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*電脳戦機バーチャロン 【でんのうせんきばーちゃろん】 |ジャンル|アクション|CENTER:&image(Virtual_on_A.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3254/1480/Virtual_on_A.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3254/1481/Virtual_on_B.jpg]]| |対応機種|アーケード(MODEL2B)|~| |販売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼働開始日|1996年1月|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[電脳戦機バーチャロンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スペースハリアー]]』や『[[アフターバーナー]]』で培った大型筐体のノウハウを活かして製作された3D対戦アクションゲーム。~ 「バーチャロイド(以下VR)」と呼ばれる巨大人型機動兵器を後方視点で操作し、敵が操るVRとフィールド上にて1対1で戦う。~ 制限時間内に相手のVRの耐久力を0にすれば勝利、逆に0にされると敗北となる。タイムオーバー時は判定に持ち込まれ残存耐久力が高い方が勝ちになるというシンプルなルールながら、独自デバイス「ツインスティック」による臨場感あふれるプレイ感覚と白熱したバトル展開で人気を博した。 ---- **特徴 ''ツインスティックによる独特の操作方法'' -コンパネ部分には「攻撃」用トリガーと「ダッシュ」のボタンが付いたフライトスティック或いはガングリップ状のスティック((形状やトリガー配置は同社のガンシューティングゲーム、『レールチェイス(2)』で用いられていたガンコントローラー代わりのアナログスティックに近い。))が2本あり、これを左右それぞれの手で持ってVRを操作する。 --ツインスティックの操作はナムコの[[『サイバースレッド』『サイバーコマンド』>UGSFシリーズ]]((ナムコはそれ以前にも『アサルト』を出しているが、こちらは見降ろし型の2Dゲームである。))をより洗練させたものとなっている。そして後々の「[[機動戦士ガンダム 戦場の絆]]」等にも繋がる操作方法の基礎となっていく(『[[ゾイドインフィニティ]]』はツインスティックではあるが特殊な操作系。詳しくは該当項目で)。 //---もっともツインスティック操作自体は(ダッシュ等の特殊操作を除き)普通に工事車両(キャタピラ車両)で使われていたものである。 //本物の戦車はどうなんだろ? //実際の重機で使われていたものだから、それでなんなん? 言いたいことの趣旨がよくわからないよ。 -移動・索敵方法 --移動したい方向へスティックを倒すことでVRは8方向に移動する。スティックを片側だけ倒した時と両方倒した時とで移動速度が変わる(両方倒した方が早い)。 ---さらに、移動したい方向にスティックを倒しつつダッシュボタンを押すとダッシュによる高速移動が可能。ダッシュ中に逆の操作(移動方向と逆にスティックを倒しつつダッシュボタンを押す)ことで急停止できる。 --両スティックを前後に互い違いに入れるとその場で旋回する。この時ターボボタンを押すと旋回速度が速くなる。敵を見失いやすい本作において貴重な索敵手段となる。 --両スティックを外側に開くように入力するとVRはジャンプする。ジャンプ後はスティック入力による8方向移動と及びジャンプ頂点付近での射撃攻撃が可能。 ---下降中に左右のスティックを内側に倒すと下降速度が速くなる。これにより着地のタイミングをずらし、隙を狙われにくくすることができる。 ---また、ジャンプ直後に左右のスティックを内側に倒すことで「ジャンプキャンセル」となり、素早く着地することができる。 ---なお、ジャンプ直後は瞬間的に相手がいる方向へ振り向くので、ジャンプキャンセルは索敵手段としても使える。ただし着地に若干の硬直があるので、旋回との使い分けが重要となる。 ///レバー入力なしでダッシュボタンではなかったか ///↑それはOTから -攻撃方法 --攻撃は「右トリガーによる『ライトウェポン(RW』)」「左トリガーによる『レフトウェポン(LW)』」「左右両方のトリガーを同時押しする『センターウェポン(CW』)」の3種類の操作によりそれぞれ別の武器を使う。さらに、敵機が遠距離に居る場合は射撃による攻撃を、敵機をダブルロックオンした状態では殴りつけたりビームソードで斬りつけたりする「近接攻撃」を行うようになっている。 --射撃攻撃編 ---敵機を画面中央のサイトに捉えると「ロックオン」状態となり、射撃攻撃が相手に対しホーミングするようになる。ただし、敵機を画面街に逃してしまうとロックオン状態は解除される。そこで、射撃戦では「いかに素早く敵機を捉え、また敵機のロックオンを外すか」が重要となる。 ---さらに同じ武器でもVRの状態(立ち、しゃがみ、ダッシュ中、ジャンプ中など)によって攻撃が変化する。例えばテムジンのビームライフルは前ダッシュ中に使うことで強力な「スパイラルショット」に変化する。 --射撃攻撃は使用するとウェポンゲージを消費する。ウェポンゲージは一定時間経過で回復するが、各武器・攻撃にゲージ消費量と回復量が細かく設定されているので、使い処をきっちり理解する必要がある。 --近接攻撃編 --ロックオン状態で敵機に近づくと「ダブルロックオン」状態となる。この状態では距離に応じて各武器種のウェポンゲージが黄色く変化。 色が変わった武器のトリガーを押すことで射撃攻撃ではなく近接攻撃を繰り出す。 ---近接攻撃は高威力かつウェポンゲージを消費せず出し放題なのでぜひ狙いたいが、逆に相手のそれを食らう恐れもあるため近接戦闘はハイリスク・ハイリターン。 ---なお、近接戦闘はダブルロックオン時にレバーを内側に入れることでガードが可能、被ダメージをほぼ無くすことができる。 ''個性豊かなバーチャロイド群'' -VRのデザインはガンダムなどのメカデザインにも関わった有名デザイナー、カトキハジメを採用。ロボットアニメのお約束をちりばめつつも独自性を持たせたデザインにより、多くのロボットアニメファンを呼び込むことに成功。プラモデル化されるなど人気を博し、ホビージャパンなどの模型誌でも度々特集が組まれたほどであった。 -操作できる機体は8機。一つ一つの長短がはっきりしている。 #region(Select your machine.) -&bold(){MBV-04-G テムジン} --パッケージアートでもセンターに描かれた、バーチャロンの看板機体。全てにおいて標準~水準以上の性能を有しており、非常に扱いやすい為初心者はこの機体から入るとよい。機体選択の初期カーソルがテムジンであるのもそのためであると思われる。 ---ライトウェポン(右武器、以降RW):「ビームライフル」…威力、誘導性、リロードとも優れたバランスを誇る主力装備。前ダッシュ中のビームライフルは強力になり、これをいかに相手に叩き込むかが勝負となるほか、屈み射撃は高弾速と高誘導を誇る。 ---センターウェポン(同時押し武器、以降CW):「ソードウェーブ」…威力は雀の涙だが、相殺性能に優れたビームカッターを射出。近接戦闘時にはビームライフルの銃身に長大なビームサーベルを形成して相手を切りつける攻撃になる。 ---レフトウェポン(左武器、以降LW):「ボム」…ドーム状の爆風を形成する擲弾。威力は低めだが、相手の射撃を一方的に掻き消す事が多く持続時間も長い攻防一体の武装。低いと言ってもシリーズの中ではダメージソースとして重要で、対戦のレベルが上がってくるといかにしてこの攻撃を生かすかが重要になってくる。屈み投擲では近接信管の様な起爆形態となり、近接戦闘で攻防一体の活躍をする。 -&bold(){HBV-10-B ドルカス} --左手に鉄球ハンマー、右手に万力((もっともRW格闘は突きなので万力の意味は無いが。))を備えた重量機体。その両腕から格闘機っぽく見えるが、格闘の出が凄まじく遅いため実際は苦手((特殊入力の格闘攻撃を持つ数少ない機体ではある。ただし特殊格闘は性能は悪くないものの全武器ゲージが満タンでないと出せないので、やはり格闘が得意とは言い難い。))。移動性能は低めだが、装甲は厚めで安定性も高いためダウンしにくい(ただしダウンしないせいで攻撃をフルヒット喰らう事も多く、一長一短である)。空を飛ぶ相手には滅法強い。 ---RW:「ファイアーボール」…万力の中央にある銃口から火球を射出して攻撃。見た目に反してオーソドックスな性能。高めのゲージ回復力に比して連射が遅めで弾切れを起こしにくい。火球自体がそれなりに大きいため意外に当たる。 ---CW:「ファランクス」…ナパームを散布し多数の火柱を上げる。フォーメーションは射撃体勢により多彩。敵弾を掻き消す性能が高い上に障害物の影響を受けず威力も大きいが、直撃を狙うよりも相手を火柱で包囲し、他の武装を当てるように狙うのが基本戦術。屈み射撃では上空に向かってばら撒き、空中で小型の爆発を複数起こす(射程は短い)。 ---LW:「ハンマー」…多面体からビーム棘を形成する打撃武装。弾速は遅めだが誘導性に優れ、戻ってくる時にも攻撃判定はあるので避けたと油断すると背中から殴られる事も。ファランクスで追い込みこれで爆炎越しに仕留めるのが黄金パターンである。代償としてハンマーが切り離されている間はLW格闘を行えないし、当然単発攻撃。テムジンのボムに跳ね返される様(後述)はなんとも間抜け。また山なりに射出するため障害物の裏に隠れた敵も攻撃できるが、敵が半端に近いと頭上を跳び越えてしまう。 -&bold(){SRV-14-A フェイ-イェン} --ミニスカを着用したツインテールの少女を模した女性型の軽量級VR。火力は低いが地上での機動性に優れている。また、耐久力が半分を切ると「ハイパー化」してカラーリングが一部金色に変化し、攻撃力と機動性が向上する。 --兵器らしからぬデザインだが、「自我と人格を持つオリジナルバーチャロイド・ファイユーブの不完全なレプリカ」という設定になっている。 --女性型のイメージに反してVRの中では高身長だが、そのせいで一部の相手のしゃがみ射撃を喰らいやすく(具体的にはテムジン、ライデン、アファームドのRT)、ノックバックし易い軽量機ということもあり対策テクニックを身につけないと分が悪い。しゃがみ射撃やダッシュ中は当たり判定が低くなるので、地上ではなるべくダッシュ状態を維持したい。 ---RW:「ハンドビーム」…低威力だが多くの弾を連射できる小型ビーム。ダウンは取りにくい。屈みで山なりに撃つこともできるが、ダメージソースというよりは牽制用。 ---CW:「ハートビーム」…胸から誘導性に優れるハート型ビームを発射する。