軽井沢誘拐案内

【かるいざわゆうかいあんない】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 PC-6001、PC-8801、PC-9801、FM-7、X1、MSX
発売・開発元 エニックス
発売日 【PC88】1985年5月
定価 5,800円
判定 なし
ポイント 堀井ミステリー3部作最終作
唯一ファミコン版が存在しない作品
RPG要素もあり
堀井ミステリー三部作
ポートピア連続殺人事件 / 北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ / 軽井沢誘拐案内

概要

ドラゴンクエストの堀井雄二氏がシナリオを担当したアドベンチャーゲームシリーズ最終作*1
サスペンスを主題としつつ、刑事を主人公にした殺人事件の調査がテーマではなく、誘拐事件に巻き込まれた一般人である主人公とその恋人を操作して行方不明になった恋人の妹を探し出す。

RPG風のゲームシステムを取り入れた実験的なシステムや色濃いコメディ要素が含まれており、世界観そのものの雰囲気も含め、前二作と比較してカジュアルで堀井節あふれる作風になっている。

特徴

  • RPGチックな捜査シーン
    • これまでの作品のような地名を選択して移動する形式に加えて、RPGのスクロールマップの様な画面で移動をする形式が採り入れられており、「捜査は足で稼げ」が表現されている。それぞれの形式でしか行けない場所があるので2種類ある意味がある。
    • 特に最終章では「スタミナ」「ストレングス」「ディフェンス」*2といったステータスや敵との戦闘シーンまでが追加され、もはやRPGといっても遜色がない程。更にヒロインの2人が援護攻撃を行ってくれるようになっている。
  • ユーモアセンスあふれるシナリオ
    • 前2作品とは違い、主人公は刑事ではなく大学生という設定。
    • 誘拐事件というサスペンスらしい題材にふさわしく序盤は相応にシリアスな雰囲気で進むが、ストーリーが進行するに連れてコメディ色が強くなっていく。しかし、押さえる所はしっかり押さえられている。
      • 例えば、 犯人が突如、煙玉を使って行方をくらましたり、神様が登場したりする など。文体もところどころギャグっぽいのが堀井氏らしい。
    • 戦闘時のヒロインのコマンドにも堂々と「なげキッス」と「パンチラ」*3があったりもする。
      • ちなみに、これらのコマンドには攻撃力と防御力の低下の効果がある。なんでそんな効能があるかというと「 敵が鼻血を出して隙を晒すから 」である。現代的な描写でRPGの文法に則ったその言葉選びも堀井氏ならでは。
  • また、濡れ場やパンチラなどのアダルトなシーンが多いの本作の大きな特徴。
    • ファミコンで出なかったのはこれが原因と言われている。
  • グラフィックは前作の劇画調から漫画調になった。
  • BGMは基本的に流れない。

評価点

  • 写実タッチだった『オホーツクに消ゆ』と異なり、簡素ながら漫画タッチのグラフィックとなり、親しみやすくなった。
  • エロではなくちょっとエッチなグラフィックやコマンドといったお色気要素も堀井氏らしく、今となっては逆に貴重である。
  • RPG風と言われる本作だが、戦闘はおまけ程度。しかし、そこはアドベンチャーゲームなので敵に勝つのも謎解きの一種となっている。

難点

  • カジュアルで親しみ易くなった半面、良くも悪くもシナリオのノリが前作までと違うため、前作のようなシリアスなシナリオを期待する人にはやや肩透かし感を食らうかもしれない。

総評

シリーズ第3弾として企画されたが、本作制作中に作者の堀井氏がウルティマの影響を強く受けたことでアドベンチャーゲームにRPG要素が追加されてできたのが本作。翌年に初代ドラゴンクエストが発表されており、本作は発売前段階の実験的な色合いもあったのかもしれない。

漫画タッチなグラフィックは取っ付き易く、シリアスものよりも明るく軽い作風が好きな人には十分楽しめる。コメディタッチなノリは賛否が分かれるかもしれないが、これが堀井節というもの。


携帯電話移植版

  • 2002年からiアプリを皮切りに各携帯電話アプリ向けに移植された。2005年にはリニューアル版も配信されている。
  • 全体的なグラフィックの強化の他、お色気要素が軽減されている。リニューアル版ではBGMも追加された。
  • 現在はスクエニモバイルサービスの終了に伴い、プレイは不可能。

余談

  • パッケージには被害者である「なぎさ」の写真が付属している。おまけではあるが、これはゲームの重要な手がかりとなっている。
    • 携帯アプリ版の場合、公式サイトからこの写真が閲覧可能。
  • 本作にはとある箇所にて「ゆうぼう」こと堀井雄二氏がゲスト出演している。
    • また、『ポートピア連続殺人事件』に登場した「ふみえ」もゲスト出演している。
最終更新:2021年06月26日 20:42
添付ファイル

*1 実は四作目の『ソヴィエト殺人ツアー 白夜に消えた目撃者』(アスキー)の開発が発表されており、ソヴィエト(現ロシア)への取材旅行も行われていたが、立ち消えになっている。

*2 それぞれ体力、攻撃力、防御力

*3 ちなみに携帯アプリ版だと「ぱふぱふ」になっている。