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「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 //議論の跡もなく依頼が取り下げられていたようなので復帰。理由があっての取り下げなのであれば、きちんと理由を掲示した上でお願いします。 *スペースハンター 【すぺーすはんたー】 |ジャンル|アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000293.jpg,height=160) | //リンク先の画像URLがしょうめつしてたので削除。 |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売・開発元|ケムコ(コトブキシステム)|~| |発売日|1986年9月25日|~| |定価|4,900円|~| |備考|パスワードコンティニュー|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー'' |~| |ポイント|説明不足の説明書&br;タイトルから延々と続くBGM&br;オーバーフローとの戦い&br;''THE END''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ケムコより発売されたアクションゲーム。~ プレイヤーはサイボーグの少女アルティアナを操作し、人類の住む「主星」を守る為、各惑星に潜むボスを倒していく。 **ストーリー 西暦2199年、地球は核戦争による大爆発で大小9つに分裂し、人類はいったんその歴史の幕をとじた。~ しかし少数の者は自らの体をサイボーグ化し、生きのびることに成功した。~ 宇宙歴0230年、人類は地球防えい軍(アースコマンダー)の管理体制のもとで、再び文明のレベルを回復していたが、~ その体制に反抗したドゴール以下7人のサイボーグ人類はそれぞれ分裂した星に身をかくした。~ アースコマンダーはただちに地球最高のサイボーグ処理をほどこした一人の少女を反逆者打倒の任務につけた。~ 彼女の名はアルティアナ。~ 行く手には多くのきけんがまっている。油断するな、がんばれ、アルティアナ。~ 地球の運命は君にかかっているのだ。~ (取扱説明書より) **システム -ゲームを開始すると、ボスたちの潜む6つの小惑星とプレイキャラクターであるアルティアナが表示される。行きたい惑星上にアルティアナを移動させると探索開始。 --この6つの攻略順は任意。ただし、ボスに有効な武器やその入手場所の関係上、スムーズに進むためにはある程度攻略順は決まってくる。 ---また、惑星「アクアネット」は最上層以外水で満たされており、侵入には他の惑星でアイテム「フィン」を入手する必要がある。 --ちなみに、アルティアナは各惑星間を身ひとつ(恐らく足裏から噴出するジェット)で移動している。 -各惑星の探索は下方向に重力の働く普通の横視点2Dアクション。アルティアナはAボタンで装備している武器を使って攻撃し、Bボタンで装備しているアイテムに応じたアクションを取る。スタートボタンを押すとサブ画面が開き、Aボタン、Bボタンでそれぞれのボタンに対応した装備の変更ができる。 --武器は初期武器である画面端まで横一列の帯状の爆風が広がる「タイムボム」の他、横に真っ直ぐ弾を撃つ「クリスタル」、クリスタルより威力があるが弾が細く当てにくい「レーザー・サーベル」、8方向に撃ち分け可能でブーメランのように戻って来る「ヘアーアーム」、クリスタルの強化版の「ハートビーム」、横一列に縦一列を加えて十字状に爆風の広がる「ハイパワー・タイムボム」、画面全体の敵を全て倒す「ファイナルアーム」の7種類。 ---初期装備である「タイムボム」は無条件に何度でも使えるが、それ以外はアルティアナの「パワー」が武器ごとに決まった一定の値を超えていなければ装備できず、攻撃時に武器ごとに決まった量のパワーを消費する。装備に必要なパワー値を下回ると自動的に装備がタイムボムに変更される。 --Bボタンで使用する装備アイテムは「ジェット」、「フィン」、「タイムブレス」の3種類。 ---初期装備は「ジェット」で、Bボタンもしくは上ボタンを押すとアルティアナがジャンプ、長押しで飛行・滞空する。高度や時間の制限はなく、これを駆使して惑星内を縦横に探索するのが基本となる。(ジェット以外の装備ではジャンプ自体できない) ---「フィン」は水中に入り、遊泳出来るようになる装備。水中では上方向に強い浮力がかかり、「フィン」は「ジェット」とは逆にBボタンもしくは下ボタンによって浮力に逆らって下に向かって移動する。 ---「タイムブレス」は武器と同じくパワーによる制限があり、使用すると一定時間敵の動きを止める。ボスにも有効。 --その他に「シールド」が存在する。使う必要のない自動発動の装備で、3種類存在し、それぞれに対応した敵の特定の弾を無効化してライフへのダメージを防ぐが、代わりにパワーを少し消費する。 -各惑星マップは9×9画面分の広さ。画面端まで移動すると隣の画面に切り替わる。最上層が地表面でそこから地下に向かって進む構造であり、最上層から更に上に移動すると、その惑星から脱出。ボス撃破後を除き、侵入と脱出は自由に出来る。 -マップ各所には小部屋が存在。入口に触れると、一画面分の大きさの、細い通路で構成された見下ろし型マップに切り替わる。上下左右に自由に移動可能だがジャンプ・飛行は出来ない。脱出は自由。ボスの出現する一部屋を除き、内部の雑魚を全滅させるとアイテムかヒントのどちらかが入手できる。 --横にしか攻撃できない武器も小部屋内では上下左右に撃ち分けできる(タイムボムは除く)。 -何も無いように見えるマップでも、初期武器「タイムボム」の爆風を当てることで、隠し部屋の入り口や隠しキャラが出現する事がある。(「ハイパワー・タイムボム」でも可) --隠し部屋は通常時は視認不可と言うだけで、それ以外の扱いは普通の小部屋と変わらない。中には重要なアイテムが入手できるものもある。 --隠しキャラは、隠しとは言ったものの1画面か2画面に1つ程度と非常に多く存在し、アルティアナの縦方向の機動力とタイムボムの横方向の爆風範囲の広さもあって、普通にプレイしていても頻繁に見かけるものである。 ---隠しキャラは単なるお楽しみではなく、武器を使用する際に必要な「パワー」を回復してくれる。ソフトクリームやかき氷、よく分からないオブジェや果ては謎のおじさんまで色々。 ---実質、マップ固定配置のパワー回復アイテムのようなものであり、当たり判定こそあるが、キャラの移動や会話などは無く、ただ画面上に出現させるだけでパワーが回復する。 ---敵から時々出るアイテムでもパワーは回復できるが、隠しキャラは場所固定のうえ確実に何度でも出せるのでこれでパワーを稼ぐのがセオリー。 -ボス部屋に入ると即座に戦闘開始。 --各ボスには特定の武器しか効果が無い。部屋は自由に出入りできるので、「パワーが足りない」「該当武器を持っていない」状態になっても詰むことは無い。 ---どの武器が効くかはその惑星内の小部屋のどれかで聞けるようになる。 -ボスを撃破すると、惑星の自爆装置が作動。画面上部のタイマーが0になる前に惑星から脱出しないとゲームオーバー。 --爆発によって惑星が崩壊するため、以後そのステージには行けなくなる。 -以上を繰り返し、6つの小惑星を全て自爆させると、ラスボスの潜む最後の惑星が出現。これを撃破すればめでたくゲームクリアとなる。 -ライフ制で、ライフが尽きると即ゲームオーバー。 --タイトルに戻された後再度「START」を選ぶと、死亡時のアイテムやパワー、各惑星のクリア状況を保持して惑星選択画面から再開できる。~ また、パスワードコンティニュー可。パスワードはゲーム中、常に画面上部に表示されている。 --ライフ最大値は惑星を1つクリアするたびに1上がる **問題点 -ゲーム開始時、メッセージも何も無くいきなり惑星選択になる。説明書が無いと何が目的なのかすら分からない。 --ただしこの時代のゲームにおいては珍しいことではない。 -その説明書も割と大雑把。 --前述の隠しキャラや隠し部屋は、説明書には一切存在が書かれていない。 --全アイテムの名前が載っているが、効果説明は一切無い。ゲーム中でアイテムを入手すると「ブキメイ ○○」や「×× シールド」などと表示されるだけで、やはり効果の説明は一切無い。 ---シールドがそれぞれ何を無効化するのかはゲーム内の小部屋で得られるヒントで説明される。 --パワーを貯める方法や、ライフの回復手段すら記載無し。 ---ただし、敵は頻繁にライフ回復(星型)とパワー増加(月型)のアイテムを落とし、ライフ値・パワー値は画面上に常に表示されているので、実際にプレイした際に気付かず困ると言う事態はほぼ起こらないだろう。 --説明書の最後には「隠れテクや攻略法などは、君自身でさがしだして下さい。」とあるので意図的なのだろうが。 -「タイムボム」は唯一始めから持っている武器なのだが、扱いにくい。 --名称からすると時限爆弾のように思えるが、時間経過では爆発しない。設置地点から上or下に1キャラ分(左右は関係無し)移動すると起爆し、1キャラ分の幅で左右の画面端まで爆風が広がる。このため、設置後移動するタイミングを見計らわなければならない。 ---更に、爆風は地形に遮られるが、敵は地形などお構いなしに画面を飛び回る。起爆前のボム自体にもダメージはあるので、接触ダメージ覚悟で接近して設置、というやり方もあるが。 ---特に問題となるのは小部屋内での使用時。「1キャラ分の幅で左右の画面端まで爆風が広がる」という性質は見下ろし画面でも変わらないため、縦方向の通路ではほぼ全く役に立たず、また、小部屋は狭い通路で構成されるのに対してタイムボムには貫通性能が無いため、横方向の範囲の広さもほとんど発揮できない。(ちなみに他の武器はほとんどが壁貫通かつ小部屋では上下左右撃ち分け可である) --さっさと小部屋で他の武器を入手すれば楽になる。そのためには部屋内の敵を倒さなければならないが。 ---ゲーム開始地点から最も近くに存在し、難易度も低い惑星「ゾーバリア」の地表面(つまりステージに入ってすぐ)で、扱いやすく必要なパワー値も少ない「クリスタル」が手に入るので、まずこれを取ると言うゲーム設計なのだろうと思われる。 -「レーザー・サーベル」、「ハイパワー・タイムボム」、「ファイナルアーム」は隠し部屋にしか存在せず、それらが弱点であるボスを倒すには隠し部屋の発見が必須。 -サブ画面では惑星の全体マップが見られるが、ほとんど無意味。 --分かるのは「どの位置に小部屋があるか」だけで、地形は全く表示されない(サイズ的に無理だろうが)。そのため、「行ってみたら小部屋が地形の向こう側で辿り着けない」という事も。自分できっちり地形を覚えるか、マッピングするかしておかないと、ボス撃破後の脱出が間に合わず…という事態にもなりかねない。 ---ステージの構造そのものはどれもそれほど複雑ではない。 //-大抵のアイテムは入手場所が複数あるが、惑星「アクアネット」攻略に必須の「フィン」はとある一か所でしか入手できない。このため、入手せずにその惑星を自爆させると''詰み確定''。その場では詰みに気づかず、他の惑星を潰し終えてからやっと必要アイテムが無い事を悟る可能性もあり、たちが悪い(ラスボス撃破のための武器は最後の惑星でも手に入るので、必ずしも事前に探す必要はないが)。 //「フィン」を入手できる惑星は2つあるので、この情報は完全な間違い。つまり、「入手できる惑星が1つしかないアイテム」は存在せず、全てのアイテムが複数の惑星で入手チャンスがある。最強武器の「ファイナル・アーム」すら、これに当てはまる。 -パワーの上限は255だが、それを超えるとオーバーフローして0から貯めなおし。 --小部屋でこれを示唆するヒントは聞ける。知ってさえいれば、自分で意識している分にはそうそう起こらない事態ではある。しかし、敵の中には「タイムボム(と同じエフェクト)」で攻撃してくるものがいる。この爆風でも隠しキャラは出現するため、予期せぬオーバーフローが起きてしまう事も。 ---ただし、オーバーフローを引き起こすのは隠しキャラによるパワーの上昇の場合のみで、敵がたまにドロップするパワー+5のアイテムでは、255で打ち止めになる。 ---初期武器でパワー消費無しのタイムボムよりもパワー消費有りの武器の方が通常使用に向いているため、パワーを使って攻撃して出てきたアイテムでパワーを回収というプレイになりやすく、意図的に隠しキャラ出現を狙わない限りオーバーフロー危険域にはなりにくい。そして意図的に狙うのであれば少々時間は掛かるがいくらでも安全にパワーを稼げるので、ゲームバランスに対しての影響は少ない。 --ラスボスを撃破するための武器は必要パワーが250のため、ラスボスへの道中はいっそう注意しなければならない。 ---しかし、この武器はラスボスのみならずあらゆるボス・雑魚に有効、しかも一発で撃破できるため、パワーを温存さえすればあらゆるボス戦を簡単に攻略できるようになってしまうバランスブレイカーである((しかもこの武器は序盤から入手可能である。))。 -アイテムの入手場所が複数あることそれ自体は「隅から隅まで回り切らなくても良いように」という配慮なのだろうと思われるが、結果的に先のステージに進むほど、既に見たヒントであったり既にその装備を持っているために敵を全滅させても何も出現しない、「ハズレ」の小部屋が頻出する。 -パスワードで、5と6の区別がつきにくい。もうちょっとなんとかならなかったのか…。 -ダメージを受けた後の無敵時間がほぼ無いため、連続でガンガンダメージを受ける。 --特にボス戦では、ボス(一部を除く)の動きや弾、さらには弾を撃つテンポまでがやたら速いため、油断しているとあっという間にライフが0になる。 -前述の通り、ラスボス戦はファイナル・アームを1個置くだけで終わってしまうため、非常に味気ない。というかあっけなさ過ぎる。 -BGMはたった2種類。 --小部屋内での曲と、それ以外の場面(タイトル含む)での曲のみ。ボス戦だろうとエンディングだろうとゲームオーバーだろうと変化無し。 ---ちなみにゲームオーバーは突然敵味方が消え、「GAME OVER」と表示されるだけ。倒れたり爆発したりといった表示すら無く、実に地味。 --曲の出来自体は悪くないが、延々と同じ曲を聞かされていれば当然飽きる。 -ラスボスを撃破し脱出すると、青い輝きを取り戻した「主星」をバックに「''THE END''」と表示されて終わり。スタッフロールも無い。 --スタッフロール無しで終わるゲームはファミコン初期には珍しいものではないが、さすがに簡素すぎである。せめてエンディング曲に切り替えるくらいの変化は欲しかったところ。 --ラストステージの小部屋には雑魚を全滅させた際のヒントメッセージがスタッフ名と役職の記載になっているものが点在しており、これを変則的なスタッフロールと見ることも出来なくはない。 **評価点 -ゲームオーバー後の即時コンティニューは手間も回数制限も無く、快適。時間を置くならパスワードも完備、とそこだけは親切である。 --入手したアイテムやパワーが消えないので、死に戻りが惑星の深部から一発で惑星外に出るテレポート手段として普通に使える。 --ライフ回復アイテムは完全回復かつ敵のアイテムドロップ率が高いので、ゴリ押しが通用する程ではないが、そもそも死ににくい。 -アルティアナはこの時代のゲームとしてはかなりスピーディーに動け、動きに変な癖もなく操作性は良好である。 -パッケージや説明書に描かれているアルティアナのイラストはかわいい。 //--説明書にて、このイラストを用い「ショートコミック」としてゲームの流れを(ざっくりと)紹介している。 --知名度的にはマイナーではあるが、主人公に女性を据えたという点では、同時期の女性主人公を起用した有名ゲームと共にファミコンゲームにおける''「ギャルゲー」の先駆的作品のひとつ''とも看做されている。とはいえ、ファミコンゆえにイラストとドット絵とで著しい乖離があるのはお約束だったりするのだが((同年発売の『マドゥーラの翼』も本作と同様に、イラストとゲーム内のグラフィックとの乖離が大きいという共通点があるが、あちらはゲーム的にはそこそこの評価を得ている。))。 **総評 ステージを任意に選択し、得た武器によって攻略の進行に影響が出るという、戦略性を意識したゲーム性が特徴であるが、プレイが苦痛になるほどではないものの、説明不足や不親切な点等、粗が目立つ。また、慣れればクリアまで一時間とかからず、ゲーム内でストーリーが語られる事は一切無いため、淡白で盛り上がりも無く作業感が強い。 広告の「アルティアナ、君はいまどの星で闘っているのか…」というキャッチや、美少女アルティアナのイラストで掴みは良好であったものの、やはりこの時期のゲームとしてみても、あまりいい出来栄えとは言えない点は惜しまれる。
