リトル・マーメイド アリエルの海のたからもの

【りとるまーめいど ありえるのうみのたからもの】

ジャンル たからさがしアドベンチャー
対応機種 ニンテンドーDS
メディア DSカード
発売元 ディズニー・インタラクティブ・スタジオ
開発元 アクトイメージ、ゴリラ
発売日 2007年4月12日
定価 5,040円(税5%込)
プレイ人数 1~5人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 クソゲー
ポイント 1度きり、すぐに終わってしまうミニゲーム集
幼児向けにしては不親切な面も
ディズニーシリーズリンク


概要

ディズニーアニメ映画『リトル・マーメイド』素材にしたミニゲーム集。 本作ゲームは、原作映画のお話が始まる前の時間軸を舞台としている。

あらすじ

海の王トリトンの治める海に、謎の大波が押し寄せるようになった。 トリトンの末娘のアリエルは忙しい姉たちや父に代わって、大波に苦しむ海の生き物たちを助けて回ることに。

システム

  • 横スクロールアクションの要領で、アリエル(とフランダー)を動かせる。
  • ゲームの流れ
    • DS下画面に現れた★の泡をタッチすると、アリエルの近くにいるキャラが頼みごとをしてくるので、その依頼内容を達成していくのがゲームの主な流れ。
    • 依頼をこなす際は、物を拾ったりタッチペンやマイク操作を用いたごくごく単純なミニゲーム群を行うことになる。
    • ゲームは一本道構造であり、過去にうけたミニゲームをもう一度プレイするにはニューゲームする必要がある。
    • 依頼は同時に最大で3つまで出現する。
      • 大概は同じ作業を複数回行うことになり、右上に必要な回数が表示される。これは依頼を中断して遠くに移動しても保存されている。
  • クリア条件、およびクリア後
    • シーストーンと呼ばれるアイテムを5個あつめるとクリア。
    • クリア後に新規解禁されるモードはないが、事実上クリア前のセーブデータを使って各地のおたからを集めることができるようになる。
  • セーブ
    • セーブは手動による。ゲームクリアすると、最後にセーブしたところからのスタートとなる。

マップ

  • 本作の舞台となる海は、小区画が横にドーナツ状に接続している構造をしている。
  • シースライド・ドア
    • シースライド(海流)に乗って小区画を自由に動き回れるワープ装置のようなもの。
    • 最初の依頼をクリアすることで、SELECTボタンからいつでも区画をワープ可能。
    • 依頼を受けられる区画には、泡に包まれた★マークが、依頼をこなすことになる場所(依頼を受けた後の話)は、泡のない★マークが表示されている。
  • かくれが
    • アリエルが入手した「たからもの」(後述)を閲覧できる。
      • たからものを並べてみたり、最下層にある真珠の中に入れて「未来」を見たりできる。
      • 実際ここでみることができる「未来」は映画のワンシーン、これに対してアリエルがコメントを入れる。
    • かくれがにいるセバスチャンをタッチすると、彼のバンドと練習できる。
      • バンド仲間は全員で5人いるが、大波の影響で来られない模様メンバーがおりゲームを進めることでだんだんと集めることが可能。
      • 練習は、『アンダー・ザ・シー』の曲に合わせて流れてくる記号に従った操作をするという音ゲーをごく簡単にしたようなもの。

操作方法

  • ボタンによる操作
    • 移動は十字ボタン(3DSのスライドパッドにも対応) 。下画面に映るアリエル(とフランダー)を動かして、2Dのマップ内を自由に動き回ることに。
    • Xでセバスチャン召喚。現在引き受けている最中の「依頼」の内容を思い出させてくれる。
    • SELECTボタンで、シースライド・ドアを利用したワープ移動を行える。(シースライド・ドア修理後)
    • STARTボタンで、フランダーの覚えた「芸」を閲覧したりセーブを行える。
  • タッチによる操作
    • 下画面の範囲に映ったものであれば、アイテムは基本的にタッチで収集可能。必要に応じてドラッグによる持ち運びもできる。左上の欄にストックされるアイテムは別の場所で使うことになる。
    • その他、マップ中に会える生き物にタッチすると何かしらのレスポンスが来る。

アイテム

  • タイガーシェル
    • 青い縞模様の入った金色の貝。
    • タッチすることで拾うことができ、集めた個数に応じてフランダーの「芸」が多様になる(最大100個)。
    • 通常のマップに落ちていたり、頼みごとの報酬、シースライドで移動中に出現したりする。
  • たからもの
    • アリエルが海のみんなを助ける傍ら集めている、地上の人間にまつわるアイテム。
    • 埋まっているたからものと、宝箱に入っているたからものがある。
      • 前者は、タッチ操作やマイクに息を吹きかけることで汚れやほこりを払ってきれいにすることで入手可能。
      • 後者は、アリエルが歌った通りの音階をマイクに聞かせることで宝箱のカギを解除できる。

