戦国無双4-II

【せんごくむそう ふぉー つー】

ジャンル タクティカルアクション


対応機種 プレイステーション4
プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
メディア 【PS4/PS3】BD-ROM
【PSV】PlayStation Vitaカード
発売元 コーエーテクモゲームス
開発元 コーエーテクモゲームス(オメガフォース)
発売日 2015年2月11日
定価 通常版 / ダウンロード版 / トレジャーボックス
【PS4】6,800円 / 6,000円 / 11,800円
【PS3/PSV】5,800円 / 5,134円 / 10,800円
廉価版 コーエーテクモ the best
【PS4】3,480円
【PS3/PSV】2,980円(PS3版はダウンロード専売)
プレイ人数 1~2人
通信機能 Playstation Network対応(DLC配信/オンライン協力プレイ)
インストール
(ダウンロード容量)
【PS4】18GB
【PS3】9GB
【PSV】2800MB
レーティング CERO:B(12才以上対象)
コンテンツアイコン 暴力、セクシャル
判定 なし
ポイント 武将に焦点を当てた新しい無双演武(ストーリーモード)
やり込み度の増した育成システムに加え「無限城」が復活
『4』からと『4-II』内で合戦の使い回しあり
無双シリーズ



今、真のストーリーが明かされる!



概要

『戦国無双』10周年記念作品 もうひとつの『戦国無双4』
『戦国無双4』の魅力をパワーアップさせて継承しつつ、ストーリーやアクションなどいたるところを刷新した“もうひとつの『戦国無双4』”が登場!
メインモードの「無双演武」では、武将一人一人にスポットを当てた シナリオを楽しめる。今まで描かれなかった戦いやエピソードも多数収録。
新武将として「井伊直政」がシリーズ初登場!徳川家の未来を担う若きヒーローが勇将へと成長を遂げるドラマティックな物語が展開する。
会話イベントの背景やカメラワーク、エフェクトなど演出を一新!武将たちの感情や生き様がより一層、リアリティ溢れるものに。
神速アクションを弾く敵兵士が登場するなど、アクションの爽快感はそのままに、さらにタクティカルなバトルを実現。
「無限城」が進化を遂げて登場!上階を目指すか、安全に脱出するかの判断が問われるスリリングなバトルに加えて、短時間で楽しめるチャレンジ要素も追加!
成長・収集が超充実。お気に入りのキャラクターを育成する楽しみのほか、武器や軍馬を収集・強化する醍醐味がさらにパワーアップ!
徳川家の未来を担う若きヒーロー「井伊直政」がシリーズ初参戦するほか、メインモードの「無双演武」では、武将たちにスポットを当て、新たな英雄たちのストーリーが描かれる。また、進化を遂げた「無限城」の搭載や、大幅リニューアルしたアクションや会話イベント、充実の成長・収集要素など、『戦国無双4-II』ならではの遊びが満載!
(Amazonより)

戦国無双4』からは1年弱で、『戦国無双 Chronicle 3』からはわずか2か月で発売された、『戦国無双』10周年記念作品群の集大成。
基本的には『4』と同じシステムだが、従来の追加ディスク『猛将伝』とは違いデータの引継ぎはない*1
また、ゲームモードに関しては毛色が大きく異なり、エディットキャラを前面に押し出していたものがあった『Chronicle』『4』に対し、本作では特定キャラを中心としたストーリーモードを軸とする『3』までを踏襲した形式になっている。
なお、2015年1月からアニメ版が放送されていた。


評価点

武将に焦点を当てた新しい無双演武

新武将・井伊直政参戦

  • 唯一の新規参戦武将である「井伊直政」は無双演武最初の主人公なのはもちろん、パッケージの中央を飾り専用BGMも用意されるなどまさに本作の顔。
    青いマフラーが特徴な外見や直虎譲りの足技に加え「ダメだ、ダメすぎる*2」という口癖などキャラクターとしても特徴的な所がある。