「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 //議論の跡もなく依頼が取り下げられていたようなので復帰。理由があっての取り下げなのであれば、きちんと理由を掲示した上でお願いします。 *スペースハンター 【すぺーすはんたー】 |ジャンル|アクション|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000293.jpg,height=160) | //リンク先の画像URLがしょうめつしてたので削除。 |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売・開発元|ケムコ(コトブキシステム)|~| |発売日|1986年9月25日|~| |定価|4,900円|~| |備考|パスワードコンティニュー|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー'' |~| |ポイント|説明不足の説明書&br;タイトルから延々と続くBGM&br;オーバーフローとの戦い&br;''THE END''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ケムコより発売されたアクションゲーム。~ プレイヤーはサイボーグの少女アルティアナを操作し、人類の住む「主星」を守る為、各惑星に潜むボスを倒していく。 **ストーリー 西暦2199年、地球は核戦争による大爆発で大小9つに分裂し、人類はいったんその歴史の幕をとじた。~ しかし少数の者は自らの体をサイボーグ化し、生きのびることに成功した。~ 宇宙歴0230年、人類は地球防えい軍(アースコマンダー)の管理体制のもとで、再び文明のレベルを回復していたが、~ その体制に反抗したドゴール以下7人のサイボーグ人類はそれぞれ分裂した星に身をかくした。~ アースコマンダーはただちに地球最高のサイボーグ処理をほどこした一人の少女を反逆者打倒の任務につけた。~ 彼女の名はアルティアナ。~ 行く手には多くのきけんがまっている。油断するな、がんばれ、アルティアナ。~ 地球の運命は君にかかっているのだ。~ (取扱説明書より) **システム -ゲームを開始すると、ボスたちの潜む6つの小惑星とプレイキャラクターであるアルティアナが表示される。行きたい惑星上にアルティアナを移動させると探索開始。 --この6つの攻略順は任意。ただし、ボスに有効な武器やその入手場所の関係上、スムーズに進むためにはある程度攻略順は決まってくる。 ---また、惑星「アクアネット」は最上層以外水で満たされており、侵入には他の惑星でアイテム「フィン」を入手する必要がある。 --ちなみに、アルティアナは各惑星間を身ひとつ(恐らく足裏から噴出するジェット)で移動している。 -各惑星の探索は下方向に重力の働く普通の横視点2Dアクション。アルティアナはAボタンで装備している武器を使って攻撃し、Bボタンで装備しているアイテムに応じたアクションを取る。スタートボタンを押すとサブ画面が開き、Aボタン、Bボタンでそれぞれのボタンに対応した装備の変更ができる。 --武器は初期武器である画面端まで横一列の帯状の爆風が広がる「タイムボム」の他、横に真っ直ぐ弾を撃つ「クリスタル」、クリスタルより威力があるが弾が細く当てにくい「レーザー・サーベル」、8方向に撃ち分け可能でブーメランのように戻って来る「ヘアーアーム」、クリスタルの強化版の「ハートビーム」、横一列に縦一列を加えて十字状に爆風の広がる「ハイパワー・タイムボム」、画面全体の敵を全て倒す「ファイナルアーム」の7種類。 ---初期装備である「タイムボム」は無条件に何度でも使えるが、それ以外はアルティアナの「パワー」が武器ごとに決まった一定の値を超えていなければ装備できず、攻撃時に武器ごとに決まった量のパワーを消費する。装備に必要なパワー値を下回ると自動的に装備がタイムボムに変更される。 --Bボタンで使用する装備アイテムは「ジェット」、「フィン」、「タイムブレス」の3種類。 ---初期装備は「ジェット」で、Bボタンもしくは上ボタンを押すとアルティアナがジャンプ、長押しで飛行・滞空する。高度や時間の制限はなく、これを駆使して惑星内を縦横に探索するのが基本となる。