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*スターフォース 【すたーふぉーす】 |ジャンル|シューティング|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000283.jpg,height=200)| |対応機種|アーケード&br()ファミリーコンピュータ|~| |発売・開発元|【AC】テーカン&br()【FC】ハドソン|~| |稼動開始日|1984年9月|~| |発売日【FC】|1985年6月25日|~| |プレイ人数|1人(2人交互プレイ可)|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2009年3月26日/500Wiiポイント&br()アーケードアーカイブス&br()【PS4】2015年9月4日/762円&br()【Switch】2018年3月1日/762円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[キャラバンシューティングシリーズ]]''| |>|>|CENTER:&color(black){スターフォースシリーズ}&br()''&color(black){スターフォース}''/[[スーパースターフォース>スーパースターフォース 時空暦の秘密]]/[[ファイナルスターフォース]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 テーカン(後のテクモ。現・コーエーテクモゲームス)発売の縦スクロールシューティング。~ 自機となるファイナルスターを操作し、次々あらわれる敵を倒していく単純明快で爽快なゲームである。~ FC版は当時ハドソンが開催していたゲーム大会「ハドソン全国キャラバン」の公式ソフト第1弾であり、~ 後のキャラバンSTGの祖として様々な影響を残したタイトルでもある。 ---- **あらすじ 時空暦2010年、暗黒の宇宙を殺戮と掠奪を繰り返しながら進む浮遊大陸があった。その名は「暗黒星ゴーデス」。~ 誰もがその圧倒的な力に希望を失いかけた時、一人の勇敢な戦士がスペース・パトローラーへと乗り込み、闘いに挑んだ。~ 人はそれを「ファイナルスター」と呼び、最後の望みをかけるのだった。~ 今こそ2000年の永きにわたる戦いに終止符を打ち、ゴーデスの正体をつきとめろ!~ ---- **システム -1レバー+1ボタン操作。空中物と地上物があるが、どちらもショットだけで破壊できる非常にシンプルなスタイルとなっている。 -特定のタイミングで出現する「カルデロン」という敵を倒すと友軍機「パーサー」が出現。パーサーと合体すると自機がパワーアップし「ショットの弾速や移動速度が上がる」「ある程度オートで連射できる」といった恩恵を受けられる。 --合体したパーサーの分だけ自機がやや大型化したように見えるが、当たり判定は変化しない。ただし、バリアなども無いのでパワーアップ中でも一撃死となりパーサーも失う。 --やられた場合、一定地点戻されての再スタートとなる。ただし後述の100万点ボーナスの地点でやられると強制的に次の地点に飛ばされ、以後ループして同じ地点に来ても100万点ボーナスの地点のみ飛ばされてしまう。 -敵を一定数倒すとボスとなるエリアターゲットが出現。撃破するとエリアクリアとなるが、撃破し損ねると再び一定数ザコ処理をしなければならなくなる。 -ループゲームで、ALPHA(Α)からOMEGA(Ω)までのギリシャ文字で示された24エリアをクリアするとINFINITY(∞)-AREAとなり以降は数字だけが増えていく。 ---- **評価点 ''シンプルなゲーム性'' -『[[ゼビウス]]』登場の翌年に登場し多数の要素をフィーチャーしているが、地上物を狙い撃つ要素を廃し、単純に撃ち続けるシンプルさと後述の多彩な敵の複合により爽快感満点なゲームに仕上がっている。 --ただし本作の地上物は一切攻撃をしてこないので、「弾が地上物に阻まれて空中物を攻撃できない」と言う妨害要素がメインである。 --連射を考慮して敵が明確に耐久力をもった最初のシューティングゲームでもある((古くは『ギャラガ』にも耐久力2の敵がいたが。一方ゼビウスはボス(アンドアジェネシス)を含む全ての敵が耐久力1である。))。 -隠しボーナス取得などで''「連射」''が重要になってくるのも特徴。後のキャラバンSTGほどではないが、大量に現れる敵を連射して倒していくだけでも爽快感を得られるため手軽に楽しめるタイトルでもある。なお、ゼビウスは一画面に4発が限界である。 -曲数自体は少ないものの、BGMもなかなか良い曲が揃っている。パワーアップ時の軽快なBGMも爽快感を出すのに一役買っている。 --スタート時の「テッテテッテテッテテッテ、テレレレンテレン、テレレレンテレン、テッテテッテテッテテッテテーン♪」というBGMが耳に残っているプレイヤーも多いのではないだろうか。BGMを手掛けているのは当時テーカンに所属していた増子司(現:増子津可燦)氏((後にNMK→ウェストンと渡り歩いた坂本慎一氏も効果音やサウンドドライバ制作として参加している)) -舞台は宇宙であるが浮遊大陸や要塞が頻繁に登場するため、単調さを感じ難い。地上物も様々なデザインが用意されている。 ''多彩な敵アルゴリズム'' -本作は多種多様な敵が登場し、その全てに独特のアルゴリズムが用意されているのが特徴。 --ある程度下まで来ると突如斜め上に飛んでいくもの、自機とY軸が合うと突っ込んでくるもの、破壊すると撃ち返しが発生するもの、攻撃すると分裂するもの…と、その動きは当時のSTGの中では独特なものが多い。 --エリアターゲットにしてもスコアの100の位に応じて最初に左右どちらへ動くかが決まる((100の位が奇数なら左、偶数なら右へ動く))など、ある程度アドリブも必要だが意外とパターン性が強い。 --これらの動きを覚えることが本作上達への道であり、後述の隠しボーナスを加えハイスコアを狙う重要なテクニックとなる。 -敵の動きに慣れれば先に進みやすくなるものの、油断すれば簡単に被弾するゲームバランスも絶妙。後述のエクステンドボーナスが出やすいこともあり、ギリギリの場面から挽回できる事も多い。STGらしい緊張感と快感をしっかり味わえるゲームである。 --前述の通り一定数の敵を倒せばボス戦となる事もあり、それを利用したテクニックも多い。ラリオス誘導などが有名だろう。 -さらに1000万点に近づくと敵のアルゴリズムが劇的に変化、目に見えてプレイヤーを殺しにかかってくる。スコア自体は1000万点を超えてもカウントされるが1億点達成は非常に困難を極めるだろう。 ''多様な隠しボーナス'' -『ゼビウス』で注目された隠しボーナスの要素は本作にも取り入れられているが、その種類も多種多様になっている。 -有名なものでは、空中で合体する敵「ラリオス」。合体前にコアが光った瞬間に8発撃ちこんで破壊することで5万点のボーナスが入る。 --ただし光る前に攻撃すると逆に耐久力が増えるほか、連射速度が足りないと合体パーツに押しつぶされてしまう。 -矢印の描かれた地上物「ジムダ」が二列で縦に長く並んだ「ジムダ・ステギ」。一列を16個連続で破壊すると8万点ボーナス。なお耐久力があるため二列破壊は不可能。 -ソルを意識したと思われる隠しキャラ「ヒドン」。特定の場所に数発撃ちこむと出現し、破壊すると2000点ボーナス。 --ただし出現時は無敵なうえ弾がすり抜けない(ヒドンの後ろの敵(空中物)を攻撃できない)言う厄介さもある。 -地上物の「マジッカ」。「?」が書かれた地上物が横に8つ並んでおり、4発撃つと裏返すことが出来る。そのうち一つは笑顔の「ケラ」であり、ケラを出すことでエクステンド。要はゼビウスのスペシャルフラッグである。システム上スペシャルフラッグより楽。((なお、AC版は複数のケラを同時に出現させることはプログラム上不可能だが、FC版は「スコアの100の位で出現場所が決まっている」ことから、「100の位を変えながらマジッカを開けて行く事で複数のケラを狙って出す事が可能」という半ば裏技的なテクニックが存在する。)) -そして最大のボーナスとなるのが''100万点''を獲得できる「クレオパトラ」である。他のボーナスと比べるとどれほど破格の点数かおわかりいただけるだろう。 --隠し場所に関してゲーム中にヒントがあり、当時のゲーム雑誌では「ゴーデス大陸の謎」として紹介された。このため、隠しキャラの名前を「ゴーデス」と間違われることが多い。 --出現のさせ方は「浮遊大陸に描かれたシーラカンスの視線の先を16発撃つ」である。さらに16発撃ち込んで破壊することでボーナスが得られる。達成すると専用の音楽と共に「FORTUNE BONUS +1000000」の文字が表示される。 ---ちなみにこのボーナスで入る得点はエクステンドとは別計算となっているため、取得してもエクステンドはしない。 ---- **問題点 -連射ゲーのため、プレイするうちに腕が疲れやすい。本作(のファミコン版)のヒットにより連射装置が登場したとも言える((本作以前で連射装置がほしくなるゲームとなると『ハイパーオリンピック』シリーズだが、さすがにこれに連射装置を使ったらゲームにならない。))。 -前述の100万点ボーナスだが、クレオパトラを名乗っているからかヒントがヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)で書かれているので、普通のプレイヤーにはまず解読不能。「連射していたら変な顔(クレオパトラ)が出た」と言う状態である。 --当時は使い切りカメラもなく、ましてやデジタルカメラやカメラ付き携帯電話など当然存在せず、画面撮影となると当時はまだ高価な部類に入っていたフィルム式カメラが必要だった。 --解読したところで直接の解答が載っているわけではなく、結局は雑誌やゲーム攻略同人誌に出し方が掲載されるまでは広く知れ渡ることはなかった。 --なお、ファミコン版では容量の関係上象形文字が収録されず、当のマップには「大雑把なボーナスの位置」が示されていた。 -残念ながら永久パターンが存在する。 --ある敵を用いるバグにより空中敵の出現を封じることができる。時間は非常にかかるがケラのみを延々と出し続けることにより残機を増やしまくることが可能となる。当然店に迷惑となるのでゲームセンターでは決して実行しないように。 ---また、上記の永久パターンとは別に自機を画面一番下まで移動させ、レバーを素早く上下に振っていると自機がどんどん画面下に埋もれていき、完全に埋もれ切ると一切の攻撃を受け付けなくなるバグも存在する。勿論これもゲームセンターでは御法度である。 ---- **総評 単純明快で多彩な敵の動きや豊富なボーナス要素がプレイヤーを楽しませてくれる名作STG。誰でも気軽にプレイでき、連射と知識が攻略、ひいてはハイスコアに結びつく優れたゲーム性が後に社会現象にまで発展していくこととなる。~ また、敵が空中物と地上物に分かれながらも、そのどちらも通常弾でなぎ倒せると言うシステムは後のシューティングゲームに踏襲され、そういう意味では打ち分け方式の『ゼビウス』より影響力は高いともいえる。~ 移植版や続編に知名度を奪われがちではあるものの、このAC版あればこそ存在したと考えれば感慨深いタイトルであろう。 ---- **移植 後年のアンソロジーへの収録は多いが、リアルタイムでの家庭用ハードへの移植はあまり多くはない。 -SC-3000/SG-1000版(1985年5月) --セガから発売。家庭用初移植である。単色スプライト、8ドット単位のガタガタスクロールなど見た目の劣化は激しいが、オリジナルの忠実な移植を目指しており、プレイ感覚は比較的近い。 -ファミリーコンピュータ版(1985年6月) --ハドソンから発売。第一回キャラバンの公式ソフトとなり、全国的なブームを巻き起こした。グラフィックはオリジナルよりは劣化しているものの、当時のファミコンの水準からすれば美麗であり、遊びやすい良移植となっていた。ただ、プレイ感覚はオリジナルとはかなり異なる。 --本作で確立された多様なボーナス要素は『[[スターソルジャー]]』以降、更なる発展を遂げることとなる。他にもパワーアップ時の軽快なBGMなども引き継がれている。 -MSX版(1985年12月) --ハドソンから発売。Beeカードというカード型のROM(PCエンジンのHuカードに近い規格)で発売された、ファミコン版のベタ移植である。ただ、MSXの仕様上(SG-1000とほぼ同一)グラフィックはファミコン版より大幅に劣化している。 -NES版(1987年6月) --テクモが自らNES(北米版ファミコン)に移植した。ROM容量の増加などにより、ファミコン版より大幅にオリジナルに近づけた移植となっている。 -X68000版 --製作は「げーむのるつぼ」。ディスプレイを縦にして遊ぶモードが付いている。 -Windows版 --メディアカイトから「SUPER1500シリーズ」の1作として発売。Windows95・98対応。 -PS4/Switch版(PS4:2015年9月/Switch:2018年3月) --ハムスターから『アーケードアーカイブス』シリーズとしてDL販売。オンラインランキングに対応しており、前述のFC版の全国キャラバンを意識した5分間のキャラバンモードがシリーズで初めて実装され、以後の同シリーズの定番モードとなっている。 ---- **続編 -本作の続編は3種類存在する。まず1つ目がテーカン改めテクモ製作の直接の続編となる『[[スーパースターフォース 時空暦の秘密]]』、次にハドソン製作の『スターソルジャー』、最後にテクモ製作のアーケード版『[[ファイナルスターフォース]]』である。 --詳しい経緯については『スーパー』の記事やWikipedia等を参照の事。 ---- **余談 -本ゲームは前年に発売した『SENJYO』のインカムが芳しくなくオペレーターから苦情が来たことから、同基板のROM交換用ゲームとして企画されたものである。その為「短期間で開発できて」「スカッと遊べるゲーム」ということで縦スクロールのシューティングゲームが選ばれた。 -ファミコンを題材とした漫画「ファミコンロッキー」でも本作は取り上げられているが、キャラバン公式ソフトという点や同漫画とゲーム内容の親和性の高さからか数回に渡って取り上げられた注目のソフトとなっている((キャラバン公式ソフト第2弾の『スターソルジャー』もよく取り上げられ、最終回の題材も第3弾の『ヘクター'87』だった。))。 --同作は実機で不可能な創作技の数々でも有名だが、本作は「マジッカを全てケラにして残機を稼ぐ」というFC版の実際のテクニックを描き、複数ケラで稼いだ残機を使った死に戻りと組み合わせて「ジムダ・ステギの8万点ボーナスを連続で出す」という方法を紹介したが、それに加えて「ジムダには''一点だけ装甲の薄い箇所があり、そこを撃てば一撃で破壊可能''」な「''ジムダ秘孔撃ち''」という創作技が登場した。 ---そしてその回のラストは「クレオパトラのそばにある暗黒空間にフォースビームを打ち込むと''黄金のピラミッド''が現れて同時にクレオパトラの目が光り、それによって伸びたピラミッドの影の先を撃つと''999万点ボーナス''を獲得する」という「''暗黒地帯の黄金''」が飛び出すトンデモ展開となっていた。 --この漫画の内容は今でこそ架空の創作技だと知れ渡っているが当時は無邪気に信じていたキッズが多い。 ---ファミコン名人の毛利名人が本作の販促イベントで全国を回りながら各地でデモプレイを行った際、当初はプレイ後は割れんばかりの拍手が起こっていたのだが、「ファミコンロッキー」の前述の回が載ったコロコロコミック発売後のデモでは拍手がまばらになり、その理由は「''999万点ボーナスがなかった''」「''漫画の主人公の秘技((1秒間に50連打という到底不可能な技。))が見られなかった''」などだったという。当の毛利名人も心の中ではツッコミを入れつつも子供の夢を壊さないように、「何時間も掛けないと出てこない」「自分はまだ修行中だから」と弁明せざるを得なかったという。 ---ただし、ウソ技を描いたのは編集部の意向であり、作者自身は後ろめたく思いながら描いていたらしい。実際、連載後期には露骨なウソ技は減っていった。 --ちなみにこの漫画もクレオパトラをゴーデスと間違えていたケースであり、上述のシーンのクレオパトラも作中ではゴーデスと呼ばれていた。 -2011年のアニメ「Rio RainbowGate!」に本作をプレイするシーンが存在。 --同作には『[[ソロモンの鍵]]』『[[ボンジャック]]』等の旧テクモ作品をモチーフにしたキャラクターも登場している。 -
