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本項ではPS2用ソフト『サモンナイト4』(判定:なし)と、そのPSPリメイク版(判定:良作)の両方を紹介します。 ---- #contents() ---- *サモンナイト4 【さもんないとふぉー】 |ジャンル|ファンタジックシミュレーションRPG|&amazon(B000KN47GA)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|フライト・プラン|~| |発売日|2006年11月30日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|戦闘と宿屋経営を両立させる主人公&br;成長した過去作キャラが登場&br;一部キャラの言動の酷さが目立つ|~| |>|>|CENTER:''[[サモンナイトシリーズリンク>サモンナイトシリーズ]]''| ---- **概要 サモンナイトシリーズ本編の第4弾。~ 本作の主人公は「シリーズ最年少ながらも料理の腕前はプロ級で、一人で宿屋経営を行っている」という風変わりな設定で、それに関連するシステムも多く存在している。~ ストーリーの時系列は『[[2>サモンナイト2]]』から5~6年後で、3大国の一つ「帝国」の辺境にある宿場町が舞台となっている。 ---- **ストーリー >リィンバウム――そこは様々な魂が集う場所。 >ある者は「楽園」と呼び、またある者は「牢獄」とも呼ぶ世界。~ 「召喚術」と呼ばれる異世界の存在を使役する力を行使することにより、そこに暮らす者たちは数々の栄光と繁栄を手にし、また、同時に争いと災いをも呼びこみ続けていた。 >大陸に存在する三大国のひとつ「帝国」――その北端にそびえたつ山岳地帯にある宿場町「トレイユ」。~ 国境を越えてやって来る旅人で賑わうこの町のはずれに、宿屋兼食堂を営む少年(少女)の姿があった。 >幼い自分を一人ぼっちにして、旅に出たまま帰ってこない父親。~ それを反面教師とする彼(彼女)の夢は、真面目にこつこつ働いてまっとうな人生を送ること。~ 温かい友人たちに支えられながら得意の料理の腕をふるう、そんな忙しくも充実した日々に、突然の転機が訪れる。 >町外れの丘で目撃した虹色の流れ星。それを追って現れた謎の一団。~ 幼い頃から父親に叩き込まれた剣術で友を守って戦ったその時から、彼(彼女)は、知らず大きなうねりの中へと巻きこまれていくことになる。~ 行方もしれぬ父親を発端とした、人間と召喚獣の――そして、彼(彼女)自身の運命にも深く関わってゆく、答えの見えない戦いの日々の中へと…。 (PS2版公式サイトより引用) ---- **特徴 基本的に前作『[[3>サモンナイト3]]』のシステムを踏襲しているが、そこから更に改良・発展させている。 ''主人公・パートナーの設定'' -本作の主人公も『2』『3』同様男女から選択し、得意の攻撃分野(物理攻撃・召喚術)も最初の会話で選択する。 --主人公専用の特殊能力として、戦闘中に戦闘不能になった場合一度だけ復活する。戦闘不能者が出た扱いになるのでカルマ値((バトルで戦闘不能者を出したり、会話内の選択肢で悪い意味の方を選ぶと貯まっていく、ペナルティ的パラメータ。高すぎると隠しキャラクターが仲間にならなくなる。))が上がり、イベントバトルではブレイブクリア失敗となるので過信は禁物。 -パートナーは流れ星として落ちてきた卵から生まれた竜の子。性別を主人公が判断するのだが、選んだ性別で性格・外見が全く異なるキャラクターとなる。 --オスだと戦士寄り、メスだと召喚師寄りのキャラになる。性別不明の場合は育て方やクラスチェンジ次第でどちらの分野にも対応できる。 --3人に共通して、通常時の人間形態と、耐久力と移動力が高い竜形態を戦闘開始前や戦闘中に切り替えることができる。 ''クラスチェンジの仕様変更'' -特定の条件を満たすとキャラクター固有の称号(クラス)が変化する「クラスチェンジ」は健在だが、本作ではクラスチェンジの際にキャラクターに覚えさせたい特殊能力を選択し、その特殊能力に応じたクラスにクラスチェンジするようになった。 --同じキャラクターでもクラスの分岐先によって運用方法が大幅に変わるパターンが多い。 --なおクラスチェンジの条件は『[[1>サモンナイト]]』と同様レベルのみに戻っている((『2』『3』はボーナスポイントを割り振った後の基本パラメータの値も条件になっていた。))。 -クラスごとのスキルや装備可能な武器・防具の種類は、クラスチェンジした時だけでなく一部はレベルアップで習得・増加するようになった。 ''武器持ち替え'' -キャラクターが装備できる武器が2個に増え、自軍のターン中で使用する武器を切り替えられるようになった。 --これに伴い、すべての味方ユニットで最終的に装備できる武器の種類が2種類以上になっている。 ''防具加工'' -フィールドマップに存在する加工屋でお金を払い、所持している防具の特性を変化させることができる。 --特定の武器種から受けるダメージが減少・増加し、特定の状態異常を無効化できるようになる。 -一部のバトルでは加工済みの防具を装備している敵も存在する。 ''サポートユニット'' -出撃選択時、実際に戦うユニットの他に、サポート能力を使用する「サポートユニット」を1体選択できるようになった。 --後述の傀儡ユニットの一部を除く全てのキャラクターが固有のサポート能力を所持している。「敵の行動に割り込んでキャンセルさせる」「ターン開始時に味方を応援状態にする」など、効果や発動タイミングは様々。 --サポート専用ユニットを除き、サポートユニットとして出撃させても経験値は貰える。 --なおサポートユニットとして出撃させたユニットのレベルは、ブレイブクリアの上限を超えていても問題ない。 --ごく一部のシナリオではボス級の敵がサポートユニットとして出撃していることがある。 ''召喚獣お気に入り'' -シャオメイという少女のお店で「粋蜜糖」というアイテムと引き換えに、1キャラにつき召喚獣を1体「お気に入り」に登録できる。 --お気に入り登録したキャラクターに限り、召喚ランクが1つ緩和・召喚魔法の消費MP減少・お気に入り専用魔法の開放といった特典を得られる。 ---ユニット召喚ができる召喚獣をお気に入り登録した場合、ユニット召喚時の体色を7色の中から選べる。 --各属性の最強召喚獣と無属性の召喚獣はお気に入り登録できない。 ''人生やり直し'' -シャオメイのお店でユニットのレベルを下げる「人生やり直し」が行える。レベルを下げた分の経験値は一部還元される。 --覚えているスキルは習得レベルを下回ったり下位のクラスに戻った時点で忘れるため、別のクラスへのスキルの持ち越しは不可能。 ---ただし新待機型「ブロック」((敵の通常の物理攻撃を一定確率で無効化する、反撃系の待機型。))をクラスチェンジ後に修得するキャラクターが、待機型をブロックに設定した状態でレベルドレインを行うと、習得レベル未満になったり下位のクラスに戻ってもブロックを忘れないというバグが存在する。 --レベルアップ時のボーナスポイントを割り振り直したり、もう一方のクラスへクラスチェンジさせたりしたいときに便利。 --下記の料理でレベルアップさせた召喚獣のレベルも戻せるが、こちらは使用した料理は戻ってこない。 --実行時にシャオメイが少々苦しむが、実害は一切無い。何度も人生やり直しをさせていくと…? ''宿の評価'' -概要やストーリーの項にある通り、本作の主人公は宿屋を経営している。宿屋の評価を上げることも主人公の目的である。 --評価を上げるためには特定の会話やミニゲームのクリアで入手できる「星」を集める必要がある。 --特定のシナリオではそれまでに集めた星の数を宿のオーナーに査定してもらい、一定数以上集めるとアイテムを貰える。%%召喚獣用料理の素材とはいえ空き缶1個だが…。%% --宿の評価は後述の総合評価にも関わる。 ''料理'' -バトルやミニゲームなどで入手したレシピと食材を使い、回復や召喚獣の育成に使える様々な料理を自室で作ることができる。 --回復用の料理はブレイブクリアの条件の一つである回復アイテムの使用制限の対象外だが、ユニット1体につき1戦闘中2個までしか使えない。 --召喚獣の育成用料理は、使用するとポイントが貯まり、一定以上貯まるとレベルが上がって召喚魔法の性能と消費MPが上昇する。お気に入り同様、各属性の最強召喚獣と無属性の召喚獣には与えられない。 ---なおこのレベルはユニット召喚獣が場に出た時のレベルとは無関係(後者は前作までと違い召喚者のレベル依存になっている)。 --食材は周回で引き継がれるが、作成した料理とレシピは引き継がれない。 ''ミニゲーム'' -成績によってアイテムや装備品などが貰えるミニゲームは、本作では下記の5つ。 |~狙え!大物!!はりきりフィッシング!|シリーズおなじみの釣りゲーム。本作は餌を投げ込んだ後に浮きが沈む深さで釣れる魚が変わるようになった。| |~ガチンコ★トレーニング!|4方向から出てくるターゲットを攻撃するミニゲーム。攻撃してはいけないターゲットも存在するので、瞬時の判断力が問われる。&br;『3』の「こらっ!モグラだらけのイモ畑!」に似ているが、ターゲットの種類によって方向キーと各記号ボタンを使い分ける必要がある。| |~目指せ!満開!!ガーデンパズル|不思議な蝶をうまく誘導させ、全ての鉢植えの花を咲かせるパズルゲーム。