ペーパーマリオ オリガミキング

【ぺーぱーまりお おりがみきんぐ】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 Nintendo Switch
発売元 任天堂
開発元 任天堂
インテリジェントシステムズ
発売日 2020年7月17日
定価 5,980円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 なし
ポイント 謎解きメインのアクションアドベンチャー
キャラクター・ストーリー・BGMの人気が高い
戦闘システム(特に通常戦)は賛否両論
CERO:Aの限界に挑んだ描写の数々
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

ペーパーマリオシリーズ6作目。 オリガミの軍団に侵されたキノコ王国を舞台に、マリオの新しい冒険が描かれる。

本作はゲーム性を大きく一新し、「360°バトル」という独自の戦闘システムを導入している。

前々作や前作とは毛色の異なる新システムに対し、『ペーパーマリオシリーズ』のファンからは様々な期待と不安を背負って発売された。

あらすじ

ピーチ姫から、オリガミまつりの招待状を受けとったマリオとルイージ。
うきうきしながらキノピオタウンに到着すると……
どうしたことでしょう。町には誰もいません。

不思議に思いつつピーチ城に向かうと、そこにはオリガミになったピーチ姫の姿が!
おどろくマリオの前に、とあるオリガミが現れてこう名乗りました。
「私はオリガミ王国の王、オリー王である!」
オリー王は、マリオのなかまの「ペラペラ」たちを折りたたみ、
世界をオリガミのための「オリガミ王国」に作り変えてやると言い放ちます。
すると、あちらこちらから巨大な紙テープがのびてきて、ピーチ城もろとも城を遠い山の上に運び去ってしまいました。

マリオは、オリー王の妹「オリビア」や、 時にはペラペラのクッパ軍団と共に世界をかけめぐり、オリー王の野望を阻止すべくピーチ城をめざします。

(公式サイトより)

特徴

構成

  • ステージ制が廃止され、『ペーパーマリオRPG』以前のように広い世界を冒険するスタイルに回帰した。
  • 冒険の目的は、悪のオリガミ・オリー王を倒すこと。敵の拠点となったピーチ城は5色のカミテープによって封鎖されており、各地に散らばったテープの本体を破壊しなければならない。5つ全てのカミテープを破壊し、オリー王に立ち向かうのがこのゲームの目的となる。

システム

  • 今作は謎解きを軸としたアクションゲームである。3D空間でマリオを操作し、ストーリーを楽しみながら各地の謎を解き明かしていく。
    • シンボルエンカウントによる戦闘が各地で挿入されるものの、経験値の概念は存在せず、報酬は様々な用途に使えるコインのみ。RPGのような成長要素は無い。
    • 総合すると、本作は『ゼルダの伝説シリーズ』のようなアクションアドベンチャーに近い。
  • シリーズおなじみのサポートキャラとして、本作ではオリガミの女の子・オリビアが登場。
    • 本作の黒幕・オリー王の妹であり、暴走した兄を止めるべくマリオと冒険の旅に出かける。
    • 道中では魔法陣の力を借りてマリオを手助けしたり、困った時のためのヒントをくれたりする。
    • どことなくおとぼけな一面があり、時折ズレた発言もかましてくる、本作のコメディリリーフ。
  • オリビア以外にも、ゲームを進めているとなかまが旅に同行してくれる事がある。
    • マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』のように本格的な共闘をするわけでは無いが、通常戦闘で時々加勢をしてくれる。
  • 謎解きやバトルでも活躍する「カミの手」システム
    • 本作の「360°バトル」に次ぐ目玉要素。
    • 特定の魔法陣の上で発動でき、発動するとマリオの両手が厚紙のような材質の巨大な腕に変化する。遠くのものを掴んだり叩いたり、或いは壁を破って新たな道を開いたりできる。
    • カミの手はボス戦でも活躍し、敵に強烈なダメージを与える手段にもなる。専用のフィニッシュ技もあり、カミの手でボスのHPを0にできれば「カミの手フィニッシュ」と言う専用ボーナスを獲得できる。
  • フィールド画面では、各種収集要素を集めながら冒険を進めていく。
    • 道中には、オリー王の手でオリガミにされたり囚われの身になったりしたキノピオ達が散らばっている。見つけて救出してあげると、戦闘の際に助けを求める事が可能。
    • 各地には、オリー王による破壊の跡である「スカスカ穴」が存在する。これらは道中で手に入る紙吹雪状の紙片「カミッペラ」をばら撒くことで修復が可能。
    • 収集要素の達成度に応じて、キノピオタウン(本作の拠点地)の博物館に様々なご褒美が展示される。
  • 各地の街では、攻略をサポートする武器・アクセサリーが購入可能。

