ガンダムブレイカー2

【がんだむぶれいかーつー】

ジャンル 創壊共闘アクション


対応機種 プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
メディア 【PS3】BD-ROM
【PSV】PlayStation Vitaカード
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 クラフト&マイスター
発売日 2014年12月18日
定価 単品版(パッケージ/ダウンロード)
【PS3】7,600円/6,840円
【PSV】6,640円/5,980円
PS3+PSVDLセット:11,800円(全て税別)
判定 良作
備考 DL版の価格は2015年3月31日まで
4月1日以降はパッケージ版と同価格
ガンダムシリーズ


概要

『ガンダム』シリーズのプラモデル「ガンプラ」を題材にした共闘アクション『ガンダムブレイカー』の第2作。
「2」と銘打ってはいるものの前作との直接的な繋がりはなく、ストーリーやシステムもほぼ別物と呼べるほどに変化している。
なお、前作のセーブデータがあればパーツを引き継ぐこともできる。
本作はPS3版とVita版が同時発売され、クロスセーブにも対応している。


特徴・評価点

ストーリーの追加

  • 「イベントのバトルシミュレーター内でのガンプラバトル」というのは前作同様だが、本作では明確なストーリーや登場人物が設定された。
    • ストーリーもガンダムの王道的な展開であり、なかなか熱い。
  • NPCはミッションによって固定だが、ストーリーの進行に応じて機体が変更されていく。また、キャラごとにEXアクションも設定されており、それで援護してくれることもある。
  • 賛否両論(一部大ブーイング)だったキャラクターデザインも一新された。特にショップ店員は攻略Wikiなどでもネタにされている。
    • ちなみにキャラクターデザインを担当したのはかつて漫画『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのレポートより-』を手がけ、映画『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』シリーズでもキャラクターデザインを担当したことぶきつかさ氏。
  • ムービーも多く収録され、物語への感情移入もしやすい。また、リアルタイムレンダリングなのでムービーには自分の機体が登場する。精魂込めて製作した自分のガンプラが時にコミカルな動きを見せ、時にカッコよく決めるのはプレイヤーにとっては嬉しいところ。
    • 単独の鑑賞モードはないが、対応するミッションをプレイすれば何度でも見られる。
      • 一度見たムービーを自動でスキップするオートスキップ機能もあるので、早回ししたい人も安心。
    • ちなみに、プレイヤーにあたるパイロットのセリフは一貫して全く存在しない。
      • 登場人物による人物評を聞く限り、「セリフはあるがあえて表現していない」のではなく、単に無口な人物である可能性もある(かつて『THE BLUE DESTINY』のユウ・カジマなどで試みられた表現)。ただし、EDの演出を考慮するなら全く別の理由も考えられる。

機体数の大幅増

  • 収録機体数は100機以上と大幅に増えた。
    • ここでの100機以上とは「全身パーツ収録の純粋な機体数が100機以上」であり、パーツ換装による機体変化*1は含まない。したがって換装によって再現可能な機体を数に含めるとさらに多くなる。
    • このことはPVでもネタにされている。
  • 前作では収録されなかった機体も多数収録。
    • 『第08MS小隊』『0080』『0083』のガンプラも一通り収録。
    • ズゴックなど水陸両用機やガンタンクといった、手の形状が特徴的な機体も収録された。武器が持てないといった制限は特になく、腕に直接接続される。
    • さらに『新機動戦記ガンダムW』の前期機体のEW版(「アーリータイプ」などと呼称されていた機体)の参戦など意外なところからチョイスされている。ちなみに、当該機体の3Dアクションゲームへの参戦は本作が初。
    • 『ガンダム・センチネル』からはSガンダムどころかSガンダム(ブースターモード)にΖプラスA1型/C1型、DLCでEx-Sガンダムとなかなかの機体数が参戦している。
      • ただしSガンダム・ブースターモード・Ex-Sは設定通り一部パーツが共通のため、換装機とみなすと実質3機。
    • 機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』からペイルライダーが参戦するなど、本作発売時点での最新作も押さえている。