和やかな雰囲気に反して''シリーズのミニゲーム一の高難易度''を誇る。&br;[[倉庫番]]に似た構成だが、操作キャラが鉢植えを押した際に突き当りまで押し続ける点が異なる。| |~てきぱきキッチン~今日も食堂は大忙し~|客が注文した料理を制限時間内に覚え、間違えずに提供する記憶型ゲーム。&br;『2』の「ケーキ屋さんでアルバイト」と同様、カメラ付携帯電話などがあると楽。| |~シャオメイのスクラッチカード|『2』にもあったスクラッチゲーム。はずれでもアイテムを貰えるようになった。| ''番外編'' -『[[2>サモンナイト2]]』『3』に存在した番外編は、本作では特定の条件を満たすと始まるサブシナリオ扱い((このため「『4』には番外編が存在しない」と勘違いするプレイヤーもいる。))。 -『1』『2』『3』から特定のキャラクターがゲストとして登場する。初登場作から作中の時間が経過しているため、大きく成長しているキャラクターもいる。 --アカネを除き、ゲストキャラクターはそのマップのみの参戦。 ''総合評価'' -ゲームクリア時、カルマ値の高さ・ブレイブクリアの回数・宿の評価を総合的に判断し、C(最低)/B/A/S(最高)の4段階で評価される。 -評価が高いと、最初から遊ぶときに下記のヒトカタの符を使用できるモードが解禁できるようになる。また評価に応じて貰えるヒトカタの符の量も増える。 ''ヒトカタの符'' -ヒトカタの符を使用できるモードで遊ぶと、入手したヒトカタの符をシャオメイのお店で消費して、本編や番外編に出てくる過去作からのゲストキャラクターを無限界廊限定で傀儡(くぐつ)ユニットとして使えるようになる。 --このモードでは番外編をクリアするとヒトカタの符を入手できるようになる。 ''一部仕様の廃止'' -『2』『3』に存在した、召喚獣の名前による強化・弱化のシステムは廃止されている。 -シリーズ中唯一カルマエンドが存在しない。 ---- **評価点 ''バトルのやり応えや自由度が上昇'' -前作までと比べると雑魚敵が積極的に進軍するようになっており、ボス級のユニットも非常に個性的かつ強力となっているため、難易度が上がっている。 --ボス級ユニットの内、獣皇の圧倒的な攻撃力やレンドラーのレベルの高さなどには初見では驚くだろう。しかし召喚術をうまく使ったり配置を考えれば、一周目でも戦闘不能を出さずに撃退しつつブレイブクリア可能という絶妙な調整になっている。 --防具加工によって特定の武器種や状態異常に耐性を持つ敵もいるため、事前の確認がより重要になった。 -味方ユニットも傀儡を使わない場合の最大人数は前作より減っているものの、戦力外になるキャラは皆無で(設定上ルシアンが若干弱めな程度)、クラスチェンジの多様化も相まって皆が他のキャラと被りにくい個性を持っている。 --強力な必殺技を習得できるユニットが増えたほか、武器持ち替えにより戦況に応じて戦い方を変えることができるようになっている。 --移動力も伸びやすくなり、最終的に5以上になるユニットが増えた((『3』までで移動力5に達するのは『3』のSPクラスのキュウマのみ。))ことで、進軍速度や位置取りのしやすさが増した。移動力を6固定にするアクセサリまで存在しており、頑張れば複数入手可能。 -回復用料理には前作まで回復方法が限られていたMPを回復できるものもあるため、召喚術や必殺技をより使いやすくなった。 ''魅力的なキャラクター達'' -過去の経歴から精神的に老成していながらも年相応の負けん気の強さも持つ主人公をはじめとして、主人公の親友であるブロンクス姉弟、主人公がお世話をすることになる竜の子、彼らを見守る大人達、様々な理由でトレイユにやってくる者達、竜の子を狙う敵組織の幹部級など、過去作に負けないほど個性的なキャラクターが集う。 -敵の親玉であるギアンも、冷酷さと心の脆さを併せ持ち、悲しい過去を持つことから、特に女性ファンが多い。 -一方で問題のあるキャラクターも過去作より目立つが、それについては問題点の項を参照。 ''BGM'' -シリーズ通じてピュアサウンドが手掛けるBGMは本作も良曲揃い。 --イベントバトルの戦闘BGMの種類がシリーズ内でも屈指の多さで、戦闘に飽きが来にくい。 ''過去作のキャラクターが出てくるファンサービス'' -『1』のアルバが『2』のルヴァイド・イオスの部下として「巡りの大樹自由騎士団」((『2』のシャムロックがエンディング後に設立した、どの国家にも属さない騎士団。「巡りの大樹」は「リィンバウム」と読む。))に所属している、『3』のスバル・パナシェが心身ともに見違えるほど成長しているなど、過去作をプレイしてきた人にとっては感慨深いイベントが存在する。 -無限界廊の最深部では外伝である『エクステーゼ』のキャラクター達が敵として登場する。外伝のキャラクターが本編に登場するのは本作が初。 --最深部だけあって強敵揃いだが、特に機械兵士であるリゼルドの必殺技は度肝を抜かされること間違いなしである。 --またイベントバトル以外では唯一ブレイブクリアレベルが設定されており、ブレイブクリアを目指すと難易度は更に上がる。 ---- **賛否両論点 ''夜会話・エンディングの仕様について'' -『3』では選択したキャラクターが真正面に表示される形式であり好評だったが、本作では『2』までのように通常会話と同様の表示形式に戻され、惜しむ声がある。 --ただ主人公がプレイヤーの分身というには個性が強くなってきており、主人公が夜会話で見せる表情も印象に残りやすいため、一概に改悪ともいえない。 -好感度の大小によるエンディングの分岐が存在しなくなった。ギャラリー登録の手間が減るという点では利点といえる。 ''主人公の年齢設定について'' -本作の主人公は15歳と過去作の主人公よりやや幼く、本編中で周囲から子供扱いされることも多い。 --そのためかエンディングに至るまで年齢を理由に恋愛に発展せず、子供扱いのまま終わるキャラクターが一部存在する。特に前作『3』では恋愛要素が高評価だった点もあって、否定的な声が多い。 --ただし、主人公の性格が幼稚であるというわけではなく、実際の主人公の人格は(勿論年相応に未熟な部分もあるが)むしろ過去作主人公と比較しても老成している方であり、プレイしてからは一転して好感を示す人もいる。 ---- **問題点 ''一部キャラクターの言動が批判されている'' -特に槍玉に挙がるのが主人公の父親、『1』からのゲストであるアカネの2人。 #region(主人公の父親について。ネタバレ注意) -主人公の父親・ケンタロウは「''幼い主人公を一人残して旅に出たまま、まだ生きているにもかかわらず10年以上音信不通''」という、父親としてあり得ない行動をとる。個人としての性格・言動も尊大で、主人公や彼の知人からは「ロクデナシ」という扱いを受けており、本人も父親失格であることは自覚しているのだが、彼の言動を受け入れられないプレイヤーもいた。 --「主人公の双子の妹が重い病気に罹っているため、その治療法を探す」という重大な理由があり、友人(宿屋のオーナー)に主人公のフォローは頼んでいるものの、音信不通であることは流石に擁護できない。 --主人公の料理や戦闘技術がプロ級になるきっかけとなり((普段は「クソ親父」呼ばわりしている主人公もその点だけは感謝している。))、家族団らんのエピソードも存在するなど決して悪人ではないのだが、悪印象を払拭するには至っていない。 --クリアデータを引き継いだ周回プレイでは、一部のシナリオをクリアした後にケンタロウとその仲間がシナリオと同じ時間軸で取っていた行動に関する会話が追加されるが、ケンタロウの行動に対する不快感が解消されるとは言い難い。 #endregion #region(アカネについて。ネタバレ注意) -アカネは条件を満たすと発生する番外編で仲間にできるが、その番外編で取った行動に問題がある。 --師匠から高額な薬を売るように頼まれてトレイユまでやって来ているが、番外編を起こす条件としてその薬を全てプレイヤーが購入する必要がある(実際のお金が必要な上にバトルでは使えない)。~ その薬をすべて買ってくれた主人公を恩人扱いするどころか、何故か「あくどい商売で稼いだに違いない」と勘違いして''お金を盗みに宿屋に侵入する''という非常識な行動に出る。 --シナリオ担当の都月景氏はブログで[[「(アカネは)ああいうイメージなので問題なし」「ちょっとダメなくらいが似合ってる」>https://web.archive.org/web/20140520111911/http://miyakoz.jugem.jp/?eid=36]]と述べているが、思い込みが原因で犯罪に手を染めるのは「ちょっとダメ」なレベルを明らかに超えている。 --ユニット性能としては竜形態の竜の子を除いて唯一移動力が7になるクラスがあるなど、シリーズ通して優遇されるシノビの例に漏れず非常に強い。また夜会話ではシノビとしての誇りや内面の成長を感じ取れる一面も一応存在する。 #endregion //#region(クラウレについて。ネタバレ注意) //-クラウレは初登場の時点で敵の主であるギアンに心酔しており、他の御使い達を裏切ってしまう。 //--終盤で窮地に陥っても変節漢と呼ばれることを嫌い徹底抗戦を宣言するものの、そもそも御使いを裏切っている時点で変節漢と呼ばれても仕方がないし、条件を満たして生存すると結局ギアンのことも裏切ることになるため、言動が一致していない。