武将個別視点で描かれる無双演武

  • 地方・勢力を主軸に展開した『4』のストーリーでは描かれなかった物語が、主人公武将13人の視点で新たな無双演武として生まれ変わった。それぞれ各5ステージ。
  • 以下一部の章の見どころを列記する。
    • 「新星の章」:新キャラ・井伊直政を主人公とし、相棒であり先輩でもある本多忠勝と共に、徳川家のために最善を尽くす。
    • 「絆の章」:主人公・真田信之は弟・幸村や妻・稲姫との絆を試される。『4』の「真田の章」とは異なる信之のラストに注目。
    • 「反逆の章」:松永久秀による織田信長への反逆がテーマ。前半の悪戯レベルの反逆から、後半のシリアスな歴史のIFへと、落差が激しいシナリオが展開される。
    • 「理想の章」:豊臣秀吉の世のために働く石田三成が、子飼いの仲間と共に走る先に待つものとは……?『4』の関ヶ原の戦い・西軍敗走後ムービーから続く結末は必見。
    • 「忠節の章」:『Chronicle2』の主役であり、主を7回も変えたという藤堂高虎が主人公。『4』では大谷吉継との無双オリジナルの関係が押し出されていたが、本作では史実通り浅井家滅亡後にも幾多の主に忠を尽くす。
    • 「百花繚乱の章」:本作のラストを飾るIF要素満載のシナリオ。ガラシャが女性武将たちを集めて目指すものとは……?

演出の強化

  • 会話シーンの演出が強化された。
    • 『4』では会話シーンの背景がぼやけていて場所がよくわからなかったが、今作では屋敷や陣中などがはっきりわかるようになった。
    • あぐらや正座など座るポーズが追加され、屋内でも立ったまま会話していた違和感を解消。
    • カメラワークもキャラの顔をアップで映すだけだったのが、適度に動いて臨場感あるものになった。
    • 左スティックでカメラの向きの変更、R1ボタンで画面のズームができるように。

アニメ版要素の追加

  • 発売同時期に放映されていたテレビアニメ『戦国無双』の要素が追加された。
    • 「絆の章」の第2話「小田原征伐」では、総大将が石田三成であることや幸村の奮闘で戦況が優勢になるなど、アニメの第一話をなぞった展開になっている。
    • 徳川秀忠、豊臣秀頼がアニメ準拠の固有外見になった。性格は無印のモブ武将のままだが、特に秀忠はアニメとは真逆の爽やかな好青年であるため外見とのギャップが凄まじい。
    • くのいちが連れている可愛くないムササビの月丸もアニメからの出典。くのいちの無双奥義カットイン演出や、ロード画面で姿を見せる。
    • 主題歌はアニメ版OPでもある「和楽器バンド」の『戦-ikusa-』をそのまま使用。

アクションの調整

神速攻撃の弱体化

  • 無効化される対象の追加
    • 旗持兵の周囲の盾兵、大盾兵、槍衾兵も神速攻撃を弾くようになり、神速攻撃一辺倒の攻略は難しくなった
    • 強化エリアでは敵兵が神速攻撃でほとんど怯まなくなったため、通常攻撃で慎重に攻める必要がある。
    • 神速攻撃が敵武将に弾かれなくなる技能「迅閃」も完全に削除された。
  • これらの調整で、通常攻撃やチャージ攻撃もきちんと使い分ける必要性が増した。
    • 無双シリーズにおける下方修正は問題視されることが多いが、『4』の神速攻撃は強力過ぎるという声が多く、この調整は問題されることは少ない。
    • また、弱体化したとはいえ雑魚殲滅には依然有用である。

敵武将との戦闘

  • 『4』では一旦無双奥義を使わなくなっていた敵武将が、再度奥義を使ってくるようになった。従来と同じ連撃部分のみであり、〆の広範囲技は使ってこない。
    • 敵の無双奥義はこちらも無双奥義で終了させられる*3他、無双極意中は問答無用で潰せる。
    • 『三國』と違い、予兆がきちんとあり潰す手段も用意されているので理不尽ではない。
  • 敵の攻撃に対してカウンターを取れるようになった。神速攻撃や影技、無双奥義を受ける瞬間に僅かだけにスロー演出になり、敵の頭上に表示される対応したボタンを押すことで攻撃を弾くことができる。
    • ただし、影技と奥義は返そうとしてもゲージを消費するので、いつでも返せるわけではない。
  • その他にも攻撃力とルーチン強化も行われているが、正直やり過ぎ感があり評価点に入れづらい(問題点に記載)。

