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フィレオ・フィッシュは、探検隊によって討ち取られた南米アマダン共和国、タツタン・キチの原生林に生息するとされていた伝説の飛獣。UMAの一種である。初登場はその存在のみ『水曜ワイドスペシャルX-zero』から。本項ではその幼生である悪魔の凶獣フィッシュ・ディッパーについても解説する。
注意:以降の記述にはフィレオ・フィッシュとフィッシュディッパーに関するネタバレが含まれます。
2000年代頃から南米アマタン共和国で目撃例が絶えないようになり、その正体について様々な議論が飛び交った。
しかし、一説には時速500キロメートルにも達するという飛行速度ゆえに、捕獲どころか映像に収めることに成功した者すらおらず、謎が謎を呼ぶばかりであった。
そのような謎に満ちたUMAであったが、双樹隊長率いる探検隊の活躍により、ついにその巣を突き止められる。
さらには隊長の決死の巣への突入で、1匹が紙袋へ捕獲されたように思われたが、不用意に袋を開けて覗いた中澤隊員を一飲みにして脱走。
その後隊長達と交戦するが、隊長の一太刀によって討ち取られ、隊長とハシュード・ビフー、及び撮影班の胃袋に収まった。
喰われた後も、消化されかけながら胃もたれにより探検隊の胸にこみ上げ、最後まで彼らを苦しませた。
2003年秋ごろから突如として世界各地に出現。
発見初期は蜂の仲間ではないか、などと呑気な議論が行われていたが、アメリカ南米の肉牛がこの生物に食い散らかされるという事件から評価は一転。危険なUMAとして認知されるようになる。
はじめに目撃されたのはラムカナ民主主義共和国で、探検隊が赴いたのも同国であるが、農牧を主産業としているこの国の経済に、家畜を食い荒らすフィッシュディッパーは深刻なダメージを与えた。
探検隊の道中でも、現地の牧場で飼われていた牛や、牧場主アシニタ・ゲイーチロの家族をも目の前で食い殺すなど猛威をふるっていた。
そのアシニタ達によって一匹が生け捕りにされていたが、不注意で蓋を開けた隙に脱走。彼を食い殺してしまう。
しかし、そこから逃走する際に体液を点々と落としていったことが原因となり、探検隊に巣の位置を特定されてしまうこととなった。
巣と合体しディッパーキングとなって立ちはだかったが、Negro隊員の自爆特攻によって合体が崩れ、弱点の女王ディッパーが剥き出しになったところを隊長に倒され、全員自害した。
成体のフィレオ・フィッシュは獰猛な肉食動物で、人間一体を服や骨すら残さず丸呑みにしてしまう。また、ヒグマの内臓を食い散らかす様子も目撃されている。
体型は厚い円盤状で茶褐色の皮膚をもつが、脱皮の際は水色に変色した正方形の抜け殻を遺す。円盤状の皮膚は上下に分かれており、その間に同じく茶褐色の正方形の部位が挟まっている形となっている。
強い衝撃を受けた場合、この円盤状の皮膚層を自切する。探検隊のカメラには、上側の皮膚層を飛ばしている様子が納められている。このことから、脳などの中枢機関は正方形の部位に収まっているものと考えられる。
飛行速度は一説には時速500キロメートルに達すると言われ、目にもとまらぬ速さで飛びまわる。ホバリングも可能だが、昆虫の羽音のような音はするものの羽らしきものは見当たらず、その飛行メカニズムは不明。
飛行するだけあって体重は非常に軽く、フィレオ・フィッシュの入った紙袋を持った中澤隊員が「本当に入ってるのか?」と疑問を口にしたほど。しかしながら飛行速度が速すぎるため、その衝突の衝撃波凄まじく、腹部に激突されたビフ―は悶絶している。
赤と黄色に覆われた吐き気をもよおす色彩の建造物の様な巣に住んでおり、巣の内部において何らかの手段で人間を使役している様子も見られる。また、内部は隊長曰くまさに地獄絵図、まるでアパッチ村とのことであり、凄惨な様子が伺い知れる。
巣ではこの人間に「フィレオ・フィッシュをひとつ、お持ち帰りで」と告げると、生きたフィレオ・フィッシュが出現する。隊長はこれと格闘の末、紙袋に収めて巣から帰還した。