射出時に大きなモーションを取るため隙が大きいものの、ハイパー化すると射出前(一回転する間)にバリアが形成され、一部の攻撃を無効化しつつ攻撃に移れる。 ---LW:「ビームボウガン」…左手に持ったビームボウガンを展開し、相殺性能が高めで、威力、弾速とも高バランスなワイドビームを発射する。細かい隙に刺すなどの即応性に優れた武装に乏しいため戦術的な依存度が高い。ハイパー化すると弾速がかなり速くなる。 --ちなみにこの機体はカトキ氏側がスタッフに提案したもの。 ---氏は『[[機動武闘伝Gガンダム]]』に登場した女性型機体である[[セーラーガンダム>美少女戦士セーラームーンシリーズ]](もしくはセーラーガンダムーン)ことノーベルガンダムのデザイナーである。本機も明確にセーラームーンのパロディとなっており、セーラーヴィーナスに近いデザインだったノーベルと違いより元ネタに近くなっている((登場ステージの没BGMもそちらの主題歌に激似だったりする))。 -&bold(){SAV-07-D ベルグドル} --ナパーム弾やグレネードを実装する火力支援型VR。後述のライデンの反省から、とにかく安価で量産できることをコンセプトに開発された。火力の高さの割に移動速度は速めだが(特に左右移動)、機動特性が少々歪で前進後退は遅い。「肩のミサイルポッドと頭に埋め込んだミサイル誘導装置が重く極めてトップヘビー」と言う設定上、非常に転倒しやすいという欠点も(もっとも転倒しやすい事が利点な場合もあるが(ドルカス参照))。装甲も下から数えた方が早い。 --近接攻撃がライデンと全く同じモーションなのは、ライデンの低コスト版として開発されたと設定されているため。 ---RW:「グレネード」…速射性はとても高いが威力はどちらかと言えば低く、なにより誘導性能が全くないため銃口補正のみで当てなくてはならない。これは安価で作動信頼性は高いがそれ以外に見るところは何も無いという、世界観中で時代遅れな既製品を採用した設定のため。ゲーム的には屈み撃ちが弾速に優れ、牽制と狙撃に使える。 ---CW:「ホーミングミサイル」…そこそこ高い威力と誘導性を併せ持つミサイルを2発x2セット射出する、当機の主力兵器。2セット目の方が威力と誘導性に優れるが、1セット目でダウンすると2セット目が当たらないなど、現用兵器に近く地味な見た目の割に癖のある性能。屈み撃ちでは大きく打ち上げ、障害物越しに上空から攻撃できる。 ---LW:「ナパーム」…着弾すると直線状に火柱を連続して上げる焼夷擲弾。ベルグドルの武装の中では相殺性能が高く火力にも優れ即応性も比較的高いと優秀な装備。2連続までの投擲も可能だが、ゲージ回復が残ゲージ量に比例する都合、それをやると後で長時間使えなくなると補給面で癖を抱える。火柱で直線状に敵弾を相殺する進路を確保し、火柱に重なりつつ前ダッシュミサイルを狙うといった使い方もできる。 -&bold(){TRV-06K-H バイパーII} --極めて高い滞空能力、機動力を持っている軽量級VR。ただしその代償に装甲は「紙」と称されるほど薄く、ライデンのレーザーを喰らおうものなら9割、アファームドのトンファーに至っては耐久力ゲージが残り1ドットの瀬戸際まで持っていかれる。 ---RW:「ビームバルカン」…低速、低威力で誘導性も低いが、連射の利くビームバルカン。牽制用に使えるが、射撃後にコッキング動作が入ってしまう。この攻撃単体では弱いが、「相手を動かす」には欠かせない。 ---CW:「ホーミングビーム」…高威力かつ誘導性に優れるビーム弾を射出。ただし、斜め上に向けて撃つため近くの敵には当たらない。 ---LW:「7wayミサイル」…前方扇状に7発のミサイルを連続的に射出する。誘導性もそこそこあり、地上では相手を動かす為に使える。空中ではまとめてショットガン状に発射し、ダメージソースとなる。 -&bold(){XBV-13-t11 バル・バス・バウ} --脚部のない下半身や手のない腕部など、外観、武装ともに非常にトリッキーな玄人向けの機体。地上での機動性は低いが空中では機動性が高い、装甲も基本薄いが本来高威力な特定の攻撃には妙に耐えるなど全体的に癖が強い。いかに相手から逃げ回りつつ自分のペースを維持するかが重要になる。 ---RW:「リングレーザー」…威力は低めだが、相殺性能が非常に高く前方投影面積も大きいリングレーザーを射出。ボム系とは違う方向で攻防一体の武装。 ---CW:「ハンドビット」…両腕をひじから切り離して飛ばす遠隔攻撃端末。相手の頭上からバルカン砲を浴びせたり、ジャンプ中ではレーザーをもう片方の腕に反射させて相手を狙うなど本機の見せ場でもある。敵機の捕捉性能は最高な一方で、漫然と出しても攻撃自体は当たらない。更に両腕を切り離しているので戻ってくるまでは本体は丸腰である。 ---LW:「フローティング・マイン」…浮遊機雷を射出する。低速、低威力、相殺されやすいと問題も多いが弾寿命が長く誘導性もそこそこあり、「フィールドに長時間滞在し追尾し続ける」という性質で相手にプレッシャーを与え、多角的な攻撃を可能にする特徴的な装備。 -&bold(){MBV-09-C アファームド} --接近戦重視の中量VR。CWの一撃は多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた。装甲も厚めで機動性も前進偏重で歪だが高い部類。特に前ダッシュは猛烈な速度を出せる。ただし射撃戦能力に劣るため、いかに近接戦闘に持ち込みトンファーを叩き込むかが勝利の鍵となる。 ---RW:「ビームショットガン」…ショットガンとあるが散弾ではなく、ある程度進むと小型の爆発を起こすビーム弾を射出する。テムジンのビームライフルに比べ様々な面で全体的に劣り、主力で戦うには厳しい。屈みで撃つとテムジンのそれに近い攻撃となりそこそこ活躍する。ちなみに弾そのものよりも、弾が消えたときに出る爆風の方が威力が高い。 ---CW:「ビームトンファー」…遠距離時は相殺能力の高いソニックリングを射出する。ただし、本領を発揮するのは近接攻撃で、ダブルロックオン距離が非常に長い上、高速高威力で出始めの数フレームは無敵というハイスペックを誇る。ただしトンファーであるため、振り回す武器そのものはリーチが短い。良くも悪くも本機の主軸となり、最も警戒される装備。 ---LW:「ボム」…テムジンのそれと似たボムを射出するが全体的に性能が落ちている。横ダッシュで出したときに不発弾になるのは手の動きを最適化出来なかったためで、モーションをよく見ると確かに「投げる」というよりはポロッと「落としている」ように見える。 -&bold(){HBV-05-C ライデン} --高火力重装甲低機動の重量VR。CWのレーザーは一撃で甚大なダメージを与える。だが漫然と撃ってもまず当たらないため、如何に当てるかが重要になる。 --設定上では「製造コストがとてつもなく高かった(テムジンの20倍)のと、CWのレーザー発振機を作っているメーカーが潰れて、26機分しか作れなかった」ために専用の部隊に26機すべてが配備されたエリート専用の機体である((そして小説では「全機が損耗する」という激戦まで語られる。))。肩の艦載用対艦レーザーの所為でベルグドルに準じてトップヘビーではあり、骨格構造も共通なものの、材料から部品までそれに耐えうる高品質なものを用いているため安定性にも問題はない。 ---RW:「バズーカ」…初速の遅さから即応性にやや欠けるものの、それ以外は平均以上の性能を持つ実弾兵器。しゃがみで撃った時は凄まじい弾速と誘導性能を持ち、距離275の射程限界はあるが対空戦の要になる。一方左右にダッシュしながら撃つとマシンガンの如く弾を連射するが威力はかなり落ちる。 ---CW:「レーザー」…両肩部のユニットから太いレーザーを照射。元が対艦レーザーなため全高14m程度のVRに与える打撃はまさしく「一撃必殺」。相殺能力も申し分なく、文字通り前方を「焼き払う」。威力に比してゲージ回復力も高いものの、レーザー光線なので誘導性や左右の銃口補正は無い。キャンセルも不可で大きな隙が生じる。相手の隙次第で狙撃に使えない訳ではないが、基本は他の武装で相手を動かし移動先に置いておいて突っ込ませる「置き」武装である。屈みでは並列2連照射→並列4連短射となり威力が更に向上するが置きも難しくなる。ダッシュ攻撃では隙が減るが攻撃力も大きく低下する。 ---LW:「グランドボム」…地面を這うように進み、敵機や壁に接触すると爆発を起こす円盤型ボム。相殺性能も一応あるが爆風に高さが無いため信頼性に欠け、牽制用としての趣が強い。 #endregion ---- **評価点 //文章量が少ないので大見出しを通常太文字に変更。 ''臨場感''~ -以前にもロボットを操るゲームは多数存在していたが、それらのゲームとは一線を画していた部分、それが「臨場感」である。 --コクピットを模したデザインの専用筐体と、2本のスティックレバーを使用した操作により、さながら自らがVRのパイロットになったかのような気分が味わえる。 ---ただしロボ物に拘らなければナムコの「サイバースレッド」「サイバーコマンド」が既に存在していた。未来戦車物なのでジャンプは存在しないが格闘攻撃に関してはサイバーコマンドの方に一機種だけ可能な機体が存在している((前方にレーザーソードを伸ばすだけだが(しかもメインの用途はミサイルの切り払い)。))。 ''ゲームデザイン、ゲームバランス'' -2本のスティックを操作デバイスに採用したことで直感的に立体的な移動を行うことが可能となり、ステージの形状を利用した戦術、所持している武装の選択など、プレイヤーが採れる選択肢の幅は大きく広がった。 --例えば目の前に飛んできた敵弾に対処するという行動一つ取っても、「歩くまたはダッシュで避ける」「ジャンプで避ける」「手持ちの武装で相殺する」「地形の影に隠れてやりすごす」と多彩。 ---ナムコ「アサルト」の操作系の延長発展型だが、「ツインスティックコントローラー」タイプのインターフェイスの基礎が出来上がった。後々の「ガンダム戦場の絆」「ゾイドインフィニティ」等様々な違いはあれど概ねバーチャロンをベースに発展させている。 -ゲームスピードは比較的速めで、ダッシュとジャンプを駆使した高速戦闘は今までの3Dアクションシューティングには無かったものであった。 -機体間の相性による有利不利はあるものの、プレイヤーの技術介入度が非常に高いため、いわゆる「詰んでいる組合せ」「ハメ行為」と呼ばれるものは存在しない。 --大ダメージを受けたり、武装に設定されたダウン値が蓄積すると自機はダウンする。ただし起き上がり時に非常に長い無敵時間が発生するため一旦仕切り直しとなる。相手も起き上がりの行動を読んで起き攻めを仕掛けてくるのだが、そこは読みあい勝負。 --「複数の武装を組み合わせた回避困難な連携」というものは確かにチャロンにも存在するが、それは立ち回りをミスしたためその状況に持ち込まれてしまった自身に非がある。 ---しかし、上級者同士の対戦になってくると…後述。 ''BGM'' -爽やかかつ燃える曲が多く、高速戦闘を展開する本作の雰囲気にマッチしている。BGMのファンも非常に多く、後に当シリーズの代表曲となるSTAGE1のBGM「in The Blue Sky」聴きたさにこのゲームに興じるプレイヤーも少なからず存在した。 -効果音も演出として効果的に配されている。特にダッシュ時の「キーーン」という軽快な効果音は特徴的で、低HP時の警告音なども併せ「このゲーセンにはチャロンがある」という印にもなっていた。 ''ストーリー面'' -VR開発の経緯や、本作で展開されている戦役「オペレーション・ムーンゲート」、(プレイヤー以外の)傭兵部隊の存在など設定面が非常に作りこまれており、ある種の「架空戦記」モノとしての趣もある。 --それらはゲーム内で具体的に描写されることはなく、チャロン世界の設定を読み解くための設定資料集や、外伝小説など積極的なメディアミックス展開によって補完され、ゲーム内外において、ゲーム性、世界観やストーリーの両面でプレイヤーの多くを惹きつけた。 //-本作においては前半はゲームのふりをした選考試験、後半は月での実戦とされている。なお遠隔操作なので後半でもプレイヤーはゲーセンに居るままの設定である((後のシリーズでは直接乗り込んでいるらしい描写になっている。))。 ''筐体周り'' -本作は「体感ゲーム」((主にガンシューティング、レースゲーム、フライトシューティングなどの特殊操作デバイスを使って遊ぶ専用筐体系が該当。))の一種に属するゲームでもあるが、当時の大型専用筐体を用いていた同種のゲームとは異なり、本作は椅子付きでツイン(2台)方式の専用筐体に加えて、所謂「汎用筐体」((主にレバーとボタンを搭載したコンパネが取り付けられている、基板を中に収納・接続して動作させる筐体を示す。))でも稼働可能で、これは専用のコンパネとツインスティックデバイスを汎用筐体に接続して組み込む方式にも対応している為である。事実、基板と専用デバイスとコンパネのみでの販売もされた。 --この為、当時の場所を取る大型専用筐体よりも設置と稼働のハードルが遥かに低く、結果的に広く普及を促した。 --一方でツインスティックという専用デバイスは本作において酷使するゲーム性という事情があったこともあり、修繕やメンテナンスが大変という問題点もあった。詳しくは「問題点」の項目にて。 ---- **賛否両論点 -''「削り合い」の戦闘'' --盛んにテクニックや裏技が研究された結果、知識のあるプレイヤーと素人との腕前の差が顕著に。 --ゲーム自体の高速性と被弾を抑えるテクニックが研究された結果、上位プレイヤーの戦いは回避と牽制、ステージの障害を利用した「削り合い」になっていった。 --タイムオーバー時の体力で判定のなされるバーチャロンにおいて、相手を倒すことを目的とせずリードを奪ったら逃げに徹するプレイスタイルの誕生は必然とも言えるが((具体例は「空中機動力の高いバイパーIIがバルカンを数発だけ当ててリードを取った後は逃げに徹する」など。対空が強いと前述したドルカスも遠くで逃げに徹するバイパーII相手はかなり厳しい。))、これには賛否両論ある。「これこそバーチャロン」と受け入れる人々がいる一方で、「爽快感を欠く」と言うプレイヤーも多かった。 ---結局このゲーム性は後の作品にも受け継がれていき、3作目の『フォース』で頂点に達することになる。 ---- **問題点 -''操作系'' --4ボタンとスティックを駆使した多数の動作はいきなりでは覚えづらく、珍しい操作系がハードルとなって投げ出すプレイヤーも多かった。この欠点は仕方ないとも言えるが、この動作の複雑化は次回作の『オラトリオ・タングラム』でさらに顕著となった。 --しかも基本操作でさえ隠し操作扱いになっている。それこそガードの仕方さえ教えてくれない。 ---また一部の機体には文字通りの特殊動作((テムジン及びバイパーIIの空中からの突撃攻撃『グライディング・ラム』『S.L.C.ダイブ』や、ドルカスの『メガスピンハンマー』が有名。))が存在し、それを知る知らない、使える使えないでは対戦時に大きく影響を及ぼす事も一時問題となった。 -''機体バランス'' --ちょっと使っただけでわかる強機体や1セット取っただけで拍手喝采の組み合わせがあるわけではないが、機体とステージと戦術の組み合わせでどうにでも転ぶほどでもないのが今作のバランス。 --具体的に表すなら「1強1弱1バグ」。 -まずは「1強」のテムジン。 --クセのない操作性、レンジを選ばずゲージが切れないRW((一応4連スパイラルと最速のマシンガンを行った場合のみ切れるが、両方とも半バグ技なので、意図して出さなければ確実に切れない。))、威力と範囲が優秀で自分から攻められる性能のCW近接と、もともとの性能から隙が少なく優秀であるが、それをより確実なものにするのがLWのボム。 ---とにかく便利な性能で、適当に投げているだけでもかなり強い。範囲がそれなりに広く相手の大多数の射撃を一方的に掻き消す((掻き消されないのはCWを除けば同じボムかベルグドルのLWぐらい(ただしベルグドルはCWがボムに対し無力である)。しかも掻き消されないと言うだけなのでボムの方も健在のままである。))、当然の如くテムジン側は爆風を無視して攻撃でき((勿論テムジン同士の対戦では相手のボムによる被ダメージは無視できない。))、爆風の影から攻撃されると避けるぐらいしかやれることがない場合がとても多い。武器ゲージ回復速度も遅くはなく、''1セットの3割ほどの時間は無敵''と言われるほど。 ---更にしゃがみや前ダッシュで投げると威力もかなり高くなり、装甲の薄いバイパーIIなら3発でスクラップに出来る。 ---格闘攻撃でダメージ勝ちを狙うにも、しゃがみで投げれば''相手が弾体の一定範囲内にいれば爆発する''という性能上、トリガーを引いた瞬間に爆発する極悪性能に。爆風に触れた時点で怯んで中断することが多くまず無理。 ---その高性能さから、何も考えずにゲージが溜まりさえすればボムを投げる戦法が横行した。これがかの有名な「ボムジン」である。 ---ただしバイパーIIとフェイ・イェンならボムとボムの合間に1発だけ当てて逃げ回ると言う戦法で勝利できなくも無い。楽しいかは別だが。 --またテムジンに関するテクニックや裏技が他のキャラに比べ多いのも、強さを後押ししているといえるだろう。 -次に「1弱」のライデン。 --テムジンとは逆にクセが強い操作性に加え、武装もどこかしらの点が劣っているためCPU戦でも安定して勝つまで時間がかかる。 ---バズーカは初速と威力、グランドボムは相殺性能と威力が弱いと言われている。 ---そして代名詞であるレーザーは隙がとてつもなく大きいことに加えて、実は2本のレーザーの間に死角があり、細身の機体はライデンの真正面で直立するだけで当たらない。 --それでも稼働初期は分かっていても踏む置きレーザーによる必殺性、そしてうかつにジャンプしよう物なら見てからしゃがみバズーカで叩き落とされるという対空性のおかげで1弱ではなかった((漕ぎが発見される前のベルクドルよりは上という意見が多かった。))。~ が、CWC(センターウェポンキャンセル)((ダッシュ攻撃はトリガーを引いた瞬間から機体が停止して直立状態の硬直が終わるまで完全に操作不可能なのだが、機体が停止した瞬間にCWを撃つことにより硬直部分はキャンセルが可能だった。そしてCWは出してから一定時間レバーがニュートラルの状態から出したダッシュでキャンセルできる。故にダッシュ攻撃後の硬直はCWキャンセルダッシュで誤魔化せるということである。))が浸透した瞬間に、ライデンのみCWC不可という「1弱」となる最大の原因が露呈し、坂道を転がるがごとくランクを落としていった。~ 本来とても重要な攻撃であるダッシュ攻撃が他の機体とは比べものにならないレベルで(性能自体あまりよくないのに)重い攻撃になってしまい、自分から攻めにいくのは勿論だが、頼みの綱のしゃがみバズーカも射程制限がある故に遠距離で相手されると機能せず、後は置きレーザーに引っかかってくれるのを待つ八方塞がりな状態になってしまったのである。 --足回りが劣悪なこともあり、相手は遠距離からローリスクローリターンな攻撃を繰り返しているだけでライデン側が追い込まれてしまう。頼みのレーザーも上記な性能なため、「当たらなければどうということは無い」を体現してしまっている。 -最後に「1バグ」のアファームド。 --研究が進むまでは、トンファーと前ダッシュの速度は凄まじいけどそれ以外が大したことがないため厳しい(ストレートに表現するなら弱い)機体といわれていた。 --しかし、アファームドにはかなり実用的なテクニック、むしろシステムの穴をついたバグ技が多く、それらを駆使するとテムジンすら凌駕すると言われるほどになった。 ---もちろんそれ相応のプレイヤースキルが求められるため誰もが気軽に使いこなせるわけではない。 --移動にバグ技、射撃攻撃にバグ技、近接攻撃にバグ技、回避にバグ技と、正真正銘のバグ機体の名をほしいままにしている。 --それらを駆使するアファームドの活躍を文字にすると「前ダッシュ同等の凄まじいスピードで8方向にダッシュ可能で、逃げ攻撃である横ダッシュ射撃なのに、連射数は横ダッシュ相当、威力と誘導性は前ダッシュ相当という胡散臭い射撃を行い、不可視な近接攻撃(故にガード不可能)で止めを刺す。」という、何が何だかわからない状況になる。この状態ならボムジン相手でもトンファーでダメージ勝ちできるので問題ない。 --ただし、下記の中ボス『ヤガランデ』との相性は、アファームドの戦闘スタイルが通じにくいため非常に悪い。 //「ロボ格闘ゲーで一機だけ壊れ性能」という共通点しかないのにここでわざわざフリーダムを槍玉に挙げる必要性がない。 -中ボス『''ヤガランデ''』 --本作の1人用アーケードモードは地上での戦闘となる1~5面、宇宙での戦闘となる6~8面、そしてラストステージの全9面で構成されているが、これに加えて特定の条件を踏むことで5面の後に中ボス・ヤガランデとの対決ステージが挿入される。 --このヤガランデが恐ろしく強く、その強さは''ラスボスのジグラットをも凌ぐ''と言われるほど((そもそもジグラットは弱キャラである。攻略法を知らないとタイムオーバーの可能性があるぐらい硬くはあるが(ジグラット戦のみ体力関係無しにタイムオーバー=敗北)。))。攻撃力・防御力・機動力全てが圧倒的に高く、攻撃自体も「連射の効くRWのバズーカ」「ヤガランデを起点に扇状に10本のレーザーを放つCW」「4方向に飛ぶ高速弾に分裂、空中にいると誘導するLW」といやらしいものが揃う。 ---初見では恐ろしく回避困難なLWに加え、RWとCWは''ライデンのレーザーに匹敵''する威力を持つ。軽量級は1発で大ダメージ、重装甲のバーチャロイドでも3~4発喰らえばスクラップと化す。 ---その巨体のせいでわかりにくいが機動性もテムジンと同等。防御力もライデンを軽く凌駕する。 ---制限時間も独自設定で1ラウンド「60秒」になり短期決戦となる、これにより後記する一部のキャラは攻略難易度がさらに高い。 ---特に鬼門なのがアファームドで出現させた場合。巨体のためか格闘のトンファーがまず当たらず、確定するのも「真正面で相手が静止している状況」というかなり厳しい条件がある。そのため一度でもダメージを貰った場合、大ダメージ技による逆転は見込めない。 --その出現条件は「5面までのクリアタイムの合計が一定のタイムをオーバーすること」。つまり、''明らかにプレイ時間が長引くことへのペナルティキャラとして設定されている''。それだけならまだ良いのだが、この制限タイムがかなり厳し目で、''攻略に手間取る初心者ほどヤガランデの出現条件を容易に満たしてしまう''のである。''[[イメージファイト]]か!'' ---初心者どころか中級者以上のプレイヤーでさえ手こずらせる難敵であり、''「頑張って5面まで進んだのに、クソ強い中ボスにワケもわからないまま瞬殺された((悪い事にヤガランデ戦は開幕時の立ち合いが最も危険であり、瞬殺は文字通りである。))」''という被害は各地で後を絶たなかったという。 ---腕前が上達し、スムーズにCPUを倒せるようになればヤガランデ戦は回避できるのだが、基本設定でも「1ラウンド平均35秒以上」と結構厳しめ、さらに「ヤガランデ出現条件のタイム合計」は店側の設定で変更可能であり、「1試合30秒前後で終わらせたのにヤガランデが出た」というケースもあった。 ---ただしランキングを狙わない(本作のCPU戦はタイムアタック制である)上級者なら1コインでの試合数が増えると言う理由であえて出現させていたという面もある。%%中級者以下には迷惑だが。%% --攻略法としては、前と斜め前以外のダッシュが遅い・使用するダッシュ攻撃はRWのみでかつ回避が容易・遠距離ならCWやLWも脅威にならない、といった弱点を突く事になる。ダッシュ攻撃を誘発させる方法やボムから逃げるロジックを見切る事ができれば封殺する事もできる。そこまでが大変でもあるが…。 --コンティニューによりサイズが小さくなり耐久力が減る救済システムもある((最大2回まで弱体化。最終的にはバイパーⅡより脆くなり、ライデンのレーザー1発で撃破できるほどになる))が、大型筐体故に店舗側のワンプレイ料金が高めに設定されがちな本作でコンティニューが選ばれる事はほとんど無かった。また弱体化するのは防御力のみで火力に変化はないため、初心者にはやはり厳しい。 -オペレーター(従業員)泣かせの筐体 --このゲームは上級者ほどツインスティックを酷使する。上級者がこのゲームをプレイすると、''冗談抜きでツインスティックを最初から最後まで派手にガチャガチャしっぱなし''になってしまう。特に「漕ぎ」と呼ばれるテクニックが発見されてからはそれが顕著で、各地で「ツインスティックが折れてしまう」事態が多発。 --そもそも消耗品なうえ故意に壊したわけではないので、プレイヤーに修理費用を請求するわけにもゆかず、対戦が盛んなゲーセンでは結構な修繕費が発生していた。 --この問題点は操作系統が踏襲されていく続編『オラトリオ・タングラム』以降でもそのまま残留することとなる。 //↑筐体周りのれっきとした問題点なので余談からそのまま移動しました ---- **総評 多数の独自性を持つ本作は、ロボットアニメを見て育った世代にクリーンヒット。~ ゲーマーにはもちろんのこと、普段ゲーセンには行かないロボットアニメファンも巻き込む一大ムーブメントとなり、小説、模型化などの多数のメディアミックス展開、続編製作など、90年代後半におけるセガの看板タイトルの一つとなった。 ---- **移植 -セガサターン、Windows、プレイステーション2、プレイステーション3、Xbox360、プレイステーション4に移植されている。 -SS版はハード性能がAC基板に劣っていたものの雰囲気はかなり再現されている。周辺機器としてツインスティックも発売された。~ しかし、ゲームバランスがAC版と大幅に異なっている。 --特に2P対戦(画面分割式)はハード性能の制約かグラフィックが大幅に簡略化され、傾斜のある障害物が完全に撤去されて一部のステージがほとんど障害物のない無個性な平面マップになってしまっている。 --致命的な調整として、1Pと2Pで誘導性能が違い、遠距離ではダッシュしても避けられない武器がある(バイパーIIのCWなど)。 --またXBANDによるオンライン対戦専用のバージョンも1,500円で発売された。 -PS2版はSEGA AGES2500シリーズ内のひとつとして移植された。追加要素もある。 --PS2のボタン配置を生かし疑似ツインスティック的なキーコンフィグを設定でき、移植度も非常に高い。また、キーコンフィグにより、1ボタンでジャンプキャンセル可能、ダッシュキャンセルが『オラタン』以降の仕様(ダッシュ中にターボボタン)に変更可能など、シリーズ初心者への配慮がなされている。 --ソフトとPS2本体、ディスプレイが複数必要となるが、LANを使った“LINK対戦”(最大でプレイヤー2人分+ライブモニター2台)も可能。 --ただしプレステ用の、いくつか存在したツインスティックタイプのコントローラーに対応している物は一切無い。サターン用のバーチャロン専用コントローラーを乗っ取り改造し、設定で選べる操作タイプの一つで完全対応させる事は出来るが工作技術が必要である。 --サターン用コントローラーをプレステで使えるように出来る社外品の変換器ではこれを実現させるのは難しい。 -PS3/Xb360版は『MODEL2 COLLECTION』シリーズの1つとして配信されており、ネット対戦が可能な他、ツインスティックが販売されている。しかしPS2版と比べるとACから追加された要素は皆無で、ACのベタ移植である。またネット対戦追加の煽りを受けてか、過去の移植版では定番だった画面分割ローカル対戦が削除されている。 -SS・PS2移植版では条件を満たすことでかの中ボス「ヤガランデ」を使用できる他、PS2版ではさらに隠し要素としてラスボスの「ジグラット」でプレイするモードも収録されている(但しいずれもプレイヤー使用時は一定の性能調整が施される)。 -PS4版はダウンロード専売のオムニバスソフト『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』に収録されている。 ---- **続編 -1999年に続編の『[[電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム]]』が発売し、チャロンの全盛期が到来した。最終バージョンである『Ver5.66』は今でも大会が開かれる、10年近い年月を経て家庭用ハードに移植されるなど根強い人気を保っている。 ---- **余談 -波乱万丈の開発記 --発売後は一躍人気作となった本作であるが、製作中には様々な苦労があった模様。プロデューサーの瓦氏によるPS2版取扱説明書の寄稿文、Xb360版『フォース』限定盤冊子内のコラムなどでそのことが語られている。 #region そもそもこの時代のアーケードゲームメーカーには「ロボットを題材にしたゲームは売れない」というジンクスがあった((ただし全く無い、というわけではない。一例としてはデータイーストの『ウルフファング 空牙2001』。))。にもかかわらず新入社員からはロボットゲームの企画書がいくつも上がってくるため、中山社長(当時)が「これだけ言ってるんだから、1回くらいやらせて身をもってわからせてやるか」と判断した…という経緯で開発にGOサインが出た。それが本作である。~ この時点でもう笑えない話なのだが、さらに開発者の上司であり反対側の急先鋒であった鈴木久司常務(当時)から何度も「開発を中止せよ」と言われたり、開発中には『[[デイトナUSA]]』の名越プロデューサーにスタッフを引き抜かれたり、果てには2度のロケテストを経た開発最終段階で、社長から「IPごとB社に売却したほうが儲かるし良いのでは?」と言われたりと散々な目に遭っている。~ しかし、最後の最後で鈴木久司常務は「私はIP売却には反対です。こいつらが頑張ってここまで形にしたし、ロケテでも公約通りいい結果を出した。これは我が社に残しておくべきです」と味方についてくれた。そして彼のプッシュのおかげで無事世に出ることができた。 -ちなみに、鈴木久司常務はAM2研の『ハングオン』でも「こんな恥ずかしい物誰がまたがる」『[[スペースハリアー]]』でも「人間が空飛ぶとか頭大丈夫か?」と反対し続けた過去がある。それに対して開発者の鈴木裕氏は「売れなかったなら損失取り戻すまで給料無しでいい」として開発を押し通した。 -似たような事例として、名越稔洋監督の『[[龍が如く]]』も「ヤクザ・裏社会がテーマの作品は売れない」という理由で発売前はあまり期待されていなかった。 -このように、セガには''あまり期待されていなかった商品に限って成功し、逆に鳴り物入りだった商品に限って失敗する''というジンクスがある。ビジネスではよくあることであるが。 #endregion -開発当初は筒型で頭頂部に1つボタンがついたレバーで、ダッシュはレバーを同一方向に素早く2度倒す方法だったが耐久度とダッシュのやりにくさから現在の2ボタンのスティックの仕様となった。 -ゲームでは表ざたにされない設定だが、本作のバーチャロイドは見た目リアル系に見えつつ、その実は「&bold(){月で発見されたロストテクノロジーの産物}」であり、~ 「&bold(){物体をデータ化し電脳虚数空間と呼ばれる異空間を通じて別所へ転送した後、再び元の形に実体化させるという技術を応用して作られた}」という設定になっている。~ 「パイロットが乗り込む操縦席ユニットに組み込んだバーチャロイドの設計図を基に、この技術を応用して本体の外観を具現化させる((作中用語ではリバースコンバートと呼ばれる))ことによって、バーチャロイドの機体が成立しているという、なかなか独創的な設定である((一部の家庭用のオープニングムービーではリバースコンバートによってテムジンが形作られている様子が描かれている))。 --今でこそ『バーチャシリーズ』という言葉は『[[バーチャファイター]]』シリーズの略称として定着しているが、元々は1992年の『[[バーチャレーシング]]』以降制作されたセガ製のフルポリゴンゲームを総括するシリーズ名称のようなものであった。 ---本作の「バーチャロン」というタイトルもそれに則ったものだが、「バーチャル」という言葉を根源とする名称が設定面レベルで密接に結びついているのも珍しいと言えよう。 --PS2版のROMデータ内には&BOLD{AC版の没BGM}が入っていることが分かっている。が、PS2版のサウンドテストでは没BGMは再生されないようになっている。 そのためチートやら「PSOUND」なんていうのを使わないと聞けないようになっている。&s(){でも今ならサントラで聞けるからわざわざこんな事して聞くのは...} ----