戦闘

  • 特徴でも述べた通り、本作は「360°バトル」という独特なシステムを採用している。
    • 従来のペーパーマリオシリーズの戦闘に加え、パズルの要素を組み込んだ一風変わった方式となっている。
    • 通常戦闘とボス戦では大まかな操作が共通しているが、ゲーム性は全くの別物。
    • ステージの外周には観客席があり、助けたキノピオ達が観戦している。
      • 戦闘中、コインを払う事でキノピオ達に助けを求める事ができ、パズルを簡単にしてくれたり敵に攻撃をしてくれたりする。
      • パズルには難問も含まれるため、キノピオの運用はそれなりに重要となる。
    • 戦闘に勝利すると、キノピオの召喚やアイテムの購入に使えるコインを入手可能。
      • 上手な戦いをするほど、もらえるコインの量が増える。
  • 通常戦闘
    • 敵に接触すると戦闘が発生。円形フィールドの中央にマリオが立ち、周りを敵キャラが囲い込む。敵はターンごとに攻撃を仕掛けてくるので、マリオはこれを迎え討たなければならない。
    • 戦闘の前には、敵を整列させる"パズル"を行う。
      • フィールドの床は切り分けたバウムクーヘンのように分割されている。床面を直径方向にスライドさせたり、特定の円周を回転させたりする事で、敵の配置を変更し、マリオが攻撃しやすい位置になるよう調整する。
      • 整列には制限時間と移動回数が存在するため、急いで頭を回転させなければならない。また、パズルの難易度はシナリオの進行に従って上がっていく傾向にある。
    • 整列が終わったらマリオが手持ちの武器を選んで攻撃する。
      • マリオが攻撃しやすい位置*1に敵を配置出来ていた場合、マリオの攻撃力がアップする。
      • 武器には耐久力が設定されており、10回近く使うと壊れてしまう。その為、敵を倒せる丁度良い強さの武器を考え、運用していく事になる。
      • なお、初期装備の「マリオのブーツ」と「マリオのハンマー」は壊れることはない。
      • ゲーム後半でも序盤の雑魚敵が出てくるため、初期装備や格落ち気味の装備が有用となる機会も多い。
      • こう聞くとファイアーエムブレムシリーズなどのような武器リソースの管理が必要かと思われるが、供給バランスはイージー。各地で簡単に購入でき、簡単に元を取れるので、壊れる事や集め直す事への煩わしさは殆ど無い。
    • 敵を倒しきれなかった場合、反撃が行われる。
      • 過去作同様、攻撃のタイミングに合わせてボタンを押すとガードまたは回避が可能。
    • 敵の反撃が終わると、残った敵を再び整列させるパズルが始まる。以下、全ての敵を倒せるまでこの手順を繰り返す。
    • 時には、連戦で敵集団と戦う「ウェーブバトル」という物も。
  • ボス戦
    • 特定の局面で行われるボス戦では、ボスが円形フィールドの真ん中に配置され、逆にマリオが外周に待機して戦闘が始まる。
    • ターンが開始すると、フィールドには敵の代わりに沢山の"パネル"が配置される。続いて雑魚戦同様に床を動かし、パネルの配置を好きなように変える事ができる。
    • 配置が終わると、パネルに描かれた矢印に沿ってマリオが移動し、途中に落ちている回復アイテムやバフ効果などを獲得する事ができる。最終的に攻撃パネルを踏む事が出来れば、通常戦同様にボスを攻撃する事が可能。
      • 踏めなかった場合は何もできずに終わる。
      • 攻撃の位置や方法に応じて、敵の行動が変化する。時には手痛い反撃をくらったり、相手に回復の余地を与えてしまう事もあるため、考えて行動しなければならない。
    • 攻撃が終了すると、敵の反撃がスタート。その後は整列するところから再開する。これを繰り返し、敵のHPをゼロにすればクリアとなる。
  • フィールド戦闘
    • これらとは別に「ハリボテ兵」と呼ばれる敵とフィールドで直接戦闘を行う事もある。
    • そちらの戦闘方式は完全にアクションアドベンチャーとなっており、相手の攻撃を避けてからハンマーで殴るという流れが基本。
    • この方式で戦うボスも何匹か存在する。更にやりこみ要素としてこの戦闘方式専用の施設もある。