パーツ強化システム

  • 前作では敵からはランナーの状態で入手し、それを組んでパーツにしていたが、本作ではパーツそのものを入手する形になった。
    • 入手方法は主に「倒した敵がドロップしたものを入手」「ショップで全身揃いのガンプラとして購入(前作とは違いMGも購入可)」「他の機体のパーツから派生改造して作る」など。実際のところ前作から大きく変わったわけではないが、性能の良いランナーを手に入れるためにいわゆる"掘り作業"をしなくてよくなったことより、プレイ中に感じるストレスは大幅に減った。
  • それとは別にベースマテリアルと呼ばれる素材が入手でき、本作ではこれを消費してパーツの能力を上げることになる。
  • パーツにはレベルがあり、最初の状態はレベル1となっている。レベルを上げるためにはGP(お金)と特定の素材を消費する。
    • レベルが上がると能力も上がっていく。HGは上限レベルが20、MGは上限10となっており、最終的にはHGとMGであっても性能差はほとんどなくなる。
      • ただし同性能まで強化した場合、HGのパーツはMGのパーツよりコストが高めになる。
  • パーツがレベル2になると別のパーツに派生改造できるが、より希少な素材が必要。そういう意味では一般的な狩りゲーに近いシステムになったと言える。
    • 一部のパーツ作成にはCADチップと呼ばれる専用のレア素材が必要になる。なおHGとMGでは別のチップであり、製作には対応するCADチップが必要。
  • パーツのレベルを上げるとパーツ内蔵アビリティが解放され、アビリティパッチという素材を消費してさらに強化できる。
  • 武器は敵からドロップしないので、素材を組み合わせて自分で作る。作った武器はパーツと同様に強化や派生改造が可能。
  • 前作で問題となった武器ごとの相性固定は撤廃され、パーツごとに得意な武器が1種類設定された。その得意な武器もコンバーターという素材を消費して変更できるようになった。
    • これにより、「好きな機体だけど得意な武器との相性が悪くて使いにくい」ということも減った。
  • 前作では別パーツ扱いだったユニコーンガンダムとバンシィのノーマルモード/NT-D発動モードは1つのパーツにまとめられ、トランザムやゼロシステムなどと同様に、能力上昇系のEXアクションや覚醒使用時に変形するようになった。
    • ユニコーン、バンシィの両モードは別個のガンプラ商品として販売されているため、前作ではそれを尊重していたと思われるが、本作ではゲームとして自然に納得できる形になった。
  • 前作『ガンダムブレイカー』からデータの引き継ぎが可能。引き継ぎを行うと、前作で手に入れていた全てのパーツをレベル0の状態で入手する。
    • レベル0のパーツは能力が大幅に低下しているが、BBR(プレイヤーレベル)による使用制限がないので最初から使用可能。本作内でレベル1パーツを入手するとそれに置き換わる。レベル0のパーツに強化を施してレベル1にすることもできる。
    • なお、本作で無くなった一部の武器は引き継がれない。ユニコーンとバンシィの両モードは統合されたのでどちらからも同じパーツに引き継がれる。
  • 前作では武器適正以外は防御性能くらいしか差がなかったが、本作では多数のステータスやアビリティにより多くの面で差別化がなされている。
    • ブーストゲージの容量や移動速度などの機動性も設定されている。

塗装・フォトグラフ

  • 塗装箇所が各パーツごとに最大6種類に増加。武器の塗装も変更できるようになり、ますます多彩な塗装パターンが可能になった。
    • 細かくこだわれば、およそあらゆる塗装パターンが実現可能と言っていい。一からやればひとつの機体でもアセンブルと合わせて一時間近く時間を持っていかれる一方で、全身まとめての塗装モードもあり、お手軽な操作でも統一感のある塗装ができる。
  • 光沢の調整やメッキ・メタリック塗装、迷彩パターン塗装も可能になった。各種センサー、カメラアイ*2やサイコフレーム等の発光色*3も変更可能になり、可能な表現方法が増した。
    • なおセンサーやカメラアイのパターンは上記の通常塗装箇所とは独立しており、実質的な塗装箇所は6箇所+αとなる。
    • 組織のエンブレムや機体型番などのエンブレムデカールが追加され、ワンポイントでアクセントをつけることも可能になった。
  • フォトモードが実装され、背景を変更したりポーズを決めて撮影し、ネットにアップできるようになった。武器やシールドの表示切り替え、パーツ変形にも対応しており、一部のポーズでは装備が展開する。
    • たとえばデスティニーのバックパックは光の翼が発生し、ストライクフリーダムのバックパックはスーパードラグーンを飛ばしたフルバースト状態が再現できる。

