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*ドラゴンボールZ 悟空飛翔伝 【どらごんぼーるぜっと ごくうひしょうでん】 |ジャンル|タクティカルRPG|&amazon(B000069RZQ,image=http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/165000538.jpg,width=160)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|バンダイ|~| |発売日|1994年11月25日|~| |定価|4,660円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|DBゲーム初の戦略性重視のRPG&br()GBでは高水準のグラフィック&br()戦闘中のキャラ絵が豊富|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールゲームリンク>ドラゴンボールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 人気TVアニメ『ドラゴンボールZ』のGBゲーム化初作品。~ 第23回天下一武道会開始前の天界での修行から始まり、地球に襲来したベジータを追い返すまでをRPG化している。~ ---- **特徴 -基本はアドベンチャーゲームのようにテキスト形式で進んでいき、ある程度フラグを成立させると先に進め戦闘を繰り返す。~ また修行として数種類のミニゲーム的なモードの他、蛇の道を突き進むアクションゲームも存在する。~ 進行したセーブデータを用いて、天下一武道会モードを遊ぶ事ができる。これらはそのセーブデータで育成した悟空を使えるだけでなく、進行状況に応じて相手や強さの変化するトーナメント戦を行える。 **戦闘 -本作は旧来のカード式バトルと違い、決められたフィールド内で戦闘を行うタクティカルRPGであり、自分のターンで行動コマンドを繰り返して攻撃などを行う。 -戦闘ではインターフェイス中央のゲージがMAXになると攻撃権が得られ悟空は以下のコマンドを組み合わせて戦う。悟空の行動には「移動」と「気合溜め」を除き全て『KI』を消費して行い、KIの現在値が消費KIを下回っていると攻撃が出来なくなる。最初は3つまでしか組み合わせられないがストーリーが進むにつれて最大で7つ組み合わせられる。 --攻 ---「拳」と「蹴」の2種類があり、最初はLV1の攻撃しかできないが命中回数に合わせてLV3までの「拳」と「蹴」技が使えるようになる。LVが高くなるほど威力と消費KIが増える。 --移 ---+2~-2まである他、どんな位置からでも相手の背後をとれる「後」コマンドがある。正の数なら数値の数だけ相手に近づき、負の数なら相手と距離をおく。相手との距離が近いほど攻撃の威力・命中率が上がり、遠いほど下がる。「後」はどんな距離からでも一瞬で相手の背後に回れるが失敗する場合もあり、その場合は距離は縮まらない。 --溜 ---KIを最大値の1/4回復。 --仙 ---仙豆を使い、HPとKIを最大値まで回復させる。二十三回天下一武闘会前に1粒、界王との修行を終えサイヤ人襲来の地に向かう前にカリンさまから貰う1粒の計2粒だけなので、2戦目以降のバトルで最大2回まで使うことができる切り札的コマンド。 --特 ---「気」気功波。最初は「エネルギーだん」と「かめはめは」だけだが、ストーリーが進むと「超かめはめは」((マジュニア戦前に追加))と「元気玉」((界王様との修行パート後に追加))が増える。打撃技と比べ消費KIが多いが、距離が離れていても命中が落ちないという強みがある((ただし威力は距離差があるほど落ちる)) ---「太」太陽拳。使用ターンは相手の回避率と移動力・スピードが落ちる。 ---「残」残像拳。使用から3ターンの間、悟空の回避率が上がり敵の攻撃が当たりにくくなる。シナリオを進めていくほどに残像数が増える。 ---「界」界王拳。使用ターンは自身のBPが倍率分高くなるが、使用するとその戦闘の間だけKIのMAX値が下がる。最大4倍まであり、界王の修行の成功に応じて倍率も高くなる。 ---「他」その他。「拳」「蹴」とは違う行動で最初は「投げる」だけだが、「投げる」の命中回数に応じて「頭突き」「体当たり」と強力な技を習得する。「投げる」は成功すると相手との距離を大きく開けることができるが、組み技ゆえ相手と隣接していないと絶対に命中しないという特殊な技。 ---「終」行動終了。攻撃コマンドの回数がまだ残されているうちに戦闘に入る事ができる。残っている攻撃回数は次のターンのスピードに加算される。 -敵が攻撃権を得たときは悟空は以下の行動で防御行動を行う。 --防 ---防御。素早く動くメーターを中央付近で止めると防御成功。中央付近の黒いマス内で止めると大きくダメージを軽減できるが中央から離れたマスだと軽減率が落ち、端付近の白いマスだと防御失敗となり通常ダメージを受ける。 --避 ---回避。2~5回、点滅する矢印を的確に押していくと成功。ダメージを0にすることができるが、一度でも失敗すると通常ダメージを受ける。 --反 ---反撃。一定確率で反撃してダメージを与える。ただし成功率は低く、失敗したら無条件で通常ダメージを受ける。 -これらを繰り返し敵のHPを0にすると勝利。戦闘内容に応じて悟空のステータスが上がっていく。 **修業 -ラディッツ襲来前に3回まで修行を行え能力を上げられる。これは前述した戦闘項の防御行動をアレンジしたものを行うが、ラディッツ撃破後には戦闘パートは暫く無くなり「修行」モードのミニゲームパートとなる。 --ヘビのみち ---100万キロと言われている長い蛇の道を走り、界王星を目指して走る[[スーパーマリオブラザーズ]]風のミニゲーム。Bボタンでダッシュし、Aボタンのジャンプの時にAボタンを押しっぱなしにするとエネルギーを消費し舞空術ができる。 ---クリアタイムにより界王星で行える修行回数に影響が出るが、最大修行回数ができるタイムは恐ろしいほどにシビア(後述) --レンガをうて ---界王様が操るレンガに元気玉を当てる修行。真ん中のカーソルに合わせてタイミングよく発射してレンガを破壊する。一定回数をクリアすると悟空のKIが上がる。 --バブルスをつかまえろ ---A・Bボタンを交互に連打してバブルスくんを捕まえるミニゲーム。成功回数に応じて初期のバブルス君の位置と移動速度が上がる。一定回数をクリアすると悟空のスピードが上がる。 --かいおうをこえろ ---界王印の点滅に合わせてABボタンを押すことによりゲージを満タンにし、左右から来る光に合わせてA・Bボタンをタイミングよく押ししてい回数分続けることができたらOK。どれだけ成功させたかによって界王拳の倍率が上がる。 **クリア後評価 -エンディングでは総合レベルという名称で悟空の強さが評価される。ただし不具合も…。(後述) **評価点 -原作再現度が''かなり''高め。容量の都合でカットされているセリフや描写は多いものの、要点を押さえて原作のストーリーをなぞっている。 --ただし本作はあくまで悟空中心のストーリー展開なので色々設定が変わっている所もあり、そのせいで特にピッコロの扱いが凄まじく悪くなってしまっている(後述)。 -天下一武道会での分岐 --第1部の天下一武道会ではクジを選んで対戦相手が決まる。原作再現のため悟空はどれを選んでも第1試合か第2試合にあたるが、組み合わせによっては原作では当たっていないキャラ(桃白白、ヤムチャ、クリリン)とも戦闘可能。 ---戦闘中も状況に合わせて原作に準拠した台詞を喋ってくれるので、場を盛り上げてくれる。 --原作同様に匿名希望(チチ)と当たった場合は、最初の数ターンは罵声と共に一方的に攻撃されるなど凝った原作再現も。 ---武道会で当たらなかった場合はピッコロ戦の後に心配して駆けつけ、&bold(){そのまま正体を明かして結婚する}。 -戦闘時の立ち絵が非常に豊富。キャラクターが行動すると画面上部のグラフィックもそれに応じて変化し、ほぼすべての絵が原作で見た事のある絵なので原作ファンならニヤリとするだろう。 --一例を上げれば悟空の「パンチ1」なら3倍界王拳でベジータの腹に強烈な一撃を叩き込むコマ、「かめはめは」はナッパの口から発射されたエネルギー波を切り返すコマなど殆ど全ての技が原作で見たコマを参考にして描かれている。 ---原作ではダメージを受けて道着が破れている状態の絵((悟空のキック2や体当たりなどはベジータ戦でのもの、頭突きはピッコロ戦での決まり手になった攻撃))でも道着アリで描かれているため新鮮味も感じることができる。 ---かめはめ波蹴り(かめはめ波の反動を活かした飛び蹴り)のようなオリジナル技も存在する。 --パンチやキックのLV3技や、体当たり、超かめはめ波などは通常技より大きなサイズの絵が画面いっぱいに表示される。高威力なのも相まって、必殺技にふさわしい迫力や爽快感を得られるだろう。 -非常に戦略性の高いバトルシステム --今までのドラゴンボールのバトルゲームはカードの星の数で攻撃権が決まったり運要素の非常に強いゲームやお助けカードなどを駆使して押し切るなどの物が多かったが、本作では非常に高い戦略性を出すことに成功している。だからと言ってとっつきにくいなんてことはなく、システムを理解していれば誰でも楽しめる程度の難易度に収めている。 -一定のコマンドを組み合わせる事による特殊技の存在 --悟空なら「P1」→「P2」→「P3」、ベジータなら「P1」→「K2」→「P2」とコマンドを組むことで「ラッシュ」が、ヤムチャなら「狼」→「P1」→「K1」で「新・狼牙風風拳」、天津飯なら「溜」→「気」で「気功砲」や行動の最後に「溜」を選択して防御側コマンドで「防」を成功させると発動する「気合返し」((第22回天下一武道会でヤムチャのかめはめ波を跳ね返した技))など、一部のキャラを除いて一定のコマンドを組むことで強力な技を繰り出せる隠し要素がある。 -悟空の育成要素 --悟空は戦闘で使用した攻撃方法に応じてそのアクションでの攻撃補正が大きくなる。「拳」を使えばパンチが、「蹴」を使えばキックの補正がどんどん高くなり個性を出すことができる。 --また、戦闘終了時のHPが少なければ少ないほどHPの成長が大きくなるという、サイヤ人の特性を現したかのような仕様も存在する。上昇最大値を得るには自身のHPを&bold(){3%未満}にして勝利する必要があり、かなりシビア。乱数のブレで調整が失敗したり、上記の天津飯の「気合返し」で思わぬ反撃を受け敗北、というのは育成を突き詰めるプレイヤーの語り草である。 ---最低限のHP上昇でも十分な量は確保されるため、これらの育成要素はあくまでもおまけ要素であり活用しなければクリアできないという程ではない。 -良質なBGM --山田耕治氏によるBGMはいずれも耳に残りやすい良曲ぞろい。 -SFC周辺機器であるスーパーゲームボーイ使用時の場合 --ピクチャーフレームが本作専用になるだけでなく、背景や各キャラの絵なども原作・アニメに準した色彩になる。色の階調が少なめであるSGBとしてはなかなか頑張っている。 --全ての効果音がSFC音源になり、非常に迫力あるSEに変化する。 ---通常のGBでプレイした場合だと殆ど聞こえない防御時の効果音もはっきりと大きな音になるうえ、クリリンの代名詞ともいえる切断技「気円斬」も切れ味鋭そうな回転音になるなど全てのSEが比較にならないほど格好よくなるので、SGB持っている人はプレイする価値が大いにあるといえる。 --スーパーゲームボーイ使用時専用モードである対戦モードで遊ぶことができる。 ---ただし1P側は主人公である孫悟空で固定、キャラを選択できるのは2Pのみ。 **賛否両論点 -「頭突き」の異常な高性能 --前提となる「投げる」は、隣接が条件にもかかわらずヒットすると距離を離してしまうため、いちいち移動する手間があり連続して当てるのは難しいため、習得には若干手間がかかる。 ---しかし一度習得してしまえば、かめはめ波と同等の火力を半分以下のKIで出せるという相当な高性能技である。使えば使う程威力の上がるという仕様も相まって、こだわりが無いなら攻撃手段は頭突きだけで十分なぐらいである。 ---続けて習得できる体当たりも、消費KIとの火力効率こそ下がるが、コマンド圧縮という面で見ればこちらも強力な技である。 -後半習得の光線技の冷遇 --上記の頭突きとは逆に、「使えば使う程威力が上がる」という仕様が逆風となり、ストーリー途中で覚える超かめはめ波や元気玉の使い勝手はあまり良いとは言えない。消費KIが多いため使いこむにも手間がかかり(更に元気玉は溜め+撃つで2行動分消費する)、初めのうちの火力は今まで使ってきた技と大差を付けられない事が多い。 ---とはいえ、最高火力を求めてひたすら元気玉や超かめはめ波を使いこむのもそれはそれで一つのプレイスタイルである。他の技が殆ど育たない欠点に目を瞑れば、十分な火力を発揮できるだろう。 ---元気玉は両手を上げて気を集める一枚絵はちゃんとあるのだが、攻撃時の絵がエネルギー弾の使い回しなのも残念な点か。悟空が小サイズの元気玉を撃ったシーンは原作にも(界王との修行中ぐらいしか)なかったので仕方ないと言えば仕方ないのだが。 -地球戦士の活躍の場が少ない。 --あくまで悟空中心のストーリー展開なので悟空以外の出番は第23回天下一武道会まで。対戦モードの「天下一武道会」モードでなら2Pサイド限定で戦うことができるが、シナリオの進行状態で敵がどんどん更新されてしまうため、コピー悟空、チチや桃白白はおろかヤムチャまでもが上書きされてしまい最終的に出てくるのはベジータ、ナッパ、サイバイマン、ラディッツ、ピッコロ、天津飯、クリリンの7人となる。 ---せっかく全員に細かく攻撃絵が用意されているので「使いたかった」という意見は多い。 ---特に天津飯は数ターン回避・命中・スピードアップの「四身の拳」や、成功させれば''すべての打撃・気功波を確実に跳ね返す''反撃技「気合返し」、高ダメージ率の「気功砲」を持ち、悟空を除けばベジータに次ぐ強キャラで出来る行動も多いため、シナリオでも使いたかったとの意見は多かった。 ---悟飯は原作のサイヤ人編での戦闘シーンがほぼないため、本作ではNPCである。 **問題点 -1周辺りのボリュームはやや少なめ。 --雑魚戦という概念がないため、戦闘回数は僅か&bold(){8戦}(+修行パートのミニゲーム)しかない。1戦1戦のボリュームはあり、キャラ毎の特徴も多く、育成要素もかなりやりごたえがあるとはいえ、一人プレイでは悟空しか操作する事ができず、単純にストーリーをクリアするだけならすぐに終わってしまう。 -総合レベル評価の不備 --前述した通り、クリア時の悟空の強さに応じて7段階のレベル評価がなされるのだが、数値判定にバグがありレベル5以上になる事は決してない。 --HPをギリギリまで削って勝利し、修行も完璧にこなしても「ふむ すこしはがんばったようじゃな」で片付けられてしまう((ちなみにレベルごとにコメントは異なり、レベル1や2だと叱責や嫌味を受けることに。))。天下一武道会モードで育成した悟空の強さを堪能できるのがせめてもの救いか。 -悟空中心のストーリーによる原作の微改変によるしわ寄せ --前述したように本作は「悟空中心のストーリー」となっているため、悟空以外のメンバーの扱いは非常に悪い。中でもピッコロの扱いの悪さは本作プレイヤーには語り草である。 --まずラディッツ編では原作通り悟空と一緒にラディッツと戦うことになり、悟空とラディッツが激闘を繰り広げる中、ピッコロも一定ターン事にラディッツを攻撃するが彼の攻撃は''絶対にラディッツに当たることは無い。''それどころか攻撃する毎に''しかし ラディッツによゆうでかわされてしまった!!(原文ママ)''と表示され一人だけ明らかに格下扱いされてしまっている。 ---ラディッツ襲来時におけるピッコロは紛れもなく悟空と肩を並べる地球最強の戦士であり、悟空が(ゲーム上は)戦えている相手に手も足も出せないというのはやたら弱く見えてしまう。 //本作ではクリリンと悟飯を除く4人の戦士は''サイバイマン1匹に全滅''させられてしまっている。しかもご丁寧にピッコロには悟飯を庇う作中屈指の名シーンが展開するため余計に情けなく感じてしまう。 //ピッコロたちの名誉の為に言っておくが本作におけるサイバイマンは原作の戦闘力1200とくらべ戦闘力が''2.5倍の3000''もある為、原作基準で考えるなら手も足も出なくて当然である。ピッコロたちが弱いというよりは本作の''サイバイマンが強すぎる''と言った方が正しい。 //この設定のせいで天下一武闘会モードではピッコロとサイバイマンがぶつかれば確実に「死ぬなよ…ご、悟飯」となる。本作においては悟空が戦った強敵たちとしての扱いはピッコロは''原作では戦ってもいないサイバイマン以下''として扱われている… //↑ゲーム内では戦士たちが「サイバイマン1匹に全滅させられた」という説明は一切なく完全に筆者の思い込み。 //更に天下一モードでは進行度に応じてキャラクターが成長するためピッコロがサイバイマン以下になることはありえないとの指摘もある。 //--ナッパ戦ではターン経過のイベントで悟空が「〇〇のうらみ!」とナッパを一方的に攻撃する原作再現テキストが表示されるが、前述したように本作で4人を殺害したのはサイバイマンなのでナッパからしたら''いいがかりもいいとこ''である。 //---ナッパはサイバイマンを作り出した張本人だが、悟空は彼がサイバイマンを作った事もサイバイマンが作り出された敵である事も知らないはずのでナッパに恨みをぶつけるのはお門違いもはなはだしい。 //↑原作でもサイバンマンの自爆で死亡したヤムチャに対し「ヤムチャのうらみ!」がある。お門違いとゲームを叩くなら原作からそうなのだが? //初稿投稿者は全体的にゲームの細かすぎる部分を叩き過ぎでは? //-悟空の立ち絵が常に青年時代。確かにこの時代を扱うならそれ自体は問題はない。 //--しかし、ゲームで最初に戦うコピー悟空はアニメ版少年時代からの出典である。ゲーム中の中盤以降の若干険しい目付きの立ち絵素材を流用して作られているため、外見は青年悟空と変わらない。戦闘する本物の悟空も青年時代である。 //--また、天下一武闘会でブルマ達と再会して驚かれる件もあるのだが、悟空がターバンを巻いてない点が若干気になる。 //↑「〇〇のうらみ!」同様細かいグラフィックに関してまでは揚げ足取りしすぎに思える。青年版コピー悟空についても登場してもゲームオリジナル展開という事で特に問題無いと思われる。 //-サイバイマンや、ナッパ、ベジータの戦闘力が公式設定と食い違っている。 //--本作はBPの差で与ダメが大きく変わるためのバランス調整だと思われるが、前述したように本作のサイバイマンは戦闘力3000を誇る((原作にてベジータが「戦闘力5000程の奴がやって来る」と発しているため、それに合わせた調整だと思われる))うえ、界王星でスピードの修行などを怠っておるとなんと悟空より素早く、圧倒的な手数で畳みかけてくる。回避率も異常に高い。 //---反面、基本攻撃方法は「パンチ」と「キック」しかなく、直撃してもダメージはどちらも精々90ダメージ程だが、必殺技の「溶解液」だけは直撃すると''700ダメージ''程受ける。サイバイマン戦における悟空のHPは精々1300程度なので、溶解液がダメージ二倍となる怒涛の一撃判定だと他の戦士共々''悟空も一撃死確定''の難敵である。 //---サイバイマン相手に悟空も倒されたプレイヤーは多いと思われる。戦闘力の高さもあわせて本作のサイバイマンは''名門出の超エリート''((当時のナッパやベジータが口癖のように言っていた言葉)) //とか''強化型サイバイマン''((アニメオリジナルエピソード、「たったひとりの最終決戦」に登場したオリジナル設定のサイバイマン))などとプレイヤーに語られることになる。 //--公式設定では戦闘力4000のナッパの戦闘力は7000に設定されている((こちらもナッパ戦前の悟空の戦闘力がスカウター計測で「8000以上」と発言されているための調整だろう))。 //---戦闘力の数値には驚くかもしれないが、最大HPはサイバイマンが1200、ナッパが4000と公式の戦闘力数を再現している辺りは芸が細かい。戦闘面のバランス調整をしつつも数値に拘ったのは流石といえる。 //↑サイバイマンの戦闘力1200は原作通りですが、ナッパの戦闘力4000は本作より後に発売した「DRAGON BALL大全集 鳥山明ワールド7(1996年2月発売)」にて初めて判明したものです…。 //--一方でベジータの戦闘力は15000と低下しているが、これも後述する本作の界王拳のリスクに対してのバランス調整と思われる。 //---ただし、大ざるに変身しても戦闘力は15000のままである。もちろんステータスも据え置き。大ざるになると技の数が激減し、前述した特殊技「ラッシュ」も「ギャリック砲」も撃てなくなるのでパワーアップイベントのように見えて大ざるになると''激しく弱体化''する。 //↑異常なまでに戦闘力にこだわる記述ばかりですが、ゲーム性にははっきり言って影響ないので一旦coします。 -ベジータの大猿化について --ベジータは残りHPが少なくなると原作通り大猿化をする。 --だが戦闘力は変化せず、攻撃力も防御力も変化しない。それどころか特殊技「ラッシュ」も「ギャリック砲」も撃てなくなるのでパワーアップイベントのように見えて大猿になると''弱体化''する。 --しかし原作のように大幅にパワーアップをしては勝つことが困難になってしまい、ゲームバランスが崩れてしまうため仕方ない事ではあるが…。 ---必殺技として「エネルギー波」は使ってくるため、油断は禁物だが。 //ベジータの大猿化については疑問を感じたため戦闘力には触れないようにし追記 -界王拳のリスク --界王さまが最後にちょこっと言ってくれるだけで詳しく語られないが、本作の界王拳は使用するたびにその戦闘に限り「倍率×10」だけ最大KIが低下してしまう。本作では攻撃方法は全てKIを消費する上に、定期的に使う必要のある「気を溜める」も回復量は最大KI依存であり、考え無しに界王拳を使ってしまうと最大KIが大きく下がってしまい大技が使えなくなるほか、攻撃数も大きく低下してしまう。 --界王拳で上がるのはあくまで攻撃力のみ、しかも使用したターンしか適用されないので、敵との位置や回避率の高いサイバイマンなどが相手だと使ったところで攻撃がほとんどあたらず、最大KIだけ下がってしまうのはザラという非常にリスキーな技になっている。 --原作ではマスターしたとされているはずの「2倍界王拳」でも容赦なく最大KIが下がるので使用するには細心の注意が必要となる。 --特にKIを130消費する「元気玉」や150消費の「超元気玉」((「元」コマンドを3回連続で行う事で使える隠し技))は一回でも界王拳を使ったら使うことが出来なくなってしまう。 -防御行動の一つ「反撃」がほぼ死んでいる。 --あくまで確率で判定しているため、どんなに戦闘力をあげようが位置取りが良かろうが、太陽拳を使おうが常に確率は一定。おみくじで例えるなら「凶」と「大凶」しか無い中に1つだけ「大吉」があるようなもので全くあてにならない。 --悟空のHPとBPの成長率が「1回の戦闘でどれだけダメージを受けたか」で判定されるため、「反撃」を選ぶ意味は''故意にHPを減らすため''と言われるほど、反撃する確率は極々低確率である。 -「ヘビのみち」が異常に高難易度。 --まず悟空の操作性が非常に悪く、ジャンプ後の位置調整が非常に困難なのに対して中盤以降は1マスしかない足場を渡っていくというエリアが非常に多い。舞空術ゲージ無しで進むのは困難を極める。 --しかも悟空はダッシュ中に僅かな段差にでもぶつかるとゴロゴロ後方に転がって行ってしまう。転がった先にある穴に落ちて更にタイムロスというコンボなどザラである。 --操作キャラの立ち位置も画面前方1/3ほどであり、他のスクロールアクションゲームと比較してもかなり前より。それでいて落とし穴や段差は非常に多く、舞空術に頼ろうにもエネルギーはあっという間に切れ、途中回復は一切ないため、ステージ構成の暗記はほぼ必須と言える。 --そのくせ界王さまとの修行を最大の5回熟すにはこの長い道を''169カウント以内''に踏破しなくてはならない。TAS動画におけるタイムは''142カウント''(後に更新され''140カウント'')であり、最大回数である5回の修行を熟すにはTAS動画に匹敵する程のプレイスキルが求められる。 ---幸い界王拳の使用フラグとなる「かいおうをこえろ」以外の修行は全てステータス強化なのでステータスに拘らなければゴールさえできればよいのが救い。((どんなタイムでも最低1回の修行が保証されている)) ---ヘビの道のミニゲーム自体もスタートメニューから遊べるため、練習だけならセーブデータを用意せずとも済む。 -一部の敵が持つ大技の異常な高火力。 --天津飯の気功砲、サイバイマンの溶解液、ベジータのギャリック砲などが該当する。 --防御・回避失敗などでまともに喰らった場合、一撃で半分以上減らされる。もしも怒涛の一撃((ゲーム内における敵側のクリティカルヒットの表現))になった場合、1発でゲームオーバーになる。 ---例えばラスボスのベジータが使うギャリック砲は''4000~5000位の大ダメージを受ける。''ベジータ戦時の悟空のHPは高くても8000台であるため、クリティカルが出ればほぼ一撃となる。 --このような大技は防御コマンド時はカーソルの速度が目に見えて遅くなり、回避も要求回数こそ多いものの猶予時間は比較的長めであり、冷静に対処できれば問題は無いのだが、回避コマンドは違う方向キーを入力すればその時点で即失敗扱いになるため、かなりシビア。 --ただし消費KIが多く、CPUはKIを最大近くまで溜めるという事をあまりしないため、たいてい使ってくるのはKIが満タンに溜まっている開幕の1回程度である。 --また、ベジータは上記の通り大猿に変身すれば使用しなくなるため、追いつめてから逆転負けという事態にはならないのが救いか。 **総評 ストーリーはやや端折られている所もあるが、ほぼ原作通りに進めることができ戦闘中の立ち絵もゲームボーイの低解像度の中でよく原作絵を再現している。&br()また戦闘結果で意図した能力を上げられ悟空をカスタマイズする楽しさがあり完成度は高い作品である。&br()ただし、悟空中心のストーリー故、ピッコロを筆頭に多くの仲間の扱いが悪くなってしまっている事に不満が出てしまったほか、タクティカルRPGの戦闘システムは子供にはやや難しかったのも事実である。 //**余談 //-ナッパ戦で悟空は「いまのいっぱつは、ちゃおずのうらみだ!」と言うが、本編で餃子の出番は'''このテキストだけ''である。自爆シーンはもちろんのこと、桃白白に倒される展開はおろか''立ち絵すらない''のでADVパートの会話イベントすらない。本編では存在そのものが抹消されているのである。スタッフロールに表示される1枚絵にのみその存在を確認できる。 //EDには出てきてるのに「出番はテキストだけ」「存在そのものが抹消」など悪意を感じる内容で、ネタを通り越して不快感を与えかねないのでco ----
