太鼓の達人Wii
【たいこのたつじん うぃー】
ジャンル
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和太鼓リズムゲーム
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対応機種
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Wii
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発売・開発元
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バンダイナムコゲームス
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発売日
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太鼓とバチ同梱版:2008年12月11日 ソフト単品版:2010年3月11日
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価格
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太鼓とバチ同梱版:7,980円 ソフト単品版:3,990円
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判定
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なし
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ポイント
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当時の2000シリーズを全て収録 現在となっては価値の高い収録曲 苦行のやりこみ要素
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太鼓の達人シリーズ
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概要
人気ゲーム『太鼓の達人』のWii参入第1作。
専用コントローラーを同梱させて発売したことや、子供やファミリー層に向けた宣伝もあり、ミリオンを突破する大ヒットとなった。
ちなみにAC版『太鼓の達人12』と同日発売となった。
特徴・評価点
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豪華な収録曲
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J-POPでは、AC2から収録されている定番曲「夏祭り」を収録。また、当時流行していた「羞恥心」「キセキ」「もってけ!セーラーふく」などが収録されている。
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ゲームミュージックでは、『リッジレーサーズ2』から「Kamikaze Remix」、「スターソルジャーメドレー」、「ソウルキャリバーIV」などを収録。
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そして驚くのがナムコオリジナル。 なんと2000シリーズを、1作目の「さいたま2000」から当時のシリーズ最新「X-DAY2000」まで全て収録した。さらには人気曲である「エンジェルドリーム」「The Carnivorous Carnival」や、AC11の代名詞といえる曲「STAGE 0.ac11」「季曲」、幻の曲とまで言われていた「ラ・モレーナ・クモナイ」など、AC限定になっていた曲の救済が目立つ。
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現在のアーケード版太鼓の達人で遊ぶことの出来ない楽曲が非常に多く、現在となっては購入する価値が高い作品だと言えるだろう。
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ちなみに、2000シリーズは「99999発音符を叩く」で解禁可能となっている。
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条件を達成した瞬間に、2000シリーズの楽曲が下にビッシリと書かれているカオスかつ非常にインパクトの強いおてがみが届く。コアユーザーにとっては感動モノである。
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システム面
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譜面分岐のようなシステムとして「巨大音符」を採用。叩いた時の判定により後の譜面の音符が増減する。
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なかなかインパクトのあるものであり、パーティ要素としては大いに盛り上がれるため面白い。しかし、大きすぎて判定枠が見えないという難点もある。(一応、通常の音符よりも良可判定は甘めになってはいる)
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ちなみに、このシステムはWiiハードのシリーズ作品でしか採用されていない。
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1Pと2Pでそれぞれ別の難易度で遊ぶことが出来る。
例えば、上級者と初心者が一緒にプレイする際に、1Pが「おに」、2Pが「かんたん」といったことが可能。
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腕前の差異によってどちらかが楽しめないといったことが無いようになっている。このシステムはアーケードの方では新筐体になるまで採用されなかった。
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一部の楽曲で作品に応じたキャラクターが登場する。
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アイドルマスターの楽曲をプレイすると765プロダクションのアイドル達が踊り子として登場し、「スーパーマリオブラザーズ」ではドット絵で描かれたマリオ達が踊り子として登場するなど凝っている。
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演奏オプションを名前など関係なしに自由に設定できるようになった。
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今までに出されたPS2の作品では、特殊な名前を入力しないとオプションが使えない不便な仕様だったため、自由に使えるようになったのはかなりありがたい要素である。
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歌付きの曲の場合プレイ画面下部に歌詞が表示される。地味ながらも歓迎された機能であり、この機能のおかげで初めて正式な歌詞が判明したナムコオリジナル曲も多い。
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「さいたま2000」の「脳内カーニバルだどーん!」などのような歌詞と呼んで良いのか怪しいものまできっちりカバー。
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Wii、WiiUのシリーズの定番機能となった一方、AC版や携帯機には実装されていない。
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和田どん・かつのボイスが新録。ACのボイスと比べると快活なイメージに。またオートプレイ時のメカドン・メカカツにも固有のボイスが付いた。
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ACの方は更新されず、『14』に至るまで旧来のボイスが使われていた。
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毎日チャレンジ道場
