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//2015.11.21記事化。加筆・修正は理由等をCOしてくれるとありがたいです。 *ファーゼライ! 【ふぁーぜらい】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00014ARS0)| |対応機種|ネオジオポケット(モノクロ/カラー対応)|~| |発売元|SNK|~| |開発元|サクノス|~| |発売日|1999年12月22日|~| |定価|3,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|敷居低めの先行入力式バトル&br;どこかで見たような設定・キャラ&br;歌が流れるOP|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ネオポケでは珍しいSRPG。~ 舞台は近未来、地中海に面する統一運動激しい小国イスタル。プレイヤーは傭兵の黒沢正太郎(ショー・クロサワ:名前と愛称は変更可)として革命軍に与し、人型兵器「トイソルジャー(TS)」を駆ってイスタル正規軍との戦いに身を投じることになる。~ ~ 開発元のサクノスはPSの『[[クーデルカ]]』で有名な他、後に名作『[[シャドウハーツ]]』シリーズ((世界観が『クーデルカ』と繋がっており、同作主人公のクーデルカも登場する。))を手がけるノーチラスの前身でもある。~ その為、制作陣にはそれらの作品で有名になる弘田佳孝氏や板倉松三(現・町田松三)氏が含まれている。本作は同スタッフの隠れた良作といえる作品である。~ ちなみにタイトルの「ファーゼライ」とは主人公の傭兵団の名前でもあるが、ドイツ語で「バカ話」という意味である。 **システム -ストーリーは一般的なSRPGと同じく、イベント→戦闘→インターミッション→イベント→戦闘……の繰り返しで進む。 --インターミッション時に選べるフリー戦闘もある。 -プレイヤーキャラは主人公機のみで、構成要素はTS(機体本体)・装備・コンピューター・コンピューターチップの4種。インターミッションでこれらの売買をすることで主人公を強化する。 --TSは製造国によって性能の傾向が異なる。武器はほぼすべて使用回数制限あり。コンピューターとチップに関しては後述。 //--なお主人公パイロットや機体等の成長要素は無い((レベルと経験値の概念は一応あるが、レベルアップによる変化は主人公ショーの肩書きのみでゲームへの直接の影響は無い。))ため、公式ジャンル名こそSRPGだが実際はSLG(シミュレーションゲーム)と言った方が近い。 -戦闘はターン制だが、本作の最大の特徴にコマンド入力システム「TIPS」がある。 --''ターン開始時に「そのターン中とりたい行動(チップ)」をプログラムし、ターン中はその通りに自動で動く。'' ---移動や攻撃などの各動作がそれぞれチップとして存在しており、それらを並べて機体の行動を設定する。~ 移動一つとっても、旋回や平行移動など様々なチップがあり、手持ちチップの数と種類が実戦で取れる行動の豊富さに影響する。 ---ターン毎のプログラム可能数はコンピューターの性能で決まる。 --攻撃時に射程内に敵がいないと当然空振りするため、攻撃タイミングや弾数(残り使用回数)には常に気を遣う必要がある。 ---弾倉(使用回数回復)などの補助装備も一応あるが、その分武器装備枠を圧迫するので武器との兼ね合いを考えなければならない。 --移動先に敵がいるとぶつかることになるが、この時は「機体が重い方が軽い方を押し出しつつ微量のダメージを与える(軽い方は移動できない)」という形になる。 ---弾数が尽きるとこの方法でしかダメージを与えられなくなるため、敗北色が濃厚になる。 --『[[カルネージハート]]』や『[[ガンパレード・マーチ>高機動幻想 ガンパレード・マーチ]]』に近いシステムといえるが、本作の方がシンプルである。 ---- **評価点 -TIPSによる独特のゲーム性。 --「行動をあらかじめ決める必要がある」というのは一見ハードルが高いが、慣れれば面白い。読みが当たった時の爽快感もひとしお。 --『カルネージハート』における条件判断チップやマクロは存在しない。同作のように事細かな行動指定はできないものの、それが取っつき易さに繋がっている。 --高性能なコンピューターは当然値が張るが、導入できれば1ターンに敵より多く行動できるようになるため大幅に有利になれる。 -ストーリー戦闘はライバル戦や連戦などといった山場がまめに設けられ、メリハリがある。 -イベントは顔つき会話ウィンドウ+一枚絵で展開されるのだが、顔グラ・一枚絵ともに豊富かつ美麗。解像度の低いネオポケでは頑張っている方。 --ネオポケカラーでプレイすればより堪能できる((ネオポケカラーは同時期の携帯機の中で最も同時発色数が多い。))