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*ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵 【どらごんくえすともんすたーずつー いるとるかのふしぎなふしぎなかぎ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B00GGDSQLA)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2014年2月6日|~| |定価|パッケージ・ダウンロード版各5,490円|~| |プレイ人数|1~8人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|大迫力の4枠モンスター&br()パーツを組み合わせてオリジナルモンスターを作れる&br()新モンスター・新特技が大量追加され、その他にも様々な点が前作からパワーアップ&br()ストーリー・対戦共に大味なゲームバランスや不思議な鍵など、システムの一部には批判も|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2001年に発売された『[[ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵 ルカの旅立ち/イルの冒険]]』のリメイク作。~ 前作『[[テリーのワンダーランド3D>ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D]]』同様、『[[ジョーカー2>ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2]]』のシステムをベースにしている。 今回は『ドラゴンクエストモンスターズ1・2 星降りの勇者と牧場の仲間たち』の時と同様にバージョン分けはされておらず、ゲーム開始時にルカかイルを選択することができる。 ---- **特徴 -概要の通り、セーブデータ作成時にルカ(兄)かイル(妹)のどちらを操作するか選択できる。 --選択しなかった方は牧場の管理兼主人公のアドバイザーとなり、途中で変更することはできない。 -スカウトアタック、配合、スキルシステム、プレイヤーの特技等のシステム周りは『ジョーカー2』から培ったシステムを採用。 -『モントナー』という、見た目や性格((ジョーカーからの仕様上基本的にモンスターには存在しなかったが、モントナーに限って特別に採用されており、ステータスの上限に影響する。))をカスタマイズできるモンスターパートナーが仲間になる。 --アイテム「モントナーの宝珠」を使うことで見た目を変更することができるが、モントナーの宝珠の入手数には上限がある。 --モントナーは配合する場合絶対にモントナーしか生まれない。てんせいの杖等も無視される。 --元々のランクはFだが、すれちがいバトルではスカウトできない。 --始めは1体しか手に入らないが、裏シナリオをクリアすると2体目が手に入る。 -『[[DQX>ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン]]』で導入された『転生モンスター』を導入。 --DQXとは異なり、「一定確率でマップ上の特定の場所に色の違う転生モンスターのシンボルが出現する」という形になっている。転生元のモンスターを倒し続ける等すると、転生モンスターのシンボルが出現する確率が上がる。極端な話、対象のモンスターを倒してなくても、また初めて行った所にいきなり出現している事も・・・。 --一部『DQX』とは転生元のモンスターが違う種族((例えばクイーンモーモンは『X』ではピンクモーモンの転生だが、本作ではマポレーナの転生となっている。))や、本作オリジナルの転生モンスター((『X』に存在しなかったサボテンボールには、サボテンゴールドという転生モンスターがいる。その他、Xにもいるセルゲイナスは、何故か転生先だけがシルバリヌスという新規モンスターに変更されている。))がいる。 -超Gサイズ --ギガボディを超える4枠の超巨大モンスターが登場。~ ほとんどがストーリーにおいて重要な役割を持っており、プレイヤーが入手できるのは基本的にクリア後となる。 ---攻撃が全体攻撃になるのはもちろん、追撃まで与えることができる。 ---入手済みモンスターを網羅しているはずの「めぐりあいの塔」には出現しない。 --4枠モンスターは本作初登場のモンスターが大半だが、オリジナル版でお馴染みのモンスターもいる。GB版にいた歴代魔王の進化系は全員4枠になっている。 -新生配合 --前作の究極配合に代わる、本作の目玉システムの一つ。~ 両親の配合プラス値が☆(100)になる状態で『しんせいのタクト』を装備させて配合に出し、『しんせいの宝珠』を一つ消費することで、新生配合させるモンスターの特性を、''配合相手のモンスターの特性一つと入れ替えることができる''。 --例えばメタルキングに『会心かんぜんガード』や『つねにアタックカンタ』の特性を持たせることで物理攻撃にも鉄壁の守りを持たせたり、『AI○回行動』を持たせることで行動回数を増やす、逆に外す(他の特性にする)ことでステータスを上げたり((行動回数が多いモンスターは、それだけ特性によってステータスの上昇を抑えられている。))することができる。 --『メガボディ』や『ギガボディ』を持たせることでサイズを大きくすることもできる。パーティのアイコンでは増やした枠数だけ四角アイコンが連なり、当然戦闘中(+牧場)での表示も巨大化する。~ サイズを大きくすることで解放される特性も存在し、ライブラリで確認できる。~ ただし元のサイズより小さくしたり、モントナー以外のモンスターに『超ギガボディ』を持たせることはできない。 --また、特性の組み合わせが強すぎると判断された場合は、『しょうひMP×2』『強者のよゆう』等のデメリット特性が付与される(新生配合時に確認が入る)。~ 本作ではデメリット特性はこの方法でしか与えられない。 ---因みに、裏ラスボス第1形態など一部のモンスターは素の特性の組み合わせが強すぎるため、新生配合時に特性を弱いものに入れ替えないと確実にデメリット特性が付いてしまう。このため「新生配合しない方が強い」と言われてしまうことも…。 -あくまの黙示録 --前作にいた「あくまの書」の上位種。~ 配合時子供に受け継がれなかったスキルの中にスキルポイントを20以上振り分けたものが3つ以上存在し、尚且つそれらのスキルポイントの合計が300以上の場合、本来生まれるモンスターに加えてあくまの黙示録・だいあくまの黙示録・魔王の黙示録というモンスターが誕生する。 --スキルを決定する際に、受け継がれなかったスキルの他に新しいスキルがランダムで2つ生成される。最強○○といったスキルや、レアモンスターの固有スキルが生成されることもある。 -戦闘速度の倍速機能 --最初の異世界をクリアすると、戦闘を2倍速で行えるようになる。さらに、表ラスボスを倒すと3倍速で戦闘を行えるようになる。 --通信対戦では1倍速で固定。 -着替え --ゲーム中に「服」を入手すると主人公を着替えさせることが出来る。~ 服はストーリーを進めると新しく貰える他、宝箱に入っていたり、型紙を5枚集めて天空の世界にいる仕立屋の所に持っていくことで作って貰える。 --ストーリーを進めることで貰える服はそれぞれがストーリーで訪れる異世界の雰囲気に対応したものとなっており、世界観を盛り上げるのにも一役買っている。 ---イベントで指定の服を着てくるよう求められるシーンがある他、それ以外のシーンでも主人公の服装によってキャラの台詞が変わることがある。 --主人公の現在の服装はすれちがいのアバターにも適用される。 --主人公として選ばなかった方も、牧場に帰った時ランダムで着替えていることがある。 -マップ上でのアクション --マップ上で十字キーを押すと、押した方向に対応したアクションが発動する。アクションは以下の4種。 ---『おどかす』:モンスターに後ろから近づいて使うと追い払うことが出来、さらに一定確率でアイテムを落とさせることが出来る。トラップモンスターの識別にも有効。 ---『口笛』:近くにいるモンスターを呼び寄せる。主人公が進入出来ない領域(空中など)にいるモンスターと戦闘したい時に有効。 ---『踊る』:こちらに反応していないモンスターに近付いて使うと一定時間踊らせることが出来る。踊っているモンスターに接触すると確実に先制することが可能。こちらもトラップモンスターの識別に有効。 ---『しゃがむ』:使うと敵の追跡を振り切ることが出来る。こちらに反応した敵が迫ってきていても、距離さえ離しておけば有効。この特技によって主人公を見失ったモンスターは頭上に「?」マークが表示され、追跡を諦める。また、?マークが出た直後のモンスターは少しの間こちらに反応しなくなるため、上記の『踊る』と組み合わせるテクニックが一部の鍵で重要となる。 --Bボタンを押すとジャンプする。 ---主にダメージ床を飛び越えるのに使う。これが重要になってくるダンジョンも存在する。 ---飛び越えられなくても、ダメージ床の上をジャンプしながら進むことで受けるダメージを軽減出来る。 -武器の強化 --『X』から逆輸入された要素として「武器のできのよさ(☆の数で表示される)」がある。☆付きの武器を鍛冶屋に持って行くことで、☆の数だけ追加効果を付けることが出来る。 ---無料だが、素材のアイテムが必要となる。必要なアイテムは付ける効果によって決まっており、強力な効果を付けるにはそれなりのレアな素材が必要。 ---付けられる効果は能力アップ系の他にも、戦闘から必ず逃げられるようになる、会心率上昇、スカウト率上昇、耐性の底上げなどがある。 --武器の種類自体も前作より増え、対戦時にも装備効果が反映されるようになった。 **GB版からの変更点 -最初の異世界に行く前にチュートリアルがある。 --牧場の隣にチュートリアル用のフィールド『はじまりの海岸』が増設されている。 -新規ダンジョンが幾つか追加されている。ストーリー攻略とは関係のない寄り道的なダンジョンもある。 -殆どのダンジョンのマップが変更されており、全体的にGB版よりも複雑な構造になっている。 -ストーリーや台詞などが一部変更されている。 --本作の目玉である4枠モンスター絡みのイベントが追加され、一部のイベントがそれに合わせて変更されている。 ---ラスボスにも4枠の第2形態が追加された。1ターンで一気にテンションを100まで上げる、最大HPを減らす特技を使ってくる等かなりの強敵になっている。 --4枠モンスター関連以外でも、細かい部分が変更されていたりする。探してみるのも一興か。 --GB版・PS版では特定のモンスターを連れて行かないとストーリーが進まない場面が多かったが、本作ではその殆どが着替えや十字キーのアクション等でストーリーが進行するように変更されている。 -異世界の宿屋が全て無料になり、死亡からも復活させてくれるようになった。 --死亡以外の状態異常は全て戦闘終了後に回復する仕様になったため、教会が廃止された。 --因みに各地の宿屋には必ず神父がおり、無償で死者を復活させているとのこと。 -お母さんのお使いの内容が一新された。 --指定された素材を持っていくと報酬として素材数点と☆付きの武器が貰える。武器強化のチュートリアル的な側面が強く、指定の素材と報酬の素材を合わせると武器に特殊効果を付けられる組み合わせになる(持って行った素材は無くならず手元に残る)。 -GB版と比較するとストーリー中の敵のステータスが大幅にインフレしており(尤も、プレイヤー側もGB版と比べるとかなりインフレしているのだが)、前作と比較しても難易度がかなり上がった。 --ボスも相応に強化されている。 ---原作では1体のみだった鉱山の爆弾岩が本作では4体で登場する等、GB版では単体で登場していたボスの多くがお供を引き連れて登場するようになった。 ---単体で登場するボスも、種族本来の特性にかかわらず1ターンに2回行動するなどかなりの強化を施されている。 ---- **評価点 -全モンスターがテンションアップを使えるようになった。 --これにより、スカウトのためだけにわざわざテンションアップが使えるモンスターを連れていく必要がなくなった。 --テンションを上げてから攻撃することで○○カンタ系を貫通出来る(但し威力は通常より落ちる)ようになったため、呪文や息などが使えるモンスターを連れていない時に「つねにアタックカンタ」を持つ敵に対して詰むこともなくなった。 -スカウトアタック時に、1ターンに2回以上行動するモンスターはきちんと行動回数分攻撃してくれるようになった。 -前作と違い、強力な特技を習得させてもデメリット特性が付かなくなったため、強力な特技を覚えさせやすくなった。 --デメリット特性の種類自体も前作から減っている。 -戦闘の2倍速・3倍速機能によりゲームのテンポがかなり良くなった。 -AIの設定の機能が強化された。 --単なる使用の可否の切り替えだけではなく、優先的に使わせたい特技を指定できるようになった。 ---使わせたい特技の優先度を上げるだけでなく、使わせたくない特技の使用を禁止することもできるようになった。 ---これにより歴代ドラクエAIの「○○を使って欲しいのにそれを無視して燃費の悪い特技ばかり使ってしまう」という悩みが初めて改善された。 -ルーラで移動可能な箇所が増えた。 --町だけでなく殆どのダンジョンの入り口にも移動可能。本作では道中の敵が強めに調整されている一方、ダンジョン内で一旦引き上げたり全滅したりしても再挑戦が容易になっている。 -めぐりあいの改善 --今作のめぐりあいはモンスターのランク別に鍵が分けられている。~ ストーリーを一定まで進め、特定のランクのモンスターを一定数集めることで当該ランクの鍵を入手可能となっており、ストーリー序盤から利用できる。 --前作では希望のモンスターが出ないまま次のランクの階層まで到達してしまう事があったが、今作では希望のモンスターがいない場合はエリア内の旅の扉に入る事で出てくるモンスターの種類が変わるように改善された。 -シンボルエンカウントを活かした演出は好評。 --異世界で暮らしているモンスターの生態系が上手く表現されている。~ 他のモンスターを捕食していたり、モンスター同士でダンスや戦闘などをしていたり、木などに擬態していたり、フィールドの様々な所にモンスターの巣があったりと芸が細かい。 ---マップ専用のモーションが作られているモンスターもいる。 --時間・天候の変化にも対応しており、昼間は動き回っていたモンスターが夜になるとマップの隅の方で寝ていたり、悪天候になると非常に慌ただしく走り回る等の変化がある。 ---ダンジョン内に生息するモンスターも同様に、時間帯によって出現位置や行動が変化する。 --同じモンスターのシンボルでも1体1体大きさが違う場合がある。 --前述のマップ上のアクションの1つである『おどかす』を使って他のモンスターを捕食しようとしているモンスターを追い払うと、確実にアイテムを落として逃げていき、捕食されそうになっているモンスターを助けることが出来る。助けたモンスターからもお礼にアイテムを貰えるイベントが発生する。極低確率だが、助けたモンスターが仲間になることもある。 ---モンスターが捕食されてしまった場合、捕食したモンスターの頭上に「♪」マークが表示され、少しの間主人公を追いかけて来なくなる。捕食されたモンスターがアイテムを残すことも。 --そうした凝り方の功罪と言えるが、SDシンボルながら''なかなかグロい''捕食/死滅演出も前半から少なくない。概ねライトで低年齢層にも好もしい雰囲気だけに、歩いているだけで突如として不可避的に苛まれる一面には賛否がある。 -ライブラリ(図鑑)で、モンスター・スキル・特性だけでなく特技・アイテムも確認できるようになった。 -ジョーカー2以降廃止されていた、図鑑のモンスターの説明文が復活した。 --細かいネタも充実しており、読んでいるだけでも楽しい。ナンバリングのボス等の重要モンスターの説明文は勿論のこと、雑魚モンスターでもナンバリング作品を意識したネタが書かれている者がおり、ファンなら思わずニヤリとさせられる。 -すれちがいの強化 --前述のアバターの他、称号とすれちがい時のコメントも設定可能。 --Wi-Fi対戦で当たった相手とすれ違えるようになった。 --一度に複数のプレイヤーとすれ違った場合、一括して『結果だけ表示』出来る機能が追加された。 --一定回数勝利する毎に乱入してくる『謎の盗賊団』と『伝説のマスター』を結果だけ表示・思い出の戦いに保存出来るようになった。 --他のプレイヤーとすれ違えなくても、一定歩数歩く毎にスクエニが配布しているパーティとすれ違える(公式が配信しているデータはアバターがカメハ王子になっている)。勝利すると必ずモンスターが仲間になる。 --いつの間に通信で公式が配信しているパーティとすれ違えることもある。 --前作とは異なり、新生配合したモンスターをスカウトしてもきちんと図鑑に載る。 --GB版にあった『夢見る卵』がすれちがいの要素として続投している。 ---手持ちの卵1つを夢見る卵としてセットすることが出来る。すれ違ったプレイヤーのパーティのモンスター1体(又は?マーク)が生まれるモンスターの候補に選ばれ、候補が10個溜まるとモンスターが生まれる。~ 卵が孵化する時は候補のモンスターの絵柄がルーレットとなって回り、プレイヤーが任意のタイミングで止めることで生まれるモンスターが決定される。?マークで止めると、その卵を夢見る卵にセットした時に生まれる可能性のあるモンスターの中からランダムとなる。尚、?マークは未入手のモンスターがやや生まれやすくなるという補正が掛かっている。~ ルーレットの速度は高価な卵ほど速くなる。白い卵は簡単に目押しできるが、虹の卵は余程慣れた人でもない限り目押しするのは難しい。 ---虹の卵をセットすれば、スカウト不可能なSランク以上のモンスターも候補に入るようになる。これにより、Sランク以上のスカウト出来ないモンスターばかりのパーティとすれ違ってもそのパーティのモンスターを入手出来る可能性がある。 ---このため、Sランク以上のモンスターの配信も好意的に見られるようになった。~ しかし、夢見る卵の候補に入ることのないモンスターの配信は相変わらず嫌われているというのが実情だが・・・。 ---同じプレイヤー同士だけで交換を繰り返していても孵化しなかったGB版とは異なり、同じプレイヤーと何回すれ違ってもその都度カウントされる。 -原作同様に冬眠機能が搭載されており、レベルを上げたくないモンスターを冬眠させて経験値が入らないようにすることが出来る。 --1体ずつ冬眠させられるので便利。 --すれちがい用のモンスターのレベルが上がるのを抑えられる。 -配合画面で、現在牧場にいるモンスターから何が作れるか検索する機能が搭載された。 --ランク・系統での絞り込みの他、未入手のモンスターが作れるか調べることも可能。検索結果の表示が遅いのが難点だが、それを差し引いてもかなり便利。 -卵の問題点が改善された。 --卵を孵化させる時に強制的にセーブされる仕様が無くなった。 ---但し、モンスター博士に預けた時点で中身が決定してしまうのは前作同様で、セーブせずにリセットするとペナルティ(後述)があるので厳選の際は注意。 --卵の名前が廃止され、孵化する前にネタバレされることも無くなった。 --前作では、卵が厳選できない仕様である上に図鑑コンプには卵からしか生まれないモンスターが何体も必要なのが問題視されていた。しかし今作では祠で卵を孵化させることでしか生まれないモンスターは(すれちがいや前作からの引き継ぎで連れてこられるものを除くと)1体しかいない。その1体も、他のモンスターを配合で生み出すのに必須という訳ではない。 ---このため、前作ほど卵の孵化を何度もさせられるようなことはなくなった。 ---一方、卵の中身自体が前作から劣化しているという指摘もある(後述)。 -持っている鍵の一覧の画面で出現するモンスターを確認することが出来るようになった。 --これにより、GB版・PS版のように一々「みみうち」を使ったり出現モンスターをメモしたりする必要がなくなった。 -対戦で規定ターン数が経過しても勝負が付かなかった場合の判定に用いられるスコアが表示されるようになった。 --但し、最終ターンには表示されなくなる。 -Wi-Fiショッピングが便利になった。 --前作ではランキングバトルに接続する度に強制的にその日の商品が入荷されてしまったが、今作では任意のタイミングで入荷することが出来る。 --移動中のコマンドに『みんなの通信広場』が追加され、例外的な場所を除きどこにいても瞬時にWi-Fiショップに行くことが出来る。 ---対戦、Wi-Fiショッピング、いつの間に通信、配信データのダウンロードが行えるコマンドである。 -仲間モンスターの耐性が一覧表形式で表示されるようになり、分かりやすくなった。 --弱点は赤字、耐性有りは青字で表示される。 -移動中の視点を左右だけでなく上下にもある程度動かせるようになった。 --また、マップ画面でスクリーンショットを撮れるようになった。 **賛否両論点 -モントナーの自由度はそれ程高くない。 --オリジナルモンスターを作れるということで今作の目玉の一つだったのだが、パーツのバリエーションはお世辞にも多いとは言えず、対戦で遭遇する他のプレイヤーのモントナーに既視感を覚えやすい(一部のパーツに人気が集中していることもそう感じられる原因の一つではあるが)。 --パーツ数は少ないが色替えパターンは豊富に用意されているので、カラー変更も含めた組み合わせのバリエーションはそれなり。 -ストーリーのゲームバランスがやや不安定 --対戦を前提とした消費MP調整のため、ストーリー中のMP管理がきつい。 ---特に、回復に割くMP消費が多すぎる((ベホイミは消費MP22、ベホイマは90、ベホマラーは60、ベホマズンに至っては180も消費する。賢さの値により上記呪文の効果量は600以上にもなるが、それを差し引いてもなお消費MPが高い。無論、リメイク元とは比べ物にならない。))ことがよく指摘される。『消費MP半分』や『回復のコツ』で回復系の消費MPを抑えたモンスターを複数体控えさせておく等の工夫をしないと、すぐMPが切れてしまう。 ---この点は前作でも同様だったが、今作は「前作と比較してモンスターのMPが全体的に上がりにくい」「一部の回復呪文の消費MPが更に増加」「前作にあった『回復ボトル』((冒険中、1度だけモンスターのHP・MPを全快させることが出来るコマンド。))が廃止」「道中の雑魚が全体的に強め」「MPの自動回復が弱体化」等の理由から、前作以上にMP不足に陥りやすい。 ---そもそも前作では「ボス戦の1つ前のフロアにHP・MPを全回復するポイントが設けられている」「ルーラでボス戦の1つ前のフロアに移動可能」といった配慮がされていたため、本作ほど消費MPの多さが問題にされることはなかった(前作のシナリオ攻略が至れり尽くせり過ぎただけとも言えるが)。 ---このためか、本作は前作に比べてマップ上でMP回復系のアイテムを拾える頻度が高い。惜しまず使うのが攻略のコツ。 ---MPを奪うマホトラ系の特技が非常に強く、雑魚敵に1回使われただけでも大量のMPを奪われてしまい、連発されようものならあっという間にMPが尽きてしまう。~ 逆にこちらが使った場合も強力なので、回復役に持たせておくと非常に心強い。 --本作はモンスターズシリーズとしては難易度が高め(敵が全体的に強め)。要所できちんとレベル上げや配合をしないと非常にきついバランスとなっているのだが、そのレベル上げをメタルエリア(かなり序盤から使用可能)で行うことが前提なのか、道中の雑魚の経験値がその時点での適正レベルに対してかなり少ない。レベル上げはメタルエリアで行って雑魚戦は極力回避するのが最も効率が良くなってしまっている。 ---序盤はそれ程気にならないが、ストーリーが進むにつれ経験値の低さが顕著になる。表ストーリー最後の異世界である『狭間の世界』に至っては、敵1体あたりの平均的な経験値がGB版やPS版の半分以下にまで引き下げられてしまっている。 ---ちなみに雑魚戦は、序盤から入手できるとあるアイテム(市販品)を武器に1個合成して装備するか、『にげあし』特性を持つモンスターをパーティに入れておけば確実に逃げられるようになる。また、ストーリーの世界では敵の出る場所でライブラリを開閉すると一時的に敵のシンボルが消えることを利用してエンカウントを容易に回避することが出来る。 //レベル上げだけならまだしも、雑魚敵には素材集めやらスキル集めやら配合材料集めやらで大分お世話になるはずなので、メリット皆無とまでは言い難い。両方プレイした者の感想としては少なくともスーパーシールと同列に語るほど無意味な要素ではない。 ---一応、「雑魚を一部または全てスルーすることで難易度を下げてプレイすることが可能」という前向きな解釈も出来なくはないが、敵の強さと経験値のバランスが十分に練り込まれていないのも確かである。~ 本作のフィールドはストーリーに無関係なダンジョンやモンスターの生活感を感じさせる小ネタが増えただけに、そういった要素を楽しみつつ自然にレベル上げが出来る構成になっていないのは非常にもったいない。 --また、メタルエリアの利用が前提のゲームバランスのせいでストーリー進行に伴う難易度曲線も激しく、敵が急に強くなると感じる箇所が多数ある。~ 状態異常の特技を連発する等、初見殺しの戦法を使うボスも多くなっている(一応、特定の戦法を使えば完封出来るボスも存在するが…)。 #region(例。長いので格納) ---天空の世界のはぐれメタルはお供を2体引き連れて現れるようになった上、中盤のボスなのに上級特技である『ビッグバン』を使用する。ビッグバンのダメージ自体は原作より弱体化しているのだが、それでもこの時点ではかなり痛く、運悪く連発されると壊滅状態になる。~ 耐性のあるモンスターで固めようにも、昨今の作品ではビッグバンが複合属性の特技になっているので軽減が難しくなっている。そもそも判断力が高く、耐性から攻撃呪文もビッグバンも有効でないと判断すると無属性4回攻撃の『星降りのサンバ』を連発するようになるため、メタル系でも易々と倒される危険がある(同様の理由で、時折使ってくる攻撃呪文を反射しようとマホカンタを使うとビッグバンを連発するようになる)。~ ビッグバンを抜きにしても、『メタルボディ((受けるダメージが1/3になる代わりに消費MPが2倍になる))』と『スモールボディ((ステータスが0.8倍になる代わりに回避率が上がり、更に『こうどうはやい』と同じ優先順で行動出来るようになる))』の特性を持つ上にHPが減ってくると最上位の回復呪文であるベホイマを唱えて最大HPの2/3程を回復してくるというかなりの強敵となっている。~ 一応、このはぐれメタルが出現するダンジョンの最寄りの町に「洞窟に行くなら魔神斬りが使えるモンスターを連れて行け」と忠告してくれるNPCがいるが、肝心のビッグバンについては忠告してくれない。そもそも話を聞くのにお金を要求してくるために聞かなかったプレイヤーや、GB版・PS版では休み系特技で動きを止める→魔神斬りのコンボで容易に撃破出来たことから完全に油断していたプレイヤーも多いと思われる。~ 本作でもメタル系が休みに弱い点は変わっていないが、このはぐれメタルのみ休み属性に反射耐性が付けられており、上記のコンボで倒そうとすると逆に使用者が高確率で1回休みになってしまうという罠が存在する。~ また、メタル狩り要員の「れんぞく」持ちのモンスターに魔神斬りを持たせていた場合、ダメージが分散する上にスモールボディのせいで攻撃が外れまくるのでダメージを与えにくくなってしまう。~ 実は「守備力低下が効く」という弱点があり、それを使えば魔神斬り戦法以上に楽に倒せるものの、それに気付かずに挑むと天空の世界の大ボスであるムドー以上に苦戦しかねない。 ---原作で最強クラスの特技だったビッグバンばかりが驚かれやすいが、天空の世界の最初のボスも完全2回行動でビッグバンより威力がやや劣る程度の強力な複合属性の全体攻撃『トルネード』を連発し、HPが減るとベホイマを使用してくるという強敵。 ---表ラスボス第2形態は完全3回行動なのだが、ハイテンションを2回連続で使って一気にテンションを最大まで上げた直後に攻撃してくることがあり、まともに食らってしまうと全員が500前後のダメージを受ける。~ 但し、人によっては補助や状態異常系の特技を連発する第1形態の方が強いと感じることもある。 ---裏シナリオ序盤のダンジョンのボスである水竜ギルギッシュはお供にラリホーマ・甘い息・眠り攻撃・メダパーニャを連発させ、自身はヒュプノスハント((眠り・混乱状態の相手には通常攻撃の2倍のダメージ、それ以外の相手には通常攻撃の半分のダメージを与える全体攻撃。))を連発してくる。~ おまけにこのダンジョンでは何の変哲もない通路を歩いている最中に唐突に上からボスが落ちてきてボス戦になるため、準備が出来ていない内にボス戦に突入してしまう危険性が高い。 ---裏シナリオ終盤のボスであるオリハルゴンとしん・りゅうおうは、間にエピソードを挟まない連戦(この間に配合やレベル上げ等に行くことは可能)であるにもかかわらず2体の強さの差が極端。しん・りゅうおうは完全3回行動で全体に大ダメージ+1回休みの追加効果の特技を連発する((「3回の行動の内2回は特技を使い、1回は通常攻撃をする」というルーチンになっており、持っている特技4つの内2つが1回休みの追加効果付き))ため、休み耐性のないモンスターを多く連れているとオリハルゴンに余裕で勝てたパーティでも殆ど何も出来ないままハメ殺されて全滅する危険がある。 ---裏ラスボス第2形態は『皆殺し((使用者を含む誰か1人に会心の一撃を繰り出す特技。3枠以上のモンスターが使用すると対象が敵全体か味方全体のどちらかになる。))』を使用してくるのだが、本来の仕様とは異なり「自身には絶対に当たらない」という凶悪な補正がかかっている上、食らうと全員が600前後のダメージを受ける。本作の会心の一撃は固定ダメージのため、ラスボスの攻撃力を下げてもダメージを減らすことが出来ない。~ 一応、皆殺しは斬撃属性のため『赤い霧』で封じることが出来、無属性の特技である『会心封じ』もたまに効く。更に『会心かんぜんガード』の特性があれば完全に無効化できるため、一切対処不可能という訳ではない。また、裏ラスボスが皆殺しを使う頻度自体は少なめに設定されている。 #endregion --ボス戦のバランス自体も前作までと比べて大味になっている。 ---今作では最序盤から全てのボスとそのお供に状態異常系の特技と一部の高威力の攻撃特技((死んでいる仲間が多い程威力が上がる「うらみぶし」、最大HPに応じて割合ダメージを与えるベタン系呪文など。))が絶対に効かない仕様になった。更に、前述したように敵の火力が全体的に高め・回復呪文を多用出来ないというバランスのため、ボス戦で取れる戦法が正攻法でのゴリ押しや反射・霧などに限られ、一部を除いて「レベルと耐性を上げて物理で殴るのが最も効率的」「殺られる前に殺れ」という少々味気ないものに。 ---ナンバリング作品だとボスに状態異常が効く例が結構あるのを考えると極端過ぎる調整である。ボスに状態異常が何でも効いてしまうのもまた味気ないが、本作は状態異常系の特技を多用するタイプのボスが序盤から非常に多く、おまけにボスとそのお供が使う状態異常特技が効きやすいように調整されている((今作では殆ど全てのボスとそのお供が『全ガードブレイク』という相手の全ての耐性を1段階下げてダメージ・状態異常を与えることが出来る特性を持っているため、ボスの使用する特技に対して無耐性だと弱点と同じ扱いになってしまう。))