←変節漢と呼ばれることを嫌ったのはレンドラーだし主人公側についたのも暴走を始めたギアンを止めるためであり裏切りにはとても見えない。下記の要素もクラウレ自身の問題ではないため別項にて記述 //--条件を満たすとサポート限定ユニットとして仲間にできる(逆に満たせないと必ず死亡する)のだが、この条件周りにバグが存在しておりストーリー展開に矛盾が発生する場合がある。PSP版では修正された。 //---実際の加入の可否は専用のフラグで判定されているのだが、どうも加入前話の会話シーンはカルマ値の高低で分岐してしまっているらしい。このため、フラグ成立&カルマ値高の場合は''死亡したはずなのに何食わぬ顔で仲間に加入''し、逆にフラグ不成立&カルマ値低の場合は一命を取り留めたはずなのに次の話では死んだことになってしまう。 //--同じ御使い達からは極めて高い評価を得ているのだが、作中での言動がかみ合わず、評価ばかりが先走るかたちとなってしまっている。さらにプレイヤーからは「焼き鳥」((こう呼ばれるようになった理由については諸説あるが、ここでは割愛。))等と呼ばれ『3』のギャレオと並ぶネタキャラとして扱われることが多い。 //#endregion //''低年齢向けを意識したような要素'' //-過去作と比べて一部のサブタイトルがかなり砕けた雰囲気になっており、難色をしめす声が見られる。 //--第1話が「流れ星、拾っちゃいました」((『1』の第0話は「プロローグ」、『2』の第0話は「旅立ち」、『3』の第1話は「始まりは突然に」と、過去作はどれも無難なものになっていた。))、主人公の味方となる「御使い」(みつかい)が初めて登場する話が「ドキドキ、はじめての御使い」((どう見ても『はじめてのおつかい』と掛けている。話の内容は全く関係ないが。))といった具合。 //-台詞回しなどもノリが軽く、(特に序盤は)敵幹部と対峙してもあまりシリアスな状況にならないため、緊張感に欠ける。 //--こうした低年齢層を意識したような方針が見える一方で全体のテーマはかなり重いものとなっており、ギアンの出生に関わる点や、ストーリーにおいて仲間内で争いあうようなドロドロした要素が存在するため、中途半端な印象を与えている。←序盤のライトさと後半の重さの落差はシリーズ全般に言える事で本作に限った事ではない。台詞回しも軽口を叩かれるのはレンドラーのみであり、他の幹部達とはある程度緊張感のあるやり取りを交わしていたはず。サブタイトルについても砕けているのは4話までであり以降は普通。というかサブタイトルへの難色の声などそれこそごく一部だろうし、本作の問題点として挙げるのは少々乱暴に思える。 ''傀儡ユニットの使用制限'' -傀儡ユニットとして使える過去作キャラは何故か無限界廊でしか使用できず、イベントバトルなどでも使いたかったプレイヤーを落胆させた。 -本作の敵ユニットを傀儡ユニットとして一切使えない点も惜しい。 ''主人公の召喚術周りの仕様'' -本作の主人公は過去作の主人公と異なり「誓約の儀式」による召喚術作成が行えず、召喚師タイプにしても召喚ランクが最大でA止まりとなる。 --これは過去作の主人公と違い、召喚術に関して強大な力や血筋などを持っていないため。一応全属性の召喚術を扱える点は変わらない。 --召喚師タイプは仕様上獣属性の召喚師として運用することになるが、最序盤で仲間になるミントの壁が大きい。他の属性の召喚術も併用することで異なる運用はできる。 ''「目指せ!満開!!ガーデンパズル」の難易度'' -序盤はまだ簡単だが、レベルが上がるにつれ非常に多くの手数が必要になる程難易度が上がっていく。非常にやりごたえはあるが、真面目に解こうとするなら1ステージだけでも長時間かかってしまう。手数の制限などは無いのが救いか。 --ファミ通の攻略本でも「解答例を一切見ないでクリアできたら天才だ」と書かれるほど。 //賛否両論点に移されていたのを差し戻し。難易度の高さは当時から問題視されていたし、手数の制限がない点は別に問題を中和するほどのものでもない ''カルマルートの削除'' -バッドエンド扱いながら人気が高いカルマルートだが、本作では削除されてしまった。 --それらしき内容は10年以上経って発売された小説『サモンナイトU:X』で断片的に語られている。 ''ショップの食材の品揃えが悪い'' -何故か米しか売っておらず、他の食材はフリーバトルやミニゲームなどで集めるしかない。 ''特定キャラのエンディングルートで特定の隠しキャラを仲間にできない'' #region(ネタバレ注意) -クリアデータを引き継いで周回プレイを行うと、条件を満たすことで敵組織の主であるギアン(女性主人公の場合)または敵組織で「姫」と呼ばれている少女エニシア(男性主人公の場合)とのエンディングを迎えることができる。~ ただしその条件の一つとして、隠しキャラクターであるポムニット((序盤にサポート専用ユニットとして自動で仲間になるが、条件を満たさないと途中で離脱する。))を諦める必要がある。シナリオ上の都合とはいえ何らかのフォローは欲しかったところ。 --ちなみに『3』の2周目で解禁されるイスラルートは排他となる隠し要素が存在しなかった。 #endregion ''フラグ管理のミスと思われる要素'' #region(隠し要素のためネタバレ注意) -敵キャラクターであるクラウレは条件を満たすとサポート限定ユニットとして仲間にできる(逆に満たせないと必ず死亡する)のだが、この条件周りにバグが存在しておりストーリー展開に矛盾が発生する場合がある。PSP版では修正された。 --実際の加入の可否は専用のフラグで判定されているのだが、どうも加入前話の会話シーンはカルマ値の高低で分岐してしまっているらしい。このため、フラグ成立&カルマ値高の場合は''死亡したはずなのに何食わぬ顔で仲間に加入''し、逆にフラグ不成立&カルマ値低の場合は一命を取り留めたはずなのに次の話では死んだことになってしまう。このせいもありプレイヤーからは「焼き鳥」((こう呼ばれるようになった理由については諸説あるが、ここでは割愛。))等と呼ばれ『3』のギャレオと並ぶネタキャラとして扱われることとなってしまった。 #endregion ---- **総評 一部キャラクターの問題行動に不快感を持った一部ファンからは厳しい目で見られることもある本作。~ しかし戦闘面の更なるブラッシュアップや、成長した歴代キャラが出演するファンサービスなど、評価できる点は十分にある。~ 少なくとも、シリーズの名を冠するにはふさわしい出来の作品であるといえるだろう。 ---- **余談 -本作の主人公は、飯塚氏の画集「COADVENTURE 飯塚武史サモンナイト画集」で初披露された。 -『2』以来の伝統として、エンディングで表示される言葉を公式サイトの「召喚師の部屋4」で入力すると特典を入手することができた。現在はリンク切れのため入手不可能。 --『2』『3』と違いボイスデータは存在しない。 -登場キャラの1人であるミントのフルネームは「ミント・ジュレップ」である(同名のカクテルが元ネタ)が、PS2版の公式サイトで聞けた彼女のサンプルボイス(現在は試聴不可)での名乗りが音質の影響か「ミント・ジュ''デ''ップ」と聞こえた人が多かったらしく、長年誤解されていた。なお本編中でフルネームが明かされることはない。 --DS版『2』のファミ通の攻略本に掲載された都月氏書き下ろしの小説では、ミントが登場した際にジュレップ姓であることが明記されている。 -設定ミスだと思われるが、条件によっては特定のイベントバトルで''MDF(魔法防御力)999''の敵が出現する。その他の能力は他の敵と変わらないので倒すことは可能。 -番外編に登場するフィズとラミは『1』⇒『2』で一度声優が変更されていたが、本作で再度別の声優に変更されている。 -シリーズ唯一のインターネットラジオ番組『いつでも召喚!サモンナイト4』が公開されていた。パーソナリティはグラッド役の高橋広樹氏と、コーラル役の岩男潤子氏。 --後にラジオの内容と本編の後日談を描いたオーディオドラマが収録されたCDが発売された。 ---オーディオドラマでは男性主人公であるライの声を泰勇気氏が担当している。キャラクターに声質が合っておらず概ね不評だったが、『[[6>サモンナイト6 失われた境界たち]]』でも特に改善されないままライ役で続投している。 -女性主人公であるフェアに声が付くのは『6』まで待つこととなる。 -PS2版はナンバリングシリーズで唯一廉価版が発売されていない。 -ゲームでのデビュー作が『1』であることで知られる人気声優の杉田智和氏は、ナンバリングタイトルでは本作にのみ出演していない。 --下記のPSP版では『3』との連動特典で氏が担当したヴァルゼルドを使用できるため、エンドロールに名前が載っている。 -本作のアカネは首元に「忍」と書かれたバッジのようなものを付けているが、PS2版公式サイトでのキャラ紹介では[[「忍」の字が反転した状態のバストアップイラスト>https://web.archive.org/web/20160311022600/https://www.summonnight.net/snworld/sn4/character/chara25.html]]が使用されている。 --従来のシリーズの会話パートで使用されているバストアップイラストは、右側配置と左側配置で単に左右反転させただけのものが使用されている(着物の前合わせなども修正されない)。