評価点

本作の主な魅力は、その冒険要素に詰まっている。演出やストーリーなど、探検意欲を掻き立ててくれる工夫が随所に盛り込まれており、プレイヤーを飽きさせない。

  • 色濃いストーリー要素が復活
    • 今作は、マリオらしからぬ展開や「黒い任天堂」を匂わせるような、『スーパーペーパーマリオ』以前のシリーズを思わせる大胆なストーリーが描かれている。
    • 「オリガミ兵にされた住民は元に戻せない」というシリアスな設定に始まり、ゲーム序盤から挿入される際どいギャグ、コメディシーン、ブラックな展開などが豊富に盛り込まれている。
      • シュールギャグの趣きも強く、唐突なミュージカル展開が挟まれる事も。意表を突く演出が次から次へと出てくるため、先へ進もうというプレイヤーの意欲を触発してくれる。
      • 中でも、2面(青カミテープエリア)から登場する記憶喪失のボムへい(通称・ボム平)を巡る一連のストーリーは、人気が高い。
      • 直近二作品はストーリー面を弱くする方向で作られていた事もあり、こうした要素の復活に期待を寄せる声は少なくなかった。ペーパーマリオシリーズにストーリー面を求めていた古参ファンにとって、本作は好評を持って受け入れられる事となった。
    • ちなみに、シナリオ担当は『moon』などで知られる工藤太郎氏。彼は『ペーパーマリオ スーパーシール』からペーパーマリオシリーズの制作に大きく関わっていたが、ストーリーや演出要素の濃い本作でこそ本領を発揮したと言えるかもしれない。*2
  • ストーリーを彩る、個性豊かなキャラクター達
    • 相棒キャラのオリビアは苦難に揉まれながらも前向きに立ち直り、ゲームを進めるに連れて成長を見せていく。時には巨大な"カミさま"に変身してマリオを強力にサポートする姿も印象的で、プレイヤーからの人気が高い。
    • スポット参戦する仲間達も、印象的な人物ばかり。『ペーパーマリオRPG』以前のようなデザイン面の差別化は強くないものの、それらとはまた違った魅力がある。
      • ストーリーの項で述べたボム平以外にも、3面(黄カミテープエリア)の考古学者キノピオは特に人気。
    • 中でも一際異彩を放つのが、各地の拠点を防衛するボスキャラ・ブンボー軍団。なんと一切擬人化されていない文房具達が、ユニークな人格を露わにしつつマリオに立ち向かってくる。
      • スーパーマリオRPG』のカジオー軍団が武器を擬人化したキャラクターだったのに対し、こちらは文房具そのもの。
      • 方向性としては『シール』『カラスプ』に出てきた"モノ"の延長にあたる。『シール』以降の悪印象が拭えないプレイヤーの意見に加え、イロモノ臭全開のビジュアルもあり、発売前は賛否両論があった。
      • しかしいざ発売されると、見た目に反して生き生きとした性格・各々の性能を駆使した悪辣非道な行いなどが話題を呼び、本作を語る上で欠かせない存在にまで躍進。
      • 中でも、5面(緑カミテープエリア)のハサミは語り草である。作中の外道な行い、残虐な性格に加え、紙でできたマリオたちにとって名実ともに本作最強のボスとして立ちはだかる存在感から、否が応でも印象に残ると思われる。
    • おなじみのキャラクター達も、上手くスポットが当てられている。
      • 今作のクッパは共通の敵を前にマリオと共闘*3。ペーパーマリオシリーズでは『シール』以降オーソドックスにラスボスを勤めてきた事もあり、「ラスボスはクッパ以外にしてほしい」という意見が後を絶たなかったが、本作はその要望に応える形となっている。『スーパーマリオRPG』『マリオ&ルイージRPG3!!!』などで見られた頼もしいクッパ様を味わいたいファンは必見。
      • 今作のルイージは、ピーチ城に突入する為のカギを探す為、マリオとは別行動で冒険に勤しんでいる。どこか頼りないけれど、美味しいところで冒険の助けになってくれる、魅力的なトリックスターとなっている。
  • 「紙」の世界を表現する美しいグラフィック
    • いわゆるフォトリアル系のグラフィックとは全く真逆の方向性だが、とにかく世界の全てが「紙」でできていることがわかるグラフィックは圧巻の一言。
    • 各種オブジェクトはもちろん、水や溶岩まで「紙」でできているのがわかるほど。
    • 平面のマリオたちに対し、立体的なオリガミたちの対比も見事な完成度である。
  • 非常に緻密に設定されたHD振動
    • ジャンプ、ハンマーと言った基本アクションに始まり、扉の開け閉め、乗り物、イベント演出などなど、『スマブラSP』並に非常に細かくHD振動が仕込まれている。臨場感の演出に一役も二役も買っていると言える。
  • 探索の楽しさを引き立てる世界観
    • マリオ達の冒険の目的は「どこかに伸びるカミテープを追っていく」という単純明快なもの。広大な空の向こうを見ながら、「次の目的地はどんな場所で、どこにテープが散ったのだろう」と、ワクワクした気持ちを掻き立ててくれる。
    • 本作の舞台は山あいのキャンプ場に始まり、展望台のある高原、切り立った崖に建てられた遺跡、紅葉の美しい湖……と、思わず見て回りたくなるような観光スポットが中心となっている。
      • これらは全て"紙"だけで表現されており、グラフィックの向上を実感させられる。
    • 見ていて楽しいだけでなく、思わぬ隠し通路やあっと驚く小ネタまで、意外なものが散りばめられている。1周目で全部拾うのは難しく、隠し要素のコンプを目指すと思わぬ発見があったりも。
      • 特定のタイミングで特定の行動を取らないと見られない小ネタもかなり多く、作り込みは申し分無し。
