「スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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//文書修正及び追記関係のみにしておきます
*スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
【すーぱーろぼっとたいせん おーじーさーが まそうきしんすりー ぷらいど おぶ じゃすてぃす】
|ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B00CPZW4XO)&amazon(B00CPZW4ZC)|
|対応機種|プレイステーション3&br;プレイステーション・ヴィータ|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|ウィンキーソフト|~|
|発売日|2013年8月22日|~|
|定価|【PS3(パッケージ版)】7,480円(税5%込)&br;【PSV(パッケージ版)】6,480円(税5%込)&br;【PS3/PSP(ダウンロード版)】2,750円((2020年12月24日よりパッケージ版と同じ価格から改定))(税10%込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|ポイント|進まないストーリー&br()恐怖のニムバス&br()露骨な拝金姿勢(あるいはバランス感覚の無さ)&br()グラフィックは大きく進化|~|
|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-16年の時を経て蘇った『[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD]]』の続編。
--対応ハードはPS3/PSV。今回は約1年半での発売となり、前作で張られた伏線の解消を期待されていた。
--主なシステムはほぼ前作と変わらないが、パイロットの育成は当時の本家スパロボと同様PPを使用して行うものに変更された。ただし、本家と違ってコストゼロでPPに還元可能であり、ミッション内容に合わせて変更できる。
--本家シリーズで昨今採用されたDLCを続投。有料で追加シナリオなどをプレイすることができる。
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**評価点
-戦闘デモは今回も非常に気合の入った描写が多い。
--前作よりの使い回しも一切存在せず、プレイヤーを楽しませてくれるものとなっている。
--最終ステージではそれぞれのルートのメインキャラの最強技でトドメを刺すことで特殊な台詞パターンになる等演出面での進歩も大きい
--また、ロード時間も極めて短く、その点では非常に快適にプレイすることが可能となっている。
-BGMの総数が増え、今まで汎用BGMばかりだった味方キャラのほとんどに専用BGMを与えられた。
--正式なアンティラス隊員ではない、終盤に助っ人として加入する登場人物には専用曲がない。なお、一人だけ正式な隊員にもかかわらずBGMを与えられなかったキャラがいる。OGでも同じ目に遭ったキャラがいるのだが、案の定その二人は意気投合している((ストーリーでも、とある条件を満たすと、直前まで話していたのにもかかわらず一瞬で消えてしまい、本当に話していたのだろうかなどと言われる。))。
-シナリオもところどころで前作で不評だった部分の改善が見られる。前作ではただの空気以上の存在になれなかったツレイン、いつの間にか話に絡まなくなっていたエランは見事に汚名返上を果たしている。
--「ラングランルート」では前作鳴り物入りで参戦を果たしたにもかかわらずいつの間にか出番がなくなっていた悲劇のライバル、「エラン・ゼノサキス」の真骨頂を垣間見る事ができる。前作でエランが急に現れなくなった理由も説明されている。
--このルートのみ、前作では敵限定であったゼルヴォイドを、終盤のみではあるが操作する事が可能。更に真のポゼッションを果たし、魔装機神以上の戦力として暴れさせられる。その攻撃力は凄まじく、あのネオ・グランゾンを一撃で破壊できる程度にまで達している。
---なお、このシナリオの評価が高い理由は、『II』で盛大に丸投げしたゼルヴォイドの設定補完がなされたところが大きい。逆に言えば「''『II』でやっとけ''」と言える内容でもある。
--また、前作では簡素であった中断の掛け合いも、本家に劣らない充実したものとなった。ネタ要素が強めなのも含めて。
--ただし、飽くまで前作の不評点に対して補強しただけであり、''前作よりストーリーが優れているわけではない''。
-他にも前作において批判されていた点はある程度改善されており、努力のあとを見て取ることはできる。
--具体的には前述のスキルシステムに加え、セーブの配置の修正、インターミッションでのボイス削除、スキル枠コストを1で統一、ランクアップ前の武器も残る、武器開示率の廃止、''レオゲイラのパワーアップ''((雑誌にも載った新キャラの専用機にも拘らず、前作ではその残念なスペックでがっかりされた。本作では合体攻撃や使いやすい武器の追加で運用しやすくなっている。))などがある。
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**問題点
***システム
-過去2作と比較すると敵の能力や武器性能が極端に強化されており、非常にストレスフルな作りになっている。
//思考パターンは、1や2と実は変わってない。
--過去に登場した敵魔装機の多くは前作で使えた武器を削られているものが多く、4つあった武器が2つになった敵機もいれば、1つしか攻撃手段を持たされていない敵もいる((これは初登場となる敵が増えバリエーションが増加したうえに、アニメーションにかかる労力が以前より重くなった結果と思われ、こういった傾向は後のスパロボにも見受けられる。))。ゴリアテのバスターキャノンや、ナグロッドのジェネリックレーザーなど、前作以前は移動後使用不可能だった武器や、移動ができない固定砲台の武器にまで移動後使用可能属性が付いているなど、調整が杜撰である事がうかがえる。