ため、それらの対策が霧で封じるか反射や耐性埋めで食らわないようにするぐらいしかないのはかなり不公平である。 ---なお、自作鍵の世界のボスとそのお供はストーリーの世界のボスとは耐性の設定が異なっているらしく、耐性が上げられてこそいるものの一部の状態異常(呪い、封じ系など)が有効になっている。お供には行動不能系の状態異常も効く。 -めぐりあいの仕様変更。利用の敷居が下がり使いやすくなった一方、前作より不便になった箇所もいくつか存在する。 --前作と違いメタル系以外の敵が一様にこちらに向かってくる上、後述のようにステルスが出来ない。~ おまけに敵を倒しても経験値とゴールドが一切入手できない仕様に変更されたため、目当てのモンスター以外と接触するのが時間の無駄でしかない。 --Sランク以上及び2枠以上のモンスターのスカウト%が前作より上がり辛くなっている。 ---めぐりあいや夢見る卵を除くとデータ毎に1体しか手に入らないモンスターが3体いるのだが、その内1体がSランク・3枠なので捕まえるのに苦労する。 ---ただし超ギガボディモンスターは一回のアタックごとにスカウト率が10%追加される。そのためこの仕様さえ知っていればAI4回行動持ちの四枠に任せればどんなモンスターでさえ40%の確率でスカウトできる。 --序盤から使えるようになったとは言え、鍵を入手したばかりの時点では到底勝ち目のないような強さのモンスターが出現するため、めぐりあいの鍵で初全滅したプレイヤーも多い。 ---めぐりあいの鍵で出てくるモンスターの戦闘時のスキル構成は完全ランダムなため、Fランクの鍵でもいきなり強力な特技を連発されて即全滅ということが起こり得る。 ---後述する鍵の仕様のため、「直前でセーブ→スカウトに失敗したらリセット」でスカウトに成功するまで粘る方法も不可能。 -BGMの多くが前作からの流用であることがしばしば批判される。 --とは言え、オリジナルであるGB版でも1と2で同じBGMが使い回されていた場面は多かったので、リメイクである以上仕方のない点と言える。しかし、以下の点は特に批判されることが多い。 --水上を渡る時のBGMがカットされ、水上移動中もフィールドの曲のままになってしまった。 ---内部データ上にはきちんと収録されている。曲名が『帆立貝に乗って』なので、水上移動が貝に乗る演出ではなくなってしまったことが理由だろうか? --戦闘BGMの幅が狭い。 ---全曲の音源が前作からの流用である。また、通常戦闘BGMは初代から、汎用ボス戦BGM・他国マスター戦BGMはジョーカー1からずっと同じ曲なので、「流石に食傷気味」との意見も。 ---表ラスボス戦のBGMがPS版のものではなくなってしまった。こちらのBGMも内部データ上には収録されている。 ---ナンバリングの某ボス戦のBGMがそのボス絡みのイベントで流れ、シナリオと演出が噛み合い好評だが、実際にそのボスと戦闘する時は汎用のボス戦BGMが流れるということがガッカリ点としてよく挙げられる。 ---ストーリー中に4枠モンスターが行動するシーンではいかにも戦闘曲っぽい雰囲気の新曲が流れるが、これも戦闘曲としては使用されていない。 //表ストーリーでよく流れる方の曲はドラクエ4の曲ではないと思うのですが… -ストーリーの改変について --一部のキャラの性格が変な方向に改変されている。 ---特に顕著なのが表ラスボス。原作の表ラスボスは「デザインが微妙」「影が薄い」「仲間になっても弱い」などとは言われていたものの、セリフ回しにはどこか大物感があるキャラクターではあったのだが、本作では倒した後の展開が変更された結果、コミカルで小物っぽいキャラに変わってしまった。 ---一応、「任務に失敗した部下を主人公の目の前で抹殺する」といったシリアスな描写も追加されてはいるのだが…。 ---「表ラスボスの居城が本来は裏ボスのものだった」という設定が追加されており、裏ボスを引き立たせるためにこのような性格改変を行ったのかもしれないが、GB版をプレイした人からは「倒した後の展開は変えないで欲しかった」という意見も少なくない。 ---ただし、リメイク前の影の薄さは解消。冒険中にわずかながら彼のバックボーンも語られるようになった上、イベントそのものは増加、表シナリオクリア後も出番があり、大物悪役とは言えないまでも己の過ちを反省して憎めないキャラクターにはなったため、少なくともポッと出の即退場ラスボス感は解消されている。 ---因みに、原作ではラスボスを仲間にする方法が「小さなメダル10枚と交換」とあまりにも微妙だったが、本作では表クリア後にイベントで仲間になるようになった。この点も改善と言えるだろう。 ---他に、失敗ばかりで頼りない人物であることがGB版・PS版以上に強調されておりギャグキャラのような顔になっている砂漠の王、オネエキャラになっているイカルガ((「イカずきん」というモンスターでストーリーを進めるのに必要な踊りを教えてくれ、仲間にもなる。性別は♂固定。))辺りも賛否が分かれる。 --本作のクリア後のストーリーは新規のシナリオであり、GB版にあったクリア後のストーリーではない。GB版の裏シナリオがPS版で削除されてしまったこともあり、本作で復活させて欲しかったという意見もある。 ---GB版及びPS版では1と2の時系列は殆ど間が空いていなかったのだが、3DS版では1と2の間は10年程空いているという設定に改変されており、これが原因でGB版のクリア後シナリオのある場面と矛盾が生じてしまうのがクリア後シナリオ変更の一因ではないかと思われる。 ---裏シナリオは前半はダンジョン攻略などがあり本編に近い構成なのだが、後半は淡々とボスラッシュが続くだけであるため、あっさりし過ぎていてやや好みが分かれる展開となっている。 ---ボスの最大HPが9999までしか設定できない仕様や前述した火力偏重のバランスのため、裏シナリオ終盤のボス戦はかなり短いターンで決着がついてしまうようになる。これもアッサリ感を増長させる一因。 ---GB版の各系統最強モンスター(但し全員ではない)や歴代魔王の進化系がボスとして登場する点は好評。 -個体値について --今作では、同じ種族のモンスターでも個体毎にステータスの限界値が±100(最大MP・守備力・賢さは±200)の範囲内で変動している場合がある。これによりモンスターの強化の幅が広がった一方、下記のような不満点も生じている。 ---配合で生まれたモンスターの場合は個体値のパターンが両親から半分ずつ遺伝するため、配合する度に個体値が変わってしまう。個体値にこだわりたい場合、スキルや特性の入れ替え等の度に厳選をやり直させられることになるためかなり面倒。 --尚、個体値の説明は究極対戦ガイドブック(攻略本の下巻のようなもの)のみにとどめられており、ゲーム中では何の説明もない。 --余談だが、『[[ポケットモンスターシリーズ]]』と違い公式が使用している名称である。 **問題点 -立体視がライブラリにしか対応していない。 --前作ではマップや戦闘画面にも対応していた。本作は前作よりも人物・モンスターのグラフィックやマップの数が大幅に増えているため、容量の都合で3D機能を削減せざるを得なかったのではないかと思われる。 -ムービーをスキップ出来ない。 --裏クリア後のストーリーの世界では昼夜の切り替わりの度に4枠モンスターのムービーが流れることがあり、同じムービーを何回も見せられることになる。 -評価点で述べたようにライブラリに特技・アイテム図鑑が追加され過去作よりは便利になったものの、新要素故か細かい粗が散見される。 --特技の消費MPが載っていない。このため、消費MPが「戦闘中に命令をする時」にしか確認できない。 ---回復呪文はマップ上で使う時にも確認できるが、戦闘時しか使えない特技は非戦闘時やAIのみの戦闘では一切確認できない。上述の通り消費MPは対戦を視野に置いた(置きすぎた)ため、育成時にMP管理を誤ると必要な時に特技が使えずに泣きを見ることになる。 ---『IX』以降のナンバリング作品も呪文・特技の消費MPがインフレ傾向にあるが、そちらは下位の呪文・特技と使い分けることが可能である。本作はオリジナル版同様、上位の攻撃特技を覚えると下位の特技は使えなくなってしまう(補助・回復呪文は下位のものが残る)ため、育成中に無闇やたらに上位の呪文を覚えさせてしまうと却って扱いにくくなってしまう場合が多い。 --「+値を上げることで開放される特性を調べるにはモンスター図鑑を1つ1つ確認して該当するモンスターを探し出さなければならない」「スキルによって追加される特性の習得条件が載っていない」という前作の問題点もそのまま。 -ストーリー以外の鍵の世界の仕様 --1度入ると鍵が壊れてしまい、再生までにリアルタイムで数時間(最大22時間)を要する。 ---このため、休日等にまとめてやり込みをしたいユーザーからは不満が上がった。 ---自作鍵の世界の敵を倒して得られる経験値・ゴールドはストーリーの世界よりも遥かに多いため、稼ぎ行為を制限する目的でこのような仕様にしたと思われる。しかしGB版・PS版では稼ぎ用の鍵であっても利用制限の類は一切なかった上、前述したように本作は稼ぎプレイが前提のゲームバランスになっているため、この点が余計に批判されやすい。 ---一応、クリア後なら鍵屋で鍵の修復が出来るようになるため、大金を払えば連続で入ることが可能になるが…。 --これ以外にも、ステルスが使えない、セーブが出来ない、ライブラリが見られない、クエストに挑戦しているか否かにかかわらず自作鍵の世界には15分しか滞在できないといった制限があり不評。 ---特に、モンスター収集のために自作鍵やめぐりあいの鍵の世界にいる時にライブラリが見られないのは不便極まりない。上述のライブラリの開閉を利用したエンカウント回避をさせないための仕様かもしれないが、本作は雑魚との戦闘から逃げるのが簡単なため、わざわざライブラリを見られなくする程の事でもないと思われる。 ---メタル系を除き、自作鍵の世界の雑魚は主人公を見つけるとこちらとの強さの差にかかわらず必ず追いかけてくるので、ステルスが出来ないのも非常に鬱陶しい。 --自作鍵のマップがGB版・PS版のようなランダム生成ではなくストーリーのマップの使い回しであることに落胆を示す人も多い。 ---前作でも旅の扉内のマップは完全なランダム生成ではなく予め出来ているマップを繋ぎ合わせたもので、そのバリエーションも少なかったため、容量上の都合でランダム生成にするのが難しい可能性もある。 --ボスや他国マスターを倒すクエストでは、マップによってはボス(他国マスター)の所まで辿り着くのに長いダンジョンの最深部まで進まなければならない。 ---仕掛けも元のマップそのままのため、元のマップが『魔王の城』のような仕掛けのあるダンジョンの場合は仕掛けも解かないと先に進めない。 ---前述のように道中の雑魚とは戦闘するメリットが薄く((メタル系やゴールデンゴーレム(倒すと万単位の大金が手に入る)など、旨みの多い雑魚敵も一応は存在するのだが…。))、マップもストーリーの使い回しでGB版・PS版の自動生成と比べると探索する楽しみも薄いため、冗長な要素(悪く言えばプレイ時間を水増しさせるためだけの要素)として受け取られやすい。 --ストーリーの鍵の世界の敵シンボルの挙動は丁寧に作り込まれている一方、自作鍵の世界の敵シンボルは「メタル系を除く殆どのモンスターが同じアルゴリズムで動く」というやや残念なものとなっている。 ---前作の旅の扉では、「たまに群れで動いていることがある」等若干の変化があったのだが、本作の自作鍵ではそれも廃止されてしまっている。 ---主人公のアクションに対する反応や戦闘時のAIを全モンスター間で使い回しているのか、自作鍵の世界のメタル系モンスターはメタルエリアなどにいるものと異なり「口笛に反応する」「戦闘中は絶対に逃げない」という嬉しいメリットもあったりする。 ---また、自作鍵の世界に出現する敵は戦闘時の判断力が非常に高く、「''必ず''最も弱っているモンスター1体を集中攻撃してくる」「強力な特技を優先的に使用する傾向がある」といった鬼畜な行動パターンを取る。 -光あふれる地の存在意義が薄くなった。 --前述のようにステルスが出来ない上、前作同様メタルキングにはどの方向から近付いても逃げられてしまう。おまけに前作と異なりメタル系を壁際まで追い詰めても壁に沿って逃げ続け、すぐにシンボルが消えるようになったため、メタル狩りが不便になった。~ これ自体は倍速機能の追加に伴うバランス調整と思われるのだが、光あふれる地以上に効率良く経験値を稼げてしまう鍵が存在するため、結果として光あふれる地の存在意義が薄れてしまっている。 --前作では光あふれる地にしか出現しないレアモンスターがいたのだが、本作ではそのモンスターも出現しなくなってしまった。 -プレイヤーの特技・マップ上でのアクションの難点 --前作と比較してプレイヤーの特技の習得が全体的に遅い。時間・天候を操作するラナ系呪文の習得が裏シナリオまで引き延ばされた他、ステルスに至っては「裏シナリオ最後のダンジョンの最上階に上がる階段の手前」という何とも嫌らしいタイミングで習得するようになった。 --プレイヤーの特技を使う際に主人公のモーションが挿入されるようになったため、前作と比較すると若干テンポが悪い。 --取っていないアイテムがいくつあるか調べる特技「盗賊の鼻」が削除された。このため、型紙等の取りこぼしを探すのが少し面倒。 --水上移動中は十字キーのアクションを使うことが出来ないため、地上と比較すると不便。 ---水上でモンスターが他のモンスターに襲われた場合、位置によっては助けられなくなってしまうことがある。1箇所だけ且つ夜限定だが、絶対に助けられないものも。 --ジャンプが出来るようになったが、細かい段差を飛び越えたり小さいモンスターを飛び越えて戦闘を回避することは出来ない。 ---本作の敵シンボルは縦方向への当たり判定が実際の体よりも広く設定されており、小さいモンスターの上を飛び越えようとするとモンスターの体に直接触れていなくても戦闘になってしまう。逆に、木にぶら下がっているモンスターなどの下をくぐろうとした場合も戦闘になってしまう。~ シンボルの当たり判定の大きさで特に槍玉に挙げられたのが、序盤の水の世界の4枠モンスター『リバイアさま』。水の世界のストーリーを途中まで進めて夜になると((クリアしていない世界では、ストーリーの進行状況に応じて時間帯・天候が固定される仕様になっている。))出現するようになり、フィールド中央の小島の回りを巡回し始めるのだが、この時リバイアさまだけではなく島の周囲一帯に当たり判定が付けられており、リバイアさまを避けて島に上陸しようとしても戦闘になってしまう。このため、リバイアさまの隙を突いて島に上陸しようと試みたり、うっかり島に近付いてしまって全滅したプレイヤーが相次いだ。~ 3ターン耐えれば戦闘が強制終了する仕様にはなっているものの、本来は裏シナリオで戦う敵なので、序盤の段階ではリバイアさまの使用特技に強~完全耐性を持っているモンスターを複数連れている等でない限りまず耐えられない。~ 因みに、この島自体はリバイアさまを倒さなくても上陸出来るようにはなっている((リバイアさまを特定の場所に呼び出すイベントを利用して退かすことが可能))。 -色違いでないモンスターのモーションの使い回しが多い。 --これ自体はジョーカー1から指摘されている問題点だが、本作でその数が急増した。 --両手を挙げたポーズで飛行している種のモーションは、はえおとこ系(2種)、リザードフライ、グレムリン、バンパイアの4系統・計5体に使い回されている。 --モーションが使い回されているせいでポーズが不自然なモンスターも散見される。