GUILTY GEAR Xrd -SIGN-

【ぎるてぃぎあ いぐざーど さいん】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム
発売・開発元 アークシステムワークス
対応機種 アーケード(RINGEDGE 2)
稼働開始日【AC】 2014年2月20日
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定(稼動当初) なし
判定(Ver.1.10) 改善
良作
ポイント ギルティギアシリーズ久々の完全新作
度肝を抜くグラフィック
ゲーム性はそこまで過去作と変化なし
GUILTY GEARシリーズ

概要

ギルティギアシリーズ久々の完全新作2.5D格闘ゲーム。
「Xrd(イグザード)」編の第1作となり、時系列的には『GUILTY GEAR 2 OVERTURE*1の後の話となっている。

  • なお、タイトルの「Xrd」は、「格闘ゲームの『X』シリーズとしてはGGXGGXXと数えて3作目である事」と「本編としては初代・GG2と数えて3作目である事」を掛けあわせたネーミングである。
  • 基板は『GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS R』でも使われた、セガのPCベース汎用基板「RINGEDGE 2」が使われている。

過去作からの追加・変更点

大部分は『GUILTY GEAR XX』シリーズとほぼ同じ。中でも特に高い人気を誇っていた『#RELOAD』に近いプレイ感覚となっている。
この項目では主にGGXXから変わった点について記述する。

  • ロマンキャンセル
    • シリーズ伝統の「ロマンキャンセル(RC)」システムは健在。ただし本作では相手の攻撃が当たっている時以外のあらゆるタイミングで発動可能となっている。
    • また、RC発動直後に、自分自身以外の時間経過スピードを遅くする「バレットタイム」効果が付与されるようになった。「どのタイミングでRCしたか」によって発生時のエフェクトが「黄色」「赤」「紫」の3種類に変化し、それによってバレットタイムの効果時間が変化する。
  • ダストアタック
    • 地上で使うと相手を上空へぶっ飛ばし、ホーミングジャンプで追いかけて空中コンボに突入できるおなじみのアクション。本作では相手を横にぶっ飛ばし、ダッシュで追いかける「横ダスト」が追加された。
    • 横ダストでぶっ飛ばされた相手は、ステージ端に叩きつけられるとずり落ちるように落下していき、最終的にしゃがみのけぞりとなる。画面中央ではこれまでの「上ダスト」で、画面端ではリターンが大きい横ダストでコンボを狙うことになる。
  • ブリッツシールド
    • スラッシュバックの代わりに追加された防御行動。テンションゲージを25%消費して短時間バリアを張り、そこに相手の打撃が来ると弾き返して一定時間無防備にする。
    • より「当身技」や『ソウルキャリバー』シリーズの「ガードインパクト」などに近くなっている。「弾かれた相手は無防備な硬直状態だが、ブリッツシールド発動のみ可能」「ガード不能技も弾き返せるが、覚醒必殺技は弾き返せない」という特徴がある。
    • 入力が簡単でとっさに出せて成功時のリターンも大きいが、外した時のリスクも大きい。強すぎず弱すぎずのいい塩梅となっており、対戦時のアクセント・新たな読み合いの一手として一役買っている。
  • デンジャータイムとモータルカウンターヒット
    • 打撃による相殺が発生すると、1ラウンドにつき1回、低確率で「デンジャータイム」と呼ばれる時間に突入する。
    • デンジャータイム中に攻撃を食らうと強制的に「モータルカウンターヒット」状態となり、のけぞり時間の増大・空中吹き飛びのスピードが極めて遅くなるという効果がある。
  • ヘルファイアと一撃必殺技
    • 体力ゲージが2割を切って瀕死になると、ゲージが点滅して「ヘルファイア」状態となり、覚醒必殺技の性能が大幅に上昇する。
      本作では根性値*2が全体的に強化されているうえにこの特性が加わったため、最後まで油断できなくなっている。
    • 「一撃必殺技」がGGX以降のような完全な魅せ技・死に技ではなくなり、相手にトドメを刺せる状況下ならば選択肢の一つになり得る程度に実用性が上がった。
      • 「マッチラウンド(そのラウンドを取ると試合勝利が決まる状態)」かつ「相手がヘルファイア状態」「一撃必殺準備発動時にテンションゲージが50%以上貯まっている」という条件を全て満たすと、一撃必殺準備に時間停止効果が備わり硬直が事実上ゼロになるとともに、通常時では相手がのけぞり中であっても繋がらなかった一撃必殺技がコンボに組み込めるようになる。
+ GGXrdからの新キャラ