      • 収集要素であるキノピオも、隠れ方が結構ユニーク。例えば、音声案内や看板を調べたら助けを求める声が聞こえ、その場に隠れている事が発覚する……といった場面も。小気味良い演出が随所に隠されており、寄り道が楽しいゲームに仕上がっている。
    • ゲーム中である条件を満たせば、収集を楽にするアイテムも入手可能。
  • ギミック満載で自由なボス戦
    • ボス敵は、各々の個性に応じて様々なギミックをステージに加えてくる。
      • たとえば「イロエンピツ」はステージ内にミサイルの照準を合わせて牽制、「水ガミさま」はステージ上のパネルを押し流して踏めなくしてしまう、など。
    • 相手に応じて様々な対応を求められるため、毎回違った楽しみを味わう事ができる。色々な戦法を試し、相手の弱点を突く事ができた際の快感はたまらない。
    • ボスの倒し方はある程度決まっているが、敢えて正攻法を無視する縛りプレイも可能だったりと、一応それなりの自由度がある。
      • なお、あるボス戦で特定の部位を破壊すると、敵の攻撃パターンが普段よりも早いタイミングで強化される。
  • やりこみ要素の充実
    • エンディングを見るだけなら20~25時間で達成できるが、その後のやりこみ要素として「トロフィー」が用意されており、ボリュームは十分。
    • トロフィーの取得には収集要素のコンプリートだけでなく、一部ミニゲームの好成績クリアによって取得できるものもある。かなり厳しい物もあるため、本編がクリアできる腕前でも気は抜けない。
      • 全てのトロフィーを集めてエンディングを見ると……?
    • また、本作には隠し称号が二つ用意されている。一度クリアしたプレイヤーでも、称号を目指してストイックに遊ぶ事が可能。
      • 一つはゲームオーバー無しでのノーコンティニュークリア、もう一つは戦闘用アクセサリーを一度も装備せずにクリアで獲得可能。これらを達成するとエンディングの一枚絵でこっそり表彰され、ファイル選択画面でアイコンが付くようになる。
    • これらを遊びきっても、ボス戦やパズルの速さを競うタイムアタックモードが用意されており、ストイックに極めることが可能。
  • マリオシリーズに関するファンサービスの充実
    • 前作や前々作を意識したセルフオマージュを始め、シリーズ一作目の『マリオストーリー』を想起させる要素など、シリーズファンならニヤリとする要素が随所にちりばめられている。こうした小ネタを見つけるのも一興。
    • ペーパーマリオシリーズに限らず、多岐にわたるマリオ作品の要素を色々と仕込んでいる。意外な作品からのアレンジ曲も。
      • 登場するオリガミ兵(雑魚キャラ)は幅広いシリーズ作品から選出。カニさんクリボンといったマイナー寄りのキャラも登場する。
    • なお、ゲーム後半ではマリオと全く関係の無い『ゼルダの伝説 風のタクト』を彷彿とさせる展開も……*4
  • BGMの評価が高い
    • 本作で印象に残る点として、BGMを挙げるプレイヤーは少なくない。
    • 通常戦闘BGMはエリアごとに編曲が異なる。どれも雰囲気に合わせて綺麗な曲調を発揮しており、特に青カミテープエリア関連は高く評価されている。
    • ボス戦も思わず熱くなれるメロディが印象的。ブンボー軍団には全員に固有の戦闘BGMが用意されており、ハサミ戦は彼(?)のキャラと相まってスリルをひと押しする要因となっている。
    • それぞれの戦闘BGMにも通常と考え中の2種類の編曲が用意され、パズルを操作している間は考え中のBGMに切り替わる。メロディがないながらも戦闘を盛り上げてくれるほか、切り替わるタイミングに応じた専用フレーズもあるため、BGMの切り替わりの違和感は一切なくスムーズ。
    • 戦闘だけでなく、2面(青カミテープエリア)のモミジ山やラストダンジョンのステージ曲も美しい曲調でプレイヤーに印象を与えてくれる。
  • ユーザーフレンドリーなゲーム設計。本作はUI面に力が入っており、快適なプレイが楽しめる。
    • 『シール』以降からの伝統で体力の最大値が増えてくると、弱い敵に遭遇した場合、先制攻撃を決めれば戦闘をカットできる。過去作の「ヤッツケアタック」を常時装備しているような状態と言えばわかりやすいか。
    • ステージ制は廃止されたが、細かいエリアごとに収集要素の達成度を確認可能。どこで何を取り逃がしたか、一目で把握しやすい。
      • 各要素の100%達成時は画面右上でアラートを出してくれるため、収集のカタルシスを刺激してくれる上に、分かりやすい。
    • ファストトラベルは存在しないが、エリア間のショートカットはこれでもかと言うほど徹底的に配置してあり、殆どストレスを感じさせない。かつてのホワイト将軍のようなイベントも無い。
      • ダンジョンの中盤まで進むと、序盤と中盤を繋ぐショートカットが開通できる事が多く、取りこぼしがあった際も安心。
    • 一部の謎解きで苦戦すると、難易度を下げてもらえる。
    • セーブ関連
      • セーブブロックを叩くと確認メッセージなしで即座にセーブしてくれるので、テンポが向上。その間およそ1秒。
      • また、即死トラップの直前にはほぼ必ずセーブブロックが配置されている。無視して進もうとするとオリビア(または他の同行しているキャラ)がセーブを勧めてくれる親切設計も。
      • セーブブロックからかなり間が空いてしまっている場面でも、直前からやり直しできる場合がある。
      • 一部のエリア移動の際にはオートセーブが入るため、うっかりセーブを忘れたまま死んでしまっても安心。
    • 細かい点ではあるが、ゲーム起動時のロード時間が近年のゲームで類を見ないほど短く、90年代のロムカセット並みにテンポが良い。起動すると数秒でタイトル画面に行けるのでストレスが無い。

