップに優勝する。''(Aルートが確定) -[南武大フースバル]翼は日本に凱旋帰国する事になった。その日本では、翼の壮行試合を行うために選抜試合が行われる。新田・早田・森崎ら南武大フースバルの面々は、大学に進学していた立花兄弟や次藤、三杉たちと戦っていく。その中には今まで知られる事の無かった、ある優秀な選手も加わっていた。(オリジナルキャラクター参加) -[サンパウロ]こうして選出された日本選抜チームを相手に、サンパウロを率いる翼は勝利を収めて、プロで鍛えられた実力を見せる。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -[全日本]翼が帰国したことで全日本代表チームが本格的に動き始める。練習試合として海外チームとの試合が組まれるが、そこには海外でプロになった松山や岬が所属していた。そしてアルゼンチンのディアスが所属するチーム・アルヘンチノスとも対戦。ディアスは翼の必殺シュート・サイクロンを身につけ、さらに手強い相手となって立ちはだかる。 -[全日本]伝説のスーパーストライカー・ジャイロの功績を讃えて世界大会「ジャイロカップ」が開催される。アジア予選を勝ち抜いた後の本大会予選リーグでアルゼンチンと当たるわけだが、このときのディアスは何とネオサイクロンを修得していた。決勝トーナメントに入ってからはブラジル、フランス、イタリア、ドイツと並み居る強豪を撃破していく。その最中、これまで使用していた必殺シュート・ネオサイクロンの欠点を指摘され((「多大なスタミナを消耗し、次の試合まで疲労が残ってしまう技は感心できない」というもの。少年漫画でよくある「この試合に負けるくらいなら、ここで再起不能になっても構わない」などといった、目の前の一戦に全てを賭ける=後のことを何も考えていない姿勢を否定することで、翼が子供から大人の世界に入ってきたことを現している。))、かつてのサイクロンを改良した形に修正していく。一方、プロの大先輩ファンベルグが率いる強豪オランダは、翼と同じくサイクロンやネオサイクロンを操るディアスのアルゼンチンを「眼中に無い」と軽く撃破していた……。((しかも、アルゼンチン戦にファンベルグ達三人は出場していない可能性が高い。日本戦を見ていた彼らの会話は「すぐに戻って対策を立てるぞ」「え?アルゼンチンとの試合が残っているが?」「アルゼンチンなど眼中に無い」というもので、この直後にオランダ対アルゼンチンの試合があったとすると、彼らは試合を抜けて日本戦対策に時間を使い、残りの選手たちだけでアルゼンチンに勝ったと言うことになる。控えにいたイスラスが大活躍してディアスに勝ったのだろうか?)) -翼たちは決勝戦でオランダと対決。それはこれまでのような必殺技が飛び交う派手なチームではなく、プロの高い実力に裏打ちされた堅実かつ圧倒的な技量で戦うチームだった。((前述の、アルゼンチン戦を欠場してまで研究した日本対策の作戦というものは特に表現されない。彼らにとっては、漫画にありがちな特別に名前を付けた「○○作戦」などでは無く、通常のプレーの延長線上でしか無かったのだろう。))翼はファンベルグとの勝負でプロの厳しさを思い知らされながら、彼に食い下がっていく。サッカーを心から楽しみ、そして勝利への執着心を決して忘れない。((これもまた「ボールは友達」とサッカーを楽しむプレイを続けてきた少年時代とは逆の概念「勝利への執着心」を示し、そして前者を否定せず後者と両立させた、より高みに立つサッカー選手への成長を描いている。))プロの心構えを学んだ翼はオランダに勝利してジャイロカップ優勝を飾り、その成長ぶりをファンベルグは賞賛するのだった。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -本作最強の敵選手ファンベルグがラスボスになる正統派のストーリー。全勝ルートという事もあり、これが一応の真エンドという印象。 ''Bルート:サッカーグランプリ'' -[ブラジル代表]ラテンアメリカカップで&font(red){日向・若島津の居るメキシコの前に、翼・ストラット・コインブラ・カルロスを擁するブラジルですら為す術も無く、翼たちは敗れてしまう……。}(Bルートが確定) -[サンパウロ]ラテンアメリカカップ決勝で敗れた翼は日本に帰国せず、そのままサンパウロでプレーを続けることにした。サンパウロはヨーロッパの様々なチームと戦う遠征試合を組み、プロとなっていた岬、松山、若林たちとも対戦する。殺人サッカーのポブルセン、サッカーで大金を稼ぐ事のみを誇るマッツォ、サッカーを楽しみチームを愛する名GKディーノといった人々と出会い、翼はプロの様々なスタイルの選手と触れ合っていく。遠征試合の最終戦の相手はミラン。世界最高のプレイヤー・ファンベルグなど各国の代表クラスの選手たちが集まる強豪チームで、そこにストラットも復帰していた。こちらのミラン戦は勝敗問わず先に進める。 -[全日本]世界大会「サッカーグランプリ」が開催される。翼は日本に帰国し、日本代表として戦っていく。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -トーナメントでは後になるほど強いチームとは限らない。ブラジルとはかなり早い段階で当たり、さらにファンベルグらを擁するオランダ、シュナイダー達のいるドイツともトーナメントの途中で対戦する事になった。決勝の相手はストラットが率いるイタリア。そのゴールはジノ・ヘルナンデスが守り、さらにプロのDFたちは必殺技は無いがとてつもなく高い能力値で立ちはだかる。翼はストラットとの勝負を制してサッカーグランプリに優勝。ストラットはセリエAで勝負しないかと翼をヨーロッパに誘う。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -序盤の頼れる仲間・ストラットがラスボス。同時に、同じイタリアのヘルナンデスがラスボスとなるルートである。マッツォとディーノのイベントも趣深い。 ''Cルート:親善大会'' -[サンパウロ]サンパウロにてストラットと和解し、キャプテンの座を譲られた翼。 -&font(red){だが、練習試合では敵に敗れてしまった……。} -[サンパウロ]練習試合で敗北したサンパウロはヨーロッパの様々なチームと戦う遠征試合を組み、プロとなっていた岬、松山、若林たちとも対戦する。遠征試合の最終戦の相手はミラン。世界最高のプレイヤー・ファンベルグなど各国の代表クラスの選手たちが集まる強豪チームで、ストラットがかつて所属していたチームだった。(Dルートへの分岐点)~ ''激戦の末、サンパウロはミランから勝利を掴む。''(Cルートが確定)その中で大怪我から復帰してきたストラットの親友バンビーノは、負い目を感じてまともに戦えないストラットを叱咤し、二人は和解を成し遂げる。試合後、ストラットはミランに復帰し、翼たちとは別れるのだった。 -[スクデットジャパン]強敵ミランを撃破した翼は日本に帰国。スクデットジャパンに入り、「スーパージャパンカップ」に参加。大学に進学していた立花兄弟や次藤、三杉たちと戦っていく。その中には今まで知られる事の無かった、ある優秀な選手も加わっていた。(オリジナルキャラクター参加)''ここで初めて翼と森崎が対決。森崎が死力を尽くして翼のシュートを防ぐ名イベントがある。'' -[全日本]ドイツで親善大会が開催される(3で示唆されていたユニバーサルカップとは違うのだろうか)。全日本も出場することになり、翼はその一員として参加する。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -全日本はストラットが復帰したイタリア、強豪オランダ、ブラジルを倒して決勝に進む。決勝戦の対戦相手は地元ドイツ。シュナイダーやミューラーなどこれまで戦ってきた選手たちはもちろん、ドイツには秘密兵器、旧東ドイツの天才フライハイトが加わっていた。雨天試合で最高の実力を発揮するフライハイトに苦戦するものの、試合後半では雨が止み、勝機が訪れる。こうして翼はドイツを破り、親善大会に優勝するのだった。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -サンパウロ(GKレナート)でミランに勝てという地獄のルート。フライハイトと戦えるのはここだけ。翼vs森崎のイベントが見所か。 ''Dルート:ワールドクラブカップ'' -[サンパウロ]遠征試合最後のミランとの戦いは、&font(red){圧倒的な戦力差の前にサンパウロの敗北で幕を閉じる……。}(Dルートが確定) -[サンパウロ]ミランに敗れ、ブラジルに帰国したサンパウロは、ブラジルリーグオープン戦に挑むことになった。ここから、怪我で離脱していた本来のゴールキーパー・バモラが復帰。しかしストラットが退団してしまったため、戦力を補充するためベテラン選手ネルソンを獲得。翼はネルソンの薫陶を受けて自身の甘さを引き締め、更なる成長を遂げる。オープン戦の全試合終了後、クラブチームの大会「ワールドクラブカップ」が日本で開催される事が決まった。日本は開催国として特別参加する事になり、翼は全日本の一員として出場を要請される。しかし翼はこれを断り、サンパウロからの大会出場を決心した。 -[サンパウロ]ワールドクラブカップに向けて、サンパウロは更に戦力補充を行う。サンパウロユースチームからマウリシオが昇格加入、続いて日本から自費研修生として新田が合流した。最初は自分勝手なプレイばかりだったマウリシオは、翼から「キミだって大切な友達だ」と言われて以降、先輩からの指示を素直に聞いたり、仲間のプレイミスをフォローするようになる。一方、そんなサンパウロと対戦する世界各国のクラブチームは、ディアスとパスカルのいるアルヘンチノス、日向と若島津のいるメキシコシティ、ファンベルグらを擁するミラン、シュナイダーのいるバイエルンなど強豪揃い。そして決勝戦では日本クラブ選抜と戦う。翼と日向以外の全日本と言った戦力の特別チームで、明らかにここだけクラブチームでは無い。ともかく翼はワールドクラブカップに優勝する。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -全日本に参加せず、最後までサンパウロで進めるのが特徴的なルート。バモラ、ネルソン、マウリシオの加入はここだけ。 ……と、4つのルートに分岐するが、大きく変化するのはDルートの「最後までサンパウロで進む」だけ。&br()残るA・B・Cは味方チームが最終的に全て日本代表となるので、あまり変わり映えを感じない。各国代表は戦う順番が変わるだけで、戦うチームは結局同じだからである。&br()ルート分岐による他国の戦力変化は、ドイツにフライハイト、イタリアにバンビーノが加わるかどうかぐらい。 エンディングは細部が違うだけで大筋は共通。&br()全ルート「早苗に謝ってイタリア行きを決める」になっており、ブラジルでプレーを続けたり、早苗との結婚を優先して日本でプロになるといった展開は無い。 #endregion #region(サイクロンについて) -今作にも深く絡んでくるサイクロンだが、シナリオによっては『III』のネオサイクロンを事実上否定する流れになり、前作の成長フラグをへし折っているように見えなくもない。また、ジャイロカップ編以外では翼の改良版サイクロンは登場せずに終わる。 --あくまで「翼のサイクロン」でありシリーズ通して完全な「ジャイロのサイクロン」は登場していない。前作のネオサイクロンも翼の足の負担を抑える為に苦肉の策で編み出したような物なので今作で改良されるのは当然と言える。 #endregion #region(バンビーノ!ゆるしてくれ!) -ストラットがケガをさせてしまいトラウマの原因を作ることになったバンビーノだが、その必殺技は''相手を吹き飛ばすショットガンドリブル''というほとんど「強引なドリブル」そのまんまな技であり、これをプレイヤーから突っ込まれることは多い。これだと普段からバンビーノは他の敵選手を吹っ飛ばしまくっていることになり、ケガはむしろ自業自得にすら思えてしまう。 --バンビーノ自身はケガの件を根に持っておらず、ヨーロッパ遠征編での試合終了後には帰ってきたストラットを暖かく迎えているので後腐れなく終わるのが救いではある。 #endregion #region(チーム選抜に関する疑問) -一部の選抜で能力の高い無名選手が外され、前作からのキャラや原作キャラが選出されている。恐らく勝敗の結果で選出していると思われるが、そうすると彼らがほぼ全ての試合を無失点かそれに近く抑えていることが前提でシナリオが進んでいることになる。 --南米編のラテンアメリカカップの選抜試合では、そのシナリオに出てくる最も強いGKのタファエル((必殺セーブは持たないが総合能力がゲルティスより上で、メオンはもちろんこのシナリオでは負傷しているバモラよりも強い。))は選ばれず、メオンが正GK、レナートが補欠に選ばれている。メオンはレナートよりは強いが、それでも本作のGK全体では下の部類に入る。 --能力的には問題なしだがブラジル代表選抜リーグに参加していなかったクルゼイロのアマラウとドトールが何故か出場できている。その一方でバスコ・ダ・ガマのザガロは選ばれていない。 ---そんな中、実際の選抜メンバーでは前衛でもサンパウロのテスタが選ばれスタメンにまでなっている。因みにテスタとは前作のタハマタのような立ち位置で「ドリブルがちょっとうまいだけで能力自体は底辺クラスのFW」。こんなのを入れるぐらいなら、いくら大幅劣化したとはいえ必殺のドリブルやシュートもあり能力でもテスタを上回るザガロを入れるべきだろう。サンパウロの選手が多かったり選抜リーグ不参加ながら元サンパウロのアマラウやドトールが選抜入りできたりロベルト監督の身びいきがまんざら否定できないメンバー構成。 --日本凱旋編でサンパウロが戦う「日本選抜」のGKが最弱の森崎。能力で選ぶなら南葛ウイングスの「くわた」を選出すべきなのだが……。 ---ちなみにプレイヤーキャラも選抜入りしているが、この試合ではベンチにいるため残念ながら戦うことはできない。 ---なのに&bold(){彼のプレーを見たこともないはずの翼が、あの「特に〇〇(プレイヤーキャラ)という選手は素晴らしいセンスを持っているね」と褒めている}のも謎。中学生編の東邦1回戦(対松上中学)で試合に出られなかった日向のようにベンチからオリジナル必殺シュートを放ってみせていたのだろうか? -選抜とは無関係だが、スーパージャパンカップ編では自チームであるスクデットジャパンのGKがモブ選手の「かわぐち」になっており、彼の能力は標準的。身も蓋もないことを言ってしまえば、強いGKが選ばれないのは''GKが強すぎて楽勝、あるいは点が取れなくて苦戦するのを防ぐため''だろう。単に上述の強い選手たちはすでに代表引退したベテランであるという事かもしれないが。 -アモロの原作の弱さが再現されたために、フランスはナショナルチームでもGKの質がワーストレベルになってしまった。本作では岬の所属するマルセイユに優秀なGKのティトがいるが、やはりフランス代表GKには選ばれていない。 --ただしフランスのクラブチームであるボルドー版のアモロは基礎能力が強化され、キャッチやパンチングが若島津より高い。しかしそれでもティトには負ける。 #endregion #region(ハーイ、サルくん。ユーもプロになったんデスカー?) --前作でも色々な意味でインパクトのあるミハエルの行動でプレイヤーを驚愕(?)させたアメリカだが今作でもミハエルと石崎のコミカルなイベントが発生する。登場時には石崎に対し「ユーの大好物デース」と言ってバナナを差し出すというとんでもない侮辱行為をしでかし、新技「ローズスマッシュ」の使用時には投げキッスをして石崎をドン引きさせたりする。 ---更に今作では''ジェントルマンなキャプテン(ミハエル談)''ジャックも登場する。普段はミハエルの言うように紳士的((試合前:ハイ! おたがいにフェアプレーでがんばろう 試合後:しあいちゅうは らんぼうなことをしてすまなかった))なのだが、ボールを蹴ると人格が変わりものすごいラフな性格((「おらァ! どけどけ!!」 アナウンサー:ジャックくん!あらしの ような ドリブルだあ!にほんチームのせんしゅたちを こっぱみじんに ふきとばす!!))に変貌するというキャラクターである。 ---石崎からは「''こいつのどこが しんしてきなんだ!''」と突っ込まれている。ただ後述のポブルセンとは違い、コメディ要素が強いためあまり問題にはされていない。 #endregion #region(ポブルセンに関する問題) -ハンブルガーSV所属でドイツ代表の新キャラ・ポブルセンは「勝利のためには手段を選ばない選手。かつてサンパウロに自分を売り込みに行ったが、ロベルトに入団を断られたことからブラジルのチームに強い敵意を抱くようになった」と言う設定で、シナリオ分岐によっては重要な立ち位置にいる人物。しかし、無茶苦茶な行動原理やテキストの説明不足のせいでプレイヤーの間でも解釈が分かれている。 -サッカー選手としての実力は高く、ロベルトもその点は認めている。 --しかし、使う必殺技が選手を全員吹っ飛ばすフレームドリブルや''マーダー(殺人)ショット''、更には''試合中に「しね ツバサ!!」「くたばれ ツバサ!!」等の台詞と共に直接本人へシュートを叩き込んだり、ドリブルで吹き飛ばしてくる''など、明らかにスポーツマンシップから逸脱している。 --勝利への執着心が過ぎる余り、敗北を認めようとしなかったり、サッカーの競技性を軽んじているような言動も多い。~ ジャイロカップ編では翼に対して「へっ あまちゃんが! ''サッカーなんぞようは かてばいいんだよ かてば!''」と、プロサッカーそのものを舐めているような発言をしている。''彼がただ純粋にサンパウロや翼を憎んでいるだけならば、このような台詞は出てこない''。更にこのルートでは負けた後、敗戦を悔やむシュナイダーの前で翼を罵倒する始末。 ---ただし原作でも反則上等な場面がかなり多い作品であるのでそこまで違和感はない。 -ポブルセンは翼の噂は知っているが、初対面となるのは本編中。それにもかかわらず「オレと けいやくしなかったサンパウロ! そこのエース(翼)をつぶしてこうかいさせてやる!!」と吐き捨てる。翼に対する憎悪は''ただの被害妄想と八つ当たり''でしかない。ハンブルガーSVのスタメンやドイツ代表の地位も得ているにもかかわらず執拗に拘る様は異常としか言えない。翼も「そんな ひがみこんじょうで サッカーをするな!」と怒りを露わにするほど。 --翼が来る前からエースだったストラットに全く言及がない点を鑑みると、''逆恨みの捌け口は今のサンパウロのエースなら誰でも良かった''ということになる。''入団を蹴ったロベルト本人を直接狙おうとせず''、その教え子とは言え直接面識のなかった翼を狙うと言う発想をする辺り、元からかなり歪んだ性根の持ち主であることが窺える。 --他の南米チームもポブルセンの獲得はしていない。彼の発言を見ると今でもサンパウロに相当の未練がある様子のため、サンパウロにしか興味がなかったようにも受け取れるが詳細は不明。 ---本作のロベルトは荒れていたストラットや協調性に欠けるマウリシオも受け入れる等、懐は広い方に描かれているが、そんな彼でさえポブルセンだけは断っている。理由として「サッカーを全く楽しんでいなかった」と翼に話しているが、これは入団テスト時にそのような彼の本質を見抜いたからであろう。 -ハンブルガーSVがポブルセンを入団させた経緯も不明。ただ本作では若林とポブルセン以外に主要選手がいない(メッツァやカペロマンはおろか、原作で所属していたカルツすらいない。『III』の時と違っていない理由も語られない)ことから、彼を入団させなければならないほど戦力的に逼迫していた可能性はある。 --若林は「すまんな、つばさ。あいつはむかし、なんべいのプロチームにはいろうとしてきょひされてな それいらい なんべいのチームにはあんなたいどをとるんだ ねは いいやつなんだが」と言い、彼に配慮を見せている。しかしポブルセンの性格からすれば、チーム内で孤立しているであろうことは想像に難くない。 -何よりも大きな問題は、ポブルセンの境遇・性格について作中で全く解消される事が無く、ただ捨て台詞を吐いて終わってしまう、後味の悪いまま放置されてしまった事である。「翼との戦いで本来のサッカーの楽しさを思い出す」「ロベルトと再会してわだかまりを解く」と言った解決、あるいは「ブラジルを倒して本懐を遂げる」と言う結末が用意されるべきではなかったか。似たような問題児であるストラット、マウリシオ、次作のシニョーリにはそうしたイベントがあったのに……。 -これだけインパクトのある新選手ながら、ドイツがラスボスになる親善大会編では一切イベントがなく、完全にフライハイトにお株を奪われている。 -今作では(主人公サイドの引き立ての為か)現役プロ選手のキャラがプロに昇格したばかりの選手を軽視して突っかかってくる描写が多いので彼もその流れに呑まれた可能性も高い。 --サッカーはチームプレイが重要なスポーツであり、それを心得ているロベルトが「かれをいれれば、サンパウロはかくだんにつよくなっただろう。」と評価している事から、少なくとも自己中でワンマンなだけの選手では無いと思われるが… ---フライハイトは親善大会編でしかイベントがないので自重しているとも言えなくもない。この事からあくまで敵チームなどに対して闘争心を剥き出しにする性格なだけでチームメイトとは普通に付き合うようなキャラである可能性もある。 -ロベルトの選手に対する采配やチーム運用を見るとこうなってしまうのもやむをえない面も(後述)… --またストラットに関しては荒んだとは言え名門チームであるミランでレギュラーを務める程の選手でありプロに昇格したばかりの翼とは評価が異なるという面も考慮するべきである。 -なお、原作者が後年執筆した原作ワールドユース編に登場する『ステファン・レヴィン』が彼との引き合いに出されることがあるが、レヴィンシュートはあくまで「破壊力があるだけ」のシュートである。