前シリーズから継続参戦したキャラはシリーズ通しての主人公格である「ソル・バッドガイ」「カイ・キスク」に加え、「メイ」「ミリア・レイジ」「ザトー=ONE」「チップ・ザナフ」「ポチョムキン」「ファウスト」「アクセル・ロウ」「ヴェノム」「スレイヤー」「イノ」の12人。
なお、既存のキャラクターの一部がモデルチェンジしており、ソルやミリアはヴァステッジでの設定・コスチュームを踏襲、アクセルは初代のデザインを意識した短パン姿に変更、そしてポチョムキンは「お前誰だ!?」とビックリするほどの変貌を遂げている。*3

  • ザトー=ONE
    • 厳密な意味では新キャラではないのだが、「GGXXにて死亡し、キャラクター名もエディに改められていたが、本作で生き返ってザトーとして続投」という誰もが予想し得なかった驚愕の展開となった。
    • 性能・特徴的にはGGX以降のザトー/エディに準ずる。各種性能が微妙に弱体化してはいるが、それでもなおトップクラスの攻め能力を有している。
  • ベッドマン
    • 「常に眠りについており、代わりに彼が横たわっているベッドで戦う」というキテレツな設定のキャラ。対戦中は一言もしゃべらないが、彼の"夢の中"(戦闘終了後などのカットインなど)でのみ凄まじく饒舌になる。そのせいか家庭版ギャラリーで手に入るボイス集は実に豊富。
    • 「必殺技を使うとその場にマークが残り、対応コマンドを入れるとマークの位置で同じ必殺技を使う残像『デジャブ』が発動する」という特徴がある。デジャブ版必殺技は黄RCに対応しているため、デジャブの設置にさえ成功すれば簡単に同時攻撃を仕掛けられる。
    • 前方ダッシュが当て身(成功すると背後にワープする)技になっていたり、空中ジャンプと空中ダッシュを一体化したような独自の空中機動システム、本体版とデジャブ版で必殺技の性能が微妙に違ったりと、非常にトリッキー。
    • 欠点は「防御力は高いが、根性補正は最低クラスでしかない」点。やられ判定も小さくなく切り返し技にも乏しいため、試合後半で相手に捕まるとそのまま押し切られてしまいがち。また、とことんトリッキーなのもあいまって使いこなすまでのハードルはかなり高く、使い手が少ないのが現状である。
  • ラムレザル・ヴァレンタイン
    • AC版ラスボスポジションである褐色肌の少女。GGシリーズのお約束である「ラスボスは女性」「極太レーザーを放つ超必殺技を所持」は健在。そしてGG2で登場した「ヴァレンタイン」との関係は…。
    • 2本の大剣を用いて戦う設置×モードチェンジ系キャラ。大剣は設置してその場所で攻撃させることができるが、それに対応してS・HSボタンの通常技も変化する。このためか、一人だけPとKだけで構成される固有コンビネーションが用意されている。
    • 大剣を使った技をヒットさせない限りゲージがほとんど増えないが、代わりに大剣がヒットした時のゲージ増加率は高い。セットプレイの上手さがゲージ効率に顕著に現れるので、ハマればハマるほど痛烈な同時攻撃を仕掛けられる。
    • 切り返し技に乏しいにもかかわらず、キャラ自体の防御力・根性値補正も低めなのが難点。
  • シン・キスク
    • GG2より登場したキャラで、2DギルティではSIGN家庭用版で初参戦。カイとディズィーの間に生まれたクォーターギアの少年。*4
    • メーレーアクション要素はほぼ完全にオミットされ、得物の旗を使って戦うリーチの長いキャラとしてデザインされている。
    • 「必殺技を使用すると『カロリーゲージ』を消費するが、別の必殺技でキャンセルできる」という特徴がある。減少したカロリーゲージは食べ物をもしゃる必殺技「育ち盛りだからな。」で回復する。カロリーゲージが空の時にそれ以外の必殺技を使用すると、お腹を空かせて膨大な隙を晒してしまう。
    • 押せ押せで闘えるが、どこでカロリーゲージを補給するかを常に意識しなければならない、コンボと立ち回りの理論的な組み立てに意識を向ける必要のあるタイプ。
  • エルフェルト・ヴァレンタイン
    • 家庭用版リリースと同時に追加されたキャラ。ラムレザルの妹に当たる「もう一人のヴァレンタイン」ながら、打って変わって非常に賑やかな性格を持ち、抜群のスタイル (女子力的な意味で) を誇る。ただ、勝利時にはウェディングドレス風の衣装で相手が誰だろうと婚姻届を突きつけるため、一見では「飢婚者」「残念な女子」といったイメージだが…。
    • 「通常時」「Missコンフィール(マスケット銃)」「Missトラヴァイエ(ショットガン)」の3つの構えを使い分けるテクニカルキャラ。画面端に相手を追い詰められれば、彼女の真骨頂であるMissトラヴァイエを駆使した尋常ならざるラッシュが仕掛けられる。
    • 花束を使った通常技の攻撃判定が強めな傾向と、ラムレザルとは違い軽量級の割には防御力が高めなおかげで、立ち回りも決して弱くはない。ただし他キャラより対空の性能は低め。
  • レオ・ホワイトファング
    • 家庭用版で追加されたキャラ。イリュリア連王国を治める国王の一人で、カイとは聖戦を共に戦った戦友にしてライバル関係にある。名前通りの獅子のような豪快な風貌と傲慢とも思われがちな豪放磊落さを持つが、為政者らしい聡明さやマイ辞書作りが趣味という繊細さも併せ持つ。
    • 圧倒的な崩し能力を得られる「ブリュンヒルトの構え」が最大の特徴。構え中はガード・ジャンプができないが、ダッシュで相手の裏に回り込んだり、強力な専用技が使えるようになる。
    • リーチの短い技が多く、機動力もそこまで高くないため通常状態の立ち回りが辛め。いかに初撃をひっかけ、ブリュンヒルトの構えによる自分のターンを維持できるかに賭けるキャラ。