---その結果、敵機体ごとの個性がほぼ消失しており、高性能武器(気力制限無し、低燃費、高威力、長射程、移動後使用可)を頻繁に使用してくる。他の武装は下位互換でしかない場合が多く、元々搭載されていた別の武器の存在意義が見事に消失してしまっている。敵の武装属性の割合も射撃偏重に偏っている(80%以上が射撃武器)ため、防御スキル「斬り返し」の利用価値がほぼ皆無となった。
--また、話が進むにつれて、一般兵の搭乗する敵機の改造度がどんどん上がっていく。弱い設定の機体ほど顕著で、改造における上昇値も大きいため、中盤以降は装甲・HP・攻撃力が一気に跳ね上がり、終盤などは''味方側は7段階しか改造できないにもかかわらず8段階~15段階まで改造された量産機がぞろぞろ登場する。''
--武器改造に関しても例外ではないうえに、ザコの攻撃力もやたら高く、その威力たるや、フル改造した魔装機であっても精神コマンド「鉄壁」を使用しない限り、防御しても数発耐えるのがやっと。無改造の機体なら防御しても1、2撃で撃破される。敵NPCの思考も移動攻撃まで含めた範囲内で最も落ちやすい機体を集中的に狙ってくる仕様となっているうえに、前作以前と比較して1マップにおける敵の数が大幅に増えたため、大抵の場合集団で襲ってくる。敵の数が少なければ、射程外から援護攻撃を交えて攻撃を行ったり、囮を配置して待ち構える等の対策が取れたのだが。
---こちらからの攻撃も、終盤は強化やランクアップがされていない武装では殆どダメージが与えられない((兆候は前作からあったが、今作で極端になった。))。反面敵からの反撃は非常に痛いため、1ターン目から気合を使う等して準必殺級の技をメインに戦っていく等の戦法が求められる。気合を使えない操者はもちろん、武器に恵まれない機体では太刀打ちできなくなっており、強制出撃の機体が足手纏いになってしまう事も多い。
--従来の魔装機神シリーズ同様高低差や向きによる命中率変動の概念があるが、敵が高所から攻撃してくるマップの方が多く、さらに高威力、長射程のP兵器の特徴を活かすことで、移動したうえで遠くから攻撃してくるため、敵がどこから攻撃してくるのか非常にわかりづらい。
--上記の要素が合わさった結果、敵の行動パターンは''最もダメージを与えられるキャラに向けて、射程ギリギリかつ最も命中しやすい位置へ移動し強力なP兵器で集中攻撃のみ''となる。このため、敵ターンではこの範囲に味方が入らないようにいちいち計算する必要がある必要があるが、前述した通り敵の攻撃範囲や行動がつかみにくい((本作に限ったことではないが、敵の移動距離は可視化させられるが、射程の方は不可能。))ため、この予測作業が非常に面倒になっている。弱いユニットが強制出撃の場合は更に面倒なことになる。
---さらに厄介なのは、不意に現れる敵の増援。前述の通り、長射程高威力のP兵器が蔓延しているため、従来の作品よりも必然的に敵の攻撃可能範囲が拡大している。さらに本作では敵フェイズに増援が現れることも少なくないため、増援部隊に強力な攻撃を集中させられ、撃墜されるというケースが多く見られる。唐突に現れるため、当然ながら前述の予測作業もほぼ不可能。
--本シリーズのユニットには本家スパロボにおける運動性(回避に関わるパラメータ)が存在せず、素の回避率はほぼ操者頼み。敵は近づかなくても簡単に攻撃ができるようになったため、前作・前々作で有用だった、耐久力に優れたユニットを囮にしたり、魔装機神シリーズ独自のシステムであるZOC((敵機体の周囲4マスより先に移動できないというもの。))を活用して敵の進行を阻むといった戦法なども取りづらくなっている。このため先述のように援護攻撃や援護防御が前作以上に重要になるはずだったが、前作で大きな批判を浴びた「1マップに○回まで援護可能」というシステム((従来のスパロボでは「1ターンに○回援護可能、すなわちターンを跨ぐと使用可能回数が全回復する」という仕様。))が改善されていないため、集団で攻められた場合はほぼ無意味となる(特に援護防御)。
-これについて、寺田Pは意図的に難しくしたと語っているが、理不尽と感じさせられるプレイヤーも多く、評判はよくない。
-前作で既に生じていた機体、操者ごとの格差が更に広がった。
--傀儡召喚業式((能力の低いユニットを一体召喚するというもので、HPが低いので敵に狙われやすく、撃墜されてもペナルティがない上に、自軍被撃墜数の増加で敵撃墜時の獲得資金が上昇するという隠し要素があるので実質的にプラスに働いている、などの事情で囮として最適。))が猛威を振るい、操者となるガエンに元々回避力がある上に精神コマンド「集中」や回避強化スキルもあるため本作屈指の囮要員となっている上、火力こそ控えめながらも燃費が抜群なので継戦能力も高いソルガディや、弱点がほぼない水属性で武装のバランスもよく、味方のプラーナを回復させるという強力なMAP兵器を持つガッデス、精神コマンド「鉄壁」を自己習得するベッキーのラ・ウェンターやミオのザムジード、等が強力な機体として挙げられる。
//グランヴェールやガルガ―ディアは↑のに比べると一段も二段も落ちる
--不遇なユニットとしては、精神コマンドや武装に難のあるマサキのサイバスターとリューネのヴァルシオーネR、本作において弱点だらけの風属性((弱点属性からの攻撃は命中されやすく、ダメージも大きくなる。風属性は炎属性が弱点であり、ニムバスをはじめとして炎属性は比較的多い。))でHPが少なく狙われやすい上に操者の能力が低いため撃墜されやすいジャオーム、ジャスティニアなどが挙げられる。
---この点が顕著になり始めるシナリオで大量に出撃する新機体「試作ニムバス」がプレイヤーに大きなインパクトを与え、「魔装機神キラー・ニムバス」などと揶揄された。炎系なので、特に風属性のサイバスターやジャスティニアなどは待機場所を少し間違えただけで、この機体によって簡単に撃墜される。
-この強力なユニットと不遇なユニットの差が非常に大きく、改造する機体を間違えたり難しいルートを選択した場合、詰む可能性がある。
-スパロボでは恒例となっているクリアデータの引継ぎにも数々の問題が生じている。
--本作では何周しようと取得した資金、PPの半分((正確には、前の周から引き継いだ資金、PP+その周で獲得した資金、PP。))を持ち越すシステムになっている。
---この半分というのが曲者で、「前の周で使用しなかったキャラのPPの次週への持ち越しは前回持ち越したPPの半分」という、本末転倒な事態に陥ってしまうこともしばしば。前述の通り使えるユニットと使えないユニットの差が顕著であるうえに、下記の通り資金的にも余裕があるとは言えず全機フル改造は厳しいため、結局使わないキャラは使わないという悪循環に突入しやすい。