選手達が負傷したのはシュートを止めに行った為であり、女神像を破壊したり殺意を抱く描写もされたが少なくとも故意に殺そうとはしていない。 #endregion #region(ロベルトの行動に関する問題) 『II』でも翼びいきに見える(ただしイベント演出上の関係で違和感を感じにくかったが…)ブラジルチームでの采配が疑問視されていたが、今回もチームより個人への情で行動している部分が見受けられる。今回は『II』以上に監督として問題のある行動が目立つ。 -''代替戦力の確保の目処が立たないままストラットを放出'' --シナリオの途中(ミラン戦でバンビーノ、ラテンアメリカカップ中に恋人のミアータから)戻って来る様に言われて''あっさりミランに戻ってしまう''が、ロベルトは引き止めもしない。まあ、''プロ選手としての責任を果たさずミランから逃げたり、戻ったりするストラットもストラットだが…'' ---ラテンアメリカカップ編(選抜試合時)にミアータと遭遇する。普通に考えてチームの拠点に一般人を入れる事はまず無いと思うのだが、''応対しストラットと対面させたのはロベルトである。'' ---ミランへの復帰は''ロベルトの協力''もあっての事である。一応ストラットは前述の問題でミランから逃げるようにサンパウロに入団してたので立ち直った彼の意思を酌んで復帰させたのだろうが、普通に考えて''チームでもトップクラスのストライカーを簡単に手放す事は監督としては失格行為''だろう。 ---いくら翼が強いと言っても、彼に頼った戦術には限界がある((『III』で二度選手生命の危機に見舞われているし、『V』ではセリエAのレッチェに移籍した))。 ---尤も、いくらゲームの設定と言えどロベルトの協力だけでミランに復帰出来るとは到底思えないし上記のミアータ関連を考慮すると、ロベルトはストラットを立ち直らせる為にミランチーム側と連携を取り合っていた可能性も高い((ロベルトはストラットのトラウマ原因を知っていたり、結果的に選手を引き抜いたミランと意図的に対戦する様に手配しているので十分あり得る。))。 -ブラジルリーグOP編ではシナリオ進行に応じてサンパウロへバモラ、ネルソンが加入。更にワールドクラブカップ編ではマウリシオ、新田と計4人の選手補強が行われる。 --しかしバモラはケガからの復帰組で厳密には補強とは言えず、ネルソンは片桐からの紹介を受けての補強、新田は自費研修生として押しかける形で参加している。ロベルト自身の手で補強した可能性がある新戦力はユースチームから昇格した問題児のマウリシオのみ(劇中のテキストを見るだけでは、ロベルトが招集したとは断定できない)。 ---更にこのシナリオではロベルトが''ストラット退団後''に「やはりストラットのぬけたあなはおおきいな。なんとかしなくては…」と言っており、''代替戦力を確保できていなかったのがはっきり分かってしまう''。 --ヨーロッパ奮闘編では、ストラットが抜けて補強が一切行われない状態のサンパウロで全試合を戦わなければならない。既存戦力を底上げするというのはチーム方針として間違っているとは言えないが、まともに戦うと全ルートでも屈指の難易度を誇る。このシナリオはブラジルリーグOPと同じ時間軸のifシナリオであるため「''片桐や新田が運よくサンパウロに来なかった場合どうなるか?''」という状況を描いているとも言える。 -全日本監督に就任 --サンパウロ時やラテンアメリカカップ等ブラジルで監督を務めていたのに翼が全日本に合流するルートでは''全日本監督に就任している''。一応説明はある((親善大会のルートでは日本のサッカーを世界と対等にすると言っている))ものの、全日本合流直後に唐突に説明されるので困惑してしまう((一応、原作では網膜剥離を患った事で自暴自棄になって身投げしようとした所を翼の父に助けられて日本で治療を受ける事を勧められ、選手生命を絶たれた後は翼と出会う事で監督としての道を見出せたので翼云々を別にしても日本に恩返しをしようと考えても不思議ではない。))。 --『V』でも全日本監督に就いている事からテクモ版では正史扱いとされている様だ。一応、翼にプロとしての心構えを語るイベントがあるのでいるだけの存在ではない。 -翼びいきは相変わらず --ポブルセンの入団拒否に関しては前述の通り一見何の問題も無いようだが…実はポブルセンの性格面での問題は''翼の加入当時すさんでいたストラットも当てはまる内容''である。 ---ポブルセンの歪んだ性格描写はロベルトが翼をレギュラー入りにする為(なお、加入当時の翼の選手位置は8番)に断られてプライドを傷つけられたせいと可能性もありうる。自分と同じような境遇の選手がキャプテンで昇格直後の選手(翼)優先で断られ、その選手が元名門チームの選手を踏み台にする形で速攻でキャプテン就任では「プロをなめるんじゃねぇ!!!」と敵意をむきだしにするのは当然とも言える。 --また上記の選手補強にしても知人の紹介で容易に断れないし先輩ポジションとして翼を成長させてくれそう(ネルソン)、チームの古参でポジション的に翼と活躍がかぶらない(バモラ)、翼の後輩、新人なので能力面で翼を上回る可能性が少なく翼の引き立て役に最適(新田、マウリシオ)と''どう考えても翼を超えそうな選手を嫌っている感が強い''(事実、トラウマから立ち直ったストラットは早々にミランへ送り返している)。 ---大げさな考察と思われがちだが既に前々作で敵対している状況でサイクロンのヒントを教えたり、切り札とも言える選手を決勝後半で(チームメイトにも事前に知らせずに)唐突に出すといった自分が監督を務めたチームすらも踏み台にしている(あくまでプレイヤー視点であるが)前科があるので余計にそう思われやすいのである。 --「''ロベルトがポブルセンを獲得しておけばサンパウロでの試合が楽になった''」と考えるプレイヤーも少なくない。 ---実際、初期サンパウロの選手は翼・ストラット・石崎以外は低ステータスの選手ばかり。上記のロベルトの評価も考えればなおさらである。 ---翼と出会って人間面で大きく成長した日向やトラウマを克服したストラット等を見ると、彼もサンパウロ入りしていればもう少しまともな人格になった可能性もあったし、翼にとってもいい競争相手となり得ただろうからその面でも惜しい。そしてなにより''サンパウロ編でのプレイヤーの苦労は軽減された筈''である。 -翼以外の選手にはぞんざいな扱いでストラットやマウリシオといった問題児の面倒を翼達に丸投げしているように見える --ストラットは過去のトラウマからタックルを過剰に恐れ、事ある毎にチームメイトに当り散らすと言う下手をすればポブルセン以上の問題児である。にもかかわらずロベルトはストラットのプレイ内容や素行に関して''全く咎めようとせず''キャプテンに就任させている。 --マウリシオも荒れていた頃のストラットを思い浮かばせるような問題児で、先輩である石崎や新田に悪態をついたり、必殺タックルを覚えた''チームメイトの石崎にタックルを仕掛けてボールを奪う''などやりたい放題。しかし翼はそんなマウリシオをあくまでも友達として扱いかばう。やがて、翼との会話を経て良い後輩ポジションのキャラに変貌する。 ---しかし最初の紹介以降マウリシオの出てくる場面にロベルトが出て来ないため、結果として翼達にマウリシオの面倒を丸投げしているように見えてしまう。 ---また、ベテラン選手のネルソンは翼の甘さを指摘し更なる成長を促す役割を果たしていたにもかかわらず、マウリシオに対してはその不遜な態度を諌めるようなイベントは一切存在しない。加入当初から既に彼を見限っていたか、ロベルト同様に翼達に一任するつもりでいたとも考えられるが、なまじ翼に対して先輩らしく振る舞っていただけにイベントが一切無いのは不自然である。 -『V』ではこういった描写は改められ、翼や日向などの主力選手に頼りすぎている全日本の状況を憂慮し主力選手抜きでアジアカップを戦うことを決意し、新田が全日本へ合流を拒否した際は自ら説得に赴く等監督としての勤めは一応果たしている。 -色々問題視されている原作では、翼の成長に涙ぐみ原作版サイクロンともいえるスカイウイングシュートを伝授したが、サンターナにも伝授しサリナスに対策を施し、きちんと日本に対する対策も怠らず試合に臨んでいる。また、番外編でもブラジルの監督としてまともな采配をしており、きちんと公私を弁えた監督として描かれている。 #endregion #region(シナリオとゲーム上の能力設定のギャップ) -今回のブラジルはデンマークに零封されて敗北するルート((原作ワールドユース編は「新キャラの強さを目立たせるため、既存人気キャラのいるチームを盛大に噛ませ犬にする」と言う描写を本作以上に多用し、ファンから大きな批判を受けた。))があるが、実際にオールスターモードで試合をした場合、デンマークの実力ではGKのシューマッハ以外のプレイヤーの能力が低く、精鋭揃いのブラジルにはまず勝てない。 --更に言えば本編で日本が試合をする時も、シューマッハからは普通に得点可能である。シューマッハはカルロスとコインブラを完封した程のGKなのだが…。 ---本作での合計能力値は108。ヘルナンデスや若島津よりちょっと上くらいの能力でコインブラを完封できるとは思えない。 --『V』でのあまりの弱体化から察すると監督交代後に選手の総入れ替えが起こった模様。新選手たちを見る限り''今作までのブラジルレギュラーを相当過小評価している''人物だと思われる。今回のあまりの惨敗でブラジル国内に暴動でも起きたのだろうか……。 #endregion #region(シナリオの突っ込みどころ) -ワールドクラブカップ編はクラブチームの大会なのに、最後に戦うのは「''日本クラブ選抜''」と反則としか思えないチームとメンバー構成。一部メンバーがナショナルチームとほぼ同じクラブチームは他にもあるが、日本ほど露骨ではない。 --しかも本来ならハンブルガーSV所属の若林、マルセイユ所属の岬、マンチェスター所属の松山までもが、片桐に頼まれたからという意味不明な理由で参加している。ここまで来ると最早「日本クラブ選抜」ですらなく、全日本と大差ない。 ---彼らを入れることで日本クラブ選抜のメンバー構成をラスボスらしくする、という意図があったのかもしれない。そうだとすると、ハンブルガーSVとマルセイユとマンチェスターがワールドクラブカップの予選あたりで全て敗退した後、出番がなくなってしまったであろう若林たちに急遽参加要請した事にしないと話の辻褄が合わない。いくらなんでも、本来の所属クラブチームのことをそれぞれのチームメイトに託して日本クラブ選抜に参戦したわけではあるまい…。 --このルートでの日向や若島津は所属クラブチームのメキシコシティから出場しているため、日本クラブ選抜には不参加。 -親善大会編最終戦のドイツ戦でのみ登場するラスボス的キャラクター『フライハイト』。彼は雨天で逆にパワーアップし、専用必殺技も多数追加される珍しいキャラクター。さらにこのシナリオ中に限りこぼれ球を100%回収する。反面、晴れている時はレインボウパスと言う必殺パスしか使えない。 --しかし、このために控えに回されたのがカペロマン(このシナリオのみベンチ入り)。この試合は必ず前半で雨が降り、後半は止む構成になっているのだが、雨が止んでも「あめは やんだが ドイツはまけない!」と言ってそのまま出場し続け、カペロマンは一切試合に出られない。モブ以外の選手をベンチ入りさせるなら、台詞や顔がなく必殺パス持ちと役割が被るメッツァ辺りにすれば良かったと思われるのだが……。 ---他でも述べられているが、彼はこのシナリオでしかほぼ活躍の場面がないのでこの展開も致し方ないのであるが…。(オールスターでは天候の設定が不可能なので彼を選択するメリットは皆無) ---前作のユニバーサルユース(及びその原型となったユニバーサルカップ)を彷彿とさせる展開も合わせると、前作で東西ドイツ統一を裏のテーマとしながらも旧東ドイツ出身選手の描写が皆無であったことを補完する存在とも言える。 -本作のシナリオには翼、石崎、ストラットの3人がブラジル代表チームに加わり、カルロスやコインブラたちと共に南米選手権を戦うという熱い展開が用意されているのだが、実際のFIFAの大会規約では''「その国の正当な国籍を有していない者が、その国の代表として国際試合に出場する事は禁止されている」''と定められているはずである。 --ブラジルに長期間滞在している翼に関してはブラジルの国籍を持っていても不思議ではないが、サンパウロに入団したばかりの石崎とストラットがブラジルの国籍を持っているとは到底思えない。 --原作でもドイツ対オランダの親善試合において、怪我をしたミューラーの代役として若林がドイツ代表として出場し3失点したという話があるのだが、これは国籍以前に非公式の親善試合だったから可能だったのであって、話の整合性がきちんと取れている。本作のようないきあたりばったりな話では無い。 --作中では石崎が「ブラジル人じゃない俺たちも出れるのか?」と聞くと、ストラットが「俺はイタリア人だけど去年は出たぜ」』と答えるシーンがあり、メキシコ代表チームにも日向と若島津が参加している事から、どうもテクモスタッフの解釈では「国籍は関係無く、各国のクラブチームに所属していればその国の代表として出場可能」という事になっているらしい。本来ならばこのようなチームこそクラブ選抜と呼ぶべきなのだが…。 ---アルゼンチン人のバビントンは帰国したらしく、ブラジルのクラブチームには在籍していない。惜しいことをした……。 //-本作のEDでは翼はローマ(強豪チーム)に移籍したことになっているが、続編の『V』ではレッチェ(超弱小チーム)に移籍している。 //--ストラットが「適当なチームを紹介してやるよ」と言っていたが、それがあの雑魚チームだったのではないかと噂されている……。 //--同じようにEDで岬は日本のスクデットジャパン所属になったはずだが、続編の『V』ではフランスに戻りパリに所属している。 //---ナポレオンが岬に「来年は日本でプレーするのか」と確認している場面があり、『V』ではナポレオンは日本の南葛SCに所属している。ひょっとしたら''岬と組むつもりで来日したのにチームにいたのは来生や森崎だった''というすれ違いだったのかも知れない……。もともと自分より下手な選手を見下す癖があるナポレオンはチームの弱さに我慢がならず、来生たちをアマチュア扱いして殴り合いを起こすなど大変なことになっていた。 //これはむしろ『V』限定の問題では? #endregion ***システム面 -オールスターでのバランス --前述のLV1の状態では前作に登場した、モスクワ所属でベルギー代表GKであるラムカーネの弱点が無くなる。前作、今作共に''能力最強だがスタミナが無く、フルタイムでの試合は困難で後半弱体化する''という設定なのだが…。 ---今作の弱体化は''レベルが1になる''と言う物。全員LV1の状態では弱体化せず、前作のミューラー並のバランスブレイカーとなる((若林は特定選手やPA内に踏み込まれるとGSGKが発動しないので勝手を知っているプレイヤー同士だと鉄壁とは言い難い))。ネオサイクロンやドライブタイガーでさえもシャドーシールドで容易くキャッチされてしまい、並の必殺シュートならただのパンチングでも防がれてしまう程なので、ラムカーネ込みでのバランスを考慮するならLv3~4位まで上げた方がいい。 --他にもクラブ、ナショナルチームでの能力バランスが悪く(シナリオ準拠なので当然だが)特にクラブチームでは''ミランを取れば確実に勝てる''ほど差が激しい。 --シナリオ本編では一部敵チーム(主にクラブチームやシナリオ専用チーム)の選手がレベル補正の強化を緩和するため基礎能力が弱体化されたり、一部は逆に強化された状態で登場するが、''全員同レベルのオールスターでもクラブチームでは基礎能力がそのまま''。 ---ナショナルチームやエディットチームはパラメーター自体の変化はないが、ペルーはプレイヤーが使用する場合は本編で猛威を振るったオルミーガの吹っ飛ばし行動を発動させる事ができず弱体化している(これは各種行動がAIに設定されたオルミーガ専用行動ルーチンでのみ選択可能な専用必殺技扱いであるため発生する現象で、COMが使用する場合や各種委任モードによるオート操作では本編と同じように吹っ飛ばし行動が発動する)。 -強引なドリブルに代表される吹っ飛ばし系のドリブルがやたら強い。能力が上だったり必殺タックルを使ってくる相手でも良く吹っ飛ばすし、消費ガッツは『III』同様の基準なので単体が相手なら殆ど消耗がない。 --必殺タックルがそれなりには効くが、消費ガッツと成功率が見合わない。 --反則狙いも一応対策となるが、成功率は5回に1回~10回に1回といったところ。やらないよりはマシだがあまり期待しない方がいい。 --続編の『V』では、強引なドリブルは見る影もないほど弱体化している。 -ドリブルで1歩移動する→メニューを開く→閉じる→またドリブルで1歩移動…とやると、敵に接触されることなく進むことができる。これをやれば必ずキーパーと1対1までもっていけるので、CPU相手でも詰むということはないだろう。対人戦ではリアルファイト必至なので、もちろん封印推奨。 ---- **評価点 -演出面は進化している部分もちゃんとある。 --Ⅲでかなり縮小されていた試合中の選手アニメーションが大きくなった。省略されていた表情も再び見れるようになった。 --特にドリブルモーションは迫力があり動きもかなり豪快。豪快すぎて普通のドリブルも強引なドリブルのように見えてしまうのは考えものかもしれないが…。 ---前作の「オカマ走り」と揶揄された内股ドリブルは消え去った。現実でやったらどうなるかとかは気にしない。 -テクモのオリジナルストーリーはやはり秀逸。 --本作唯一の救いというか、ストーリーはまともである。''試合を無視して話を追うだけ''でも結構楽しめる。 ---作品の副題通りプロでの新たなライバルの登場や、プロでのサッカーに対する心構え等今までよりもキャラクターの心情や葛藤が出ている。 ---また前作では、日本以外の選手を仲間としてのストーリーを含めた絡み合いは岬とナポレオンのみだったが、本作中ではその機会も非常に多く、のっけから早速翼とストラットが絡み合っている。 ---初戦でゴールを許すとストラットがレナートを叱責したり、敵チームに移籍したアマラウ&ドトールについてロベルトと石崎が語り合う等、ユース時代のサンパウロの仲間達にも僅かながらスポットが当てられている点もファンにとっては嬉しい要素。&br() もっとも、プロ昇格にあたりそのメンバーの大部分が入れ替わってしまったり、一際存在感のあったバビントンは代表チームにしか登場しないうえに上述のような会話イベントも用意されていないのは残念なところだが。 #region(ストーリーのネタバレあり) --今作オリジナルのラスボスの一人であるオランダ代表のファンベルグは、さすがにコインブラほどではないものの中々インパクトもあって強い。またプロ選手ということでこれまでの同世代選手と違い先輩としてのキャラ付けもされており、翼もきちんと敬語で対応している。 ---必殺技はオーバーヘッド((通常のオーバーヘッドキックとは違う必殺技として扱われており、威力や消費ガッツがやや高い。))のみだが、基本能力が非常に高い。松山のイーグルタックルや早田のカミソリタックルを''普通のドリブルで''避けまくり、若島津の牙龍三角飛びを''普通のシュートで''無力化する様は圧巻だと言えるだろう。 ---さらに彼がシュートを撃つと、''放たれたボールが七色に光る。'' ---しかも彼は、何と''若林を相手にペナルティエリア外から5点も奪った''という、とんでもないプレーヤーである。 ---次回作では残念ながら怪我により長期離脱してしまう。その後怪我が治り最終シナリオの大会に参加したが、ミランは新田とアルシオン抜きのカンピオーネに0-10で敗北する結果となってしまった((もっとも、オールスターで使用できるだけコインブラよりマシなのだが…))。 --他のオリジナルキャラクターも特徴が多く''シナリオ開始時に味方選手として登場し、トラウマを乗り越えて新必殺技を習得し、元いたチームのチームメイトと和解してミランに復帰、その後ルート次第でラスボスとして戦う事となるストラット''や、ただのモブ選手にしか見えないが''シナリオ時のみ全ての行動が敵選手を吹き飛ばす補正がかかっており、ブラジルチームを苦しめるオルミーガ''等、前作までとは違ったインパクトを持つキャラが多い。 --翼がブラジル代表に選出されカルロスやコインブラ、メオンと共闘するラテンアメリカカップ編はアツイ。 --分岐試合で負け続けると辿り着くワールドクラブカップ編は、''翼が最後まで全日本に合流しない''という異色のシナリオであり、かつオリジナルのキャラクターが多数登場することもあって独特の雰囲気を味わえる。 --特定のルートでは''ディアスがサイクロンを修得する''。更にネオサイクロンや、オリジナル技のバク宙サイクロンまで覚える。ディアスの天才ぶりを改めて印象づけさせ、サイクロンというシュートをより深く掘り下げる上でも重要な役割を果たした。惜しまれるのはアルゼンチンがラスボスチームに入っていないことか。 -ゲルティスのイベント追加 --前作まではキーパーマシンの異名を持ち強烈なイメージを残しながらも、セリフらしいセリフが全く無かったブラジル代表GKゲルティスに、本作ではイベントがいくつか追加された。 ---例えばストラットとの対戦経験があったり、ストラットの恋人であるミアータをストラットの元に案内したり、試合中に翼に対してネオサイクロンを撃てと挑発したり、そのネオサイクロンを見事に止めるといったイベントが発生。 ---また『V』では既存キャラの大幅なリストラが行われたのだが、ブラジル代表では彼とバモラ(本作初登場のサンパウロの正ゴールキーパー)、カルロスだけはリストラされずに残されている。ブラジル主力陣がカルロスに反発して試合をボイコットする中、彼とバモラだけは無視して出場してくれる等、無口で(カルロスやコインブラと比べ)目立たないが気配りの効く人物として扱われている。 #endregion -オリジナルの主人公 --常に攻略の一環を担いオリジナル必殺技((ガッツ450を消費する吹っ飛ばす剛球系シュートで名前を自分で決められる))も覚え、本来の全日本のレギュラーを食うような強さを持ちながらも、シナリオに本格的に絡むことはほぼなく空気を読んでいる(フィールドでは翼顔になっており、ストーリーパートでは翼の髪型で後ろ姿のみ)。 -オールスターモードの充実。 --1Pと2Pの協力プレイもできるようになった。 --代表チームからクラブチームに至るまでゲームに登場するあらゆる選手を網羅しており、組み合わせは千差万別。さながら''デバッグルーム''である。 ---自分で選手を編成するエディットチーム((1P側は「スターキャプテンズ」、2P側は「スターウイングス」で、ユニフォームはそれぞれ前作の全日本とドイツ代表を踏襲している(ストーリーモードに登場する全日本のユニフォームは、当時のアウェイユニフォームを元にした白いシャツに青いパンツとなっている)。))のみならず、これらのチームをそのまま選ぶこともできる((ただしクラブチーム・ナショナル(代表)チーム・エディットチームそれぞれでモードが独立しているため、「1Pエディットvs2Pナショナル」といったようにお互いに違う条件で戦うことはできない。))。 ---前作の『III』は人数が偏っており、『V』ではオリジナルキャラが大勢リストラされてしまったため、本作でしか使用できない選手も多い。 ---今作ではついに我らがSGGK(スーパーがんばりゴールキーパー)森崎も使用可能。さらにフランスの森崎・アモロやブラジルの森崎・レナートも選択可能。念願の「キーパーを森崎にして世界最強のストライカー達の必殺シュートでフルボッコ」や、「両軍キーパーをザコにしてノーガードマッチ」という楽しみ方が可能になった。気になる能力値は、中西(能力値合計91)=メオン(91)>>森崎(80)>アモロ(79)>レナート(76)で、選択可能な最弱キーパーはレナート君であった。((なお若林とミューラーの能力値合計は120。後述の最強キーパー・ラムカーネは124。ブラジルのキーパーマシン・ゲルティスは107。若島津とヘルナンデスは106。)) ---ただし、ある3人の選手の登録が重なってしまっているため3人のうち1人しか使えなくなっている((GKのディーノ、シューマッハ、バモラ。特にディーノはストーリーを進めるとシューマッハと交代してしまうため、レベル1で使用することができない。))。 ---守備時の移動速度がコインブラのドリブルよりも速い超超高速DFゾフが選択できず、その異様な挙動を楽しめないのは残念。 --当然の処置と言えるが、ストーリーモード専用のチームは選択不可能。ストーリーモードで味方チームだった南武大フースバルを敵チームとして選んだり、ラテンアメリカカップ決勝で苦戦させられたメキシコを自分で操作する、といったことはできない。 --オールスターモードの敵チームには、選手交代の概念がない。例を挙げると、マンチェスター所属の松山や武蔵ローレルス所属の三杉は、ストーリーモードでは後半から出場するが、スタメンではないためにオールスターモードでは対戦できない。ただし、味方チームとして選べば控え選手からスタメンに変更することもできる。 --レベル1の状態で遊べば浮き球バグの影響を受けないので純粋に試合を楽しむことができる。 --各選手ごとのステータスを細かく参照できるので、設定マニアにはたまらない作りとなっている。 --簡素だがオリジナルキャラを作成して試合に参加させることができるようになった。名前を決めた後、好きな能力を8ポイント分あげることができる。ただし、1つの項目には最大4ポイントまでしか分けられない。 ---ポイントの振り分けによって必殺技も習得可能。なお、シナリオで使用されていた必殺シュートは「トルネード((後に連作開始されるワールドユース編の火野竜馬が使う「トルネードシュート」とはまったく別物。))」と言う名前になる、他にも守備のパワーブロック、パワータックルやドリブル用のヒールリフトと4通りの必殺技を装備できる(実際にはポイントの都合上2つまで)。 ---ただしエディットモードでしか使用できず、名前やポイントの振り分け等を記録しておくことが出来ないので必殺技を習得させる為に一々調節しながらポイントを割り振ることに。 ---2つの必殺技を装備させても、その場合ポイントが分散され能力値が中途半端になりがちで役に立たないことが多いので、単純戦力で考えれば「トルネード」のみでシュートに特化させた方が一番いい(「キック」に4ポイント「わざ」に3ポイント「えんご」に1ポイント)。 ---パワーディフェンス系は2つ持っても次藤やディウセウに劣ることになる上、強引なドリブルやキャノンヘッドがないため結果的に劣化キャラにしかならない。タックルかブロックどちらかに特化してもバランスが悪く、そこまで強くはならない。 ---ヒールリフトに至っては最悪で、特化しても突破力は弱くスピードが普通なので劣化キャラにしかならない。翼などのメインキャラのドリブル技は元より、ファンベルグや後述のオールスター専用キャラ「KAZU」の通常ドリブルよりも弱いという体たらく。 -前シリーズからのBGMの多くをアレンジして収録したことは評価できる。これで音質が良ければ言うことなしだったのだが。 --またストーリーパートではBGMの出来は全般的に良い。 -浮き球バグばかりがクローズアップされる為見逃されがちだが、地上戦の駆け引きはなかなか熱い。 --前作では敵選手との接触時の必殺技がかなり強かったが、今作ではその殆どが絶対的に信頼が置けるほどのものではなくなり、『II』時代に近くなっている。 -レベルや基本能力差は確かに重要なのだが、能力的にこちらのドリブルが大幅に有利でも集中的にタックルを受けると意外とこぼれ球にされる。こちらが守備に回る場合も同様なので、ディフェンスタイプをプレスにして複数人で取り囲むのが効果的。 --アルゼンチンのディアスが代表的だが、パスもワンツーも出さずにひたすらドリブルで切り込んでくるルーチンの敵選手は多い。こういう選手には効果てきめん。 --こぼれ球まで行かずとも、守備側が反則(ファール)を起こすとフリーキックでパスしなければならなくなるため、その面でも有効となっている。 ---ちなみに守備側は「ブロック」を選ぶとファールを起こしやすいとされている。 ---ドリブルに対してブロックは相性が悪いので失敗しやすく、結果的にファールが多くなるだけ。ファールを狙うよりは直接ボールを奪える可能性のあるタックルのほうが有効。 -レベル変動制により、旧作のように何度も同じ試合をこなしてレベル上げをする必要がなくなった。 --たとえ負けても再戦を申し込まなければ次の試合に進めるようになり、ストーリーのテンポは圧倒的に良くなった。 ---再戦の場合は味方のレベルだけが上がり敵のレベルは据え置きで、いつかは勝てるようになっている。勝っても次の試合での浮き球バグとレベル格差をさらに助長するだけなのでメリットは少ないが。 --旧作と比べて無敗プレイの難易度も下がっている。 ---これは厄介なバグと同時に難易度を下げるための抜け道や本作独自のテクニックも存在しているため。無敗プレイを抜きにしても、テクモ版シリーズ経験者からは「4は難易度が低い」と言われている。 -初代作にあったリーグ戦形式が限定復活した。 --対戦順はランダムではなく固定。4試合のうち3試合を勝つことで通過できる。もし通過できなかった場合は、リーグ戦の最初からやり直しとなる。 --世界大会前のアジア予選と、本大会の予選がこの形式。 ---アジア予選の強国は中国と韓国。どちらも浮き球シュート狙いのチームなので非常に手ごわい。特に中国は''全員倍速''でGKも必殺持ちという反則級の強さ。 ---本大会予選の強国はルートによって変わる。アメリカ(ロサンゼルス)のミハエルとは必ずここで当たる。 -ピエール+ナポレオンの『スライダーキャノン』が他のツイン系シュート同様、低い浮き球シュートになった。~ 初登場の『II』では敵専用で、低い浮き球でも高い浮き球でも使えるボス仕様の凶悪技。~ しかしオールスターでピエールとナポレオンを使えるようになった『III』ではなぜかピエールからしか撃てず、地上のシュートになって使い勝手がとても悪かった。~ ピエールはもともと地上用のスライダーシュートを単独で使えるので、スライダーキャノンが浮き球用に戻ってくれたのは対応力が増してくれて嬉しい。 --だが原作で見せたオーバーヘッドキックは使えず、高い浮き球用の必殺シュートが無いところは残念。 --続編『V』ではナポレオンもスライダーキャノンを撃てるように戻り、ここでようやく完全に他のツインシュートと同じ形になった。~ また『V』ではパスを出す時に高い球か低い球か指定できるようになり、「確実にスライダーキャノンを狙える」という『II』同様の信頼感も復活した。 ---- **総評 このゲーム単体なら典型的な低評価のキャラゲーで済んでいたかもしれないが、シリーズ全体が素晴らしい出来だっただけにタイトルにまで泥を塗る結果となってしまった感は否めない。~ 漫然とプレイした場合、浮き球バグとレベル変動制によりゲームバランスは滅茶苦茶。1周クリアするだけでもかなり時間がかかる仕様なのに、コンプリートにはそれを4周もやらなければならず、作業感は相当なもの。周回を楽にするはずのシステムにも落とし穴があって、それに頼っていると痛い目に遭うこともある。売りだったBGMや演出面でも見るべき所が少なくなり、ファンを惹き付ける力は従来作と比べ弱くなってしまった。 しかし分岐によって様々なシチュエーションを楽しめること、(突っ込み所はあれど)これまでと違う「プロの世界」に踏み込んだストーリー描写、豊富な選手とチームや必殺技が登場して対戦でも使用可能なことなど、本作ならではの魅力もまた存在する。浮き球バグも厄介ではあるが、上手く利用すれば有利に戦いを展開できる部分もあるし、ドリブルで切り込んだりエリア外に敵をおびき寄せてフリーにしたりと戦う手段はあり、無理ゲー化はしていない。~ 攻略研究が進んだ現在では浮き球バグへの対抗策やレベル調整の重要性も理解されつつあり、結果的に様々な選手を活躍させる必要があるこのシステムにやり甲斐を見出すプレイヤーもいる。 ''浮き球バグを失くして演出を『III』のままにしてくれたら良作だった''とする意見も多く、その点では開発期間とデバッグに泣かされた悲劇の作品とも言える。~ もし今から遊ぶならバグの仕様を理解しつつ、あくまでもストーリーを追うかたちで楽しむのが良いだろう。そこまで''時間とガッツが足りれば''であるが。 ---- **その後の展開 -1994年9月にはじめて任天堂ハード以外での初作品『[[キャプテン翼>キャプテン翼 (MCD)]]』がメガドライブ(メガCDのみ)発売。 --『[[VS>キャプテン翼VS]]』以外ではじめて小学生編を取り入れ、中学生編(日本大会決勝の東邦戦まで)までを再現している。 --少々おかしいところもあるが、中学になり南葛SCから袂を分かつ関係となった大友中((翼たちと南葛SCでチームメイトだった浦辺、岸田、西尾、中山と後輩で全国制覇を成し遂げた新田、一条が所属。))マイナーながら小学校編県大会で若林つぶしに体当りを敢行した志水FCなども登場し、メガCDの特性である音声までバッチリ取り入れられており、全体的には高い再現度を誇っている。 --一方『VS』ほどではないにせよゲームとしてのバランスを取った都合で若林が少々弱いのは残念なポイント。だが技に関しては『VS』のような来生、井沢、岬あたりに付与された明らかに原作に反した不自然なものではないので、やはり秀逸な出来と言えよう(原作で名前だけ出てきたモブチームにモブキャラっぽいオリジナル選手がいて適当な名前の必殺技を使う点はさすがに違和感が否定できないが)。 -スーパーファミコンとしては1994年12月に『[[キャプテン翼V 覇者の称号カンピオーネ]]』を発売。 --この頃には原作の正式な続編「ワールドユース編」の連載、アニメは「キャプテン翼J」((ワールドユース編のアニメ放映を目的としていたが当初は原作不足のため旧作のリメイクが放送されていた。結果的にはすこぶる不評で放送開始から間もなく視聴率は致命的なほどに低迷したためリメイクは小学生編のみで打ち切り、予定前倒しで1995年9月からワールドユース編に切り替えたが結果的には最後まで視聴率もその評価も挽回できなかった。))の放送がはじまっていた影響か「テクモ版キャプテン翼」としては最終作となった。 --本作のような致命的なバグは解消され、ストーリーでは各キャラをそれぞれ掘り下げたサブシナリオも充実しており、そのクオリティの高さは目を見張るものがある。~ またメガドライブ版ほどではないにせよ、主要キャラのみでピンポイントながらキャラボイスが搭載されている。当時は「キャプテン翼J」が放送されていた時期にもかかわらず、声優キャスティングは旧シリーズに準拠して採用いることも好評の一因。 --しかし、その反面ゲームシステムは、当時Jリーグ誕生で激増したサッカゲームの影響かフィールドの見た目はアクションサッカーのようなものになっており、これに関しては賛否が分かれている。 ---- **余談 -最初の試合にてレナートがゴールを奪われた際のストラットの発言''「ポストのほうがまだマシだぜ!」''は迷ゼリフとして有名。 --『II』以来の彼の不甲斐なさや、シリーズ伝統の強力なシュートを打たれようものなら何をしても防ぐ事ができずポストに当たるのを祈るくらいしかできないバランスを象徴したセリフとも言える。 ---この試合の相手は初戦なだけあって弱いのだが、この試合自体特殊仕様で4点以上の差をつけると相手のレベルが急激に上がる((更に差が開けば比例して上がっていく。逆に3点差以内に縮まると元に戻るため、「リードを広げたことが災いして隠れパワーアップで負ける」ということはまずない。))ので、3点リード以内での完封勝利を意識しない限りこのイベントはまず発生する。またこのイベントが発生するとレナートのセービング力がアップする((実際には3レベル分を前借りするような形になるため、このイベントでパワーアップするとレベル4まではガッツが増えてもセーブ力は上がらない。裏を返せばこのイベントを起こさなかったとしてもレベル4まで上がれば結局同じ。))。 -ラテンアメリカカップのブラジル代表vsコロンビア代表の試合で、ボールを持っているストラットとミルチビッチが接触するとイベントが発生するが、その際にストラットは彼を''サノバビッチ''((英語で"son of a bitch"、直訳すると「雌犬の息子」という意味だが、スラングでは対象人物(男性)への多大な侮蔑や憎悪を込めた呼びかけとして使われる(女性に使う場合は"bitch")。Fワード同様に下品な言葉と見做されており、しばしば母音を伏せて使われる。))呼ばわりする。 --一応、ミルチビッチ本人は「俺はミルチビッチだ!間違えるな、ザコ!」と言い返しつつナナハンタックルをお見舞いしており、単なる名前の言い間違えとして収めてはいるのだが、本来ならば一発退場モノの侮辱と捉えられてもおかしくない一言であろう。 ---実際、作中では翼を煽りに来たミルチビッチに対してストラットが反応するも「ザコに用は無い」と一蹴されヒートアップし、コロンビア戦前には「''ミルチビッチ''、いよいよか」と''正しく名前を呼んで''前置きしたうえで、「気分良くイタリアに帰るためにもアイツだけは叩く」と激しく敵対心を燃やしていたため、故意にサノバビッチ呼ばわりした可能性は否定できない。 //ファントムの件はスレでの相談の上で削除 -セーブデータが壊れてしまったときにファイルの選択画面を開くと''「くっ! データが消えてしまった!!」''というメッセージが表示される。 -今作の説明書には必殺技の真似をしないように注意書きが記入されている。 --ちなみに例はスカイラブ。当然ですね。また実際のサッカーのルールでもスカイラブ系の技は全て反則である。 -のちに[[DOAシリーズ>DEAD OR ALIVEシリーズ]]や[[NINJA GAIDENシリーズ>忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]で有名になる板垣伴信氏が初めて制作に参加したゲームでもある。 -音源のまずさによるBGMの劣化は後の[[忍者龍剣伝 巴]]でも問題になった。 -このゲームが発売された1993年はアメリカワールドカップ(W杯)の予選があり、日本でプロサッカーリーグ(同年5月に開幕した「Jリーグ」)発足後初の挑戦ということもあり、W杯初出場へ機運が非常に高まっており国民的にも注目度が高かった。そのためか本作では韓国戦前のストーリーパートで翼が現実での日韓サッカーの歴史を語ったり、日向が若島津と特訓して新必殺技のドラゴンタイガーを完成させ試合で初披露したりと、後に行われる現実のW杯予選での「打倒韓国を願う気持ち」を意識させるような要素を盛り込んでいる。 --キャプテン翼の世界でライバルはあくまで世界トップクラスのブラジルや西ドイツであり、韓国等アジアレベルごときは歯牙にもかけない存在だったが、現実の日本サッカーはそれまで長年に亘りオリンピックやW杯の予選で日本はことごとく韓国に敗れ(最高でも引分け)出場を逃す苦汁を味わってきた((結果的には韓国に対してW杯予選初勝利を挙げたものの、最終戦となるイラク戦でロスタイム中に同点ゴールを奪われ引き分けたため得失点差で3位となり(当時のアジア出場枠はたったの2、この試合でイラクを破っていれば悲願のW杯初出場が確定だった)出場を逃した。これは「ドーハの悲劇」と呼ばれ現在も語り継がれている。))。 --翼世界でも、見上や片桐の世代の全日本は韓国に惨敗しW杯出場を果たせなかったことがWY編で語られている。 --ただ、その割に韓国チームそのものの構成は相変わらずで特定選手はツインシュートのシャとキムのみで新技追加もない。どころか、二人とも顔なし(その他大勢顔)に降格されるなど「現実では強敵」を意識させるような要素はまったくなく、より一層モブチーム化した印象しかない。 ---普通にやっていればまず圧勝の試合になると思われるので、キャプテン翼は好きでも現実のサッカーに興味がない人にとっては「なんで韓国ごときにあんな気合入れてたんだ?」と思ったことだろう。 -これまでの出来が秀逸すぎたため本作自体ガッカリな印象を与えて終わったが、この2年後(『[[V>キャプテン翼V 覇者の称号カンピオーネ]]』発売の翌年)にバンダイが『[[キャプテン翼J THE WAY TO WORLD YOUTH]]』という、根本から欠陥システムで固められたクソゲーを発売することになる。そのクソゲー度合いはもはや本作の比ではない。 --ゲームだけでなく原作やアニメ自体の評判も悪く、開始当初は期待されていただけにそれを大幅に裏切った反動もプラスされ、その相乗効果で一層そのクソゲーイメージを強めている。 --たが、これに関してはメーカー自体違うしそもそも『キャプテン翼VI』ではなく「元々原作やアニメの時点で黒歴史の『キャプテン翼J』のゲーム」ということで本シリーズと直接一緒に並べて扱われないことも多い。 ----