技性能の調整

  • クロニクル3準拠の技性能変更があり、おおむね上方修正されている。
  • 一部技のエフェクトが変更された。
    • 真田信之の神速強攻撃7などでコマ落ちしていた現象も、一部ではあるが改善された。

その他

  • 奥義のカットイン中にパートナーが割り込む問題は、パートナーも硬直するようになり解消された。
  • 無双奥義中に○ボタンを押すことで、ループをキャンセルして〆に派生できるようになった。
    • ただし、すぐにはキャンセルできないのでループ部分は必ず少しは出る。

やりこみ要素の増した育成システム

技能

  • 『4』では武器についていた技能の一部が、本作では武将自身が習得する(シリーズ初期に近い)形式になった。
    • 武将ごとに技能盤*4というスキルツリーが用意されており、「兵法書」の消費で技能を習得して盤を埋めていく。
      • 兵法書は技能珠の代わりに用意されたアイテムで5種類(内1種類レア)用意されている。技能珠と同じく戦闘中に拾ったり、よろず屋で買ったりして入手する。
  • 技能盤の形は12種類に分類され武将ごとにスタート地点も異なる。
    • 技能はレベル1~3まで存在し、上位レベルは階級が一定数以上でないと習得できない
      • 既に習得した技能が未収得の技能と隣接していると兵法書の消費が減る。周囲が全て習得済だと、囲んでいる技能は兵法書0で自動習得される。
  • 『4』では枠が少なく相対的に微妙だった防御系等を含めたすべての技能を習得できるため、死に技能も解消されている。
    • 技能の効果は強烈なものが多く、埋めれば埋めるほど武将の強化を大きく実感できる。

能動技能

  • 『4』の携帯道具は廃止され、技能の一部が携帯道具に相当する機能を有するようになった。これを能動技能と呼ぶ。
    • 能動技能は武将間で共有されない、レベルの異なるものを同時所持できない代わりに、家宝と同じくクールタイムを経過することで回数制限なく再利用できる。
    • 各キャラ固有の携帯道具に相当する家宝は「覚醒技能」として最後に習得する。覚醒技能のみ他キャラに共有され、未使用キャラクターもすぐに使えるようになっている。
      • この技能を習得したキャラクターは階級50でも勲功を蓄積する毎に能力値が成長するようになる。『4』の武器に付与されるレア技能「克己」に相当する。
  • 1000人斬りを達成することで、能動と覚醒技能は全てクールタイムが回復する他、一部能動技能が自動的に発動する*5

やりこみの極致「武器鍛工」

  • 武器は戦闘中に拾った後に個別に強化するだけ、軍馬はお店で買うだけだったのが、それぞれランダムドロップのものを合成するようになりこちらも奥が深くなった。
  • 『4』での武器は各種能力がレベル1~5であり、最大値や能力の組み合わせはランダムで固定されているため、どうしても理想の武器を求めるには運頼りしかなかった。
    • 今回から1~99まで細分化され、最大値も必ず99に固定された他、同じ属性武器同士を合成することで、合成素材となる武器のもっとも数値の高い技能が合成先に追加されるようになった。
    • 例をあげると合成元《凍牙10 攻撃10》+合成素材《凍牙10 防御10》=完成品《凍牙10 攻撃10 防御10》といった感じ。詳しい条件は割愛するがシステムを理解するとある程度の能力の吟味が可能で、思い通りの能力を並べることができる。
  • 武器のレベルが上がると能力も上昇していくが、合成の際同じ能力があるとレベルアップ時にボーナスがもらえより高い数値を得られる。これを繰り返すことにより全て数値99にすることも可能で、文字通り究極の一振りを作ることができる。
    • 特に武器のレベル上限に関わるレア度は重要であり、最強の業物を得るためには無限城制覇が武器鍛工の大部分を占める。
      • しかし、過去決して好評とは言えなかった無限城をほぼそのまま踏襲しつつ、難易度を上げながら持ってきたため、無限城に潜ることが苦痛という人も。
  • ユニーク武器は非常に強力な武器であることに間違いはないが、使用する武将によってはかえって使い勝手が悪くなってしまう能力が付与されており、鍛工によってある程度能力を選べることはそういった武将の救済でもあった。
    • 顕著なのが浅井長政であり通常ユニーク武器でも自身の使い勝手のよさを体感できるが、鍛工を重ねることで彼の特殊技をより強固に出来る。それこそ無限城高層の特殊ボスであっても通常攻撃のみで封殺できるほど。
      • しかしながら結果として武器での差別化が少なくなり、より武将性能が押し出されるためバランスが従来の作品より顕著になってしまったという見方も少なからずある。この意見は『真・三國無双7 猛将伝』にも存在しており、根の深いプレイスタンスの問題でもある。