アクション面

  • ほとんどのモーションが一新され、コンボ性が上昇した。
  • 前作では地上専用だったアクション(EXアクションやオプション装備など)が空中でも出せるようになり、爽快感が増した。
    • また、前作では地上では立ちか歩き射撃・空中では足を止めての射撃しかできなかったが、ブーストや自由落下しながらの射撃も可能になり、慣性も乗るようになった。
    • これにより、腕部ガトリングなどのオプション装備をメイン射撃のように使用することもできる。
  • シールドは敵からのダメージを完全には防げなくなったかわりに、破壊されてもなくならず、またすぐに構え直せる。前作よりもガードを気軽に使えるようになった。
  • 同じ系列のEXアクションは強化前と強化後で別になっていたが、本作では強化後のEXアクションが解禁されるとチャージが2段階になり、1段目のチャージでは強化前のEXアクションが使える。そのため、強化前のEXアクションで数を出すか、しっかりチャージして強化後を使うかが選択できるようになり、使える頻度自体も増えた。
  • 覚醒は最初から使用可能。ストーリーが進むとさらに強化され、敵の動きがスローになるほか、バーストアクションも解禁される。
    • バーストアクションは覚醒中にのみ使える超必殺技のようなもの。ライザーソードや石破天驚拳(演出は大きくアレンジ)といった、原作でも必殺技扱いだったEXアクションがバーストアクションに変更された。中でも月光蝶やクアンタムバーストはパーツ解体能力が高く、愛用するプレイヤーも多い。
    • NPCは覚醒を使わない代わりにバーストアクションをEXアクションとして使う。問題点もあるが、それについては後述。
  • スキウレのような砲台、メガライダーのような乗り物も追加。敵から奪ったりすることで自在に乗り回せる。
    • 乗り物はベースジャバーやメガライダーといった定番のほか、ツインラッドやマンモスガンダムといったマニアックな機体が使用可能。
    • 相手が雑魚であれば乗り物に乗って体当たりすると一気に解体できるので、ツインラッドで轢殺するのも立派な戦術となる。イク少佐、バイクは最高です!
  • ミッション面では大型MA戦に加え戦艦とのバトルが追加された。
    • 大型MAはビグザム、ラフレシア、デンドロビウムなどの定番に加えアルヴァトーレ、ディビニダドが登場。その代わり前作に登場したシャンブロなどは登場しない。
      • 特にディビニダド戦は1機→2機同時の合計3機と戦うため中盤の山場となっている。
    • 戦艦はドミニオンとアドラステアの2種類。
      • アドラステアはドリフトを決めたりウイリーしたりと、おそらくダムゲー史上最もアグレッシブに動く。
  • シングルプレイでもリブートが使えるようになった。後述のNPCの問題はあるが、生還率は飛躍的に上昇した。

ダウンロードコンテンツ

  • 発売後の2015年1月から3月まで12回にわたって、追加機体のパーツや武器が手に入る追加ミッションがほぼ毎週配信されていた。しかもバンナムとしては珍しく全て無料。
    • ただし配信以降に一度ゲームを終了させてから再起動させる必要がある。通常のアップデートでも同じことはやっているのだが、配信されたことを伝えるゲーム内アナウンスがなかったので若干わかりにくかった。
    • DLCは2015/03/27の最終配信分まで全て実装済であり、起動時に自動的にチェック&ダウンロードされるので、今から本作を始める人もDLC導入のために何か特別な操作をする必要はない。ただしDLCステージは特定のステージを攻略しないと表示されない。

BGM

  • 基本的にはオリジナルだが、エース戦では原作のBGMが流れる。
    • また、覚醒中にトランザムなど性能上昇系のEXアクションやバーストアクションを使うことでもBGMが切り替わる。なお、エース戦ではエースのBGMが優先される。
    • 曲目は「TRANS-AM RAISER」「UNICORN」「覚醒シン・アスカ」といった定番のほか、『ガンダムW』の五飛のテーマ曲「龍が泳ぐ時 すべては終わる」など妙に通好みの選曲がされている。
    • ちなみに、原作BGMの音源は全て『EXVS.シリーズ』『ガンダムメモリーズ』『GジェネP』ほか、既存のガンダムゲームで使われたアレンジを流用している。
    • また、取扱説明書や公式HPに記載はないが、PS3やVITAのローカルストレージ内に保存されている曲をBGMの代わりに流すことも出来る。
  • 主題歌は前作から続投「BUCK-ON」が唄う「Silent Trigger」。ストーリーモードの見せ場で何度か流れ、物語を盛り上げる。