。ちなみにこの表現方法はサクノスの直前作『ダイヴアラート バーン編/レベッカ編』でも同じであり、キャラクターデザインも同作や『シャドウハーツ』と同じ加藤美也子氏である。 -『シャドウハーツ』の弘田佳孝氏によるBGMはノリが良く、場面を盛り上げてくれる。 --OPでは''歌''が流れ、ハードのポテンシャルを感じさせてくれる。 **賛否両論点 -隠し機体は2機存在するが、いずれも超高性能でほぼ無双できてしまう。入手は最終盤ではあるが。 --ちなみに特定条件下で敵として出てくる各機体を撃破すると入手できるのだが、この時のパイロットは良い意味で意外性あり。 **問題点 -全体的なボリュームは少なめ --ストーリー戦闘のマップは連戦含めて20に満たず、寄り道・やり込み要素も少ない。 -戦闘はユニットが密集することになるマップが多いこともあり、体当たりに弱い軽量級の機体は冷遇気味。 -ストーリーは微妙 --どこかで見たような展開や人物だらけ(あからさまなパクリもある)なので、元ネタを知っているとニヤニヤできるというよりは萎える可能性の方が高い。近未来(現代の延長線上の世界)を舞台としてはいるがリアリティもあまり無い。 --登場人物の容姿や設定が、説明書と実際のゲームとで食い違っている箇所がある。 --もっとも、これらに関してはゲーム部分を楽しめるならさほど気にならないと思われる。 -エンディングが淡泊すぎる。 --大団円的な一枚絵が何枚か表示されるのみで、スタッフロールも無い。 --ラストバトル後に主人公達や世界情勢がどうなったかも語られず、想像の余地があるというよりは投げっぱなしの印象が強い。 ---- **総評 ハードルが高くなりがちな先行入力システムを簡略化し、シミュレーションとして遊びやすく仕上げているのは見事。~ ネオポケユーザーの間では良作と言われる一本だが、いかんせんハードがマイナーすぎて埋もれてしまったのは残念。~ 粗が無い訳ではないが、サクッと楽しめる一作である。但し今となってはプレミアが付けられており入手は難しいが…。 ---- **余談 //-主人公の父の名前は「アキラ」。……ただのパクリなのか、それとも偶然か。 //これだけでわざわざ言うほどの事じゃないだろう -登場人物の一人「ゴッド・タカツ」は当時のSNKの名物広報・高津祥一郎氏がモデルと思われる。 --『ダイヴアラート』にも似たような人物が登場している。
//2015.11.21記事化。加筆・修正は理由等をCOしてくれるとありがたいです。 *ファーゼライ! 【ふぁーぜらい】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00014ARS0)| |対応機種|ネオジオポケット(モノクロ/カラー対応)|~| |発売元|SNK|~| |開発元|サクノス|~| |発売日|1999年12月22日|~| |定価|3,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|敷居低めの先行入力式バトル&br;どこかで見たような設定・キャラ&br;歌が流れるOP|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ネオポケでは珍しいSRPG。~ 舞台は近未来、地中海に面する統一運動激しい小国イスタル。プレイヤーは傭兵の黒沢正太郎(ショー・クロサワ:名前と愛称は変更可)として革命軍に与し、人型兵器「トイソルジャー(TS)」を駆ってイスタル正規軍との戦いに身を投じることになる。~ ~ 開発元のサクノスはPSの『[[クーデルカ]]』で有名な他、後に名作『[[シャドウハーツ]]』シリーズ((世界観が『クーデルカ』と繋がっており、同作主人公のクーデルカも登場する。))を手がけるノーチラスの前身でもある。~ その為、制作陣にはそれらの作品で有名になる弘田佳孝氏や板倉松三(現・町田松三)氏が含まれている。本作は同スタッフの隠れた良作といえる作品である。~ ちなみにタイトルの「ファーゼライ」とは主人公の傭兵団の名前でもあるが、ドイツ語で「バカ話」という意味である。 **システム -ストーリーは一般的なSRPGと同じく、イベント→戦闘→インターミッション→イベント→戦闘……の繰り返しで進む。 --インターミッション時に選べるフリー戦闘もある。 -プレイヤーキャラは主人公機のみで、構成要素はTS(機体本体)・装備・コンピューター・コンピューターチップの4種。インターミッションでこれらの売買をすることで主人公を強化する。 --TSは製造国によって性能の傾向が異なる。武器はほぼすべて使用回数制限あり。コンピューターとチップに関しては後述。 //--なお主人公パイロットや機体等の成長要素は無い((レベルと経験値の概念は一応あるが、レベルアップによる変化は主人公ショーの肩書きのみでゲームへの直接の影響は無い。))