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*クレヨンしんちゃん 「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~ 【くれよんしんちゃん おらとはかせのなつやすみ おわらないなのかかんのたび】 |ジャンル|ちょっと不思議な夏休み体験アドベンチャー|CENTER:&amazon(B093BFTV8J)&amazon(B0BGGH99QZ)| |対応機種|Nintendo Switch&br;Windows (Steam/Epic Games Store)&br;プレイステーション4|~| |発売元|ネオス|~| |開発元|ネオス&brミレニアムキッチン&brスターファクトリー|~| |発売日|【Switch】2021年7月15日&br;【Steam】2022年8月31日&br;【PS4】2023年1月26日&br;【Epic】2023年2月16日|~| |定価|【Switch】&br; 通常版:6,580円(税10%込)&br; プレミアムボックス:8,980円(税10%込)&br;【PS4】&br; 通常版:5,940円(税10%込)&br; 特別限定版:8,580円(税10%込)&br;【Win】5,980円(税10%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|『ぼくなつ』スタッフと『クレしん』がコラボ&brシリーズで貴重な日常風景を題材&brストーリーは首を傾げる疑問点も多々&br''あくまで『ぼくなつ』シリーズとは別の作品''|~| |>|>|CENTER:''[[クレヨンしんちゃんシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 人気TVアニメ『クレヨンしんちゃん』のゲーム化作品。パッケージソフトとしては『激アツ! おでんわ~るど大コン乱!!』以来、ダウンロードソフトも含めると『嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!!』以来のタイトルとなる。~ これまでクレヨンしんちゃんを題材にしたゲームのほとんどはアクションゲームだったが、本作はアドベンチャーゲームであり、しんのすけを操作して熊本をモデルにした架空の町アッソーで不思議な夏休みの一週間を過ごすことが目的。 『[[ぼくのなつやすみ>ぼくのなつやすみシリーズ]]』シリーズを制作したミレニアムキッチンが制作に関わっていることから発売前から期待度は非常に高く、ファンからは実質『ぼくなつ』の12年ぶりの続編と見る声も多い。~ ただし、ミレニアムキッチンの代表である綾部氏は[[ファミ通のインタビュー>https://www.famitsu.com/news/202107/25227952.html]]で、「''シリーズ作品であるように勘違いされると困る''」と述べており、実際氏のTwitterでも&bold(){ミレニアムキッチンが本作の開発で関与した部分はあくまでも一部に過ぎない}といった旨を説明している。 ---- **あらすじ > ひろしの九州出張にあわせて、熊本のアッソーに住んでいるみさえの古い友人の家に一週間お世話になることになった野原一家。 > アッソーに向かう途中の熊本駅で、かわったおじさんからモニターになることを条件に彼が発明した、ちょっとふしぎなカメラをもらいました。 > しんのすけはもらったカメラを手に、美しい里山や田畑を駆け回って夏休みを満喫します。カスカベでは見ることのできない生き物をつかまえたり、町の人たちのお手伝いをしたり。新しいお友達もすぐにできました。 > でも、ここでのお友だちはなぜか、幼稚園のお友だちとウリふたつ……なんでだろう? > ある日の夜、夕涼みに出たしんのすけは、満月の光に照らされた巨大生物を目撃します。そのかたわらには、高笑いしている男性が……。 > なんと、駅でカメラをくれた、あのちょっとかわったおじさんでした。 > 彼の名前は「あくの博士」。この出会いから次々と不思議なことが起こり始めることに...。 > (公式サイトより引用) ---- **ゲーム内容 -1日の流れ --毎朝家族やアッソーの住人達と体操することで一日がスタートする。 --ほぼ毎日ストーリーに関わるイベントが発生するが、それ以外の時間は自由に過ごしてOK。