*スターフォース 【すたーふぉーす】 |ジャンル|シューティング|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000283.jpg,height=200)| |対応機種|アーケード&br()ファミリーコンピュータ|~| |発売・開発元|【AC】テーカン&br()【FC】ハドソン|~| |稼動開始日|1984年9月|~| |発売日【FC】|1985年6月25日|~| |プレイ人数|1人(2人交互プレイ可)|~| |配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2009年3月26日/500Wiiポイント&br()アーケードアーカイブス&br()【PS4】2015年9月4日/762円&br()【Switch】2018年3月1日/762円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[キャラバンシューティングシリーズ]]''| |>|>|CENTER:&color(black){スターフォースシリーズ}&br()''&color(black){スターフォース}''/[[スーパースターフォース>スーパースターフォース 時空暦の秘密]]/[[ファイナルスターフォース]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 テーカン(後のテクモ。現・コーエーテクモゲームス)発売の縦スクロールシューティング。~ 自機となるファイナルスターを操作し、次々あらわれる敵を倒していく単純明快で爽快なゲームである。~ FC版は当時ハドソンが開催していたゲーム大会「ハドソン全国キャラバン」の公式ソフト第1弾であり、~ 後のキャラバンSTGの祖として様々な影響を残したタイトルでもある。 ---- **あらすじ 時空暦2010年、暗黒の宇宙を殺戮と掠奪を繰り返しながら進む浮遊大陸があった。その名は「暗黒星ゴーデス」。~ 誰もがその圧倒的な力に希望を失いかけた時、一人の勇敢な戦士がスペース・パトローラーへと乗り込み、闘いに挑んだ。~ 人はそれを「ファイナルスター」と呼び、最後の望みをかけるのだった。~ 今こそ2000年の永きにわたる戦いに終止符を打ち、ゴーデスの正体をつきとめろ!~ ---- **システム -1レバー+1ボタン操作。空中物と地上物があるが、どちらもショットだけで破壊できる非常にシンプルなスタイルとなっている。 -特定のタイミングで出現する「カルデロン」という敵を倒すと友軍機「パーサー」が出現。パーサーと合体すると自機がパワーアップし「ショットの弾速や移動速度が上がる」「ある程度オートで連射できる」といった恩恵を受けられる。 --合体したパーサーの分だけ自機がやや大型化したように見えるが、当たり判定は変化しない。ただし、バリアなども無いのでパワーアップ中でも一撃死となりパーサーも失う。 --やられた場合、一定地点戻されての再スタートとなる。ただし後述の100万点ボーナスの地点でやられると強制的に次の地点に飛ばされ、以後ループして同じ地点に来ても100万点ボーナスの地点のみ飛ばされてしまう。 -敵を一定数倒すとボスとなるエリアターゲットが出現。撃破するとエリアクリアとなるが、撃破し損ねると再び一定数ザコ処理をしなければならなくなる。 -ループゲームで、ALPHA(Α)からOMEGA(Ω)までのギリシャ文字で示された24エリアをクリアするとINFINITY(∞)-AREAとなり以降は数字だけが増えていく。 ---- **評価点 ''シンプルなゲーム性'' -『[[ゼビウス]]』登場の翌年に登場し多数の要素をフィーチャーしているが、地上物を狙い撃つ要素を廃し、単純に撃ち続けるシンプルさと後述の多彩な敵の複合により爽快感満点なゲームに仕上がっている。 --ただし本作の地上物は一切攻撃をしてこないので、「弾が地上物に阻まれて空中物を攻撃できない」と言う妨害要素がメインである。 --連射を考慮して敵が明確に耐久力をもった最初のシューティングゲームでもある((古くは『ギャラガ』にも耐久力2の敵がいたが。一方ゼビウスはボス(アンドアジェネシス)を含む全ての敵が耐久力1である。))