ただし本作のアカネに関しては流石に違和感丸出しのためか、ゲーム本編では左側配置用の「忍」の字の反転が修正されている。 //PS2版サイト全体がリンク切れになっているのでリンク先をInternet Archiveに変更 -御使いの一人であるセイロンは「龍人族」と呼ばれる種族の出身なのだが、PS2版公式サイトでのキャラ紹介では[[「''竜神続''」という酷い誤植が存在していた時期があった>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/7570/3238/Seilong.jpg]]。現在は[[修正済み>https://web.archive.org/web/20061023013638/http://www.summonnight.net/snworld/sn4/character/chara14.html]]。 ---- *サモンナイト4(PSP版) 【さもんないとふぉー】 |ジャンル|ファンタジックシミュレーションRPG|&amazon(B008OEDWPY)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|フェリステラ|~| |発売日|2012年11月15日|~| |定価|3,800円(UMD)/3,600円(DL)(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|PSP the Best:2014年9月4日&br;1,667円(UMD)/1,389円(DL)(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|シナリオ以外の問題点が概ね改善&br;使用可能なユニット数は歴代最多|~| |>|>|CENTER:''[[サモンナイトシリーズリンク>サモンナイトシリーズ]]''| ---- **概要(PSP) 当時の最新作『[[5>サモンナイト5]]』の発売に先駆け、『1』『2』のゲームアーカイブス版・『3』『4』のPSPリメイクの発売が発表された。~ PSPリメイク版は主にPS2版『4』のシステムを中心に更に改良を加えたものとなっており、PS2版からはシステムやゲームバランスが大きく変化している。 ---- **変更点(PSP) 基本的に[[PSP版『3』>サモンナイト3#id_b989758a]]と同じ内容なので、そちらも参照されたし。 //PS2版『4』からの大きな変更点は簡略化して記述 ''演出面'' -追加されたイベントイラストは和狸ナオ氏が担当している((和狸氏は後日発売された小説『サモンナイトU:X』でも挿絵を担当している。))。 -一部シナリオにおいて、PS2版では使用されなかった過去作キャラの出典のBGMが使用されるようになった。 -フリーバトルの開始前や一部イベントバトルで行われる各キャラの掛け合い(戦闘会話)は、本作では枯野瑛氏と山内シロウ氏が担当(エンドロールより)((余談だが、枯野氏と山内氏は過去にフライト・プランが制作したSRPG『セイクリッド ブレイズ』でもシナリオを担当していた(世界観設定は都月氏)。))。 -夜会話のキャラクター表示が、一部を除いて『3』同様の対面式に変更された。各キャラクターの正面絵は飯塚氏の書き下ろし。%%『3』での反省からか、真正面を向いているキャラは多くない。%% ''傀儡キャラ'' -過去周回で選択した主人公や竜の子、PS2版では使用できなかった敵キャラクターも傀儡ユニットとして使用できるようになった。 --とある隠しキャラはPS2版では条件付きでサポート専用ユニットとして仲間になったが、PSP版では条件を満たすと通常の傀儡ユニットとして使用できるように変更された。 --チェック漏れか意図的かは不明だが、番外編限定の敵キャラクターであるギムレとバレンは傀儡ユニットとして使用できない。%%もっとも外見・性格共に三流未満の小悪党なので、使用できても誰得感はあるが。%% -「無限界廊限定」という制約が廃止され、通常のフリーバトルやイベントバトルでも使用可能。 ''戦闘面'' -召喚獣のお気に入り登録は、魔法の消費MP減少や召喚ランク低下が起こらなくなった。 -キャラの召喚ランクが最大A止まりであることはPS版『3』と変わらないが、召喚師タイプの主人公の最高ランクがAのままであり、ミントとの実力差が埋まっている。 -『3』と仕様を合わせるためか、防具加工のシステムは廃止された。 -とある隠しキャラクターに、PS2版では使用できなかった変身能力が追加された。竜の子と同様に戦闘開始前に変身させた状態で出撃でき、戦闘中の切替も可能。 ''料理'' -一部レシピの入手方法が変更されている。特にPS2版では「目指せ!満開!!ガーデンパズル」で入手できたものは全て別の条件になっている。 -米しかなかったショップの食材の品揃えが増加した。 -クリアデータを引き継いでの周回プレイ時、料理のレシピも引き継がれるようになった。 ''ミニゲーム'' -「目指せ!満開!!ガーデンパズル」の一部仕様が廃止され、全体的に難易度が低下した。ステージ数も減少している。 -シャオメイのお店で遊べるミニゲームに、『3』にあったルーレットダーツが追加。景品はスクラッチカードと同じ。 ''『3』システムデータの連動特典'' -PSP版『3』のシステムデータがメモリーカードに存在する場合、以下の特典が得られる。いずれも『3』システムデータ内の開放状況や育成状況は一切影響しない。 --『3』で傀儡ユニットとして使用できた全てのキャラクターを、『4』でも傀儡ユニットとして使用できる。 --『3』限定の召喚術を1個ずつ入手できる。生徒4人・ミニス限定だった各召喚獣は誰でも使用できるように変更された。 ''その他'' -宿屋のオーナーによる星の数の評価で貰える報酬が大幅に増えた。 -とある隠しキャラの加入条件周りのバグは修正されている。 -クリア後の総合評価は削除された。 ---- **評価点(PSP) -ショップで買える食材が増え、周回でレシピが引き継がれるようになったことにより、気軽に様々な料理を作りやすくなった。 -傀儡ユニットの制約が無くなり、使用可能数が大幅に増加。『3』の連動特典も含めると、''使用可能なユニット数はシリーズ最多の90体((『3』のみのユニット48体+『4』のみのユニット39体+両方に登場するユニット3体。))(+サポート専用ユニット1体)''となる。 --フリーバトルの戦闘会話もより多彩になり、ちょっとしたお祭りゲーの雰囲気も味わえる。故に「『1』と『2』がアーカイブでなくリメイクだったら…」と惜しむ声も多い。 --傀儡ユニットの内ギアン・エニシア・リゼルドは壊れ気味の性能の特殊能力を持つが、ご褒美的な側面が大きいので特に問題視はされていない。またエニシアは基礎能力を極端に弱くすることでバランスを取っている。 ---- **賛否両論点(PSP) -番外編でのバトル用BGMについて、『1』キャラメインのシナリオでは「戦いの序曲」、『2』キャラメインのシナリオでは「英雄の戦い」、『3』キャラメインのシナリオでは「FIGHT WITH BRAVE」が流れる。 --「戦いの序曲」は『1』『2』の出撃準備用BGMであり、『1』の主なバトル用BGMである「激闘」を差し置いて採用した理由が不明瞭。アレンジ自体は格好よく仕上がっているのだが。 --「英雄の戦い」と「FIGHT WITH BRAVE」はそれぞれ最終盤の強敵との戦闘で使用されたBGMであり、シリーズファンからの人気は極めて高い。しかし本作では戦う相手がただの小悪党であり、仰々しさや不釣り合いを感じる人もいる。 ---「英雄の戦い」はメインシナリオで「騎士であるルヴァイドとレンドラーの一騎打ち」が行われるバトルでも使用されており、そちらは概ね違和感がない。 ---- **問題点(PSP) -PS2版の一部問題点が据え置き。 --『3』同様シナリオ面の追加・修正は行われていないので、一部キャラの問題行動が直っておらず、カルマルートも存在しない。 #region(PS2版のネタバレに絡むため折り畳み) --特定キャラのエンディングルートでポムニット残留を諦める必要がある問題はそのまま。一度条件を満たした後傀儡ユニットとして呼び出せるようになる隠しキャラもいるので、そちらの仕様に合わせてもよかったのでは…。 #endregion -PS2版には無かった新たなバグが存在する。 --「アロエリがクラス『天嶺の呪術士』で装備できる短剣を装備して攻撃する」「カルセド峠のバトルで召喚オブジェクトを破壊する」といった特定の状況でゲームがフリーズする。どちらも普通のプレイで起こり得る状況で、Best版では修正されているので、中古で買う場合などは気を付けよう。 ---- **総評(PSP) シナリオ面での追加要素や改善などはないものの、システム面では細かな不満点が概ね改善されており、より遊びやすくなっている。~ ただ本作単体で遊ぶ前に、一度PSP版『3』をプレイして連動特典を獲得してから遊ぶ方がより楽しめるだろう。Best版が非常に安価なので、両方買っても十分すぎるほどのお釣りがくるレベルである。 ---- **余談(PSP) -PSP版『4』のシステムデータ(エンディングまで到達していなくてもよい)がメモリーカードに存在している状態で『5』をプレイすると、パーティスキルの「お手製弁当」を入手できる。