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特定のお題をクリアしていくモード。クリアしていくごとにメダルを獲得し、プレイヤーの段位が上がっていくというもの。
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実践で非常に役に立つテクニックを存分に練習できるお題が多く、腕前の上達も実感しやすい。
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中には「○○(課題曲)のおにコースをフルコンボ」などの上級者をもうならせる難解なお題や、
目視が難しいスピードで流れてくるたった1つの音符で良をとる
というネタお題もある。
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お題を達成できなくても一定の条件を満たしていれば金ではなく銀のメダルが与えられる。銀のメダルであっても昇格に必要なポイントが入るため、無駄にならない。
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余談だが、最高段位の「太鼓神」になると貰えるごほうびは音色として使える「
超おなら
」。獲得時のインパクトは凄まじい。
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またストーリーも搭載。
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ストーリーはどんちゃんの成長を描いており、ストーリーが進むごとに隠し曲、音色などが増えていく。かなり薄味なものの、演奏がメインのためそこまで問題ではない。
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演奏ゲームを進めるとストーリーが自動的に進んでいくシステムなので、プレイし続けていれば必ずストーリーを終わらせることが出来る。
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ストーリーを終わらせた後は、どんちゃんが成長していく過程までのきせかえを自由に選べるという特典がある。
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専用コントローラーも搭載したため、アーケード版と同じ楽しみ方ができる。
賛否両論点
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とあるオプションを使用して使える裏技
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演奏オプションの「かんぺき」を付けてわざと失敗すれば演奏回数を短時間で稼ぐことが可能。
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やや面倒な解禁条件を手軽に達成できるという点では救済措置と言えるが、かんぺきオプション自体が解禁に非常に苦労するのですぐには利用はできない上、使えるようになったらなったでそれまでに素直にかけてきた時間と苦労が無駄になってしまう。
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アーケード版シリーズからの画面構成の変化。
本作を含むWii発売のシリーズでは当時のACの画面の再現を重視していない。
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譜面レーンの左側の太鼓表示がなくなり、代わりにアイコンまたはMiiが表示。コンボ数表示も上にずらされた。
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ノルマゲージおよび10コンボごとの吹き出しが若干下にずれた。この関係で吹き出しが譜面に被る範囲が拡大し若干プレイしづらくなった。
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吹き出しはWii2代目以降から譜面の位置に被らない位置に調整された。AC版の方でも『14』で同様に調整。
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踊り子右下のバチお先生がいなくなった。
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音符を叩いた後に得点が加算されるタイミングが異なる。
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AC・PS2版では叩かれた音符が魂ゲージに飛び込むタイミングで加算されるが、こちらは叩いた瞬間に加算される。
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ゴーゴータイム中にノルマゲージがクリアラインを超えている場合にノルマゲージ周辺に花火が上がる演出の廃止。
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Wiiシリーズでは一貫して復活せず。AC側のプレイヤーからもノルマゲージが見づらいという指摘も一応あり、新筐体で廃止されている。
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Wii本体のアスペクト比の設定が16:9の場合、譜面の左右に音符を送り出す演出が追加され、演奏レーンの幅が変わらないようになっている。
Wii2代目以降も細かい演出が変化し、独自の路線を歩んでいった。このことはAC版のプレイヤーからは若干賛否がある。
問題点
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販売方法について
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本作は専用コントローラー「太鼓とバチ」が同梱されているが、ソフト単体版は同時発売されず、発売から約3か月後というかなり遅いタイミングまで待たなくてはならなかった。
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ソフト単体版は3,980円とかなり安価である一方。同梱版は7,980円とやや高価であり、専用コントローラーを必要としない人にとっては無駄な出費に繋がってしまった。
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苦行のやりこみ要素
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太鼓の達人自体やりこみ要素が多いゲームだが、それを楽曲解禁やオプションを解禁するシステムにしてしまった。
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「99999発音符を叩く」「300回演奏」などは初心者でも頑張れば達成できるのでまだマシだが、「
金冠を100個集める
」(=合計100譜面フルコンボ)や、「
王冠を200個集める
」(=合計200譜面クリア)というのは楽曲の解禁条件としてはあまりにも不親切すぎる。
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「かんたん」~「おに」までの全難易度で獲得できる王冠の数は、隠し曲を全て含めて計280個。つまり王冠200個を達成するには最低でも「むずかしい」までのほぼ全ての譜面のクリアが必要ということになる。
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また、演奏オプションも解禁するものとして扱われており、最初から使用できるオプションは「オート」「ばいそく」「さんばい」のみ。「よんばい」「ドロン」「あべこべ」「かんぺき」のオプションは各難易度で獲得した王冠の数によって解禁されるのだが、これも条件が不親切。
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これらのオプションの解禁条件は「かんたん」~「おに」の各コースで50個の王冠をとることである。この作品は隠し曲を含めて計70曲が収録されているが、その内の半分以上の曲を演奏しないといけない。難易度が高いのもそうだがとにかく手間がかかる上に、興味のない曲のプレイまで強制されるのは頂けない。