UIの改善

  • 前作では施設がマップ上に点在していて面倒だったARハンガーの各機能が、本作では小さな部屋ひとつにまとめられてストレスが減った。

問題点

ストーリー関連

  • ムービー中に自機が映る仕様がカスタマイズと相性が悪く、自分で設定した手持ち武器を使用する場面は一切ない、というか表示されない。
  • プレイヤー=イベント参加者という面も押し出していた前作と異なり、本作で共闘するのは全てNPCである。
    • ストーリー本編はともかくEXフェーズ(ガンダムカフェなど現実を舞台として戦うステージ)でも一般兵やストーリーキャラクターしか登場しない。
      • これについては、他の参加者もプレイヤーと同じように主人公としてメインストーリーやEXフェーズをプレイしているとも解釈できる。
    • 逆に、ストーリーのステージボスはガンプラの箱から出てくるという演出が入るなど方向性が定まっていない感が強い。前作と同じ設定であれば敵が「謎のガンプラ軍団」だったのでそれほどおかしくないのだが。
  • 総じて、シナリオのテンポが速い。
    • 王道的なストーリー展開の反面、ミッションの間で起こった出来事が(特に味方陣営)殆ど描写されなかったりする上、仲間同士の会話はムービー中を除いて戦闘シーンで全て聞き取らなければならない。
    • その結果、プレイヤーから「いつの間にか参戦していたキャラがムービーに出てきたと思ったら戦死した」などと受け取られたりもした。
    • また、テンポが速すぎるせいで本来なら熱いはずの場面でも物語についていけず白けてしまう、というプレイヤーもそれなりにいた。全体として、演出は良くても物語の描き方が丁寧とは言えない面もそれを後押ししてしまっている。

ミッション関連

  • ストーリーを導入した弊害か、ミッション数は前作より減っている。
  • 1ミッション当たりで入手できる素材はかなり多いが、ミッションの確定報酬がやや偏っており、一部の素材が不足がちになる。
  • ミッション選択画面がリストではなくマップからカーソルで選択する方式に変更。
    • ストーリー進行中は世界観がわかりやすく演出としては面白いのだが、目当てのミッションを探すとなると非常に面倒。カーソルを合わせるまでは難易度さえ分からない。

ステージ関連

  • 前作と比べてマップが広くなり、敵機は一定数倒す毎に進行方向奥側に段階的に投入されるようになった。
    • 大量の敵機に袋叩きにされるような状況は起こりづらくなったものの、敵が散りすぎてしまい大量の敵機を一網打尽にするような爽快感は得られにくい。
  • 倒してもパーツ類を落とさないお邪魔キャラが中盤ステージ以降投入され続ける。
    • 縦横無尽に飛び回り、しかも大量に登場するバグや、攻撃を当てるとバネのように身体を激しく痙攣させるため、照射ビームやマシンガンなどを連続ヒットさせられないガンダムへッドなど単純に対処が面倒なだけの上、ステージ進行のために全滅させる必要があることも多い。
  • 他にも鬼エイムの上ステージによっては倒しても復活する自動砲台や2種類の地雷など、爽快感を削ぐギミックが多い。
    • ちなみにこれらのギミックは敵もヒットする。地雷は利用しやすく有用だが、何故自動砲台が敵機を狙うのかは不明。
      • 各種ジャマーも前作から続投するが、これらは敵機に影響しない。
  • 各種乗り物は強力なのだが、敵が使うと単純に体力が増加して面倒な反面こちらが使うと集中砲火で蒸発、なんてことも。
    • また、味方NPCに使用されてしまうと降ろす方法がないため、破壊して次の出現を待つしかない。
  • 現実を舞台にしたステージは前作で不評だったのかわずか2つに大幅減少。しかも、内ひとつの模型店はジオラマのあちこちにガンプラの箱が積まれているという謎の環境で、現実味もあまりない。ちなみに2種とも使い回しではなく新規ステージである。
    • なお、模型店は『ガンダムビルドファイターズ』のイオリ模型店(主人公であるイオリ・セイの実家)という設定がある。現実感がないのはそれも原因の1つ。