*キャプテン翼IV プロのライバルたち 【きゃぷてんつばさふぉー ぷろのらいばるたち】 |ジャンル|サッカーシミュレーションRPG|&amazon(B000068HCE,image=https://image.middle-edge.jp/medium/8ede49de-6c58-4705-957d-0c148bb6cd26.jpg,height=250)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |メディア|12MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|テクモ|~| |発売日|1993年4月3日|~| |定価|9,700円(税抜)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|演出面の劣化&br()試合時間増加に伴うテンポ悪化(ストーリーのテンポは改善)&br()浮き球バグとレベル変動制でバランス崩壊&br()オリジナルストーリーは(ツッコミどころが多いものの)高評価|~| |>|>|CENTER:''[[キャプテン翼シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 キャプテン翼シリーズの第4作((『III』の直前にGBで発売された『VS』を含めれば第5作目。))。ついにプロ化した翼達の活躍を描くテクモのオリジナルストーリー。~ 前作・前々作と完成度の高い作品が続いたために、その期待も相当のものだったと思われるが…。 **特徴 -ストーリーはシリーズ初のマルチシナリオ形式。各章最後の試合の勝敗により、最終的に4つのシナリオに分岐する。 --分岐に関わる試合はどれも非常に難易度が高く、勝つのは容易ではない。ただし、一度でも経験した分岐試合は、次の周回では勝敗に関係なく分岐先を選べる救済措置もあるため安心。 -オリジナルの主人公キャラクターが登場。展開次第では仲間になる。 -敵選手のレベルが味方の平均及び最大レベルによって変動するようになった。このような仕様はテクモ版キャプテン翼シリーズでも本作のみ。 -殆どの試合が負けても先に進めるようになった(再戦を申し込むことも可能)。ただし終盤は従来通り勝たないと先に進めない試合が多くなる。 -システムは前作からすでに完成されているので、目立った変更点は特になし。 --パス画面が3D風の表示になった。だからどうしたと言ってはいけない。 --こぼれ球に味方と相手の選手が同時に追いつくと、ペナルティエリア外でもせりあいが発生する。しかし…(後述)。 --『VS』で実装された雨の概念が仕様変更のうえで復活。試合中に雨が降ることがあり、選手の能力が下がる。 --ミーティングで相手のレベルやステータスを参照できるようになった。 -ミーティングで作戦が追加された。 --情報を元にした敵チームの対処法を教えてくれて、操作モードを選択できる。 --一人の選手だけを操作できるキャプテンモード、選手交代だけを操作する監督モード(オールスターのみ)が選択できる。 ---- //(2023/01/14追記) // ダイジェスト機能と試合数に関して修正。一部記述の位置を変更。 **問題点 ***演出面 -BGMの劣化。 --前作ではテンポが良く激しいリズムが特徴的な曲が多かったが、今作では環境音楽のような、スピード感のないゆったりとした曲調が多い。 ---曲自体が全て聴くに堪えないほど壊滅しているというわけではないが、サッカーという題材には相応しくない曲が目立つ。 ---特にオールスターは1P・2P共に最も緊張感のない曲が使われており、オールスター特有のお祭り感を考慮してもミスマッチである。せめてBGM選択機能でもあれば多少は良化が図れたのだが… --過去作で人気の曲を採用したのはいいのだが、その劣化ぶりは筆舌に尽くしがたい。名曲として名高い『II』のサンパウロFCと東邦学園、『III』のドイツの曲などは、こんな事になるのなら入れない方が良かったというくらいに酷い。 --前作までと同様にストーリーの進行に応じて自軍・相手共にBGMが切り替わっていくが、このうちDルートのサンパウロの中盤のテーマ(ラテンアメリカカップのブラジル代表のテーマと共有)は数十試合連続で使用される。楽曲自体は本作でも好評な部類だが、さすがに何十試合も変化がないととうんざりしてしまう。 --効果音も前作では「シュバッ!」「ズオオオッ!」という鋭い音を中心としていたのに比べ、今作では「どひゅ~ん」「ずもももも…」という低く重い音が多くなっている。 -試合演出、ビジュアルシーンの劣化。 --全体的に試合の流れがもっさりとしていてテンポが悪い。オマケに試合時間もプロに合わせて40~45分ハーフに増加、1試合当たりのプレイ時間が増加した。 ---競り合いで消費するタイムが増やされているが(10秒→40秒)、それでも前作以上にプレイ時間が長い。 ---40分ハーフで普通に決着を付けた場合、1試合あたりリアルで30分前後かかる。延長戦やPK戦に入ったり、イベントや天候などの要素付加がされた場合更に長くなる。 --前作までは素早い挙動や激しいフラッシュなどで派手さを強調させていたが、今作では動きがトロく演出も控えめ。 ---というより、演出効果がほとんどない。せいぜい足先が光ったり、シュートを打つ時に足を回転させたり、選手がブレて見える程度。 ---特にゲルティスのダークイリュージョンが顕著な例。前作までは暗黒空間の中を輝く光と化して飛行するゲルティスの姿が美しさすら感じる程の派手な演出だったのに、本作では「ゲルティスが異空間へのゲートを開いてその中に姿を消し、また別の場所にゲートを開いて出現してくる」という描写に留まっている。『II』『III』では見る事ができた、ゲートの向こうの暗黒空間内部は描写されない。これではただのワープにしか見えず、「ダークイリュージョン」の技名から期待される光景では無くなっている。 ---前作では敵選手やボールとの接触をフラッシュで表現し、それが接触結果が明示されるまでの「タメ」の効果を生み出していたのだが、本作ではフラッシュが削除された兼ね合いもあり、高いボールのパスやシュートを止めに行く際のジャンプが''ホバリングの如くゆっくりと上昇していく''という非常に不自然なものになった。 --これはボールの動きや必殺シュートも同じで、非常にゆっくりで、山なりで、遅い。 ---雨が降っていると画面処理がやや重くなり、さらにテンポが悪くなる。 ---しかも雨が降っていても、何故か空には雲がない。得点シーンなど一部の一枚絵には雨のパターンが存在せず、快晴のまま。 --カットイン演出も殆どのキャラが一つだけ。前作は表情が変わったり、台詞や必殺ディフェンスでは専用のカットインが多く用意されていたが、今作ではその多くがイベントでしか見られず、数もかなり減っている。 --アナウンサーが選手名を呼ぶ時、前作までと同様に「つばさくん」「ひゅうがくん」など、「くん」付けで呼ぶ。プロの世界に入った以上、大多数の選手は大人なのだが…。 ---世界最高峰のスーパープレイヤーが「ファンベルグくん」、41歳のベテラン選手が「ネルソンくん」などと呼ばれたりするのはさすがに不自然すぎる。 -オープニングは前作を踏襲した構成となっているが、そのせいで上述してきた画面演出・BGM・効果音の劣化具合が一目瞭然となってしまっている。 --『II』以降恒例となっているラスボス匂わせ演出もかなり控えめ。 #region(ネタバレ注意) --主要選手紹介が終わった後、字幕に合わせてストラット(≒イタリア)・ファンベルグ(≒オランダ)・フライハイト(≒ドイツ)のグラフィックが順に表示されるだけ。しかもストラットはイタリア代表ユニフォームではなく、ラテンアメリカカップ仕様のブラジル代表ユニフォームという妙なチョイス。 --日本クラブ選抜を示唆する選手は登場しない。ただし、上述の3人のあとに翼の眼差しのグラフィックが表示されるので、「日本クラブ選抜≒全日本から見たラスボスとなったサンパウロの翼」と無理矢理解釈できなくもないが。 #endregion -選手のカットインや反則発生時のジングルが試合中以外のイベントシーンでも多用されており、合わせるようにカットインの躍動感やジングルの緊迫感が薄れている。 -チーム名表記の統一性の無さ。 --「南武大フースバル」と「スクデットジャパン」のチーム名は短縮されたりされなかったりする。 ---試合前の対戦表示では「南武大フースバル」だが、試合でアナウンサーの呼称は「フースバル」のみ。&br() ただ「なんぶだいフースバル」表記(10文字)では文字数オーバーなので仕方ない面もある。 ---片やスクデットジャパンの場合、アナウンサーはちゃんとフルネームで「スクデットジャパン」と呼ぶのに試合前の対戦表示では「スクデット」のみ。ジャパンを「J」にするなど略されての表記すらされていない。 --この仕様は「日本クラブ選抜」にも当てはまる。試合前の対戦表示は「日本クラブ選抜」とフルネームであるのに対し、試合中は「日本」の表記が省略されて「クラブせんばつ」とアナウンスされる。 ---ちなみに後半から三杉が登場する際のアナウンスでは、「にほんは せんしゅをかえます」というように「にほん」と表現している。 -アルゼンチンでディアスのパートナーだったパスカルがオールスターで使えるようになったものの、&bold(){必殺ワンツー『アルゼンチン(ゴールデン)コンビ』が使えないどころか全く技なし}というあんまりな扱い。 -キャラ毎の顔グラフィックの扱い。 --立花兄弟がフィールドではモブ顔扱い(その他大勢顔)になってしまった。一応、技や対峙した時のカットインでは顔が出るのが救いだが。 --他にも後述の面々がフィールドでモブ顔に降格させられている。それ以外にザガロやネイなどもこの対象になっており、それに合わせるように能力も劣化した。 ---ただそんな中でアマラウとドトールは技のないキャラにもかかわらずちゃんと固有の顔((ドトールは今まで通り来生タイプのパーマ型、アマラウは前作まで浦辺タイプだったが何故か井沢のような長髪タイプになった。))が与えられ、地味に厚遇されている。またパスカルやバビントンも実力はモブ級になったにもかかわらず、顔はちゃんと維持されている。 ---その一方でユース時代からチームメイトということで特別な存在であるはずのジウはモブ顔に容赦なく降格させられている(前作までは岬顔だった)。ストラットの登場により霞んだには違いないが、ストラットや翼、石崎抜きにすればチーム内ではダイレクトシュートではトップクラスである上、翼との付き合いの長さなどもあって多少は特別扱いする価値はあるはずなのだが… ---そのくせサンパウロ内では最弱級のDFベルナルドが固有の顔(早田のような角刈りタイプ)になっている。 --浦辺型のカットインも追加されたが、今作初登場の金髪外人キャラのマッツォ1人にしか使われておらず、他はサンパウロのジュニエールはおろか''浦辺本人でさえ''そもそもカットインが入るイベントが存在しない。 --キーパーキャラとして地味ながら存在感のあった中西をオールスター限定ながらはじめてプレイヤーが使えるようになったのはファンとしては嬉しいはずなのだが、フィールド上のみながら専用顔グラフィックがあった『II』とは違い、無名キーパー同様顔なし(相手選手接近時に表示される背中側の立ち絵と共有)になってしまっている。オールスターのエディットで選べる選手の中で唯一の顔なしキーパーという、これまたあんまりな扱い。 ---過去作では『II』のポーランドのGKジャイッチが中西の色変えだったが、今作ではジャイッチも登場しない。もし中西に専用顔があったらついでに出演できていたかも? ---その一方でフランス代表の迷GK・アモロには金髪の森崎顔があてられている((原作のアモロは茶髪であり、髪型や輪郭も森崎とは異なっている。また、本作ではラムカーネもアモロ同様に金髪森崎顔となっている(前作では茶髪だった)。))。 //---ただ、中西は非常に特徴的な顔をしているため他キーパーの流用が効かず、専用の顔を作らなければならないのだが、中西自身そこまでするほどのキーパーかと言うと……という事情は察せられる。 //『II』ではちゃんと顔が用意されてたからこれは当てはまらないかと -中国のリ兄弟(ハンネ・バンクン)による高いボールの必殺シュート『昇龍脚』が「さあツッコんでくれ」と言わんばかりの変貌ぶり。 --『II』初登場からずっと「兄弟二人がタテに重なり、相方の肩の上からジャンプしてボレーシュート」というものだったが、本作ではジャンプまでは同じだが、そこからヘディングしている。これじゃ&bold(){『昇龍脚』ではなく『昇龍頭』}である。 -立花兄弟(次藤が必要)の新技がツッコミどころしかない。 #region(ネタバレ注意) -技名『スカイラブストーム』でガッツ370消費するドリブル状態からのシュート技。まず地上から「政夫or和夫が次藤にパス」→「次藤がスライディングのような姿勢で蹴り返す」→「政夫と和夫が''地上から自力で大ジャンプし''前転ツインシュートをする」というもので『スカイラブ』要素が皆無。&s(){ブースターシュートかパンサーストリームのパクリですか?わざわざパスしてリターンしなくても普通に次藤から蹴ればいいんじゃない?そもそも普通に浮き球に向かって前転ツインでいいんじゃない?} --しかも、元々立花兄弟自体ステータスが低めなのでガッツ消費量がムダに大きいだけでほとんど役に立たない。まだ高いボールで繰り出せる新技『時間差スカイラブ』の方が使い勝手がいい(「『スカイラブツイン』が低いボールしか出せないため高いボールに弱い」という弱点が補われる)。 ---なお、これができる以上絶対できるはずの「前転シュート」「前転ツインシュート」は使えない。あったとしても実戦で選択するかどうかは微妙だが、やはり「合体技はあるのに単独技が無い」というのは不自然である。 --社内や原作者あたりから「これスカイラブじゃないじゃん」とツッコミでもあったのか、次作ではちゃんとスカイラブ要素を持った『スカイラブタイフーン』に変えられた。 ---ただ、スカイラブタイフーンができるなら絶対使えるはずのオーバーヘッドキックとダイビングボレーは例によって無い。 #endregion ***ゲームシステム面 -試合数が(無駄に)多い。 --第1部は3試合と少ないが、第2部以降はシナリオによって差があるものの10試合前後をこなさなければならない。試合ごとに特徴的な敵選手やイベントが用意されているなら盛り上がるのだが、「''試合中にイベントが何もない''」「''相手全員が顔なしのモブキャラ''」といった消化試合が多く、作業感が強い。 ---そんな試合でも、後述の浮き球バグとレベル変動制への対策として、味方選手の起用や配置、試合中の指示を計画的に行う必要があるため、ひたすら面倒。 -ダイジェスト機能の落とし穴 --2周目以降では試合をダイジェストで飛ばすことができる。ただし、第1部と第2部のクリア済みの通常試合しか飛ばせない。 ---また、''必殺技を覚える試合を飛ばすと修得できなくなる''ため、無闇に飛ばしているとかえって不利になってしまう。一応敵選手の必殺技修得も飛ばせるのだが、一度はイベントを見ておかないとオールスターモードに登録されない。 --本来なら周回プレイの際に時間短縮を図る目的で搭載された機能と思われるが、上記の問題点により使い方が難しくなっている。 -周回プレイを始めるときの第1試合で敵のレベルがとてつもなく高くなるバグがある。 --前回クリア後の最終戦の敵レベルを引き継いでしまっているのが原因。確実に負けるが、再戦を申し込まなければレベルは元に戻る。 ---取り扱い説明書には''さも仕様であるかのように書かれている。'' --エンディング後、タイトル画面に戻ったらそのままコンテニューを選ばず一度リセットすれば普通に初期レベルで始まる。 -反則によるイエローカード・レッドカードやオフサイドがない、トリカゴを防ぐのが難しいといった問題点は相変わらずである。 --オフサイドは続編の『V』でようやく採用された。 -必殺シュートの消費ガッツが全体的に増加。 --今作では必殺ドリブル突破や通常浮き球シュートにより低コストで得点しやすくなっているため、必殺シュートは相対的に扱いにくくなった。 --ただしドリブルからの必殺シュートは1対1、FK、CKで成功率をある程度高めることは可能。得点源を必殺シュートに頼る選手もいる為、完全に存在意義がなくなったわけではない。 --一部の浮き球シュートが非常に使いにくい。 ---ツインシュート系の浮き球シュートが頻繁にポストに当たる。過去作でも浮き球シュートがポストに当たる光景はしばしば見られたが、本作ではあまりにも頻度が高く消費ガッツの高さも相まって地雷認定すらされている。 ---ツインシュートがポストに当たりやすいのは過去作からの仕様で、今作だけが飛びぬけて高いわけでもない。消費ガッツは全体的に高いが、岬のオーバーヘッドツインなど低くなったものもある。 ---日向のタイガーオーバーヘッド(低いボールでの低空オーバーヘッド技)は消費ガッツが490と異常に高いのに威力がかなり低く、''浮き球バグ補正を以てすら弾かれる可能性がある''という相当なガッカリ性能。前作でも消費の多さの割に威力が低かった難点は同じだが消費ガッツが増して劣悪性能なまま燃費だけが更に重くなった。((前作ではネオタイガーと同じ370だったのだが、今回ははじめからライトニングタイガー(490消費)を持っているのでそれに合わせられたものと思われる。))燃費最悪なので普通のボレーシュートを打つかパスなりスルーなりして次のチャンスを待ったほうがいい。 --なお、必殺シュート以外の必殺技の消費ガッツは、ほぼ前作の『III』を踏襲している。また、オーバーヘッドキックは10増加したのみ。 -追加必殺技に一部微妙なものが存在する。 --イベントでやたら引っ張る割に燃費と決定率が見合わない新田のファルコンクロウやマウリシオのジョルトシュート、心臓病でガッツ管理に気を遣わないといけないのに490も消費する三杉のムーンスライダーなどが代表例。 --ピエールとナポレオンは『III』同様シュペルエッフェルという必殺ワンツーを所持している。ルートによってはエッフェルワインダーと言う新ワンツーを修得するが、性能差はほぼ感じられず、シュペルエッフェルと何が違うのか全く分からない。シュートやパスと異なり、ボールの軌道を変化させるなどの演出もないため、本当に識別不可能である。そもそも2人の連携に磨きをかけたかったなら、スライダーキャノンを上回る新ツインシュートを編み出す方が早かったのではないか…? ---翼&岬のゴールデンコンビや日向&沢田の東邦コンビなどにも言えることだが、必殺ワンツーは技の名称や使用する選手の組み合わせが異なるだけで、画面上は全て通常ワンツーの2往復バージョンであり変わり映えしない。まして同一のコンビが複数の必殺ワンツーを持っていても、単なる枠の無駄遣いに感じてしまう。 -一部の必殺技は、追加必殺技を修得してしまうと2度と使えなくなる。(ドラゴンタイガー修得でライトニングタイガー消滅など) --翼のサイクロンだけは、イベントと矛盾しないためか、2周目でネオサイクロンに戻る(オールスターでは使用可能)。 -ガッツの回復の仕方。 --ベンチにいる選手はなぜかガッツが回復しない(ハーフタイムでも)。ベンチに引っ込んだキャラのガッツはゼロのままなのに、フィールドでボーッと突っ立っていたキャラは300くらい回復している、といったことになる。 ---ベンチに引っ込めた選手はもう交代できないので実害はない。 -一部挙動がおかしい。 --敵選手をマーク指定しても離れた所に行ってしまう。マークを外してディフェンスモードをプレスにする方が遙かにボールを奪いやすい。 --画面が切り替わった時にフィールド上の選手達が大移動してしまうことがある。キックオフ後すぐパスした際などに起こると戦略が狂う。 --ストラットがサンパウロ退団後にヨーロッパ遠征に行くルートで、GKのレナートの能力値がなぜか森崎と同じになっている。 ---パラメータが1か2違う程度なのでほぼ影響はない。ちなみにレベルは前章からそのまま引き継ぐので、前章でメオンを使用していてレナートのレベルが低いと苦戦する。 --ラスボスのイタリア戦もおかしい。試合前の会話で翼が「もうネオサイクロンは使わない」と宣言するのだが、試合中は普通に使えるし、「今は言えない」と含みのある発言をするにもかかわらず新必殺技を覚えたりもしない。 ---必殺ヘッドを持つランピオンがなぜかMF(7番だがフォーメーションがツートップのため)、しかもサイド際に追いやられている。彼を追いやって前線にいるFW11番リベリとトップ下の10番ジャシントは、共同必殺技の「ツインタックル」しか持っていない。ポジションが根本的に間違っている。 ---フォーメーションとの整合性が取れていないせい(オーソドックスなら本来のポジションになる)で本来のポジションと違ってしまっているのは他に、本来DFだが5番でツートップのせいでMFになっている東都大SVの次藤やクルゼイロのドトール。本来ならFWなのにブラジルタイプで11番のためMFになっているバスコ・ダ・ガマのザガロなどがいる((設定上ではやはりザガロはFWという認識のようでバスコ・ダ・ガマ戦で試合前にロベルトに情報を聞くと「FWザガロが得点し」と言う))。 -オールスターで加入するキャラとシナリオが一部合致していない。 #region(ネタバレ注意) -下記Aルート(全勝)の場合、準決勝でドイツと戦うのだが、そこで登場するポブルセンは「マーダーショット」や「フレームドリブル」といったラフファイタータイプの選手(加えて性格も非情に攻撃的)であり、このような選手は魅力を感じて対戦などでは使いたくなるものである(好みにもよるが)。 --だが、その試合の後、オールスターのエディットチーム対象に入っていると期待してみるや&bold(){彼の姿はなく入っているのは見知らぬフライハイト}。一応、ポブルセンもナショナルチームでドイツを選べば使えるが大抵の者はモブ選手が混じるクラブチームやナショナルチームよりエディットを選ぶ傾向にある。 --オールスターにポブルセンが加わることを期待していたのにガッカリ…そしてその時点ではフライハイトにストーリーで触れることはないので、どんな選手かと期待して使ってみると「レインボウパス」しかないショボそうな選手(詳細は後述・100%ではないがオールスターは晴れの場合が多い)で更にガッカリなんてことになっただろう。 --勿論どんなザコだろうが新しい選手が加わるのは選択の幅が広がるので悪くはないし、他のルートでポブルセンが加わる機会もあるので絶対使えないわけではないが、ここでポブルセンが加わらないのは何かの間違いとしか思えない。 //上の行の半角スペースが無いと以降のレイアウトがずれてしまうようなので、消さずに残しておいてください #endregion ---- **浮き球バグについて 本作において大きな問題とされている点の一つ。 -''レベルアップの際、浮き球能力を数値分加算補正する「たかいたま」「ひくいたま」が味方選手と比較して敵選手が1多く上がる現象。GKにはこれらの能力自体がない''。 --参考までに試合を飛ばさずレベル調整してプレイするとクリア時の平均レベルは18~20、主力は22前後位。この例だと終盤になるとこちらの浮き球値が60~90位なのに対して相手は100前後、主力敵選手だと120前後になってしまう。若林やミューラークラスの最強GKでも、レベル20時点でパンチング値は88。 -これで空中で相手に接触してしまったらまず勝ち目はなく、浮き球シュートを撃たれようものならどうあがいても取れない。一応低確率でカットしたりポストに当たることもあるが、あてにはできない。センタリングはフリーなのを確認して送るのが鉄則。 --特に問題なのが、敵の主力選手がワンツーを多用する思考ルーチンの場合。本作のワンツーは強めに調整されておりレベルの影響もあって止めにくく、為す術もなく浮き球シュートに繋げられて失点する危険性が高い。 --浮き球バグは途中加入の味方選手にも適用され、参戦の早い味方選手より空中戦に強くなる。前述の通り敵のGKも浮き球シュートに対しては弱いので、後半になると得点源として浮き球バグの恩恵が大きくなる。ただし加入後は成長しなくなるため、そのうちGK以外の敵には浮き球能力が追い抜かれてしまう。 --2周目以降ダイジェストで試合を飛ばした場合は、レベルの変動がないため敵の浮き球バグの影響を抑えられる。だがガッツ最大値が伸びにくくなるし、途中加入の味方の浮き球補正も小さくなって得点力が低下するので一長一短。 -ちなみに浮き球バグのせいで浮き球シュートでの失点率が多いと思われがちだが、実際はそうでもない。というのも、COMは空中で延々とパスを繰り返した末地上の選手に渡したり、地上から直接シュートに行くケースも多く、MFやFWに地上必殺シュート持ちがいる場合はその選手中心にボールを回す思考ルーチンの場合が殆どのためである。そのため、シナリオ中では地上シュートで失点する割合の方が多い。