---ただし、PPはある操作をすると次の周回での獲得数値が跳ね上がるというバグがある。結果''仕様の不備をバグが補っている''という、奇妙な現状に落ち着いてしまっている。
--資金は上限が約1000万なので引き継ぎの最高額は500万にしかならず、強化パーツは一切持ちこされない。また、今作の強化パーツはダメージを20%カットする、最終命中率を30%下げるなど、強力な効果な効果を持つものが多く、上記の通りバランスも悪いことも相まって、「クリアすると資金と強化パーツを入手することができるDLCを買わせたい」という意思が、どうしても窺えてしまう。
---『[[UX>スーパーロボット大戦UX]]』でもDLCは存在していたが、こちらは無限に使用が可能なスキルパーツであったため一部のボーナスパーツを除いて引き継ぎの対象となる処理がとられていた。また、なお、『UX』でのキャンペーンモードの「周回してもまた同じDLCマップをクリアしなければ資金とパーツは入手できない」問題点は解消されており、次周回からはクリア済みのマップは選択するだけで報酬を入手できる。
--とはいえ、DLCを買ったからバランスが適正になるという訳でもないので、単純にバランス設定がド下手だっただけ、と言う可能性もある。それはそれで問題だろうが。
-機体パラメータの一つである『MG』が、ほとんど機能していない。
--大抵の武器が弾数制かプラーナ消費型になっており、MGのみを必要とする武器は一部の威力の低い武装((主に無消費武器ランクアップ後の武装が該当。))と、前述したソルガディの「厭魅蠱毒の法」のみ。ほぼ全ての機体に10%の回復能力がついており操者のプラーナも数値に影響するため、フル改造ボーナスの獲得以外の改造メリットはほぼない。強化パーツの中にはこのステータスが上昇する物もあるのだが、パーツ枠の無駄になるのは言うまでもない。
-フル改造ボーナスが「精霊ランクアップ」「選択式ボーナス」「強化パーツ枠追加」で固定になっており、低スペック機の優位点が強化パーツ枠の数のみと言っていい状態に((今までは低スペック機は基本的にフル改造ボーナスが強力になっており、愛によって活躍をさせることも可能だった。))。
--当の強化パーツも「各シナリオで設定される入手条件を満たした場合のみ入手できる」という仕様上、あまり多く入手できないため、優位点と言えるかすら疑問符がつく。しかも全てのシナリオに設定されているわけではない。
---ただし入手条件自体は、従来のスパロボのSRポイント取得ほど厳しいものではない。全体で3つほど難易度が高いものがあるが、その場合は得てして貴重品が入手できる。
-表示される勝利条件、強化パーツ獲得条件が適当なことが多い。
--最終勝利条件が「敵の全滅」となっているにもかかわらず、特定のキャラを倒しただけでクリアになってしまう事もあり、知らずにそのキャラを撃破して資金や経験値、強化パーツを損してしまう事もしばしば。
--強化パーツも同様で、バゴニアルート27話では、「ギドでウェルスダインを撃墜する」という条件が提示されているが、このマップでは二機のウェルスダインが出てくるのでどちらかわからない。実際はジャンナ機をギドで撃墜すればいいのだが、最初からマップにいるのはコーデック機の方なので、そちらでいいと勘違いしてやり直す羽目になることもある。
---従来のSRWと異なり、条件を満たしてもアナウンスがなされない。この事も問題点を助長する一因となっている。
-前作で習得したはずの合体攻撃は、''登録されていない''。ランクアップで使用可能だった必殺武器も今作では使用不可。ただし、隠しスキルはレベルアップで取得する。
--味方Bクラス魔装機に用意されたランクアップ可能な武器の数も、前作の平均数2個から1個まで落とされている。
-味方の戦闘BGMが充実している反面、敵ボスのBGMは前作の使い回しになってしまっている。『II』ではラスボスなどに新規BGMが使用されていたのだが。
-PS3版は音飛びが酷く、サウンドを鑑賞する大きな妨げになっていた。
--現在はパッチで改善されている。
***シナリオ
-本作も前作同様、大きくルートが3つに分割されるのだが、ルート毎の出来不出来が激しくなってしまっている。
-特に批判が強いのはシュテドニアスルート。初回の分岐時にシュテドニアスのルートを選択すると突入するため、こう呼称される。前述したソルガディやガッデスなどの強力なユニットが集中して参加するため、難易度は最も低い。
--本ルートは''彼女に惚れれば死ぬ''というジンクスが存在する「テュッティ・ノールバック」の恋愛事情がメインシナリオの一角を担っている。
---しかし、その相手役を務める事となる「ヅボルバ・ポフ・ミマンサー」が非難の対象となってしまっている。
---彼は正式なメンバーとはならず、幾度か味方PCとしてスポット参戦するのだが、なんと彼を使って敵を撃墜しても''資金すら''入手できない((ヅボルバに限らず本作のゲストPCは全てこの仕様。もっともヅボルバの場合、機体が非常に弱いため意図しない限りは戦闘を避けて隅っこに置いているだろうが、事もあろうにこのキャラで敵を撃墜するという、嫌がらせとしか思えない強化パーツ入手条件が存在する。))。
---キャラクターとしても問題点があり、テュッティとの初対面で突如''結婚を申し込み''その後もありとあらゆる手を使って一方的に彼女とフラグを立てようとする。その回数も頻繁にあるが、ヅボルバ個人の掘り下げは特にこれといって行われず、後述するアクレイドの視点に切替わったり、フェードアウトする。
---最終的にはテュッティからも想いを寄せる事となる。過去作を鑑みるに、彼女の好みは強気な男性であるようだが、今作の展開は「ストーカーを好きになってしまった」とみられてもおかしくなくなってしまっている。一応、過去想いを寄せたキャラとの共通点はある((リカルドのように強引で熱烈であり、フェイルのように女性へのフォローが万全で自己犠牲的、といった点。))。最終的には、シリーズで(今の所)上記のジンクスを打ち破ったという大殊勲を成し遂げたのだが、なまじキャラがキャラなだけに「ジンクス発動すればよかった」「次回作で発動するんだろう」などという意見が、特にテュッティのファンから相次いだ。