しかし、彼らの戦闘能力からすれば紙袋程度に閉じ込められるはずもなく、おそらくは、わざと捕獲されたフリをすることで、その生物の巣に生きたフィレオ・フィッシュを持ち帰らせ、巣を内部から食い荒らすとともに新しい自分達の繁殖場所にする、もしくは先住生物を上記の人間のように使役する、といった生態であるものと思われる。このような巣やそこにある生態系の乗っ取りは社会寄生と呼ばれ、ある種の昆虫等の生態のひとつとして知られている。
実際に本編中においても、テイクアウトされたところまでは大人しかったフィレオ・フィッシュだが、探検隊の休憩中に中澤隊員がうっかり袋を開けたところ、急に豹変して中澤隊員を捕食、さらに隊長達にまで襲いかかってくるという流れであった。
幼生のフィッシュディッパーは群で行動する。
成体とは姿が大きく異なり、上下から挟みこむような厚い皮膚の層が無く、体型も円盤状ではなく長方形をしている。
発見当時、円盤状の体系に対して不自然ではないかという疑惑の持ちあがったフィレオ・フィッシュの正方形の脱け殻であったが、変態する前のフィッシュディッパーがこのように四角い形状であったことで、謎が解明された。
また、この姿はフィレオ・フィッシュの上下の円盤状の皮膚層に挟まれた正方形の部分に酷似しており、やはりこの部分がフィレオ・フィッシュの本体であると見て間違いないようである。
なお成長過程において、四角い部分の体格は二倍程度なものの、円盤状の厚い皮膚の層が上半分のみ、ほぼ成体と同じ大きさで見られる死骸も発見されており、おそらくはまず上側の皮膚層が完全に成長した後、下側の皮膚層が同じように成長し、それに合わせて本体も成長していくという流れだと思われる。
成体同様に羽音をたててホバリング飛行を行うが、羽根らしきものは見当たらない。
たった一匹でも牛や人間を丸々喰い尽してしまうほどの、成体に勝るとも劣らない食欲旺盛さだが、肉食の成体とは違い雑食で、キノコなども食べるようである。また、人間を食べる際、まだ顎や消化器官が発達していないのか、成体のように丸飲みはせずメガネや一部の衣服を残している。
巣は樹の上に作られる毒々しい青々しい小型のものの他に、茶褐色のストーンヘンジのような巨大な巣も確認されている。さらに成体のフィレオフィッシュになると、巣は先述のような吐き気をもよおす色彩の巨大建造物にまでなっており、成長と共に大型化していくものとみられる。また、ストーンヘンジのような幾何学的な巣を作ることから、高い知性を持っていると推測されている。
弱点として、野生生物であるため火への耐性は低く、Negro隊員の自爆攻撃により散り散りになったり、黒く焦げて落下したりしている。
また、フィッシュディッパーは干からびたミイラのような死骸やミサクラダケに中毒死した死骸等が見つかっている他、民間人に捕獲された例もあり、成体に比べると一個体の生命力は弱いとみられる。群で行動しているのもおそらくそのためだろう。
最大の弱点は女王ディッパーであり、これが倒されると、群のすべてのフィッシュディッパーは次々と心中してしまう。
要だけあって、女王ディッパーの身体は大柄な上に、他のフィッシュディッパーと違い赤と緑の外殻によって護られている。
まだ生態のよくわかっていなかった探検隊出発前のナレーションによるフィレオ・フィッシュに関する噂の説明では、獣でも鳥でも魚でも昆虫でもない謎の飛行物体とされていたが、脱皮、自切、変態、変態後の食性の変化、羽音、ホバリング、巣の建造、女王の存在などの生態から考えると、やはり昆虫の一種なのではないかと推測される。
なお、探検隊のカメラには残念ながら収められていないが、現地住民の目撃証言を元に描かれたと思われるフィレオ・フィッシュのスケッチでは翼があるもの、触腕のあるもの、尾や脚や蟹の様なハサミをもっている姿や、一つ目で牙のようなものも持っている姿も描かれている。
しかしながら、数枚あるスケッチのどれも容姿がバラバラであり、単純に参考にするのは難しい。
ただし牙についてのみ、フィレオ・フィッシュの巣に隊長が突入した際のナレーションでも言及されているため、実際のフィレオ・フィッシュにもあるものと思われる。