強いGKは終盤にならないと使えないのもそのため。 ***浮き球について、もう一つの欠点 浮き球バグは非常に有名だが、浮き球についてはもう一つの欠点がある。 -前述のように、GKには「たかいたま」「ひくいたま」のパラメータが無い。&br()よってシュートを撃つ側は1レベル上がると「シュート」が3ポイント、「たかいたま」「ひくいたま」が1ポイント、合計4ポイント強くなるのに対して、GKは「パンチ」が3ポイント上がるだけ。 --つまりレベルが上がれば上がるほど、''どんなGKも浮き球のシュートを防げなくなる''。地上でネオサイクロンやメガロゾーンシュートなどの大量のガッツを消費する必殺シュートを使うよりも、ただのボレーシュートやヘディングの方が強くなってしまうのだ。&br()「浮き球バグによる自軍と敵軍の1ポイントの差」よりも、「GKに浮き球用のパラメータが無いことによる3ポイントの差」の方が影響は大きい。 --このため、もしも浮き球バグで攻撃を阻止されなかった場合、いくらでもボレーシュートで得点が可能になってしまう。&br()「もしかしたらコンピュータ側が浮き球の対決で圧倒的に有利になるのは、ゲームバランス上必要になったための仕様なのでは」という説もあるほど。((実際には内部処理の計算が間違っているらしく、やはり浮き球バグは正規の処理では無い。)) -オールスターではGK以外の全選手の浮き球能力がアップし、レベルもセーブファイルのうち最も高いものを参照する。高レベルになるとどのGKもダイレクトシュートに反応できなくなり、対戦は非常に大味なものとなる。 ---- **レベル変動制について 本作で採用されたレベル変動制は、その仕組みを知っているかどうかで作品評価が激変してしまうほどゲームへの影響が大きい。何も知らずに進めると大変なことになってしまうが、逆にシステムを知っていれば殆どの敵チームとほぼ互角の戦いができるようになる(ただし浮き球バグは空中での競り合いを避けるしか対策がない)。 -本作では1レベルアップにつき、どの選手も全てのステータスが一律で3(敵やオールスターの浮き球のみ4)上がり、1レベルの差が戦力にかなり響く。試合で活躍した選手ほどレベルが上がりやすいのは従来通り。 -本作では敵のレベルが味方のレベルに依存して算出される((平均レベルと最大レベルのどちらかに依存し、選手によって決まっている。エース級の選手が最大レベル依存である場合がほとんど。))ので、特定の選手ばかり使っているとレベルが突出してそちらを基準に敵のレベルが決まってしまい、他の味方選手が追いつけなくなってしまう。本作では、できるだけ多くの選手を使ってレベルが偏らないように調整しながら進めなければならない。 --ただ完全にフラットにする必要はなく、高レベル判定の敵やGKに対抗する為主力とGKのレベルは平均より1~3位高いのが望ましい(特に2部負けルート分岐のミラン戦は翼やストラットがGKより強くないとまず勝てない)。フィールダーは11人なので平均+2で行くなら4人、平均+3なら3人と言った所(今回は試合中でもレベルが上がるので、多少の余裕を持たせると良い)。レベル4以上差が開くと調整が難しくなり、他の選手が最大レベル参照の敵に辛くなってくる。 -ベンチに下がって試合終了した選手は獲得経験値が下がり、最初から控えの選手は平均レベル計算の対象外。レベルが上がりすぎた選手はベンチで休ませ、控え選手を積極的に使うようにすると敵のレベル上昇を抑えやすくなる。 --ただしベンチを活用できるのは基本的に中盤以降で、ルートによっては控え選手が1人もいないチームを操作する羽目になる。また翼などの主要選手は、イベントの都合でベンチに下げられない試合がある。 ---味方時のストラットや、日本代表所属時の日向に至っては全試合スタメン固定である。彼らを温存したい場合は、例えば滅多にボールが来ないであろうサイドバックにポジション変更する、といった対策を取らなければならない。 --GKはレベルを主力に追いつかせる為シュートをある程度受ける必要があるが、受けすぎると今度はレベルが突出してしまい他の選手に迷惑をかけてしまう。ベンチが使えるまではDFを必死で活用しないと調整が難しい。 -救済措置なのか、敵のGKは若林やミューラーといった有名GKでさえも軒並み平均レベル判定で登場する。しかし本作のGKは全体的に基礎能力が高めの為(森崎、レナート、アモロなどの弱GKは低い)、一般選手ではレベルが低いとゴールを奪うのもままならない。 ---- **賛否両論点 ***チーム面 -若林の極端な強化。 --若林が''ペナルティエリア外のシュートを能力無視で高確率で防御できる能力「G・S・G・K((WY編以降は『S・G・G・K=スーパーグレートゴールキーパー』で固定されているが、そもそも起源は無印時代に『S・G・K=スーパーゴールキーパー』と一度だけ呼ばれ、その直後『G・S・G・K=グレートスーパーゴールキーパー』となり、それが公式な呼称(但し最後に一度だけ『S・G・G・K』)となった。テクモ版では最後の一度が誤記と判断したのか常に『G・S・G・K』で統一されている。現在でもWY編以降の展開を嫌う層を中心に『G・S・G・K』の方を好んで使う人も珍しくない。))のスーパーディフェンス」''を習得。これが発動すれば、どんな強力なシュートだろうが問答無用でキャッチングできてしまう(更に今作では総合能力も大幅に上昇している)。これには若林らしいという意見もあれば強すぎるという意見もあり賛否両論である。 ---ただし、シュナイダーのネオファイヤーショットのように強力なシュートを打たれたり、レベル差がありすぎたりすると、ペナルティエリア外からであってもゴールを割られる事がある。 ---ドイツの切り札であるはずのフライハイトは必殺シュートのウォッシャードライブにエリア外補正がないため、若林であっさりとキャッチできてしまう。色々残念である。 ---浮き球バグの影響でエリア外なら無敵の若林がザコのボレーで失点してしまうので、正規の仕様ではないながらもバランスは取れている。また、これによって必殺技があるためエリア内からでもそこそこ渡り合える若島津と、結果的にお互いの特徴を両立させたことになった。 -舞台がプロに入った事で、翼よりも凄いプロの名選手たちが大挙登場。彼らとの戦いを乗り越え、成長して行く物語になる。 --その顔ぶれはファンベルグ(マルコ・ファン・バステン)、フーリア(ルート・フリット)、ニスケンス(フランク・ライカールト、名前はヨハン・ニスケンスから)、ピピン(ジャン・ピエール・パパン)、クァール(ロナルド・クーマン)、バティン(ガブリエル・バティストゥータ)、カージャレ(クラウディオ・カニージャ)、ディーノ(デイノ・ゾフ)、シューマッハ(ピーター・シュマイケル)などなど、当時現役もしくはOBの名選手たちをモデルとしており、まさにプロサッカーの厳しさを体験させてくれる。 --プロ選手たちが大いに目立った代わりに、原作からおなじみの翼と同世代の若手や、テクモのゲームで加わった新キャラクターたちはかなり控えめな能力になってしまった。 ---フランスのピエール、ナポレオンは今作登場のピピンによって影が薄くなった(本編中で「オレたちを わすれるなよ!」と言う台詞が出てしまうほど)。アモロは今までのテクモ版では強めだったが、''本作から原作再現の弱さになった''。ただしクラブチームのボルドーで登場する際は何故か一転して、若島津と互角の能力を持つ優秀なGKとなっているのだが。 ---前作で圧倒的な強さだったドイツ陣は、既存メンバーが総合的に弱体化した。シュナイダーは前作の切り札だったネオファイヤーショットが凡庸な威力になりストーリーでもいまいち目立たず、ミューラーは能力では若林と互角だが、GSGK補正がない。 ---カペロマンは前作で破格の扱いを受けていたが、本作ではライン際でのステータス補正が消失、サイドワインダーの威力も低下、挙げ句の果てに一部シナリオで最後までスタメン落ちとかなり不遇の扱いになってしまった。 ---その代わりラスボス版は、フライハイトの前半のこぼれ球完全フォロー能力によってかなり厳しい戦いを強いられる。また、ポブルセンの追加によって地上戦で戦える選手が増加した。 ---ブラジルも前作までと比べて全体的に選手の能力が低下。カルロスやゲルティスは同年代のエースに比べて基礎能力が1ランク低下。しかもすぐ地上必殺シュートを撃ちたがる選手が多く、若林のGSGKキャッチの絶好のカモに(本作でブラジル戦があるルートでは、全て若林が加入した状態で戦う)。 ---前作までオランダユース所属だったイスラスとリブタはスタメン落ち。イスラスはクラブチームのアヤックスでのみ登場、リブタに至ってはクラブチームにさえ所属しておらず、オールスターのエディットモードでしか選択できなくなった。さらに2人とも顔なし(その他大勢顔)のモブキャラ扱いに成り下がった。イスラスは『II』時代には&bold(){シュナイダーに匹敵する逸材}と言われていたのだが&s(){それは昔のこと、いやなかったことにされている}……。 --今までの作品でイマイチな扱いだったアルゼンチン((ディアスの大幅強化とバティン、カージャレコンビ加入。ただし今回サトルステギはいない))やラスボスの1チームに昇格したイタリア((ストラット、バンビーノ、リベリ、ジャシント、ゾフ、ロッシが加入。ヘルナンデスやランピオンも健在))等、扱いがよくなったチームもある。 --本作ではウルグアイのナショナルチームが存在せず、ビクトリーノやダ・シルバはウルグアイのクラブチームのモンテビデオ所属で登場。新キャラのサルバトーレ加入により攻撃力は増している。 ---何故かビクトリーノが顔なし扱いにされており、対峙しても台詞イベントが発生しなくなっている。原作でこそ直接対戦はしていないが((後のワールドユース編では対戦している。))、前々作・前作では対戦しており対峙した時にカットインで台詞が入っていた。 ---その一方で何故か初顔合わせであるはずのサルバトーレ((後のワールドユース編に登場する「サルバトーレ・ジェレンティーレ」とは無関係。))にそれまでのビクトリーノと同じ顔が与えられており、対峙した時の台詞が発生する。 -ミラン(クラブチーム)の異常な強さ --現実世界でもイタリアの名門クラブチーム。本作では下手なナショナルチームより強い扱いをされている。本編の試合ではAルート以外では必ずサンパウロで相手をしなければならず、非常に厳しい戦いを強いられる。 --オランダトリオ(ファンベルグ、ニスケンス、フーリア)&フランスのストライカー・ピピンによるスーパーカルテット、イタリアのDFゾフ((平均レベル参照で必殺技はないが、DF能力だけなら本作最強。更に守備時はコインブラを凌ぐ3倍速でフォロー能力も異常に高い。))とロッシ、FWのストラット(ストラットのミラン帰還時のみ)、MFバンビーノとエースが勢ぞろいのチームでモブの能力も高い。GKのオイガは全シナリオを見てもトップクラスの能力の持ち主で下手な原作キャラよりも強い。更に今作の中ではできの良い専用のBGMまで用意されている。 --ヨーロッパ遠征編の分岐試合ではストラットがサンパウロ側にいて、フーリアが前半出場していないがそれでも厳しく、勝利時の分岐点を通る場合ゲーム中最大の難関と呼べる試合になる。しかもこちらのGKが弱いレナートなので事実上ノーガードを強いられる。後半からはフーリアと、ストラットの親友バンビーノが参戦するため、難易度は更に上がる。最低でもモブの攻撃はカットできないと、チャンスもまともに作れない。救いはミランカルテット以外のレベルが平均参照であることくらい。 ---ヨーロッパ奮闘編では負けても先に進めるが、こちらは「ストラット離脱&戦力補充なしの最弱サンパウロ」で、フーリアも最初からいる。更に後半からピピンに代わってストラットが登場するが、このときの彼は基礎能力値が下げられている。もし彼がメガロゾーンシュートを覚えている状況だとしたら、勝つのは更に厳しくなる。ワールドクラブカップ編では負けると強制再戦だが、こちらも新戦力が増えている上、後半参加のストラットはメガロゾーンシュートを持っていないので意外と難しくない。ジャイロカップ編のみ戦わずに済む。 -ブラジルプロサッカー界の異常な弱さ --翼が目標にしていたのは「ブラジルで修行してプロのサッカー選手になり、ゆくゆくは日本代表としてワールドカップで優勝する」という事だった。ゲームでも『II』でブラジルに渡り、本作『IV』ではいよいよプロの世界へ。念願だった''ブラジルのプロサッカー''の世界に飛び込んだのだ。ところが……。 --そのサンパウロFCプロチームの顔ぶれは、バビントン((アルゼンチンへ帰国した模様))・ドトール・アマラウ((両者ともにクルゼイロへ移籍しており敵チームの選手として翼と戦う。ラテンアメリカカップでは頼もしいDFとして活躍する。))といったユース時代の仲間たちにも見劣りするほどの貧弱な選手たち。翼の他に頼もしいのはイタリアから来たストラットだけという有り様である。 ---それどころか日本から留学に来た''石崎が即スタメン入り''できるほど。一応最初は控え扱いだが、能力的にはベルナルドやファルコンあたりに代えて最初の試合からスタメンで出さない手は無い。 ---また、前作でも頼れる選手とまでは言えなかった一年目の新人ジウとレナートもスタメン起用((レナートがスタメンなのは正GKのバモラが故障したためという理由がある。ジウは「先輩たちと競争だな」と言われるが、その競争相手となる先輩FWはいない。))。レナートは前作ではそこそこ強化されていたのだが、本作ではプロのインフレにはやはり勝てなかったようで『II』同様の弱小キーパーに逆戻りしてしまった。 --対戦する他チームも、主力のほとんどは前作までに出ていた翼と同世代の選手たちばかり。しかも明らかに弱体化している選手が多いのに、その弱体化した若手が主力選手というチームばかりなのだ。 ---数少ない例外は、何故か全員がGKである。タファエル、ランペドーサ、能力はメオンと同レベルだが必殺技持ちのバモラ。ブラジル全体で見ても彼らぐらいしか強いプロ選手がいない。 ---後半に出てくるブラジル代表チームは前作からの(プレイヤー目線では)不動のメンバー。つまり、''昨年までのブラジル代表の選出メンバーは全員落選し、去年までユースにいた若手ばかりでナショナルチーム結成''という明らかな異常事態である。しかもその若手も大多数が弱体化している有様。((さすがにこの不自然な状態は『V』では変更され、主力のカルロス・サンターナとゲルティス、新たに才能を発揮し始めた新人シニョーリ、負傷して出場できないコインブラの他は全員プロの先輩たちでチームが編成され、主将もベテランのオリベイラが務めている。)) ---他の国ではきちんと若手よりも強いベテラン選手が登場しており、たとえばバビントンはアルゼンチン代表の全選手の中で一番弱いという扱いになっている。往年の彼の頼もしさを知るファンにとっては辛い話だが、そもそもルーキーイヤーで代表入りできたこと自体が快挙と言うべきであるし、逆に彼よりも能力の低い選手ばかりが選ばれているならばプロに対する説得力など微塵も無くなってしまう。 --まとめると「ヨーロッパの一流選手たち > 翼・ストラットなどごく一部の若手 > 多数のプロ選手 > プロの中では苦戦を強いられる若手たち > ''ブラジルのプロ選手''」という状況。サッカー王国ブラジルたる所以は何処へ…? -相変わらず敵に回ると極悪な強さの日向と若島津 --日向と若島津は全てのルートで一度敵として戦うことになるのだが、強さが尋常ではない。分岐試合のメキシコや、スーパージャパンカップ最終戦の大学選抜Vにおける日向は基礎能力が下がった弱体化バージョンだが、彼は必ず最大レベル設定なのでそれを感じさせない。メキシコシティ所属時は本来の能力値で、なおかつ対戦時はレベル補正が高いために苦戦必至である。 --一度ボールを持ったが最後、無限ガッツを良いことに強引なドリブルで次々と味方フィールダーを吹っ飛ばし、容赦なくライトニングタイガーをぶち込んで来る。日向のワンマンショーの体感的な難易度はミラン戦とも遜色がなく、運が悪いと冗談抜きで負ける。なおルートによっては沢田も一緒にいて、その場合更に東邦コンビでの切り込みも加わる。相方の若島津も強く、地上からの必殺シュートは三角飛びにより高確率でキャッチされるため、ドリブル突破か空中必殺技でないとゴールは難しい。(空中技は敵DF、および接触状態になって浴びせ蹴りを使われないように注意が必要) ---分岐試合では選手層が厚く、選抜戦を(一応)勝ち抜いたGKメオンがいるので3発中1発程度なら自力で守れるのが救いか… --味方に加入してくれればもちろん頼りになる。日向は後半加入なので試合を飛ばさなければ浮き球シュートもかなり強くなる。最初の分岐で勝っていれば、日向は最強クラスの地上必殺シュート・ドラゴンタイガーを修得し、若島津は牙龍三角飛びを繰り出す。 -オリジナル主人公の扱い --開始時に名前を入力するのに''二回目の分岐試合(メキシコ戦、ミラン戦)で勝利しないと使用できない''。本作は負けルートの方が難易度が高い傾向にあるため、そこで使用できないのはかなりの痛手。 ---分岐試合勝利時のボーナスキャラ扱いなら加入決定時に名前を入力すれば済むはずなので、本来は全シナリオで登場させる予定だったのだろう。 --また、加入してもポイントの振り分けを間違えると完全に空気化してしまう(全パラを均等強化するよりも、攻撃役か守備役かをはっきり決めて極振りするほうが使いやすくなる)。オリジナルシュートはあるが、浮き球バグ込みの浮き球シュートを打たせる方が強くて燃費もいい。 -二軍キャラの扱い --本作のストーリーモードでは一部の敵選手のレベルが自軍スタメンのレベルによって算出されるため、スタメンをベンチに下げて二軍キャラを使うことによって敵のレベルを抑制できる(特に敵GKのレベルを確実に下げられるのは大きい)。前作までは縛りプレイくらいしか出番がなかった二軍キャラの出番がやっとまわってきた。 ---三杉はベンチキャラでありながら能力が高いので、ガッツ切れにならない限りほぼフル出場することになるだろう。 --来生・滝・井沢の南葛トリオ(元・修哲トリオ)に顔グラがつき、ルートによっては「トライアングルアタック」というタックル必殺技も覚える。 ---が、何故か来生からしか発動できない。タックル能力が一番高いとはいえ2人分枠をつぶすことになるのでエディットのオールスターでは使い勝手が悪い。 ---また、このトリオは元々FW2人とMFの攻め要員の位置付けなのにタックル技だけというのも違和感がある。ただ、原作の時点で「攻撃役として登場したもののポジションを奪われたMF((代表的なのは松山、三杉、井沢、浦辺、また石崎も初期(南葛小でキャプテンの頃)では前衛(FW又はMF)だった))が守備に配置転換される」という事態が常態化しているので、彼らは「もう自分たちの実力では外国のGKからゴールを奪う事は不可能」と判断して守備技に生きる道を見いだそうと考えたのだろうか……。((続編の『V』ではトライアングルアタックは消え、ワンツーの連携「修哲トリオ」を編み出している。確かに個性としては正しいが、それを使って敵陣内に切り込んだとしてもこいつらのシュートで点を取れるのかという問題が……。)) -「KAZU」の扱い --オールスターのエディット限定のキャラ。元ネタは「カズ」こと三浦知良か? --オールスター戦終了後に毎回ピックアップされており、抜かれた時のカットインがSDだったりシナリオクリアごとに必殺技が追加されていく等、オールスターでの目玉キャラのような扱いをされているが…正直微妙な存在である。 ---また、その追加される必殺技にシュートが3種類あるが、どの状態のシュートなのかがイマイチわかりにくい。「クリアボム」などはディフェンス時のクリアーの技と勘違いしてもおかしくないほど。あとはドリブルとタックル技が1つずつあるが、これは名前に入っているので簡単にわかる。 --分岐ルートでオリジナルキャラの代わりに助っ人のような形で登場する、オリジナル主人公のライバルや先輩として登場させる、全シナリオクリア時の最後の敵として出す等、ストーリーでも一工夫加えればいくらでも登場機会が作れたはずなのだが…。 ---特に年齢無制限の世界大会において、翼たちより上の世代の日本人選手がチームに一人もいないのは不自然。有力な選手がいるのなら招集するべきでは?((『V』ではイタリアのジェノアというチームにカズヨシという選手がいるが、彼は非常に能力が低くなっており、これでは天才・超人揃いの翼たちの中に招集されなかったのも仕方が無いと言える説得力があった。なお、実際の三浦知良もその年は絶不調で、散々な成績に終わっていた。)) -石崎の性能の見直し。 --必殺ディフェンス、顔面ブロックが必中ではなくなっている(それでもかなり高い信頼度を誇るが、さすがに後半の浮き球バグの能力差をひっくり返せるほどではない)。今回は研修という形で序盤から居てくれるため必然的に頼ることになるのだが、大量のガッツを消費して不発はいただけない。 --ただし『III』で殆ど使い道がなかったヤマザルバスターは強化され、格上のGKにも決めやすくなっている。ルート限定だがヤマザルタックルという待望の必殺タックルも修得可能になった。顔面ブロックだけの一発屋だったこれまでよりも総合的な使い勝手は良くなっている。レベル差の影響が大きい本作では、石崎のレベルを平均より上げれば地上の要として立ち回ることも可能。 --浮き球バグの被害を最も受けているのは石崎。ただしこれまでも空中での競り合いは苦手だったので、相対的に評価は落ちていないという見方もできる。 -どういうわけか本作では早田系のグラフィックを持っている、又は過去作で早田グラだったキャラ(早田、ベルナルド、ディウセウなど)は総じてステータスが低く冷遇気味。特にディウセウはその顔までも失ってその他大勢顔にされるというひどい扱い。 --それでも早田は便利な必殺技が多いので前作同様、翼に代わる司令塔としての役割は一応果たせるレベルは保たれている。特に日本凱旋編では国内リーグの選抜試合全てに出場し、イベントでも他のルートより出番が多い。 -強制的なエンカウントなど、試合中の独特な措置が多く発生する。 --例えば全勝ルートのサンパウロ対全日本では、こぼれ球を必ず翼がフォローする。 ---不自然な上にチートが過ぎるがこれはストラットもいないオールザコメンバーで全日本相手に戦わなければならないことを考えると妥当と言えなくもない。 --最序盤のサンパウロ対クルゼイロ戦では、ストラットがボールを持って相手陣内の一定のラインを超えると強制的にドドールとエンカウントする。これは10秒切りドリブルのイカサマ技でも回避できない。 ---その状態でタックルを喰らうとぶっ飛ばされるイベントが発生し以後、強制エンカウントフラグは解除される。つまりストラットのタックルへのトラウマを演出するためのイベントのためだが、ドドールはタックルが強いキャラということは周知の事実だしストーリーパートでも言及されるので初見などで特に考えずゲームとしてプレイする以上取られまいとしてパスを選ぶのが既定路線であるためわけがわからず強制エンカウントばかりして毎回イカサマをされているようで腹立たしい気分になる。 ***ストーリー面 ネタバレが多いので折り畳む。 #region(あらすじ紹介。全面的にネタバレ注意) ''Aルート:ジャイロカップ'' -[サンパウロ]ブラジルのプロチーム、サンパウロFCに昇格した大空翼。小学校からの親友・石崎了も、日本の大学選手権V2を達成してブラジルに渡ってきた。キャプテンのストラットはイタリア人で、強豪チーム・ミランでプレーしていたストライカーだったが、練習中に親友に大怪我をさせてしまった事を気に病み、逃げるようにイタリアを後にしていた。性格も荒れ、周囲に当たり散らすストラット。その反面、彼は再び相手に怪我をさせる事を恐れ、激しいプレーができなくなっていた。翼はストラットに檄を飛ばし、全力のプレーを取り戻させる。ストラットは翼と和解し、キャプテンの座を譲る。(''C・Dルートへの分岐点'') -[ブラジル代表]中南米最強の座を賭けて行われるラテンアメリカカップが開催される。その国のリーグに参加していれば他国籍の選手も出場できるというルールのようで、ブラジル代表として出場する翼。さらにイタリアのストラットや、ブラジルのスーパーストライカー・コインブラ、カルロスなど、錚々たる選手が揃っていた。しかしその条件は他国も同じ。メキシコ代表には日向と若島津が参加していた。(''Bルートへの分岐点'')、''日向との戦いを制して、翼はラテンアメリカカップに優勝する。''(Aルートが確定) -[南武大フースバル]翼は日本に凱旋帰国する事になった。その日本では、翼の壮行試合を行うために選抜試合が行われる。新田・早田・森崎ら南武大フースバルの面々は、大学に進学していた立花兄弟や次藤、三杉たちと戦っていく。その中には今まで知られる事の無かった、ある優秀な選手も加わっていた。(オリジナルキャラクター参加) -[サンパウロ]こうして選出された日本選抜チームを相手に、サンパウロを率いる翼は勝利を収めて、プロで鍛えられた実力を見せる。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -[全日本]翼が帰国したことで全日本代表チームが本格的に動き始める。練習試合として海外チームとの試合が組まれるが、そこには海外でプロになった松山や岬が所属していた。そしてアルゼンチンのディアスが所属するチーム・アルヘンチノスとも対戦。ディアスは翼の必殺シュート・サイクロンを身につけ、さらに手強い相手となって立ちはだかる。 -[全日本]伝説のスーパーストライカー・ジャイロの功績を讃えて世界大会「ジャイロカップ」が開催される。アジア予選を勝ち抜いた後の本大会予選リーグでアルゼンチンと当たるわけだが、このときのディアスは何とネオサイクロンを修得していた。決勝トーナメントに入ってからはブラジル、フランス、イタリア、ドイツと並み居る強豪を撃破していく。その最中、これまで使用していた必殺シュート・ネオサイクロンの欠点を指摘され((「多大なスタミナを消耗し、次の試合まで疲労が残ってしまう技は感心できない」というもの。少年漫画でよくある「この試合に負けるくらいなら、ここで再起不能になっても構わない」などといった、目の前の一戦に全てを賭ける=後のことを何も考えていない姿勢を否定することで、翼が子供から大人の世界に入ってきたことを現している。))、かつてのサイクロンを改良した形に修正していく。一方、プロの大先輩ファンベルグが率いる強豪オランダは、翼と同じくサイクロンやネオサイクロンを操るディアスのアルゼンチンを「眼中に無い」と軽く撃破していた……。((しかも、アルゼンチン戦にファンベルグ達三人は出場していない可能性が高い。日本戦を見ていた彼らの会話は「すぐに戻って対策を立てるぞ」「え?アルゼンチンとの試合が残っているが?」「アルゼンチンなど眼中に無い」というもので、この直後にオランダ対アルゼンチンの試合があったとすると、彼らは試合を抜けて日本戦対策に時間を使い、残りの選手たちだけでアルゼンチンに勝ったと言うことになる。控えにいたイスラスが大活躍してディアスに勝ったのだろうか?)) -翼たちは決勝戦でオランダと対決。それはこれまでのような必殺技が飛び交う派手なチームではなく、プロの高い実力に裏打ちされた堅実かつ圧倒的な技量で戦うチームだった。((前述の、アルゼンチン戦を欠場してまで研究した日本対策の作戦というものは特に表現されない。彼らにとっては、漫画にありがちな特別に名前を付けた「○○作戦」などでは無く、通常のプレーの延長線上でしか無かったのだろう。))翼はファンベルグとの勝負でプロの厳しさを思い知らされながら、彼に食い下がっていく。サッカーを心から楽しみ、そして勝利への執着心を決して忘れない。((これもまた「ボールは友達」とサッカーを楽しむプレイを続けてきた少年時代とは逆の概念「勝利への執着心」を示し、そして前者を否定せず後者と両立させた、より高みに立つサッカー選手への成長を描いている。))プロの心構えを学んだ翼はオランダに勝利してジャイロカップ優勝を飾り、その成長ぶりをファンベルグは賞賛するのだった。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -本作最強の敵選手ファンベルグがラスボスになる正統派のストーリー。全勝ルートという事もあり、これが一応の真エンドという印象。 ''Bルート:サッカーグランプリ'' -[ブラジル代表]ラテンアメリカカップで&font(red){日向・若島津の居るメキシコの前に、翼・ストラット・コインブラ・カルロスを擁するブラジルですら為す術も無く、翼たちは敗れてしまう……。}(Bルートが確定) -[サンパウロ]ラテンアメリカカップ決勝で敗れた翼は日本に帰国せず、そのままサンパウロでプレーを続けることにした。サンパウロはヨーロッパの様々なチームと戦う遠征試合を組み、プロとなっていた岬、松山、若林たちとも対戦する。殺人サッカーのポブルセン、サッカーで大金を稼ぐ事のみを誇るマッツォ、サッカーを楽しみチームを愛する名GKディーノといった人々と出会い、翼はプロの様々なスタイルの選手と触れ合っていく。遠征試合の最終戦の相手はミラン。世界最高のプレイヤー・ファンベルグなど各国の代表クラスの選手たちが集まる強豪チームで、そこにストラットも復帰していた。こちらのミラン戦は勝敗問わず先に進める。 -[全日本]世界大会「サッカーグランプリ」が開催される。翼は日本に帰国し、日本代表として戦っていく。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -トーナメントでは後になるほど強いチームとは限らない。ブラジルとはかなり早い段階で当たり、さらにファンベルグらを擁するオランダ、シュナイダー達のいるドイツともトーナメントの途中で対戦する事になった。決勝の相手はストラットが率いるイタリア。そのゴールはジノ・ヘルナンデスが守り、さらにプロのDFたちは必殺技は無いがとてつもなく高い能力値で立ちはだかる。翼はストラットとの勝負を制してサッカーグランプリに優勝。ストラットはセリエAで勝負しないかと翼をヨーロッパに誘う。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -序盤の頼れる仲間・ストラットがラスボス。同時に、同じイタリアのヘルナンデスがラスボスとなるルートである。マッツォとディーノのイベントも趣深い。 ''Cルート:親善大会'' -[サンパウロ]サンパウロにてストラットと和解し、キャプテンの座を譲られた翼。 -&font(red){だが、練習試合では敵に敗れてしまった……。} -[サンパウロ]練習試合で敗北したサンパウロはヨーロッパの様々なチームと戦う遠征試合を組み、プロとなっていた岬、松山、若林たちとも対戦する。遠征試合の最終戦の相手はミラン。世界最高のプレイヤー・ファンベルグなど各国の代表クラスの選手たちが集まる強豪チームで、ストラットがかつて所属していたチームだった。(Dルートへの分岐点)~ ''激戦の末、サンパウロはミランから勝利を掴む。''(Cルートが確定)その中で大怪我から復帰してきたストラットの親友バンビーノは、負い目を感じてまともに戦えないストラットを叱咤し、二人は和解を成し遂げる。試合後、ストラットはミランに復帰し、翼たちとは別れるのだった。 -[スクデットジャパン]強敵ミランを撃破した翼は日本に帰国。スクデットジャパンに入り、「スーパージャパンカップ」に参加。大学に進学していた立花兄弟や次藤、三杉たちと戦っていく。その中には今まで知られる事の無かった、ある優秀な選手も加わっていた。(オリジナルキャラクター参加)''ここで初めて翼と森崎が対決。森崎が死力を尽くして翼のシュートを防ぐ名イベントがある。'' -[全日本]ドイツで親善大会が開催される(3で示唆されていたユニバーサルカップとは違うのだろうか)。全日本も出場することになり、翼はその一員として参加する。 -また、翼は小学校以来の恋人、中沢早苗と再会する。2のエンディングで「海外でプロになったら迎えに来る」と約束して以来、翼はずっと早苗を置いてサッカー一筋の生活を送ってきた。すでに「プロになる」という条件を果たした翼は、早苗との約束をどうするのか……。 -全日本はストラットが復帰したイタリア、強豪オランダ、ブラジルを倒して決勝に進む。決勝戦の対戦相手は地元ドイツ。シュナイダーやミューラーなどこれまで戦ってきた選手たちはもちろん、ドイツには秘密兵器、旧東ドイツの天才フライハイトが加わっていた。雨天試合で最高の実力を発揮するフライハイトに苦戦するものの、試合後半では雨が止み、勝機が訪れる。こうして翼はドイツを破り、親善大会に優勝するのだった。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -サンパウロ(GKレナート)でミランに勝てという地獄のルート。フライハイトと戦えるのはここだけ。翼vs森崎のイベントが見所か。 ''Dルート:ワールドクラブカップ'' -[サンパウロ]遠征試合最後のミランとの戦いは、&font(red){圧倒的な戦力差の前にサンパウロの敗北で幕を閉じる……。}(Dルートが確定) -[サンパウロ]ミランに敗れ、ブラジルに帰国したサンパウロは、ブラジルリーグオープン戦に挑むことになった。ここから、怪我で離脱していた本来のゴールキーパー・バモラが復帰。しかしストラットが退団してしまったため、戦力を補充するためベテラン選手ネルソンを獲得。翼はネルソンの薫陶を受けて自身の甘さを引き締め、更なる成長を遂げる。オープン戦の全試合終了後、クラブチームの大会「ワールドクラブカップ」が日本で開催される事が決まった。日本は開催国として特別参加する事になり、翼は全日本の一員として出場を要請される。しかし翼はこれを断り、サンパウロからの大会出場を決心した。 -[サンパウロ]ワールドクラブカップに向けて、サンパウロは更に戦力補充を行う。サンパウロユースチームからマウリシオが昇格加入、続いて日本から自費研修生として新田が合流した。最初は自分勝手なプレイばかりだったマウリシオは、翼から「キミだって大切な友達だ」と言われて以降、先輩からの指示を素直に聞いたり、仲間のプレイミスをフォローするようになる。一方、そんなサンパウロと対戦する世界各国のクラブチームは、ディアスとパスカルのいるアルヘンチノス、日向と若島津のいるメキシコシティ、ファンベルグらを擁するミラン、シュナイダーのいるバイエルンなど強豪揃い。そして決勝戦では日本クラブ選抜と戦う。翼と日向以外の全日本と言った戦力の特別チームで、明らかにここだけクラブチームでは無い。ともかく翼はワールドクラブカップに優勝する。 -翼はヨーロッパのサッカーのレベルの高さを実感し、ブラジルからイタリアに渡ることを決意する。それは、日本で翼を待っている早苗をまた待たせてしまうことを意味していた。早苗もこれを了承し、翼はヨーロッパに旅立つ。翼が早苗と結ばれるのは、次回作5のエンディングまで伸びる事になった。 -全日本に参加せず、最後までサンパウロで進めるのが特徴的なルート。バモラ、ネルソン、マウリシオの加入はここだけ。 ……と、4つのルートに分岐するが、大きく変化するのはDルートの「最後までサンパウロで進む」だけ。&br()残るA・B・Cは味方チームが最終的に全て日本代表となるので、あまり変わり映えを感じない。各国代表は戦う順番が変わるだけで、戦うチームは結局同じだからである。&br()ルート分岐による他国の戦力変化は、ドイツにフライハイト、イタリアにバンビーノが加わるかどうかぐらい。 エンディングは細部が違うだけで大筋は共通。&br()全ルート「早苗に謝ってイタリア行きを決める」になっており、ブラジルでプレーを続けたり、早苗との結婚を優先して日本でプロになるといった展開は無い。 #endregion #region(サイクロンについて) -今作にも深く絡んでくるサイクロンだが、シナリオによっては『III』のネオサイクロンを事実上否定する流れになり、前作の成長フラグをへし折っているように見えなくもない。また、ジャイロカップ編以外では翼の改良版サイクロンは登場せずに終わる。 --あくまで「翼のサイクロン」でありシリーズ通して完全な「ジャイロのサイクロン」は登場していない。前作のネオサイクロンも翼の足の負担を抑える為に苦肉の策で編み出したような物なので今作で改良されるのは当然と言える。 #endregion #region(バンビーノ!ゆるしてくれ!) -ストラットがケガをさせてしまいトラウマの原因を作ることになったバンビーノだが、その必殺技は''相手を吹き飛ばすショットガンドリブル''というほとんど「強引なドリブル」そのまんまな技であり、これをプレイヤーから突っ込まれることは多い。これだと普段からバンビーノは他の敵選手を吹っ飛ばしまくっていることになり、ケガはむしろ自業自得にすら思えてしまう。 --バンビーノ自身はケガの件を根に持っておらず、ヨーロッパ遠征編での試合終了後には帰ってきたストラットを暖かく迎えているので後腐れなく終わるのが救いではある。 #endregion #region(チーム選抜に関する疑問) -一部の選抜で能力の高い無名選手が外され、前作からのキャラや原作キャラが選出されている。恐らく勝敗の結果で選出していると思われるが、そうすると彼らがほぼ全ての試合を無失点かそれに近く抑えていることが前提でシナリオが進んでいることになる。 --南米編のラテンアメリカカップの選抜試合では、そのシナリオに出てくる最も強いGKのタファエル((必殺セーブは持たないが総合能力がゲルティスより上で、メオンはもちろんこのシナリオでは負傷しているバモラよりも強い。))は選ばれず、メオンが正GK、レナートが補欠に選ばれている。メオンはレナートよりは強いが、それでも本作のGK全体では下の部類に入る。 --能力的には問題なしだがブラジル代表選抜リーグに参加していなかったクルゼイロのアマラウとドトールが何故か出場できている。その一方でバスコ・ダ・ガマのザガロは選ばれていない。 ---そんな中、実際の選抜メンバーでは前衛でもサンパウロのテスタが選ばれスタメンにまでなっている。因みにテスタとは前作のタハマタのような立ち位置で「ドリブルがちょっとうまいだけで能力自体は底辺クラスのFW」。こんなのを入れるぐらいなら、いくら大幅劣化したとはいえ必殺のドリブルやシュートもあり能力でもテスタを上回るザガロを入れるべきだろう。サンパウロの選手が多かったり選抜リーグ不参加ながら元サンパウロのアマラウやドトールが選抜入りできたりロベルト監督の身びいきがまんざら否定できないメンバー構成。 --日本凱旋編でサンパウロが戦う「日本選抜」のGKが最弱の森崎。能力で選ぶなら南葛ウイングスの「くわた」を選出すべきなのだが……。 ---ちなみにプレイヤーキャラも選抜入りしているが、この試合ではベンチにいるため残念ながら戦うことはできない。 ---なのに&bold(){彼のプレーを見たこともないはずの翼が、あの「特に〇〇(プレイヤーキャラ)という選手は素晴らしいセンスを持っているね」と褒めている}のも謎。中学生編の東邦1回戦(対松上中学)で試合に出られなかった日向のようにベンチからオリジナル必殺シュートを放ってみせていたのだろうか? -選抜とは無関係だが、スーパージャパンカップ編では自チームであるスクデットジャパンのGKがモブ選手の「かわぐち」になっており、彼の能力は標準的。身も蓋もないことを言ってしまえば、強いGKが選ばれないのは''GKが強すぎて楽勝、あるいは点が取れなくて苦戦するのを防ぐため''だろう。単に上述の強い選手たちはすでに代表引退したベテランであるという事かもしれないが。 -アモロの原作の弱さが再現されたために、フランスはナショナルチームでもGKの質がワーストレベルになってしまった。本作では岬の所属するマルセイユに優秀なGKのティトがいるが、やはりフランス代表GKには選ばれていない。 --ただしフランスのクラブチームであるボルドー版のアモロは基礎能力が強化され、キャッチやパンチングが若島津より高い。しかしそれでもティトには負ける。 #endregion #region(ハーイ、サルくん。ユーもプロになったんデスカー?) --前作でも色々な意味でインパクトのあるミハエルの行動でプレイヤーを驚愕(?)させたアメリカだが今作でもミハエルと石崎のコミカルなイベントが発生する。登場時には石崎に対し「ユーの大好物デース」と言ってバナナを差し出すというとんでもない侮辱行為をしでかし、新技「ローズスマッシュ」の使用時には投げキッスをして石崎をドン引きさせたりする。 ---更に今作では''ジェントルマンなキャプテン(ミハエル談)''ジャックも登場する。普段はミハエルの言うように紳士的((試合前:ハイ! おたがいにフェアプレーでがんばろう 試合後:しあいちゅうは らんぼうなことをしてすまなかった))なのだが、ボールを蹴ると人格が変わりものすごいラフな性格((「おらァ! どけどけ!!」 アナウンサー:ジャックくん!あらしの ような ドリブルだあ!にほんチームのせんしゅたちを こっぱみじんに ふきとばす!!))に変貌するというキャラクターである。 ---石崎からは「''こいつのどこが しんしてきなんだ!''」と突っ込まれている。ただ後述のポブルセンとは違い、コメディ要素が強いためあまり問題にはされていない。 #endregion #region(ポブルセンに関する問題) -ハンブルガーSV所属でドイツ代表の新キャラ・ポブルセンは「勝利のためには手段を選ばない選手。かつてサンパウロに自分を売り込みに行ったが、ロベルトに入団を断られたことからブラジルのチームに強い敵意を抱くようになった」と言う設定で、シナリオ分岐によっては重要な立ち位置にいる人物。しかし、無茶苦茶な行動原理やテキストの説明不足のせいでプレイヤーの間でも解釈が分かれている。 -サッカー選手としての実力は高く、ロベルトもその点は認めている。 --しかし、使う必殺技が選手を全員吹っ飛ばすフレームドリブルや''マーダー(殺人)ショット''、更には''試合中に「しね ツバサ!!」「くたばれ ツバサ!!」等の台詞と共に直接本人へシュートを叩き込んだり、ドリブルで吹き飛ばしてくる''など、明らかにスポーツマンシップから逸脱している。 --勝利への執着心が過ぎる余り、敗北を認めようとしなかったり、サッカーの競技性を軽んじているような言動も多い。~ ジャイロカップ編では翼に対して「へっ あまちゃんが! ''サッカーなんぞようは かてばいいんだよ かてば!''」と、プロサッカーそのものを舐めているような発言をしている。''彼がただ純粋にサンパウロや翼を憎んでいるだけならば、このような台詞は出てこない''。更にこのルートでは負けた後、敗戦を悔やむシュナイダーの前で翼を罵倒する始末。 ---ただし原作でも反則上等な場面がかなり多い作品であるのでそこまで違和感はない。 -ポブルセンは翼の噂は知っているが、初対面となるのは本編中。それにもかかわらず「オレと けいやくしなかったサンパウロ! そこのエース(翼)をつぶしてこうかいさせてやる!!」と吐き捨てる。翼に対する憎悪は''ただの被害妄想と八つ当たり''でしかない。ハンブルガーSVのスタメンやドイツ代表の地位も得ているにもかかわらず執拗に拘る様は異常としか言えない。翼も「そんな ひがみこんじょうで サッカーをするな!」と怒りを露わにするほど。 --翼が来る前からエースだったストラットに全く言及がない点を鑑みると、''逆恨みの捌け口は今のサンパウロのエースなら誰でも良かった''ということになる。''入団を蹴ったロベルト本人を直接狙おうとせず''、その教え子とは言え直接面識のなかった翼を狙うと言う発想をする辺り、元からかなり歪んだ性根の持ち主であることが窺える。 --他の南米チームもポブルセンの獲得はしていない。彼の発言を見ると今でもサンパウロに相当の未練がある様子のため、サンパウロにしか興味がなかったようにも受け取れるが詳細は不明。 ---本作のロベルトは荒れていたストラットや協調性に欠けるマウリシオも受け入れる等、懐は広い方に描かれているが、そんな彼でさえポブルセンだけは断っている。