--前作でシュテドニアスの有能な司令官として現れ、最後までその真意が測りかねていた、それ故に今後の動向が注目されていた「アクレイド・バロム」は、今作に置いては悪い意味で注目を浴びる事となる。彼もまた唐突にテュッティに惚れ、唐突に諦める((というより、ことごとくヅボルバの後手に回った上、アプローチを満足にできないため友人未満レベルでくすぶっているうちに終わった。))。ほぼそのためだけのキャラに成り下がってしまった。
---また、終盤はテュッティ自身の行動にも批判の声が多く挙がっている。ただし、ネタ要素としての人気は高い。
--終盤に助っ人的役割として現れる、前作にも出演した組織「アドバーザリー部隊」は、前作でその開発が進められていた「オーガイン」が未だ開発中で、前作でも使っていた量産機「スヴェンド」を用いての参戦となってしまっている。当のオーガインは、本作で判明した事実により、いよいよ持って合体魔装機説が濃厚になったが、結局日の目を見ないままシリーズ終了の憂き目にあっている。
---量産機としては高水準の性能で、決して役に立たないわけではないのだが、他のルートの助っ人があまりに強力なため、特に二周目以降にこのルートを選択したプレイヤーをがっかりさせる事となる。強制出撃も多い。なお、前作では何故か全員、格闘用の「スヴェンド・ニーダム」での参戦であったが、今作では射撃が得意なユノーとスメラは、きちんと射撃用の「スヴェンド・ゲハード」を引っ提げての参戦となっている。が、それよりも「オーガイン」を使いたかったと言う声は強い。ちなみに、他二人はほぼ話題に上がらない。
-上のシュテドニアスルートと評価点で記載したラングランルートの他に、バゴニアルートと呼ばれるルートが存在し、計3ルートを楽しめるのだが、そのいずれにおいても''主人公のマサキはあまり目立たない((また、後述のバカ扱いの他にも天然タラシや無個性な料理など、ストーリーとは無関係な所がクローズアップされている。))。''また、ルートによってポゼッションを習得できるキャラが異なるのだが、この要素のみ引き継ぎできなくなってしまっている。
--バゴニアルートではいよいよネオ・グランゾンが使えるのだが、ある事情によって不調に追いやられており、装甲が薄いうえにダメージを半減させるスキル「堅忍不抜」は使えなくなっているので、突出させるとあっさり落ちる。本調子のネオグランゾンを操作するのは『[[OGDP>スーパーロボット大戦OG ダークプリズン]]』を待つこととなる。とは言っても作中の味方機ではまぎれもなく最強レベル。
-今作でも母艦となる「フリングホルニ」は、本作において3艦に分離し、それぞれのルートの母艦となる。そのためクルーの多さはスパロボ史上でも屈指。
--当然のことながら全てバンプレストのオリジナルで構成されており、その上戦艦が戦場に出るのは限られたMAPである上に、非戦闘員も多い。
--クルーの紹介は最初の分岐後に担当者のみ行われ、ルート分岐の合流時には紹介などもなく((昼間・夜・深夜のシフトごとに分割されるため、新規参入ではなく元からいたクルーである。そのため、キャラの説明が最小限になっている模様。))、さらにキャラクター辞典もないため、下手をすると誰が誰だかわからなくなる。合流時に「誰だ、お前は」と思わなかったプレイヤーはまずいない。
---さらに、分離機構もシフトもキャラにとっては既知の事項であり、プレイヤーへ説明するために''マサキがそれらをすっかり忘れたことにされた''。また、以後も度々残念な思考回路を覗かせたため、前作から一転''バカ扱いされるようになる。''
-前作でも問題視されていた、ストーリーの消化不良感が今回も目立つ。
--前作のオープニングとエンディングを飾った謎の女性は、今作ではなんと''登場すらしない。''一応ある部分でちらっと触れられるのだが、本当にそれだけである。
--前作で明かされなかったガエンの素性についても、一切不明のままである。
--また、今作ではザッシュが早々にアンティラス隊を離れ、ラングランの近衛騎士団に所属することになるのだが…。
---この騎士団、序盤から暗躍しており、明らかに主人公たちに翻意があるようなのだが、中盤以降、''一切シナリオに出演していない。''
--加えて、いよいよ登場するかと思われた最後の邪神「ギゾース・グラギオス」にまつわる話も肩透かしで終わる。
---前作でようやく存在が知られたラスフィトートがヴォルクルス教団司教に「グラギオスよりはマシ」扱いされている。ルートによってはプラーナタンクみたいな扱いになっているなど、前作の持ち上げぶりとの落差が凄まじい。
--全体的に、前作からの伏線が回収されるどころか投げっぱなしにされただけでなく、今作で新たに伏線が追加される有様。
---今作で新たに張られた伏線の多くは次回作でバッサリ切り捨てられているので、要点だけ確認して次回作をやっても全く困らない。
-前作でも賛否両論であったアンティラスショップなどのキャラクター推し要素は今作でも健在。ただし、前作ほど極端なものではなくなっている。
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**総評
前作で挙げられたシステム面での問題点を改善しようする意識は確かに見られるのだが、戦闘バランスが極端な仕上がりとなってしまったため、またしてもプレイヤーの反感を買う事となってしまった。~
ストーリーについても、問題点にある通り伏線が回収されるどころか増加しているため、進行度ははっきり言って''『3』どころか『2.5』レベル。''今作である程度の完結を望んだプレイヤーの期待にはそぐわないものとなってしまっている。
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**余談
-前作の不評を受けてPS3/PSV版共々、初週の売り上げが前作の約半分の5.8万本と芳しくなかった。購入者には[[ウィンキーバランス>スーパーロボット大戦F]]と開き直ってプレイする者もいれば評判を聞いて購入を見送った者もおり、Amazonでは一ヶ月と経たずに販売価格が大幅下落してしまう結果となった。
--ちなみに2017年6月現在のAmazon販売価格はPSV版がおよそ1500円、PS3版が驚きの''およそ500円''。発売から既に4年近く経っているとはいえ、PS3の次回作『F』が4500円程度にとどまっていることを考えると明らかに異常であり、多量の出荷による不良在庫の発生と低評価が固まったことによる売れ行きの悪さが大きく影響を与えているようである。
