マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック

【まりおあんどそにっく あっと ばんくーばーおりんぴっく】

ジャンル スポーツ
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 任天堂
開発元 任天堂
セガ
発売日 2009年11月19日
定価 4,571円 (税別)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 2個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント 「マリソニ」初の冬季五輪
Wii版とDS版との差別化傾向が強い
シリーズ最高傑作との声も
マリオ&ソニックシリーズ

WiiとDSで同名タイトルが発売されていますが、本項では主にDS版について解説し、Wii版は参考記述扱いとします。



概要

前作『マリオ&ソニック AT 北京オリンピック』に続くオリンピックシリーズ第2弾にして、初の冬季オリンピック作品。2010年にカナダのバンクーバーで開催された大会が題材である。
今回もWii版とDS版が発売された。前作同様収録競技に違いがあるほかWii版には「フェスティバル」、DS版には「アドベンチャーツアーズ」というそれぞれ独自の追加要素がある。


システム

  • 本作ではオリンピック15競技、ドリーム12競技が収録されている。
    + オリンピック競技一覧 カッコ内は種目。
  • アルペン大回転(スキー)
    • 現実の「大回転」に相当。後ろ視点で、キャラクターをタッチペンで操作して滑走する。
  • ジャンプラージヒル(スキー)
    • タッチペンで下から上にスライドして滑空。左右バランスを調整し、最後に再びスライドして着地。
  • モーグル(スキー)
    • タッチペンでこぶを上手くターンし、ジャンプ台ではコマンドをスライド入力して技を決める。
  • クロスカントリー(スキー)
    • 種目はスプリント。Aボタンで加速しながらも、スタミナが尽きないように時折加速ペースを調節する。コース上の緑色の部分に触れるとスパートがかけられる。
  • ノルディック複合(スキー)
    • ジャンプラージヒルとクロスカントリーを連続でプレイする。ジャンプの成績によってクロカンのスタート時間に差がつく。
  • スピードスケート500m (スケート)
    • LボタンとRボタンを交互に押して滑走する単純なルール。カーブではLボタンを押しっぱなしにして、Rボタンを連打する。
  • ショートトラック500m (スケート)
    • 操作方法はスピードスケートと同じだが、ルール上ライバルとの衝突が頻繁に起こる。また、スタミナの概念があり、切れるとスピードが遅くなる。
  • フィギュアスケート(スケート)
    • リンク上の音符マークに沿ってタッチペンでキャラクターを操作。途中にはコマンドを入力する「ジャンプ」、回転スライドする「スピン」のほか、観客の手拍子をリズムゲーム感覚で操作する場面もある。
    • 曲目は低難度順に「くるみ割り人形」「カルメン」「こうもり」。
  • スノーボードクロス(スノーボード)
    • Yで加速しながら、LRで曲がる。途中のジャンプ台では大ジャンプでタイムを縮められる。
  • ボブスレー(ボブスレー)
    • 種目は2人乗り。十字ボタン左右とA・Yボタンで2人の息を合わせて曲がる。
  • スケルトン(ボブスレー)
    • タッチペンで操作。上手くキャラクターをタッチしてスピードを出していく。
  • バイアスロン(バイアスロン)
    • 種目はスプリント。クロスカントリーと同じやり方でレースしながら、周回時に射撃もする。スタミナが減っていると照準が揺れて撃ちにくくなる。
  • アイスホッケー(ホッケー)
    • 2対2で戦う。タッチペンで2人を交互に操ってゴールを目指す。パスを繰り返すほどゴールが決まりやすくなる。
    • 2回戦方式。
  • カーリング(カーリング)
    • 本番さながらにタッチペンで氷をこすってストーンを誘導する。
    • 2回戦方式。
  • リュージュ(リュージュ)
    • 種目は1人乗り。スピードレーンの上を滑り続けるようにボタンでソリを操作する。
  • + ドリーム競技一覧
  • スキークロスレーシング(スキー)
    • 吊り橋やパックンフラワー、大ジャンプなどの奇想天外なギミックがあるコースを駆け抜けて1位を目指す。
    • 因みに、スキークロスが現実のオリンピックで公式種目になったのはこのバンクーバー大会が初である。
  • スキーエアダイブ(スキー)
    • ジェット噴射のついたスキーで大ジャンプ。タッチペン操作で上手く燃料やアイテムを回収しながら、飛距離を伸ばしていく。着地のうまさなどは判定されず、とにかく飛距離のみで順位が決まる。
    • ただし、着地点は流氷。当然狭く、止まりきれずに海に落ちてしまえば失格になる。ソニック死亡確定。
  • 音速スーパー滑降(スキー)
    • 障害物をジャンプして避けながら、急斜面を滑降してタイムを競う。途中にはスピードを上げるキノコや、障害物に当たってもミスにならないバリアが設置されている。
  • エキサイトショートトラック(スケート)
    • 豪華客船に設けられたスケートリンクを滑走して1位を目指す。途中には落とし穴があり、落ちるとタイムロス。
  • クライマックスフィギュア(スケート)
    • フィギュアスケートと操作は同じだが、最後に観客の手拍子でボスと戦うことになる。
    • 曲目は低難易度順に「マリオメドレー」「ソニックメドレー」「マリオ&ソニックメドレー」。
  • デラックスハーフパイプ(スノーボード)
    • 曲がりくねったハーフパイプで、タッチペンのコマンド入力で技を決めて点数を稼ぐ。
  • スノーボードエクストリーム(スノーボード)
    • ワンワンや爆弾などの危険なギミックが設置されたコースをスノーボードで駆け抜けて1位を目指す。アイテムもあり、さながらマリオカートのよう。
  • ヒートアップボブスレー(ボブスレー)
    • 複数のボブスレーが同じコースを滑り、より早いゴールを目指す。途中には障害物として雪だるまが設置されており、当たり過ぎるとボブスレーが壊れてリタイアとなってしまう。
  • スキーシューティング(シューティング)
    • 次々に現れる的を撃って点数を稼ぐ。同じ色の的を撃ち続けるとコンボボーナス。
    • 第3ステージだけはスキーで滑りながらになるが、スキーの操作は自動。
  • フィーバーホッケー(ホッケー)
    • アイスホッケーと同じルールだが、リンク中央のボーナスゲートにパックを当てると得点が最大5倍になる。
    • また、タックルを受けなくなる「スーパースター」、敵を足止めする「カオスエメラルド」などのアイテムが出現する。
  • カーリングボウリング(カーリング)
    • その名の通り、カーリングのストーンでクリボーを倒すボウリング。ルールはボウリングと全く同一。
    • レーンにはストーンの大きさを変えるポイントや、得点を2・3倍にするゲートが設置されている。
  • スノーマシンファイト(スノーマシン)
    • 雪玉を発射する戦車に乗って雪合戦をする。マシンにはライフがあり、5発当てられると壊れてしまう。
    • 1台壊すごとに、壊したプレイヤーに1枚メダルが与えられる。最後にもっとも多くのメダルを持っていたプレイヤーの勝利。