理由として「サッカーを全く楽しんでいなかった」と翼に話しているが、これは入団テスト時にそのような彼の本質を見抜いたからであろう。 -ハンブルガーSVがポブルセンを入団させた経緯も不明。ただ本作では若林とポブルセン以外に主要選手がいない(メッツァやカペロマンはおろか、原作で所属していたカルツすらいない。『III』の時と違っていない理由も語られない)ことから、彼を入団させなければならないほど戦力的に逼迫していた可能性はある。 --若林は「すまんな、つばさ。あいつはむかし、なんべいのプロチームにはいろうとしてきょひされてな それいらい なんべいのチームにはあんなたいどをとるんだ ねは いいやつなんだが」と言い、彼に配慮を見せている。しかしポブルセンの性格からすれば、チーム内で孤立しているであろうことは想像に難くない。 -何よりも大きな問題は、ポブルセンの境遇・性格について作中で全く解消される事が無く、ただ捨て台詞を吐いて終わってしまう、後味の悪いまま放置されてしまった事である。「翼との戦いで本来のサッカーの楽しさを思い出す」「ロベルトと再会してわだかまりを解く」と言った解決、あるいは「ブラジルを倒して本懐を遂げる」と言う結末が用意されるべきではなかったか。似たような問題児であるストラット、マウリシオ、次作のシニョーリにはそうしたイベントがあったのに……。 -これだけインパクトのある新選手ながら、ドイツがラスボスになる親善大会編では一切イベントがなく、完全にフライハイトにお株を奪われている。 -今作では(主人公サイドの引き立ての為か)現役プロ選手のキャラがプロに昇格したばかりの選手を軽視して突っかかってくる描写が多いので彼もその流れに呑まれた可能性も高い。 --サッカーはチームプレイが重要なスポーツであり、それを心得ているロベルトが「かれをいれれば、サンパウロはかくだんにつよくなっただろう。」と評価している事から、少なくとも自己中でワンマンなだけの選手では無いと思われるが… ---フライハイトは親善大会編でしかイベントがないので自重しているとも言えなくもない。この事からあくまで敵チームなどに対して闘争心を剥き出しにする性格なだけでチームメイトとは普通に付き合うようなキャラである可能性もある。 -ロベルトの選手に対する采配やチーム運用を見るとこうなってしまうのもやむをえない面も(後述)… --またストラットに関しては荒んだとは言え名門チームであるミランでレギュラーを務める程の選手でありプロに昇格したばかりの翼とは評価が異なるという面も考慮するべきである。 -なお、原作者が後年執筆した原作ワールドユース編に登場する『ステファン・レヴィン』が彼との引き合いに出されることがあるが、レヴィンシュートはあくまで「破壊力があるだけ」のシュートである。選手達が負傷したのはシュートを止めに行った為であり、女神像を破壊したり殺意を抱く描写もされたが少なくとも故意に殺そうとはしていない。 #endregion #region(ロベルトの行動に関する問題) 『II』でも翼びいきに見える(ただしイベント演出上の関係で違和感を感じにくかったが…)ブラジルチームでの采配が疑問視されていたが、今回もチームより個人への情で行動している部分が見受けられる。今回は『II』以上に監督として問題のある行動が目立つ。 -''代替戦力の確保の目処が立たないままストラットを放出'' --シナリオの途中(ミラン戦でバンビーノ、ラテンアメリカカップ中に恋人のミアータから)戻って来る様に言われて''あっさりミランに戻ってしまう''が、ロベルトは引き止めもしない。まあ、''プロ選手としての責任を果たさずミランから逃げたり、戻ったりするストラットもストラットだが…'' ---ラテンアメリカカップ編(選抜試合時)にミアータと遭遇する。普通に考えてチームの拠点に一般人を入れる事はまず無いと思うのだが、''応対しストラットと対面させたのはロベルトである。'' ---ミランへの復帰は''ロベルトの協力''もあっての事である。一応ストラットは前述の問題でミランから逃げるようにサンパウロに入団してたので立ち直った彼の意思を酌んで復帰させたのだろうが、普通に考えて''チームでもトップクラスのストライカーを簡単に手放す事は監督としては失格行為''だろう。 ---いくら翼が強いと言っても、彼に頼った戦術には限界がある((『III』で二度選手生命の危機に見舞われているし、『V』ではセリエAのレッチェに移籍した))。 ---尤も、いくらゲームの設定と言えどロベルトの協力だけでミランに復帰出来るとは到底思えないし上記のミアータ関連を考慮すると、ロベルトはストラットを立ち直らせる為にミランチーム側と連携を取り合っていた可能性も高い((ロベルトはストラットのトラウマ原因を知っていたり、結果的に選手を引き抜いたミランと意図的に対戦する様に手配しているので十分あり得る。))。 -ブラジルリーグOP編ではシナリオ進行に応じてサンパウロへバモラ、ネルソンが加入。更にワールドクラブカップ編ではマウリシオ、新田と計4人の選手補強が行われる。 --しかしバモラはケガからの復帰組で厳密には補強とは言えず、ネルソンは片桐からの紹介を受けての補強、新田は自費研修生として押しかける形で参加している。ロベルト自身の手で補強した可能性がある新戦力はユースチームから昇格した問題児のマウリシオのみ(劇中のテキストを見るだけでは、ロベルトが招集したとは断定できない)。 ---更にこのシナリオではロベルトが''ストラット退団後''に「やはりストラットのぬけたあなはおおきいな。なんとかしなくては…」と言っており、''代替戦力を確保できていなかったのがはっきり分かってしまう''。 --ヨーロッパ奮闘編では、ストラットが抜けて補強が一切行われない状態のサンパウロで全試合を戦わなければならない。既存戦力を底上げするというのはチーム方針として間違っているとは言えないが、まともに戦うと全ルートでも屈指の難易度を誇る。このシナリオはブラジルリーグOPと同じ時間軸のifシナリオであるため「''片桐や新田が運よくサンパウロに来なかった場合どうなるか?''」という状況を描いているとも言える。 -全日本監督に就任 --サンパウロ時やラテンアメリカカップ等ブラジルで監督を務めていたのに翼が全日本に合流するルートでは''全日本監督に就任している''。一応説明はある((親善大会のルートでは日本のサッカーを世界と対等にすると言っている))ものの、全日本合流直後に唐突に説明されるので困惑してしまう((一応、原作では網膜剥離を患った事で自暴自棄になって身投げしようとした所を翼の父に助けられて日本で治療を受ける事を勧められ、選手生命を絶たれた後は翼と出会う事で監督としての道を見出せたので翼云々を別にしても日本に恩返しをしようと考えても不思議ではない。))。 --『V』でも全日本監督に就いている事からテクモ版では正史扱いとされている様だ。一応、翼にプロとしての心構えを語るイベントがあるのでいるだけの存在ではない。 -翼びいきは相変わらず --ポブルセンの入団拒否に関しては前述の通り一見何の問題も無いようだが…実はポブルセンの性格面での問題は''翼の加入当時すさんでいたストラットも当てはまる内容''である。 ---ポブルセンの歪んだ性格描写はロベルトが翼をレギュラー入りにする為(なお、加入当時の翼の選手位置は8番)に断られてプライドを傷つけられたせいと可能性もありうる。自分と同じような境遇の選手がキャプテンで昇格直後の選手(翼)優先で断られ、その選手が元名門チームの選手を踏み台にする形で速攻でキャプテン就任では「プロをなめるんじゃねぇ!!!」と敵意をむきだしにするのは当然とも言える。 --また上記の選手補強にしても知人の紹介で容易に断れないし先輩ポジションとして翼を成長させてくれそう(ネルソン)、チームの古参でポジション的に翼と活躍がかぶらない(バモラ)、翼の後輩、新人なので能力面で翼を上回る可能性が少なく翼の引き立て役に最適(新田、マウリシオ)と''どう考えても翼を超えそうな選手を嫌っている感が強い''(事実、トラウマから立ち直ったストラットは早々にミランへ送り返している)。 ---大げさな考察と思われがちだが既に前々作で敵対している状況でサイクロンのヒントを教えたり、切り札とも言える選手を決勝後半で(チームメイトにも事前に知らせずに)唐突に出すといった自分が監督を務めたチームすらも踏み台にしている(あくまでプレイヤー視点であるが)前科があるので余計にそう思われやすいのである。 --「''ロベルトがポブルセンを獲得しておけばサンパウロでの試合が楽になった''」と考えるプレイヤーも少なくない。 ---実際、初期サンパウロの選手は翼・ストラット・石崎以外は低ステータスの選手ばかり。上記のロベルトの評価も考えればなおさらである。 ---翼と出会って人間面で大きく成長した日向やトラウマを克服したストラット等を見ると、彼もサンパウロ入りしていればもう少しまともな人格になった可能性もあったし、翼にとってもいい競争相手となり得ただろうからその面でも惜しい。そしてなにより''サンパウロ編でのプレイヤーの苦労は軽減された筈''である。 -翼以外の選手にはぞんざいな扱いでストラットやマウリシオといった問題児の面倒を翼達に丸投げしているように見える --ストラットは過去のトラウマからタックルを過剰に恐れ、事ある毎にチームメイトに当り散らすと言う下手をすればポブルセン以上の問題児である。にもかかわらずロベルトはストラットのプレイ内容や素行に関して''全く咎めようとせず''キャプテンに就任させている。 --マウリシオも荒れていた頃のストラットを思い浮かばせるような問題児で、先輩である石崎や新田に悪態をついたり、必殺タックルを覚えた''チームメイトの石崎にタックルを仕掛けてボールを奪う''などやりたい放題。しかし翼はそんなマウリシオをあくまでも友達として扱いかばう。やがて、翼との会話を経て良い後輩ポジションのキャラに変貌する。 ---しかし最初の紹介以降マウリシオの出てくる場面にロベルトが出て来ないため、結果として翼達にマウリシオの面倒を丸投げしているように見えてしまう。 ---また、ベテラン選手のネルソンは翼の甘さを指摘し更なる成長を促す役割を果たしていたにもかかわらず、マウリシオに対してはその不遜な態度を諌めるようなイベントは一切存在しない。加入当初から既に彼を見限っていたか、ロベルト同様に翼達に一任するつもりでいたとも考えられるが、なまじ翼に対して先輩らしく振る舞っていただけにイベントが一切無いのは不自然である。 -『V』ではこういった描写は改められ、翼や日向などの主力選手に頼りすぎている全日本の状況を憂慮し主力選手抜きでアジアカップを戦うことを決意し、新田が全日本へ合流を拒否した際は自ら説得に赴く等監督としての勤めは一応果たしている。 -色々問題視されている原作では、翼の成長に涙ぐみ原作版サイクロンともいえるスカイウイングシュートを伝授したが、サンターナにも伝授しサリナスに対策を施し、きちんと日本に対する対策も怠らず試合に臨んでいる。また、番外編でもブラジルの監督としてまともな采配をしており、きちんと公私を弁えた監督として描かれている。 #endregion #region(シナリオとゲーム上の能力設定のギャップ) -今回のブラジルはデンマークに零封されて敗北するルート((原作ワールドユース編は「新キャラの強さを目立たせるため、既存人気キャラのいるチームを盛大に噛ませ犬にする」と言う描写を本作以上に多用し、ファンから大きな批判を受けた。))があるが、実際にオールスターモードで試合をした場合、デンマークの実力ではGKのシューマッハ以外のプレイヤーの能力が低く、精鋭揃いのブラジルにはまず勝てない。 --更に言えば本編で日本が試合をする時も、シューマッハからは普通に得点可能である。シューマッハはカルロスとコインブラを完封した程のGKなのだが…。 ---本作での合計能力値は108。ヘルナンデスや若島津よりちょっと上くらいの能力でコインブラを完封できるとは思えない。 --『V』でのあまりの弱体化から察すると監督交代後に選手の総入れ替えが起こった模様。新選手たちを見る限り''今作までのブラジルレギュラーを相当過小評価している''人物だと思われる。今回のあまりの惨敗でブラジル国内に暴動でも起きたのだろうか……。 #endregion #region(シナリオの突っ込みどころ) -ワールドクラブカップ編はクラブチームの大会なのに、最後に戦うのは「''日本クラブ選抜''」と反則としか思えないチームとメンバー構成。一部メンバーがナショナルチームとほぼ同じクラブチームは他にもあるが、日本ほど露骨ではない。 --しかも本来ならハンブルガーSV所属の若林、マルセイユ所属の岬、マンチェスター所属の松山までもが、片桐に頼まれたからという意味不明な理由で参加している。ここまで来ると最早「日本クラブ選抜」ですらなく、全日本と大差ない。 ---彼らを入れることで日本クラブ選抜のメンバー構成をラスボスらしくする、という意図があったのかもしれない。そうだとすると、ハンブルガーSVとマルセイユとマンチェスターがワールドクラブカップの予選あたりで全て敗退した後、出番がなくなってしまったであろう若林たちに急遽参加要請した事にしないと話の辻褄が合わない。いくらなんでも、本来の所属クラブチームのことをそれぞれのチームメイトに託して日本クラブ選抜に参戦したわけではあるまい…。 --このルートでの日向や若島津は所属クラブチームのメキシコシティから出場しているため、日本クラブ選抜には不参加。 -親善大会編最終戦のドイツ戦でのみ登場するラスボス的キャラクター『フライハイト』。彼は雨天で逆にパワーアップし、専用必殺技も多数追加される珍しいキャラクター。さらにこのシナリオ中に限りこぼれ球を100%回収する。反面、晴れている時はレインボウパスと言う必殺パスしか使えない。 --しかし、このために控えに回されたのがカペロマン(このシナリオのみベンチ入り)。この試合は必ず前半で雨が降り、後半は止む構成になっているのだが、雨が止んでも「あめは やんだが ドイツはまけない!」と言ってそのまま出場し続け、カペロマンは一切試合に出られない。モブ以外の選手をベンチ入りさせるなら、台詞や顔がなく必殺パス持ちと役割が被るメッツァ辺りにすれば良かったと思われるのだが……。 ---他でも述べられているが、彼はこのシナリオでしかほぼ活躍の場面がないのでこの展開も致し方ないのであるが…。(オールスターでは天候の設定が不可能なので彼を選択するメリットは皆無) ---前作のユニバーサルユース(及びその原型となったユニバーサルカップ)を彷彿とさせる展開も合わせると、前作で東西ドイツ統一を裏のテーマとしながらも旧東ドイツ出身選手の描写が皆無であったことを補完する存在とも言える。 -本作のシナリオには翼、石崎、ストラットの3人がブラジル代表チームに加わり、カルロスやコインブラたちと共に南米選手権を戦うという熱い展開が用意されているのだが、実際のFIFAの大会規約では''「その国の正当な国籍を有していない者が、その国の代表として国際試合に出場する事は禁止されている」''と定められているはずである。 --ブラジルに長期間滞在している翼に関してはブラジルの国籍を持っていても不思議ではないが、サンパウロに入団したばかりの石崎とストラットがブラジルの国籍を持っているとは到底思えない。 --原作でもドイツ対オランダの親善試合において、怪我をしたミューラーの代役として若林がドイツ代表として出場し3失点したという話があるのだが、これは国籍以前に非公式の親善試合だったから可能だったのであって、話の整合性がきちんと取れている。本作のようないきあたりばったりな話では無い。 --作中では石崎が「ブラジル人じゃない俺たちも出れるのか?」と聞くと、ストラットが「俺はイタリア人だけど去年は出たぜ」』と答えるシーンがあり、メキシコ代表チームにも日向と若島津が参加している事から、どうもテクモスタッフの解釈では「国籍は関係無く、各国のクラブチームに所属していればその国の代表として出場可能」という事になっているらしい。本来ならばこのようなチームこそクラブ選抜と呼ぶべきなのだが…。 ---アルゼンチン人のバビントンは帰国したらしく、ブラジルのクラブチームには在籍していない。惜しいことをした……。 //-本作のEDでは翼はローマ(強豪チーム)に移籍したことになっているが、続編の『V』ではレッチェ(超弱小チーム)に移籍している。 //--ストラットが「適当なチームを紹介してやるよ」と言っていたが、それがあの雑魚チームだったのではないかと噂されている……。 //--同じようにEDで岬は日本のスクデットジャパン所属になったはずだが、続編の『V』ではフランスに戻りパリに所属している。 //---ナポレオンが岬に「来年は日本でプレーするのか」と確認している場面があり、『V』ではナポレオンは日本の南葛SCに所属している。ひょっとしたら''岬と組むつもりで来日したのにチームにいたのは来生や森崎だった''というすれ違いだったのかも知れない……。もともと自分より下手な選手を見下す癖があるナポレオンはチームの弱さに我慢がならず、来生たちをアマチュア扱いして殴り合いを起こすなど大変なことになっていた。 //これはむしろ『V』限定の問題では? #endregion ***システム面 -オールスターでのバランス --前述のLV1の状態では前作に登場した、モスクワ所属でベルギー代表GKであるラムカーネの弱点が無くなる。前作、今作共に''能力最強だがスタミナが無く、フルタイムでの試合は困難で後半弱体化する''という設定なのだが…。 ---今作の弱体化は''レベルが1になる''と言う物。全員LV1の状態では弱体化せず、前作のミューラー並のバランスブレイカーとなる((若林は特定選手やPA内に踏み込まれるとGSGKが発動しないので勝手を知っているプレイヤー同士だと鉄壁とは言い難い))。ネオサイクロンやドライブタイガーでさえもシャドーシールドで容易くキャッチされてしまい、並の必殺シュートならただのパンチングでも防がれてしまう程なので、ラムカーネ込みでのバランスを考慮するならLv3~4位まで上げた方がいい。 --他にもクラブ、ナショナルチームでの能力バランスが悪く(シナリオ準拠なので当然だが)特にクラブチームでは''ミランを取れば確実に勝てる''ほど差が激しい。 --シナリオ本編では一部敵チーム(主にクラブチームやシナリオ専用チーム)の選手がレベル補正の強化を緩和するため基礎能力が弱体化されたり、一部は逆に強化された状態で登場するが、''全員同レベルのオールスターでもクラブチームでは基礎能力がそのまま''。 ---ナショナルチームやエディットチームはパラメーター自体の変化はないが、ペルーはプレイヤーが使用する場合は本編で猛威を振るったオルミーガの吹っ飛ばし行動を発動させる事ができず弱体化している(これは各種行動がAIに設定されたオルミーガ専用行動ルーチンでのみ選択可能な専用必殺技扱いであるため発生する現象で、COMが使用する場合や各種委任モードによるオート操作では本編と同じように吹っ飛ばし行動が発動する)。 -強引なドリブルに代表される吹っ飛ばし系のドリブルがやたら強い。能力が上だったり必殺タックルを使ってくる相手でも良く吹っ飛ばすし、消費ガッツは『III』同様の基準なので単体が相手なら殆ど消耗がない。 --必殺タックルがそれなりには効くが、消費ガッツと成功率が見合わない。 --反則狙いも一応対策となるが、成功率は5回に1回~10回に1回といったところ。やらないよりはマシだがあまり期待しない方がいい。 --続編の『V』では、強引なドリブルは見る影もないほど弱体化している。 -ドリブルで1歩移動する→メニューを開く→閉じる→またドリブルで1歩移動…とやると、敵に接触されることなく進むことができる。これをやれば必ずキーパーと1対1までもっていけるので、CPU相手でも詰むということはないだろう。対人戦ではリアルファイト必至なので、もちろん封印推奨。 ---- **評価点 -演出面は進化している部分もちゃんとある。 --Ⅲでかなり縮小されていた試合中の選手アニメーションが大きくなった。省略されていた表情も再び見れるようになった。 --特にドリブルモーションは迫力があり動きもかなり豪快。豪快すぎて普通のドリブルも強引なドリブルのように見えてしまうのは考えものかもしれないが…。 ---前作の「オカマ走り」と揶揄された内股ドリブルは消え去った。現実でやったらどうなるかとかは気にしない。 -テクモのオリジナルストーリーはやはり秀逸。 --本作唯一の救いというか、ストーリーはまともである。''試合を無視して話を追うだけ''でも結構楽しめる。 ---作品の副題通りプロでの新たなライバルの登場や、プロでのサッカーに対する心構え等今までよりもキャラクターの心情や葛藤が出ている。 ---また前作では、日本以外の選手を仲間としてのストーリーを含めた絡み合いは岬とナポレオンのみだったが、本作中ではその機会も非常に多く、のっけから早速翼とストラットが絡み合っている。 ---初戦でゴールを許すとストラットがレナートを叱責したり、敵チームに移籍したアマラウ&ドトールについてロベルトと石崎が語り合う等、ユース時代のサンパウロの仲間達にも僅かながらスポットが当てられている点もファンにとっては嬉しい要素。&br() もっとも、プロ昇格にあたりそのメンバーの大部分が入れ替わってしまったり、一際存在感のあったバビントンは代表チームにしか登場しないうえに上述のような会話イベントも用意されていないのは残念なところだが。 #region(ストーリーのネタバレあり) --今作オリジナルのラスボスの一人であるオランダ代表のファンベルグは、さすがにコインブラほどではないものの中々インパクトもあって強い。またプロ選手ということでこれまでの同世代選手と違い先輩としてのキャラ付けもされており、翼もきちんと敬語で対応している。 ---必殺技はオーバーヘッド((通常のオーバーヘッドキックとは違う必殺技として扱われており、威力や消費ガッツがやや高い。))のみだが、基本能力が非常に高い。