評価点

劇的進化を遂げたビジュアル面
まずもって特筆すべきはそのグラフィック。本作はインターフェースの一部を除いたほぼ全てがセルシェーディングによる3Dレンダリングである。
ゲーム中に動かすキャラや背景はもちろん、一見では2Dアニメにしか見えないオープニングムービーや試合前後・覚醒必殺技時などの全カットインも例外ではない。
「『2Dと3Dの融合』というテーマにおける一つの頂点」と呼ぶにふさわしい完成度の高さであり、演出面は圧巻の一言。過去のゲーム全てを見回しても、ここまで自然な形で融合されているものはそうそう見当たらないのではないだろうか?
細かい粗は少しあるものの(本来奥行き側に表示されるべきものが、透過して手前に表示されていたりなど)、本当によく見なければ分からないレベルである。

  • 「ゲーム画面上で格好良いこと、それがGGXrdのグラフィックにおける正義」という命題の元に、完成された3Dモデルグラフィックは手作業にて逐次修正が入っている。
    本来3D化すると修正などの手間は減るはずなのだが、このことによって本作のグラフィックには手描き動画に匹敵するほどの膨大な手間がかかっていると言われている。
    • 3Dモデルでは難しいパースを強調した表現を行うためにフレーム単位で調整を行ったり、あえて動画のフレーム数を減らすことでアニメ的なスピード感を強調する「リミテッドアニメーション*5」の技法を取り入れるなど、2Dアニメの雰囲気を出すための工夫が随所に凝らされている。
  • グラフィックエンジンは2000年代以降さまざまな3Dアクションゲームで用いられている「Unreal Engine3」。当初は過去作『バトルファンタジア』やGG2などで培ったノウハウを活かした自社エンジンを使用する予定であったが、「時間的余裕がなかった」などさまざまな理由によってこちらが選ばれた。
    • なお、プロトタイプのグラフィックが完成した時点で一度Epic Games社(Unreal Engine製作元)に持ち込んでチェックしてもらったのだが、その際に担当者から「Unreal Engineの新たな可能性を見せてくれた」と絶賛され、メーカーからの技術支援を得ることに成功した…という逸話が残っている。

新たなロマンキャンセルが生み出す様々な可能性
基本的にはGGXX同様のゲーム展開や駆け引きが繰り広げられるのだが、本作ではシリーズの代名詞とも言えるシステム「ロマンキャンセル」を改良することによって、新たな可能性が生まれている。