賛否両論点

  • 癖の強い通常戦闘
    • 本作最大の賛否両論点。PVやプレイ動画を一見するとRPGのように見えるが、戦略性や育成要素は無きに等しく、実際は「パズルの成否で結果が決まる、RPG風アクションパズルゲーム」といった様相を示している。
    • 先述した通り、本作には経験値が存在せず、いくら戦ってもマリオが強くなる事は無い。この点は「スーパーシール」以降の形式を踏襲している。
      • 最大HPを増やすことができる収集アイテムの取得状況に応じて基本攻撃力が少し上がるのみとなっている。
      • 補足しておくと、報酬として充分なコインやカミッペラが手に入るため、『シール』のように「戦うほど損をする」といった極端な事は起きない。しかし、RPGのシステムを期待すると旨味が少なく感じられてしまう。
    • パズルが終了した後、マリオに出来る事は「敵を倒せる充分な強さの武器を選ぶ」「アクションコマンドを正確に決める」の二点だけ。選択の余地は無く、通常戦の自由度は低い*5
    • 戦闘の結果はパズルの成否に重点が置かれており、「パズルに成功すればそのまま敵を倒せて、失敗すれば敵を倒しきれずに反撃をくらう」という物になっている。言い換えると、「出題されたパズルに答えられるか否か」で全てが決まる謎解きゲームとなっている。
    • このため、戦闘面に『ぺーパーマリオRPG』以前の戦略性や育成要素を期待するプレイヤーは肩透かしを喰らいやすく、「なぜ戦闘の合間にパズルをさせられなければならないのか」と拒絶する意見も少なくない。
      • 一応、「そもそもゲームジャンル(アクションアドベンチャー)からして『RPG』とは言っていない」とは言い張れるため、プレイヤーが求めていたものとの乖離という次元の話にはなる。
    • なお、パズルが苦手なプレイヤーへの救済処置は充実している。
      • サイドイベントをクリアしたり、戦闘中にキノピオに助けを求めたりすることで難易度を下げられる。プレイヤーによっては、稼いだコインをここでふんだんに活用する事になるだろう。
    • ゲーム序盤のパズル難易度が低いのも難点。武器を持ち換えなくとも殲滅できてしまい、やりごたえがあまり無い。
    • 幸いカミッペラは近くの地形などからもわずかながら回収できるためバトルしなくても時間はかかるが補充はできる。
  • パズル要素とアドベンチャー要素が強すぎるボス戦
    • ボス戦の基本的な流れはヒントを見る→隠されたパネルを探す→そのパネルを起動させる為にパズルを揃えて特殊な攻撃でダメージを与えて次の形態というもの。
    • アドベンチャーとパズルの融合としてはそれなりに纏まっており、ボスによって明確な個性も与えられている点は評価される一方、従来のターン制RPGのような節約しつつ攻撃し合うような要素は殆どない。
    • 弱点以外の攻撃がほとんど通じないどころか、HPを全回復してやり直しになるボスが複数おり、その場合は普通の武器の大半が死に要素化してしまう。
    • 初見ではヒントを見る、箱を開ける、パネル起動のために揃えるで2~3手順踏む必要がありやや冗長。ゼルダのようなアクションADVと異なり、ボスの大半が無機物の文房具であるために外見や行動からヒントを得る事が難しく、敵の攻撃もノーダメージでやり過ごせる訳でもない。
    • ボスによっては死に際に左右に動き始めて突然アクションゲームに切り替わる、触れると即死する部分を切り替える、パネルを揃えるのに時間をかけるとHP回復等、ADVやパズルと異なる盤外戦術に近い行動を取るようになる。斬新な演出とも取れるが……。
    • ラスボス戦はそれらの総合に近く、第2形態以降は普通のバトルが一切ないミニゲームのような戦い方になってしまう。最終決戦に至っては まさかの時間制限で即死のパズルゲー 。幸いここで敗北しても最初からやり直しにはならないが、後述の問題点的には厄介な個所の1つとなる。
  • ストーリー面
    • 例によって攻め過ぎた表現が多く、良くも悪くもマリオらしからぬ作風となっている。
  • まずギャグ方面だが、とにかくネタに振り切っている部分が多いのが特徴。
    • テレビ番組、テーマパークなどなど幅が広すぎるパロディ、明らかにストーリーの流れをぶっ壊すシュールギャグなど、世界観をぶっ壊しに掛かるギャグが非常に多い。
    • 微妙に常識がズレているオリビアの大量の迷言も外せないところ。
    • 笑える人ならばとことん笑えるが、あまりに吹っ切れているためにこういうギャグに馴染めないプレイヤーは寒く感じかねない。
    • 80年代~90年代のパロディが中心のため年齢によってはカスリもしないネタも多く、ツッコミも殆ど入らないまま進むため人を選ぶ感は否めない。
  • 一方、重い方向の要素でも非常に力が入っている。
    • 特に話題を集めたのが「紙ゴア」とも評されるシーンの数々。3面(黄カミテープエリア)や5面(緑カミテープエリア)を中心に、登場人物が壊滅的な目にあうシーンが散見される。ユーザーからは「紙なのをいい事にできた表現」「紙じゃなかったらCERO:D~Z」などと言ったコメントが多く寄せられた。
    • 発売当時のTwitterでは、検索候補に「グロ」「倫理」などがサジェストされる事態に。
    • にもかかわらず、本作はCERO:Aである。そのせいで『スーパーマリオ オデッセイ』のCERO:Bがいっそう疑問視される事になったのは言うまでもない。裏を返せば「見方を変えればグロい」「人によっては精神的に来るものがある」程度の物であり、普通に遊ぶ分には全く問題無いのでご安心を。(欠損描写のあるキャラも最後は元に戻る)
      + 問題のシーンについて(ネタバレ注意)