戦国無双2』以来の復活となったやりこみモード「無限城」

本館

  • ランダムミッションをこなしながら上層を目指す
    • 2人の武将を切り替えつつ戦場を馬で移動しながら戦う無双演武と違い、1人が城内を歩いて戦う。
    • 本館では鍛え上げた武将で上層に挑戦すれば高性能の武器や軍馬を狙うことができるが、戦闘中に倒されると報酬を全て失ってしまう。その階層をクリアして、次に進むか脱出するかを選ぶ
      • 戦闘中に様々なイベントが発生。クリアすると「敵に攻撃を当てるだけでお金が手に入る時間が発生」など色々なボーナスが手に入る。
      • 中断が可能なのはもちろん、階層を一定数クリアしていくごとに開始階数が選択可能になるなど報酬が多数用意されている。

別館

  • いわゆるスコアを競うチャレンジモード。短時間チャレンジでハイスコアに挑む。
    • 制限時間内に多数の敵を撃破する「猛将の間」、制限時間内に多数の金を手にいれる「黄金の間」、旗持兵を撃破しつつゴールを素早く目指す「疾風の間」、猛将の間の高難易度版である「死線の間」の4種類が用意されている。
    • 別館ではクリアランクに応じて兵法書か小判の報酬が得られる(Ver.1.01以降)。初回高ランク達成時は追加報酬が得られる。なぜかランクはアルファベット表示。

賛否両論点

熟練度の廃止

  • 本作より熟練度が廃止された。 熟練度は攻撃力・攻撃速度・攻撃範囲の全てに関わっていた ため、これにより全体的に武将の性能が落ちた。
    • これらの技性能の改善は武器技能に代替されているのだが、特殊技の持続時間には対応する要素が存在せず、これを主力とするキャラへの悪影響が著しい。
    • とはいえ、熟練度上げは必要な技を絞ったとしても面倒だったことから廃止されて良かったとの声もある。
  • ただ廃止されたわけではなく、特殊技タイプに限ってはチャージC5を使用することで特殊技の効果が発動するようになった。
    • しかし、その他のタイプについては埋め合わせがされていない。

騎馬無双攻撃

  • 元々騎馬無双は殲滅力が高く、属性を乗せれば火力も十分でかなり強力だった。
    • 本作では神速攻撃の弱体化、技能によるゲージ回収能力や騎馬攻撃性能の強化、馬自体の強化により騎馬無双がさらに使いやすくなっている。
    • 能動技能を組み合わせることで騎馬無双の使用効率を大幅に上げることができる。
      • 覚醒技能の今川義元*6でレベルアップの全回復を利用してかなりの時間連続使用が可能になる。
      • さらに、竹中半兵衛と黒田官兵衛で使用済の技能のクールタイムを回復することで再利用が可能で、おまけに撃破数も稼げる。
      • 簡単に1000人斬りを達成でき、1000人斬りを達成すると技能のクールタイムが回復するので、さらなる騎馬無双ループが可能になる。
    • 結果、ひたすら騎馬無双を繰り返して馬で轢き殺す神速攻撃も真っ青なワンパターン戦法が、野戦では最適解になってしまった。
      • ただし、馬は城内戦では一切使えないためどの場面でもこれが最適解になるということはない、結局は地上戦も重要になる。また、低レベルでは一応救済措置に入るか。