本項ではPS2用ソフト『サモンナイト4』(判定:なし)と、そのPSPリメイク版(判定:良作)の両方を紹介します。 ---- #contents() ---- *サモンナイト4 【さもんないとふぉー】 |ジャンル|ファンタジックシミュレーションRPG|&amazon(B000KN47GA)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|フライト・プラン|~| |発売日|2006年11月30日|~| |定価|6,800円(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|戦闘と宿屋経営を両立させる主人公&br;成長した過去作キャラが登場&br;一部キャラの言動の酷さが目立つ|~| |>|>|CENTER:''[[サモンナイトシリーズリンク>サモンナイトシリーズ]]''| ---- **概要 サモンナイトシリーズ本編の第4弾。~ 本作の主人公は「シリーズ最年少ながらも料理の腕前はプロ級で、一人で宿屋経営を行っている」という風変わりな設定で、それに関連するシステムも多く存在している。~ ストーリーの時系列は『[[2>サモンナイト2]]』から5~6年後で、3大国の一つ「帝国」の辺境にある宿場町が舞台となっている。 ---- **ストーリー >リィンバウム――そこは様々な魂が集う場所。 >ある者は「楽園」と呼び、またある者は「牢獄」とも呼ぶ世界。~ 「召喚術」と呼ばれる異世界の存在を使役する力を行使することにより、そこに暮らす者たちは数々の栄光と繁栄を手にし、また、同時に争いと災いをも呼びこみ続けていた。 >大陸に存在する三大国のひとつ「帝国」――その北端にそびえたつ山岳地帯にある宿場町「トレイユ」。~ 国境を越えてやって来る旅人で賑わうこの町のはずれに、宿屋兼食堂を営む少年(少女)の姿があった。 >幼い自分を一人ぼっちにして、旅に出たまま帰ってこない父親。~ それを反面教師とする彼(彼女)の夢は、真面目にこつこつ働いてまっとうな人生を送ること。~ 温かい友人たちに支えられながら得意の料理の腕をふるう、そんな忙しくも充実した日々に、突然の転機が訪れる。 >町外れの丘で目撃した虹色の流れ星。それを追って現れた謎の一団。~ 幼い頃から父親に叩き込まれた剣術で友を守って戦ったその時から、彼(彼女)は、知らず大きなうねりの中へと巻きこまれていくことになる。~ 行方もしれぬ父親を発端とした、人間と召喚獣の――そして、彼(彼女)自身の運命にも深く関わってゆく、答えの見えない戦いの日々の中へと…。 (PS2版公式サイトより引用) ---- **特徴 基本的に前作『[[3>サモンナイト3]]』のシステムを踏襲しているが、そこから更に改良・発展させている。 ''主人公・パートナーの設定'' -本作の主人公も『2』『3』同様男女から選択し、得意の攻撃分野(物理攻撃・召喚術)も最初の会話で選択する。 --主人公専用の特殊能力として、戦闘中に戦闘不能になった場合一度だけ復活する。戦闘不能者が出た扱いになるのでカルマ値((バトルで戦闘不能者を出したり、会話内の選択肢で悪い意味の方を選ぶと貯まっていく、ペナルティ的パラメータ。高すぎると隠しキャラクターが仲間にならなくなる。))が上がり、イベントバトルではブレイブクリア失敗となるので過信は禁物。 -パートナーは流れ星として落ちてきた卵から生まれた竜の子。性別を主人公が判断するのだが、選んだ性別で性格・外見が全く異なるキャラクターとなる。 --オスだと戦士寄り、メスだと召喚師寄りのキャラになる。性別不明の場合は育て方やクラスチェンジ次第でどちらの分野にも対応できる。 --3人に共通して、通常時の人間形態と、耐久力と移動力が高い竜形態を戦闘開始前や戦闘中に切り替えることができる。 ''クラスチェンジの仕様変更'' -特定の条件を満たすとキャラクター固有の称号(クラス)が変化する「クラスチェンジ」は健在だが、本作ではクラスチェンジの際にキャラクターに覚えさせたい特殊能力を選択し、その特殊能力に応じたクラスにクラスチェンジするようになった。 --同じキャラクターでもクラスの分岐先によって運用方法が大幅に変わるパターンが多い。 --なおクラスチェンジの条件は『[[1>サモンナイト]]』と同様レベルのみに戻っている((『2』『3』はボーナスポイントを割り振った後の基本パラメータの値も条件になっていた。))。 -クラスごとのスキルや装備可能な武器・防具の種類は、クラスチェンジした時だけでなく一部はレベルアップで習得・増加するようになった。 ''武器持ち替え'' -キャラクターが装備できる武器が2個に増え、自軍のターン中で使用する武器を切り替えられるようになった。 --これに伴い、すべての味方ユニットで最終的に装備できる武器の種類が2種類以上になっている。 ''防具加工'' -フィールドマップに存在する加工屋でお金を払い、所持している防具の特性を変化させることができる。 --特定の武器種から受けるダメージが減少・増加し、特定の状態異常を無効化できるようになる。 -一部のバトルでは加工済みの防具を装備している敵も存在する。 ''サポートユニット'' -出撃選択時、実際に戦うユニットの他に、サポート能力を使用する「サポートユニット」を1体選択できるようになった。 --後述の傀儡ユニットの一部を除く全てのキャラクターが固有のサポート能力を所持している。「敵の行動に割り込んでキャンセルさせる」「ターン開始時に味方を応援状態にする」など、効果や発動タイミングは様々。 --サポート専用ユニットを除き、サポートユニットとして出撃させても経験値は貰える。 --なおサポートユニットとして出撃させたユニットのレベルは、ブレイブクリアの上限を超えていても問題ない。 --ごく一部のシナリオではボス級の敵がサポートユニットとして出撃していることがある。 ''召喚獣お気に入り'' -シャオメイという少女のお店で「粋蜜糖」というアイテムと引き換えに、1キャラにつき召喚獣を1体「お気に入り」に登録できる。 --お気に入り登録したキャラクターに限り、召喚ランクが1つ緩和・召喚魔法の消費MP減少・お気に入り専用魔法の開放といった特典を得られる。 ---ユニット召喚ができる召喚獣をお気に入り登録した場合、ユニット召喚時の体色を7色の中から選べる。 --各属性の最強召喚獣と無属性の召喚獣はお気に入り登録できない。 ''人生やり直し'' -シャオメイのお店でユニットのレベルを下げる「人生やり直し」が行える。レベルを下げた分の経験値は一部還元される。 --覚えているスキルは習得レベルを下回ったり下位のクラスに戻った時点で忘れるため、別のクラスへのスキルの持ち越しは不可能。 ---ただし新待機型「ブロック」((敵の通常の物理攻撃を一定確率で無効化する、反撃系の待機型。))をクラスチェンジ後に修得するキャラクターが、待機型をブロックに設定した状態でレベルドレインを行うと、習得レベル未満になったり下位のクラスに戻ってもブロックを忘れないというバグが存在する。 --レベルアップ時のボーナスポイントを割り振り直したり、もう一方のクラスへクラスチェンジさせたりしたいときに便利。 --下記の料理でレベルアップさせた召喚獣のレベルも戻せるが、こちらは使用した料理は戻ってこない。 --実行時にシャオメイが少々苦しむが、実害は一切無い。何度も人生やり直しをさせていくと…? ''宿の評価'' -概要やストーリーの項にある通り、本作の主人公は宿屋を経営している。宿屋の評価を上げることも主人公の目的である。 --評価を上げるためには特定の会話やミニゲームのクリアで入手できる「星」を集める必要がある。 --特定のシナリオではそれまでに集めた星の数を宿のオーナーに査定してもらい、一定数以上集めるとアイテムを貰える。%%召喚獣用料理の素材とはいえ空き缶1個だが…。%% --宿の評価は後述の総合評価にも関わる。 ''料理'' -バトルやミニゲームなどで入手したレシピと食材を使い、回復や召喚獣の育成に使える様々な料理を自室で作ることができる。 --回復用の料理はブレイブクリアの条件の一つである回復アイテムの使用制限の対象外だが、ユニット1体につき1戦闘中2個までしか使えない。 --召喚獣の育成用料理は、使用するとポイントが貯まり、一定以上貯まるとレベルが上がって召喚魔法の性能と消費MPが上昇する。お気に入り同様、各属性の最強召喚獣と無属性の召喚獣には与えられない。 ---なおこのレベルはユニット召喚獣が場に出た時のレベルとは無関係(後者は前作までと違い召喚者のレベル依存になっている)。 --食材は周回で引き継がれるが、作成した料理とレシピは引き継がれない。 ''ミニゲーム'' -成績によってアイテムや装備品などが貰えるミニゲームは、本作では下記の5つ。 |~狙え!大物!!はりきりフィッシング!|シリーズおなじみの釣りゲーム。本作は餌を投げ込んだ後に浮きが沈む深さで釣れる魚が変わるようになった。| |~ガチンコ★トレーニング!|4方向から出てくるターゲットを攻撃するミニゲーム。攻撃してはいけないターゲットも存在するので、瞬時の判断力が問われる。&br;『3』の「こらっ!モグラだらけのイモ畑!」に似ているが、ターゲットの種類によって方向キーと各記号ボタンを使い分ける必要がある。| |~目指せ!満開!!ガーデンパズル|不思議な蝶をうまく誘導させ、全ての鉢植えの花を咲かせるパズルゲーム。和やかな雰囲気に反して''シリーズのミニゲーム一の高難易度''を誇る。&br;[[倉庫番]]に似た構成だが、操作キャラが鉢植えを押した際に突き当りまで押し続ける点が異なる。