実況パワフルプロ野球4

【じっきょうぱわふるぷろやきゅうふぉー】

ジャンル スポーツゲーム(野球)
対応機種 ニンテンドウ64
メディア 96MbitROMカートリッジ
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ
(ダイヤモンドヘッド)
発売日 1997年3月14日
定価 8,900円(税別、コントロールパック同梱)
判定 良作
ポイント 3Dスティックを使った操作方法「アナログ」初登場
猪狩守・矢部の初登場
一部選手の査定がズタボロ
投打バランスは良好
実況パワフルプロ野球シリーズリンク

概要

言わずと知れた人気野球ゲームのメインシリーズ4作目にしてニンテンドウ64初進出作品。本作から6までニンテンドウ64でメインシリーズが進行する。

  • サクセスの話は薄めで、まだ選手作成のためのモードといった要素が強い。
    • 猪狩守や矢部明雄といったキャラの追加、システムの改善などがあるがそれ以外はあまり大きく変わらない。
    • 現在のようなただの野球ゲームではない凝った形になっていくのはパワプロ5からである。

評価点

  • サクセスのシステムが進化
    • 前作「3」では荒削りだったサクセスモードだが、プロ二軍編という舞台はそのままに、更なる強化が図られた。
    • SFCでは作れなかった「投手」を作れるようになった。
      • 本作を含めた初期作品は投手能力に限り、経験点の消費で成長させるのではなく練習や試合などの成果で自動的に能力がアップする。例えば変化球特訓でスライダーを選択すると一定確率でスライダーを取得・成長させられる。
      • これによってアレンジモードで全員のキャラをサクセスで作った選手に入れ替えられるようになった。
  • 矢部君、猪狩守が初登場。
    • 矢部は基本的に前作の阿畑同様、単なる同期という位置付けが強く、まだ相棒キャラとしての印象は薄くマニアというキャラ設定もない。
      • ついでに言うと、シーンに応じて口調もかなりぶれていたりする。
    • 猪狩も単なる妨害キャラというポジション。後の作品のように「野手能力が高い投手」ではなく、守備位置が主人公と同じでドラフトが主人公より一つ下な小悪党キャラとして登場している。
      • 妨害が主体というだけあったやたら嫌味なキャラであり、コーチに悪口を言いふらす、主人公が練習に成功すると「運のいい奴め」としたうちする、揚句には彼女を寝取ってしまう。
      • 条件を満たして猪狩に痛い目を見せると猪狩がアフロ化する。別にパワーアップはしないが。
      • 作品を重ねストーリー性が強まるごとに少しずつ態度が軟化、嫌味さは残るものの主人公を評価する自他共に認める「好敵手」になる。ある意味、本作から「14」までのパワプロのサクセスは猪狩守という男の成長サクセスとも言えるのかもしれない。
  • 操作方法にスティックで動かす「アナログ」が追加された。
    • SFC時代のパワプロは十字ボタンでカーソルを打ちたい・投げたい所まで持っていく「デジタル」しかなかった。
    • 本作は「デジタル」に加え、64コントローラの3Dスティックを生かした「アナログ」が追加された。
      • アナログは3Dスティックを倒した方向・角度へ瞬時に移動し、投球時にコースを瞬時に変えたり、四隅にミートカーソルを持っていく事も出来る。
    • また64パワプロ全体に言えるが、64コントローラのアナログ操作の相性が抜群に良い。柔らかすぎないので狙った所で止めやすい。
  • サクセス以外のシステムも前作から改良された所が多い。
    • ミートカーソルもSFC時代の長方形から、楕円形のものに変更された事でミートで打ちやすくなった。
    • 球場が3D化された。
      • サクセスで投手をプレイしている場合に限り、3Dである事を活かして複数のカメラワークで試合を見る事ができる。
      • 3Dに強いニンテンドウ64のハードスペックも相まってかなり滑らかな動作を実現できた。
    • 投打のバランスが後のシリーズに比べても整っている。投手でも野手でもバランスが良い。
  • ドーム球場の完成で事実上役目を終えたナゴヤ球場と藤井寺球場をステージで選べる。