*ドラゴンボールZ 悟空飛翔伝 【どらごんぼーるぜっと ごくうひしょうでん】 |ジャンル|タクティカルRPG|&amazon(B000069RZQ,image=http://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/165000538.jpg,width=160)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|バンダイ|~| |発売日|1994年11月25日|~| |定価|4,660円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|DBゲーム初の戦略性重視のRPG&br()GBでは高水準のグラフィック&br()戦闘中のキャラ絵が豊富|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンボールゲームリンク>ドラゴンボールシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 人気TVアニメ『ドラゴンボールZ』のGBゲーム化初作品。~ 第23回天下一武道会開始前の天界での修行から始まり、地球に襲来したベジータを追い返すまでをRPG化している。~ ---- **特徴 -基本はアドベンチャーゲームのようにテキスト形式で進んでいき、ある程度フラグを成立させると先に進め戦闘を繰り返す。~ また修行として数種類のミニゲーム的なモードの他、蛇の道を突き進むアクションゲームも存在する。~ 進行したセーブデータを用いて、天下一武道会モードを遊ぶ事ができる。これらはそのセーブデータで育成した悟空を使えるだけでなく、進行状況に応じて相手や強さの変化するトーナメント戦を行える。 **戦闘 -本作は旧来のカード式バトルと違い、決められたフィールド内で戦闘を行うタクティカルRPGであり、自分のターンで行動コマンドを繰り返して攻撃などを行う。 -戦闘ではインターフェイス中央のゲージがMAXになると攻撃権が得られ悟空は以下のコマンドを組み合わせて戦う。悟空の行動には「移動」と「気合溜め」を除き全て『KI』を消費して行い、KIの現在値が消費KIを下回っていると攻撃が出来なくなる。最初は3つまでしか組み合わせられないがストーリーが進むにつれて最大で7つ組み合わせられる。 --攻 ---「拳」と「蹴」の2種類があり、最初はLV1の攻撃しかできないが命中回数に合わせてLV3までの「拳」と「蹴」技が使えるようになる。LVが高くなるほど威力と消費KIが増える。 --移 ---+2~-2まである他、どんな位置からでも相手の背後をとれる「後」コマンドがある。正の数なら数値の数だけ相手に近づき、負の数なら相手と距離をおく。相手との距離が近いほど攻撃の威力・命中率が上がり、遠いほど下がる。「後」はどんな距離からでも一瞬で相手の背後に回れるが失敗する場合もあり、その場合は距離は縮まらない。 --溜 ---KIを最大値の1/4回復。 --仙 ---仙豆を使い、HPとKIを最大値まで回復させる。二十三回天下一武闘会前に1粒、界王との修行を終えサイヤ人襲来の地に向かう前にカリンさまから貰う1粒の計2粒だけなので、2戦目以降のバトルで最大2回まで使うことができる切り札的コマンド。 --特 ---「気」気功波。最初は「エネルギーだん」と「かめはめは」だけだが、ストーリーが進むと「超かめはめは」((マジュニア戦前に追加))と「元気玉」((界王様との修行パート後に追加))が増える。打撃技と比べ消費KIが多いが、距離が離れていても命中が落ちないという強みがある((ただし威力は距離差があるほど落ちる)) ---「太」太陽拳。使用ターンは相手の回避率と移動力・スピードが落ちる。 ---「残」残像拳。使用から3ターンの間、悟空の回避率が上がり敵の攻撃が当たりにくくなる。シナリオを進めていくほどに残像数が増える。 ---「界」界王拳。使用ターンは自身のBPが倍率分高くなるが、使用するとその戦闘の間だけKIのMAX値が下がる。最大4倍まであり、界王の修行の成功に応じて倍率も高くなる。 ---「他」その他。「拳」「蹴」とは違う行動で最初は「投げる」だけだが、「投げる」の命中回数に応じて「頭突き」「体当たり」と強力な技を習得する。「投げる」は成功すると相手との距離を大きく開けることができるが、組み技ゆえ相手と隣接していないと絶対に命中しないという特殊な技。 ---「終」行動終了。攻撃コマンドの回数がまだ残されているうちに戦闘に入る事ができる。残っている攻撃回数は次のターンのスピードに加算される。 -敵が攻撃権を得たときは悟空は以下の行動で防御行動を行う。 --防 ---防御。素早く動くメーターを中央付近で止めると防御成功。中央付近の黒いマス内で止めると大きくダメージを軽減できるが中央から離れたマスだと軽減率が落ち、端付近の白いマスだと防御失敗となり通常ダメージを受ける。 --避 ---回避。2~5回、点滅する矢印を的確に押していくと成功。ダメージを0にすることができるが、一度でも失敗すると通常ダメージを受ける。 --反 ---反撃。一定確率で反撃してダメージを与える。ただし成功率は低く、失敗したら無条件で通常ダメージを受ける。 -これらを繰り返し敵のHPを0にすると勝利。戦闘内容に応じて悟空のステータスが上がっていく。 **修業 -ラディッツ襲来前に3回まで修行を行え能力を上げられる。これは前述した戦闘項の防御行動をアレンジしたものを行うが、ラディッツ撃破後には戦闘パートは暫く無くなり「修行」モードのミニゲームパートとなる。 --ヘビのみち ---100万キロと言われている長い蛇の道を走り、界王星を目指して走る[[スーパーマリオブラザーズ]]風のミニゲーム。Bボタンでダッシュし、Aボタンのジャンプの時にAボタンを押しっぱなしにするとエネルギーを消費し舞空術ができる。 ---クリアタイムにより界王星で行える修行回数に影響が出るが、最大修行回数ができるタイムは恐ろしいほどにシビア(後述) --レンガをうて ---界王様が操るレンガに元気玉を当てる修行。真ん中のカーソルに合わせてタイミングよく発射してレンガを破壊する。一定回数をクリアすると悟空のKIが上がる。 --バブルスをつかまえろ ---A・Bボタンを交互に連打してバブルスくんを捕まえるミニゲーム。成功回数に応じて初期のバブルス君の位置と移動速度が上がる。一定回数をクリアすると悟空のスピードが上がる。 --かいおうをこえろ ---界王印の点滅に合わせてABボタンを押すことによりゲージを満タンにし、左右から来る光に合わせてA・Bボタンをタイミングよく押ししてい回数分続けることができたらOK。どれだけ成功させたかによって界王拳の倍率が上がる。 **クリア後評価 -エンディングでは総合レベルという名称で悟空の強さが評価される。