ポケット地球儀DS さわって楽しむ人類5000年の歩み
【ぽけっとちきゅうぎでぃーえす さわってたのしむじんるい5000ねんのあゆみ】
ジャンル
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歴史内蔵地球儀
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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毎日コミュニケーションズ
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発売日
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2009年4月9日
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価格
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3,990円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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地球5000年の歴史と地理を鑑賞できるソフト ゲーム性は皆無の実用性重視の内容 本格的な歴史・地理鑑賞は期待できない
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概要
紀元前3000年から紀元後2000年までにおける地球内の世界の歴史5000年の出来事、および世界の地理情勢をこれ一本で鑑賞できる作品。ゲーム性皆無の鑑賞ソフトにあたる。
任意セーブ方式。タッチペンメインで操作を行う。
主なモード・ルール
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歴史地球儀モード
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地球の歴史5000年の歩みを鑑賞できるモード。
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モード中はイベントを交えたオート進行で行われる(任意進行にすることも可能)。あくまでも鑑賞特化の内容なので、プレイヤーがモード中に関与できるゲーム的要素はほぼない。
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上画面には「イベント発生のポインタが表示された地球儀」、下画面には「イベントを交えた世界地図」が表示される形となっている。
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特定イベントにおいて「カード発見」という表示がされる場合がある。ここでXボタンを押すとカードを入手でき、下記のカード収集モードで入手カードの鑑賞ができる。
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紀元前3000年からモードが始まり、紀元後2000年までイベントを終えると一旦モードが終了する。再度モードを選ぶことは可能だが、その場合は紀元前3000年からのやりなおしとなる。
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モード中にRボタンを押すとメニュー表示となり、以下の設定ができる。
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「年表」…過去の履歴のイベントを確認できる。
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「検索」…過去の履歴から「国家」「都市」「人物」の検索を"あいうえお順"で行い、それに関するイベントを確認できる。
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「保存」…現状のイベント状況をセーブする。本モード再プレイ時はそこからの再開となる。
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「環境」…「メッセージ速度の調整」「イベント中のウエイト時間の調整」「モード中の進行をオート・任意のいずれかから選択」の各設定が行える。
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「終了」…モードを終了する。
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モード中にLボタンを押すとモードの一時停止ができる。停止中は「下画面の拡大縮小」「上画面と下画面の入れ替え」の設定が行える。
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地球儀モード
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地球儀を回して世界の地理情勢を鑑賞できるモード。
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このモードは任意による検索メインとなる。地球儀から鑑賞したい地点を探していき、そこから様々な情報を確認できる。
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モード中にRボタンを押すとメニュー表示となり、以下の設定ができる。
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「検索」…下記の「国家」「都市」を"あいうえお順"で検索できる。
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「終了」…モードを終了する。
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モード中にLボタンを押すと以下の分類切り替えができる。
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「国家」…世界主要国家の情報が表示される。
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「都市」…世界主要都市の情報が表示される。
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「特産品」…世界の特色ある特産品の情報が表示される。
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「気候区」…世界の気候情勢が表示される。
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カード収集モード
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歴史地球儀モードで入手したカードを鑑賞できるモード。
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カードには6種類のジャンルがあり、それぞれのジャンルに沿ったカード絵柄・解説・カードにまつわるイベントを確認できる。以下詳細。
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「人物」…歴史を語る上で欠かせない偉人・有名人のカード。全86枚。
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「古代遺跡」…歴史上の有名な遺跡のカード。全13枚。
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「発明発見」…歴史上の有名な発明品・発見のカード。全54枚。
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「王朝」…歴史上の有名な王朝のカード。全101枚。
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「戦争」…歴史上の有名な戦争のカード。全28枚。
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「事件」…歴史上の有名な事件のカード。全67枚。
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すべてのカードをコンプすると、「エピローグ」という項目が追加される。これを選ぶと本作のエンディング的なイベントを鑑賞できる。
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モードセレクト中にて「保存・環境」の設定がいつでも行える(歴史地球儀モードのそれと全く同じ)。
評価点
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薄めながらも「地下鉄サリン事件」「ライブドア事件」といった、本作リリース寸前までの世界の出来事が可能な限り詰め込まれている。
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良く言えばアップテンポなイベント描写。
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深い前置きや舞台説明は極力廃され、テンポ重視でイベントが描かれる。
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よって、本格的なイベント鑑賞はあまり期待できないが、「短編漫画感覚でさくっと世界の出来事を見回る」という楽しみ方は可能であろう。
問題点
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歴史地球儀モードにおける歴史イベントの収録数が若干少ない。
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一本のソフトに5000年分の地球世界史を詰め込むのは無理があったのか、所々の歴史イベントが端折られていることが多い。
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歴史を語る上で有名なはずの「世界三大美女(小野小町・クレオパトラ・楊貴妃)」や「忠臣蔵」関連のイベントなどはほぼ触れられず。
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やはり日本人プレイヤー向けである関係なのか、日本国内におけるイベントの割合が多く、日本国外のイベントはやや控えめに留まっている(特に紀元後のイベント全般)。
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悪く言えば素っ気ないイベント描写。
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各イベントの描写は文章メインであるがゆえに、ビジュアル的な見所はあまり多くない。また、イベント素材の使い回しが非常に多いのも微妙なところ。
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CERO:Aのソフトとしては「拷問により大量の人が惨殺される」といった結構過激な表現が目立つ。もちろん、歴史を語る上では避けられない真実ではあるのだが…。
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本当に最低限の地理情勢しか収録されていない地球儀モード。
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これまた一本のソフトに詰め込むのが厳しかったのか、検索できる情報がほとんどおまけレベルでしかない。
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データベースに不相応な収録。正直、地理関連の専門サイトなどで調べた方が有意義な情報を鑑賞できるだろう。
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レビューサイトでも多くのレビュアーに指摘されている問題であり、「こんな中途半端なモードを入れるくらいならば、歴史地球儀モードに力を入れるべき」と思えてしまう。
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また、このような系統のソフトでは致し方ないことだが、本作リリース時と現在では、データの相違点が発生している可能性も考えられる。
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「カード」と言うには質素すぎるカード鑑賞。
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カードと言うくらいだから個性的な絵柄が描かれていると思いきや、実際のところはイベント素材の使い回し絵が描かれているだけ。
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よって、違うカードに同じ絵が流用されまくりである。人物カードの「西郷隆盛」「大久保利通」「板垣退助」などはすべて同じ絵柄という有様。
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こんな無個性な絵柄では収集意欲にも結び付きづらく、いまいち意義の感じられないモードになってしまっている。
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カード以外では簡易なカード解説とイベントが鑑賞できるだけ。もちろん、カードを有効活用した要素はなく、本当に「ただ見ているだけ」状態である。
総評
「DSというハードを活かした歴史・地理情勢の鑑賞ソフト」という着眼点は良かったものの、作り込みがそれに追いついていない点が悔やまれる作品である。
どちらかと言えば「浅く狭い範囲でお手軽に地球5000年の歴史に触れてみたい人向け」の作品となっているため、本格的な歴史・地理情勢の理解を求めたいのであれば、手を出さない方が無難だろう。
最終更新:2023年04月22日 04:18