      • 3面(黄カミテープエリア)のボス・パンチは、あらゆる物体に穴を開ける力の持ち主。劇中では空の太陽の位置に穴を開け、いつまでも夜が終わらない世界を作り出していた。
        • その後、彼は近隣に住むキノピオの顔に片っ端から穴を開け、自身の持ち場である遺跡に監禁。キノピオ達は喋る事も出来ないまま、ゾンビのような姿で囚われの身になっていた。
        • 遺跡の中盤では、穴の空いた沢山のキノピオ達がヒモで吊るされる姿を拝むことに……
        • パンチとの戦闘では、マリオの顔にも穴を開けられてしまう。マリオへの思い入れが強いファンであるほど、精神的なダメージが大きいだろう。
      • 5面(緑カミテープエリア)のボスは、評価点でも紹介したハサミ。紙でできた『ペーパーマリオ』世界の住民にとっては天敵以外の何者でも無く、おなじみのキャラクター達をバラバラに切り刻んでしまう。
        • 初登場シーンでは、父親を助けに颯爽とやってきたクッパJr.に襲いかかり、 真っ赤な背景をバックに彼をバラバラの紙片に。
        • ハサミが待ち受けるクッパ城内部では、駆けつけたクッパ軍団を迎撃。バラバラに切り刻まれた体が城の床に散乱していた。
        • マリオがハサミに対峙すると、切り刻んだクッパ軍団を材料にしてメットのハリボテを作り、マリオを襲わせる。デビルマンのジンメンを思い出した」という声も。*6
        • 猟奇的な性格の持ち主であり、以上の行動は全て遊び感覚で行なっている。戦闘ではマリオにゲーム感覚で戦いを挑む余裕を見せるが、ハサミの斬撃を食らうと、たとえマリオだろうと一撃で死亡。マリオが999ダメージとともに真っ二つにされるシーンはショッキング極まり無い。しかも途中からはこれしかしなくなる上にだんだんとフェイントまで混ぜてきだすので、回避に自信がないなら何とかして行動を封じる以外に勝ち目がない。
      • それ以外にもあるブンボー軍団へのカミの手を使ったフィニッシュも見方によってはショッキング。
        • 特にホッチキスは上顎と下顎を掴みそのままへし折るといった方法で止めを刺す。その際「へしおれ!」のメッセージが大きく表示される為、尚インパクトに残る。
    • そうした残虐表現以外にも、マリオ達がワンワンに襲撃されるシーンや、ラストダンジョンで穴に落ちた際の死亡演出など、恐怖をそそるシーンは随所に見られる。
    • ゲーム終盤では、敵の飛行機を撃ち落とすミニゲームが挿入される。ボム兵を使って相手を撃ち落とすのだが、その攻撃方法はそれまでのストーリーで描かれた倫理観に真っ向から反する内容。にもかかわらず、劇中で一切ツッコミは入らない。
      • あまりの内容に困惑するプレイヤーもいれば、「これが彼らにとって正しい生き方なのだろう」と考察するプレイヤーまで、様々な意見が存在する。良くも悪くも強烈なシーンとなっている。
  • ボム平について
    + 重要なネタバレ注意
  • 上記のボム平は、ストーリー中盤で障害物を破壊するために自らの命を引き換えに爆破したのだが、前述した「ボム兵を使って撃ち落とす」という描写に丸っきり相反してしまっている。
    • ボム兵の爆発=死という描写がされたのは本作が初である。過去作のピンキーとバレルは何度爆発しても平気であり、特に『ペーパーマリオRPG』ではモブのボム兵も爆発後に死んでしまうという描写は無かった。そのためか、「爆発したら上から降ってきて何事もなく無事でいるだろう」と思ったプレイヤーも居る模様。
    • プレイヤーによってはこの点が気になってしまい、ボム平のイベントに感情移入できない事がある。
  • 黒幕について
    + ゲーム終盤のネタバレ注意
    • ゲーム最終盤で明かされるラスボスの動機は、登場人物すら驚くほどに拍子抜けする内容。
      • オリー王の生みの親である折り紙職人キノピオは、オリー王が優しい王様になってほしく彼の腹部に願い事を書いたのだが、オリー王がその事を「お腹を汚した」と誤解したばかりに種族のキノピオ全体に手を出したとされており、実際にオリビアも唖然としている。折り紙職人のキノピオだけならまだしも、「みんな同じ顔だから」という理由で何の罪もない他のキノピオにまで手を出すのはいくらなんでもやりすぎである。しかもマリオ・クッパ・ピーチ姫に至っては巻き込まれる動機が全くないし、利用されたクッパ軍団の中には今回の騒動をきっかけに命を落としたキャラもいる。
    • 本作のストーリー面でも特に賛否両論があり、「萎えてしまった」という否定的な意見もあれば、先述のミニゲーム同様に考察の対象として受け入れるプレイヤーまで、幅広い感想が存在する。
      • というのも、ラスボスの境遇は人間のそれとはかなり異なっていて、一概に些細な動機とは言い切れない。最後には誤解であったことが判明して謝罪し、本人なりのケジメも付けている。
    • 今回のラスボスは『マリオ&ルイージRPG2』が引き合いに出されるほど外道な行いをしており、行動と動機のギャップがより印象を強めている。
  • 即死ポイントが多い。
    • 直前に「セーブをした方がいい」という助言がほぼ必ずあり、そこからやり直せる事が多いため、普通に遊ぶ分には問題無い。しかし、今作はゲームオーバーにならずにクリアするともらえる隠し称号が存在する上に後述するセーブの仕様が絡んでくるため、この称号の取得難易度が色々な意味で非常に高くなっている。
    • 中には即死攻撃が連発されるボス戦や制限時間で即死するボス戦、ほぼノーヒントで三択を突破しなければならない局面もあり、初見のノーミス達成はほぼ無理と言える範疇に足を突っ込んでいる。