。 -隠しボーナス取得などで''「連射」''が重要になってくるのも特徴。後のキャラバンSTGほどではないが、大量に現れる敵を連射して倒していくだけでも爽快感を得られるため手軽に楽しめるタイトルでもある。なお、ゼビウスは一画面に4発が限界である。 -曲数自体は少ないものの、BGMもなかなか良い曲が揃っている。パワーアップ時の軽快なBGMも爽快感を出すのに一役買っている。 --スタート時の「テッテテッテテッテテッテ、テレレレンテレン、テレレレンテレン、テッテテッテテッテテッテテーン♪」というBGMが耳に残っているプレイヤーも多いのではないだろうか。BGMを手掛けているのは当時テーカンに所属していた増子司(現:増子津可燦)氏((後にNMK→ウェストンと渡り歩いた坂本慎一氏も効果音やサウンドドライバ制作として参加している)) -舞台は宇宙であるが浮遊大陸や要塞が頻繁に登場するため、単調さを感じ難い。地上物も様々なデザインが用意されている。 ''多彩な敵アルゴリズム'' -本作は多種多様な敵が登場し、その全てに独特のアルゴリズムが用意されているのが特徴。 --ある程度下まで来ると突如斜め上に飛んでいくもの、自機とY軸が合うと突っ込んでくるもの、破壊すると撃ち返しが発生するもの、攻撃すると分裂するもの…と、その動きは当時のSTGの中では独特なものが多い。 --エリアターゲットにしてもスコアの100の位に応じて最初に左右どちらへ動くかが決まる((100の位が奇数なら左、偶数なら右へ動く))など、ある程度アドリブも必要だが意外とパターン性が強い。 --これらの動きを覚えることが本作上達への道であり、後述の隠しボーナスを加えハイスコアを狙う重要なテクニックとなる。 -敵の動きに慣れれば先に進みやすくなるものの、油断すれば簡単に被弾するゲームバランスも絶妙。後述のエクステンドボーナスが出やすいこともあり、ギリギリの場面から挽回できる事も多い。STGらしい緊張感と快感をしっかり味わえるゲームである。 --前述の通り一定数の敵を倒せばボス戦となる事もあり、それを利用したテクニックも多い。ラリオス誘導などが有名だろう。 -さらに1000万点に近づくと敵のアルゴリズムが劇的に変化、目に見えてプレイヤーを殺しにかかってくる。スコア自体は1000万点を超えてもカウントされるが1億点達成は非常に困難を極めるだろう。 ''多様な隠しボーナス'' -『ゼビウス』で注目された隠しボーナスの要素は本作にも取り入れられているが、その種類も多種多様になっている。 -有名なものでは、空中で合体する敵「ラリオス」。コアが光ってから合体するまでの間に8発撃ちこんで破壊することで5万点のボーナスが入る。 --ただし光る前に攻撃すると逆に耐久力が増えるほか、連射速度が足りないと合体パーツに押しつぶされてしまう。 -矢印の描かれた地上物「ジムダ」が二列で縦に長く並んだ「ジムダ・ステギ」。一列を16個連続で破壊すると8万点ボーナス。なお耐久力があるため二列破壊は不可能。 -ソルを意識したと思われる隠しキャラ「ヒドン」。特定の場所に数発撃ちこむと出現し、破壊すると2000点ボーナス。 --ただし出現時は無敵なうえ弾がすり抜けない(ヒドンの後ろの敵(空中物)を攻撃できない)言う厄介さもある。 -地上物の「マジッカ」。「?」が書かれた地上物が横に8つ並んでおり、4発撃つと裏返すことが出来る。そのうち一つは笑顔の「ケラ」であり、ケラを出すことでエクステンド。要はゼビウスのスペシャルフラッグである。システム上スペシャルフラッグより楽。((なお、AC版は複数のケラを同時に出現させることはプログラム上不可能だが、FC版は「スコアの100の位で出現場所が決まっている」ことから、「100の位を変えながらマジッカを開けて行く事で複数のケラを狙って出す事が可能」という半ば裏技的なテクニックが存在する。)) -そして最大のボーナスとなるのが''100万点''を獲得できる「クレオパトラ」である。他のボーナスと比べるとどれほど破格の点数かおわかりいただけるだろう。 --隠し場所に関してゲーム中にヒントがあり、当時のゲーム雑誌では「ゴーデス大陸の謎」として紹介された。