| |~てきぱきキッチン~今日も食堂は大忙し~|客が注文した料理を制限時間内に覚え、間違えずに提供する記憶型ゲーム。&br;『2』の「ケーキ屋さんでアルバイト」と同様、カメラ付携帯電話などがあると楽。| |~シャオメイのスクラッチカード|『2』にもあったスクラッチゲーム。はずれでもアイテムを貰えるようになった。| ''番外編'' -『[[2>サモンナイト2]]』『3』に存在した番外編は、本作では特定の条件を満たすと始まるサブシナリオ扱い((このため「『4』には番外編が存在しない」と勘違いするプレイヤーもいる。))。 -『1』『2』『3』から特定のキャラクターがゲストとして登場する。初登場作から作中の時間が経過しているため、大きく成長しているキャラクターもいる。 --アカネを除き、ゲストキャラクターはそのマップのみの参戦。 ''総合評価'' -ゲームクリア時、カルマ値の高さ・ブレイブクリアの回数・宿の評価を総合的に判断し、C(最低)/B/A/S(最高)の4段階で評価される。 -評価が高いと、最初から遊ぶときに下記のヒトカタの符を使用できるモードが解禁できるようになる。また評価に応じて貰えるヒトカタの符の量も増える。 ''ヒトカタの符'' -ヒトカタの符を使用できるモードで遊ぶと、入手したヒトカタの符をシャオメイのお店で消費して、本編や番外編に出てくる過去作からのゲストキャラクターを無限界廊限定で傀儡(くぐつ)ユニットとして使えるようになる。 --このモードでは番外編をクリアするとヒトカタの符を入手できるようになる。 ''一部仕様の廃止'' -『2』『3』に存在した、召喚獣の名前による強化・弱化のシステムは廃止されている。 -シリーズ中唯一カルマエンドが存在しない。 ---- **評価点 ''バトルのやり応えや自由度が上昇'' -前作までと比べると雑魚敵が積極的に進軍するようになっており、ボス級のユニットも非常に個性的かつ強力となっているため、難易度が上がっている。 --ボス級ユニットの内、獣皇の圧倒的な攻撃力やレンドラーのレベルの高さなどには初見では驚くだろう。しかし召喚術をうまく使ったり配置を考えれば、一周目でも戦闘不能を出さずに撃退しつつブレイブクリア可能という絶妙な調整になっている。 --防具加工によって特定の武器種や状態異常に耐性を持つ敵もいるため、事前の確認がより重要になった。 -味方ユニットも傀儡を使わない場合の最大人数は前作より減っているものの、戦力外になるキャラは皆無で(設定上ルシアンが若干弱めな程度)、クラスチェンジの多様化も相まって皆が他のキャラと被りにくい個性を持っている。 --強力な必殺技を習得できるユニットが増えたほか、武器持ち替えにより戦況に応じて戦い方を変えることができるようになっている。 --移動力も伸びやすくなり、最終的に5以上になるユニットが増えた((『3』までで移動力5に達するのは『3』のSPクラスのキュウマのみ。))ことで、進軍速度や位置取りのしやすさが増した。移動力を6固定にするアクセサリまで存在しており、頑張れば複数入手可能。 -回復用料理には前作まで回復方法が限られていたMPを回復できるものもあるため、召喚術や必殺技をより使いやすくなった。 ''魅力的なキャラクター達'' -過去の経歴から精神的に老成していながらも年相応の負けん気の強さも持つ主人公をはじめとして、主人公の親友であるブロンクス姉弟、主人公がお世話をすることになる竜の子、彼らを見守る大人達、様々な理由でトレイユにやってくる者達、竜の子を狙う敵組織の幹部級など、過去作に負けないほど個性的なキャラクターが集う。 -敵の親玉であるギアンも、冷酷さと心の脆さを併せ持ち、悲しい過去を持つことから、特に女性ファンが多い。 -一方で問題のあるキャラクターも過去作より目立つが、それについては問題点の項を参照。 ''BGM'' -シリーズ通じてピュアサウンドが手掛けるBGMは本作も良曲揃い。 --イベントバトルの戦闘BGMの種類がシリーズ内でも屈指の多さで、戦闘に飽きが来にくい。 ''過去作のキャラクターが出てくるファンサービス'' -『1』のアルバが『2』のルヴァイド・イオスの部下として「巡りの大樹自由騎士団」((『2』のシャムロックがエンディング後に設立した、どの国家にも属さない騎士団。「巡りの大樹」は「リィンバウム」と読む。))に所属している、『3』のスバル・パナシェが心身ともに見違えるほど成長しているなど、過去作をプレイしてきた人にとっては感慨深いイベントが存在する。 #region(終盤では…) -無限界廊の最深部では''外伝である『エクステーゼ』のキャラクター達が敵として登場する''というサプライズがある。外伝のキャラクターが本編に登場するのは本作が初。 --最深部だけあって強敵揃いだが、特に機械兵士であるリゼルドの必殺技は度肝を抜かされること間違いなしである。 --またイベントバトル以外では唯一ブレイブクリアレベルが設定されており、ブレイブクリアを目指すと難易度は更に上がる。 #endregion ---- **賛否両論点 ''夜会話・エンディングの仕様について'' -『3』では選択したキャラクターが真正面に表示される形式であり好評だったが、本作では『2』までのように通常会話と同様の表示形式に戻され、惜しむ声がある。 --ただ主人公がプレイヤーの分身というには個性が強くなってきており、主人公が夜会話で見せる表情も印象に残りやすいため、一概に改悪ともいえない。 -好感度の大小によるエンディングの分岐が存在しなくなった。ギャラリー登録の手間が減るという点では利点といえる。 ''主人公の年齢設定について'' -本作の主人公は15歳と過去作の主人公よりやや幼く、本編中で周囲から子供扱いされることも多い。 --そのためかエンディングに至るまで年齢を理由に恋愛に発展せず、子供扱いのまま終わるキャラクターが一部存在する。特に前作『3』では恋愛要素が高評価だった点もあって、否定的な声が多い。 --ただし、主人公の性格が幼稚であるというわけではなく、実際の主人公の人格は(勿論年相応に未熟な部分もあるが)むしろ過去作主人公と比較しても老成している方であり、プレイしてからは一転して好感を示す人もいる。 ---- **問題点 ''一部キャラクターの言動が批判されている'' -特に槍玉に挙がるのが主人公の父親、『1』からのゲストであるアカネの2人。 #region(主人公の父親について。ネタバレ注意) -主人公の父親・ケンタロウは「''幼い主人公を一人残して旅に出たまま、まだ生きているにもかかわらず10年以上音信不通''」という、父親としてあり得ない行動をとる。個人としての性格・言動も尊大で、主人公や彼の知人からは「ロクデナシ」という扱いを受けており、本人も父親失格であることは自覚しているのだが、彼の言動を受け入れられないプレイヤーもいた。 --「主人公の双子の妹が重い病気に罹っているため、その治療法を探す」という重大な理由があり、友人(宿屋のオーナー)に主人公のフォローは頼んでいるものの、音信不通であることは流石に擁護できない。 --主人公の料理や戦闘技術がプロ級になるきっかけとなり((普段は「クソ親父」呼ばわりしている主人公もその点だけは感謝している。))、家族団らんのエピソードも存在するなど決して悪人ではないのだが、悪印象を払拭するには至っていない。 --クリアデータを引き継いだ周回プレイでは、一部のシナリオをクリアした後にケンタロウとその仲間がシナリオと同じ時間軸で取っていた行動に関する会話が追加されるが、ケンタロウの行動に対する不快感が解消されるとは言い難い。 #endregion #region(アカネについて。ネタバレ注意) -アカネは条件を満たすと発生する番外編で仲間にできるが、その番外編で取った行動に問題がある。 --師匠から高額な薬を売るように頼まれてトレイユまでやって来ているが、番外編を起こす条件としてその薬を全てプレイヤーが購入する必要がある(実際のお金が必要な上にバトルでは使えない)。~ その薬をすべて買ってくれた主人公を恩人扱いするどころか、何故か「あくどい商売で稼いだに違いない」と勘違いして''お金を盗みに宿屋に侵入する''という非常識な行動に出る。 --シナリオ担当の都月景氏はブログで[[「(アカネは)ああいうイメージなので問題なし」「ちょっとダメなくらいが似合ってる」>https://web.archive.org/web/20140520111911/http://miyakoz.jugem.jp/?eid=36]]と述べているが、思い込みが原因で犯罪に手を染めるのは「ちょっとダメ」なレベルを明らかに超えている。 --ユニット性能としては竜形態の竜の子を除いて唯一移動力が7になるクラスがあるなど、シリーズ通して優遇されるシノビの例に漏れず非常に強い。また夜会話ではシノビとしての誇りや内面の成長を感じ取れる一面も一応存在する。 #endregion //#region(クラウレについて。ネタバレ注意) //-クラウレは初登場の時点で敵の主であるギアンに心酔しており、他の御使い達を裏切ってしまう。 //--終盤で窮地に陥っても変節漢と呼ばれることを嫌い徹底抗戦を宣言するものの、そもそも御使いを裏切っている時点で変節漢と呼ばれても仕方がないし、条件を満たして生存すると結局ギアンのことも裏切ることになるため、言動が一致していない。←変節漢と呼ばれることを嫌ったのはレンドラーだし主人公側についたのも暴走を始めたギアンを止めるためであり裏切りにはとても見えない。