ただし不具合も…。(後述) **評価点 -原作再現度が''かなり''高め。容量の都合でカットされているセリフや描写は多いものの、要点を押さえて原作のストーリーをなぞっている。 --ただし本作はあくまで悟空中心のストーリー展開なので色々設定が変わっている所もあり、そのせいで特にピッコロの扱いが凄まじく悪くなってしまっている(後述)。 -天下一武道会での分岐 --第1部の天下一武道会ではクジを選んで対戦相手が決まる。原作再現のため悟空はどれを選んでも第1試合か第2試合にあたるが、組み合わせによっては原作では当たっていないキャラ(桃白白、ヤムチャ、クリリン)とも戦闘可能。 ---戦闘中も状況に合わせて原作に準拠した台詞を喋ってくれるので、場を盛り上げてくれる。 --原作同様に匿名希望(チチ)と当たった場合は、最初の数ターンは罵声と共に一方的に攻撃されるなど凝った原作再現も。 ---武道会で当たらなかった場合はピッコロ戦の後に心配して駆けつけ、&bold(){そのまま正体を明かして結婚する}。 -戦闘時の立ち絵が非常に豊富。キャラクターが行動すると画面上部のグラフィックもそれに応じて変化し、ほぼすべての絵が原作で見た事のある絵なので原作ファンならニヤリとするだろう。 --一例を上げれば悟空の「パンチ1」なら3倍界王拳でベジータの腹に強烈な一撃を叩き込むコマ、「かめはめは」はナッパの口から発射されたエネルギー波を切り返すコマなど殆ど全ての技が原作で見たコマを参考にして描かれている。 ---原作ではダメージを受けて道着が破れている状態の絵((悟空のキック2や体当たりなどはベジータ戦でのもの、頭突きはピッコロ戦での決まり手になった攻撃))でも道着アリで描かれているため新鮮味も感じることができる。 ---かめはめ波蹴り(かめはめ波の反動を活かした飛び蹴り)のようなオリジナル技も存在する。 --パンチやキックのLV3技や、体当たり、超かめはめ波などは通常技より大きなサイズの絵が画面いっぱいに表示される。高威力なのも相まって、必殺技にふさわしい迫力や爽快感を得られるだろう。 -非常に戦略性の高いバトルシステム --今までのドラゴンボールのバトルゲームはカードの星の数で攻撃権が決まったり運要素の非常に強いゲームやお助けカードなどを駆使して押し切るなどの物が多かったが、本作では非常に高い戦略性を出すことに成功している。だからと言ってとっつきにくいなんてことはなく、システムを理解していれば誰でも楽しめる程度の難易度に収めている。 -一定のコマンドを組み合わせる事による特殊技の存在 --悟空なら「P1」→「P2」→「P3」、ベジータなら「P1」→「K2」→「P2」とコマンドを組むことで「ラッシュ」が、ヤムチャなら「狼」→「P1」→「K1」で「新・狼牙風風拳」、天津飯なら「溜」→「気」で「気功砲」や行動の最後に「溜」を選択して防御側コマンドで「防」を成功させると発動する「気合返し」((第22回天下一武道会でヤムチャのかめはめ波を跳ね返した技))など、一部のキャラを除いて一定のコマンドを組むことで強力な技を繰り出せる隠し要素がある。 -悟空の育成要素 --悟空は戦闘で使用した攻撃方法に応じてそのアクションでの攻撃補正が大きくなる。「拳」を使えばパンチが、「蹴」を使えばキックの補正がどんどん高くなり個性を出すことができる。 --また、戦闘終了時のHPが少なければ少ないほどHPの成長が大きくなるという、サイヤ人の特性を現したかのような仕様も存在する。上昇最大値を得るには自身のHPを&bold(){3%未満}にして勝利する必要があり、かなりシビア。乱数のブレで調整が失敗したり、上記の天津飯の「気合返し」で思わぬ反撃を受け敗北、というのは育成を突き詰めるプレイヤーの語り草である。 ---最低限のHP上昇でも十分な量は確保されるため、これらの育成要素はあくまでもおまけ要素であり活用しなければクリアできないという程ではない。 -良質なBGM --山田耕治氏によるBGMはいずれも耳に残りやすい良曲ぞろい。 -SFC周辺機器であるスーパーゲームボーイ使用時の場合 --ピクチャーフレームが本作専用になるだけでなく、背景や各キャラの絵なども原作・アニメに準した色彩になる。色の階調が少なめであるSGBとしてはなかなか頑張っている。 --全ての効果音がSFC音源になり、非常に迫力あるSEに変化する。 ---通常のGBでプレイした場合だと殆ど聞こえない防御時の効果音もはっきりと大きな音になるうえ、クリリンの代名詞ともいえる切断技「気円斬」も切れ味鋭そうな回転音になるなど全てのSEが比較にならないほど格好よくなるので、SGB持っている人はプレイする価値が大いにあるといえる。 --スーパーゲームボーイ使用時専用モードである対戦モードで遊ぶことができる。 ---ただし1P側は主人公である孫悟空で固定、キャラを選択できるのは2Pのみ。 **賛否両論点 -「頭突き」の異常な高性能 --前提となる「投げる」は、隣接が条件にもかかわらずヒットすると距離を離してしまうため、いちいち移動する手間があり連続して当てるのは難しいため、習得には若干手間がかかる。 ---しかし一度習得してしまえば、かめはめ波と同等の火力を半分以下のKIで出せるという相当な高性能技である。使えば使う程威力の上がるという仕様も相まって、こだわりが無いなら攻撃手段は頭突きだけで十分なぐらいである。 ---続けて習得できる体当たりも、消費KIとの火力効率こそ下がるが、コマンド圧縮という面で見ればこちらも強力な技である。 -後半習得の光線技の冷遇 --上記の頭突きとは逆に、「使えば使う程威力が上がる」という仕様が逆風となり、ストーリー途中で覚える超かめはめ波や元気玉の使い勝手はあまり良いとは言えない。消費KIが多いため使いこむにも手間がかかり(更に元気玉は溜め+撃つで2行動分消費する)、初めのうちの火力は今まで使ってきた技と大差を付けられない事が多い。 ---とはいえ、最高火力を求めてひたすら元気玉や超かめはめ波を使いこむのもそれはそれで一つのプレイスタイルである。他の技が殆ど育たない欠点に目を瞑れば、十分な火力を発揮できるだろう。 ---元気玉は両手を上げて気を集める一枚絵はちゃんとあるのだが、攻撃時の絵がエネルギー弾の使い回しなのも残念な点か。悟空が小サイズの元気玉を撃ったシーンは原作にも(界王との修行中ぐらいしか)なかったので仕方ないと言えば仕方ないのだが。 -地球戦士の活躍の場が少ない。 --あくまで悟空中心のストーリー展開なので悟空以外の出番は第23回天下一武道会まで。対戦モードの「天下一武道会」モードでなら2Pサイド限定で戦うことができるが、シナリオの進行状態で敵がどんどん更新されてしまうため、コピー悟空、チチや桃白白はおろかヤムチャまでもが上書きされてしまい最終的に出てくるのはベジータ、ナッパ、サイバイマン、ラディッツ、ピッコロ、天津飯、クリリンの7人となる。 ---せっかく全員に細かく攻撃絵が用意されているので「使いたかった」という意見は多い。 ---特に天津飯は数ターン回避・命中・スピードアップの「四身の拳」や、成功させれば''すべての打撃・気功波を確実に跳ね返す''反撃技「気合返し」、高ダメージ率の「気功砲」を持ち、悟空を除けばベジータに次ぐ強キャラで出来る行動も多いため、シナリオでも使いたかったとの意見は多かった。 ---悟飯は原作のサイヤ人編での戦闘シーンがほぼないため、本作ではNPCである。 **問題点 -1周辺りのボリュームはやや少なめ。 --雑魚戦という概念がないため、戦闘回数は僅か&bold(){8戦}(+修行パートのミニゲーム)しかない。1戦1戦のボリュームはあり、キャラ毎の特徴も多く、育成要素もかなりやりごたえがあるとはいえ、一人プレイでは悟空しか操作する事ができず、単純にストーリーをクリアするだけならすぐに終わってしまう。 -総合レベル評価の不備 --前述した通り、クリア時の悟空の強さに応じて7段階のレベル評価がなされるのだが、数値判定にバグがありレベル5以上になる事は決してない。 --HPをギリギリまで削って勝利し、修行も完璧にこなしても「ふむ すこしはがんばったようじゃな」で片付けられてしまう((ちなみにレベルごとにコメントは異なり、レベル1や2だと叱責や嫌味を受けることに。))。天下一武道会モードで育成した悟空の強さを堪能できるのがせめてもの救いか。 -悟空中心のストーリーによる原作の微改変によるしわ寄せ --前述したように本作は「悟空中心のストーリー」となっているため、悟空以外のメンバーの扱いは非常に悪い。中でもピッコロの扱いの悪さは本作プレイヤーには語り草である。 --まずラディッツ編では原作通り悟空と一緒にラディッツと戦うことになり、悟空とラディッツが激闘を繰り広げる中、ピッコロも一定ターン事にラディッツを攻撃するが彼の攻撃は''絶対にラディッツに当たることは無い。''それどころか攻撃する毎に''しかし ラディッツによゆうでかわされてしまった!!(原文ママ)''と表示され一人だけ明らかに格下扱いされてしまっている。 ---ラディッツ襲来時におけるピッコロは紛れもなく悟空と肩を並べる地球最強の戦士であり、悟空が(ゲーム上は)戦えている相手に手も足も出せないというのはやたら弱く見えてしまう。 //本作ではクリリンと悟飯を除く4人の戦士は''サイバイマン1匹に全滅''させられてしまっている。しかもご丁寧にピッコロには悟飯を庇う作中屈指の名シーンが展開するため余計に情けなく感じてしまう。 //ピッコロたちの名誉の為に言っておくが本作におけるサイバイマンは原作の戦闘力1200とくらべ戦闘力が''2.5倍の3000''もある為、原作基準で考えるなら手も足も出なくて当然である。ピッコロたちが弱いというよりは本作の''サイバイマンが強すぎる''と言った方が正しい。 //この設定のせいで天下一武闘会モードではピッコロとサイバイマンがぶつかれば確実に「死ぬなよ…ご、悟飯」となる。本作においては悟空が戦った強敵たちとしての扱いはピッコロは''原作では戦ってもいないサイバイマン以下''として扱われている… //↑ゲーム内では戦士たちが「サイバイマン1匹に全滅させられた」という説明は一切なく完全に筆者の思い込み。 //更に天下一モードでは進行度に応じてキャラクターが成長するためピッコロがサイバイマン以下になることはありえないとの指摘もある。 //--ナッパ戦ではターン経過のイベントで悟空が「〇〇のうらみ!」とナッパを一方的に攻撃する原作再現テキストが表示されるが、前述したように本作で4人を殺害したのはサイバイマンなのでナッパからしたら''いいがかりもいいとこ''である。 //---ナッパはサイバイマンを作り出した張本人だが、悟空は彼がサイバイマンを作った事もサイバイマンが作り出された敵である事も知らないはずのでナッパに恨みをぶつけるのはお門違いもはなはだしい。 //↑原作でもサイバンマンの自爆で死亡したヤムチャに対し「ヤムチャのうらみ!」がある。お門違いとゲームを叩くなら原作からそうなのだが? //初稿投稿者は全体的にゲームの細かすぎる部分を叩き過ぎでは? //-悟空の立ち絵が常に青年時代。確かにこの時代を扱うならそれ自体は問題はない。 //--しかし、ゲームで最初に戦うコピー悟空はアニメ版少年時代からの出典である。ゲーム中の中盤以降の若干険しい目付きの立ち絵素材を流用して作られているため、外見は青年悟空と変わらない。戦闘する本物の悟空も青年時代である。 //--また、天下一武闘会でブルマ達と再会して驚かれる件もあるのだが、悟空がターバンを巻いてない点が若干気になる。 //↑「〇〇のうらみ!」同様細かいグラフィックに関してまでは揚げ足取りしすぎに思える。青年版コピー悟空についても登場してもゲームオリジナル展開という事で特に問題無いと思われる。 //-サイバイマンや、ナッパ、ベジータの戦闘力が公式設定と食い違っている。 //--本作はBPの差で与ダメが大きく変わるためのバランス調整だと思われるが、前述したように本作のサイバイマンは戦闘力3000を誇る((原作にてベジータが「戦闘力5000程の奴がやって来る」と発しているため、それに合わせた調整だと思われる))うえ、界王星でスピードの修行などを怠っておるとなんと悟空より素早く、圧倒的な手数で畳みかけてくる。回避率も異常に高い。 //---反面、基本攻撃方法は「パンチ」と「キック」しかなく、直撃してもダメージはどちらも精々90ダメージ程だが、必殺技の「溶解液」だけは直撃すると''700ダメージ''程受ける。サイバイマン戦における悟空のHPは精々1300程度なので、溶解液がダメージ二倍となる怒涛の一撃判定だと他の戦士共々''悟空も一撃死確定''の難敵である。 //---サイバイマン相手に悟空も倒されたプレイヤーは多いと思われる。戦闘力の高さもあわせて本作のサイバイマンは''名門出の超エリート''((当時のナッパやベジータが口癖のように言っていた言葉)) //とか''強化型サイバイマン''((アニメオリジナルエピソード、「たったひとりの最終決戦」に登場したオリジナル設定のサイバイマン))などとプレイヤーに語られることになる。 //--公式設定では戦闘力4000のナッパの戦闘力は7000に設定されている((こちらもナッパ戦前の悟空の戦闘力がスカウター計測で「8000以上」と発言されているための調整だろう))。 //---戦闘力の数値には驚くかもしれないが、最大HPはサイバイマンが1200、ナッパが4000と公式の戦闘力数を再現している辺りは芸が細かい。戦闘面のバランス調整をしつつも数値に拘ったのは流石といえる。 //↑サイバイマンの戦闘力1200は原作通りですが、ナッパの戦闘力4000は本作より後に発売した「DRAGON BALL大全集 鳥山明ワールド7(1996年2月発売)」にて初めて判明したものです…。 //--一方でベジータの戦闘力は15000と低下しているが、これも後述する本作の界王拳のリスクに対してのバランス調整と思われる。 //---ただし、大ざるに変身しても戦闘力は15000のままである。もちろんステータスも据え置き。大ざるになると技の数が激減し、前述した特殊技「ラッシュ」も「ギャリック砲」も撃てなくなるのでパワーアップイベントのように見えて大ざるになると''激しく弱体化''する。 //↑異常なまでに戦闘力にこだわる記述ばかりですが、ゲーム性にははっきり言って影響ないので一旦coします。 -ベジータの大猿化について --ベジータは残りHPが少なくなると原作通り大猿化をする。 --だが戦闘力は変化せず、攻撃力も防御力も変化しない。それどころか特殊技「ラッシュ」も「ギャリック砲」も撃てなくなるのでパワーアップイベントのように見えて大猿になると''弱体化''する。 --しかし原作のように大幅にパワーアップをしては勝つことが困難になってしまい、ゲームバランスが崩れてしまうため仕方ない事ではあるが…。 ---必殺技として「エネルギー波」は使ってくるため、油断は禁物だが。 //ベジータの大猿化については疑問を感じたため戦闘力には触れないようにし追記 -界王拳のリスク --界王さまが最後にちょこっと言ってくれるだけで詳しく語られないが、本作の界王拳は使用するたびにその戦闘に限り「倍率×10」だけ最大KIが低下してしまう。本作では攻撃方法は全てKIを消費する上に、定期的に使う必要のある「気を溜める」も回復量は最大KI依存であり、考え無しに界王拳を使ってしまうと最大KIが大きく下がってしまい大技が使えなくなるほか、攻撃数も大きく低下してしまう。 --界王拳で上がるのはあくまで攻撃力のみ、しかも使用したターンしか適用されないので、敵との位置や回避率の高いサイバイマンなどが相手だと使ったところで攻撃がほとんどあたらず、最大KIだけ下がってしまうのはザラという非常にリスキーな技になっている。 --原作ではマスターしたとされているはずの「2倍界王拳」でも容赦なく最大KIが下がるので使用するには細心の注意が必要となる。 --特にKIを130消費する「元気玉」や150消費の「超元気玉」((「元」コマンドを3回連続で行う事で使える隠し技))は一回でも界王拳を使ったら使うことが出来なくなってしまう。 -防御行動の一つ「反撃」がほぼ死んでいる。 --あくまで確率で判定しているため、どんなに戦闘力をあげようが位置取りが良かろうが、太陽拳を使おうが常に確率は一定。おみくじで例えるなら「凶」と「大凶」しか無い中に1つだけ「大吉」があるようなもので全くあてにならない。 --悟空のHPとBPの成長率が「1回の戦闘でどれだけダメージを受けたか」で判定されるため、「反撃」を選ぶ意味は''故意にHPを減らすため''と言われるほど、反撃する確率は極々低確率である。 -「ヘビのみち」が異常に高難易度。 --まず悟空の操作性が非常に悪く、ジャンプ後の位置調整が非常に困難なのに対して中盤以降は1マスしかない足場を渡っていくというエリアが非常に多い。舞空術ゲージ無しで進むのは困難を極める。 --しかも悟空はダッシュ中に僅かな段差にでもぶつかるとゴロゴロ後方に転がって行ってしまう。転がった先にある穴に落ちて更にタイムロスというコンボなどザラである。 --操作キャラの立ち位置も画面前方1/3ほどであり、他のスクロールアクションゲームと比較してもかなり前より。それでいて落とし穴や段差は非常に多く、舞空術に頼ろうにもエネルギーはあっという間に切れ、途中回復は一切ないため、ステージ構成の暗記はほぼ必須と言える。 --そのくせ界王さまとの修行を最大の5回熟すにはこの長い道を''169カウント以内''に踏破しなくてはならない。TAS動画におけるタイムは''142カウント''(後に更新され''140カウント'')であり、最大回数である5回の修行を熟すにはTAS動画に匹敵する程のプレイスキルが求められる。 ---幸い界王拳の使用フラグとなる「かいおうをこえろ」以外の修行は全てステータス強化なのでステータスに拘らなければゴールさえできればよいのが救い。((どんなタイムでも最低1回の修行が保証されている)) ---ヘビの道のミニゲーム自体もスタートメニューから遊べるため、練習だけならセーブデータを用意せずとも済む。 -一部の敵が持つ大技の異常な高火力。 --天津飯の気功砲、サイバイマンの溶解液、ベジータのギャリック砲などが該当する。 --防御・回避失敗などでまともに喰らった場合、一撃で半分以上減らされる。もしも怒涛の一撃((ゲーム内における敵側のクリティカルヒットの表現))になった場合、1発でゲームオーバーになる。 ---例えばラスボスのベジータが使うギャリック砲は''4000~5000位の大ダメージを受ける。''ベジータ戦時の悟空のHPは高くても8000台であるため、クリティカルが出ればほぼ一撃となる。 --このような大技は防御コマンド時はカーソルの速度が目に見えて遅くなり、回避も要求回数こそ多いものの猶予時間は比較的長めであり、冷静に対処できれば問題は無いのだが、回避コマンドは違う方向キーを入力すればその時点で即失敗扱いになるため、かなりシビア。 --ただし消費KIが多く、CPUはKIを最大近くまで溜めるという事をあまりしないため、たいてい使ってくるのはKIが満タンに溜まっている開幕の1回程度である。 --また、ベジータは上記の通り大猿に変身すれば使用しなくなるため、追いつめてから逆転負けという事態にはならないのが救いか。 **総評 ストーリーはやや端折られている所もあるが、ほぼ原作通りに進めることができ戦闘中の立ち絵もゲームボーイの低解像度の中でよく原作絵を再現している。&br()また戦闘結果で意図した能力を上げられ悟空をカスタマイズする楽しさがあり完成度は高い作品である。&br()ただし、悟空中心のストーリー故、ピッコロを筆頭に多くの仲間の扱いが悪くなってしまっている事に不満が出てしまったほか、タクティカルRPGの戦闘システムは子供にはやや難しかったのも事実である。 //**余談 //-ナッパ戦で悟空は「いまのいっぱつは、ちゃおずのうらみだ!」と言うが、本編で餃子の出番は'''このテキストだけ''である。自爆シーンはもちろんのこと、桃白白に倒される展開はおろか''立ち絵すらない''のでADVパートの会話イベントすらない。本編では存在そのものが抹消されているのである。スタッフロールに表示される1枚絵にのみその存在を確認できる。 //EDには出てきてるのに「出番はテキストだけ」「存在そのものが抹消」など悪意を感じる内容で、ネタを通り越して不快感を与えかねないのでco ----

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