アッソーの人々と会話したりアッソーを探検して様々な発見をするもよし、虫取りや魚釣りと言った収集要素を楽しむもよし。 --ただし、一定回数マップを移動するごとに時間が経過する仕様となっており、夕飯の時間になると「シロ((場所や時間によって、時間を告げるキャラが変化する。))」が呼び戻しに来る。その後、夜の行動に移るがこちらも時間制限が存在しており長時間移動すると強制的に家に戻って眠ることになる。 -虫取り --近づいた虫を虫取り網で捕まえる。Aボタンを押すと虫取り網を振る。場所や時間帯によって出現する虫が変わるため全種類を集めるためにはアッソー中を駆け回る必要がある。 -魚釣り --浮きが沈んだタイミングでAボタンを押して、釣り上げる。こちらも上述の虫取り同様に場所や時間帯によって出現する魚が変わる。 -絵日記 --冒頭であくの博士から渡されるカメラは撮影した写真を不思議な絵にしてプリントする機能が存在しており、しんのすけが撮影した写真を絵日記に貼り付けていくことになる。 --絵日記にはストーリーでの出来事や住民との会話で聞いたこと、探索のヒント等を書き込むことが可能で、一回のプレイでは全種類を集めることは難しいほどに多くの種類が存在している。 ---上述の収集要素である昆虫と魚は、このカメラで撮影した後絵日記に貼り付けるシステムになっており、一種の図鑑埋め要素に近い。 -子供新聞記者 --ストーリーを進めるとしんのすけが子供新聞記者に任命されるイベントが発生し、しんのすけが撮影した写真を基に新聞を作っていくことになる。 --撮影した写真、つまり絵日記の充実度によって評価が付く仕様となっており、イベントの絵日記だけでなく虫や魚の収集度合いによって評価は上がっていく。 --評価が一定以上に達するごとに新聞の契約者が増えて新聞名も変化してゆき、その度にお小遣いと「恐竜カード」がもらえる。 -目標 --いわゆるトロフィー機能で、虫や魚の収集状況や恐竜バトルでの実績などを達成すると称号が手に入る。こちらも集めた評価に応じて新聞記事の評価を上げることが可能。 -恐竜バトル --あくの博士が作った小型の恐竜ロボットを使って対戦するミニゲーム。 --内容は『[[甲虫王者ムシキング]]』や『[[古代王者 恐竜キング]]』に近いじゃんけんバトルで、グーチョキパーそれぞれに技が設定されており、じゃんけんに勝つと対応した技で攻撃できる。 --あいこになるとあいこルーレットが始まり、ルーレットで青い方に止めれば勝ち、赤い方に止めれば負けというシステム。また、ゲージを最大まで貯めることで強力なSP技を使うことができる。最終的に体力が無くなった方の負け。 --バトルにつかう恐竜のロボットとは別に恐竜カードという物が存在しており、お店で購入できるチョコビのおまけや、新聞記者のランクが上がると共に入手できる。 ---いわゆる強化パーツのような物でステータスを上げるために使うカードで、バトルで使っても無くならない。 -一周について --本作では1週間が終わらずループする仕様となっており、8日目、9日目、10日目とどんどん続いていき、最終的には19日目まで夏休みが続く。 ---- **評価点 -クレヨンしんちゃんの夏休み --元々幼稚園児の日常をテーマとした原作だが、映画では様々な冒険を繰り広げる展開が多い為か日常風景を題材としたアドベンチャー形式のゲームはほとんどなかった。 ---ストーリーを進めると夏休みがループするだけでなく、恐竜が現れたりと非日常要素が少しずつ顔を出してくる辺りは映画に近いか。 --舞台はカスカベではないが、現実に近い世界の様でありながらもどこか変わった建造物や登場人物がいたりとしんちゃんの世界であることを感じさせてくれる。そんな世界で虫取りや、魚釣り、町の人のお悩み解決などで自由に過ごせる点を評価する声が多い。 --ところどころですっとぼけた反応やギャグで返答したり、絵日記についてくる文章は真面目な文章もあればクスリと笑える文章があったり、高速移動手段(ダッシュ)がケツだけ星人になる等細かいところでもしんちゃん要素あり((レーティングの問題もあるのか、さすがに生尻は出さない。))。 -良質なグラフィック --山や川といった背景の一枚絵が綺麗に描き込まれており、自然豊かな町アッソーを表現するのに一役買っている。 --また、本作のキャラクターは全て3DCGモデルで表現されているのだが、本来平面で表現されるアニメのキャラクターグラフィックも3Dに違和感なく落とし込まれているだけでなく、それに伴って生じるキャラクターの向き問題も解決している。 --具体例を挙げると主人公であるしんのすけはアニメでは顔が絶対に正面向きにはならず常に左右のどちらかを向く形となっているが、本作において毎朝発生する体操でしんのすけが動き回ってもほとんど違和感なく顔の向きが切り替わり絶対に正面を向かない。 --これはアニメでも守られている約束事であり、事前に公開されたPVでもそれが徹底されていたことに驚く声も多かった。 //--これは原作やアニメでも守られている約束事であり、事前に公開されたPVでもそれが徹底されていたことに驚く声も多かった。 //原作は、中期の番外編にあった刑事物のタイトルのコマで、しんのすけが真正面を向いて写った写真があります。何巻かは失念しましたが、踊る大捜査線のパロディエピソードだったと記憶しています。 -豊富なやり込み要素 --虫や魚、絵日記集め等の収集要素はもちろん目標の達成や各種イベントを制覇する夏の思い出など、やりこみ要素は充実している。目標の中には虫や魚の全収集といった定番はもちろん、アッソー中にあるすべての看板を調べるといった変わり種もあるため一筋縄ではいかない。 --一部要素を引き継いで強くてニューゲームを始めることが可能であるため、じっくりとやりこむことが可能。 //ループ物、非日常要素だけだと、いずれもクレしんらしいとは言えません。またシナリオの良さを語るのであれば、キャラ描写やフラグ管理といった点の説明が必要だと思います。 //すみません、シナリオは評価点ではないと考えており説明を削除しました。 ---- **問題点 -ストーリーの描写カットが目立つ --本作のストーリー部分はアニメと同じ声優によるフルボイスとなっているが、肝心な部分でナレーションに全てを丸投げしている部分が多い。 --最初にしんのすけが相手に話しかけて二言ほど会話すると、後はナレーションがどんなことを話したのかを解説、そして終わりの部分でまたしんのすけと相手の会話に戻る、といった具合。 #region(ネタバレ注意) --例えばしんのすけと黒幕である博士が心を通わせるシーンはナレーションが博士にかつて何があったのかを簡潔に説明するだけでしんのすけの反応等は描写しておらず、ストーリーの重要部分なのに何があったのかイマイチピンとこない。他にもストーリー上重要な行動に出たシーンも全部ナレーションが簡単に済ませる場所が多い。 #endregion --擁護するのなら、本作の発売前後で主人公であるしんのすけの声優交代があったため収録できなかったのではないか、とも考えられるがそれでも目立つ。 -ループシナリオによるメインストーリーのボリューム不足。 --一週間をループするためほぼ同様のイベントがあったりする。一応ループごとに特殊なイベントは無いわけではないものの、物足りない。 --サブイベントなどをこなさずにプレイすると、10時間もかからずにクリアできてしまう。 ---ループするストーリーの都合上あまり大きな変化を入れられなかったのか、夏祭りなどの大規模な夏休みらしいイベントが少なくストーリー終盤ではダレるという声がある。 --虫取りや魚取り等の収集要素を終えると日付を跨ぐイベント以外は特にやることがなくなってしまうのもボリューム不足を感じる原因か。 -やや首をかしげる展開もちらほら。 #region(ネタバレ注意) --恐竜の出現時に人々は驚き棒立ちとなるが、家に帰ると皆何事もなかったように眠りにつく。''こんな状況でおちおち寝ていられるのだろうか。'' --博士による恐竜の召喚を阻止しようとするが、説得などではなく恐竜を呼び出すために必要なパソコンを破壊するという''力技''で食い止める。 --しんのすけと共に寝る相手が突如みさえから泊まり先の娘に変わり前触れ無く「しんのすけ、大好き」と呟くようになる。 --泊まり先の2人娘が父親と彼に惚れている女の子を強引に再婚させようとする。父親の方はその気はないのに…。 #endregion -一部の恐竜カードが強すぎる。 --''スペシャル技を含めた全ステータスアップ''と言うとんでもない性能のカードが存在しており、入手方法も新聞の契約者を増やすことが条件でほぼ確実に手に入る。 --恐竜カードのほとんどはチョコビを購入してランダム入手する形になるのだが、強力なカードが簡単に入手できるため恐竜カードコンプリートが目的でない場合はほとんど買う必要すらない。しかも、恐竜カード収集に対応した目標がないため、カードを集めても称号はもらえない。 ---一応集めたカードは周回プレイで引き継がれる。 -収集要素の残念さ。 --言い方は悪いが昆虫や魚は写真を撮影して図鑑を埋めていくだけの作業となっており、昆虫や魚に興味がない人から見ると面白みに欠ける。 --図鑑を埋めてしまえば、ゲーム内の金策要素であるおつかいに必要な魚を除いて一度捕まえた昆虫等を再度捕まえる必要性がないのがネック。 ---- **総評 夏休みの子供らしい体験を味わえるノスタルジックな面と『クレヨンしんちゃん』のコミカルな持ち味を損なわせることなく調和させている良作のキャラゲー。~ ただし、アドベンチャーゲームとして見るといくつか気になる部分や少しボリューム不足感があるが原作アニメの対象年齢層を考えれば妥当な範囲といえるか。 『クレヨンしんちゃん』のファンはもちろんのこと、『ぼくのなつやすみ』シリーズファンも、成長して『クレしん』といつの間にか距離を取っていた方も、キャラゲーという第一印象から二の足を踏んでしまっている方も、一風変わった夏を満喫してみてはいかがだろうか。 ---- **余談 -本作の情報初解禁時に公式Twitterアカウント等では「''クレ夏''」という略称を用いていたが、前述の通り全体的な雰囲気から開発スタッフに至るまで『ぼくのなつやすみ』と共通する要素が多く、ユーザーから「''オラのなつやすみ''」と親しみを込めて呼ばれた。そのためか公式側も「''オラ夏''」に略称を変更したという経緯がある。 ---- **その後の展開 -2022年6月に本作のPS4版の、8月にWin(Steam)版が発表され、同年8月31日にPS4/Win((Steam版は日本でも予定通り配信された。))で海外版が配信された。 --しかし、なぜか''日本のPS4版だけリリースが遅れた結果''、2023年1月26日に発売された。%%夏休み明けのはずが冬休み明けになってしまったというオチである。%% -2023年9月14日に本作の流れを汲んだ最新作『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』が発表された。開発はハ・ン・ドが担当し、ミレニアムキッチンはスーパーバイザーとして携わる。 --対応機種はSwitchで、2024年2月22日の発売が予定されている。
*クレヨンしんちゃん 「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~ 【くれよんしんちゃん おらとはかせのなつやすみ おわらないなのかかんのたび】 |ジャンル|ちょっと不思議な夏休み体験アドベンチャー|CENTER:&amazon(B093BFTV8J)&amazon(B0BGGH99QZ)| |対応機種|Nintendo Switch&br;Windows (Steam/Epic Games Store)&br;プレイステーション4|~| |発売元|ネオス|~| |開発元|ネオス&brミレニアムキッチン&brスターファクトリー|~| |発売日|【Switch】2021年7月15日&br;【Steam】2022年8月31日&br;【PS4】2023年1月26日&br;【Epic】2023年2月16日|~| |定価|【Switch】&br; 通常版:6,580円(税10%込)&br; プレミアムボックス:8,980円(税10%込)&br;【PS4】&br; 通常版:5,940円(税10%込)&br; 特別限定版:8,580円(税10%込)&br;【Win】5,980円(税10%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|『ぼくなつ』スタッフと『クレしん』がコラボ&brシリーズで貴重な日常風景を題材&brストーリーは首を傾げる疑問点も多々&br''あくまで『ぼくなつ』シリーズとは別の作品''|~| |>|>|CENTER:''[[クレヨンしんちゃんシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 人気TVアニメ『クレヨンしんちゃん』のゲーム化作品。パッケージソフトとしては『激アツ! おでんわ~るど大コン乱!!』以来、ダウンロードソフトも含めると『嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!!』以来のタイトルとなる。~ これまでクレヨンしんちゃんを題材にしたゲームのほとんどはアクションゲームだったが、本作はアドベンチャーゲームであり、しんのすけを操作して熊本をモデルにした架空の町アッソーで不思議な夏休みの一週間を過ごすことが目的。 