ウィンターゲーム

COMのつよさは前作同様3段階。最高レベルの「つよい」に1位で勝つと称号が得られる。

  • ワンマッチ
    • 好きな競技を1つプレイする。
  • ラウンドマッチ
    • 3回戦、4回戦、5回戦があり、好きな競技を好きな順番でプレイする。マリオカートのグランプリのように、順位によって配分されたポイントが最後に高かったプレイヤーが優勝。
  • ゴーストトレード
    • 新機能。ゴーストの送受信ができる。
      • 可能な競技は「アルペン大回転」「スピードスケート500m」「ボブスレー」「スケルトン」「リュージュ」の5つ。
  • バラエティ
    • 競技を交えたパーティーゲーム3つを収録。
      + 詳細
    • ラッキービンゴ
      • まずは一人一枚5×5のビンゴカードが配られる。続いてビンゴマシンが作動して中からボールが出てくるので、その内容に沿って穴を開けていく。決めた個数のビンゴができたらクリア。
        • 「キャラクターボール」が出た場合、そのキャラクターのマークが描かれたマスを空ける。
        • 「競技ボール」が出た場合、その競技をプレイする。規定された順位になればマスが空けられる(1位のみの場合とビリ以外全員空けられる場合がある)が、基準に満たなかった場合はそのマスが封印されて二度と空けられなくなってしまう。
        • 「スターボール」が出た場合、全員が中央のスターマスを空けられる。
        • 「ハプニングボール」が出た場合、様々なハプニングが起きて勝負を撹乱される。
    • スピニングルーレット
      • 最初にスロットで競技を決め、その順位の順にルーレットを回し、当たった所に書かれたポイントが手に入る。
        • 高い順位ほど貰えるポイントが全体的に高くなり、さらにビリ以外はアイテムも手に入る。アイテムは自分や相手に使ってルーレットの出目を操作できる。
    • タクティクスカード
      • あらかじめ配られたカード4枚を競技結果によって交換し、同じ種類のカードを多く集めることを目指す。4枚揃った場合はその時点で終了。
      • 競技で1位のプレイヤーは2回、2位のプレイヤーは1回、好きな相手の好きなカードと自分の任意のカードを交換できる。3位・4位は自分で交換することはできず、さらに4位のプレイヤーは自分のカードを1枚オープン(開示)させられてしまう。