-1年後の2014年8月28日、魔装機神シリーズの完結作となる続編『[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END]]』が発売された。
--売上は本作よりさらに落ち込んでしまったものの、システム・ストーリー共に本作や『II』の問題点が大幅に改善されており、汚名返上を果たした。
この項目ではスーパーファミコン用ソフト『スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』と、~
そのリメイクである、ニンテンドーDS/PSP用ソフト『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』の紹介をしています。~
判定は全て「良作」です。
|>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズ]]''|
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*スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
【すーぱーろぼっとたいせんがいでん まそうきしん ざ ろーど おぶ えれめんたる】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000068HPH)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|32MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|開発元|ウィンキーソフト|~|
|発売日|1996年3月23日|~|
|定価|7,800円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
**概要
初登場の『[[第2次スーパーロボット大戦]]』以降、シリーズのレギュラーとなったオリジナル作品『魔装機神サイバスター』。~
オリジナルながら他の版権作品にも劣らない設定が構築されており、これ単体でのスピンオフ作品として作られたのが本作である。~
『[[第4次S>第4次スーパーロボット大戦]]』、『[[F>スーパーロボット大戦F]]』までのスパロボシリーズとのシナリオ的な繋がりはあるが、版権作品は一切登場しない。~
本家スパロボや、他の魔装機神関連の作品と区別するため、サブタイトルを取って『LOE』と呼ばれることが多い。
**特徴
-同メーカーのソフト『[[バトルロボット烈伝]]』に類似したシステムが採用されている。
-それまでのスパロボシリーズとは異なり、クォータービュー見下ろしマップにリアル頭身で描かれたユニットを操作していく。
--戦闘デモもSDではなくリアル頭身で描かれている。
-「高さ」と「向き」の概念が存在し、敵よりも高い位置から攻撃を仕掛けると命中率・回避率にプラス修正。
--また、敵の側面・背面から攻撃を仕掛けると、命中率・回避率・攻撃力にプラス修正。
--極端に高低差がある場合は、射撃兵器を使うことは出来るが、格闘兵器を使うことは出来ない。
--特に背面攻撃時の修正値は非常に大きいので、敵に背面を取られず、自分は敵の背面を取るようにしていくのが基本戦術。
-ZOCの概念が存在し、敵に隣接するパネルを通り抜けることはできない。
--前述の「高さ」「向き」の概念と合わせ、戦略性のある戦い方が出来るようになっている。
-「飛行」「変形」という概念は無い。
--スパロボシリーズでは飛行可能なユニットも、全て地上戦を行う。
--サイバスターなどスパロボシリーズでは変形可能なユニットでも、戦闘時の演出を除いてずっと人型のままである。
-ユニットに「属性」の概念が追加された。
--基本的にはエレメンタル属性の「風」「炎」「水」「大地」いずれかの属性を持つ。さらに属性の位として「低位」「高位」「聖位」があり、これらの組み合わせにより得手不得手が出る。なお、ごく一部の機体は属性を持たなかったり、特殊な属性を持っていたりする。
-パイロット固有のパラメータとして「プラーナ」が設定された。
--プラーナ値に応じて機体の様々な能力にプラス修正が掛かるため、「プラーナの高い人間ほど強い」という設定を上手く再現している((本作の舞台となる「ラ・ギアス」に生まれ育った人間よりも、地上から召喚された人間のほうが感情の起伏が激しく、プラーナが高い場合が多いという世界設定がある。))。
--また、強力な武器を使う際、エネルギーや残弾と同じように消費されるため、いかにプラーナを温存しておくか、というのも戦術の一つとなる。
-本作の舞台は「地球内部」という設定ゆえ、ワールドマップ画面も「球体内面」をイメージさせる描写となっている。
--マップ移動時も、球体内面を滑るようにスクロールする。
-マップ兵器使用時に声優のボイスが再生される。
-ストーリーは二部構成となっている。
--第一章:主人公マサキが地底世界「ラ・ギアス」へ召喚された直後から、宿敵シュウを追って地上へ向かう(『第2次』、『OG』)までの出来事を描く。
--第二章:地上での戦い(『第4次』ないし『F』、『第2次OG』)を終え、ラ・ギアスへ戻ったマサキ達の新たな戦いを描く。
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**評価点
-シナリオが面白く、様々なパターンに分岐する。
--師や仲間との死別、ライバルとの戦い、ヒロインの救出(さらにルートによっては''ヒロインがラスボス化''する)など、王道に沿った熱い物語が展開される。
---特筆すべきは、ライバルとの戦いで発動するイベント「ポゼッション」。なんと気力が200も上昇する。これによって手も足も出なかったライバルを一撃で倒すことができるようになっており、見事な逆転勝利イベントとなっている。この画期的なシステムは、後に「弾丸X」や「ザ・パワー」((アニメ『勇者王ガオガイガー』で発生したパワーアップイベントで、スパロボ参戦時にも再現されることが多い。))、「[[真化融合>第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇/天獄篇/連獄篇]]」など、土壇場におけるパワーアップイベントの際に継承されており、いずれも本作に劣らぬ熱い展開。
--また、選択に応じて全く異なるシナリオに分岐していくため、何度も楽しめる。
---ラストマップが4種類、エンディングが3種類と言うのはシリーズ最多であろう。細かな分岐条件ではさらに多岐に渡る。