『[[ぼくのなつやすみ>ぼくのなつやすみシリーズ]]』シリーズを制作したミレニアムキッチンが制作に関わっていることから発売前から期待度は非常に高く、ファンからは実質『ぼくなつ』の12年ぶりの続編と見る声も多い。~ ただし、ミレニアムキッチンの代表である綾部氏は[[ファミ通のインタビュー>https://www.famitsu.com/news/202107/25227952.html]]で、「''シリーズ作品であるように勘違いされると困る''」と述べており、実際氏のTwitterでも&bold(){ミレニアムキッチンが本作の開発で関与した部分はあくまでも一部に過ぎない}といった旨を説明している。 ---- **あらすじ > ひろしの九州出張にあわせて、熊本のアッソーに住んでいるみさえの古い友人の家に一週間お世話になることになった野原一家。 > アッソーに向かう途中の熊本駅で、かわったおじさんからモニターになることを条件に彼が発明した、ちょっとふしぎなカメラをもらいました。 > しんのすけはもらったカメラを手に、美しい里山や田畑を駆け回って夏休みを満喫します。カスカベでは見ることのできない生き物をつかまえたり、町の人たちのお手伝いをしたり。新しいお友達もすぐにできました。 > でも、ここでのお友だちはなぜか、幼稚園のお友だちとウリふたつ……なんでだろう? > ある日の夜、夕涼みに出たしんのすけは、満月の光に照らされた巨大生物を目撃します。そのかたわらには、高笑いしている男性が……。 > なんと、駅でカメラをくれた、あのちょっとかわったおじさんでした。 > 彼の名前は「あくの博士」。この出会いから次々と不思議なことが起こり始めることに...。 > (公式サイトより引用) ---- **ゲーム内容 -1日の流れ --毎朝家族やアッソーの住人達と体操することで一日がスタートする。 --ほぼ毎日ストーリーに関わるイベントが発生するが、それ以外の時間は自由に過ごしてOK。アッソーの人々と会話したりアッソーを探検して様々な発見をするもよし、虫取りや魚釣りと言った収集要素を楽しむもよし。 --ただし、一定回数マップを移動するごとに時間が経過する仕様となっており、夕飯の時間になると「シロ((場所や時間によって、時間を告げるキャラが変化する。))」が呼び戻しに来る。その後、夜の行動に移るがこちらも時間制限が存在しており長時間移動すると強制的に家に戻って眠ることになる。 -虫取り --近づいた虫を虫取り網で捕まえる。Aボタンを押すと虫取り網を振る。場所や時間帯によって出現する虫が変わるため全種類を集めるためにはアッソー中を駆け回る必要がある。 -魚釣り --浮きが沈んだタイミングでAボタンを押して、釣り上げる。こちらも上述の虫取り同様に場所や時間帯によって出現する魚が変わる。 -絵日記 --冒頭であくの博士から渡されるカメラは撮影した写真を不思議な絵にしてプリントする機能が存在しており、しんのすけが撮影した写真を絵日記に貼り付けていくことになる。 --絵日記にはストーリーでの出来事や住民との会話で聞いたこと、探索のヒント等を書き込むことが可能で、一回のプレイでは全種類を集めることは難しいほどに多くの種類が存在している。 ---上述の収集要素である昆虫と魚は、このカメラで撮影した後絵日記に貼り付けるシステムになっており、一種の図鑑埋め要素に近い。 -子供新聞記者 --ストーリーを進めるとしんのすけが子供新聞記者に任命されるイベントが発生し、しんのすけが撮影した写真を基に新聞を作っていくことになる。 --撮影した写真、つまり絵日記の充実度によって評価が付く仕様となっており、イベントの絵日記だけでなく虫や魚の収集度合いによって評価は上がっていく。 --評価が一定以上に達するごとに新聞の契約者が増えて新聞名も変化してゆき、その度にお小遣いと「恐竜カード」がもらえる。 -目標 --いわゆるトロフィー機能で、虫や魚の収集状況や恐竜バトルでの実績などを達成すると称号が手に入る。こちらも集めた評価に応じて新聞記事の評価を上げることが可能。 -恐竜バトル --あくの博士が作った小型の恐竜ロボットを使って対戦するミニゲーム。 --内容は『[[甲虫王者ムシキング]]』や『[[古代王者 恐竜キング]]』に近いじゃんけんバトルで、グーチョキパーそれぞれに技が設定されており、じゃんけんに勝つと対応した技で攻撃できる。 --あいこになるとあいこルーレットが始まり、ルーレットで青い方に止めれば勝ち、赤い方に止めれば負けというシステム。また、ゲージを最大まで貯めることで強力なSP技を使うことができる。最終的に体力が無くなった方の負け。 --バトルにつかう恐竜のロボットとは別に恐竜カードという物が存在しており、お店で購入できるチョコビのおまけや、新聞記者のランクが上がると共に入手できる。 ---いわゆる強化パーツのような物でステータスを上げるために使うカードで、バトルで使っても無くならない。 -一周について --本作では1週間が終わらずループする仕様となっており、8日目、9日目、10日目とどんどん続いていき、最終的には19日目まで夏休みが続く。 ---- **評価点 -クレヨンしんちゃんの夏休み --元々幼稚園児の日常をテーマとした原作だが、映画では様々な冒険を繰り広げる展開が多い為か日常風景を題材としたアドベンチャー形式のゲームはほとんどなかった。 ---ストーリーを進めると夏休みがループするだけでなく、恐竜が現れたりと非日常要素が少しずつ顔を出してくる辺りは映画に近いか。 --舞台はカスカベではないが、現実に近い世界の様でありながらもどこか変わった建造物や登場人物がいたりとしんちゃんの世界であることを感じさせてくれる。そんな世界で虫取りや、魚釣り、町の人のお悩み解決などで自由に過ごせる点を評価する声が多い。 --ところどころですっとぼけた反応やギャグで返答したり、絵日記についてくる文章は真面目な文章もあればクスリと笑える文章があったり、高速移動手段(ダッシュ)がケツだけ星人になる等細かいところでもしんちゃん要素あり((レーティングの問題もあるのか、さすがに生尻は出さない。))。 -良質なグラフィック --山や川といった背景の一枚絵が綺麗に描き込まれており、自然豊かな町アッソーを表現するのに一役買っている。 --また、本作のキャラクターは全て3DCGモデルで表現されているのだが、本来平面で表現されるアニメのキャラクターグラフィックも3Dに違和感なく落とし込まれているだけでなく、それに伴って生じるキャラクターの向き問題も解決している。 --具体例を挙げると主人公であるしんのすけはアニメでは顔が絶対に正面向きにはならず常に左右のどちらかを向く形となっているが、本作において毎朝発生する体操でしんのすけが動き回ってもほとんど違和感なく顔の向きが切り替わり絶対に正面を向かない。 --これはアニメでも守られている約束事であり、事前に公開されたPVでもそれが徹底されていたことに驚く声も多かった。 //--これは原作やアニメでも守られている約束事であり、事前に公開されたPVでもそれが徹底されていたことに驚く声も多かった。 //原作は、中期の番外編にあった刑事物のタイトルのコマで、しんのすけが真正面を向いて写った写真があります。何巻かは失念しましたが、踊る大捜査線のパロディエピソードだったと記憶しています。 -豊富なやり込み要素 --虫や魚、絵日記集め等の収集要素はもちろん目標の達成や各種イベントを制覇する夏の思い出など、やりこみ要素は充実している。目標の中には虫や魚の全収集といった定番はもちろん、アッソー中にあるすべての看板を調べるといった変わり種もあるため一筋縄ではいかない。 --一部要素を引き継いで強くてニューゲームを始めることが可能であるため、じっくりとやりこむことが可能。 //ループ物、非日常要素だけだと、いずれもクレしんらしいとは言えません。またシナリオの良さを語るのであれば、キャラ描写やフラグ管理といった点の説明が必要だと思います。 //すみません、シナリオは評価点ではないと考えており説明を削除しました。 ---- **問題点 -ストーリーの描写カットが目立つ --本作のストーリー部分はアニメと同じ声優によるフルボイスとなっているが、肝心な部分でナレーションに全てを丸投げしている部分が多い。 --最初にしんのすけが相手に話しかけて二言ほど会話すると、後はナレーションがどんなことを話したのかを解説、そして終わりの部分でまたしんのすけと相手の会話に戻る、といった具合。 #region(ネタバレ注意) --例えばしんのすけと黒幕である博士が心を通わせるシーンはナレーションが博士にかつて何があったのかを簡潔に説明するだけでしんのすけの反応等は描写しておらず、ストーリーの重要部分なのに何があったのかイマイチピンとこない。他にもストーリー上重要な行動に出たシーンも全部ナレーションが簡単に済ませる場所が多い。 #endregion --擁護するのなら、本作の発売前後で主人公であるしんのすけの声優交代があったため収録できなかったのではないか、とも考えられるがそれでも目立つ。 -ループシナリオによるメインストーリーのボリューム不足。 --一週間をループするためほぼ同様のイベントがあったりする。一応ループごとに特殊なイベントは無いわけではないものの、物足りない。 --サブイベントなどをこなさずにプレイすると、10時間もかからずにクリアできてしまう。 ---ループするストーリーの都合上あまり大きな変化を入れられなかったのか、夏祭りなどの大規模な夏休みらしいイベントが少なくストーリー終盤ではダレるという声がある。 --虫取りや魚取り等の収集要素を終えると日付を跨ぐイベント以外は特にやることがなくなってしまうのもボリューム不足を感じる原因か。 -やや首をかしげる展開もちらほら。 #region(ネタバレ注意) --恐竜の出現時に人々は驚き棒立ちとなるが、家に帰ると皆何事もなかったように眠りにつく。''こんな状況でおちおち寝ていられるのだろうか。'' --博士による恐竜の召喚を阻止しようとするが、説得などではなく恐竜を呼び出すために必要なパソコンを破壊するという''力技''で食い止める。 --しんのすけと共に寝る相手が突如みさえから泊まり先の娘に変わり前触れ無く「しんのすけ、大好き」と呟くようになる。 --泊まり先の2人娘が父親と彼に惚れている女の子を強引に再婚させようとする。父親の方はその気はないのに…。 #endregion -一部の恐竜カードが強すぎる。 --''スペシャル技を含めた全ステータスアップ''と言うとんでもない性能のカードが存在しており、入手方法も新聞の契約者を増やすことが条件でほぼ確実に手に入る。 --恐竜カードのほとんどはチョコビを購入してランダム入手する形になるのだが、強力なカードが簡単に入手できるため恐竜カードコンプリートが目的でない場合はほとんど買う必要すらない。しかも、恐竜カード収集に対応した目標がないため、カードを集めても称号はもらえない。 ---一応集めたカードは周回プレイで引き継がれる。 -収集要素の残念さ。 --言い方は悪いが昆虫や魚は写真を撮影して図鑑を埋めていくだけの作業となっており、昆虫や魚に興味がない人から見ると面白みに欠ける。 --図鑑を埋めてしまえば、ゲーム内の金策要素であるおつかいに必要な魚を除いて一度捕まえた昆虫等を再度捕まえる必要性がないのがネック。 ---- **総評 夏休みの子供らしい体験を味わえるノスタルジックな面と『クレヨンしんちゃん』のコミカルな持ち味を損なわせることなく調和させている良作のキャラゲー。~ ただし、アドベンチャーゲームとして見るといくつか気になる部分や少しボリューム不足感があるが原作アニメの対象年齢層を考えれば妥当な範囲といえるか。 『クレヨンしんちゃん』のファンはもちろんのこと、『ぼくのなつやすみ』シリーズファンも、成長して『クレしん』といつの間にか距離を取っていた方も、キャラゲーという第一印象から二の足を踏んでしまっている方も、一風変わった夏を満喫してみてはいかがだろうか。 ---- **余談 -本作の情報初解禁時に公式Twitterアカウント等では「''クレ夏''」という略称を用いていたが、前述の通り全体的な雰囲気から開発スタッフに至るまで『ぼくのなつやすみ』と共通する要素が多く、ユーザーから「''オラのなつやすみ''」と親しみを込めて呼ばれた。そのためか公式側も「''オラ夏''」に略称を変更したという経緯がある。 ---- **その後の展開 -2022年6月に本作のPS4版の、8月にWin(Steam)版が発表され、同年8月31日にPS4/Win((Steam版は日本でも予定通り配信された。))で海外版が配信された。 --しかし、なぜか''日本のPS4版だけリリースが遅れた結果''、2023年1月26日に発売された。%%夏休み明けのはずが冬休み明けになってしまったというオチである。%% -2023年9月14日に本作の流れを汲んだ最新作『クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」』が発表された。開発はハ・ン・ドが担当し、ミレニアムキッチンはスーパーバイザーとして携わる。 --対応機種はSwitchで、2024年2月22日の発売が予定されている。

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