*電脳戦機バーチャロン 【でんのうせんきばーちゃろん】 |ジャンル|アクション|CENTER:&image(Virtual_on_A.jpg,width=160)[[高解像度で見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3254/1480/Virtual_on_A.jpg]] [[裏を見る>https://img.atwiki.jp/gcmatome/attach/3254/1481/Virtual_on_B.jpg]]| |対応機種|アーケード(MODEL2B)|~| |販売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~| |稼働開始日|1996年1月|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[電脳戦機バーチャロンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[スペースハリアー]]』や『[[アフターバーナー]]』で培った大型筐体のノウハウを活かして製作された3D対戦アクションゲーム。~ 「バーチャロイド(以下VR)」と呼ばれる巨大人型機動兵器を後方視点で操作し、敵が操るVRとフィールド上にて1対1で戦う。~ 制限時間内に相手のVRの耐久力を0にすれば勝利、逆に0にされると敗北となる。タイムオーバー時は判定に持ち込まれ残存耐久力が高い方が勝ちになるというシンプルなルールながら、独自デバイス「ツインスティック」による臨場感あふれるプレイ感覚と白熱したバトル展開で人気を博した。 ---- **特徴 ''ツインスティックによる独特の操作方法'' -コンパネ部分には「攻撃」用トリガーと「ダッシュ」のボタンが付いたフライトスティック或いはガングリップ状のスティック((形状やトリガー配置は同社のガンシューティングゲーム、『レールチェイス(2)』で用いられていたガンコントローラー代わりのアナログスティックに近い。))が2本あり、これを左右それぞれの手で持ってVRを操作する。 --ツインスティックの操作はナムコの[[『サイバースレッド』『サイバーコマンド』>UGSFシリーズ]]((ナムコはそれ以前にも『アサルト』を出しているが、こちらは見降ろし型の2Dゲームである。))をより洗練させたものとなっている。そして後々の「[[機動戦士ガンダム 戦場の絆]]」等にも繋がる操作方法の基礎となっていく(『[[ゾイドインフィニティ]]』はツインスティックではあるが特殊な操作系。詳しくは該当項目で)。 //---もっともツインスティック操作自体は(ダッシュ等の特殊操作を除き)普通に工事車両(キャタピラ車両)で使われていたものである。 //本物の戦車はどうなんだろ? //実際の重機で使われていたものだから、それでなんなん? 言いたいことの趣旨がよくわからないよ。 -移動・索敵方法 --移動したい方向へスティックを倒すことでVRは8方向に移動する。スティックを片側だけ倒した時と両方倒した時とで移動速度が変わる(両方倒した方が早い)。 ---さらに、移動したい方向にスティックを倒しつつダッシュボタンを押すとダッシュによる高速移動が可能。ダッシュ中に逆の操作(移動方向と逆にスティックを倒しつつダッシュボタンを押す)ことで急停止できる。 --両スティックを前後に互い違いに入れるとその場で旋回する。この時ターボボタンを押すと旋回速度が速くなる。敵を見失いやすい本作において貴重な索敵手段となる。 --両スティックを外側に開くように入力するとVRはジャンプする。ジャンプ後はスティック入力による8方向移動と及びジャンプ頂点付近での射撃攻撃が可能。 ---下降中に左右のスティックを内側に倒すと下降速度が速くなる。これにより着地のタイミングをずらし、隙を狙われにくくすることができる。 ---また、ジャンプ直後に左右のスティックを内側に倒すことで「ジャンプキャンセル」となり、素早く着地することができる。 ---なお、ジャンプ直後は瞬間的に相手がいる方向へ振り向くので、ジャンプキャンセルは索敵手段としても使える。ただし着地に若干の硬直があるので、旋回との使い分けが重要となる。 ///レバー入力なしでダッシュボタンではなかったか ///↑それはOTから -攻撃方法 --攻撃は「右トリガーによる『ライトウェポン(RW』)」「左トリガーによる『レフトウェポン(LW)』」「左右両方のトリガーを同時押しする『センターウェポン(CW』)」の3種類の操作によりそれぞれ別の武器を使う。さらに、敵機が遠距離に居る場合は射撃による攻撃を、敵機をダブルロックオンした状態では殴りつけたりビームソードで斬りつけたりする「近接攻撃」を行うようになっている。 --射撃攻撃編 ---敵機を画面中央のサイトに捉えると「ロックオン」状態となり、射撃攻撃が相手に対しホーミングするようになる。ただし、敵機を画面街に逃してしまうとロックオン状態は解除される。そこで、射撃戦では「いかに素早く敵機を捉え、また敵機のロックオンを外すか」が重要となる。 ---さらに同じ武器でもVRの状態(立ち、しゃがみ、ダッシュ中、ジャンプ中など)によって攻撃が変化する。例えばテムジンのビームライフルは前ダッシュ中に使うことで強力な「スパイラルショット」に変化する。 --射撃攻撃は使用するとウェポンゲージを消費する。ウェポンゲージは一定時間経過で回復するが、各武器・攻撃にゲージ消費量と回復量が細かく設定されているので、使い処をきっちり理解する必要がある。 --近接攻撃編 --ロックオン状態で敵機に近づくと「ダブルロックオン」状態となる。この状態では距離に応じて各武器種のウェポンゲージが黄色く変化。 色が変わった武器のトリガーを押すことで射撃攻撃ではなく近接攻撃を繰り出す。 ---近接攻撃は高威力かつウェポンゲージを消費せず出し放題なのでぜひ狙いたいが、逆に相手のそれを食らう恐れもあるため近接戦闘はハイリスク・ハイリターン。 ---なお、近接戦闘はダブルロックオン時にレバーを内側に入れることでガードが可能、被ダメージをほぼ無くすことができる。 ''個性豊かなバーチャロイド群'' -VRのデザインはガンダムなどのメカデザインにも関わった有名デザイナー、カトキハジメを採用。ロボットアニメのお約束をちりばめつつも独自性を持たせたデザインにより、多くのロボットアニメファンを呼び込むことに成功。プラモデル化されるなど人気を博し、ホビージャパンなどの模型誌でも度々特集が組まれたほどであった。 -操作できる機体は8機。一つ一つの長短がはっきりしている。 #region(Select your machine.) -&bold(){MBV-04-G テムジン} --パッケージアートでもセンターに描かれた、バーチャロンの看板機体。全てにおいて標準~水準以上の性能を有しており、非常に扱いやすい為初心者はこの機体から入るとよい。機体選択の初期カーソルがテムジンであるのもそのためであると思われる。 ---ライトウェポン(右武器、以降RW):「ビームライフル」…威力、誘導性、リロードとも優れたバランスを誇る主力装備。前ダッシュ中のビームライフルは強力になり、これをいかに相手に叩き込むかが勝負となるほか、屈み射撃は高弾速と高誘導を誇る。 ---センターウェポン(同時押し武器、以降CW):「ソードウェーブ」…威力は雀の涙だが、相殺性能に優れたビームカッターを射出。近接戦闘時にはビームライフルの銃身に長大なビームサーベルを形成して相手を切りつける攻撃になる。 ---レフトウェポン(左武器、以降LW):「ボム」…ドーム状の爆風を形成する擲弾。威力は低めだが、相手の射撃を一方的に掻き消す事が多く持続時間も長い攻防一体の武装。低いと言ってもシリーズの中ではダメージソースとして重要で、対戦のレベルが上がってくるといかにしてこの攻撃を生かすかが重要になってくる。屈み投擲では近接信管の様な起爆形態となり、近接戦闘で攻防一体の活躍をする。 -&bold(){HBV-10-B ドルカス} --左手に鉄球ハンマー、右手に万力((もっともRW格闘は突きなので万力の意味は無いが。))を備えた重量機体。その両腕から格闘機っぽく見えるが、格闘の出が凄まじく遅いため実際は苦手((特殊入力の格闘攻撃を持つ数少ない機体ではある。ただし特殊格闘は性能は悪くないものの全武器ゲージが満タンでないと出せないので、やはり格闘が得意とは言い難い。))。移動性能は低めだが、装甲は厚めで安定性も高いためダウンしにくい(ただしダウンしないせいで攻撃をフルヒット喰らう事も多く、一長一短である)。空を飛ぶ相手には滅法強い。 ---RW:「ファイアーボール」…万力の中央にある銃口から火球を射出して攻撃。見た目に反してオーソドックスな性能。高めのゲージ回復力に比して連射が遅めで弾切れを起こしにくい。火球自体がそれなりに大きいため意外に当たる。 ---CW:「ファランクス」…ナパームを散布し多数の火柱を上げる。フォーメーションは射撃体勢により多彩。敵弾を掻き消す性能が高い上に障害物の影響を受けず威力も大きいが、直撃を狙うよりも相手を火柱で包囲し、他の武装を当てるように狙うのが基本戦術。屈み射撃では上空に向かってばら撒き、空中で小型の爆発を複数起こす(射程は短い)。 ---LW:「ハンマー」…多面体からビーム棘を形成する打撃武装。弾速は遅めだが誘導性に優れ、戻ってくる時にも攻撃判定はあるので避けたと油断すると背中から殴られる事も。ファランクスで追い込みこれで爆炎越しに仕留めるのが黄金パターンである。代償としてハンマーが切り離されている間はLW格闘を行えないし、当然単発攻撃。テムジンのボムに跳ね返される様(後述)はなんとも間抜け。また山なりに射出するため障害物の裏に隠れた敵も攻撃できるが、敵が半端に近いと頭上を跳び越えてしまう。 -&bold(){SRV-14-A フェイ-イェン} --ミニスカを着用したツインテールの少女を模した女性型の軽量級VR。火力は低いが地上での機動性に優れている。また、耐久力が半分を切ると「ハイパー化」してカラーリングが一部金色に変化し、攻撃力と機動性が向上する。 --兵器らしからぬデザインだが、「自我と人格を持つオリジナルバーチャロイド・ファイユーブの不完全なレプリカ」という設定になっている。 --女性型のイメージに反してVRの中では高身長だが、そのせいで一部の相手のしゃがみ射撃を喰らいやすく(具体的にはテムジン、ライデン、アファームドのRT)、ノックバックし易い軽量機ということもあり対策テクニックを身につけないと分が悪い。しゃがみ射撃やダッシュ中は当たり判定が低くなるので、地上ではなるべくダッシュ状態を維持したい。 ---RW:「ハンドビーム」…低威力だが多くの弾を連射できる小型ビーム。ダウンは取りにくい。屈みで山なりに撃つこともできるが、ダメージソースというよりは牽制用。 ---CW:「ハートビーム」…胸から誘導性に優れるハート型ビームを発射する。射出時に大きなモーションを取るため隙が大きいものの、ハイパー化すると射出前(一回転する間)にバリアが形成され、一部の攻撃を無効化しつつ攻撃に移れる。 ---LW:「ビームボウガン」…左手に持ったビームボウガンを展開し、相殺性能が高めで、威力、弾速とも高バランスなワイドビームを発射する。細かい隙に刺すなどの即応性に優れた武装に乏しいため戦術的な依存度が高い。ハイパー化すると弾速がかなり速くなる。 --ちなみにこの機体はカトキ氏側がスタッフに提案したもの。 ---氏は『[[機動武闘伝Gガンダム]]』に登場した女性型機体である[[セーラーガンダム>美少女戦士セーラームーンシリーズ]](もしくはセーラーガンダムーン)ことノーベルガンダムのデザイナーである。本機も明確にセーラームーンのパロディとなっており、セーラーヴィーナスに近いデザインだったノーベルと違いより元ネタに近くなっている((登場ステージの没BGMもそちらの主題歌に激似だったりする))。 -&bold(){SAV-07-D ベルグドル} --ナパーム弾やグレネードを実装する火力支援型VR。後述のライデンの反省から、とにかく安価で量産できることをコンセプトに開発された。火力の高さの割に移動速度は速めだが(特に左右移動)、機動特性が少々歪で前進後退は遅い。「肩のミサイルポッドと頭に埋め込んだミサイル誘導装置が重く極めてトップヘビー」と言う設定上、非常に転倒しやすいという欠点も(もっとも転倒しやすい事が利点な場合もあるが(ドルカス参照))。装甲も下から数えた方が早い。 --近接攻撃がライデンと全く同じモーションなのは、ライデンの低コスト版として開発されたと設定されているため。 ---RW:「グレネード」…速射性はとても高いが威力はどちらかと言えば低く、なにより誘導性能が全くないため銃口補正のみで当てなくてはならない。これは安価で作動信頼性は高いがそれ以外に見るところは何も無いという、世界観中で時代遅れな既製品を採用した設定のため。ゲーム的には屈み撃ちが弾速に優れ、牽制と狙撃に使える。 ---CW:「ホーミングミサイル」…そこそこ高い威力と誘導性を併せ持つミサイルを2発x2セット射出する、当機の主力兵器。2セット目の方が威力と誘導性に優れるが、1セット目でダウンすると2セット目が当たらないなど、現用兵器に近く地味な見た目の割に癖のある性能。屈み撃ちでは大きく打ち上げ、障害物越しに上空から攻撃できる。 ---LW:「ナパーム」…着弾すると直線状に火柱を連続して上げる焼夷擲弾。ベルグドルの武装の中では相殺性能が高く火力にも優れ即応性も比較的高いと優秀な装備。2連続までの投擲も可能だが、ゲージ回復が残ゲージ量に比例する都合、それをやると後で長時間使えなくなると補給面で癖を抱える。火柱で直線状に敵弾を相殺する進路を確保し、火柱に重なりつつ前ダッシュミサイルを狙うといった使い方もできる。 -&bold(){TRV-06K-H バイパーII} --極めて高い滞空能力、機動力を持っている軽量級VR。ただしその代償に装甲は「紙」と称されるほど薄く、ライデンのレーザーを喰らおうものなら9割、アファームドのトンファーに至っては耐久力ゲージが残り1ドットの瀬戸際まで持っていかれる。 ---RW:「ビームバルカン」…低速、低威力で誘導性も低いが、連射の利くビームバルカン。牽制用に使えるが、射撃後にコッキング動作が入ってしまう。この攻撃単体では弱いが、「相手を動かす」には欠かせない。 ---CW:「ホーミングビーム」…高威力かつ誘導性に優れるビーム弾を射出。ただし、斜め上に向けて撃つため近くの敵には当たらない。 ---LW:「7wayミサイル」…前方扇状に7発のミサイルを連続的に射出する。誘導性もそこそこあり、地上では相手を動かす為に使える。空中ではまとめてショットガン状に発射し、ダメージソースとなる。 -&bold(){XBV-13-t11 バル・バス・バウ} --脚部のない下半身や手のない腕部など、外観、武装ともに非常にトリッキーな玄人向けの機体。地上での機動性は低いが空中では機動性が高い、装甲も基本薄いが本来高威力な特定の攻撃には妙に耐えるなど全体的に癖が強い。いかに相手から逃げ回りつつ自分のペースを維持するかが重要になる。 ---RW:「リングレーザー」…威力は低めだが、相殺性能が非常に高く前方投影面積も大きいリングレーザーを射出。ボム系とは違う方向で攻防一体の武装。 ---CW:「ハンドビット」…両腕をひじから切り離して飛ばす遠隔攻撃端末。相手の頭上からバルカン砲を浴びせたり、ジャンプ中ではレーザーをもう片方の腕に反射させて相手を狙うなど本機の見せ場でもある。敵機の捕捉性能は最高な一方で、漫然と出しても攻撃自体は当たらない。更に両腕を切り離しているので戻ってくるまでは本体は丸腰である。 ---LW:「フローティング・マイン」…浮遊機雷を射出する。低速、低威力、相殺されやすいと問題も多いが弾寿命が長く誘導性もそこそこあり、「フィールドに長時間滞在し追尾し続ける」という性質で相手にプレッシャーを与え、多角的な攻撃を可能にする特徴的な装備。 -&bold(){MBV-09-C アファームド} --接近戦重視の中量VR。CWの一撃は多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた。装甲も厚めで機動性も前進偏重で歪だが高い部類。特に前ダッシュは猛烈な速度を出せる。ただし射撃戦能力に劣るため、いかに近接戦闘に持ち込みトンファーを叩き込むかが勝利の鍵となる。 ---RW:「ビームショットガン」…ショットガンとあるが散弾ではなく、ある程度進むと小型の爆発を起こすビーム弾を射出する。テムジンのビームライフルに比べ様々な面で全体的に劣り、主力で戦うには厳しい。屈みで撃つとテムジンのそれに近い攻撃となりそこそこ活躍する。ちなみに弾そのものよりも、弾が消えたときに出る爆風の方が威力が高い。 ---CW:「ビームトンファー」…遠距離時は相殺能力の高いソニックリングを射出する。ただし、本領を発揮するのは近接攻撃で、ダブルロックオン距離が非常に長い上、高速高威力で出始めの数フレームは無敵というハイスペックを誇る。ただしトンファーであるため、振り回す武器そのものはリーチが短い。良くも悪くも本機の主軸となり、最も警戒される装備。 ---LW:「ボム」…テムジンのそれと似たボムを射出するが全体的に性能が落ちている。横ダッシュで出したときに不発弾になるのは手の動きを最適化出来なかったためで、モーションをよく見ると確かに「投げる」というよりはポロッと「落としている」ように見える。 -&bold(){HBV-05-C ライデン} --高火力重装甲低機動の重量VR。CWのレーザーは一撃で甚大なダメージを与える。だが漫然と撃ってもまず当たらないため、如何に当てるかが重要になる。 --設定上では「製造コストがとてつもなく高かった(テムジンの20倍)のと、CWのレーザー発振機を作っているメーカーが潰れて、26機分しか作れなかった」ために専用の部隊に26機すべてが配備されたエリート専用の機体である((そして小説では「全機が損耗する」という激戦まで語られる。))。肩の艦載用対艦レーザーの所為でベルグドルに準じてトップヘビーではあり、骨格構造も共通なものの、材料から部品までそれに耐えうる高品質なものを用いているため安定性にも問題はない。 ---RW:「バズーカ」…初速の遅さから即応性にやや欠けるものの、それ以外は平均以上の性能を持つ実弾兵器。しゃがみで撃った時は凄まじい弾速と誘導性能を持ち、距離275の射程限界はあるが対空戦の要になる。一方左右にダッシュしながら撃つとマシンガンの如く弾を連射するが威力はかなり落ちる。 ---CW:「レーザー」…両肩部のユニットから太いレーザーを照射。元が対艦レーザーなため全高14m程度のVRに与える打撃はまさしく「一撃必殺」。相殺能力も申し分なく、文字通り前方を「焼き払う」。威力に比してゲージ回復力も高いものの、レーザー光線なので誘導性や左右の銃口補正は無い。キャンセルも不可で大きな隙が生じる。相手の隙次第で狙撃に使えない訳ではないが、基本は他の武装で相手を動かし移動先に置いておいて突っ込ませる「置き」武装である。屈みでは並列2連照射→並列4連短射となり威力が更に向上するが置きも難しくなる。ダッシュ攻撃では隙が減るが攻撃力も大きく低下する。 ---LW:「グランドボム」…地面を這うように進み、敵機や壁に接触すると爆発を起こす円盤型ボム。相殺性能も一応あるが爆風に高さが無いため信頼性に欠け、牽制用としての趣が強い。 #endregion ---- **評価点 //文章量が少ないので大見出しを通常太文字に変更。 ''臨場感''~ -以前にもロボットを操るゲームは多数存在していたが、それらのゲームとは一線を画していた部分、それが「臨場感」である。 --コクピットを模したデザインの専用筐体と、2本のスティックレバーを使用した操作により、さながら自らがVRのパイロットになったかのような気分が味わえる。 ---ただしロボ物に拘らなければナムコの「サイバースレッド」「サイバーコマンド」が既に存在していた。未来戦車物なのでジャンプは存在しないが格闘攻撃に関してはサイバーコマンドの方に一機種だけ可能な機体が存在している((前方にレーザーソードを伸ばすだけだが(しかもメインの用途はミサイルの切り払い)。))。 ''ゲームデザイン、ゲームバランス'' -2本のスティックを操作デバイスに採用したことで直感的に立体的な移動を行うことが可能となり、ステージの形状を利用した戦術、所持している武装の選択など、プレイヤーが採れる選択肢の幅は大きく広がった。 --例えば目の前に飛んできた敵弾に対処するという行動一つ取っても、「歩くまたはダッシュで避ける」「ジャンプで避ける」「手持ちの武装で相殺する」「地形の影に隠れてやりすごす」と多彩。 ---ナムコ「アサルト」の操作系の延長発展型だが、「ツインスティックコントローラー」タイプのインターフェイスの基礎が出来上がった。後々の「ガンダム戦場の絆」「ゾイドインフィニティ」等様々な違いはあれど概ねバーチャロンをベースに発展させている。 -ゲームスピードは比較的速めで、ダッシュとジャンプを駆使した高速戦闘は今までの3Dアクションシューティングには無かったものであった。 -機体間の相性による有利不利はあるものの、プレイヤーの技術介入度が非常に高いため、いわゆる「詰んでいる組合せ」「ハメ行為」と呼ばれるものは存在しない。 --大ダメージを受けたり、武装に設定されたダウン値が蓄積すると自機はダウンする。ただし起き上がり時に非常に長い無敵時間が発生するため一旦仕切り直しとなる。相手も起き上がりの行動を読んで起き攻めを仕掛けてくるのだが、そこは読みあい勝負。 --「複数の武装を組み合わせた回避困難な連携」というものは確かにチャロンにも存在するが、それは立ち回りをミスしたためその状況に持ち込まれてしまった自身に非がある。 ---しかし、上級者同士の対戦になってくると…後述。 ''BGM'' -爽やかかつ燃える曲が多く、高速戦闘を展開する本作の雰囲気にマッチしている。