パーツ関連

  • 本作ではシステム上、パーツは1種類につき1つしか所持できない。そのため、「同じパーツの強化を変えて状況に応じて使い分ける」といったことはできない。
    • 武器適正アビリティ(5%~40%威力Up)により、頭と腕でそれぞれ得意な武器カテゴリを1つずつ設定できるのだが、気に入ったパーツを使いつつ他の武器で遊ぶと最大威力が出なくなる弊害がある。
  • 最大所持数の999個を越えて入手した素材アイテムは廃棄されるので、定期的に消費・売却しないと無駄になってしまう。難関ミッションではレア度の低い素材は数百単位で手に入るので、毎回いちいち売りに行くのも面倒。
    • そのぶん、素材の在庫に気を配ってさえいれば金欠で強化できないという事態はまず起こらないという利点はある。
  • 機体のCADチップは入手難度が高いわりにパーツ自体の入手難度がさほど高くない(更に言えばCADが必要な機体の大半は店で買える)ため、あまり必要ない。CADチップを求めてマラソンしたらパーツの方が先に揃ってしまった、ということも。
    • 逆にCADが無ければ作成できない武器のハードルは非常に高く、出現するミッションも武器性能に対してかなり上の難易度のミッションであることが多い。
  • 機体パーツにシールドなどが固定されているパーツ(トールギスの腕に付いているシールドなど)は、システム上はシールド扱いではなく、シールドとして装備できない。
    • 別途シールドを装備する事は出来るが、シールドが2重になってしまい場合によっては見た目が悪くなってしまう(性能面で見た場合はガード性能が良くなるのでアリである)。
    • 特にブリッツガンダムの腕パーツはこの仕様による悪影響が大きい。右腕にトリケロス(サーベル、ライフルを含む3種の武器を内蔵したシールド)がついているのだが…。
      • 上記の通りトリケロスをシールドとして使用できない。仕方ないので別のシールドを装備させると、今度は左手にあるロケットアンカーのせいで非常に不恰好なことになる。
      • 内蔵のサーベル・ライフルはどちらもメインの格闘・射撃武器として登録できない*4。もちろん代わりの主武器を装備することはできるが、相応に不恰好である。
      • ちなみにキュベレイ腕のビームガンなどは主武器として設定可能である。
  • シールドが大きさによって3種類に大別されるようになったが、そのうちの大型シールド系の持ち方が『シールド面から垂直に伸びる棒を保持するSDガンダム方式』である。しかもかなり棒が長く、明らかに腕から隙間が空く。
  • 機体のCGモデリングは実在のガンプラを元にしているのだが、「MG基準」と「HGやそれ以下の基準」とで、パーツの見栄えの差が激しい。
    • ガンプラのゲームなので「MG*5が存在しない機体をMG並みのモデリングにして参戦させるのも如何なものか」という意見もある*6
    • MG基準とHG基準を混ぜて機体を組むと若干違和感が出ることもある。同じ基準でモデリングされたパーツどうしで機体を組めば違和感はないのだが。
  • しかし、ガンダムアストレイゴールドフレーム天(および天ミナ)のモデリングだけは満場一致で不評*7。このモデリングは次作はおろか次々作でも流用されている。
    • 例えば胴体を他のアストレイシリーズと比べても、同じパーツなのか?と思うほどモデリングの差がある。
  • 武器の数を揃えるためか、武器のみ参戦となった機体も未だ存在する。また、性能差が無くなったのは機体だけで、武器は攻撃力、アビリティの数、出せるコンボ数などで差が生じてしまっている。
  • 成長システムの導入により、パーツの性能差や適性の問題は無くなったが、今度はパーツ固有のアビリティやオプション、専用EXアクション、専用バーストアクションで差がついてしまった。
    • 例えばダブルオークアンタのボディのみが使用できるバーストアクション「クアンタムバースト」は、広範囲の高いパーツアウト攻撃、多段ヒット、味方完全回復使用後一定時間性能上昇*8、さらに異常な速度のオートリペアが味方全体に付与されるなど至れり尽くせり。
    • 逆にガンダムXのバックパックのバーストアクション「サテライトキャノン」は、パーツ外しの性能こそ高いが発動から発射までにかなりのラグがあり(原作再現としては間違ってないが)、EXアクション扱いだった前作と違い気軽に打てないので結果的に当てづらいロマン砲と化してしまった。
    • パーツをしっかりと強化すればどんな機体でも戦えるのは前作からの大きな進歩である反面、パーツを強化するのに必要な素材を効率よく入手しようとすると、素材回収用の機体を組まざるを得なくなり、結局レシピが周りと似通ってしまう。
  • 何故かHGの武器はMG武器のの機体コストを持つ(攻撃力は変わらない)。そのためボーナスの振り方を考えないと、一部のフルHGの機体は全てのパーツがレベルMaxであろうとキャパシティをオーバーしてしまう場合がある。かと言ってキャパシティの為にボーナスやモジュールスロットを割くと、その分だけ他の(キャパに余裕のある)機体との差がついてしまうので悩みどころ。*9
  • パーツの強化にかかる費用もかなり高くつく。その為、短期間に複数個のパーツを最大レベルまで強化する場合、作業ゲーと化す事が多くなってしまう。