--テキスト自体の質もかなり高い。サイバスター自体は一見80~90年代のアニメのノリなのだが、それとは裏腹にどのキャラも現実的な振る舞いを見せる。良くも悪くも手堅いところに落ち着いている現在のスパロボとはまた違う魅力がある。
-出演キャラクターが少ない分、一人一人の表情の変化が非常に多い。
--中には1人で30種類近くという、現行シリーズのキャラよりも遙かに多彩な表情パターンを持つキャラクターもいる。
--シリアスなものからコミカルなものまで、あらゆるキャラの表情の変化を楽しめる。
-ディスク読み込みが無く、戦闘がスピーディ。
--同時期に発売された比較対象としてPSの『第4次S』、SSの『F』があるが、カセット媒体であるため読み込みが無く、また戦闘デモ自体も早い。
--他機種のスパロボが一戦闘毎に1分以上かかっていたのに対し、本作は30秒も掛からない。
--また戦闘バランス自体攻撃力偏重気味であり、一撃必殺が基本なので戦闘回数自体も少なめ。
--これらにより、非常にスピーディにゲームを進めることが出来る。
--『α』以前の作品であるため戦闘アニメは動かない。しかしその分絵の動かし方、間の取り方が絶妙であり、非常に歯切れのよい戦闘が展開される。部分的には後発のスパロボ作品をしのいでいるものもある。効果音も凝っており、実体剣系の斬撃音やレールガンの射撃音などが作りこまれている。
-BGMが素晴らしい。
--SFCながら音質は良く、世界観にあった壮大なアレンジが加えられている。曲自体もレベルが高く名曲揃い。誇張抜きで同時代のFFやDQといった大作にも決して引けを取らない。
--ベースラインの音色は主にスラップベースを採用しているが、これが非常に熱い。「フラッパーガール」や「終わりなき戦い」などが顕著。
--テュッティ、ヤンロン、ミオ、シュウなどメインキャラにそれぞれテーマ戦闘曲が新規追加された。「熱風!疾風!サイバスター」も今作で大幅にアレンジを受け、疾走感溢れる曲に。のちの『α』『OG』でも今作のアレンジを基準とするようになった。
--ちなみに『OGs』の魔装機神組のBGMは本作のものをベースにしてアレンジされている。
**問題点
-マップでのユニットの移動に時間を食う。
--高度差のあるマップではユニットは一段ずつしか上れないため時間がかかる。
---特にサイバスターは従来作では風の魔装機神として空を駆け、飛行用形態のサイバードという形態もある為、従来作を知っていると違和感が強い。
-ラスボスが弱い
--ラスボスはHPや装甲がかなり強く設定されているものの、主人公との属性の相性が悪くダメージを与えにくく、受けやすい。(主人公はその逆)
---また仲間があまりにも強すぎるなど、総じて弱く感じられてしまう。
-「気配察知」が厄介
--側面・背面から攻撃を受けた際に自動的にそちらに振り向く防御用の技能なのだが、自動判定だけに連続して攻撃を受けた際の発動運によっては逆に状況が悪化する。
---最初の敵とは別方向の後続の敵の攻撃を一方的に背面から喰らう羽目になったり、場合によってはボスに背を向けてしまう事も。
--敵の場合は後半非常に発動率が高くなりストレスが溜まったりとやや不評。
-この頃のウィンキー製スパロボの常として、後半のインフレゲー化が激しい。
--「2回行動」や「再攻撃」((攻撃終了後にランダムで同じ攻撃を再度行う。余りにも強過ぎたためか、以後のシリーズで一度も採用されていない))などの強力な技能を次々に修得し、武器の威力もどんどんインフレして行く。その一方で前述の「気配察知」のようにランダム性の強い技能が敵・味方で頻繁に発生するため大味なバランスになりがち。
-魔装機神とヴァルシオーネR以外のユニットの存在意義が危うい。
--魔装機神は他の機体に比べて武器性能、機体能力が純粋に高く、さらに前述した守護精霊のランクが高いため、与えるダメージに大きな差が生じてしまっている。
--他の機体はほぼ任意出撃であるため、魔装機神さえ改造すればいい、ということになる。タイトルにもなっているので意図的なものだろうが、他の機体を中心に使うことが一種の縛りプレイと化してしまっている。
//脇が弱くて嬉しいって事もないし問題だろう、これは
-容量の都合か、時系列的に存在しない筈のウィーゾル改やノルス・レイが第一章に登場する((それぞれウィーゾルとノルスを改造した機体だが、改造されたのは『第4次』になってからである。))、イベントマップに登場するガディフォールが色違いのソルガディの流用で済まされている((ソルガディをベースにした量産型がガディフォールという設定。))等、一部不自然な点が存在する。
--後述のリメイク版では段階的に修正された。
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**総評
スパロボの基本システムをベースに、版権キャラが一切存在しないストーリーや、多数の独自なシステムを搭載した意欲作。~
出演するキャラクターも総じて魅力的で、細かなルート分岐で大きくシナリオが変化することもあって何度も楽しめるようになっており、なかなかに完成度の高いシミュレーションゲームとなった。
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**その後の展開
-αシリーズへの参戦
--『第○次シリーズ』に続き新たに展開された『αシリーズ』にも継続して参戦した。
---『α』ではサイバスターの必殺技である「ディスカッター乱舞の太刀」が、続く『α外伝』では他の魔装機神の必殺技もSDグラフィックで映像化された。
---『α外伝』では『魔装機神』タイトル画面のBGM「ラ・ギアスの風」の追加や、『第3次』におけるネオ・グランゾンとの対決の再現なども行われたが、『魔装機神』関係は以降のαシリーズに登場しなくなった。
-OGシリーズへの参戦
--スパロボオリジナルのキャラクターを集結させた『OGシリーズ』にも『第○次』シリーズの再現として『魔装機神』のロボット・キャラクター達が参戦し、シリーズの常連となっている。
---「ラ・ギアスの風」は『OGS』で追加され、ネオ・グランゾンは『OG外伝』で登場。
---カードダス『OGクルセイド』においても、DS版発売以降は『魔装機神』出典のカードも登場するようになった。
***『魔装機神』リメイク・続編展開へ
-OGシリーズの展開が進行するにつれ、本作のリメイクを期待する声も次第に高まってきたのだが、遂に本作のリメイクだけでなく続編の展開が発表され、多くのファンを喜ばせた。