  • 「攻撃を当てた後」は赤RC になり、最も長いバレットタイムを得る。使用感は過去作とさほど変わらず、連続技をさらに伸ばしたり、技をガードされた時のフォローといった用法が可能。
  • 「攻撃が当たらず、かつ動作の後半中」に使うと紫RC が発生。バレットタイムの長さは中程度。基本的には空振った技の硬直を軽減するための新アクションで、牽制技を避けられた時のフォローに使う。
  • それ以外の「攻撃が当たっていない状態」では黄RC になり、ゲージ消費量は25%に抑えられるがバレットタイムも最短。
    • 過去作の「フォースロマンキャンセル(FRC、青キャン)」と同じ感覚で使えるが、成功猶予は大幅に緩くなっている。しかしこれだけではない。
      本作ではこの黄RCが立ちモーション中でもおもむろに発動できるようになっており、熟練者ならこれで得た刹那の有利時間の間に状況判断と適切な対処を行うといった芸当も可能。
  • このようなロマンキャンセルの改良がさらに自由度を高めたことは言うまでもなく、プレイヤーに「様々な発想の機会」と「使いこなす楽しさ」をもたらすシステムとなっていると言える。
    AC版稼働当初は「過去作の仕様から劣化しているのでは?」と批判する経験者も多く見られたが、次第に独自の性質が注目され、面白さを評価する声も増えている。

過去作より下がったハードル
「久々の新作」ということもあり、システムの所々に自由度を高める方面での調整が入っている。

  • ゲームスピードは過去のシリーズ作やアーク製の他タイトルより若干抑えられており、CPU戦の難易度もそれほど高くない。トレーニングモードで基本的なコンボは練習可能で(AC版では時間制。乱入禁止設定にもできる)、家庭用では『ストリートファイターIV』シリーズなどのようなミッション形式での練習モードも追加されている。
  • 対戦バランスについては上位陣のキャラこそいるもののほぼダンゴ状態&下位キャラも実戦値は高めなので、2D格闘ギルティの中ではバランスはかなり良い方である。

BGM
本作でも石渡サウンドが炸裂、各曲の評価も上々。
各キャラのテーマ曲が一新されているため、ほぼ全曲総入れ替えに近い状態となっている。

  • GGシリーズ以外のアーク格ゲーでおなじみだった一撃必殺技ヒット後のBGM変化演出が導入されている。
  • メインテーマ/エンディングテーマでは、ボーカルにOUTRAGEの橋本直樹を起用。映像美に負けず劣らずの歌声を披露してくれている。また、ヴァステッジの挿入曲「Ride the Fire!」も使用されている。

賛否両論点

良くも悪くも以前と同じ『GUILTY GEAR』
いくら完全新作とはいえ、大半のシステムとキャラ性能はGGXX#Rを踏襲している。
つまり、「旧シリーズの面白い部分は損なっていない」ということである一方で、過去のシリーズをやり込んでいた人にとっては「真新しい変更点や追加システムがあまりないため、新鮮味に欠ける」と映ることもある。

  • 良くも悪くも既存の本シリーズプレイヤーを尊重した設計のため、かつて同社の別のタイトルで導入された「格闘ゲームに触れたことのないプレイヤーでも遊びやすい」システムが搭載されず、相当にハードルの高い仕上がりとなってしまった。
    • 加えて操作が難しかった部分もそのまま残されており*6、プレイヤーの操作負担を減らす方向で進化し続けてきた格闘ゲームのジャンルの中に古臭さを残してしまった点は否めない。

デンジャータイム

  • 発生条件が「相殺発生時に確率で発生・1ラウンドに1度まで」。つまり「技術介入無視の完璧な運ゲー要素」ゆえに狙って起こせず、戦略に組み入れにくいので賛否両論分かれている。
    演出や雰囲気の関係上ギャラリー受けはそこそこ良いのだが、トッププレイヤーと言われている層でもその後にミスを多発させている事もかなり多い(大舞台なのも関係しているとはいえ)のが現状。

問題点

初期バージョンのプレイアブルキャラの少なさ
美麗なグラフィックを追求した代償か、AC版稼働時のキャラクター数は13人と少なく、稼働前から物議を醸した。
前回の格ゲー『GGXX AC+R』と比較すると半減近い減少率であり、さらにその13人のうち実質的な新キャラはベッドマンのみ、というのも前述の目新しさの薄さに拍車を掛けていた感が強い。
最終的には家庭用発売を経てプレイアブルキャラは17人に増加したのだが、「復帰したいけどマイキャラの○○がいないから見合わせる…」といったプレイヤーもかなりの数が存在した。

  • ただし、「登場しなかったキャラはリストラではない」という意向を示しており、ストーリーモード限定で登場している既存キャラも多数存在する。さらに、続編であるXrdRおよびREV2では、過去作から何人かプレイアブルキャラとして復帰している*7