松山のイーグルタックルや早田のカミソリタックルを''普通のドリブルで''避けまくり、若島津の牙龍三角飛びを''普通のシュートで''無力化する様は圧巻だと言えるだろう。 ---さらに彼がシュートを撃つと、''放たれたボールが七色に光る。'' ---しかも彼は、何と''若林を相手にペナルティエリア外から5点も奪った''という、とんでもないプレーヤーである。 ---次回作では残念ながら怪我により長期離脱してしまう。その後怪我が治り最終シナリオの大会に参加したが、ミランは新田とアルシオン抜きのカンピオーネに0-10で敗北する結果となってしまった((もっとも、オールスターで使用できるだけコインブラよりマシなのだが…))。 --他のオリジナルキャラクターも特徴が多く''シナリオ開始時に味方選手として登場し、トラウマを乗り越えて新必殺技を習得し、元いたチームのチームメイトと和解してミランに復帰、その後ルート次第でラスボスとして戦う事となるストラット''や、ただのモブ選手にしか見えないが''シナリオ時のみ全ての行動が敵選手を吹き飛ばす補正がかかっており、ブラジルチームを苦しめるオルミーガ''等、前作までとは違ったインパクトを持つキャラが多い。 --翼がブラジル代表に選出されカルロスやコインブラ、メオンと共闘するラテンアメリカカップ編はアツイ。 --分岐試合で負け続けると辿り着くワールドクラブカップ編は、''翼が最後まで全日本に合流しない''という異色のシナリオであり、かつオリジナルのキャラクターが多数登場することもあって独特の雰囲気を味わえる。 --特定のルートでは''ディアスがサイクロンを修得する''。更にネオサイクロンや、オリジナル技のバク宙サイクロンまで覚える。ディアスの天才ぶりを改めて印象づけさせ、サイクロンというシュートをより深く掘り下げる上でも重要な役割を果たした。惜しまれるのはアルゼンチンがラスボスチームに入っていないことか。 -ゲルティスのイベント追加 --前作まではキーパーマシンの異名を持ち強烈なイメージを残しながらも、セリフらしいセリフが全く無かったブラジル代表GKゲルティスに、本作ではイベントがいくつか追加された。 ---例えばストラットとの対戦経験があったり、ストラットの恋人であるミアータをストラットの元に案内したり、試合中に翼に対してネオサイクロンを撃てと挑発したり、そのネオサイクロンを見事に止めるといったイベントが発生。 ---また『V』では既存キャラの大幅なリストラが行われたのだが、ブラジル代表では彼とバモラ(本作初登場のサンパウロの正ゴールキーパー)、カルロスだけはリストラされずに残されている。ブラジル主力陣がカルロスに反発して試合をボイコットする中、彼とバモラだけは無視して出場してくれる等、無口で(カルロスやコインブラと比べ)目立たないが気配りの効く人物として扱われている。 #endregion -オリジナルの主人公 --常に攻略の一環を担いオリジナル必殺技((ガッツ450を消費する吹っ飛ばす剛球系シュートで名前を自分で決められる))も覚え、本来の全日本のレギュラーを食うような強さを持ちながらも、シナリオに本格的に絡むことはほぼなく空気を読んでいる(フィールドでは翼顔になっており、ストーリーパートでは翼の髪型で後ろ姿のみ)。 -オールスターモードの充実。 --1Pと2Pの協力プレイもできるようになった。 --代表チームからクラブチームに至るまでゲームに登場するあらゆる選手を網羅しており、組み合わせは千差万別。さながら''デバッグルーム''である。 ---自分で選手を編成するエディットチーム((1P側は「スターキャプテンズ」、2P側は「スターウイングス」で、ユニフォームはそれぞれ前作の全日本とドイツ代表を踏襲している(ストーリーモードに登場する全日本のユニフォームは、当時のアウェイユニフォームを元にした白いシャツに青いパンツとなっている)。))のみならず、これらのチームをそのまま選ぶこともできる((ただしクラブチーム・ナショナル(代表)チーム・エディットチームそれぞれでモードが独立しているため、「1Pエディットvs2Pナショナル」といったようにお互いに違う条件で戦うことはできない。))。 ---前作の『III』は人数が偏っており、『V』ではオリジナルキャラが大勢リストラされてしまったため、本作でしか使用できない選手も多い。 ---今作ではついに我らがSGGK(スーパーがんばりゴールキーパー)森崎も使用可能。さらにフランスの森崎・アモロやブラジルの森崎・レナートも選択可能。念願の「キーパーを森崎にして世界最強のストライカー達の必殺シュートでフルボッコ」や、「両軍キーパーをザコにしてノーガードマッチ」という楽しみ方が可能になった。気になる能力値は、中西(能力値合計91)=メオン(91)>>森崎(80)>アモロ(79)>レナート(76)で、選択可能な最弱キーパーはレナート君であった。((なお若林とミューラーの能力値合計は120。後述の最強キーパー・ラムカーネは124。ブラジルのキーパーマシン・ゲルティスは107。若島津とヘルナンデスは106。)) ---ただし、ある3人の選手の登録が重なってしまっているため3人のうち1人しか使えなくなっている((GKのディーノ、シューマッハ、バモラ。特にディーノはストーリーを進めるとシューマッハと交代してしまうため、レベル1で使用することができない。))。 ---守備時の移動速度がコインブラのドリブルよりも速い超超高速DFゾフが選択できず、その異様な挙動を楽しめないのは残念。 --当然の処置と言えるが、ストーリーモード専用のチームは選択不可能。ストーリーモードで味方チームだった南武大フースバルを敵チームとして選んだり、ラテンアメリカカップ決勝で苦戦させられたメキシコを自分で操作する、といったことはできない。 --オールスターモードの敵チームには、選手交代の概念がない。例を挙げると、マンチェスター所属の松山や武蔵ローレルス所属の三杉は、ストーリーモードでは後半から出場するが、スタメンではないためにオールスターモードでは対戦できない。ただし、味方チームとして選べば控え選手からスタメンに変更することもできる。 --レベル1の状態で遊べば浮き球バグの影響を受けないので純粋に試合を楽しむことができる。 --各選手ごとのステータスを細かく参照できるので、設定マニアにはたまらない作りとなっている。 --簡素だがオリジナルキャラを作成して試合に参加させることができるようになった。名前を決めた後、好きな能力を8ポイント分あげることができる。ただし、1つの項目には最大4ポイントまでしか分けられない。 ---ポイントの振り分けによって必殺技も習得可能。なお、シナリオで使用されていた必殺シュートは「トルネード((後に連作開始されるワールドユース編の火野竜馬が使う「トルネードシュート」とはまったく別物。))」と言う名前になる、他にも守備のパワーブロック、パワータックルやドリブル用のヒールリフトと4通りの必殺技を装備できる(実際にはポイントの都合上2つまで)。 ---ただしエディットモードでしか使用できず、名前やポイントの振り分け等を記録しておくことが出来ないので必殺技を習得させる為に一々調節しながらポイントを割り振ることに。 ---2つの必殺技を装備させても、その場合ポイントが分散され能力値が中途半端になりがちで役に立たないことが多いので、単純戦力で考えれば「トルネード」のみでシュートに特化させた方が一番いい(「キック」に4ポイント「わざ」に3ポイント「えんご」に1ポイント)。 ---パワーディフェンス系は2つ持っても次藤やディウセウに劣ることになる上、強引なドリブルやキャノンヘッドがないため結果的に劣化キャラにしかならない。タックルかブロックどちらかに特化してもバランスが悪く、そこまで強くはならない。 ---ヒールリフトに至っては最悪で、特化しても突破力は弱くスピードが普通なので劣化キャラにしかならない。翼などのメインキャラのドリブル技は元より、ファンベルグや後述のオールスター専用キャラ「KAZU」の通常ドリブルよりも弱いという体たらく。 -前シリーズからのBGMの多くをアレンジして収録したことは評価できる。これで音質が良ければ言うことなしだったのだが。 --またストーリーパートではBGMの出来は全般的に良い。 -浮き球バグばかりがクローズアップされる為見逃されがちだが、地上戦の駆け引きはなかなか熱い。 --前作では敵選手との接触時の必殺技がかなり強かったが、今作ではその殆どが絶対的に信頼が置けるほどのものではなくなり、『II』時代に近くなっている。 -レベルや基本能力差は確かに重要なのだが、能力的にこちらのドリブルが大幅に有利でも集中的にタックルを受けると意外とこぼれ球にされる。こちらが守備に回る場合も同様なので、ディフェンスタイプをプレスにして複数人で取り囲むのが効果的。 --アルゼンチンのディアスが代表的だが、パスもワンツーも出さずにひたすらドリブルで切り込んでくるルーチンの敵選手は多い。こういう選手には効果てきめん。 --こぼれ球まで行かずとも、守備側が反則(ファール)を起こすとフリーキックでパスしなければならなくなるため、その面でも有効となっている。 ---ちなみに守備側は「ブロック」を選ぶとファールを起こしやすいとされている。 ---ドリブルに対してブロックは相性が悪いので失敗しやすく、結果的にファールが多くなるだけ。ファールを狙うよりは直接ボールを奪える可能性のあるタックルのほうが有効。 -レベル変動制により、旧作のように何度も同じ試合をこなしてレベル上げをする必要がなくなった。 --たとえ負けても再戦を申し込まなければ次の試合に進めるようになり、ストーリーのテンポは圧倒的に良くなった。 ---再戦の場合は味方のレベルだけが上がり敵のレベルは据え置きで、いつかは勝てるようになっている。勝っても次の試合での浮き球バグとレベル格差をさらに助長するだけなのでメリットは少ないが。 --旧作と比べて無敗プレイの難易度も下がっている。 ---これは厄介なバグと同時に難易度を下げるための抜け道や本作独自のテクニックも存在しているため。無敗プレイを抜きにしても、テクモ版シリーズ経験者からは「4は難易度が低い」と言われている。 -初代作にあったリーグ戦形式が限定復活した。 --対戦順はランダムではなく固定。4試合のうち3試合を勝つことで通過できる。もし通過できなかった場合は、リーグ戦の最初からやり直しとなる。 --世界大会前のアジア予選と、本大会の予選がこの形式。 ---アジア予選の強国は中国と韓国。どちらも浮き球シュート狙いのチームなので非常に手ごわい。特に中国は''全員倍速''でGKも必殺持ちという反則級の強さ。 ---本大会予選の強国はルートによって変わる。アメリカ(ロサンゼルス)のミハエルとは必ずここで当たる。 -ピエール+ナポレオンの『スライダーキャノン』が他のツイン系シュート同様、低い浮き球シュートになった。~ 初登場の『II』では敵専用で、低い浮き球でも高い浮き球でも使えるボス仕様の凶悪技。~ しかしオールスターでピエールとナポレオンを使えるようになった『III』ではなぜかピエールからしか撃てず、地上のシュートになって使い勝手がとても悪かった。~ ピエールはもともと地上用のスライダーシュートを単独で使えるので、スライダーキャノンが浮き球用に戻ってくれたのは対応力が増してくれて嬉しい。 --だが原作で見せたオーバーヘッドキックは使えず、高い浮き球用の必殺シュートが無いところは残念。 --続編『V』ではナポレオンもスライダーキャノンを撃てるように戻り、ここでようやく完全に他のツインシュートと同じ形になった。~ また『V』ではパスを出す時に高い球か低い球か指定できるようになり、「確実にスライダーキャノンを狙える」という『II』同様の信頼感も復活した。 ---- **総評 このゲーム単体なら典型的な低評価のキャラゲーで済んでいたかもしれないが、シリーズ全体が素晴らしい出来だっただけにタイトルにまで泥を塗る結果となってしまった感は否めない。~ 漫然とプレイした場合、浮き球バグとレベル変動制によりゲームバランスは滅茶苦茶。1周クリアするだけでもかなり時間がかかる仕様なのに、コンプリートにはそれを4周もやらなければならず、作業感は相当なもの。周回を楽にするはずのシステムにも落とし穴があって、それに頼っていると痛い目に遭うこともある。売りだったBGMや演出面でも見るべき所が少なくなり、ファンを惹き付ける力は従来作と比べ弱くなってしまった。 しかし分岐によって様々なシチュエーションを楽しめること、(突っ込み所はあれど)これまでと違う「プロの世界」に踏み込んだストーリー描写、豊富な選手とチームや必殺技が登場して対戦でも使用可能なことなど、本作ならではの魅力もまた存在する。浮き球バグも厄介ではあるが、上手く利用すれば有利に戦いを展開できる部分もあるし、ドリブルで切り込んだりエリア外に敵をおびき寄せてフリーにしたりと戦う手段はあり、無理ゲー化はしていない。~ 攻略研究が進んだ現在では浮き球バグへの対抗策やレベル調整の重要性も理解されつつあり、結果的に様々な選手を活躍させる必要があるこのシステムにやり甲斐を見出すプレイヤーもいる。 ''浮き球バグを失くして演出を『III』のままにしてくれたら良作だった''とする意見も多く、その点では開発期間の短さに伴うデバッグ不足に泣かされた悲劇の作品とも言える。~ もし今から遊ぶならバグの仕様を理解しつつ、あくまでもストーリーを追うかたちで楽しむのが良いだろう。そこまで''時間とガッツが足りれば''、であるが。 ---- **その後の展開 -1994年9月にはじめて任天堂ハード以外での初作品『[[キャプテン翼>キャプテン翼 (MCD)]]』がメガドライブ(メガCDのみ)発売。 --『[[VS>キャプテン翼VS]]』以外ではじめて小学生編を取り入れ、中学生編(日本大会決勝の東邦戦まで)までを再現している。 --少々おかしいところもあるが、中学になり南葛SCから袂を分かつ関係となった大友中((翼たちと南葛SCでチームメイトだった浦辺、岸田、西尾、中山と後輩で全国制覇を成し遂げた新田、一条が所属。))マイナーながら小学校編県大会で若林つぶしに体当りを敢行した志水FCなども登場し、メガCDの特性である音声までバッチリ取り入れられており、全体的には高い再現度を誇っている。 --一方『VS』ほどではないにせよゲームとしてのバランスを取った都合で若林が少々弱いのは残念なポイント。だが技に関しては『VS』のような来生、井沢、岬あたりに付与された明らかに原作に反した不自然なものではないので、やはり秀逸な出来と言えよう(原作で名前だけ出てきたモブチームにモブキャラっぽいオリジナル選手がいて適当な名前の必殺技を使う点はさすがに違和感が否定できないが)。 -スーパーファミコンとしては1994年12月に『[[キャプテン翼V 覇者の称号カンピオーネ]]』を発売。 --この頃には原作の正式な続編「ワールドユース編」の連載、アニメは「キャプテン翼J」((ワールドユース編のアニメ放映を目的としていたが当初は原作不足のため旧作のリメイクが放送されていた。結果的にはすこぶる不評で放送開始から間もなく視聴率は致命的なほどに低迷したためリメイクは小学生編のみで打ち切り、予定前倒しで1995年9月からワールドユース編に切り替えたが結果的には最後まで視聴率もその評価も挽回できなかった。))の放送がはじまっていた影響か「テクモ版キャプテン翼」としては最終作となった。 --本作のような致命的なバグは解消され、ストーリーでは各キャラをそれぞれ掘り下げたサブシナリオも充実しており、そのクオリティの高さは目を見張るものがある。~ またメガドライブ版ほどではないにせよ、主要キャラのみでピンポイントながらキャラボイスが搭載されている。当時は「キャプテン翼J」が放送されていた時期にもかかわらず、声優キャスティングは旧シリーズに準拠して採用いることも好評の一因。 --しかし、その反面ゲームシステムは、当時Jリーグ誕生で激増したサッカゲームの影響かフィールドの見た目はアクションサッカーのようなものになっており、これに関しては賛否が分かれている。 ---- **余談 -最初の試合にてレナートがゴールを奪われた際のストラットの発言''「ポストのほうがまだマシだぜ!」''は迷ゼリフとして有名。 --『II』以来の彼の不甲斐なさや、シリーズ伝統の強力なシュートを打たれようものなら何をしても防ぐ事ができずポストに当たるのを祈るくらいしかできないバランスを象徴したセリフとも言える。 ---この試合の相手は初戦なだけあって弱いのだが、この試合自体特殊仕様で4点以上の差をつけると相手のレベルが急激に上がる((更に差が開けば比例して上がっていく。逆に3点差以内に縮まると元に戻るため、「リードを広げたことが災いして隠れパワーアップで負ける」ということはまずない。))ので、3点リード以内での完封勝利を意識しない限りこのイベントはまず発生する。またこのイベントが発生するとレナートのセービング力がアップする((実際には3レベル分を前借りするような形になるため、このイベントでパワーアップするとレベル4まではガッツが増えてもセーブ力は上がらない。裏を返せばこのイベントを起こさなかったとしてもレベル4まで上がれば結局同じ。))。 -ラテンアメリカカップのブラジル代表vsコロンビア代表の試合で、ボールを持っているストラットとミルチビッチが接触するとイベントが発生するが、その際にストラットは彼を''サノバビッチ''((英語で"son of a bitch"、直訳すると「雌犬の息子」という意味だが、スラングでは対象人物(男性)への多大な侮蔑や憎悪を込めた呼びかけとして使われる(女性に使う場合は"bitch")。Fワード同様に下品な言葉と見做されており、しばしば母音を伏せて使われる。))呼ばわりする。 --一応、ミルチビッチ本人は「俺はミルチビッチだ!間違えるな、ザコ!」と言い返しつつナナハンタックルをお見舞いしており、単なる名前の言い間違えとして収めてはいるのだが、本来ならば一発退場モノの侮辱と捉えられてもおかしくない一言であろう。 ---実際、作中では翼を煽りに来たミルチビッチに対してストラットが反応するも「ザコに用は無い」と一蹴されヒートアップし、コロンビア戦前には「''ミルチビッチ''、いよいよか」と''正しく名前を呼んで''前置きしたうえで、「気分良くイタリアに帰るためにもアイツだけは叩く」と激しく敵対心を燃やしていたため、故意にサノバビッチ呼ばわりした可能性は否定できない。 //ファントムの件はスレでの相談の上で削除 -セーブデータが壊れてしまったときにファイルの選択画面を開くと''「くっ! データが消えてしまった!!」''というメッセージが表示される。 -今作の説明書には必殺技の真似をしないように注意書きが記入されている。 --ちなみに例はスカイラブ。当然ですね。また実際のサッカーのルールでもスカイラブ系の技は全て反則である。 -のちに[[DOAシリーズ>DEAD OR ALIVEシリーズ]]や[[NINJA GAIDENシリーズ>忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]で有名になる板垣伴信氏が初めて制作に参加したゲームでもある。 -音源のまずさによるBGMの劣化は後の[[忍者龍剣伝 巴]]でも問題になった。 -このゲームが発売された1993年はアメリカワールドカップ(W杯)の予選があり、日本でプロサッカーリーグ(同年5月に開幕した「Jリーグ」)発足後初の挑戦ということもあり、W杯初出場へ機運が非常に高まっており国民的にも注目度が高かった。そのためか本作では韓国戦前のストーリーパートで翼が現実での日韓サッカーの歴史を語ったり、日向が若島津と特訓して新必殺技のドラゴンタイガーを完成させ試合で初披露したりと、後に行われる現実のW杯予選での「打倒韓国を願う気持ち」を意識させるような要素を盛り込んでいる。 --キャプテン翼の世界でライバルはあくまで世界トップクラスのブラジルや西ドイツであり、韓国等アジアレベルごときは歯牙にもかけない存在だったが、現実の日本サッカーはそれまで長年に亘りオリンピックやW杯の予選で日本はことごとく韓国に敗れ(最高でも引分け)出場を逃す苦汁を味わってきた((結果的には韓国に対してW杯予選初勝利を挙げたものの、最終戦となるイラク戦でロスタイム中に同点ゴールを奪われ引き分けたため得失点差で3位となり(当時のアジア出場枠はたったの2、この試合でイラクを破っていれば悲願のW杯初出場が確定だった)出場を逃した。これは「ドーハの悲劇」と呼ばれ現在も語り継がれている。))。 --翼世界でも、見上や片桐の世代の全日本は韓国に惨敗しW杯出場を果たせなかったことがWY編で語られている。 --ただ、その割に韓国チームそのものの構成は相変わらずで特定選手はツインシュートのシャとキムのみで新技追加もない。どころか、二人とも顔なし(その他大勢顔)に降格されるなど「現実では強敵」を意識させるような要素はまったくなく、より一層モブチーム化した印象しかない。 ---普通にやっていればまず圧勝の試合になると思われるので、キャプテン翼は好きでも現実のサッカーに興味がない人にとっては「なんで韓国ごときにあんな気合入れてたんだ?」と思ったことだろう。 -これまでの出来が秀逸すぎたため本作自体ガッカリな印象を与えて終わったが、この2年後(『[[V>キャプテン翼V 覇者の称号カンピオーネ]]』発売の翌年)にバンダイが『[[キャプテン翼J THE WAY TO WORLD YOUTH]]』という、根本から欠陥システムで固められたクソゲーを発売することになる。そのクソゲー度合いはもはや本作の比ではない。 --ゲームだけでなく原作やアニメ自体の評判も悪く、開始当初は期待されていただけにそれを大幅に裏切った反動もプラスされ、その相乗効果で一層そのクソゲーイメージを強めている。 --たが、これに関してはメーカー自体違うしそもそも『キャプテン翼VI』ではなく「元々原作やアニメの時点で黒歴史の『キャプテン翼J』のゲーム」ということで本シリーズと直接一緒に並べて扱われないことも多い。 ----

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