アドベンチャーツアーズ

  • DS版限定のストーリーモード。
    + ストーリー 2010年2月、平和の祭典冬季オリンピック*1。一面真っ白な雪に覆われた会場では、開幕に向けて準備も万全。
    ところがそこに現れたのはクッパエッグマン。2人はオリンピックが開けないように会場の雪を全部とかし、さらには雪を降らせている5匹の「雪のようせい」たちをさらっていきます。
    オリンピックを見に来たマリオソニックは、会場に雪がないことにびっくり。クッパとエッグマンからうまく逃げ出した雪のようせい「ウィン」に助けを求められ、雪のようせいたちの救出へと向かいます。
    クッパとエッグマンから無事に雪のようせいを助けだし、会場に雪を取り戻すことができるか?マリオとソニック、そして仲間たちのオリンピックを舞台とした冒険がはじまります。
    (公式サイトより)
    • RPG感覚でマリオかソニックを操作していく。どちらを操作するかは基本的に自由だが、どちらか一方にしか使用できないギミックがある。また、少し会話の内容が変わる箇所がある。
    • 道中にはノルマが書かれた看板が建っており、競技をプレイしてノルマをクリアすればその看板に☆マークがつく。!マークが出ている看板をクリアすると「クリスタル」が手に入り、規定数集めると先に進めるようになる。
      • 鉄でできた看板はクッパ・エッグマン軍団との戦いで、クリアが必須となる。
      • クリアできなかったり、途中リタイアしたりするとハートが減る(一度でもクリアしたものを除く)。0になるとクリスタルを失いウィンタウンに戻されてしまう。
      • ウィンタウンにいる白ヘイホーに話しかけると「クリアチケット」が貰えることがある。難しいミッションや鉄看板にも使用できるが、ラスボス戦ではさすがに使えない。
    • マップには「ホワイトストーン」が落ちている。これをルージュ(ソニックシリーズのキャラ)に渡すと、過去のオリンピックの聖火トーチやポスター、キャラクターなど関連グッズを持ってきてくれる。
    • また、マップに生えた「メイプルツリー」の落ち葉を拾うと、オリンピックのトリビアが手に入る。
      • 上記2つはウィンタウンのギャラリーで見ることができる。
    • 道中、競技とは別のミニゲームをプレイする箇所がある。一度クリアしたミニゲームはアドベンチャーツアーズのメニューから好きなだけ遊べるようになる。

その他

  • マイレコード
    • 自身の競技成績やゲームプレイで得た称号を見ることができる。
  • 前作に続きWi-Fiによる世界ランキングを実装。本作では新たに、フレンドコードを入力することでフレンドのみの「フレンドランキング」も見られるようになった。