-DS版『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』
--本作のDSリメイク作。詳細は下記。
-PSP版『魔装機神I&II』
--本作の続編『[[スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD]]』とのカップリング移植。初回限定版のみ。
--発売当初は「『I』単体での発売予定はない」としていたが、『[[魔装機神III>スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE]]』発売記念として2013年7月25日からプレイステーションネットワークで『I』が単独配信された。ただし、パッケージでの単独販売はされていない。
--2020年12月24日、『I』『II』『III』のダウンロード版の価格が一律2,750円に改定された。
***その他ゲームでの登場
-『[[Another Century's Episode:R]]』
--『スーパーロボット大戦OG』枠として主役機のサイバスターが「ART-1」「アルトアイゼン」と共にゲスト参戦してファンを喜ばせた。OGシリーズの世界から転移してきた設定。
---作品自体は「期待ほどの出来ではなかった」との声は聞かれるものの、サイバスターを直接操作できるゲームはこれが初だった。
-『Z』シリーズ
--オリジナルメカ「シュロウガ」とパイロット「アサキム・ドーウィン」は、サイバスターとマサキを意識したものとなっている。
-『[[スーパーロボット大戦Operation Extend]]』
--ダウンロードコンテンツとして、サイバスターとマサキが参戦。こちらも『ACE:R』同様OGシリーズ設定での参戦。
-『[[スーパーロボット大戦X]]』
--ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。こちらはOGシリーズとは無関係であることがアナウンスされている。
-『[[スーパーロボット大戦T]]』
--ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。世界観は『X』と同一。本編では一話きりの登場だったが、後日談のエキスパンションシナリオでは序盤から最後まで同行する。
-『[[スーパーロボット大戦30]]』
--ゲストユニットとして、サイバスターとマサキが参戦。本作ではαシリーズから参戦したことが示唆されている。
***その他の展開
-1999年の5月には『魔装機神サイバスター』というタイトルでTVアニメ化。スパロボシリーズ初のアニメ作品となった。
--しかし登場メカの名称と意匠、登場人物の名称に共通点が多いという事以外は完全なオリジナルストーリーとなっている。
--本編の評価は今一(原作ファンからの評価は特に低い)だが、主題歌の「戦士よ、起ち上がれ!」は評価が高い。
//派生作品の評価自体は書いてあるページも多いので、要約で復帰
//ゲームと直接関係ないことを詳しく書く必要はないため削除
-PSリメイク版『[[スーパーロボット大戦コンプリートボックス]]』の第3次にてステージ開始時のサブタイトルが英訳と併記されるのだが、サブタイトルの一つ『魔装機神』の英訳で本タイトルを流用している。
--しかし残念なことに「''LO 'A' D'' OF ~」と思いっきり誤植している。自社製品なのに…
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*スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
【すーぱーろぼっとたいせんおーじーさーが まそうきしん ざ ろーど おぶ えれめんたる】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B003CF9RH2)|
|対応機種|ニンテンドーDS&br;プレイステーション・ポータブル|~|
//|メディア|512MbitDSカード|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|
|開発元|ウィンキーソフト|~|
|発売日|【DS】2010年5月27日&br;【PSP】2013年7月25日|~|
|備考|PSP版単品はダウンロード版限定|~|
|定価|【DS】6,090円(税5%込)&br;【PSP】2,750円((2020年12月24日より4,980円(税5%込)から改定))(税10%込)|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
**概要(OG)
『スーパーロボット大戦 コンプリートボックス』を最後に提携が解消されていたウィンキーソフトが再びバンプレスト(現在はバンナム)と提携し、プラットフォームをニンテンドーDSに移して発売された『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』のリメイク作。~
基本的な内容はSFC版と変わらないが、ゲームバランスや設定などが一部変更されている。
**変更点・追加点
-『OGシリーズ』との統一化
--サブタイトルの「スーパーロボット大戦OGサーガ」が示すとおり、SFC版が旧シリーズの設定を元にしていたのに対し本作はOGシリーズの設定を元にしている。そのためOG本編との整合性を図るために設定や物語の一部が変更されている。
---「OG1」の南極事件をマサキの視点で回想するエピソードがあるが、そのときに少しだけリュウセイが登場する。
-2回行動の習得レベルの引き上げなどの特殊技能などにいくつか変更点が見られる。
--それに伴い前半のゲームバランスはSFC版とほとんど変わらないが、後半のバランスは若干変化している。
-戦闘デモのアニメーション化
--戦闘デモのON/OFF切り替えなど、現在のスパロボに採用されているシステムも一部搭載されている。
-シナリオ上では特定のシーンでCGの一枚絵が表示されるようになった。
-やりこみ要素の追加
--用語集、一度見たCGを見られる追想録、BGMの試聴モードが追加された。
-保存できるセーブデータ数は最大''96個''。
--携帯機らしくシナリオデモや敵フェイズ中でも途中セーブが可能となっている。