このため、隠しキャラの名前を「ゴーデス」と間違われることが多い。 --出現のさせ方は「浮遊大陸に描かれたシーラカンスの視線の先を16発撃つ」である。さらに16発撃ち込んで破壊することでボーナスが得られる。達成すると専用の音楽と共に「FORTUNE BONUS +1000000」の文字が表示される。 ---ちなみにこのボーナスで入る得点はエクステンドとは別計算となっているため、取得してもエクステンドはしない。 ---- **問題点 -連射ゲーのため、プレイするうちに腕が疲れやすい。本作(のファミコン版)のヒットにより連射装置が登場したとも言える((本作以前で連射装置がほしくなるゲームとなると『ハイパーオリンピック』シリーズだが、さすがにこれに連射装置を使ったらゲームにならない。))。 -前述の100万点ボーナスだが、クレオパトラを名乗っているからかヒントがヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)で書かれているので、普通のプレイヤーにはまず解読不能。「連射していたら変な顔(クレオパトラ)が出た」と言う状態である。 --当時は使い切りカメラもなく、ましてやデジタルカメラやカメラ付き携帯電話など当然存在せず、画面撮影となると当時はまだ高価な部類に入っていたフィルム式カメラが必要だった。 --解読したところで直接の解答が載っているわけではなく、結局は雑誌やゲーム攻略同人誌に出し方が掲載されるまでは広く知れ渡ることはなかった。 --なお、ファミコン版では容量の関係上象形文字が収録されず、当のマップには「大雑把なボーナスの位置」が示されていた。 -残念ながら永久パターンが存在する。 --ある敵を用いるバグにより空中敵の出現を封じることができる。時間は非常にかかるがケラのみを延々と出し続けることにより残機を増やしまくることが可能となる。当然店に迷惑となるのでゲームセンターでは決して実行しないように。 ---また、上記の永久パターンとは別に自機を画面一番下まで移動させ、レバーを素早く上下に振っていると自機がどんどん画面下に埋もれていき、完全に埋もれ切ると一切の攻撃を受け付けなくなるバグも存在する。勿論これもゲームセンターでは御法度である。 ---- **総評 単純明快で多彩な敵の動きや豊富なボーナス要素がプレイヤーを楽しませてくれる名作STG。誰でも気軽にプレイでき、連射と知識が攻略、ひいてはハイスコアに結びつく優れたゲーム性が後に社会現象にまで発展していくこととなる。~ また、敵が空中物と地上物に分かれながらも、そのどちらも通常弾でなぎ倒せると言うシステムは後のシューティングゲームに踏襲され、そういう意味では打ち分け方式の『ゼビウス』より影響力は高いともいえる。~ 移植版や続編に知名度を奪われがちではあるものの、このAC版あればこそ存在したと考えれば感慨深いタイトルであろう。 ---- **移植 後年のアンソロジーへの収録は多いが、リアルタイムでの家庭用ハードへの移植はあまり多くはない。 -SC-3000/SG-1000版(1985年5月) --セガから発売。家庭用初移植である。単色スプライト、8ドット単位のガタガタスクロールなど見た目の劣化は激しいが、オリジナルの忠実な移植を目指しており、プレイ感覚は比較的近い。 -ファミリーコンピュータ版(1985年6月) --ハドソンから発売。第一回キャラバンの公式ソフトとなり、全国的なブームを巻き起こした。グラフィックはオリジナルよりは劣化しているものの、当時のファミコンの水準からすれば美麗であり、遊びやすい良移植となっていた。ただ、プレイ感覚はオリジナルとはかなり異なる。 --本作で確立された多様なボーナス要素は『[[スターソルジャー]]』以降、更なる発展を遂げることとなる。他にもパワーアップ時の軽快なBGMなども引き継がれている。 -MSX版(1985年12月) --ハドソンから発売。Beeカードというカード型のROM(PCエンジンのHuカードに近い規格)で発売された、ファミコン版のベタ移植である。ただ、MSXの仕様上(SG-1000とほぼ同一)グラフィックはファミコン版より大幅に劣化している。 -NES版(1987年6月) --テクモが自らNES(北米版ファミコン)に移植した。