下記の要素もクラウレ自身の問題ではないため別項にて記述 //--条件を満たすとサポート限定ユニットとして仲間にできる(逆に満たせないと必ず死亡する)のだが、この条件周りにバグが存在しておりストーリー展開に矛盾が発生する場合がある。PSP版では修正された。 //---実際の加入の可否は専用のフラグで判定されているのだが、どうも加入前話の会話シーンはカルマ値の高低で分岐してしまっているらしい。このため、フラグ成立&カルマ値高の場合は''死亡したはずなのに何食わぬ顔で仲間に加入''し、逆にフラグ不成立&カルマ値低の場合は一命を取り留めたはずなのに次の話では死んだことになってしまう。 //--同じ御使い達からは極めて高い評価を得ているのだが、作中での言動がかみ合わず、評価ばかりが先走るかたちとなってしまっている。さらにプレイヤーからは「焼き鳥」((こう呼ばれるようになった理由については諸説あるが、ここでは割愛。))等と呼ばれ『3』のギャレオと並ぶネタキャラとして扱われることが多い。 //#endregion //''低年齢向けを意識したような要素'' //-過去作と比べて一部のサブタイトルがかなり砕けた雰囲気になっており、難色をしめす声が見られる。 //--第1話が「流れ星、拾っちゃいました」((『1』の第0話は「プロローグ」、『2』の第0話は「旅立ち」、『3』の第1話は「始まりは突然に」と、過去作はどれも無難なものになっていた。))、主人公の味方となる「御使い」(みつかい)が初めて登場する話が「ドキドキ、はじめての御使い」((どう見ても『はじめてのおつかい』と掛けている。話の内容は全く関係ないが。))といった具合。 //-台詞回しなどもノリが軽く、(特に序盤は)敵幹部と対峙してもあまりシリアスな状況にならないため、緊張感に欠ける。 //--こうした低年齢層を意識したような方針が見える一方で全体のテーマはかなり重いものとなっており、ギアンの出生に関わる点や、ストーリーにおいて仲間内で争いあうようなドロドロした要素が存在するため、中途半端な印象を与えている。←序盤のライトさと後半の重さの落差はシリーズ全般に言える事で本作に限った事ではない。台詞回しも軽口を叩かれるのはレンドラーのみであり、他の幹部達とはある程度緊張感のあるやり取りを交わしていたはず。サブタイトルについても砕けているのは4話までであり以降は普通。というかサブタイトルへの難色の声などそれこそごく一部だろうし、本作の問題点として挙げるのは少々乱暴に思える。 ''傀儡ユニットの使用制限'' -傀儡ユニットとして使える過去作キャラは何故か無限界廊でしか使用できず、イベントバトルなどでも使いたかったプレイヤーを落胆させた。 -本作の敵ユニットを傀儡ユニットとして一切使えない点も惜しい。 ''主人公の召喚術周りの仕様'' -本作の主人公は過去作の主人公と異なり「誓約の儀式」による召喚術作成が行えず、召喚師タイプにしても召喚ランクが最大でA止まりとなる。 --これは過去作の主人公と違い、召喚術に関して強大な力や血筋などを持っていないため。一応全属性の召喚術を扱える点は変わらない。 --召喚師タイプは仕様上獣属性の召喚師として運用することになるが、最序盤で仲間になるミントの壁が大きい。他の属性の召喚術も併用することで異なる運用はできる。 ''「目指せ!満開!!ガーデンパズル」の難易度'' -序盤はまだ簡単だが、レベルが上がるにつれ非常に多くの手数が必要になる程難易度が上がっていく。非常にやりごたえはあるが、真面目に解こうとするなら1ステージだけでも長時間かかってしまう。手数の制限などは無いのが救いか。 --ファミ通の攻略本でも「解答例を一切見ないでクリアできたら天才だ」と書かれるほど。 //賛否両論点に移されていたのを差し戻し。難易度の高さは当時から問題視されていたし、手数の制限がない点は別に問題を中和するほどのものでもない ''カルマルートの削除'' -バッドエンド扱いながら人気が高いカルマルートだが、本作では削除されてしまった。 --それらしき内容は10年以上経って発売された小説『サモンナイトU:X』で断片的に語られている。 ''ショップの食材の品揃えが悪い'' -何故か米しか売っておらず、他の食材はフリーバトルやミニゲームなどで集めるしかない。 ''特定キャラのエンディングルートで特定の隠しキャラを仲間にできない'' #region(ネタバレ注意) -クリアデータを引き継いで周回プレイを行うと、条件を満たすことで敵組織の主であるギアン(女性主人公の場合)または敵組織で「姫」と呼ばれている少女エニシア(男性主人公の場合)とのエンディングを迎えることができる。~ ただしその条件の一つとして、隠しキャラクターであるポムニット((序盤にサポート専用ユニットとして自動で仲間になるが、条件を満たさないと途中で離脱する。))を諦める必要がある。シナリオ上の都合とはいえ何らかのフォローは欲しかったところ。 --ちなみに『3』の2周目で解禁されるイスラルートは排他となる隠し要素が存在しなかった。 #endregion ''フラグ管理のミスと思われる要素'' #region(隠し要素のためネタバレ注意) -敵キャラクターであるクラウレは条件を満たすとサポート限定ユニットとして仲間にできる(逆に満たせないと必ず死亡する)のだが、この条件周りにバグが存在しておりストーリー展開に矛盾が発生する場合がある。PSP版では修正された。 --実際の加入の可否は専用のフラグで判定されているのだが、どうも加入前話の会話シーンはカルマ値の高低で分岐してしまっているらしい。このため、フラグ成立&カルマ値高の場合は''死亡したはずなのに何食わぬ顔で仲間に加入''し、逆にフラグ不成立&カルマ値低の場合は一命を取り留めたはずなのに次の話では死んだことになってしまう。 --このバグのほかにもシナリオ上で突っ込みどころのある言動を見せるせいもあって、クラウレはプレイヤーから「焼き鳥」((こう呼ばれるようになった理由については諸説あるが、ここでは割愛。))等と呼ばれ『3』のギャレオと並ぶネタキャラとして扱われることとなってしまった。 #endregion ---- **総評 一部キャラクターの問題行動に不快感を持った一部ファンからは厳しい目で見られることもある本作。~ しかし戦闘面の更なるブラッシュアップや、成長した歴代キャラが出演するファンサービスなど、評価できる点は十分にある。~ 少なくとも、シリーズの名を冠するにはふさわしい出来の作品であるといえるだろう。 ---- **余談 -本作の主人公は、飯塚氏の画集「COADVENTURE 飯塚武史サモンナイト画集」で初披露された。 -『2』以来の伝統として、エンディングで表示される言葉を公式サイトの「召喚師の部屋4」で入力すると特典を入手することができた。現在はリンク切れのため入手不可能。 --『2』『3』と違いボイスデータは存在しない。 -登場キャラの1人であるミントのフルネームは「ミント・ジュレップ」である(同名のカクテルが元ネタ)が、PS2版の公式サイトで聞けた彼女のサンプルボイス(現在は試聴不可)での名乗りが音質の影響か「ミント・ジュ''デ''ップ」と聞こえた人が多かったらしく、長年誤解されていた。なお本編中でフルネームが明かされることはない。 --DS版『2』のファミ通の攻略本に掲載された都月氏書き下ろしの小説では、ミントが登場した際にジュレップ姓であることが明記されている。 -設定ミスだと思われるが、条件によっては特定のイベントバトルで''MDF(魔法防御力)999''の敵が出現する。その他の能力は他の敵と変わらないので倒すことは可能。 -番外編に登場するフィズとラミは『1』⇒『2』で一度声優が変更されていたが、本作で再度別の声優に変更されている。 -シリーズ唯一のインターネットラジオ番組『いつでも召喚!サモンナイト4』が公開されていた。パーソナリティはグラッド役の高橋広樹氏と、コーラル役の岩男潤子氏。 --後にラジオの内容と本編の後日談を描いたオーディオドラマが収録されたCDが発売された。 ---オーディオドラマでは男性主人公であるライの声を泰勇気氏が担当している。キャラクターに声質が合っておらず概ね不評だったが、『[[6>サモンナイト6 失われた境界たち]]』でも特に改善されないままライ役で続投している。 -女性主人公であるフェアに声が付くのは『6』まで待つこととなる。 -PS2版はナンバリングシリーズで唯一廉価版が発売されていない。 -ゲームでのデビュー作が『1』であることで知られる人気声優の杉田智和氏は、ナンバリングタイトルでは本作にのみ出演していない。 --下記のPSP版では『3』との連動特典で氏が担当したヴァルゼルドを使用できるため、エンドロールに名前が載っている。 -本作のアカネは首元に「忍」と書かれたバッジのようなものを付けているが、PS2版公式サイトでのキャラ紹介では[[「忍」の字が反転した状態のバストアップイラスト>https://web.archive.org/web/20160311022600/https://www.summonnight.net/snworld/sn4/character/chara25.html]]が使用されている。 --従来のシリーズの会話パートで使用されているバストアップイラストは、右側配置と左側配置で単に左右反転させただけのものが使用されている(着物の前合わせなども修正されない)。ただし本作のアカネに関しては流石に違和感丸出しのためか、ゲーム本編では左側配置用の「忍」の字の反転が修正されている。 //PS2版サイト全体がリンク切れになっているのでリンク先をInternet Archiveに変更 -御使いの一人であるセイロンは「龍人族」と呼ばれる種族の出身なのだが、PS2版公式サイトでのキャラ紹介では[[「''竜神続''」という酷い誤植が存在していた時期があった>https://img.atwikiimg.com/www26.atwiki.jp/gcmatome/attach/7570/3238/Seilong.jpg]]。現在は[[修正済み>https://web.archive.org/web/20061023013638/http://www.summonnight.net/snworld/sn4/character/chara14.html]]。 ---- *サモンナイト4(PSP版) 【さもんないとふぉー】 |ジャンル|ファンタジックシミュレーションRPG|&amazon(B008OEDWPY)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|フェリステラ|~| |発売日|2012年11月15日|~| |定価|3,800円(UMD)/3,600円(DL)(税別)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|PSP the Best:2014年9月4日&br;1,667円(UMD)/1,389円(DL)(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|シナリオ以外の問題点が概ね改善&br;使用可能なユニット数は歴代最多|~| |>|>|CENTER:''[[サモンナイトシリーズリンク>サモンナイトシリーズ]]''| ---- **概要(PSP) 当時の最新作『[[5>サモンナイト5]]』の発売に先駆け、『1』『2』のゲームアーカイブス版・『3』『4』のPSPリメイクの発売が発表された。~ PSPリメイク版は主にPS2版『4』のシステムを中心に更に改良を加えたものとなっており、PS2版からはシステムやゲームバランスが大きく変化している。 ---- **変更点(PSP) 基本的に[[PSP版『3』>サモンナイト3#id_b989758a]]と同じ内容なので、そちらも参照されたし。 //PS2版『4』からの大きな変更点は簡略化して記述 ''演出面'' -追加されたイベントイラストは和狸ナオ氏が担当している((和狸氏は後日発売された小説『サモンナイトU:X』でも挿絵を担当している。))。 -一部シナリオにおいて、PS2版では使用されなかった過去作キャラの出典のBGMが使用されるようになった。 -フリーバトルの開始前や一部イベントバトルで行われる各キャラの掛け合い(戦闘会話)は、本作では枯野瑛氏と山内シロウ氏が担当(エンドロールより)((余談だが、枯野氏と山内氏は過去にフライト・プランが制作したSRPG『セイクリッド ブレイズ』でもシナリオを担当していた(世界観設定は都月氏)。))。 -夜会話のキャラクター表示が、一部を除いて『3』同様の対面式に変更された。各キャラクターの正面絵は飯塚氏の書き下ろし。%%『3』での反省からか、真正面を向いているキャラは多くない。%% ''傀儡キャラ'' -過去周回で選択した主人公や竜の子、PS2版では使用できなかった敵キャラクターも傀儡ユニットとして使用できるようになった。 --とある隠しキャラはPS2版では条件付きでサポート専用ユニットとして仲間になったが、PSP版では条件を満たすと通常の傀儡ユニットとして使用できるように変更された。 --チェック漏れか意図的かは不明だが、番外編限定の敵キャラクターであるギムレとバレンは傀儡ユニットとして使用できない。%%もっとも外見・性格共に三流未満の小悪党なので、使用できても誰得感はあるが。%% -「無限界廊限定」という制約が廃止され、通常のフリーバトルやイベントバトルでも使用可能。 ''戦闘面'' -召喚獣のお気に入り登録は、魔法の消費MP減少や召喚ランク低下が起こらなくなった。 -キャラの召喚ランクが最大A止まりであることはPS版『3』と変わらないが、召喚師タイプの主人公の最高ランクがAのままであり、ミントとの実力差が埋まっている。 -『3』と仕様を合わせるためか、防具加工のシステムは廃止された。 -とある隠しキャラクターに、PS2版では使用できなかった変身能力が追加された。竜の子と同様に戦闘開始前に変身させた状態で出撃でき、戦闘中の切替も可能。 ''料理'' -一部レシピの入手方法が変更されている。特にPS2版では「目指せ!満開!!ガーデンパズル」で入手できたものは全て別の条件になっている。 -米しかなかったショップの食材の品揃えが増加した。 -クリアデータを引き継いでの周回プレイ時、料理のレシピも引き継がれるようになった。 ''ミニゲーム'' -「目指せ!満開!!ガーデンパズル」の一部仕様が廃止され、全体的に難易度が低下した。ステージ数も減少している。 -シャオメイのお店で遊べるミニゲームに、『3』にあったルーレットダーツが追加。景品はスクラッチカードと同じ。 ''『3』システムデータの連動特典'' -PSP版『3』のシステムデータがメモリーカードに存在する場合、以下の特典が得られる。いずれも『3』システムデータ内の開放状況や育成状況は一切影響しない。 --『3』で傀儡ユニットとして使用できた全てのキャラクターを、『4』でも傀儡ユニットとして使用できる。 --『3』限定の召喚術を1個ずつ入手できる。生徒4人・ミニス限定だった各召喚獣は誰でも使用できるように変更された。 ''その他'' -宿屋のオーナーによる星の数の評価で貰える報酬が大幅に増えた。 -とある隠しキャラの加入条件周りのバグは修正されている。 -クリア後の総合評価は削除された。 ---- **評価点(PSP) -ショップで買える食材が増え、周回でレシピが引き継がれるようになったことにより、気軽に様々な料理を作りやすくなった。 -傀儡ユニットの制約が無くなり、使用可能数が大幅に増加。『3』の連動特典も含めると、''使用可能なユニット数はシリーズ最多の90体((『3』のみのユニット48体+『4』のみのユニット39体+両方に登場するユニット3体。))(+サポート専用ユニット1体)''となる。 --フリーバトルの戦闘会話もより多彩になり、ちょっとしたお祭りゲーの雰囲気も味わえる。故に「『1』と『2』がアーカイブでなくリメイクだったら…」と惜しむ声も多い。 #region(一部キャラのネタバレ注意) --傀儡ユニットの内ギアン・エニシア・リゼルドは壊れ気味の性能の特殊能力を持つが、ご褒美的な側面が大きいので特に問題視はされていない。またエニシアは基礎能力を極端に弱くすることでバランスを取っている。 #endregion ---- **賛否両論点(PSP) -番外編でのバトル用BGMについて、『1』キャラメインのシナリオでは「戦いの序曲」、『2』キャラメインのシナリオでは「英雄の戦い」、『3』キャラメインのシナリオでは「FIGHT WITH BRAVE」が流れる。 --「戦いの序曲」は『1』『2』の出撃準備用BGMであり、『1』の主なバトル用BGMである「激闘」を差し置いて採用した理由が不明瞭。アレンジ自体は格好よく仕上がっているのだが。 --「英雄の戦い」と「FIGHT WITH BRAVE」はそれぞれ最終盤の強敵との戦闘で使用されたBGMであり、シリーズファンからの人気は極めて高い。しかし本作では戦う相手がただの小悪党であり、仰々しさや不釣り合いを感じる人もいる。 ---「英雄の戦い」はメインシナリオで「騎士であるルヴァイドとレンドラーの一騎打ち」が行われるバトルでも使用されており、そちらは概ね違和感がない。 ---- **問題点(PSP) -PS2版の一部問題点が据え置き。 --『3』同様シナリオ面の追加・修正は行われていないので、一部キャラの問題行動が直っておらず、カルマルートも存在しない。 #region(PS2版のネタバレに絡むため折り畳み) --特定キャラのエンディングルートでポムニット残留を諦める必要がある問題はそのまま。一度条件を満たした後傀儡ユニットとして呼び出せるようになる隠しキャラもいるので、そちらの仕様に合わせてもよかったのでは…。 #endregion -PS2版には無かった新たなバグが存在する。 --「アロエリがクラス『天嶺の呪術士』で装備できる短剣を装備して攻撃する」「カルセド峠のバトルで召喚オブジェクトを破壊する」といった特定の状況でゲームがフリーズする。どちらも普通のプレイで起こり得る状況で、Best版では修正されているので、中古で買う場合などは気を付けよう。 ---- **総評(PSP) シナリオ面での追加要素や改善などはないものの、システム面では細かな不満点が概ね改善されており、より遊びやすくなっている。~ 本作単体でも十分に遊べるが、一度PSP版『3』をプレイして連動特典を獲得してから遊ぶ方がより楽しめるだろう。Best版が非常に安価なので、両方買っても十分すぎるほどのお釣りがくるレベルである。 ---- **余談(PSP) -PSP版『4』のシステムデータ(エンディングまで到達していなくてもよい)がメモリーカードに存在している状態で『5』をプレイすると、パーティスキルの「お手製弁当」を入手できる。

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