例えば、まほうつかい(DQ1)やあくましんかんは、なぞの神官のモーションを使い回しているせいで待機モーションなどに明らかな違和感がある上、攻略本に掲載されている公式イラストもなぞの神官と同じポーズのものに描き直されてしまっている。 --ウイングアサシンは、カプリゴンのモーションを使い回しているせいで「れんぞく」の特性を持っているにもかかわらず1回しか攻撃しないという設定ミスが存在する。 -前作以上の通信環境依存度上昇 --前作同様、地域限定配信モンスターや、全国に数ヶ所しかない指定の店舗でしか配信されていないモンスターがいる。すれちがいでスカウトしない限り前作から引き継がないと入手不可なモンスターも前作より増えている。 --配信限定モンスターを使わないと作れないモンスターも多数存在する (『X』のボスの一部、本作の裏ラスボス第2形態など)。自宅や近場にWi-Fi環境がない人はこれらのモンスターを夢見る卵かローカル交換でしか入手出来ず、夢見る卵で入手するのに必要な虹の卵もWi-Fiショッピング以外での入手手段は総じて非常に面倒。 --公式サイトの配信情報の更新が遅く、一部のモンスターの配信情報が配信開始から数日経たないと掲載されなかった。 ---いつの間に通信ですれ違えるモンスターに関しては公式サイトに何の告知もない。サプライズ要素として意図的に隠している可能性もあるが、現在いつの間に通信以外に入手手段のないモンスターも多く、その中には他のモンスターの配合に必須のモンスターもいるため、特定のモンスターの配信を待っている人にとっては不親切に感じられる。 --尚、特定店舗限定配信モンスターの多くはあくまで先行配信であり、現在は大半のモンスターが通常のWi-Fi環境か上記のいつの間に通信で入手可能になっている。 --配信or前作からの引き継ぎ限定モンスターはコンプ率には関係しないが、鍵の作成に必要な称号の中に、各系統のモンスターを配信限定も含めて全て入手しないと手に入らないものがある。 ---高ランクのスライム系のみが出現する(=メタル系モンスターが野生で出現する鍵を作りやすい)鍵はスライム系のモンスターを全種類集めることで貰える称号でしか作れず、スライム系を全種集めるには後述の基本無料ゲームをプレイするか、他のプレイヤーがすれちがいで配布しているものを夢見る卵で運良く入手するしかない。因みに、スライム系は他の系統に比べて配信限定、すれちがい限定等の入手が面倒なモンスターがやたら多い。~ 一応、通常プレイの範囲内で手に入る称号でもメタル系が野生で出る鍵は作れるが、こちらは出現モンスターの候補が全ての系統から選ばれるためメタル系が出現する鍵が出来る確率は極めて低い。 --他の基本無料ゲームとの連動特典や攻略本・雑誌などの関連書籍の付録で限定アイテムやモンスター等のプレゼントコードを付けるといった抱き合わせ商法も行われている。 ---すれちがいのアバターに使う服も、攻略本などに付いてくるダウンロードコードからでないと入手出来ないものや、公式大会の参加賞限定品になっているものが幾つかある。後者は現在入手不可能。 ---武器やアイテムのコンプ率には、これらの限定アイテムも数に含まれるため、フルコンプしたければ、嫌でもこれらの攻略本を買わなければならない。 ---しかもこのダウンロードコード、一度使うと再利用はできないため、コードを使った後に「主人公を変更したい」などの理由で最初からやり直してしまうと、買った攻略本や連動特典などが完全に無駄になってしまう。そのくせ、セーブデータは1つしか作れないのでソフトが1つしかないと、最初からやり直すことも困難になってしまう。 ---これらの内、モンスターは上記のコンテンツを購入しなくても夢見る卵で入手出来る可能性があるため、モンスター入手のためだけにVジャンプなどを購入したプレイヤーからは余計に問題視された。 --プレイヤーのモラルの問題だが、チートによって配信限定モンスター(上記の抱き合わせ商法限定も含む)やスライム系全コンプの称号で作った鍵が正式に配信される以前に出回るという騒動も発生している。 --地域限定モンスターの他に、各都道府県限定の『ご当地スキル』がある。発想自体は悪くないのだが以下のような問題点が生じている。 ---都道府県毎のご当地スキルの有用性の格差が激しい。このせいですれちがいでよく出回っているものと殆ど出回っていないものの差が激しく、収集面でも支障が出ている。Wi-Fiのすれちがいで全国のプレイヤーから貰うという手もあるが、後述するようにこちら側もレアなモンスターやスキルなどを持っていないとすれちがいを拒否される((対戦中にどちらかが棄権した場合、すれ違うことが出来ない。))風潮が生まれてしまっているため、入手の敷居が低くなるとは言い難い。 ---スキル名を適当に決めた感が強い都道府県がある。特に、神奈川のご当地スキル『ハマのプライド』は「横浜以外を蔑ろにしている」として不評。 -一部の称号の獲得条件が鬼畜 --鍵を累積で1000個入手する、小さなメダルを1000枚集める、鍛冶屋で武器に1000回追加効果を付ける、Wi-FiのマスターズGPやチャレンジャーズGPで優勝、自分が作成したコミュニティの対戦回数9999回以上で尚且つそのコミュニティの人数が100人以上といったものがある。 ---しかも小さなメダルと武器強化の2つは累積数を確認できない(小さなメダルは累積枚数で貰える景品を全て取った後は教えてもらえなくなる)ため、ゴールの見えない作業を延々とやらされる感が強い。 ---『X』同様☆付きの武器は店売りされておらず、お母さんのお使い・メダルおじさん等のサブイベント、宝箱、敵ドロップ、クエストの報酬でしか入手できないため入手に手間がかかる。 ---それでもオフラインのみで取得出来る称号は地道にやっていけばいつかは達成できるだろうが、Wi-Fiランキング上位の称号は一握りのプレイヤーしか入手できない。 ---本作では称号がやり込みの効率に直結するため、一部のプレイヤーしか入手出来ない称号があることは無視できない問題であろう。 -Wi-Fiランキング戦の仕様が最悪 -上記の通り称号にも直結しているのだが、大会はあろうことかリセットが効く(三回の戦いのどこかで負けてもリセットすると最初からやり直せる)ため、称号が手に入るような最上位に上がるのはほぼ完全な運ゲー。 --というのも、自分がやり直せる=相手もやり直せるであり、相手が戦ってくれない「不戦勝」は普通に戦って勝利した場合より点数が低くなるので、相手が自分と戦ってくれるかがまず問題となり、相手が戦ってくれたとしても熾烈な運ゲーに勝たなければいけない。 --更に上位陣は十中八九「いきなり○○の霧((戦闘開始時に、敵味方全体に効果のある「霧」を発動する特性。この特性を所持しているモンスターが複数いた場合、誰が発動させるかはランダム。))」を奪えるか奪えないかだけで勝敗が決まるような状態であるため、今作の対戦の最低条件として「霧を取れるまでリセット」が普通に条件として入ってくる。 -収集に於ける運要素が多い --報酬の入手確率の設定が鍵ごとに極端過ぎる。~ 配信されている鍵及び裏ストーリー中に手に入る幾つかの鍵のボスは倒せばレベル・評価に関係なく必ず仲間になる一方で、鍵の名前によってはレベルが☆(100)で最高ランクでクリアしても入手確率が十数%にしかならないものも。 ---報酬が何になるのかは鍵に名前を付けた時にランダムで決定され、しかも一度クリアしないと確認出来ないため、目当ての報酬が来るまで何度もクエストをクリアする必要がある。上述のように雑魚戦や探索の必要性の薄いダンジョンを攻略させられるのも面倒さに拍車をかけている。 ---武器の報酬獲得率が全体的に低めに設定されているため、非売品の武器(予約特典など)の収集がコンプの大きな鬼門となる。武器の報酬獲得率が最大で90%以上になる鍵を作れる称号もあるが、Wi-Fiランキングで1位を取らないと入手出来ない。 --虹の卵からレアモンスターが生まれる確率も目に見えて激減した。 ---前作と異なり、SSランクのモンスターは生まれない。虹の卵から生まれるモンスターの内訳はAランク20体、Sランク8体(前作ではAランク26体、Sランク28体、SSランク21体)であり、前作と比べてAランクのモンスターが生まれる確率がかなり高くなっている。そのAランクのモンスターも、配合で簡単に作れるものや裏シナリオの世界に普通に生息しているものが殆ど。 --メダルおじさんが卵の他にレアな武器強化素材であるオーブをくれるようになったが、何色のオーブをくれるかはランダムな上、貰う時に強制的にセーブされてしまうため厳選出来ない。 --このように運要素が多く絡むためリセットを多用したくなるシステムであるにもかかわらず、セーブせずにリセットすると手持ちの鍵が全部壊れてしまうペナルティがある。 ---リセットせず試行回数を重ねるとなると、プラチナの鍵(レベルが100まで上がる鍵)1本10万G、購入した鍵に名前を付けるのに1本数千~数十万G、鍵の再生が1本数万~十数万G、虹の卵1個15万Gと、とてつもない大金を支払わされることになる(鍵の再生以外はゴールドカードがあれば2割引になるが、それでも高価であることには変わりない)。 ---短時間で大量のゴールドを稼げる鍵があるので収支のバランスが崩壊している訳ではないのだが、十万単位の出費が多いにもかかわらず所持金の上限が999999Gと少なく、高額商品のまとめ買いをするのに不便。 --嫌なら使わなければいいと思われる方もいるかもしれないが、虹の卵かクエスト報酬以外に入手手段が無いモンスターもいるため、コンプを目指すなら利用せざるを得ない。武器も敵ドロップか鍵クエストの報酬以外に入手手段がないものが多く、オーブもメダルおじさん以外では宝箱(それも1箇所のみ)か鍵クエストの報酬でしか入手出来ない。 ---これに関連して、夢見る卵と鍵クエスト以外では他国マスターから奪うしか入手方法がないモンスターも数体いるのだが、今作の他国マスターはリセットすると消える仕様に変更されたため、前作のように直前でセーブしてスカウトに成功するまでリセットで粘る方法が使えなくなり、非常に捕まえにくくなってしまった。 -その他、鍵の仕様 --持てる鍵の最大数が少なめ。鍵の自作・配信が出来るようになったばかりの時点ではあまり気にならないが、ある程度やり込んでいるとすぐに鍵束がいっぱいになってしまう。 --鍵のリストの管理がしにくい。 ---鍵は同じ名前でも報酬や出現モンスターなどの内容はランダムで異なるのだが、リスト上では鍵の見分けが付かない。「既に持っている必要な鍵」と「新規入手した不要な鍵」が同じ名前だった場合は、注意深く見分けないと、間違って必要な方の鍵を捨ててしまいかねない。すれちがいなどで新規入手した鍵を捨てる際は特に注意が必要。 ---リストの整理整頓が不便。自由に並べ替えることが出来ず、『鍵の種類別・レベル順』か『入手した順』でしかソート出来ない。 //セレクトボタンでソートできます ---特定の鍵に何か印を付けておくようなこともできない。 //---どの鍵をいつ入手したのかも分かりにくい。すれちがいなどで新規入手した鍵を捨てる際も、リスト上から鍵をいちいち探し出さなければならない。 -前作ではすれちがいを1度に30人まで溜められたが、今作では8人までしか溜められなくなった。 //『10人バグ』と呼ばれる本体側のバグ((同じゲームで一度に10人以上とすれ違った場合、何人とすれ違おうが最後にすれ違った10人しか招待出来ないというもの。))への対策と思われるが、それなら何故10人ではなく8人なのかが謎。 //↑前作で検証してみましたが、前作の時点で既に対策されているようでした。 --このため、すれちがいやすい地域に住んでいるとすれちがいが無駄になりやすい。 -通信対戦のテンポ --通信対戦の速度が1倍速で固定。オフラインでの倍速機能が搭載された分、通信対戦のテンポが悪く感じられてしまう。 --4枠モンスターは行動時のモーションが派手ではあるものの、モーションの時間が冗長な長さであり、戦闘のテンポを悪化させている。 ---4枠モンスターはいずれも標準で3~4回の連続行動の特性を備えており、ただでさえ長いモーションが連続するケースが多いのでダレやすい。 -Wi-Fi対戦でのすれちがいが成立するタイミングが、『お互いが対戦を承諾した上で』『最後まで棄権せず戦い抜き』勝敗の表示が出た時のため、有力な鍵を持っていない初心者とやり込んだ上級者の間ではまず成立しない。 --対戦前にお互いの配信している鍵が表示されるので、良い鍵が無いと相手にされなくなってしまう。 ---基本的に、有力な鍵=入手難度の高い称号を用いた鍵なので、初心者や後発組はどうしようもない。対戦内容に関係なく、対戦後にすれ違うかどうかを選択させる方式で良かったのでは。 -前作同様、戦闘などの一部の画面でタッチ操作やスライドパッドによるコマンド選択が出来ない。 -武器強化周りの仕様の難点 --武器に一度付けた追加効果を外すことができない。武器は100個までしか持てず、☆付きの武器や各種オーブを入手するのも面倒なため、非常に不便である。 ---「お金が掛かってもいいので、追加効果を外したり上書きできるようにして欲しかった」という意見が多い。 --モンスターのステータス表示画面では、そのモンスターの装備武器を確認することはできても、武器に備わっている追加効果を確認することはできないのが不便。 --前述の通り武器屋では☆の付いていない武器しか売っていないため、「武器屋の存在意義が薄い」という『X』同様の問題点も生じている。 -『J2』以降の作品に共通する仕様として、戦闘時のメッセージが最低限しか表示されないのだが、本作ではそのせいで不便な点が増えてしまっている。 --本作では打撃系以外の特技(呪文・息など)も一定確率で回避される仕様に変更されたのだが、完全耐性でダメージが通らない場合も単に回避されただけの場合も「ミス」とだけしか表示されないため、ミスが完全耐性によるものなのか回避によるものなのか紛らわしい。 --異世界にいるモンスターなら元の耐性が分かれば判別可能だが、前述のご当地スキルの中に特定の耐性を4段階上げることが出来るものがあり、スキル構成によっては『弱点』を『無効』にまで上げることも可能なため、対人戦だと初見では全く分からない。 --「属性付き剣技をミスした際に回避されたのか完全耐性なのか見分けにくい」「敵1体にランダムで何らかのマイナス効果をかける特技・アイテムが命中した際にメッセージが一切表示されない」という過去作からの問題点も相変わらず。 ---- **総評 前作から様々な点が改良・強化されており、続編としては申し分ない出来。~ ただ、鍵の利用にリアルタイムで制限を設けることで毎日コツコツプレイするスタイルを強要するゲーム設計、収集ゲームとして運に左右される面が多すぎる等、プレイ時間を無理に引き延ばすためとも取れるような不便な仕様も目立ち、それらにはユーザーからの反発が多く見られたようだ。 とは言え、モンスターを育てて戦わせるという根本的な楽しさが損なわれた訳ではなく、倍速機能やモンスターのサイズ変更といった好評な新要素も多い。~ ゲーム内容自体は概ね良作だが、やり込み重視のシリーズであるが故に、やり込みの上で不便な点が気になってしまう形となった。でも、ストーリーは素晴らしい出来なので、ストーリーに興味がある人はぜひプレイを。 ---- **余談 -裏ラスボスは、『おおみみず』に似ている、断末魔が個性的過ぎるなどから度々ネタにされる。 -GB版・PS版にもいた卵鑑定士のお姉さん(本作では牧場の橋渡し役になっている)の名前が本作で初めて判明した。 --しかし、格闘場の隣に住んでいた女の子(本作では家の場所が変更されている)の本名は不明のままである。格闘場のアナウンスでも「マルタの女の子」と呼ばれてしまっている。
*ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵 【どらごんくえすともんすたーずつー いるとるかのふしぎなふしぎなかぎ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B00GGDSQLA)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2014年2月6日|~| |定価|パッケージ・ダウンロード版各5,490円|~| |プレイ人数|1~8人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|大迫力の4枠モンスター&br()パーツを組み合わせてオリジナルモンスターを作れる&br()新モンスター・新特技が大量追加され、その他にも様々な点が前作からパワーアップ&br()ストーリー・対戦共に大味なゲームバランスや不思議な鍵など、システムの一部には批判も|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2001年に発売された『[[ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵 ルカの旅立ち/イルの冒険]]』のリメイク作。~ 前作『[[テリーのワンダーランド3D>ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D]]』同様、『[[ジョーカー2>ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2]]』のシステムをベースにしている。 今回は『ドラゴンクエストモンスターズ1・2 星降りの勇者と牧場の仲間たち』の時と同様にバージョン分けはされておらず、ゲーム開始時にルカかイルを選択することができる。 ---- **特徴 -概要の通り、セーブデータ作成時にルカ(兄)かイル(妹)のどちらを操作するか選択できる。 --選択しなかった方は牧場の管理兼主人公のアドバイザーとなり、途中で変更することはできない。 -スカウトアタック、配合、スキルシステム、プレイヤーの特技等のシステム周りは『ジョーカー2』から培ったシステムを採用。 -『モントナー』という、見た目や性格((ジョーカーからの仕様上基本的にモンスターには存在しなかったが、モントナーに限って特別に採用されており、ステータスの上限に影響する。))をカスタマイズできるモンスターパートナーが仲間になる。 --アイテム「モントナーの宝珠」を使うことで見た目を変更することができるが、モントナーの宝珠の入手数には上限がある。 --モントナーは配合する場合絶対にモントナーしか生まれない。てんせいの杖等も無視される。 --元々のランクはFだが、すれちがいバトルではスカウトできない。 --始めは1体しか手に入らないが、裏シナリオをクリアすると2体目が手に入る。 -『[[DQX>ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン]]』で導入された『転生モンスター』を導入。 --DQXとは異なり、「一定確率でマップ上の特定の場所に色の違う転生モンスターのシンボルが出現する」という形になっている。転生元のモンスターを倒し続ける等すると、転生モンスターのシンボルが出現する確率が上がる。極端な話、対象のモンスターを倒してなくても、また初めて行った所にいきなり出現している事も・・・。 --一部『DQX』とは転生元のモンスターが違う種族((例えばクイーンモーモンは『X』ではピンクモーモンの転生だが、本作ではマポレーナの転生となっている。))や、本作オリジナルの転生モンスター((『X』に存在しなかったサボテンボールには、サボテンゴールドという転生モンスターがいる。その他、Xにもいるセルゲイナスは、何故か転生先だけがシルバリヌスという新規モンスターに変更されている。))がいる。 -超Gサイズ --ギガボディを超える4枠の超巨大モンスターが登場。~ ほとんどがストーリーにおいて重要な役割を持っており、プレイヤーが入手できるのは基本的にクリア後となる。 ---攻撃が全体攻撃になるのはもちろん、追撃まで与えることができる。 ---入手済みモンスターを網羅しているはずの「めぐりあいの塔」には出現しない。 --4枠モンスターは本作初登場のモンスターが大半だが、オリジナル版でお馴染みのモンスターもいる。GB版にいた歴代魔王の進化系は全員4枠になっている。 -新生配合 --前作の究極配合に代わる、本作の目玉システムの一つ。~ 両親の配合プラス値が☆(100)になる状態で『しんせいのタクト』を装備させて配合に出し、『しんせいの宝珠』を一つ消費することで、新生配合させるモンスターの特性を、''配合相手のモンスターの特性一つと入れ替えることができる''。 --例えばメタルキングに『会心かんぜんガード』や『つねにアタックカンタ』の特性を持たせることで物理攻撃にも鉄壁の守りを持たせたり、『AI○回行動』を持たせることで行動回数を増やす、逆に外す(他の特性にする)ことでステータスを上げたり((行動回数が多いモンスターは、それだけ特性によってステータスの上昇を抑えられている。))することができる。 --『メガボディ』や『ギガボディ』を持たせることでサイズを大きくすることもできる。パーティのアイコンでは増やした枠数だけ四角アイコンが連なり、当然戦闘中(+牧場)での表示も巨大化する。~ サイズを大きくすることで解放される特性も存在し、ライブラリで確認できる。~ ただし元のサイズより小さくしたり、モントナー以外のモンスターに『超ギガボディ』を持たせることはできない。 --また、特性の組み合わせが強すぎると判断された場合は、『しょうひMP×2』『強者のよゆう』等のデメリット特性が付与される(新生配合時に確認が入る)。~ 本作ではデメリット特性はこの方法でしか与えられない。 ---因みに、裏ラスボス第1形態など一部のモンスターは素の特性の組み合わせが強すぎるため、新生配合時に特性を弱いものに入れ替えないと確実にデメリット特性が付いてしまう。このため「新生配合しない方が強い」と言われてしまうことも…。 -あくまの黙示録 --前作にいた「あくまの書」の上位種。~ 配合時子供に受け継がれなかったスキルの中にスキルポイントを20以上振り分けたものが3つ以上存在し、尚且つそれらのスキルポイントの合計が300以上の場合、本来生まれるモンスターに加えてあくまの黙示録・だいあくまの黙示録・魔王の黙示録というモンスターが誕生する。 --スキルを決定する際に、受け継がれなかったスキルの他に新しいスキルがランダムで2つ生成される。最強○○といったスキルや、レアモンスターの固有スキルが生成されることもある。 -戦闘速度の倍速機能 --最初の異世界をクリアすると、戦闘を2倍速で行えるようになる。さらに、表ラスボスを倒すと3倍速で戦闘を行えるようになる。 --通信対戦では1倍速で固定。 -着替え --ゲーム中に「服」を入手すると主人公を着替えさせることが出来る。~ 服はストーリーを進めると新しく貰える他、宝箱に入っていたり、型紙を5枚集めて天空の世界にいる仕立屋の所に持っていくことで作って貰える。 --ストーリーを進めることで貰える服はそれぞれがストーリーで訪れる異世界の雰囲気に対応したものとなっており、世界観を盛り上げるのにも一役買っている。 ---イベントで指定の服を着てくるよう求められるシーンがある他、それ以外のシーンでも主人公の服装によってキャラの台詞が変わることがある。 --主人公の現在の服装はすれちがいのアバターにも適用される。 --主人公として選ばなかった方も、牧場に帰った時ランダムで着替えていることがある。 -マップ上でのアクション --マップ上で十字キーを押すと、押した方向に対応したアクションが発動する。アクションは以下の4種。 ---『おどかす』:モンスターに後ろから近づいて使うと追い払うことが出来、さらに一定確率でアイテムを落とさせることが出来る。トラップモンスターの識別にも有効。 ---『口笛』:近くにいるモンスターを呼び寄せる。主人公が進入出来ない領域(空中など)にいるモンスターと戦闘したい時に有効。 ---『踊る』:こちらに反応していないモンスターに近付いて使うと一定時間踊らせることが出来る。踊っているモンスターに接触すると確実に先制することが可能。こちらもトラップモンスターの識別に有効。 ---『しゃがむ』:使うと敵の追跡を振り切ることが出来る。こちらに反応した敵が迫ってきていても、距離さえ離しておけば有効。この特技によって主人公を見失ったモンスターは頭上に「?」マークが表示され、追跡を諦める。また、?マークが出た直後のモンスターは少しの間こちらに反応しなくなるため、上記の『踊る』と組み合わせるテクニックが一部の鍵で重要となる。 --Bボタンを押すとジャンプする。 ---主にダメージ床を飛び越えるのに使う。これが重要になってくるダンジョンも存在する。 ---飛び越えられなくても、ダメージ床の上をジャンプしながら進むことで受けるダメージを軽減出来る。 -武器の強化 --『X』から逆輸入された要素として「武器のできのよさ(☆の数で表示される)」がある。☆付きの武器を鍛冶屋に持って行くことで、☆の数だけ追加効果を付けることが出来る。 ---無料だが、素材のアイテムが必要となる。必要なアイテムは付ける効果によって決まっており、強力な効果を付けるにはそれなりのレアな素材が必要。 ---付けられる効果は能力アップ系の他にも、戦闘から必ず逃げられるようになる、会心率上昇、スカウト率上昇、耐性の底上げなどがある。 --武器の種類自体も前作より増え、対戦時にも装備効果が反映されるようになった。 **GB版からの変更点 -最初の異世界に行く前にチュートリアルがある。 --牧場の隣にチュートリアル用のフィールド『はじまりの海岸』が増設されている。 -新規ダンジョンが幾つか追加されている。ストーリー攻略とは関係のない寄り道的なダンジョンもある。 -殆どのダンジョンのマップが変更されており、全体的にGB版よりも複雑な構造になっている。 -ストーリーや台詞などが一部変更されている。 --本作の目玉である4枠モンスター絡みのイベントが追加され、一部のイベントがそれに合わせて変更されている。 ---ラスボスにも4枠の第2形態が追加された。1ターンで一気にテンションを100まで上げる、最大HPを減らす特技を使ってくる等かなりの強敵になっている。 --4枠モンスター関連以外でも、細かい部分が変更されていたりする。探してみるのも一興か。 --GB版・PS版では特定のモンスターを連れて行かないとストーリーが進まない場面が多かったが、本作ではその殆どが着替えや十字キーのアクション等でストーリーが進行するように変更されている。 -異世界の宿屋が全て無料になり、死亡からも復活させてくれるようになった。 --死亡以外の状態異常は全て戦闘終了後に回復する仕様になったため、教会が廃止された。 --因みに各地の宿屋には必ず神父がおり、無償で死者を復活させているとのこと。 -お母さんのお使いの内容が一新された。 --指定された素材を持っていくと報酬として素材数点と☆付きの武器が貰える。武器強化のチュートリアル的な側面が強く、指定の素材と報酬の素材を合わせると武器に特殊効果を付けられる組み合わせになる(持って行った素材は無くならず手元に残る)。 -GB版と比較するとストーリー中の敵のステータスが大幅にインフレしており(尤も、プレイヤー側もGB版と比べるとかなりインフレしているのだが)、前作と比較しても難易度がかなり上がった。 --ボスも相応に強化されている。 ---原作では1体のみだった鉱山の爆弾岩が本作では4体で登場する等、GB版では単体で登場していたボスの多くがお供を引き連れて登場するようになった。 ---単体で登場するボスも、種族本来の特性にかかわらず1ターンに2回行動するなどかなりの強化を施されている。 ---- **評価点 -全モンスターがテンションアップを使えるようになった。 --これにより、スカウトのためだけにわざわざテンションアップが使えるモンスターを連れていく必要がなくなった。 --テンションを上げてから攻撃することで○○カンタ系を貫通出来る(但し威力は通常より落ちる)ようになったため、呪文や息などが使えるモンスターを連れていない時に「つねにアタックカンタ」を持つ敵に対して詰むこともなくなった。 -スカウトアタック時に、1ターンに2回以上行動するモンスターはきちんと行動回数分攻撃してくれるようになった。 -前作と違い、強力な特技を習得させてもデメリット特性が付かなくなったため、強力な特技を覚えさせやすくなった。 --デメリット特性の種類自体も前作から減っている。 -戦闘の2倍速・3倍速機能によりゲームのテンポがかなり良くなった。 -AIの設定の機能が強化された。 --単なる使用の可否の切り替えだけではなく、優先的に使わせたい特技を指定できるようになった。 ---使わせたい特技の優先度を上げるだけでなく、使わせたくない特技の使用を禁止することもできるようになった。 ---これにより歴代ドラクエAIの「○○を使って欲しいのにそれを無視して燃費の悪い特技ばかり使ってしまう」という悩みが初めて改善された。 -ルーラで移動可能な箇所が増えた。 --町だけでなく殆どのダンジョンの入り口にも移動可能。本作では道中の敵が強めに調整されている一方、ダンジョン内で一旦引き上げたり全滅したりしても再挑戦が容易になっている。 -めぐりあいの改善 --今作のめぐりあいはモンスターのランク別に鍵が分けられている。~ ストーリーを一定まで進め、特定のランクのモンスターを一定数集めることで当該ランクの鍵を入手可能となっており、ストーリー序盤から利用できる。 --前作では希望のモンスターが出ないまま次のランクの階層まで到達してしまう事があったが、今作では希望のモンスターがいない場合はエリア内の旅の扉に入る事で出てくるモンスターの種類が変わるように改善された。 -シンボルエンカウントを活かした演出は好評。 --異世界で暮らしているモンスターの生態系が上手く表現されている。~ 他のモンスターを捕食していたり、モンスター同士でダンスや戦闘などをしていたり、木などに擬態していたり、フィールドの様々な所にモンスターの巣があったりと芸が細かい。 ---マップ専用のモーションが作られているモンスターもいる。 --時間・天候の変化にも対応しており、昼間は動き回っていたモンスターが夜になるとマップの隅の方で寝ていたり、悪天候になると非常に慌ただしく走り回る等の変化がある。 ---ダンジョン内に生息するモンスターも同様に、時間帯によって出現位置や行動が変化する。 --同じモンスターのシンボルでも1体1体大きさが違う場合がある。 --前述のマップ上のアクションの1つである『おどかす』を使って他のモンスターを捕食しようとしているモンスターを追い払うと、確実にアイテムを落として逃げていき、捕食されそうになっているモンスターを助けることが出来る。助けたモンスターからもお礼にアイテムを貰えるイベントが発生する。極低確率だが、助けたモンスターが仲間になることもある。 ---モンスターが捕食されてしまった場合、捕食したモンスターの頭上に「♪」マークが表示され、少しの間主人公を追いかけて来なくなる。捕食されたモンスターがアイテムを残すことも。 --そうした凝り方の功罪と言えるが、SDシンボルながら''なかなかグロい''捕食/死滅演出も前半から少なくない。概ねライトで低年齢層にも好もしい雰囲気だけに、歩いているだけで突如として不可避的に苛まれる一面には賛否がある。 -ライブラリ(図鑑)で、モンスター・スキル・特性だけでなく特技・アイテムも確認できるようになった。 -ジョーカー2以降廃止されていた、図鑑のモンスターの説明文が復活した。 --細かいネタも充実しており、読んでいるだけでも楽しい。