アクション関連

  • バズーカやガトリングなどの射撃武器の照準方法がマニュアルで固定され、EXアクション以外はロックができない。
    • 前述のバグやモビルアーマーなどの相手はかなり難しく、これらの武器種が好きなプレイヤーでも攻略中のみ仕方なく扱いやすい武器への持ち替えを強いられることも多い。
      • この際にも前述の武器適正アビリティの問題が立ちはだかることになる。
  • 一部の近接攻撃をシールドガードで防御された際、弾かれてノックバックする仕様になった。
    • ガードされないよう射撃などで隙を作ってから攻撃すればいい話ではあるし、「そこに戦略性が生まれる」と言えば聞こえはいいが、大抵の場合はコンボの爽快感が削がれるだけである。
    • このため、通常攻撃・強攻撃ともに弾かれない武器*10が使われやすい一方で、通常攻撃が弾かれる武器(下記)は敬遠されやすい。
      • 弾かれる武器の中でも、サーベルと連結型ツインブレードは強攻撃なら弾かれないのでまだいいが、ダブルサーベル・ムチ・格闘は打ち上げ攻撃と空中強攻撃以外すべて弾かれる。
      • 特にムチは、公式HPで「敵のシールドガードに弾かれない」と紹介されていたにもかかわらず、実際のゲーム中では弾かれる。しかも攻撃範囲が全武器中トップクラスに広いので「敵集団をまとめて攻撃できる」という強みが「その中の誰か1体でもガードしていたら弾かれる」という弱みに変わってしまっている。

難易度

  • 前作と比べるとシステムの変更により下がってはいるもののクリア後のEXフェーズは相変わらずかなり難しく、やや極端。特に最後のミッション「終末の扉」は長丁場のうえ敵も強く、強化した機体でも油断すればあっという間に落とされる。
  • 戦艦やモビルアーマーなどの大型機との戦闘は機体相性がかなり大きく、カスタマイズ次第では無理ゲーと化す。
    • 終盤のチャレンジミッションも相当厳しく、中でもミッション形式から相当な慣れと高い殲滅力が要求される模型店12・13、最後のエースが凶悪な強さを持つガンダムカフェ15などは本作でも最高クラスの難易度を誇る。
  • もっともこれらは全てストーリー本編クリア後どころか本作最終盤のミッション。一種のやり込みの領域でもあり、マルチプレイ前提の難易度とも考えられる。

NPC

  • 前作から引き続き味方NPCのAIがあまり賢くなく、見敵必殺な思考のため勝手に突撃しては簡単に撃墜されるので、終盤ではこちらがフォローしないとあっという間にゲージが削られてミッション失敗となる。
  • さらに味方NPCには指示を出すことができないので、防衛ミッション等その場で交戦して欲しい場合でも、味方NPCが戦闘よりプレイヤーへの追従を優先しようとする。そのため広いMAPで防衛目標が複数ある場合、自機を強化していないとやはりあっという間にミッション失敗になる。
    • また、自機のHPが0になった際は味方NPC(オンラインの場合は他プレイヤーでも可)に接近してもらった上で復活してもらわないといけないのだが、味方NPCは絶対にダッシュ移動で接近してこない上に、一直線では無く途中で少し曲がったりする等、地味に苛つく。
      • しかも味方NPCは他の味方NPCの復活作業を決して行わないので余計に手がかかる。
    • さらに前作では可能だったNPC機体の変更も出来ない上に機体サイズがHGで固定の為、自機がMGの場合は違和感が出る。
      • もっとも、上記の有様なので当たり判定が少しでも小さい方が邪魔にならないとも言える。