評価点

非常に充実した内容

  • 本作では実際にバンクーバーオリンピックで行われた全ての競技を収録している。元々夏季に比べ冬季オリンピックの競技数が少ないのもあるが、優れて評価できる点である。
  • 新要素のアドベンチャーツアーズもかなり奥深く、熟練プレイヤーでも手こずるようなミッションも複数存在する(もちろんクリアに必須ではないが)。「白ヘイホーのお世話になったミッションをもう一度プレイしてみたら、簡単にクリアできた」という経験があるプレイヤーも多いのではないだろうか。
  • バラエティもかなり好評。競技とボードゲームをうまく絡めたゲーム構成は正直完璧に近い。
    • 1つ1つの競技結果で起こる影響がほぼ完全に独立しているため、苦手な競技で失敗しても次回以降に勝つことができれば容易に巻き返しができる。
  • ドリーム競技のハチャメチャさの増加
    • 競技数の大幅増加もさることながら、本作のドリーム競技はもはやバカゲーレベルにまでぶっ飛んだ種目が多数存在する。これらはオリンピック競技とは完全に区別されているうえ、完成度も高いので評価が高い。
      • 雪玉戦車で戦闘する「スノーマシンファイト」などまだ序の口。
        ジェットエンジン付きのスキーで流氷に着陸する「スキーエアダイブ」、ボブスレーでぶつかり合いながらレースをする「ヒートアップボブスレー」など、子供の空想でも思いつかないような競技ばかりである。
  • BGM・グラフィック
    • パッケージのDSソフトとしては事実上末期の作品ということもあり、全体的にクオリティが高い。
      • 実在の競技会場はリフトまで再現されており、本物さながら。前作では無かった報道陣なども配置されていて、臨場感がある。
      • ドリーム競技の会場も、競技の凄まじさに比例して面白いものになっていく。カーリングボウリングの会場に至っては全てが氷で作られたドームの中でプレイすることになるなど、ファンタジー感ある世界観がよく表現されている。
    • BGMも好評。競技時間の増加に伴って1ループが長い物が増え、ボブスレーやスキークロスレーシングの曲などは盛り上がりからの疾走感が実際のプレイとぴったりマッチしている。

キャラクターの増加

  • 前作に加え、マリオシリーズからクッパJr.とドンキーコングが、ソニックシリーズからシルバーとメタルソニックが参戦。これらのキャラもしっかりアドベンチャーツアーズに登場する。

賛否両論点

  • 集めにくくなったトリビア・オリンピックグッズ
    • 前作ではトリビアのために低レベルなゲームを遊ばせられることに不満が上がっていたが、先述の通り本作ではアドベンチャーモードのマップをくまなく探索してようやく手に入る仕様である。
    • やりこみ要素として評価する声がある一方で、アドベンチャーツアーズが苦手なプレイヤーにとってはせっかくの追加要素がさらに集めにくくなってしまうこととなった。
    • もっとも、発売当時で考えても「サラエボ五輪 トーチ」「長野五輪 キャラクター」のように検索すれば間違いなく画像付きでヒットする。無理して集める必要があるかと言われれば…

問題点

  • 俯瞰視点競技の存在
    • クロスカントリーと音速スーパー滑降が該当。これらの競技は他と違い横視点でプレイするのだが、表彰式でもその視点が変わらない。通常は各キャラクターがアップで映されるのだが、この2つではただ順位とボイスが聞こえるだけになってしまう。バイアスロンのように表彰式のみ他会場にできなかったのだろうか…
  • アドベンチャーツアーズの一部キャラを使えない
    • ほねクッパ、エッグマンネガ、ビッグが該当。色違いキャラであるが、特に前2つは専用ボイスまで収録されているため使用できないのは残念である。
  • 前作に引き続いての問題だが、キャラ毎の性能差がやはり分かりにくい。

総評

初の冬季オリンピックシリーズであったがとにかく追加・進化点が多く、良作といえるだけの出来だろう。
携帯機の性能を十分に活かして、バンクーバーオリンピックの雰囲気を楽しめるようになっている。


Wii版(参考記述)

  • DS版と収録競技が異なる他、Wii版には「フェスティバル」という独自要素がある。

iOS版(参考記述)

  • iOSで2010年1月30日に『ソニック AT バンクーバーオリンピック』のタイトルで配信。
    • タイトル通りマリオ不在でソニックファミリーのみの登場となっている。4種目を収録。
    • しかし、配信から1週間足らずの2月4日に突如配信終了。(参考記事(英語))
    • スマートフォン版はその後、10年後の『ソニック AT 東京2020オリンピック』の登場を待つことになる。
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最終更新:2023年03月16日 12:34

*1 作中でバンクーバーとは一度も明言されない