キャラクター間のバランス
いわゆるアーク産の格ゲーにはありがちとなってしまっているが、キャラ性能のバランスが著しく悪い。

  • 『青リロをベースにブラッシュアップした』と言われるだけあって、青リロ当時異様な強さを誇っていたエディー(現ザトー)は、一部仕様こそ変わっているものの相変わらずの強さを見せつけた。
  • それ以外にもスタンダードな性能でありながら各種必殺技のリターンが高いソル、起き攻めの女王と言われるミリアなど強いキャラはとことん強い。
  • 新キャラクター達についても以下のような性能を有しており、明らかに調整不足と思えるものが多かった。
    • 発生9Fという早さでありながら、当たってしまえば誇張抜きにコンボで5割持っていける「ビークドライバー」を持つシン
    • 「大剣設置」してしまえば相手の攻撃でも落とされることがない上に、大剣ヒット時はコンボに行け、ダウンを取って起き攻めまで移行できるラムレザル
    • 「Missトラヴァイエ」系の技を軸にした固めと削りにより、有利フレームを取れる技が多く状況を滅茶苦茶有利にしやすい強烈なラッシュを持つエルフェルト
  • 対してポチョムキンやベッドマンなど弱いキャラクターはとことん弱く、一部意見では「ほぼ全キャラに不利がつく」とまで言われた悲しい性能に。
    • 本来このシリーズでは「ギルティギアは滅茶苦茶強いキャラか、強いキャラしかいない」と皮肉る言葉があるほど、『尖った強味を各キャラが持っている、攻撃性の高いゲーム』なのだが、Xrd初期ではあまりの格差から「ギルティギアは滅茶苦茶強いキャラか、強いキャラか、ポチョムキンしかいない」と一部プレイヤーに揶揄されるように。
    • 後の調整である程度は緩和されたものの、それでもポチョムキンはまだまだ弱い部類で、「どんなに相性が良くても精々五分か微不利」という意見が多い。

ストーリー面
AC版では俗に言う「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドとなっており、若干後味も悪い。ただし、家庭用版ストーリーモードにてその続きが語られている。

  • 家庭用版からアップデートによって逆輸入されたラムレザル、シン、エルフェルト、レオの4人は、AC版ストーリーモードの専用ムービーが一切ない。
    ただし、上記の通りアーケードモードはストーリーモードの前日譚という性質上、アーケードモードの時系列の時点では戦いに参加していないキャラもいるためにやむをえない部分もある。
  • パチスロ『ギルティギア ヴァステッジ』との関連
    • 設定面で石渡氏が監修しているため公式設定として扱われており、そこで明かされた設定には本作に関連する重要な内容も多い。一応家庭用版取扱説明書にもあらすじが載ってはいるが、「ストーリーを追いかける」という点ではハードルがやや高めと言わざるを得ない。
    • ヴァステッジはホールからは早々に姿を消してしまっている。プレイしてみたいならば設置してある場所を探すか、iOS/Androidアプリ版を購入する必要がある。

総評

2D格闘ギルティでは(バージョンアップ版を除けば)GGXX以来の、ストーリー面ではGG2以来の完全新作ということでかなりの期待が寄せられていた作品であり、実際それに応えられるだけの作り込みはなされている。
しかし、初期バージョンのプレイアブルキャラの少なさとゲーム性の変化の無さが災いしスタートダッシュに失敗。時世の変化もあってか全盛期ほどの人気は得られなかった、惜しい作品となってしまった。


GUILTY GEAR Xrd -SIGN-(CS機)

【ぎるてぃぎあ いぐざーど さいん】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム

対応機種 プレイステーション3
プレイステーション4
Windows7/8/8.1(Steam)
発売・開発元 アークシステムワークス
発売日 【PS3/PS4】2014年12月4日
【Win】2015年12月9日
定価 【PS3/PS4】パッケージ版:7,538円/DL版:5,980円
【PS4】限定版:10,778円(全て税8%込)
【Win】2,980円
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
ポイント 4時間以上にわたるストーリーモード
シリーズ初心者にも優しい設計
GUILTY GEARシリーズ

評価点及び追加要素(CS)

新キャラクターの追加
家庭用版は新たに「シン・キスク」「エルフェルト・ヴァレンタイン」「レオ・ホワイトファング」の3名がプレイアブルキャラクターとして追加。
なお、AC版も家庭用版発売と同時期のアップデートで対応され、この3人が使用可能となった。

