時を超えて

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時を超えて - (2013/10/23 (水) 17:41:15) の編集履歴(バックアップ)



時を超えて

真の姿を現したDS-V2が、世界各地で襲い来るの群れを薙ぎ払っていたころ。
自らを覆う嘗てのを脱ぎ捨て、それのある悠久郷の結界を乗り越えてある艦(フネ)が飛び立った。

明らかに天人のそれでもなく、ましてやそれに劣る技術しか持たない筈の人類のものでもない奇妙な艦。
それに乗り込むのは、元から悠久郷に住まうリンティスタだけではなかった。

ディクティナ・ファリスの一族を始めとする、長い時の内に排斥され追いやられ続けたものたち。
ソレグレイユの前身であり、紅白合戦の後西方へと追放されたソルグレイユの強硬派の子孫。
賢精イズやアンリの森の魔女など、いつの間にか歴史から姿を消していた魔術師。
嘗て彼らは、悠久郷へ忘れられたものとして辿り着き、そして今この時、彼女に従ってこの艦を浮かべている。

『全てを思い出し』、『因果を捻じ曲げてまで』今この時に蘇った、神への反逆者。
レドール……否、生まれ変わった境井夢子の掲げた、二度目の反逆の旗印の下に。


『「聞きなさい、全ての命よ」
 「見たでしょう。あの虚ろなる異形を」
 「あれこそが、私たちの敵。この星に生きるもの全ての、敵」
 「国家、民族、宗教、思想。貴方たちの持つ全てが、踏みにじられようとしている」
 「ヒトも、エルフも、ドワーフも。地上の者も、天人も、魔人も。今は、争っている場合ではない」
 「直ぐに手を取り合え、とは言わない。私たちは、そこまで高尚な生き物ではない」
 「けれど、同じ敵に立ち向かうだけならば。愚かな私たちにでも出来るはず」
 「共に、この星を守る。協力してはくれませんか」』

―――『艦』の通信ログより抜粋