賛否両論点

  • 「アナログ」は画期的な操作方法だが、それ故にプレイヤーの操作技術の格差を生む事になった。
    • 3Dスティックを少しだけ倒すという操作は慣れないと難しく、また十字ボタンしかないハードのパワプロ(後のパワポケ・パワポタなども含む)に慣れてた人にとっても「アナログ」は厳しいものがあった。
    • 従来でも似たような事があったが、失投や大きく離れた位置への投球をした際など、アナログとカーソル速度が固定のデジタルとではバッティングに明確な差がでる。*1
  • サクセスで前作「3」と同様に監督評価が上がり過ぎるとプレイ期間満了以前(早いと1年目)に一軍昇格で終了するため、長く育成して強くするには「評価を上げ過ぎない」という戦略がまだ必要だった。
  • 前作に引き続いて彼女候補の特徴はほぼ同じ。彼女候補で育成の戦略が変わるなんてこともなし。
  • とある裏ワザを使う事で、育成中のセーブデータの経験点・特殊能力・イベントフラグを持ち越した事実上の「強くてニューゲーム」が可能。
    • しかしこれでオールAを作ってもむなしさが残るかもしれない。

問題点

  • シナリオが削除(「5」で復活。)
  • リリーフ投手が作りにくい。
    • 高卒・大卒だと初期スタミナがD~Cと高めなので社会人や他球団出身が必須。それでも試合後や球速練習でスタミナが自動的に上がってしまう。
    • 本作の投手は先発投手向けであり、リリーフ投手を作るのは工夫が必要で難易度が高い。
  • まだまだ選手の能力査定は甘い。
    • シーズンHR5本の巨人の岸川勝也選手がパワーCパワーヒッター持ち。
    • 規定打席3割のダイエー秋山幸二選手がミートDのアベレージヒッター持ち。
    • 横浜の投手の野村弘樹選手に、シーズン2本のホームランを打っているとはいえパワーCが設定されて投手にしてはやや強め(ちなみに同じく2本ホームランを放っている巨人のバルビーノ・ガルベス選手はパワーF)。
      • なお、サクセスでの能力取得条件と照らし合わせると、この設定は矛盾している(パワーヒッターはパワーB(120)以上でないと取得できず、アベレージヒッターはミートB以上でないと取得できない)。
    • 97年シーズン開幕前であったため96年度の成績を基準としているが、その煽りで忠実と選手の食い違いが出てしまった。
      • 当時メジャー移籍を巡る騒動で残留が微妙だった当時ロッテに所属していた伊良部秀輝選手を選手登録したのだが、シーズン開幕前にヤンキースに移籍したことで1997年ロッテでプレーしなかった。もう一人の柱であったエリック・ヒルマン選手も巨人へ移籍したことや、後にエースとなり最多勝を獲得することとなるジョニーこと黒木知宏選手もブレイク以前であることから、ロッテの先発投手力は弱体化して然るべきのところ、強力なままとなっている。
      • 逆に横浜のロバート・ローズ選手も当時残留が微妙だったが、退団すると踏んで登録しなかったところ実際には残留。よりにもよってチームの主力打者が抜けた為に、横浜の戦力が大幅に弱体化してしまっている。なお、初回特典の下敷きには、サクセスに登場する選手のパスワードにまじって同選手のパスワードが記載されていた。
    • 当時巨人の新外国人のルイス・サントス選手の登録名が「サントス」(現実の登録名では「ルイス」)
  • データ保存にコントロールパックが必須 。しかも必要ブロック数は112(全123ブロック)とほぼ全てを使用する。

総評

矢部・猪狩の登場、アナログの追加などは過渡期と言える仕様と言えるだろう。 PS「97開幕版」が約48万本売ったのに対し、本作は18万本に終わってしまっている。 それでも当時はパワプロといえば64で進化を続けるゲームという空気があり、また64のサードソフトの中では非常に売れたシリーズとなった。

余談

  • 本作のメインセレクトBGMは「パワプロ6」でアレンジして再使用され、その後もアレンジされながら頻繁に使用された。最終的に「パワプロ9」までの長きにわたって用いられ、この時代のパワプロというとこの曲というイメージは強い。
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最終更新:2024年02月25日 18:36

*1 一部作品の攻略情報にて、対角線上に離れた投球でCPUを攻略するという記述すらあった。