BGMのファンも非常に多く、後に当シリーズの代表曲となるSTAGE1のBGM「in The Blue Sky」聴きたさにこのゲームに興じるプレイヤーも少なからず存在した。 -効果音も演出として効果的に配されている。特にダッシュ時の「キーーン」という軽快な効果音は特徴的で、低HP時の警告音なども併せ「このゲーセンにはチャロンがある」という印にもなっていた。 ''ストーリー面'' -VR開発の経緯や、本作で展開されている戦役「オペレーション・ムーンゲート」、(プレイヤー以外の)傭兵部隊の存在など設定面が非常に作りこまれており、ある種の「架空戦記」モノとしての趣もある。 --それらはゲーム内で具体的に描写されることはなく、チャロン世界の設定を読み解くための設定資料集や、外伝小説など積極的なメディアミックス展開によって補完され、ゲーム内外において、ゲーム性、世界観やストーリーの両面でプレイヤーの多くを惹きつけた。 //-本作においては前半はゲームのふりをした選考試験、後半は月での実戦とされている。なお遠隔操作なので後半でもプレイヤーはゲーセンに居るままの設定である((後のシリーズでは直接乗り込んでいるらしい描写になっている。))。 ''筐体周り'' -本作は「体感ゲーム」((主にガンシューティング、レースゲーム、フライトシューティングなどの特殊操作デバイスを使って遊ぶ専用筐体系が該当。))の一種に属するゲームでもあるが、当時の大型専用筐体を用いていた同種のゲームとは異なり、本作は椅子付きでツイン(2台)方式の専用筐体に加えて、所謂「汎用筐体」((主にレバーとボタンを搭載したコンパネが取り付けられている、基板を中に収納・接続して動作させる筐体を示す。))でも稼働可能で、これは専用のコンパネとツインスティックデバイスを汎用筐体に接続して組み込む方式にも対応している為である。事実、基板と専用デバイスとコンパネのみでの販売もされた。 --この為、当時の場所を取る大型専用筐体よりも設置と稼働のハードルが遥かに低く、結果的に広く普及を促した。 --一方でツインスティックという専用デバイスは本作において酷使するゲーム性という事情があったこともあり、修繕やメンテナンスが大変という問題点もあった。詳しくは「問題点」の項目にて。 ---- **賛否両論点 -''「削り合い」の戦闘'' --盛んにテクニックや裏技が研究された結果、知識のあるプレイヤーと素人との腕前の差が顕著に。 --ゲーム自体の高速性と被弾を抑えるテクニックが研究された結果、上位プレイヤーの戦いは回避と牽制、ステージの障害を利用した「削り合い」になっていった。 --タイムオーバー時の体力で判定のなされるバーチャロンにおいて、相手を倒すことを目的とせずリードを奪ったら逃げに徹するプレイスタイルの誕生は必然とも言えるが((具体例は「空中機動力の高いバイパーIIがバルカンを数発だけ当ててリードを取った後は逃げに徹する」など。対空が強いと前述したドルカスも遠くで逃げに徹するバイパーII相手はかなり厳しい。))、これには賛否両論ある。「これこそバーチャロン」と受け入れる人々がいる一方で、「爽快感を欠く」と言うプレイヤーも多かった。 ---結局このゲーム性は後の作品にも受け継がれていき、3作目の『フォース』で頂点に達することになる。 ---- **問題点 -''操作系'' --4ボタンとスティックを駆使した多数の動作はいきなりでは覚えづらく、珍しい操作系がハードルとなって投げ出すプレイヤーも多かった。この欠点は仕方ないとも言えるが、この動作の複雑化は次回作の『オラトリオ・タングラム』でさらに顕著となった。 --しかも基本操作でさえ隠し操作扱いになっている。それこそガードの仕方さえ教えてくれない。 ---また一部の機体には文字通りの特殊動作((テムジン及びバイパーIIの空中からの突撃攻撃『グライディング・ラム』『S.L.C.ダイブ』や、ドルカスの『メガスピンハンマー』が有名。))が存在し、それを知る知らない、使える使えないでは対戦時に大きく影響を及ぼす事も一時問題となった。 -''機体バランス'' --ちょっと使っただけでわかる強機体や1セット取っただけで拍手喝采の組み合わせがあるわけではないが、機体とステージと戦術の組み合わせでどうにでも転ぶほどでもないのが今作のバランス。 --具体的に表すなら「1強1弱1バグ」。 -まずは「1強」のテムジン。 --クセのない操作性、レンジを選ばずゲージが切れないRW((一応4連スパイラルと最速のマシンガンを行った場合のみ切れるが、両方とも半バグ技なので、意図して出さなければ確実に切れない。))、威力と範囲が優秀で自分から攻められる性能のCW近接と、もともとの性能から隙が少なく優秀であるが、それをより確実なものにするのがLWのボム。 ---とにかく便利な性能で、適当に投げているだけでもかなり強い。範囲がそれなりに広く相手の大多数の射撃を一方的に掻き消す((掻き消されないのはCWを除けば同じボムかベルグドルのLWぐらい(ただしベルグドルはCWがボムに対し無力である)。しかも掻き消されないと言うだけなのでボムの方も健在のままである。))、当然の如くテムジン側は爆風を無視して攻撃でき((勿論テムジン同士の対戦では相手のボムによる被ダメージは無視できない。))、爆風の影から攻撃されると避けるぐらいしかやれることがない場合がとても多い。武器ゲージ回復速度も遅くはなく、''1セットの3割ほどの時間は無敵''と言われるほど。 ---更にしゃがみや前ダッシュで投げると威力もかなり高くなり、装甲の薄いバイパーIIなら3発でスクラップに出来る。 ---格闘攻撃でダメージ勝ちを狙うにも、しゃがみで投げれば''相手が弾体の一定範囲内にいれば爆発する''という性能上、トリガーを引いた瞬間に爆発する極悪性能に。爆風に触れた時点で怯んで中断することが多くまず無理。 ---その高性能さから、何も考えずにゲージが溜まりさえすればボムを投げる戦法が横行した。これがかの有名な「ボムジン」である。 ---ただしバイパーIIとフェイ・イェンならボムとボムの合間に1発だけ当てて逃げ回ると言う戦法で勝利できなくも無い。楽しいかは別だが。 --またテムジンに関するテクニックや裏技が他のキャラに比べ多いのも、強さを後押ししているといえるだろう。 -次に「1弱」のライデン。 --テムジンとは逆にクセが強い操作性に加え、武装もどこかしらの点が劣っているためCPU戦でも安定して勝つまで時間がかかる。 ---バズーカは初速と威力、グランドボムは相殺性能と威力が弱いと言われている。 ---そして代名詞であるレーザーは隙がとてつもなく大きいことに加えて、実は2本のレーザーの間に死角があり、細身の機体はライデンの真正面で直立するだけで当たらない。 --それでも稼働初期は分かっていても踏む置きレーザーによる必殺性、そしてうかつにジャンプしよう物なら見てからしゃがみバズーカで叩き落とされるという対空性のおかげで1弱ではなかった((漕ぎが発見される前のベルクドルよりは上という意見が多かった。))。~ が、CWC(センターウェポンキャンセル)((ダッシュ攻撃はトリガーを引いた瞬間から機体が停止して直立状態の硬直が終わるまで完全に操作不可能なのだが、機体が停止した瞬間にCWを撃つことにより硬直部分はキャンセルが可能だった。そしてCWは出してから一定時間レバーがニュートラルの状態から出したダッシュでキャンセルできる。故にダッシュ攻撃後の硬直はCWキャンセルダッシュで誤魔化せるということである。))が浸透した瞬間に、ライデンのみCWC不可という「1弱」となる最大の原因が露呈し、坂道を転がるがごとくランクを落としていった。~ 本来とても重要な攻撃であるダッシュ攻撃が他の機体とは比べものにならないレベルで(性能自体あまりよくないのに)重い攻撃になってしまい、自分から攻めにいくのは勿論だが、頼みの綱のしゃがみバズーカも射程制限がある故に遠距離で相手されると機能せず、後は置きレーザーに引っかかってくれるのを待つ八方塞がりな状態になってしまったのである。 --足回りが劣悪なこともあり、相手は遠距離からローリスクローリターンな攻撃を繰り返しているだけでライデン側が追い込まれてしまう。頼みのレーザーも上記な性能なため、「当たらなければどうということは無い」を体現してしまっている。 -最後に「1バグ」のアファームド。 --研究が進むまでは、トンファーと前ダッシュの速度は凄まじいけどそれ以外が大したことがないため厳しい(ストレートに表現するなら弱い)機体といわれていた。 --しかし、アファームドにはかなり実用的なテクニック、むしろシステムの穴をついたバグ技が多く、それらを駆使するとテムジンすら凌駕すると言われるほどになった。 ---もちろんそれ相応のプレイヤースキルが求められるため誰もが気軽に使いこなせるわけではない。 --移動にバグ技、射撃攻撃にバグ技、近接攻撃にバグ技、回避にバグ技と、正真正銘のバグ機体の名をほしいままにしている。 --それらを駆使するアファームドの活躍を文字にすると「前ダッシュ同等の凄まじいスピードで8方向にダッシュ可能で、逃げ攻撃である横ダッシュ射撃なのに、連射数は横ダッシュ相当、威力と誘導性は前ダッシュ相当という胡散臭い射撃を行い、不可視な近接攻撃(故にガード不可能)で止めを刺す。」という、何が何だかわからない状況になる。この状態ならボムジン相手でもトンファーでダメージ勝ちできるので問題ない。 --ただし、下記の中ボス『ヤガランデ』との相性は、アファームドの戦闘スタイルが通じにくいため非常に悪い。 //「ロボ格闘ゲーで一機だけ壊れ性能」という共通点しかないのにここでわざわざフリーダムを槍玉に挙げる必要性がない。 -中ボス『''ヤガランデ''』 --本作の1人用アーケードモードは地上での戦闘となる1~5面、宇宙での戦闘となる6~8面、そしてラストステージの全9面で構成されているが、これに加えて特定の条件を踏むことで5面の後に中ボス・ヤガランデとの対決ステージが挿入される。 --このヤガランデが恐ろしく強く、その強さは''ラスボスのジグラットをも凌ぐ''と言われるほど((そもそもジグラットは弱キャラである。攻略法を知らないとタイムオーバーの可能性があるぐらい硬くはあるが(ジグラット戦のみ体力関係無しにタイムオーバー=敗北)。))。攻撃力・防御力・機動力全てが圧倒的に高く、攻撃自体も「連射の効くRWのバズーカ」「ヤガランデを起点に扇状に10本のレーザーを放つCW」「4方向に飛ぶ高速弾に分裂、空中にいると誘導するLW」といやらしいものが揃う。 ---初見では恐ろしく回避困難なLWに加え、RWとCWは''ライデンのレーザーに匹敵''する威力を持つ。軽量級は1発で大ダメージ、重装甲のバーチャロイドでも3~4発喰らえばスクラップと化す。 ---その巨体のせいでわかりにくいが機動性もテムジンと同等。防御力もライデンを軽く凌駕する。 ---制限時間も独自設定で1ラウンド「60秒」になり短期決戦となる、これにより後記する一部のキャラは攻略難易度がさらに高い。 ---特に鬼門なのがアファームドで出現させた場合。