撮影機能関連

  • せっかくフォトモードを搭載したのに、本作はスクリーンショットに対応していない
  • あくまでおまけ程度の機能であり、ジオラマのようなものをイメージすると肩透かしを食らう。
    • 表示できるのは一機のみ、射撃のエフェクトは表示不可、背景は3Dではなく一枚絵、など。
  • カメラの左右移動、上下回転は出来ない等、痒いところに微妙に手が届かない。
  • ポーズも選択式。数は決して少なくないのだが、リスト等はなくひたすらカーソルキーで送って目当てのポーズを探すしかない。
    • また、バインダーや光の翼の展開などはごく一部のポーズ限定。
  • 近接武器に関しても鞭の描写はかなり厳しい。
    • マスタークロスやガンダムハンマーなどが該当するのだが、非常に短く一切曲がらないため凍ったタオルのような有様になる。

バグ

  • 当初はゲームバランス崩壊級のバグや特定の武器CADが絶対に出現しないバグが存在していた。最新バージョンのver.1.12ではほとんどが修正済み。
    • ただしヘビーアームズ(EW版)のバーストアクション「フルオープンアタック」は別。攻撃力が異様に高く、相当強化した機体であってもまともに食らうと冗談抜きで瞬殺される。更に、敵なのでEXアクション扱いであり、複数出てくると数秒おきに超絶ダメージのミサイルやらガトリングが飛んでくる。これが前述の「終末の扉」の難易度の高さの一因となっている。
      • 以前は自機で使う場合の攻撃力も異様に高かったのだが、アップデートで自機のみ攻撃力が下方修正された。もっとも自機はEXアクション中は無敵、覚醒と手札が多いので、それに対するカウンターとして残された可能性も否定できない。また、フルオープンアタックは装備によって攻撃力が変わるので、フル強化状態で使っている可能性もある*11
  • また、一部アーム内蔵シールドのアビリティが解放されない、遠近両用武装の塗り分けがおかしい、特定のヘッドパーツに武器マスタリがないといったバグは残っている*12
  • PSV版はセーブデータ消失バグの報告が多い。また、条件を満たしたにもかかわらずトロフィーが入手できないといったバグも報告されている。
    • そのためプレイヤーの間では、クロスセーブ機能を利用して定期的にバックアップを取ることが推奨されている。
  • 覚醒のカットイン時に他の行動全てがキャンセルされるバグがあった。サテライトキャノンを構えようが石破天驚拳を構えようが、全て無かったことになる。
    • 一応、シングルプレイではそれを利用して、敵の弾幕を消すこともできる。ただし、キャンセル効果は自分にも適用されるので注意。
    • 現在ではマルチプレイ時はアップデートにより覚醒にカットインが入らなくなったことでその心配はなくなった。

機体数

  • 前作から大幅に増えてはいるものの、作品ごとの偏りはまだ見られる。
    • 発売当時の最新映像作品の主人公機G-セルフ*13や漫画やMSV限定のガンダムはともかく、映像作品のガンダムが全機参戦していない。
      • ベアッガイはいるのに同作品の主役機たるビギニングガンダムが参戦していなかったり、ガンダムAGE-2はノーマル・ダブルバレット・ダークハウンドの全種類が収録されているのにAGE-1はタイタスのみ、AGE-3は全くいない等々。
    • さらに、いわゆるガンダムタイプの機体は多いがそれ以外の機体の収録数は少ない。例えばティターンズ系はジ・O*14、アクシズ、ネオ・ジオン軍(ΖΖ)はキュベレイ(およびMk-II)しかいない*15。その割にはネオ・ジオン軍(逆襲のシャア)の機体は全種あったりと偏りが激しい。
      • カットイン付きで登場するステージボスもガンダムタイプの機体が多く、サザビーやシナンジュ、ジ・Oなどが出てくることは少ない。
    • ゲームの性質上、あれも欲しいこれも欲しいという要望・不満が出ることはどうしても避けられず、その全てに応えるのは無理な話なのだが、それでもやはりファンとしては気になるところ。