ROM容量の増加などにより、ファミコン版より大幅にオリジナルに近づけた移植となっている。 -X68000版 --製作は「げーむのるつぼ」。ディスプレイを縦にして遊ぶモードが付いている。 -Windows版 --メディアカイトから「SUPER1500シリーズ」の1作として発売。Windows95・98対応。 -PS4/Switch版(PS4:2015年9月/Switch:2018年3月) --ハムスターから『アーケードアーカイブス』シリーズとしてDL販売。オンラインランキングに対応しており、前述のFC版の全国キャラバンを意識した5分間のキャラバンモードがシリーズで初めて実装され、以後の同シリーズの定番モードとなっている。 ---- **続編 -本作の続編は3種類存在する。まず1つ目がテーカン改めテクモ製作の直接の続編となる『[[スーパースターフォース 時空暦の秘密]]』、次にハドソン製作の『スターソルジャー』、最後にテクモ製作のアーケード版『[[ファイナルスターフォース]]』である。 --詳しい経緯については『スーパー』の記事やWikipedia等を参照の事。 ---- **余談 -本ゲームは前年に発売した『SENJYO』のインカムが芳しくなくオペレーターから苦情が来たことから、同基板のROM交換用ゲームとして企画されたものである。その為「短期間で開発できて」「スカッと遊べるゲーム」ということで縦スクロールのシューティングゲームが選ばれた。 -ファミコンを題材とした漫画「ファミコンロッキー」でも本作は取り上げられているが、キャラバン公式ソフトという点や同漫画とゲーム内容の親和性の高さからか数回に渡って取り上げられた注目のソフトとなっている((キャラバン公式ソフト第2弾の『スターソルジャー』もよく取り上げられ、最終回の題材も第3弾の『ヘクター'87』だった。))。 --同作は実機で不可能な創作技の数々でも有名だが、本作は「マジッカを全てケラにして残機を稼ぐ」というFC版の実際のテクニックを描き、複数ケラで稼いだ残機を使った死に戻りと組み合わせて「ジムダ・ステギの8万点ボーナスを連続で出す」という方法を紹介したが、それに加えて「ジムダには''一点だけ装甲の薄い箇所があり、そこを撃てば一撃で破壊可能''」な「''ジムダ秘孔撃ち''」という創作技が登場した。 ---そしてその回のラストは「クレオパトラのそばにある暗黒空間にフォースビームを打ち込むと''黄金のピラミッド''が現れて同時にクレオパトラの目が光り、それによって伸びたピラミッドの影の先を撃つと''999万点ボーナス''を獲得する」という「''暗黒地帯の黄金''」が飛び出すトンデモ展開となっていた。 --この漫画の内容は今でこそ架空の創作技だと知れ渡っているが当時は無邪気に信じていたキッズが多い。 ---ファミコン名人の毛利名人が本作の販促イベントで全国を回りながら各地でデモプレイを行った際、当初はプレイ後は割れんばかりの拍手が起こっていたのだが、「ファミコンロッキー」の前述の回が載ったコロコロコミック発売後のデモでは拍手がまばらになり、その理由は「''999万点ボーナスがなかった''」「''漫画の主人公の秘技((1秒間に50連打という到底不可能な技。))が見られなかった''」などだったという。当の毛利名人も心の中ではツッコミを入れつつも子供の夢を壊さないように、「何時間も掛けないと出てこない」「自分はまだ修行中だから」と弁明せざるを得なかったという。 ---ただし、ウソ技を描いたのは編集部の意向であり、作者自身は後ろめたく思いながら描いていたらしい。実際、連載後期には露骨なウソ技は減っていった。 --ちなみにこの漫画もクレオパトラをゴーデスと間違えていたケースであり、上述のシーンのクレオパトラも作中ではゴーデスと呼ばれていた。 -2011年のアニメ「Rio RainbowGate!」に本作をプレイするシーンが存在。 --同作には『[[ソロモンの鍵]]』『[[ボンジャック]]』等の旧テクモ作品をモチーフにしたキャラクターも登場している。 -

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