巨体のためか格闘のトンファーがまず当たらず、確定するのも「真正面で相手が静止している状況」というかなり厳しい条件がある。そのため一度でもダメージを貰った場合、大ダメージ技による逆転は見込めない。 --その出現条件は「5面までのクリアタイムの合計が一定のタイムをオーバーすること」。つまり、''明らかにプレイ時間が長引くことへのペナルティキャラとして設定されている''。それだけならまだ良いのだが、この制限タイムがかなり厳し目で、''攻略に手間取る初心者ほどヤガランデの出現条件を容易に満たしてしまう''のである。''[[イメージファイト]]か!'' ---初心者どころか中級者以上のプレイヤーでさえ手こずらせる難敵であり、''「頑張って5面まで進んだのに、クソ強い中ボスにワケもわからないまま瞬殺された((悪い事にヤガランデ戦は開幕時の立ち合いが最も危険であり、瞬殺は文字通りである。))」''という被害は各地で後を絶たなかったという。 ---腕前が上達し、スムーズにCPUを倒せるようになればヤガランデ戦は回避できるのだが、基本設定でも「1ラウンド平均35秒以上」と結構厳しめ、さらに「ヤガランデ出現条件のタイム合計」は店側の設定で変更可能であり、「1試合30秒前後で終わらせたのにヤガランデが出た」というケースもあった。 ---ただしランキングを狙わない(本作のCPU戦はタイムアタック制である)上級者なら1コインでの試合数が増えると言う理由であえて出現させていたという面もある。%%中級者以下には迷惑だが。%% --攻略法としては、前と斜め前以外のダッシュが遅い・使用するダッシュ攻撃はRWのみでかつ回避が容易・遠距離ならCWやLWも脅威にならない、といった弱点を突く事になる。ダッシュ攻撃を誘発させる方法やボムから逃げるロジックを見切る事ができれば封殺する事もできる。そこまでが大変でもあるが…。 --コンティニューによりサイズが小さくなり耐久力が減る救済システムもある((最大2回まで弱体化。最終的にはバイパーⅡより脆くなり、ライデンのレーザー1発で撃破できるほどになる))が、大型筐体故に店舗側のワンプレイ料金が高めに設定されがちな本作でコンティニューが選ばれる事はほとんど無かった。また弱体化するのは防御力のみで火力に変化はないため、初心者にはやはり厳しい。 -オペレーター(従業員)泣かせの筐体 --このゲームは上級者ほどツインスティックを酷使する。上級者がこのゲームをプレイすると、''冗談抜きでツインスティックを最初から最後まで派手にガチャガチャしっぱなし''になってしまう。特に「漕ぎ」と呼ばれるテクニックが発見されてからはそれが顕著で、各地で「ツインスティックが折れてしまう」事態が多発。 --そもそも消耗品なうえ故意に壊したわけではないので、プレイヤーに修理費用を請求するわけにもゆかず、対戦が盛んなゲーセンでは結構な修繕費が発生していた。 --この問題点は操作系統が踏襲されていく続編『オラトリオ・タングラム』以降でもそのまま残留することとなる。 //↑筐体周りのれっきとした問題点なので余談からそのまま移動しました ---- **総評 多数の独自性を持つ本作は、ロボットアニメを見て育った世代にクリーンヒット。~ ゲーマーにはもちろんのこと、普段ゲーセンには行かないロボットアニメファンも巻き込む一大ムーブメントとなり、小説、模型化などの多数のメディアミックス展開、続編製作など、90年代後半におけるセガの看板タイトルの一つとなった。 ---- **移植 -セガサターン、Windows、プレイステーション2、プレイステーション3、Xbox360、プレイステーション4に移植されている。 -SS版はハード性能がAC基板に劣っていたものの雰囲気はかなり再現されている。周辺機器としてツインスティックも発売された。~ しかし、ゲームバランスがAC版と大幅に異なっている。 --特に2P対戦(画面分割式)はハード性能の制約かグラフィックが大幅に簡略化され、傾斜のある障害物が完全に撤去されて一部のステージがほとんど障害物のない無個性な平面マップになってしまっている。 --致命的な調整として、1Pと2Pで誘導性能が違い、遠距離ではダッシュしても避けられない武器がある(バイパーIIのCWなど)。 --またXBANDによるオンライン対戦専用のバージョンも1,500円で発売された。 -PS2版はSEGA AGES2500シリーズ内のひとつとして移植された。追加要素もある。 --PS2のボタン配置を生かし疑似ツインスティック的なキーコンフィグを設定でき、移植度も非常に高い。また、キーコンフィグにより、1ボタンでジャンプキャンセル可能、ダッシュキャンセルが『オラタン』以降の仕様(ダッシュ中にターボボタン)に変更可能など、シリーズ初心者への配慮がなされている。 --ソフトとPS2本体、ディスプレイが複数必要となるが、LANを使った“LINK対戦”(最大でプレイヤー2人分+ライブモニター2台)も可能。 --ただしプレステ用の、いくつか存在したツインスティックタイプのコントローラーに対応している物は一切無い。サターン用のバーチャロン専用コントローラーを乗っ取り改造し、設定で選べる操作タイプの一つで完全対応させる事は出来るが工作技術が必要である。 --サターン用コントローラーをプレステで使えるように出来る社外品の変換器ではこれを実現させるのは難しい。 -PS3/Xb360版は『MODEL2 COLLECTION』シリーズの1つとして配信されており、ネット対戦が可能な他、ツインスティックが販売されている。しかしPS2版と比べるとACから追加された要素は皆無で、ACのベタ移植である。またネット対戦追加の煽りを受けてか、過去の移植版では定番だった画面分割ローカル対戦が削除されている。 -SS・PS2移植版では条件を満たすことでかの中ボス「ヤガランデ」を使用できる他、PS2版ではさらに隠し要素としてラスボスの「ジグラット」でプレイするモードも収録されている(但しいずれもプレイヤー使用時は一定の性能調整が施される)。 -PS4版はダウンロード専売のオムニバスソフト『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』に収録されている。 ---- **続編 -1999年に続編の『[[電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム]]』が発売し、チャロンの全盛期が到来した。最終バージョンである『Ver5.66』は今でも大会が開かれる、10年近い年月を経て家庭用ハードに移植されるなど根強い人気を保っている。 ---- **余談 -波乱万丈の開発記 --発売後は一躍人気作となった本作であるが、製作中には様々な苦労があった模様。プロデューサーの瓦氏によるPS2版取扱説明書の寄稿文、Xb360版『フォース』限定盤冊子内のコラムなどでそのことが語られている。 #region そもそもこの時代のアーケードゲームメーカーには「ロボットを題材にしたゲームは売れない」というジンクスがあった((ただし全く無い、というわけではない。一例としてはデータイーストの『ウルフファング 空牙2001』。))。にもかかわらず新入社員からはロボットゲームの企画書がいくつも上がってくるため、中山社長(当時)が「これだけ言ってるんだから、1回くらいやらせて身をもってわからせてやるか」と判断した…という経緯で開発にGOサインが出た。それが本作である。~ この時点でもう笑えない話なのだが、さらに開発者の上司であり反対側の急先鋒であった鈴木久司常務(当時)から何度も「開発を中止せよ」と言われたり、開発中には『[[デイトナUSA]]』の名越プロデューサーにスタッフを引き抜かれたり、果てには2度のロケテストを経た開発最終段階で、社長から「IPごとB社に売却したほうが儲かるし良いのでは?」と言われたりと散々な目に遭っている。~ しかし、最後の最後で鈴木久司常務は「私はIP売却には反対です。こいつらが頑張ってここまで形にしたし、ロケテでも公約通りいい結果を出した。これは我が社に残しておくべきです」と味方についてくれた。そして彼のプッシュのおかげで無事世に出ることができた。 -ちなみに、鈴木久司常務はAM2研の『ハングオン』でも「こんな恥ずかしい物誰がまたがる」『[[スペースハリアー]]』でも「人間が空飛ぶとか頭大丈夫か?」と反対し続けた過去がある。それに対して開発者の鈴木裕氏は「売れなかったなら損失取り戻すまで給料無しでいい」として開発を押し通した。 -似たような事例として、名越稔洋監督の『[[龍が如く]]』も「ヤクザ・裏社会がテーマの作品は売れない」という理由で発売前はあまり期待されていなかった。 -このように、セガには''あまり期待されていなかった商品に限って成功し、逆に鳴り物入りだった商品に限って失敗する''というジンクスがある。ビジネスではよくあることであるが。 #endregion -開発当初は筒型で頭頂部に1つボタンがついたレバーで、ダッシュはレバーを同一方向に素早く2度倒す方法だったが耐久度とダッシュのやりにくさから現在の2ボタンのスティックの仕様となった。 -ゲームでは表ざたにされない設定だが、本作のバーチャロイドは見た目リアル系に見えつつ、その実は「&bold(){月で発見されたロストテクノロジーの産物}」であり、~ 「&bold(){物体をデータ化し電脳虚数空間と呼ばれる異空間を通じて別所へ転送した後、再び元の形に実体化させるという技術を応用して作られた}」という設定になっている。~ 「パイロットが乗り込む操縦席ユニットに組み込んだバーチャロイドの設計図を基に、この技術を応用して本体の外観を具現化させる((作中用語ではリバースコンバートと呼ばれる))ことによって、バーチャロイドの機体が成立しているという、なかなか独創的な設定である((一部の家庭用のオープニングムービーではリバースコンバートによってテムジンが形作られている様子が描かれている))。 --今でこそ『バーチャシリーズ』という言葉は『[[バーチャファイター]]』シリーズの略称として定着しているが、元々は1992年の『[[バーチャレーシング]]』以降制作されたセガ製のフルポリゴンゲームを総括するシリーズ名称のようなものであった。 ---本作の「バーチャロン」というタイトルもそれに則ったものだが、「バーチャル」という言葉を根源とする名称が設定面レベルで密接に結びついているのも珍しいと言えよう。 --PS2版のROMデータ内には&BOLD{AC版の没BGM}が入っていることが分かっている。が、PS2版のサウンドテストでは没BGMは再生されないようになっている。 そのためチートやら「PSOUND」なんていうのを使わないと聞けないようになっている。(ただし、没SEは聞ける。)&s(){でも今ならサントラで聞けるからわざわざこんな事して聞くのは...} ----

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