HUDの変更

  • 『4』では戦闘中の体力ゲージ・台詞がかなり大きく、見やすいが主張し過ぎだった。本作ではそれらを小さくして画面をすっきりさせた。しかし、それらにもいくらか問題がある。
    • 台詞が真下に表示されるようになった。しかし、今まで中央寄りにだったものが急に真下に登場するので、文字が小さめなこともあり慣れるまで視認し辛い。
      • 戦闘中に能動技能を8個表示させると、台詞枠に能動技能が被さってしまい見えなくなる問題もある。
    • 体力ゲージが最大値を問わず長さが一定になり、成長が分かり辛くなった。

問題点

無双演武

『4』からと『4-II』内での合戦使い回しが多い

  • 無双演武全体65合戦の半分以上が、『4』や『4-II』でプレイ済みの他の章での合戦と被っている*7
    • 全体の40%が『4』からの使い回し、15%が『4-II』新規合戦の使い回しとなっている。
    • 天下分け目の合戦がどの章にも欠かせないという事情があるものの、「小牧長久手」と「九州」は13章中4回で3種、「関ヶ原」は6回で5種とかなり頑張ったと言える。
    • しかし、「長篠」は3つ全て同じ流れ、「小田原」は5回2種で1種は『4』からの流用と、流れを覚えていないほうが不自然というレベル。
    • 『4』の64合戦はすべて異なる流れで楽しめただけに、この重複は手抜きと言わざるを得ない。
    • 実質的なボリュームが『4』を下回っていることもあり、『4』プレイ者にとってはフルプライスの作品としてはやや見合ってない。

ステージ毎に使える武将の数

  • 『4』と同じく、そのステージを金クリアにするためには全てのミッション達成と全ての武将でクリアする必要がある。
    • 2人しか使えずメインとパートナーで一発金クリアできるステージもあれば、10人以上いて金クリアまで5~6回もやらされるステージもある。
    • 前述のステージの被りも多いことから、作業と化すことも多い。

偏りのある構成

  • 本作のストーリーは全体的に戦国時代後期を中心としており、前期のキャラクターの殆どは蚊帳の外。
    • そのため、『4』に加え浅井長政、武田信玄、上杉謙信も無双演武で使用できなくなっている。
      • 阿国のみ無双演武で一度だけ出番がある。ただしゲーム最終盤である百花繚乱の章の最終ステージのみ。

新武将専用モードが無い

  • 『4』の流浪演舞が無く、それに相当するモードも無い。もちろん模擬演舞や無限城で使えるが少々物足りない。
    • 流浪演舞では特定の一般武将が使えたが本作はそれができないのも残念。
    • 賛否分かれるがレア武器の救済措置としても機能していたので、それが無くなってしまった。
  • エディットモードは前作と変わらずパーツの追加も無い。
  • また、『4』から新武将の引継ぎができず、同じキャラを作るとなると数値をメモするなどして一から作り直さなければならない。
    • 後に発売された『4 Empires』では、『4』と本作の新武将の引継ぎが可能になった。

『4』のデータ引継ぎが出来ない

  • "MIX JOY"に対応しておらず、前作『4』のみのモードを本作の調整下で遊ぶことも、セーブデータを引き継ぎすることさえもできない。
    • 引き継ぎなしの前提で成長・武器システムを大幅に変えたと思われるが、せっかく育てた武将や上記にある様に新武将のデータを引き継げないのは非常に残念な所。

育成

兵法書

  • 技能盤を埋めるために1キャラごとに必要な兵法書は約180個×4、レア兵法書は60個(=780*8程度)必要になる。
    • しかし、戦闘中で手に入る兵法書は稼ぎに特化して、1戦闘で多くて20後半程度。明らかに入手量を渋り過ぎている。
    • よろず屋でも販売しているが、何故か1戦闘ごとに10個程度しか購入できず、しかも種類はランダムという嫌がらせ付き。
      • 一応、戦闘に敗北しても在庫が更新されるほか、無限城での戦闘でも更新される。
      • 効率よく入手する方法が、ひたすら「無限城別館での疾風で1戦闘を素早く消化し、よろず屋を更新させる*9」マラソンであり、作業感漂う。明らかにバランスがおかしく調整を間違えている。