マルチプレイ

  • 本ソフトを持っている人同士でたからもの交換(2人)、およびセバスチャンの巻貝バンドの合奏ができる(最大5人)。

問題点

  • 最初の依頼について
    • 最初のミッションである、シースライド・ドアの修理を「どこで」やれるのか説明してくれない。
      • このミッションの時だけはワープ移動ができない。常識的に近くにシースライド・ドアがあるだろうという察しはつくかもしれないが…。
      • 実際は右側に進んで依頼主のトリトンを追い越した先にあるのだが、左側に行くことも可能。そこで普通に別のミッションも受けることも可能。
      • システムで説明したとおり、最初のミッションをクリアしないとワープ移動が使えないため、ここでのプレイングを誤ると少し面倒くさいことに。
  • ゲームシステムの解説
    • 依頼を行う場所は、原則マップ移動が示してくれるのでよいが、基本的なシステム説明はゲーム内では一度きり。さらにシナリオの一環としてキャラが少し触れる程度なことが多いのでうっかりしていると聞き逃しやすい。
    • 説明が出る直前に2,3秒ほどタッチ操作を受け付けるが、そのときの操作次第で説明がスキップされてしまったり、一切出現しなくなることもある。
    • 楽隊の演奏を行える場所、セバスチャンの呼び出し方、ワープ移動のやり方を忘れても、(ニューゲームでもしない限り)ゲーム内でそれらを確認する術がない。
    • タイガーシェルも存在についてを教わるだけで、スタートボタンのフランダーの芸との関連性を明示してくれない。
    • 左上に現れるアイテムストック用の欄(5つの○で構成されている)に至っては、全く説明がない。作中で使用するのは3回のみではあるが。
    • 逆に「海の生き物をタッチしてみよう」という正直どうでもいいアナウンスは、何回も登場する。このアナウンスはアリエルの頭上に出てくるホタテ型のふきだしをタッチすると登場するのだが、依頼遂行中でもお構いなしなためミッションの妨げになることも。
    • このあたりの難点は低年齢を対象にするゲーム設計としてはなかなかまずいのではないだろうか。
  • ボリューム
    • 本編は5分もあれば終わってしまう依頼をせいぜい20個程ほどこなすだけで終了するので、よほど寄り道などしない限り、30分から1時間でゲームが終わってしまう。
    • セバスチャンのバンド練習も特にやる意味がないので、特典要素が実質隠れ家の「たからもの」程度。
      • どこの区画に、あといくつ「たからもの」が隠されているかがわからないため、コンプリートするモチベーションも上がりにくくクリア後の楽しみが薄い。
  • マイク操作の難しさ
    • 「息を吹きかける」系の操作がややシビア。音を立てずに、やさしく風を当てる程度にしないと反応してくれない場合もある。
  • セバスチャンのバンド
    • 音ゲーとしてあまりにもつくりが簡素。『アンダー・ザ・シー(歌なし)』の1曲しか演奏できないうえに、鳴らせる音も非常に限られているため演奏している実感が湧かない。
    • タイミングもフライング気味にしないと成功扱いにならない。
    • 上記のマイク操作も同時に行う必要がある「チューバ」の難易度は極めて高い。
  • その他
    • 当時の技術では仕方ない面もあるかもしれないが、キャラのポリゴンデザインがかなり雑。

評価点

  • 直感的にできるミニゲーム群
    • 文章で理解させる根幹部分にはかなり難のある本作だが、その場の直感でとりかかることができる設計のミニゲーム群はとっつきやすい。
    • 大人には正直物足りない内容だが、小さい子供がやるには適切な難易度かもしれない。
    • タッチペンに反応を示すギミックが、ゲーム内にそこそこの頻度で登場する。
  • マイク操作
    • 音を聞かすだけでなく、実際に正しい音階を聞かせる操作も求められるため、これはほかのゲームには見られない長所と言える。
  • マップ
    • 絵で描かれている背景自体はきれい。
    • DS上画面も使って広々とマップが構築されているので、何かを探索する面白さが生まれているかと思われる。
  • シナリオ関連
    • シナリオは短いながらもひととおりの起承転結ができている。伏線が上手に活用されている。原作映画よりも過去の時系列ながら、魔女アースラもきちんとシナリオに絡んでくる。

総評

シナリオは破綻しておらず、DSの機能をきちんと生かすようなゲームアイデアはきちんとあるのに、システム根幹部分の不親切さや、ゲームそのものの少ないボリュームが大いに足を引っ張っている。決して遊べないことはないものの、低年齢用として割り切ることができるかどうかも厳しいところか。

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  • 2007年
  • DS
  • ディズニー

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最終更新:2021年12月02日 21:23