その他

  • 発光エフェクトなどはかなり細かいのだがその代償として画面がちかちかして眩しい。こればかりはどうしようもないのだが。
  • クロスセーブには対応しているが、クロスプレイ(PS3とPSV間でのマルチプレイ)には未対応。
    • 前作は可能だったのだが、クロスプレイ時に位置ずれ等を頻繁に起こしていたので、本作ではあえて未対応とした可能性がある。
  • 前作からの問題点ではあるのだが、カメラ操作が基本的にマニュアルのうえロックオンシステムがやや頭が悪い。目の前に解体されてダウンした敵がいるのに見当外れの方向にいる敵をロックすることもザラ。
    • 敵PGのHPが半分以下になると演出でロックが必ず外れるのも気になる点。
    • 一応、優先度の高いものや一番近くにいる敵をロックできるようになったなど、進歩してないわけではない。
  • 前述のように一部のEXアクションがバーストアクションに変更されているため、それらの使用は中盤までお預けとなる。
    • どれも強力な物ばかりとはいえ、中盤まで使えないのはもどかしい。
  • 月面ステージの空の中心点のテクスチャがおかしな事になっている。
    • わざと見ようとしない限りプレイヤーの視界には入らないが、気になる人は気になるだろう。

総評

超絶進化の謳い文句に偽りはなく、前作の批判点だった収録機体の少なさや水増し*16、パーツの作成システムなどが大幅に改善された。
問題点はあるものの、総じて前作からほとんど別物と呼べるほどに完成度が上がっており、十分良作と呼べる作品になったと言えるだろう。
ガンプラを組立てる時間や場所やお金がない方も是非本作というガンプラシミュレーターを楽しんで頂きたい。


余談

  • 本作発売時期はアニメ「ガンダムビルドファイターズトライ」の放送中だったためそれを記念したコラボコンテストが行われ、当選作品は最終回に出演した。
    • また外伝漫画「ガンダムビルドファイターズA」とコラボしたコンテストも行われ、6体採用された。
  • ダブルオークアンタのHG用CADチップは攻略wikiなどでも入手報告がなく、入手条件が謎となっていた。後にver.1.12にアップデートされた際にレシピが変更され、CADチップが不要になっている。どうやら本当に存在しなかったようだ。
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最終更新:2022年04月15日 15:30

*1 例として「ストライクガンダムはアーム・バックパックを付け替えることで、エールストライクガンダムなど5形態に換装できる((ただし、本作ではI.W.S.P装備は兄弟機であるストライクルージュのパーツとして扱われている。これは同装備を構成するバックパックが参戦機体ではストライクルージュのガンプラにのみ付属したため。))」「V2ガンダムはアーム・バックパック・レッグを専用のパーツに換えることでアサルト、バスター、アサルトバスターが再現できる」など。

*2 ただし「ガンダムビルドファイターズ」のウイングガンダムフェニーチェのようなオッドアイにはできない。

*3 ビームサーベル等のビームの色は変えられない。

*4 というかトリケロスのグリップを右手が握っていない

*5 ターンXはMGが存在しているのにHG基準モデリングなので若干批判がある

*6 アストレイグリーンフレームだけはMGが存在しないがMGアストレイレッドフレームのモデリングを流用している。

*7 2013年発売のHG 1/144キット基準ではなく2006年発売の1/100キット基準のモデリングの為。

*8 トランザム等のEXアクションと同じ効果。

*9 見た目のサイズは諦めてMG版を使う手もある。

*10 大剣・ランス・アックス・一体型ツインブレード・拳法・クローが該当する。中でも前者2つはすべての攻撃にシールドブレイク効果がある。

*11 要するに、攻撃力が非常に高いのは事実だが仕様の範疇内であり、バグではなく意図的な難易度調整の可能性もあるということ。

*12 仕様の可能性もあり(特に最後)。

*13 同じ最新映像作品の『ガンダムビルドファイターズトライ』の主役3機はタイアップ参戦している

*14 厳密に言えばガンダムMk-IIもティターンズの機体だが…。

*15 ドライセンは『UC』の袖付き所属名義として存在する。ペイント機能でネオジオン仕様のカラーリングにすることも出来る。

*16 前作からの引き継ぎがある関係上、色違いパーツ自体は多い。