(ジェット以外の装備ではジャンプ自体できない) ---「フィン」は水中に入り、遊泳出来るようになる装備。水中では上方向に強い浮力がかかり、「フィン」は「ジェット」とは逆にBボタンもしくは下ボタンによって浮力に逆らって下に向かって移動する。 ---「タイムブレス」は武器と同じくパワーによる制限があり、使用すると一定時間敵の動きを止める。ボスにも有効。 --その他に「シールド」が存在する。使う必要のない自動発動の装備で、3種類存在し、それぞれに対応した敵の特定の弾を無効化してライフへのダメージを防ぐが、代わりにパワーを少し消費する。 -各惑星マップは9×9画面分の広さ。画面端まで移動すると隣の画面に切り替わる。最上層が地表面でそこから地下に向かって進む構造であり、最上層から更に上に移動すると、その惑星から脱出。ボス撃破後を除き、侵入と脱出は自由に出来る。 -マップ各所には小部屋が存在。入口に触れると、一画面分の大きさの、細い通路で構成された見下ろし型マップに切り替わる。上下左右に自由に移動可能だがジャンプ・飛行は出来ない。脱出は自由。ボスの出現する一部屋を除き、内部の雑魚を全滅させるとアイテムかヒントのどちらかが入手できる。 --横にしか攻撃できない武器も小部屋内では上下左右に撃ち分けできる(タイムボムは除く)。 -何も無いように見えるマップでも、初期武器「タイムボム」の爆風を当てることで、隠し部屋の入り口や隠しキャラが出現する事がある。(「ハイパワー・タイムボム」でも可) --隠し部屋は通常時は視認不可と言うだけで、それ以外の扱いは普通の小部屋と変わらない。中には重要なアイテムが入手できるものもある。 --隠しキャラは、隠しとは言ったものの1画面か2画面に1つ程度と非常に多く存在し、アルティアナの縦方向の機動力とタイムボムの横方向の爆風範囲の広さもあって、普通にプレイしていても頻繁に見かけるものである。 ---隠しキャラは単なるお楽しみではなく、武器を使用する際に必要な「パワー」を回復してくれる。ソフトクリームやかき氷、よく分からないオブジェや果ては謎のおじさんまで色々。 ---実質、マップ固定配置のパワー回復アイテムのようなものであり、当たり判定こそあるが、キャラの移動や会話などは無く、ただ画面上に出現させるだけでパワーが回復する。 ---敵から時々出るアイテムでもパワーは回復できるが、隠しキャラは場所固定のうえ確実に何度でも出せるのでこれでパワーを稼ぐのがセオリー。 -ボス部屋に入ると即座に戦闘開始。 --各ボスには特定の武器しか効果が無い。部屋は自由に出入りできるので、「パワーが足りない」「該当武器を持っていない」状態になっても詰むことは無い。 ---どの武器が効くかはその惑星内の小部屋のどれかで聞けるようになる。 -ボスを撃破すると、惑星の自爆装置が作動。画面上部のタイマーが0になる前に惑星から脱出しないとゲームオーバー。 --爆発によって惑星が崩壊するため、以後そのステージには行けなくなる。 -以上を繰り返し、6つの小惑星を全て自爆させると、ラスボスの潜む最後の惑星が出現。これを撃破すればめでたくゲームクリアとなる。 -ライフ制で、ライフが尽きると即ゲームオーバー。 --タイトルに戻された後再度「START」を選ぶと、死亡時のアイテムやパワー、各惑星のクリア状況を保持して惑星選択画面から再開できる。~ また、パスワードコンティニュー可。パスワードはゲーム中、常に画面上部に表示されている。 --ライフ最大値は惑星を1つクリアするたびに1上がる **問題点 -ゲーム開始時、メッセージも何も無くいきなり惑星選択になる。説明書が無いと何が目的なのかすら分からない。 --ただしこの時代のゲームにおいては珍しいことではない。 -その説明書も割と大雑把。 --前述の隠しキャラや隠し部屋は、説明書には一切存在が書かれていない。 --全アイテムの名前が載っているが、効果説明は一切無い。ゲーム中でアイテムを入手すると「ブキメイ ○○」や「×× シールド」などと表示されるだけで、やはり効果の説明は一切無い。 ---シールドがそれぞれ何を無効化するのかはゲーム内の小部屋で得られるヒントで説明される。 --パワーを貯める方法や、ライフの回復手段すら記載無し。 ---ただし、敵は頻繁にライフ回復(星型)とパワー増加(月型)のアイテムを落とし、ライフ値・パワー値は画面上に常に表示されているので、実際にプレイした際に気付かず困ると言う事態はほぼ起こらないだろう。 --説明書の最後には「隠れテクや攻略法などは、君自身でさがしだして下さい。」とあるので意図的なのだろうが。 -「タイムボム」は唯一始めから持っている武器なのだが、扱いにくい。 --名称からすると時限爆弾のように思えるが、時間経過では爆発しない。設置地点から上or下に1キャラ分(左右は関係無し)移動すると起爆し、1キャラ分の幅で左右の画面端まで爆風が広がる。このため、設置後移動するタイミングを見計らわなければならない。 ---更に、爆風は地形に遮られるが、敵は地形などお構いなしに画面を飛び回る。起爆前のボム自体にもダメージはあるので、接触ダメージ覚悟で接近して設置、というやり方もあるが。 ---特に問題となるのは小部屋内での使用時。「1キャラ分の幅で左右の画面端まで爆風が広がる」という性質は見下ろし画面でも変わらないため、縦方向の通路ではほぼ全く役に立たず、また、小部屋は狭い通路で構成されるのに対してタイムボムには貫通性能が無いため、横方向の範囲の広さもほとんど発揮できない。(ちなみに他の武器はほとんどが壁貫通かつ小部屋では上下左右撃ち分け可である) --さっさと小部屋で他の武器を入手すれば楽になる。そのためには部屋内の敵を倒さなければならないが。 ---ゲーム開始地点から最も近くに存在し、難易度も低い惑星「ゾーバリア」の地表面(つまりステージに入ってすぐ)で、扱いやすく必要なパワー値も少ない「クリスタル」が手に入るので、まずこれを取ると言うゲーム設計なのだろうと思われる。 -「レーザー・サーベル」、「ハイパワー・タイムボム」、「ファイナルアーム」は隠し部屋にしか存在せず、それらが弱点であるボスを倒すには隠し部屋の発見が必須。 -サブ画面では惑星の全体マップが見られるが、ほとんど無意味。 --分かるのは「どの位置に小部屋があるか」だけで、地形は全く表示されない(サイズ的に無理だろうが)。そのため、「行ってみたら小部屋が地形の向こう側で辿り着けない」という事も。自分できっちり地形を覚えるか、マッピングするかしておかないと、ボス撃破後の脱出が間に合わず…という事態にもなりかねない。 ---ステージの構造そのものはどれもそれほど複雑ではない。 //-大抵のアイテムは入手場所が複数あるが、惑星「アクアネット」攻略に必須の「フィン」はとある一か所でしか入手できない。このため、入手せずにその惑星を自爆させると''詰み確定''。その場では詰みに気づかず、他の惑星を潰し終えてからやっと必要アイテムが無い事を悟る可能性もあり、たちが悪い(ラスボス撃破のための武器は最後の惑星でも手に入るので、必ずしも事前に探す必要はないが)。 //「フィン」を入手できる惑星は2つあるので、この情報は完全な間違い。つまり、「入手できる惑星が1つしかないアイテム」は存在せず、全てのアイテムが複数の惑星で入手チャンスがある。最強武器の「ファイナル・アーム」すら、これに当てはまる。 -パワーの上限は255だが、それを超えるとオーバーフローして0から貯めなおし。 --小部屋でこれを示唆するヒントは聞ける。知ってさえいれば、自分で意識している分にはそうそう起こらない事態ではある。しかし、敵の中には「タイムボム(と同じエフェクト)」で攻撃してくるものがいる。この爆風でも隠しキャラは出現するため、予期せぬオーバーフローが起きてしまう事も。 ---ただし、オーバーフローを引き起こすのは隠しキャラによるパワーの上昇の場合のみで、敵がたまにドロップするパワー+5のアイテムでは、255で打ち止めになる。 ---初期武器でパワー消費無しのタイムボムよりもパワー消費有りの武器の方が通常使用に向いているため、パワーを使って攻撃して出てきたアイテムでパワーを回収というプレイになりやすく、意図的に隠しキャラ出現を狙わない限りオーバーフロー危険域にはなりにくい。そして意図的に狙うのであれば少々時間は掛かるがいくらでも安全にパワーを稼げるので、ゲームバランスに対しての影響は少ない。 --ラスボスを撃破するための武器は必要パワーが250のため、ラスボスへの道中はいっそう注意しなければならない。 ---しかし、この武器はラスボスのみならずあらゆるボス・雑魚に有効、しかも一発で撃破できるため、パワーを温存さえすればあらゆるボス戦を簡単に攻略できるようになってしまうバランスブレイカーである((しかもこの武器は序盤から入手可能である。))。 -アイテムの入手場所が複数あることそれ自体は「隅から隅まで回り切らなくても良いように」という配慮なのだろうと思われるが、結果的に先のステージに進むほど、既に見たヒントであったり既にその装備を持っているために敵を全滅させても何も出現しない、「ハズレ」の小部屋が頻出する。 -パスワードで、5と6の区別がつきにくい。もうちょっとなんとかならなかったのか…。 -ダメージを受けた後の無敵時間がほぼ無いため、連続でガンガンダメージを受ける。 --特にボス戦では、ボス(一部を除く)の動きや弾、さらには弾を撃つテンポまでがやたら速いため、油断しているとあっという間にライフが0になる。 -前述の通り、ラスボス戦はファイナル・アームを1個置くだけで終わってしまうため、非常に味気ない。というかあっけなさ過ぎる。 -BGMはたった2種類。 --小部屋内での曲と、それ以外の場面(タイトル含む)での曲のみ。ボス戦だろうとエンディングだろうとゲームオーバーだろうと変化無し。 ---ちなみにゲームオーバーは突然敵味方が消え、「GAME OVER」と表示されるだけ。倒れたり爆発したりといった表示すら無く、実に地味。 --曲の出来自体は悪くないが、延々と同じ曲を聞かされていれば当然飽きる。 -ラスボスを撃破し脱出すると、青い輝きを取り戻した「主星」をバックに「''THE END''」と表示されて終わり。スタッフロールも無い。 --スタッフロール無しで終わるゲームはファミコン初期には珍しいものではないが、さすがに簡素すぎである。せめてエンディング曲に切り替えるくらいの変化は欲しかったところ。 --ラストステージの小部屋には雑魚を全滅させた際のヒントメッセージがスタッフ名と役職の記載になっているものが点在しており、これを変則的なスタッフロールと見ることも出来なくはない。 **評価点 -ゲームオーバー後の即時コンティニューは手間も回数制限も無く、快適。時間を置くならパスワードも完備、とそこだけは親切である。 --入手したアイテムやパワーが消えないので、死に戻りが惑星の深部から一発で惑星外に出るテレポート手段として普通に使える。 --ライフ回復アイテムは完全回復かつ敵のアイテムドロップ率が高いので、ゴリ押しが通用する程ではないが、そもそも死ににくい。 -アルティアナはこの時代のゲームとしてはかなりスピーディーに動け、動きに変な癖もなく操作性は良好である。 -パッケージや説明書に描かれているアルティアナのイラストはかわいい。 //--説明書にて、このイラストを用い「ショートコミック」としてゲームの流れを(ざっくりと)紹介している。 --知名度的にはマイナーではあるが、主人公に女性を据えたという点では、同時期の女性主人公を起用した有名ゲームと共にファミコンゲームにおける''「ギャルゲー」の先駆的作品のひとつ''とも看做されている。とはいえ、ファミコンゆえにイラストとドット絵とで著しい乖離があるのはお約束だったりするのだが((本作と同じくギャルゲーの走りと言われる事のある、同年発売の『マドゥーラの翼』も、本作と同様にイラストとゲーム内のグラフィックとの乖離が大きいという共通点があるが、あちらはゲーム的にはそこそこの評価を得ている。))。 **総評 ステージを任意に選択し、得た武器によって攻略の進行に影響が出るという、戦略性を意識したゲーム性が特徴であるが、プレイが苦痛になるほどではないものの、説明不足や不親切な点等、粗が目立つ。また、慣れればクリアまで一時間とかからず、ゲーム内でストーリーが語られる事は一切無いため、淡白で盛り上がりも無く作業感が強い。 広告の「アルティアナ、君はいまどの星で闘っているのか…」というキャッチや、美少女アルティアナのイラストで掴みは良好であったものの、やはりこの時期のゲームとしてみても、あまりいい出来栄えとは言えない点は惜しまれる。

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