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特に「おに」の王冠50個で解禁される「かんぺき」は高い腕前を持っていないと解禁ができない。(更には、これを解禁していないと上記の演奏回数を短縮する裏技も使えない。)
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批判が集まった為か、次回作以降から徐々に必要な王冠の数が減らされるなど、改善がなされている。
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一部の曲や譜面について
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「巨大音符を叩いて分裂した音符が、判定枠の手前で唐突に出現する」という初見殺しに近い譜面が一部存在する。
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隠し曲として収録されている1つの楽曲の曲名が誤植されている。
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歌詞やMiiを消すことが出来ないため、人によっては集中できない。
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歌詞は画面中ではかなり下の方に表示されるため気になる人は少数だが、Miiは踊り子として出現するため気になりやすい。
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Miiは、演奏中に変な踊りをしているだけである上に、ビジュアル的にも太鼓の達人の世界観とはあまり合っておらず浮いているため尚更目立ってしまう。
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次回作以降では、歌詞表示とMii表示を消すことが出来るようになった。
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専用コントローラーの反応の良し悪しがピンキリ。その上、壊れやすい。
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叩いたのに反応しないなんてことが頻発する。酷い場合だと強く叩いても反応しないものまである。
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クラシックコントローラ及びクラシックコントローラ PROを使った操作では、十字ボタンの多重反応が多い。
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特に酷いのは十字ボタンの左右。
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原因は不明だが、Wii・Wii Uの太鼓の達人で唯一ボタンが反応するリミット値が低いと考えられている。
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『ドドーンと2代目!』以降のWii・Wii U作品では改善されている。
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数は少ないが一部バグがある。
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「ケチャドン2000」という曲で、1箇所ある連打地帯までの音符を1回でも叩くと強制的に達人譜面になるというバグがある。
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AC版では、連打の数を調整することで任意の譜面に行くことができる譜面である。
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一応、スコアを最も叩き出せる譜面なのが救いか。なお、バンナムによるとこのバグは
あくまで仕様
らしい。
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複数の曲で確認されているが、2人プレイをしている際に片方のみ「かんぺき」を付けた状態でミスをすると強制的にリザルト画面に移行するが、その時に「かんぺき」を付けていない方のプレイヤーがそれまでにミスをしていなかった場合は、最後まで譜面を叩ききっていないにもかかわらずその譜面はフルコンボ扱いになるというバグがある。
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このバグを使えばフルコンボしていない譜面にも金冠を付けることが出来るため金冠の価値が下がる。ただし記録はしっかり反映されるのでバグを使用したかどうかの判別は可能。
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ストーリーの問題点
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本作に搭載されたストーリーではどんちゃんの成長していく過程が見られるが、どんちゃんの双子の弟であるかっちゃんの存在そのものが無かった事になっている。
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一応演奏ゲームでの二人プレイ時とエンディング、ロード画面には登場しているが、解説書では「二人で演奏する時に、どこからともなくひょっこりと現れる和田どんの双子の弟らしいがとりあえず正体はナゾ」と、完全に双子設定が無かった事にされている。
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流石にプレイヤーから不評だった為か、次回作以降は双子設定は復活してちゃんとストーリーにも関わっている。
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ストーリーではどんちゃんは和田家にて誕生しているが、本来どんちゃん(&かっちゃん)は北陸の太鼓工房にて誕生しており、和田家には居候でやって来ている為、公式設定と矛盾点が生じている。本作でのストーリーそのものは無かった事として扱われたのだろうか…。
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基本的にどんちゃんがストーリーで関わる既存のキャラクターは、バチお先生、どん子、ドコン団、そして第四の壁越しでのプレイヤー程度。
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ストーリー中、どんちゃんは幼稚園や小学校などでの交流やイベントをプレイヤーに対して語るも、それらしきシーンを確認できるのはエンディングでの写真だけとなっている。
総評
J-POPやアニメがライトユーザーに向き、2000シリーズを全て収録するなどナムコオリジナルが充実していることからコアユーザーにも向いており、全体的には好評である。今となっては収録が難しい楽曲も多く収録されているため収録楽曲の面では他のシリーズ作品と比べてもかなり価値が高い一品。
しかし、一作目であることから多少の粗がある。Wiiで太鼓の達人をやりたい人は続編も4作出ており、この作品の問題点も改善されているものが多いため、好きな作品を手にとってみたらいいのではないか。
余談
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反応を良くするために専用コントローラーを改造する人も一部いる。
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しかも、専用コントローラーの改造方法を丁寧に説明している動画がYouTubeにいくつかアップされており、その中には再生回数が20万回を超えている動画も存在する。それだけ専用コントローラーに不満を持っているプレイヤーが多く居るということである。
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しかし、一度でも専用コントローラーの中身を分解してしまうと、壊れた時も正規の修理サポートが受けられなくなる。自己責任となるので注意。
最終更新:2023年04月04日 02:55