レア武器

  • 『4』同様、条件は厳しめでヒントもない。流浪演武もなくなったので救済措置もない。
  • 本作では無双演武をクリアしなくても入手可能になったほか、プラチナミッションをパートナーが達成しても入手できるようになった。
    • その代わり、パートナーと分担しないと達成が非常に厳しくなったりと、全体的に難易度が向上している。
    • また、時間制限が厳しく騎馬無双連打で撃破数を稼ぐのが必須、プラチナミッションが30秒しかないのにパートナー使用不可で離れた無双武将を2体を瞬殺しないと間に合わないといったバランスの悪い条件も散見される。
      • 時間制限については途中保存 → メインメニューに戻る → 再開を繰り返すことで、会話ログのみスキップさせる小技が可能。

その他

  • 技能はオフ、習得解除不可能。
  • 『4』同様、武将能力初期化は不可能。

アクションの問題点

馬呼び

  • 本作では馬呼びで暴れ馬のごとく移動し、まともに武将を追尾してくれないほど馬の挙動がおかしい。アップデートで修正されたらしいがとてもそうとは言えないクソっぷりな挙動のまま。
    • このため移動しながらスムーズに馬に乗ることはほぼ不可能といっていい。どころか、静止状態でもきちんと馬が止まらないこともある。流用してなぜこうなるのか。
    • 『4』でも怪しい部分はあったが、自動馬乗りの目的である「徒歩移動しつつスムーズに馬に乗る」という点はきちんと達成されていた。本作はそれすらできていない。
    • 本作では神速攻撃の弱体化と技能の仕様変更により、騎馬での戦闘と移動の重要度が上がっている中で、このお粗末な改悪はあまりにも痛い。

敵武将

  • 本作では敵武将の攻撃力、攻撃頻度のみならずルーチンが大きく強化されているが、正直やり過ぎ感がある。
    • 本作の敵武将はチャージ攻撃を最後まで出し切るようになった。
    • 受け身の頻度のさらなる向上
      • 『4』では連続攻撃の隙間で受け身をしてくるという形だったが、本作では連続攻撃中だろうと強引に受け身で割り込んでくる。
    • より積極的な影技の使用
      • 敵武将が影技回避を使用するようになった。強引に回避して反撃されるのは理不尽さがある他、敵武将は影技ゲージが存在しないので無制限に使用してくる。
      • 攻撃に使用する影技も多用するが、本作では影技3連打までしてくるようになった。
    • 敵武将に付与される無条件アーマーがさらに強化された。
      • 高難易度ではこちらがアーマー(不動)を習得していてもひるみやすくなるため、行動阻害効果のある属性で動きを止めるか、前述の騎馬無双で轢き倒すかが重要になった。

相変わらず不安定な武将間のバランス

  • この手のアクションゲームにはありがちな、攻撃動作等での使い勝手にどうしても優劣がついてしまう。
    • 特に前述した武器鍛工の影響で武器による差別化が難しくなり、より武将単品の評価で大きく分けられることに。
    • 武将それぞれが持つ特殊技の存在も大きく、イマイチ使いどころを見いだしづらいものからプレイ内容を粗雑にしかねないほど強力なものまで多種多様。
    • 武将の個性といってしまえばそれまでだが過去強すぎると言われた浅井長政の特殊技などそのままにしておくのはいかがなものか。
  • 技能と各種攻撃の相乗効果によるダメージの違いも大きい。特に修羅+凍牙+破天完備のガラシャが顕著。
    • ガラシャの特殊技はボタンをタイミングよく押すことで派生する攻撃が異なるが、特殊技2へ派生する際本来なら特殊技1を経由して発動するものが、特定のタイミングで押すと特殊技1の動作をキャンセルして特殊技2の頭上から大量のつららを落とす攻撃をいきなり出すことが出来る。
    • 本来ならワンテンポ遅れて発動するのでそれまでに攻撃され潰されてしまう、といった余地がなくなってしまうほど。しかも判定ひとつひとつに属性判定が行われるので結果としてダメージが桁違いにはね上がる。それこそ無限城高層の特殊ボスすら一撃で沈むほど。
      • もっともタイミングの問題などこれに関しては一種の「テクニック」であるためさほど影響はないとの見方も。