PS4版のフルHD化
PS4版は1080pに対応したフルHD解像度となっている(PS3版はAC版に準拠した720p)。

オンライン対戦の実装
PS3版とPS4版ではクロスプラットフォーム対戦に対応している。

ストーリーモード
これまでとは異なりCPUと対戦する場面が一切なく、ゲーム中同様の3Dグラフィックを使用した映像作品となっている。
そのムービーはオートリード(フリーハンドモード)かつスキップなしで4時間半にも及ぶ大ボリュームかつフルボイス。見終わった後は1クール分のアニメを見たかのような充足感を得られることだろう。

  • 会話のみのシ-ンも多いが、グラフィックが3Dモデルである点を活かし、顔の表情を微妙に変化させる・身振り等の仕草を入れる…といった細かな演出がなされているので見応えは十分。さらに一部のシーンでは2Dアニメばりにグリグリ動く。
  • 専門用語が多数登場しているが、ハイライトされている単語は用語集を呼び出して参照することが可能。本作からストーリーを追いかける人への配慮もされている。
    • なお、ストーリーの時系列上の問題から、「アーケードモードをクリアしてからの閲覧」が推奨されている。

充実したチュートリアル
格闘ゲームの中では複雑と評されがちなギルティギアシリーズだが、新規参入者が早く馴染めるよう、目的別のチュートリアルモードが複数追加されている。

  • 『TRAINING』…いわゆるCPU相手のスパーリング。相手を棒立ちにしてコンボ練習をしたり、カウンターヒットの有無やRISKゲージの設定など、細かく状況を設定して自由に練習できる。
  • 『TUTORIAL』…格闘ゲーム初心者向けのモード。本作のシステムだけでなく、画面の見方やキャラクターの移動方法といった「格闘ゲームの基礎中の基礎」から解説してくれる。ソルとシンによる会話型式+実践なので見た目にも楽しい。
  • 『CHALLENGE』…課題型式のモードその1。キャラクター別の基本コンボや技術を要する強力なコンボに挑戦する。成功例のリプレイが用意されているので、それを参考にしながら練習できる。
  • 『MISSION』…課題型式のモードその2。実際の対戦で遭遇しやすい特定の状況への対応やキャラクター別の対策を練習できる。

総評(CS)

AC版の最大の不満点であった「プレイアブルキャラクターの少なさ」を改善し、さらにさまざまな追加要素を加えた「GGXrdの完成形」と言える作品。
ストーリーモードをはじめとしたサブモードが充実しており、格ゲーは苦手…という人でも十分楽しめる造りとなっている。


その後の展開

  • 2015年8月にバージョンアップ版である『GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-』が、さらに2017年3月には『GUILTY GEAR Xrd -REV2-』が稼働開始した。

余談

  • LORD of VERMILION III』に、今作仕様のソル、カイ、ミリアがゲスト参戦している。
  • スレイヤー役の家弓家正氏はAC版稼働後からしばらくして逝去。本作が氏がスレイヤーを演じた最後の作品となった。
  • シリーズのジャンルが格闘ゲームに戻ったことについては、『ストリートファイターIV』の登場に関連してeスポーツが勃興した事による格闘ゲームの再流行に影響されているとのこと。
  • アメリカで年一回開催される大型の格闘ゲーム大会・EVOの2015年度にてこのゲームが種目になった際、ウィナーズ準決勝で起こった意外な結末はEVOの歴史上でも屈指の名(迷)場面として取り上げられることが多い。
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最終更新:2024年04月11日 22:05

*1 ゲーム以外の展開も含めれば、パチスロ機の『ギルティギア ヴァステッジ』の後となる。

*2 残体力の少なさに比例して上昇する、被ダメージを抑える特殊補正。このかかり具合はキャラによっても異なっており、これが強いキャラほど「しぶとい」。

*3 「肉だるま」という印象が強かった旧デザインから一変、フルフェイスの兜と軍服によりロボ化したような見た目となっている。とはいえ、一部のカットインではこれまでの素顔を垣間見ることができる。

*4 なお、公式で前述の設定が明言されたため、GG2発売当時に話題となった「木陰の君」問題は解決を見ることとなった。

*5 セル画の枚数を抑えつつスピード感を出すために編み出され、日本のアニメ制作現場などでは現在も主流である技法。石渡氏は「アニメ的なものを作りたいという思いからリミテッドアニメーションを取り入れた」とコメントしている。

*6 ファウストのドリキャン、イノの低空ケミカル等の高難易度テクニックや、先行入力がほぼ効かないため各種目押しが非常にシビアになっている等。

*7 XrdRにてジョニーと紗夢、ディズィーが、続くREV2にて梅軒が復帰した。