ナンバリングのボス等の重要モンスターの説明文は勿論のこと、雑魚モンスターでもナンバリング作品を意識したネタが書かれている者がおり、ファンなら思わずニヤリとさせられる。 -すれちがいの強化 --前述のアバターの他、称号とすれちがい時のコメントも設定可能。 --Wi-Fi対戦で当たった相手とすれ違えるようになった。 --一度に複数のプレイヤーとすれ違った場合、一括して『結果だけ表示』出来る機能が追加された。 --一定回数勝利する毎に乱入してくる『謎の盗賊団』と『伝説のマスター』を結果だけ表示・思い出の戦いに保存出来るようになった。 --他のプレイヤーとすれ違えなくても、一定歩数歩く毎にスクエニが配布しているパーティとすれ違える(公式が配信しているデータはアバターがカメハ王子になっている)。勝利すると必ずモンスターが仲間になる。 --いつの間に通信で公式が配信しているパーティとすれ違えることもある。 --前作とは異なり、新生配合したモンスターをスカウトしてもきちんと図鑑に載る。 --GB版にあった『夢見る卵』がすれちがいの要素として続投している。 ---手持ちの卵1つを夢見る卵としてセットすることが出来る。すれ違ったプレイヤーのパーティのモンスター1体(又は?マーク)が生まれるモンスターの候補に選ばれ、候補が10個溜まるとモンスターが生まれる。~ 卵が孵化する時は候補のモンスターの絵柄がルーレットとなって回り、プレイヤーが任意のタイミングで止めることで生まれるモンスターが決定される。?マークで止めると、その卵を夢見る卵にセットした時に生まれる可能性のあるモンスターの中からランダムとなる。尚、?マークは未入手のモンスターがやや生まれやすくなるという補正が掛かっている。~ ルーレットの速度は高価な卵ほど速くなる。白い卵は簡単に目押しできるが、虹の卵は余程慣れた人でもない限り目押しするのは難しい。 ---虹の卵をセットすれば、スカウト不可能なSランク以上のモンスターも候補に入るようになる。これにより、Sランク以上のスカウト出来ないモンスターばかりのパーティとすれ違ってもそのパーティのモンスターを入手出来る可能性がある。 ---このため、Sランク以上のモンスターの配信も好意的に見られるようになった。~ しかし、夢見る卵の候補に入ることのないモンスターの配信は相変わらず嫌われているというのが実情だが・・・。 ---同じプレイヤー同士だけで交換を繰り返していても孵化しなかったGB版とは異なり、同じプレイヤーと何回すれ違ってもその都度カウントされる。 -原作同様に冬眠機能が搭載されており、レベルを上げたくないモンスターを冬眠させて経験値が入らないようにすることが出来る。 --1体ずつ冬眠させられるので便利。 --すれちがい用のモンスターのレベルが上がるのを抑えられる。 -配合画面で、現在牧場にいるモンスターから何が作れるか検索する機能が搭載された。 --ランク・系統での絞り込みの他、未入手のモンスターが作れるか調べることも可能。検索結果の表示が遅いのが難点だが、それを差し引いてもかなり便利。 -卵の問題点が改善された。 --卵を孵化させる時に強制的にセーブされる仕様が無くなった。 ---但し、モンスター博士に預けた時点で中身が決定してしまうのは前作同様で、セーブせずにリセットするとペナルティ(後述)があるので厳選の際は注意。 --卵の名前が廃止され、孵化する前にネタバレされることも無くなった。 --前作では、卵が厳選できない仕様である上に図鑑コンプには卵からしか生まれないモンスターが何体も必要なのが問題視されていた。しかし今作では祠で卵を孵化させることでしか生まれないモンスターは(すれちがいや前作からの引き継ぎで連れてこられるものを除くと)1体しかいない。その1体も、他のモンスターを配合で生み出すのに必須という訳ではない。 ---このため、前作ほど卵の孵化を何度もさせられるようなことはなくなった。 ---一方、卵の中身自体が前作から劣化しているという指摘もある(後述)。 -持っている鍵の一覧の画面で出現するモンスターを確認することが出来るようになった。 --これにより、GB版・PS版のように一々「みみうち」を使ったり出現モンスターをメモしたりする必要がなくなった。 -対戦で規定ターン数が経過しても勝負が付かなかった場合の判定に用いられるスコアが表示されるようになった。 --但し、最終ターンには表示されなくなる。 -Wi-Fiショッピングが便利になった。 --前作ではランキングバトルに接続する度に強制的にその日の商品が入荷されてしまったが、今作では任意のタイミングで入荷することが出来る。 --移動中のコマンドに『みんなの通信広場』が追加され、例外的な場所を除きどこにいても瞬時にWi-Fiショップに行くことが出来る。 ---対戦、Wi-Fiショッピング、いつの間に通信、配信データのダウンロードが行えるコマンドである。 -仲間モンスターの耐性が一覧表形式で表示されるようになり、分かりやすくなった。 --弱点は赤字、耐性有りは青字で表示される。 -移動中の視点を左右だけでなく上下にもある程度動かせるようになった。 --また、マップ画面でスクリーンショットを撮れるようになった。 **賛否両論点 -モントナーの自由度はそれ程高くない。 --オリジナルモンスターを作れるということで今作の目玉の一つだったのだが、パーツのバリエーションはお世辞にも多いとは言えず、対戦で遭遇する他のプレイヤーのモントナーに既視感を覚えやすい(一部のパーツに人気が集中していることもそう感じられる原因の一つではあるが)。 --パーツ数は少ないが色替えパターンは豊富に用意されているので、カラー変更も含めた組み合わせのバリエーションはそれなり。 -ストーリーのゲームバランスがやや不安定 --対戦を前提とした消費MP調整のため、ストーリー中のMP管理がきつい。 ---特に、回復に割くMP消費が多すぎる((ベホイミは消費MP22、ベホイマは90、ベホマラーは60、ベホマズンに至っては180も消費する。賢さの値により上記呪文の効果量は600以上にもなるが、それを差し引いてもなお消費MPが高い。無論、リメイク元とは比べ物にならない。))ことがよく指摘される。『消費MP半分』や『回復のコツ』で回復系の消費MPを抑えたモンスターを複数体控えさせておく等の工夫をしないと、すぐMPが切れてしまう。 ---この点は前作でも同様だったが、今作は「前作と比較してモンスターのMPが全体的に上がりにくい」「一部の回復呪文の消費MPが更に増加」「前作にあった『回復ボトル』((冒険中、1度だけモンスターのHP・MPを全快させることが出来るコマンド。))が廃止」「道中の雑魚が全体的に強め」「MPの自動回復が弱体化」等の理由から、前作以上にMP不足に陥りやすい。 ---そもそも前作では「ボス戦の1つ前のフロアにHP・MPを全回復するポイントが設けられている」「ルーラでボス戦の1つ前のフロアに移動可能」といった配慮がされていたため、本作ほど消費MPの多さが問題にされることはなかった(前作のシナリオ攻略が至れり尽くせり過ぎただけとも言えるが)。 ---このためか、本作は前作に比べてマップ上でMP回復系のアイテムを拾える頻度が高い。惜しまず使うのが攻略のコツ。 ---MPを奪うマホトラ系の特技が非常に強く、雑魚敵に1回使われただけでも大量のMPを奪われてしまい、連発されようものならあっという間にMPが尽きてしまう。~ 逆にこちらが使った場合も強力なので、回復役に持たせておくと非常に心強い。 --本作はモンスターズシリーズとしては難易度が高め(敵が全体的に強め)。要所できちんとレベル上げや配合をしないと非常にきついバランスとなっているのだが、そのレベル上げをメタルエリア(かなり序盤から使用可能)で行うことが前提なのか、道中の雑魚の経験値がその時点での適正レベルに対してかなり少ない。レベル上げはメタルエリアで行って雑魚戦は極力回避するのが最も効率が良くなってしまっている。 ---序盤はそれ程気にならないが、ストーリーが進むにつれ経験値の低さが顕著になる。表ストーリー最後の異世界である『狭間の世界』に至っては、敵1体あたりの平均的な経験値がGB版やPS版の半分以下にまで引き下げられてしまっている。 ---ちなみに雑魚戦は、序盤から入手できるとあるアイテム(市販品)を武器に1個合成して装備するか、『にげあし』特性を持つモンスターをパーティに入れておけば確実に逃げられるようになる。また、ストーリーの世界では敵の出る場所でライブラリを開閉すると一時的に敵のシンボルが消えることを利用してエンカウントを容易に回避することが出来る。 //レベル上げだけならまだしも、雑魚敵には素材集めやらスキル集めやら配合材料集めやらで大分お世話になるはずなので、メリット皆無とまでは言い難い。両方プレイした者の感想としては少なくともスーパーシールと同列に語るほど無意味な要素ではない。 ---一応、「雑魚を一部または全てスルーすることで難易度を下げてプレイすることが可能」という前向きな解釈も出来なくはないが、敵の強さと経験値のバランスが十分に練り込まれていないのも確かである。~ 本作のフィールドはストーリーに無関係なダンジョンやモンスターの生活感を感じさせる小ネタが増えただけに、そういった要素を楽しみつつ自然にレベル上げが出来る構成になっていないのは非常にもったいない。 --また、メタルエリアの利用が前提のゲームバランスのせいでストーリー進行に伴う難易度曲線も激しく、敵が急に強くなると感じる箇所が多数ある。~ 状態異常の特技を連発する等、初見殺しの戦法を使うボスも多くなっている(一応、特定の戦法を使えば完封出来るボスも存在するが…)。 #region(例。長いので格納) ---天空の世界のはぐれメタルはお供を2体引き連れて現れるようになった上、中盤のボスなのに上級特技である『ビッグバン』を使用する。ビッグバンのダメージ自体は原作より弱体化しているのだが、それでもこの時点ではかなり痛く、運悪く連発されると壊滅状態になる。~ 耐性のあるモンスターで固めようにも、昨今の作品ではビッグバンが複合属性の特技になっているので軽減が難しくなっている。そもそも判断力が高く、耐性から攻撃呪文もビッグバンも有効でないと判断すると無属性4回攻撃の『星降りのサンバ』を連発するようになるため、メタル系でも易々と倒される危険がある(同様の理由で、時折使ってくる攻撃呪文を反射しようとマホカンタを使うとビッグバンを連発するようになる)。~ ビッグバンを抜きにしても、『メタルボディ((受けるダメージが1/3になる代わりに消費MPが2倍になる))』と『スモールボディ((ステータスが0.8倍になる代わりに回避率が上がり、更に『こうどうはやい』と同じ優先順で行動出来るようになる))』の特性を持つ上にHPが減ってくると最上位の回復呪文であるベホイマを唱えて最大HPの2/3程を回復してくるというかなりの強敵となっている。~ 一応、このはぐれメタルが出現するダンジョンの最寄りの町に「洞窟に行くなら魔神斬りが使えるモンスターを連れて行け」と忠告してくれるNPCがいるが、肝心のビッグバンについては忠告してくれない。そもそも話を聞くのにお金を要求してくるために聞かなかったプレイヤーや、GB版・PS版では休み系特技で動きを止める→魔神斬りのコンボで容易に撃破出来たことから完全に油断していたプレイヤーも多いと思われる。~ 本作でもメタル系が休みに弱い点は変わっていないが、このはぐれメタルのみ休み属性に反射耐性が付けられており、上記のコンボで倒そうとすると逆に使用者が高確率で1回休みになってしまうという罠が存在する。~ また、メタル狩り要員の「れんぞく」持ちのモンスターに魔神斬りを持たせていた場合、ダメージが分散する上にスモールボディのせいで攻撃が外れまくるのでダメージを与えにくくなってしまう。~ 実は「守備力低下が効く」という弱点があり、それを使えば魔神斬り戦法以上に楽に倒せるものの、それに気付かずに挑むと天空の世界の大ボスであるムドー以上に苦戦しかねない。 ---原作で最強クラスの特技だったビッグバンばかりが驚かれやすいが、天空の世界の最初のボスも完全2回行動でビッグバンより威力がやや劣る程度の強力な複合属性の全体攻撃『トルネード』を連発し、HPが減るとベホイマを使用してくるという強敵。 ---表ラスボス第2形態は完全3回行動なのだが、ハイテンションを2回連続で使って一気にテンションを最大まで上げた直後に攻撃してくることがあり、まともに食らってしまうと全員が500前後のダメージを受ける。~ 但し、人によっては補助や状態異常系の特技を連発する第1形態の方が強いと感じることもある。 ---裏シナリオ序盤のダンジョンのボスである水竜ギルギッシュはお供にラリホーマ・甘い息・眠り攻撃・メダパーニャを連発させ、自身はヒュプノスハント((眠り・混乱状態の相手には通常攻撃の2倍のダメージ、それ以外の相手には通常攻撃の半分のダメージを与える全体攻撃。))を連発してくる。~ おまけにこのダンジョンでは何の変哲もない通路を歩いている最中に唐突に上からボスが落ちてきてボス戦になるため、準備が出来ていない内にボス戦に突入してしまう危険性が高い。 ---裏シナリオ終盤のボスであるオリハルゴンとしん・りゅうおうは、間にエピソードを挟まない連戦(この間に配合やレベル上げ等に行くことは可能)であるにもかかわらず2体の強さの差が極端。しん・りゅうおうは完全3回行動で全体に大ダメージ+1回休みの追加効果の特技を連発する((「3回の行動の内2回は特技を使い、1回は通常攻撃をする」というルーチンになっており、持っている特技4つの内2つが1回休みの追加効果付き))ため、休み耐性のないモンスターを多く連れているとオリハルゴンに余裕で勝てたパーティでも殆ど何も出来ないままハメ殺されて全滅する危険がある。 ---裏ラスボス第2形態は『皆殺し((使用者を含む誰か1人に会心の一撃を繰り出す特技。3枠以上のモンスターが使用すると対象が敵全体か味方全体のどちらかになる。))』を使用してくるのだが、本来の仕様とは異なり「自身には絶対に当たらない」という凶悪な補正がかかっている上、食らうと全員が600前後のダメージを受ける。本作の会心の一撃は固定ダメージのため、ラスボスの攻撃力を下げてもダメージを減らすことが出来ない。~ 一応、皆殺しは斬撃属性のため『赤い霧』で封じることが出来、無属性の特技である『会心封じ』もたまに効く。更に『会心かんぜんガード』の特性があれば完全に無効化できるため、一切対処不可能という訳ではない。また、裏ラスボスが皆殺しを使う頻度自体は少なめに設定されている。 #endregion --ボス戦のバランス自体も前作までと比べて大味になっている。 ---今作では最序盤から全てのボスとそのお供に状態異常系の特技と一部の高威力の攻撃特技((死んでいる仲間が多い程威力が上がる「うらみぶし」、最大HPに応じて割合ダメージを与えるベタン系呪文など。))が絶対に効かない仕様になった。更に、前述したように敵の火力が全体的に高め・回復呪文を多用出来ないというバランスのため、ボス戦で取れる戦法が正攻法でのゴリ押しや反射・霧などに限られ、一部を除いて「レベルと耐性を上げて物理で殴るのが最も効率的」「殺られる前に殺れ」という少々味気ないものに。 ---ナンバリング作品だとボスに状態異常が効く例が結構あるのを考えると極端過ぎる調整である。ボスに状態異常が何でも効いてしまうのもまた味気ないが、本作は状態異常系の特技を多用するタイプのボスが序盤から非常に多く、おまけにボスとそのお供が使う状態異常特技が効きやすいように調整されている((今作では殆ど全てのボスとそのお供が『全ガードブレイク』という相手の全ての耐性を1段階下げてダメージ・状態異常を与えることが出来る特性を持っているため、ボスの使用する特技に対して無耐性だと弱点と同じ扱いになってしまう。))ため、それらの対策が霧で封じるか反射や耐性埋めで食らわないようにするぐらいしかないのはかなり不公平である。 ---なお、自作鍵の世界のボスとそのお供はストーリーの世界のボスとは耐性の設定が異なっているらしく、耐性が上げられてこそいるものの一部の状態異常(呪い、封じ系など)が有効になっている。お供には行動不能系の状態異常も効く。 -めぐりあいの仕様変更。利用の敷居が下がり使いやすくなった一方、前作より不便になった箇所もいくつか存在する。 --前作と違いメタル系以外の敵が一様にこちらに向かってくる上、後述のようにステルスが出来ない。~ おまけに敵を倒しても経験値とゴールドが一切入手できない仕様に変更されたため、目当てのモンスター以外と接触するのが時間の無駄でしかない。 --Sランク以上及び2枠以上のモンスターのスカウト%が前作より上がり辛くなっている。 ---めぐりあいや夢見る卵を除くとデータ毎に1体しか手に入らないモンスターが3体いるのだが、その内1体がSランク・3枠なので捕まえるのに苦労する。 ---ただし超ギガボディモンスターは一回のアタックごとにスカウト率が10%追加される。そのためこの仕様さえ知っていればAI4回行動持ちの四枠に任せればどんなモンスターでさえ40%の確率でスカウトできる。 --序盤から使えるようになったとは言え、鍵を入手したばかりの時点では到底勝ち目のないような強さのモンスターが出現するため、めぐりあいの鍵で初全滅したプレイヤーも多い。 ---めぐりあいの鍵で出てくるモンスターの戦闘時のスキル構成は完全ランダムなため、Fランクの鍵でもいきなり強力な特技を連発されて即全滅ということが起こり得る。 ---後述する鍵の仕様のため、「直前でセーブ→スカウトに失敗したらリセット」でスカウトに成功するまで粘る方法も不可能。 -BGMの多くが前作からの流用であることがしばしば批判される。 --とは言え、オリジナルであるGB版でも1と2で同じBGMが使い回されていた場面は多かったので、リメイクである以上仕方のない点と言える。しかし、以下の点は特に批判されることが多い。 --水上を渡る時のBGMがカットされ、水上移動中もフィールドの曲のままになってしまった。 ---内部データ上にはきちんと収録されている。曲名が『帆立貝に乗って』なので、水上移動が貝に乗る演出ではなくなってしまったことが理由だろうか? --戦闘BGMの幅が狭い。 ---全曲の音源が前作からの流用である。また、通常戦闘BGMは初代から、汎用ボス戦BGM・他国マスター戦BGMはジョーカー1からずっと同じ曲なので、「流石に食傷気味」との意見も。 ---表ラスボス戦のBGMがPS版のものではなくなってしまった。こちらのBGMも内部データ上には収録されている。 ---ナンバリングの某ボス戦のBGMがそのボス絡みのイベントで流れ、シナリオと演出が噛み合い好評だが、実際にそのボスと戦闘する時は汎用のボス戦BGMが流れるということがガッカリ点としてよく挙げられる。 ---ストーリー中に4枠モンスターが行動するシーンではいかにも戦闘曲っぽい雰囲気の新曲が流れるが、これも戦闘曲としては使用されていない。 //表ストーリーでよく流れる方の曲はドラクエ4の曲ではないと思うのですが… -ストーリーの改変について --一部のキャラの性格が変な方向に改変されている。 ---特に顕著なのが表ラスボス。原作の表ラスボスは「デザインが微妙」「影が薄い」「仲間になっても弱い」などとは言われていたものの、セリフ回しにはどこか大物感があるキャラクターではあったのだが、本作では倒した後の展開が変更された結果、コミカルで小物っぽいキャラに変わってしまった。 ---一応、「任務に失敗した部下を主人公の目の前で抹殺する」といったシリアスな描写も追加されてはいるのだが…。 ---「表ラスボスの居城が本来は裏ボスのものだった」という設定が追加されており、裏ボスを引き立たせるためにこのような性格改変を行ったのかもしれないが、GB版をプレイした人からは「倒した後の展開は変えないで欲しかった」という意見も少なくない。 ---ただし、リメイク前の影の薄さは解消。冒険中にわずかながら彼のバックボーンも語られるようになった上、イベントそのものは増加、表シナリオクリア後も出番があり、大物悪役とは言えないまでも己の過ちを反省して憎めないキャラクターにはなったため、少なくともポッと出の即退場ラスボス感は解消されている。 ---因みに、原作ではラスボスを仲間にする方法が「小さなメダル10枚と交換」とあまりにも微妙だったが、本作では表クリア後にイベントで仲間になるようになった。この点も改善と言えるだろう。 ---他に、失敗ばかりで頼りない人物であることがGB版・PS版以上に強調されておりギャグキャラのような顔になっている砂漠の王、オネエキャラになっているイカルガ((「イカずきん」というモンスターでストーリーを進めるのに必要な踊りを教えてくれ、仲間にもなる。性別は♂固定。))辺りも賛否が分かれる。 --本作のクリア後のストーリーは新規のシナリオであり、GB版にあったクリア後のストーリーではない。GB版の裏シナリオがPS版で削除されてしまったこともあり、本作で復活させて欲しかったという意見もある。 ---GB版及びPS版では1と2の時系列は殆ど間が空いていなかったのだが、3DS版では1と2の間は10年程空いているという設定に改変されており、これが原因でGB版のクリア後シナリオのある場面と矛盾が生じてしまうのがクリア後シナリオ変更の一因ではないかと思われる。 ---裏シナリオは前半はダンジョン攻略などがあり本編に近い構成なのだが、後半は淡々とボスラッシュが続くだけであるため、あっさりし過ぎていてやや好みが分かれる展開となっている。 ---ボスの最大HPが9999までしか設定できない仕様や前述した火力偏重のバランスのため、裏シナリオ終盤のボス戦はかなり短いターンで決着がついてしまうようになる。これもアッサリ感を増長させる一因。 ---GB版の各系統最強モンスター(但し全員ではない)や歴代魔王の進化系がボスとして登場する点は好評。 -個体値について --今作では、同じ種族のモンスターでも個体毎にステータスの限界値が±100(最大MP・守備力・賢さは±200)の範囲内で変動している場合がある。これによりモンスターの強化の幅が広がった一方、下記のような不満点も生じている。 ---配合で生まれたモンスターの場合は個体値のパターンが両親から半分ずつ遺伝するため、配合する度に個体値が変わってしまう。個体値にこだわりたい場合、スキルや特性の入れ替え等の度に厳選をやり直させられることになるためかなり面倒。 --尚、個体値の説明は究極対戦ガイドブック(攻略本の下巻のようなもの)のみにとどめられており、ゲーム中では何の説明もない。 --余談だが、『[[ポケットモンスターシリーズ]]』と違い公式が使用している名称である。 **問題点 -立体視がライブラリにしか対応していない。 --前作ではマップや戦闘画面にも対応していた。本作は前作よりも人物・モンスターのグラフィックやマップの数が大幅に増えているため、容量の都合で3D機能を削減せざるを得なかったのではないかと思われる。 -ムービーをスキップ出来ない。 --裏クリア後のストーリーの世界では昼夜の切り替わりの度に4枠モンスターのムービーが流れることがあり、同じムービーを何回も見せられることになる。 -評価点で述べたようにライブラリに特技・アイテム図鑑が追加され過去作よりは便利になったものの、新要素故か細かい粗が散見される。 --特技の消費MPが載っていない。このため、消費MPが「戦闘中に命令をする時」にしか確認できない。 ---回復呪文はマップ上で使う時にも確認できるが、戦闘時しか使えない特技は非戦闘時やAIのみの戦闘では一切確認できない。上述の通り消費MPは対戦を視野に置いた(置きすぎた)ため、育成時にMP管理を誤ると必要な時に特技が使えずに泣きを見ることになる。 ---『IX』以降のナンバリング作品も呪文・特技の消費MPがインフレ傾向にあるが、そちらは下位の呪文・特技と使い分けることが可能である。本作はオリジナル版同様、上位の攻撃特技を覚えると下位の特技は使えなくなってしまう(補助・回復呪文は下位のものが残る)ため、育成中に無闇やたらに上位の呪文を覚えさせてしまうと却って扱いにくくなってしまう場合が多い。 --「+値を上げることで開放される特性を調べるにはモンスター図鑑を1つ1つ確認して該当するモンスターを探し出さなければならない」「スキルによって追加される特性の習得条件が載っていない」という前作の問題点もそのまま。 -ストーリー以外の鍵の世界の仕様 --1度入ると鍵が壊れてしまい、再生までにリアルタイムで数時間(最大22時間)を要する。 ---このため、休日等にまとめてやり込みをしたいユーザーからは不満が上がった。 ---自作鍵の世界の敵を倒して得られる経験値・ゴールドはストーリーの世界よりも遥かに多いため、稼ぎ行為を制限する目的でこのような仕様にしたと思われる。しかしGB版・PS版では稼ぎ用の鍵であっても利用制限の類は一切なかった上、前述したように本作は稼ぎプレイが前提のゲームバランスになっているため、この点が余計に批判されやすい。 ---一応、クリア後なら鍵屋で鍵の修復が出来るようになるため、大金を払えば連続で入ることが可能になるが…。 --これ以外にも、ステルスが使えない、セーブが出来ない、ライブラリが見られない、クエストに挑戦しているか否かにかかわらず自作鍵の世界には15分しか滞在できないといった制限があり不評。 ---特に、モンスター収集のために自作鍵やめぐりあいの鍵の世界にいる時にライブラリが見られないのは不便極まりない。上述のライブラリの開閉を利用したエンカウント回避をさせないための仕様かもしれないが、本作は雑魚との戦闘から逃げるのが簡単なため、わざわざライブラリを見られなくする程の事でもないと思われる。 ---メタル系を除き、自作鍵の世界の雑魚は主人公を見つけるとこちらとの強さの差にかかわらず必ず追いかけてくるので、ステルスが出来ないのも非常に鬱陶しい。 --自作鍵のマップがGB版・PS版のようなランダム生成ではなくストーリーのマップの使い回しであることに落胆を示す人も多い。 ---前作でも旅の扉内のマップは完全なランダム生成ではなく予め出来ているマップを繋ぎ合わせたもので、そのバリエーションも少なかったため、容量上の都合でランダム生成にするのが難しい可能性もある。 --ボスや他国マスターを倒すクエストでは、マップによってはボス(他国マスター)の所まで辿り着くのに長いダンジョンの最深部まで進まなければならない。 ---仕掛けも元のマップそのままのため、元のマップが『魔王の城』のような仕掛けのあるダンジョンの場合は仕掛けも解かないと先に進めない。 ---前述のように道中の雑魚とは戦闘するメリットが薄く((メタル系やゴールデンゴーレム(倒すと万単位の大金が手に入る)など、旨みの多い雑魚敵も一応は存在するのだが…。))、マップもストーリーの使い回しでGB版・PS版の自動生成と比べると探索する楽しみも薄いため、冗長な要素(悪く言えばプレイ時間を水増しさせるためだけの要素)として受け取られやすい。 --ストーリーの鍵の世界の敵シンボルの挙動は丁寧に作り込まれている一方、自作鍵の世界の敵シンボルは「メタル系を除く殆どのモンスターが同じアルゴリズムで動く」というやや残念なものとなっている。 ---前作の旅の扉では、「たまに群れで動いていることがある」等若干の変化があったのだが、本作の自作鍵ではそれも廃止されてしまっている。 ---主人公のアクションに対する反応や戦闘時のAIを全モンスター間で使い回しているのか、自作鍵の世界のメタル系モンスターはメタルエリアなどにいるものと異なり「口笛に反応する」「戦闘中は絶対に逃げない」という嬉しいメリットもあったりする。 ---また、自作鍵の世界に出現する敵は戦闘時の判断力が非常に高く、「''必ず''最も弱っているモンスター1体を集中攻撃してくる」「強力な特技を優先的に使用する傾向がある」といった鬼畜な行動パターンを取る。 -光あふれる地の存在意義が薄くなった。 --前述のようにステルスが出来ない上、前作同様メタルキングにはどの方向から近付いても逃げられてしまう。おまけに前作と異なりメタル系を壁際まで追い詰めても壁に沿って逃げ続け、すぐにシンボルが消えるようになったため、メタル狩りが不便になった。~ これ自体は倍速機能の追加に伴うバランス調整と思われるのだが、光あふれる地以上に効率良く経験値を稼げてしまう鍵が存在するため、結果として光あふれる地の存在意義が薄れてしまっている。 --前作では光あふれる地にしか出現しないレアモンスターがいたのだが、本作ではそのモンスターも出現しなくなってしまった。 -プレイヤーの特技・マップ上でのアクションの難点 --前作と比較してプレイヤーの特技の習得が全体的に遅い。時間・天候を操作するラナ系呪文の習得が裏シナリオまで引き延ばされた他、ステルスに至っては「裏シナリオ最後のダンジョンの最上階に上がる階段の手前」という何とも嫌らしいタイミングで習得するようになった。 --プレイヤーの特技を使う際に主人公のモーションが挿入されるようになったため、前作と比較すると若干テンポが悪い。 --取っていないアイテムがいくつあるか調べる特技「盗賊の鼻」が削除された。このため、型紙等の取りこぼしを探すのが少し面倒。 --水上移動中は十字キーのアクションを使うことが出来ないため、地上と比較すると不便。 ---水上でモンスターが他のモンスターに襲われた場合、位置によっては助けられなくなってしまうことがある。1箇所だけ且つ夜限定だが、絶対に助けられないものも。 --ジャンプが出来るようになったが、細かい段差を飛び越えたり小さいモンスターを飛び越えて戦闘を回避することは出来ない。 ---本作の敵シンボルは縦方向への当たり判定が実際の体よりも広く設定されており、小さいモンスターの上を飛び越えようとするとモンスターの体に直接触れていなくても戦闘になってしまう。逆に、木にぶら下がっているモンスターなどの下をくぐろうとした場合も戦闘になってしまう。~ シンボルの当たり判定の大きさで特に槍玉に挙げられたのが、序盤の水の世界の4枠モンスター『リバイアさま』。水の世界のストーリーを途中まで進めて夜になると((クリアしていない世界では、ストーリーの進行状況に応じて時間帯・天候が固定される仕様になっている。))出現するようになり、フィールド中央の小島の回りを巡回し始めるのだが、この時リバイアさまだけではなく島の周囲一帯に当たり判定が付けられており、リバイアさまを避けて島に上陸しようとしても戦闘になってしまう。このため、リバイアさまの隙を突いて島に上陸しようと試みたり、うっかり島に近付いてしまって全滅したプレイヤーが相次いだ。~ 3ターン耐えれば戦闘が強制終了する仕様にはなっているものの、本来は裏シナリオで戦う敵なので、序盤の段階ではリバイアさまの使用特技に強~完全耐性を持っているモンスターを複数連れている等でない限りまず耐えられない。~ 因みに、この島自体はリバイアさまを倒さなくても上陸出来るようにはなっている((リバイアさまを特定の場所に呼び出すイベントを利用して退かすことが可能))。 -色違いでないモンスターのモーションの使い回しが多い。 --これ自体はジョーカー1から指摘されている問題点だが、本作でその数が急増した。 --両手を挙げたポーズで飛行している種のモーションは、はえおとこ系(2種)、リザードフライ、グレムリン、バンパイアの4系統・計5体に使い回されている。 --モーションが使い回されているせいでポーズが不自然なモンスターも散見される。例えば、まほうつかい(DQ1)やあくましんかんは、なぞの神官のモーションを使い回しているせいで待機モーションなどに明らかな違和感がある上、攻略本に掲載されている公式イラストもなぞの神官と同じポーズのものに描き直されてしまっている。 --ウイングアサシンは、カプリゴンのモーションを使い回しているせいで「れんぞく」の特性を持っているにもかかわらず1回しか攻撃しないという設定ミスが存在する。 -前作以上の通信環境依存度上昇 --前作同様、地域限定配信モンスターや、全国に数ヶ所しかない指定の店舗でしか配信されていないモンスターがいる。すれちがいでスカウトしない限り前作から引き継がないと入手不可なモンスターも前作より増えている。 --配信限定モンスターを使わないと作れないモンスターも多数存在する (『X』のボスの一部、本作の裏ラスボス第2形態など)。自宅や近場にWi-Fi環境がない人はこれらのモンスターを夢見る卵かローカル交換でしか入手出来ず、夢見る卵で入手するのに必要な虹の卵もWi-Fiショッピング以外での入手手段は総じて非常に面倒。 --公式サイトの配信情報の更新が遅く、一部のモンスターの配信情報が配信開始から数日経たないと掲載されなかった。 ---いつの間に通信ですれ違えるモンスターに関しては公式サイトに何の告知もない。サプライズ要素として意図的に隠している可能性もあるが、現在いつの間に通信以外に入手手段のないモンスターも多く、その中には他のモンスターの配合に必須のモンスターもいるため、特定のモンスターの配信を待っている人にとっては不親切に感じられる。 --尚、特定店舗限定配信モンスターの多くはあくまで先行配信であり、現在は大半のモンスターが通常のWi-Fi環境か上記のいつの間に通信で入手可能になっている。 --配信or前作からの引き継ぎ限定モンスターはコンプ率には関係しないが、鍵の作成に必要な称号の中に、各系統のモンスターを配信限定も含めて全て入手しないと手に入らないものがある。 ---高ランクのスライム系のみが出現する(=メタル系モンスターが野生で出現する鍵を作りやすい)鍵はスライム系のモンスターを全種類集めることで貰える称号でしか作れず、スライム系を全種集めるには後述の基本無料ゲームをプレイするか、他のプレイヤーがすれちがいで配布しているものを夢見る卵で運良く入手するしかない。因みに、スライム系は他の系統に比べて配信限定、すれちがい限定等の入手が面倒なモンスターがやたら多い。~ 一応、通常プレイの範囲内で手に入る称号でもメタル系が野生で出る鍵は作れるが、こちらは出現モンスターの候補が全ての系統から選ばれるためメタル系が出現する鍵が出来る確率は極めて低い。 --他の基本無料ゲームとの連動特典や攻略本・雑誌などの関連書籍の付録で限定アイテムやモンスター等のプレゼントコードを付けるといった抱き合わせ商法も行われている。 ---すれちがいのアバターに使う服も、攻略本などに付いてくるダウンロードコードからでないと入手出来ないものや、公式大会の参加賞限定品になっているものが幾つかある。後者は現在入手不可能。 ---武器やアイテムのコンプ率には、これらの限定アイテムも数に含まれるため、フルコンプしたければ、嫌でもこれらの攻略本を買わなければならない。 ---しかもこのダウンロードコード、一度使うと再利用はできないため、コードを使った後に「主人公を変更したい」などの理由で最初からやり直してしまうと、買った攻略本や連動特典などが完全に無駄になってしまう。そのくせ、セーブデータは1つしか作れないのでソフトが1つしかないと、最初からやり直すことも困難になってしまう。 ---これらの内、モンスターは上記のコンテンツを購入しなくても夢見る卵で入手出来る可能性があるため、モンスター入手のためだけにVジャンプなどを購入したプレイヤーからは余計に問題視された。 --プレイヤーのモラルの問題だが、チートによって配信限定モンスター(上記の抱き合わせ商法限定も含む)やスライム系全コンプの称号で作った鍵が正式に配信される以前に出回るという騒動も発生している。 --地域限定モンスターの他に、各都道府県限定の『ご当地スキル』がある。発想自体は悪くないのだが以下のような問題点が生じている。 ---都道府県毎のご当地スキルの有用性の格差が激しい。このせいですれちがいでよく出回っているものと殆ど出回っていないものの差が激しく、収集面でも支障が出ている。Wi-Fiのすれちがいで全国のプレイヤーから貰うという手もあるが、後述するようにこちら側もレアなモンスターやスキルなどを持っていないとすれちがいを拒否される((対戦中にどちらかが棄権した場合、すれ違うことが出来ない。))風潮が生まれてしまっているため、入手の敷居が低くなるとは言い難い。 ---スキル名を適当に決めた感が強い都道府県がある。特に、神奈川のご当地スキル『ハマのプライド』は「横浜以外を蔑ろにしている」として不評。 -一部の称号の獲得条件が鬼畜 --鍵を累積で1000個入手する、小さなメダルを1000枚集める、鍛冶屋で武器に1000回追加効果を付ける、Wi-FiのマスターズGPやチャレンジャーズGPで優勝、自分が作成したコミュニティの対戦回数9999回以上で尚且つそのコミュニティの人数が100人以上といったものがある。 ---しかも小さなメダルと武器強化の2つは累積数を確認できない(小さなメダルは累積枚数で貰える景品を全て取った後は教えてもらえなくなる)ため、ゴールの見えない作業を延々とやらされる感が強い。 ---『X』同様☆付きの武器は店売りされておらず、お母さんのお使い・メダルおじさん等のサブイベント、宝箱、敵ドロップ、クエストの報酬でしか入手できないため入手に手間がかかる。 ---それでもオフラインのみで取得出来る称号は地道にやっていけばいつかは達成できるだろうが、Wi-Fiランキング上位の称号は一握りのプレイヤーしか入手できない。 ---本作では称号がやり込みの効率に直結するため、一部のプレイヤーしか入手出来ない称号があることは無視できない問題であろう。 -Wi-Fiランキング戦の仕様が最悪 -上記の通り称号にも直結しているのだが、大会はあろうことかリセットが効く(三回の戦いのどこかで負けてもリセットすると最初からやり直せる)ため、称号が手に入るような最上位に上がるのはほぼ完全な運ゲー。 --というのも、自分がやり直せる=相手もやり直せるであり、相手が戦ってくれない「不戦勝」は普通に戦って勝利した場合より点数が低くなるので、相手が自分と戦ってくれるかがまず問題となり、相手が戦ってくれたとしても熾烈な運ゲーに勝たなければいけない。 --更に上位陣は十中八九「いきなり○○の霧((戦闘開始時に、敵味方全体に効果のある「霧」を発動する特性。この特性を所持しているモンスターが複数いた場合、誰が発動させるかはランダム。))」を奪えるか奪えないかだけで勝敗が決まるような状態であるため、今作の対戦の最低条件として「霧を取れるまでリセット」が普通に条件として入ってくる。 -収集に於ける運要素が多い --報酬の入手確率の設定が鍵ごとに極端過ぎる。~ 配信されている鍵及び裏ストーリー中に手に入る幾つかの鍵のボスは倒せばレベル・評価に関係なく必ず仲間になる一方で、鍵の名前によってはレベルが☆(100)で最高ランクでクリアしても入手確率が十数%にしかならないものも。 ---報酬が何になるのかは鍵に名前を付けた時にランダムで決定され、しかも一度クリアしないと確認出来ないため、目当ての報酬が来るまで何度もクエストをクリアする必要がある。上述のように雑魚戦や探索の必要性の薄いダンジョンを攻略させられるのも面倒さに拍車をかけている。 ---武器の報酬獲得率が全体的に低めに設定されているため、非売品の武器(予約特典など)の収集がコンプの大きな鬼門となる。武器の報酬獲得率が最大で90%以上になる鍵を作れる称号もあるが、Wi-Fiランキングで1位を取らないと入手出来ない。 --虹の卵からレアモンスターが生まれる確率も目に見えて激減した。 ---前作と異なり、SSランクのモンスターは生まれない。虹の卵から生まれるモンスターの内訳はAランク20体、Sランク8体(前作ではAランク26体、Sランク28体、SSランク21体)であり、前作と比べてAランクのモンスターが生まれる確率がかなり高くなっている。そのAランクのモンスターも、配合で簡単に作れるものや裏シナリオの世界に普通に生息しているものが殆ど。 --メダルおじさんが卵の他にレアな武器強化素材であるオーブをくれるようになったが、何色のオーブをくれるかはランダムな上、貰う時に強制的にセーブされてしまうため厳選出来ない。 --このように運要素が多く絡むためリセットを多用したくなるシステムであるにもかかわらず、セーブせずにリセットすると手持ちの鍵が全部壊れてしまうペナルティがある。 ---リセットせず試行回数を重ねるとなると、プラチナの鍵(レベルが100まで上がる鍵)1本10万G、購入した鍵に名前を付けるのに1本数千~数十万G、鍵の再生が1本数万~十数万G、虹の卵1個15万Gと、とてつもない大金を支払わされることになる(鍵の再生以外はゴールドカードがあれば2割引になるが、それでも高価であることには変わりない)。 ---短時間で大量のゴールドを稼げる鍵があるので収支のバランスが崩壊している訳ではないのだが、十万単位の出費が多いにもかかわらず所持金の上限が999999Gと少なく、高額商品のまとめ買いをするのに不便。 --嫌なら使わなければいいと思われる方もいるかもしれないが、虹の卵かクエスト報酬以外に入手手段が無いモンスターもいるため、コンプを目指すなら利用せざるを得ない。武器も敵ドロップか鍵クエストの報酬以外に入手手段がないものが多く、オーブもメダルおじさん以外では宝箱(それも1箇所のみ)か鍵クエストの報酬でしか入手出来ない。 ---これに関連して、夢見る卵と鍵クエスト以外では他国マスターから奪うしか入手方法がないモンスターも数体いるのだが、今作の他国マスターはリセットすると消える仕様に変更されたため、前作のように直前でセーブしてスカウトに成功するまでリセットで粘る方法が使えなくなり、非常に捕まえにくくなってしまった。 -その他、鍵の仕様 --持てる鍵の最大数が少なめ。鍵の自作・配信が出来るようになったばかりの時点ではあまり気にならないが、ある程度やり込んでいるとすぐに鍵束がいっぱいになってしまう。 --鍵のリストの管理がしにくい。 ---鍵は同じ名前でも報酬や出現モンスターなどの内容はランダムで異なるのだが、リスト上では鍵の見分けが付かない。「既に持っている必要な鍵」と「新規入手した不要な鍵」が同じ名前だった場合は、注意深く見分けないと、間違って必要な方の鍵を捨ててしまいかねない。すれちがいなどで新規入手した鍵を捨てる際は特に注意が必要。 ---リストの整理整頓が不便。自由に並べ替えることが出来ず、『鍵の種類別・レベル順』か『入手した順』でしかソート出来ない。 //セレクトボタンでソートできます ---特定の鍵に何か印を付けておくようなこともできない。 //---どの鍵をいつ入手したのかも分かりにくい。すれちがいなどで新規入手した鍵を捨てる際も、リスト上から鍵をいちいち探し出さなければならない。 -前作ではすれちがいを1度に30人まで溜められたが、今作では8人までしか溜められなくなった。 //『10人バグ』と呼ばれる本体側のバグ((同じゲームで一度に10人以上とすれ違った場合、何人とすれ違おうが最後にすれ違った10人しか招待出来ないというもの。))への対策と思われるが、それなら何故10人ではなく8人なのかが謎。 //↑前作で検証してみましたが、前作の時点で既に対策されているようでした。 --このため、すれちがいやすい地域に住んでいるとすれちがいが無駄になりやすい。 -通信対戦のテンポ --通信対戦の速度が1倍速で固定。オフラインでの倍速機能が搭載された分、通信対戦のテンポが悪く感じられてしまう。 --4枠モンスターは行動時のモーションが派手ではあるものの、モーションの時間が冗長な長さであり、戦闘のテンポを悪化させている。 ---4枠モンスターはいずれも標準で3~4回の連続行動の特性を備えており、ただでさえ長いモーションが連続するケースが多いのでダレやすい。 -Wi-Fi対戦でのすれちがいが成立するタイミングが、『お互いが対戦を承諾した上で』『最後まで棄権せず戦い抜き』勝敗の表示が出た時のため、有力な鍵を持っていない初心者とやり込んだ上級者の間ではまず成立しない。 --対戦前にお互いの配信している鍵が表示されるので、良い鍵が無いと相手にされなくなってしまう。 ---基本的に、有力な鍵=入手難度の高い称号を用いた鍵なので、初心者や後発組はどうしようもない。対戦内容に関係なく、対戦後にすれ違うかどうかを選択させる方式で良かったのでは。 -前作同様、戦闘などの一部の画面でタッチ操作やスライドパッドによるコマンド選択が出来ない。 -武器強化周りの仕様の難点 --武器に一度付けた追加効果を外すことができない。武器は100個までしか持てず、☆付きの武器や各種オーブを入手するのも面倒なため、非常に不便である。 ---「お金が掛かってもいいので、追加効果を外したり上書きできるようにして欲しかった」という意見が多い。 --モンスターのステータス表示画面では、そのモンスターの装備武器を確認することはできても、武器に備わっている追加効果を確認することはできないのが不便。 --前述の通り武器屋では☆の付いていない武器しか売っていないため、「武器屋の存在意義が薄い」という『X』同様の問題点も生じている。 -『J2』以降の作品に共通する仕様として、戦闘時のメッセージが最低限しか表示されないのだが、本作ではそのせいで不便な点が増えてしまっている。 --本作では打撃系以外の特技(呪文・息など)も一定確率で回避される仕様に変更されたのだが、完全耐性でダメージが通らない場合も単に回避されただけの場合も「ミス」とだけしか表示されないため、ミスが完全耐性によるものなのか回避によるものなのか紛らわしい。 --異世界にいるモンスターなら元の耐性が分かれば判別可能だが、前述のご当地スキルの中に特定の耐性を4段階上げることが出来るものがあり、スキル構成によっては『弱点』を『無効』にまで上げることも可能なため、対人戦だと初見では全く分からない。 --「属性付き剣技をミスした際に回避されたのか完全耐性なのか見分けにくい」「敵1体にランダムで何らかのマイナス効果をかける特技・アイテムが命中した際にメッセージが一切表示されない」という過去作からの問題点も相変わらず。 ---- **総評 前作から様々な点が改良・強化されており、続編としては申し分ない出来。~ ただ、鍵の利用にリアルタイムで制限を設けることで毎日コツコツプレイするスタイルを強要するゲーム設計、収集ゲームとして運に左右される面が多すぎる等、プレイ時間を無理に引き延ばすためとも取れるような不便な仕様も目立ち、それらにはユーザーからの反発が多く見られたようだ。 とは言え、モンスターを育てて戦わせるという根本的な楽しさが損なわれた訳ではなく、倍速機能やモンスターのサイズ変更といった好評な新要素も多い。~ ゲーム内容自体は概ね良作だが、やり込み重視のシリーズであるが故に、やり込みの上で不便な点が気になってしまう形となった。でも、ストーリーは素晴らしい出来なので、ストーリーに興味がある人はぜひプレイを。 ---- **余談 -裏ラスボスは、『おおみみず』に似ている、断末魔が個性的過ぎるなどから度々ネタにされる。 -GB版・PS版にもいた卵鑑定士のお姉さん(本作では牧場の橋渡し役になっている)の名前が本作で初めて判明した。 --しかし、格闘場の隣に住んでいた女の子(本作では家の場所が変更されている)の本名は不明のままである。格闘場のアナウンスでも「マルタの女の子」と呼ばれてしまっている。 -2020年8月6日にはスマートフォン(iOS/Android)にて『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議な鍵SP』として3DS版をベースに新要素を加えた移植版が配信開始された。

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