その他

  • 松永久秀の特殊技2に、武器攻撃で爆発を起こす効果が追加された。これ自体は性能強化として歓迎されている。
    • 問題は、この爆発がやたらフレームレートの低下を誘発する点である。敵の巻き込み方次第ではフレームレートが1桁付近、要は紙芝居レベルにまで落ち込む。
  • 毛利元就のC5-2でも特殊技1-3の効果が付与されるが、毛利の特殊技1-3は矢が貫通力を失うので使い所が大きく限られる。
    • そのため、迂闊にこの技を使えなくなった。テストプレイしろよ…。
  • DLCについては『4』で購入した物については『4-II』でも引き続き使えるのだが、『4DX』からは引き継ぎ不能。
    • 『4DX』が『4-II』より後で発売されたので仕方ない部分はあるが、『4DX』のセーブデータがあれば『4-II』でそれらを開放するパッチや、『4DX』のセーブデータがなければ購入不能な安価な『4-II』向け『4』DLCセット等、何かしらのフォローがほしかった所。

総評

美麗なムービーと豊富な会話シーンで描かれる武将の生き様は『4』同様健在。
調整・強化されたアクション、育成システムと無限城で長く遊べる作品になっている。

しかし、『4』からだけでなく、『4-II』単体でも使い回しが多く
実質的なボリュームが不足している点が多く批判され、評価を大きく落としてしまった。

ゲーム性としては難易度が低くお手軽な『4』・難易度が上がり手ごたえのある『4-II』と言った所か…。


余談

  • 実は2015年9月にWin(Steam)版『4-II』がリリースされ、PCには『2』以来のシリーズの移植となった。
    • 厳密には海外版タイトルである『SAMURAI WARRIOR 4-II』としての配信。日本語はサポート対象外で英語版のみとなる(ボイスは日本語)。おま国も健在。
    • 有志の方が日本語化パッチを公開して日本人ユーザー歓喜、と言いたい所だがあくまで英語版を通訳した物なので、新武将の命名には日本語入力が不可。
      • 当然、パッチの使用は自己責任で。
  • 本作は元々従来のシリーズと同じ『猛将伝』として企画されていたが、『4』発売と同年の2014年にカプコンが「"MIX JOY"がカプコンの所有する技術の特許に抵触している」としてコーエーテクモゲームスを訴えたことにより、独立した作品になったという経緯がある(参照)。
    • 後に裁判は2017年12月に"MIX JOY"の特許に対するカプコンの訴えを退ける判決が下ったものの、カプコンが控訴。2019年9月の控訴審ではカプコンが勝訴したとのこと。詳細はこちら。
      • これにより、以降の『無双』シリーズにおいて『猛将伝』はDLC拡張へと姿を変え、2018年に発売された『真・三國無双8』以降では『猛将伝』ではなく「シーズンパックDLC」の発売となり、『無双OROCHI3』も拡張版である「Ultimate」が大型DLCの形で配信されることとなる。 ゲームタイトルや実績データなどの整理もあり、追加要素のみ遊べる単独ソフトはもはや発売されないものと見られる*10
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最終更新:2024年03月26日 01:10

*1 開始時に『4』のセーブデータがあれば特典はもらえる。

*2 初代『戦国無双 猛将伝』から伝統のセリフ。元は今川義元の無双演武で、蹴鞠ばかりしている義元に対して配下の朝比奈泰朝(モブ武将)が放った発言の1つ。

*3 基本的にお互い強制終了になるが、たまに一方的に勝てる。

*4 形状としては『真・三國無双6』のクロニクルモードのマップに近い。

*5 習得済の物は習得レベルが適用される。

*6 無双ゲージが30秒間減らない)で5回ほど連続で使えるようになるほか、敵兵が多い箇所では戦巧(+直江兼続。

*7 「会話と一部の武将専用ミッションが異なるだけで基本的なミッションの流れが同じ合戦」が存在している。

*8 端や隣接ボーナスを駆使すればもう少し少なくなる。

*9 アップデート後の話。アップデート前は無限城1階を繰り返すのが最適解だった

*10 『猛将伝』における追加ディスクを前提とした商法は以前からファンの間でも批判があったため、『猛将伝』の廃止を肯定的に見るユーザーも存在する。