問題点

  • 通常戦闘のテンポが悪い。
    • 今作の通常戦闘は1ターンあたり1~2分かかり、パズルに手間取ると撃破に数ターンかかってしまう。エンカウント制の戦闘としては所要時間が長く、ダレやすい。
      • というのも、パズルパートが数十秒の制限時間で構成されており、その後改めて戦闘パートに入る為、必然的に時間が掛かってしまうのである。
      • 前述のとおりシナリオが進むにつれてパズルの難易度が上がる傾向にあることも、戦闘におけるテンポの悪さを助長する。
    • 連戦「ウェーブバトル」に突入した場合、所要時間も倍になってしまう。
    • 逃走成功率はそこまで高くないので、面倒な時に逃げるという選択肢も取りづらい。
    • この点はパズル要素が受け入れられたプレイヤーにとっても難点であり、戦闘面が評価を下げる一因となっている。
    • また、先制攻撃の恩恵が殆ど無く、戦闘時間の短縮にならない点も難点。
      • 一度のバトルで4~12体の敵と戦うにもかかわらず、攻撃できるのは1体だけ。与えるダメージも中途半端で、得られるメリットが殆ど無い。
      • 先制攻撃自体は戦闘カットに使えるものの、強めの敵に使うメリットは殆ど無く、旨味がない。
  • 戦闘パートの必要性。
    • ここまで触れたように(ボス戦はいいとしても)そもそも通常エンカウント戦闘は存在意義が薄い。
    • スーパーペーパーマリオ以降のシリーズそのものの流れとして『コマンドRPGからの脱却』が目に付くが、本作はどっちつかず感が特に出てしまっている。
  • ザコ敵の個性がまるでない。
    • 敵がパズルピースのような扱いで1ターンで殲滅させるというコンセプトの仕様上、ザコ敵の個性は皆無。更にハンマーとジャンプで攻撃範囲が異なる設計もあるためか飛んでいる敵にハンマーが当たらないなんて事もなく、せいぜい突起物の有無で踏めるか踏めないかを判断する程度の違いしか無い。
    • 同エリアに出る敵はHPもほとんど大差無く、その時点の最強武器で攻撃すれば大体一撃。
    • 攻撃を一度無効化する敵も存在するもののコンセプトを阻害するためか非常にレアな敵となっており、どちらかと言うとリスト登録のために捜索されるような存在である。
  • 「モノ」の廃止
    • モノシールと、カードにおけるシュールでド派手な攻撃はかなり好評だったので廃止を惜しむ声も多い。
    • ただし本作では、モノの延長線としてブンボー軍団が登場しているため、キャラが被ってしまう点で廃止はやむ終えなかったのかもしれない。
  • 奥行きの距離感が掴み難い。
    • シリーズ共通の問題点だが本作でも同様。特にハリボテ兵との戦闘では奥と手前を行き来する事もあるため目立つ。
    • 一部のマップではカメラが上に引いてトップビューに近い視点に切り替わると言った形で配慮している節も見られるが、そもそも立体では無いキャラクターで奥行きのある空間を歩かせるのに無理がある。
  • セーブデータについて
    • 本作は一つのユーザーアカウントにつき、データを一つしか作れない。さらに一度クリアした後は、同じユーザーで新しく始める事はできず、周回プレイが不可能。
      • というのも多くのSwitchのゲームではメニュー画面で起動前にユーザーアカウントを選択する仕様だが、本作では起動後にタイトル画面でユーザーアカウントを選択する仕様になっているからである。
      • クリアデータを残したまま新しく始めたい場合には、本作のためだけにSwitchのユーザーを追加する必要がある。
    • ここで問題となるのが2つの隠し称号との兼ね合い。バトル用アクセサリはまだしも 一度でもゲームオーバーになった瞬間、二度と入手できなくなってしまう 方が問題で、すぐにリセットできなかった場合はNintendo Switch Onlineのバックアップで巻き戻すか、本体設定画面からデータを消してしまうしか無い。
      • 幸い、隠し称号は完全なおまけ要素で、これを必須とするストーリー等は存在しないのが救いか。
    • 隠し称号の存在は発売時点では公表されておらず*7、前情報無しでエンディングまで遊んだプレイヤーは涙を飲むことになってしまった。
      • 称号にこだわりたいプレイヤーは、専用アカウントを作成してから1周目を遊ぶ事が推奨される。
    • それでいてシナリオを見返す機能も無い。ストーリー部分が好評なだけにで惜しまれる点である。
  • 集合体恐怖症のプレイヤーに厳しいシーンが存在する。
    • 序盤のキャンプ場に置いてある木製製品を調べると、チェックした対象物に黒目が表示されるのだが、沢山積まれた薪を調べるとこまごまとした木片一つ一つに黒目が表示され、蓮コラ*8のような絵面になる。
      • これは本作特有のブラック描写などでは無く、純粋にスタッフの配慮不足と思われる。
    • 幸い、この薪を調べないと進行しないイベントは存在しない。これから遊ぶプレイヤーは「薪を調べてはいけない」と覚えておくか、それが来ると覚悟したうえで調べよう。
    • しかし、中盤の砂漠遺跡でミイラのハリボテと戦う際に大量に現れる落とし穴は回避不可能。こちらもまばらに穴が空き、蓮コラのようになる。こればかりは回避不可能なので、ミイラが出てきたら心の準備をしておこう。
+ アップデートで修正済みの問題点
  • 初期版ロムにて、詰み要素を含んだバグが存在する。
    • 一つは、収集要素の一つである敵キャラクターがコンプリート出来なくなるというもの。
    • もう一つは、あるステージのスタンプラリーをクリアして受付から景品をもらった後、再び受付に話しかけるとキーアイテムがもらえなくなり、進行不可能になるというもの(余程ひねくれた行動をしない限りは発生しない)。
    • いずれもアップデートで改善されたが、オンライン環境が無いプレイヤーは注意。

総評

戦闘の賛否こそあるものの、今まで不評だった『スーパーシール』や『カラースプラッシュ』から立て直し、紙だらけの奇妙で愉快な世界観はプレイヤーを魅了するには十分。
一方で戦闘面のパズル要素とグラフィックに反して重い表現は良くも悪くも人を選び、万人向けと呼べるのかは怪しい部分もある。
それでも本作については単体のゲームとしては高い完成度を持っていると言えよう。
重いグロ表現を許容でき、かつパズルが得意という方には自信を持っておすすめできる。 これから今作を遊ぶ予定ならば、敵との戦闘は極力避け、世界を回りストーリーを楽しむゲームであると頭の片隅に覚えておこう。