ため、公式ジャンル名こそSRPGだが実際はSLG(シミュレーションゲーム)と言った方が近い。 -戦闘はターン制だが、本作の最大の特徴にコマンド入力システム「TIPS」がある。 --''ターン開始時に「そのターン中とりたい行動(チップ)」をプログラムし、ターン中はその通りに自動で動く。'' ---移動や攻撃などの各動作がそれぞれチップとして存在しており、それらを並べて機体の行動を設定する。~ 移動一つとっても、旋回や平行移動など様々なチップがあり、手持ちチップの数と種類が実戦で取れる行動の豊富さに影響する。 ---ターン毎のプログラム可能数はコンピューターの性能で決まる。 --攻撃時に射程内に敵がいないと当然空振りするため、攻撃タイミングや弾数(残り使用回数)には常に気を遣う必要がある。 ---弾倉(使用回数回復)などの補助装備も一応あるが、その分武器装備枠を圧迫するので武器との兼ね合いを考えなければならない。 --移動先に敵がいるとぶつかることになるが、この時は「機体が重い方が軽い方を押し出しつつ微量のダメージを与える(軽い方は移動できない)」という形になる。 ---弾数が尽きるとこの方法でしかダメージを与えられなくなるため、敗北色が濃厚になる。 --『[[カルネージハート]]』や『[[ガンパレード・マーチ>高機動幻想 ガンパレード・マーチ]]』に近いシステムといえるが、本作の方がシンプルである。 ---- **評価点 -TIPSによる独特のゲーム性。 --「行動をあらかじめ決める必要がある」というのは一見ハードルが高いが、慣れれば面白い。読みが当たった時の爽快感もひとしお。 --『カルネージハート』における条件判断チップやマクロは存在しない。同作のように事細かな行動指定はできないものの、それが取っつき易さに繋がっている。 --高性能なコンピューターは当然値が張るが、導入できれば1ターンに敵より多く行動できるようになるため大幅に有利になれる。 -ストーリー戦闘はライバル戦や連戦などといった山場がまめに設けられ、メリハリがある。 -イベントは顔つき会話ウィンドウ+一枚絵で展開されるのだが、顔グラ・一枚絵ともに豊富かつ美麗。解像度の低いネオポケでは頑張っている方。 --ネオポケカラーでプレイすればより堪能できる((ネオポケカラーは同時期の携帯機の中で最も同時発色数が多い。))。ちなみにこの表現方法はサクノスの直前作『ダイヴアラート バーン編/レベッカ編』でも同じであり、キャラクターデザインも同作や『シャドウハーツ』と同じ加藤美也子氏である。 -『シャドウハーツ』の弘田佳孝氏によるBGMはノリが良く、場面を盛り上げてくれる。 --OPでは''歌''が流れ、ハードのポテンシャルを感じさせてくれる。 **賛否両論点 -隠し機体は2機存在するが、いずれも超高性能でほぼ無双できてしまう。入手は最終盤ではあるが。 --ちなみに特定条件下で敵として出てくる各機体を撃破すると入手できるのだが、この時のパイロットは良い意味で意外性あり。 **問題点 -全体的なボリュームは少なめ --ストーリー戦闘のマップは連戦含めて20に満たず、寄り道・やり込み要素も少ない。 -戦闘はユニットが密集することになるマップが多いこともあり、体当たりに弱い軽量級の機体は冷遇気味。 -ストーリーは微妙 --どこかで見たような展開や人物だらけ(あからさまなパクリもある)なので、元ネタを知っているとニヤニヤできるというよりは萎える可能性の方が高い。近未来(現代の延長線上の世界)を舞台としてはいるがリアリティもあまり無い。 --登場人物の容姿や設定が、説明書と実際のゲームとで食い違っている箇所がある。 --もっとも、これらに関してはゲーム部分を楽しめるならさほど気にならないと思われる。 -エンディングが淡泊すぎる。 --大団円的な一枚絵が何枚か表示されるのみで、スタッフロールも無い。 --ラストバトル後に主人公達や世界情勢がどうなったかも語られず、想像の余地があるというよりは投げっぱなしの印象が強い。 ---- **総評 ハードルが高くなりがちな先行入力システムを簡略化し、シミュレーションとして遊びやすく仕上げているのは見事。~ ネオポケユーザーの間では良作と言われる一本だが、いかんせんハードがマイナーすぎて埋もれてしまったのは残念。~ 粗が無い訳ではないが、サクッと楽しめる一作である。但し今となってはプレミアが付けられており入手は難しいが…。 ---- **余談 //-主人公の父の名前は「アキラ」。……ただのパクリなのか、それとも偶然か。 //これだけでわざわざ言うほどの事じゃないだろう -登場人物の一人「ゴッド・タカツ」は当時のSNKの名物広報・高津祥一郎氏がモデルと思われる。 --『ダイヴアラート』にも似たような人物が登場している。

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