-キャラクターの1人「アハマド・ハムディ」の設定変更
--「パレスチナ出身のイスラム教徒の戦闘狂((ただし「戦闘」は好きでも「戦争」は嫌っており、「パレスチナ出身だからこそ戦争がどういうものかイヤというほど知っている」「戦争は起こってしまった以上は一刻も早く終わらせるのが一番」と述べている。))のテロリスト」という極端な設定のキャラクターであり、原作では「アッラーフアクバル」((「アラー(神)は偉大なり」という意味。))「インシャラー」((「神(アッラー)の思し召しのままに」という意味。))「(すき焼きに)豚肉は入っておらんだろうな?」((イスラム教徒にとって豚は不浄の生物であり、食すことを禁じられているため。))といった台詞も存在していたが、リメイクに伴いイスラム教を思わせる台詞・描写が削除された。
-ソルガディの流用で済まされていたガディフォールに専用のグラフィックが用意された。
--ただし、第一章の時点でウィーゾル改やノルス・レイが登場するという部分はそのまま。この点はPSP版で対応された。
***PSP版の変更点
-戦闘画面のフルボイス化がなされており、今まで声が無かったキャラ達にようやく声がついた((PS版『EX』や『コンプリートボックス』等に出演していたキャラ以外。なお、一部声優が変更されているキャラもいる。))。戦闘台詞もSFC版と同様の簡素なものだったDS版から多数追加された。
-戦闘アニメの内容はDS版準拠だが、画質はハード性能相応に向上している。
-データインストール対応により、読込速度が向上するようになっている。
-容量的な都合と思われる不自然な箇所が完全に修正された。
--第一章に登場していたウィーゾル改とノルス・レイが、それぞれ改造前のウィーゾルとノルスに差し替えられた。戦闘シーンも新規で作成されている。
--他、『EX』での出来事を回想するシナリオに登場するヴァルシオーネRがヴァルシオーネに置き換えられている、全編でラングラン軍兵士の搭乗する機体がテロリスト御用達のルジャノール改から軍の主力であるブローウェルになっている等、細かい部分も変更されている。
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**評価点(OG)
-戦闘デモのアニメーション化で、機体が動くようになった。
--サイバスターの武装ディスカッターの強化版であるバニティリッパーなど、SFC版ではよくわからなかった強化後の武器も新規にデザインされた。
-CGの追加で演出面も強化された。
--女性キャラは初登場時に''ダブルスクリーンブチ抜きのCG''が表示される。
---特定のルートを通らないと見られないCGも多く、ルートや選択によって複雑に分岐する本作のシステム上コンプリートは容易ではない。
-セーブ数が96個に増加し、かなり遊びやすくなった。
--前述のように本作はとにかく分岐が多いので非常にありがたく、一からプレイし直す必要性が無くなった。
-影の薄い仲間キャラのシナリオ追加
--前述のアハマドはSFC版だと使用機会に乏しく、彼が仲間になるルートに進む利点自体ほぼないという不遇のキャラだったが、リメイク後は加入条件こそ厳しいものの''仲間になった際にいい意味でとんでもないイベントが発生''し、多くのプレイヤーから好感を得た。
#region(アハマド加入時イベントの詳細)
--加入時に「傭兵稼業と金のデモンゴーレム狩りで''少しばかり''資金を稼いできたが、俺には使い道がないから使ってくれ」とのことで、自軍へ資金を無償提供してくれる。資金提供イベント自体は他のシリーズ作にも存在するのだが、「少しばかり」という台詞とは裏腹に何と''5,000,000''という桁違いの金額をくれる。
---本作の通常プレイ1周で手に入る資金の総合計が約1,500,000、1機体のフル改造にかかる資金が250,000程度である事を考えると、アハマドの提供資金額がいかに異常かが分かるだろう。
---他の作品での資金提供と見比べても、『[[A>スーパーロボット大戦]]』にてシャアがセイラに提供した金額と『[[EX>スーパーロボット大戦EX]]』でゴルドがマサキに渡した金額が10,000、『[[W>スーパーロボット大戦W]]』でアカツキが提供した金額が200,000となっており、本作のそれが飛び抜けていることが分かる。
--このイベントによりプレイヤーからは''「アハマド神」''「アラブの大富豪」等の敬称が付き、プレイヤーどころか作中のキャラクターからも''「アハマドと言えば金」''という印象を持たれるようになった。また''続編でもほぼ同等のイベントが発生する。''
#endregion
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**問題点(OG)
-DS版では「デメクサ・シーエ」((SFC版では「シーエ・デメクサ」だったのだが、彼の出身であるエチオピアの風習(自分の名前の後に父親の名前を付ける)に倣うと「デメクサ=父親の名前」になってしまい不自然という事で、リメイクに伴い変更された。))が搭乗するファルクの改造段階が敵のナグツァートおよびグランゾンと連動しているバグが存在する。
--ファルクを改造すると結果的に苦戦を強いられることになる。おまけにファルクの武器である「竜巻」をランクアップさせていると、シナリオ「絶望の淵で」に登場する敵のグランゾンが謎のバグ武装を引っ提げてしまい、最悪の場合ゲームが進行不能になってしまう。
---この事からデメクサは「邪神デメクサ」と呼ばれるようになり、奇しくもアハマドとは対照的な評価を得る事になってしまった。
--なお、PSP版では修正されている。
-PSP版はデータの管理方法が「システムデータ」ではなく「各セーブデータ」依存になっている為、シナリオチャート埋めが非常に面倒になった。
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**総評(OG)
さすがに現在の基準で見ればシステム面で古い部分が散見されるが、ゲームとしての出来のよさはSFC版譲り。~
移植もかなり忠実に行われ、その上で新要素が追加されているのでオリジナルよりも快適にプレイできるようになった。~
なにより『魔装機神』の復活と続編展開が始まるきっかけとなったため、原作ファンにとってはただのリメイクに留まらない非常に嬉しい一作となっている。
//同じ文章をコピペして何回も書かないでください