余談

  • 作中に登場するオリガミの一部は実際に作ることが可能。
    • 任天堂は、これらの折り方を説明した動画を公式配信している。「折られるキノピオ」では作中のように丸みを帯びた紙(キノピオ)を使っている。
  • 発売直後、『スーパーシール』以降のペーパーマリオシリーズにおける開発側の内情が明かされ、「 既存のマリオキャラクターを変更したり、マリオの世界観に関わるようなオリジナルキャラクターが出せなくなった 」という事実が明らかになった。(参照。但し、英語なので注意)
    • つまり、例えば『マリオストーリー』に登場したクリオやカメキ等のような改変キャラクターは明確にNGとなり、「オリジナルキャラクターを出す場合はマリオの世界観をまったく含まないデザインで作成する必要がある」という大きな制約が掛かってしまっている模様。
    • 長らく『スーパーペーパーマリオ』以前の作風に戻さない事について、スタッフに不信感を抱くファンは少なくなかったが、この情報公開を境に理解を示す声が増えている*9
    • 『シール』以降の"モノ"は制約のもとで生まれた要素であり、本作のブンボー軍団もその延長にある模様。
    • この事実により、本作の"ボム平"は制約に抵触しないギリギリのラインを攻めていたことが明らかになり、一転してスタッフの姿勢が評価される事となった。
    • しかしながら好評だった要素に制約を設けた結果として、公式トレーラーに圧倒的な数の低評価が付けられる、或いは「R.I.P. Paper Mario」を始めとしたシリーズの終焉を悼む動画が投下される等、「(嘗ての)ファン層からの反発」というシリーズ展開を続ける上での弊害が発生してしまった事は否定できない。
    • 今回の情報公開についても、マリオストーリー/ペーパーマリオRPGのような世界観のシリーズ新作が事実上絶望的となってしまった事に対して落胆する意見が決して無い訳ではない。少数ではあるが「何故態々その様な制約を設けなければならなかったのか」と、批判の矛先をあらぬ方向へと向けてしまったユーザーも確認されている。
      • そんな声の中、「Nintendo Direct 2023.9.14」にてペーパーマリオ初のリメイク作『ペーパーマリオRPG』がNintendoSwitchにて2024年に発売される事が発表。問題視されていた本作のオリキャラ達も問題なく継続されている。どうやらファンによる心配の危機は免れた模様。
  • 開発元がインテリジェントシステムズである事に加え、残酷表現や中盤のショッキングな展開・終盤のミニゲームの道徳の無さから、『ペーパーマリオ 風花雪月』と揶揄される事も。
    • 「風花雪月とシナリオ担当者が同じ」とされることもあるが、さすがにこれはデマ。『風花雪月』のストーリー担当はコーエーテクモ(シブサワ・コウブランド)が主導で、本作との接点はあまり無い。ライターが共通しているのはこちらの方である。
    • また、ISは一作目の『マリオストーリー』からペーパーマリオシリーズを担当している点にも注意。各記事を参照して頂くとわかるが、ペーパーマリオのやりたい放題な作風は本作に始まった事ではない。が、今作から始めたプレイヤーから見るとそう捉えられても仕方ない部分はある。
  • 奇遇なことに、本作のPVが初公開されたのと同日、『ペーパーマリオRPG』以前のシリーズ作品をオマージュしたインディーゲーム『Bug Fables ~ムシたちとえいえんの若木~』のSwitch版の「あらかじめダウンロード」が開始した。
    • ペーパーマリオシリーズは『RPG』以前の作風を求める声も未だ根強く、本作がRPGでない作品だった事もあってか、古参ファンからは引き合いに出されることとなった。
  • 発売から一ヶ月後、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に本作出典のスピリッツが配信されたのだが、そのうちオリビアのバトル内容が本作のショッキングなシーンを抉る物となっており、ファンからは阿鼻叫喚の声が上がった。(参考・リプライ等から重要なネタバレが推測できてしまうため、これから遊ぶプレイヤーは閲覧非推奨)
    • 『スマブラSP』のスピリッツモードは人の心が無い原作再現にも定評があり、発売から一年以上経った作品でも例外ではなかったようだ。
  • TETRIS 99』とのコラボ祭を開催していた。
  • 2020年12月の時点で国内47万本、全世界で305万本のセールスを記録。
    • 商業的な失敗をした『カラスプ』(国内累計7万本)と比べると売上は大きく躍進、全世界での売上はシリーズ最多となった。
    • ちなみに本作の発売日にはSIEから『Ghost of Tsushima』も発売され、世界的なヒットを記録。この日はライバル企業同士で目玉タイトルがぶつかり合う構図となった。

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最終更新:2024年02月04日 18:26

*1 2×2の正方形に収めるか、直線上に並べるかのいずれか。

*2 全くの余談だが、氏はSwitch版『moon』配信時のインタビューの中で、任天堂の新しい案件を秘密裏に進めていることを明かしていた。時期的に本作のことを指していたのでは無いかと推測されている。

*3 それどころかマリオと対立するシーンが一切存在しないという、シリーズでも珍しい立ち位置となっている。

*4 ある局面で「知恵・力・勇気」の試練を求められるなど、明らかな確信犯である。

*5 ボス戦の場合、アイテムの入手経路や敵の攻撃方法などをプレイヤーが工夫する余地があり、一定の自由度がある。

*6 後に手に入るおたからフィギュアから名前が「ヒャクメンハリボテメット」であることが判明するため、元ネタである可能性がある。

*7 発売から数週間後、公式ホームページで存在が示唆されている。それ以前にも、発売から早期の段階で多くのプレイヤーが発見している。

*8 黒丸の形をした蓮の実を、人体の一部分などに大量に貼ったコラ画像。端的に言えば、集合体恐怖症の人にとって非常に気持ち悪い画像、検索する際は要注意

*9 「ユーザーの要望を全然理解できていない」といった批判も根強かったが、「出したくても出せなかった」という事情が明らかになった事で、そういった批判の声は少なくなった。