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*その七 飲み会の様子ストーリーAside 【投稿日 2005/11/18】
**[[カテゴリー-1月号>URL]]
荻「こらー!笹原完治―!」
バン!ふすまを勢いよく開ける。
笹「あ、おぎうえしゃん・・・どしたの・・・」
荻「あったしの同人誌、見ちゃダメって言ったのに見たでしょー!」
笹原の首に抱きつく。笹原は酔っ払ってろれつが回らない。
笹「ごめんなしゃい。れもわざとじゃないんれすよ、わざとじゃ」
荻「だめー、ゆるさないー」
笹原にさらに強く抱きつく。
笹「おぎうえしゃん・・・、そんなにむねをおしつけられたら・・・おっきしちゃうんれすけど・・」
荻「おっきして!おっきー!肩車!肩車!」
惠子「すっかり、幼児化しちゃってるよ・・・」
咲「荻上ー!しっかりして!正気を、正気を戻して!とんでもないことになった!あー、水!いや!消火器!ああなんかトラウマが・・・(アタフタオロオロ)」」
斑「落ち着くのは春日部さん!キミだって!落ち着いて!」
笹「ちがうところがおっきして立ち上がれましぇーん」
荻上は笹原の首にまたがって飛び上がってせがんでいる。
荻「えー、じゃあ、お馬さん!お馬さん!ささはらさんってえっちなんだー。あたしもささはらさんとまだらめさんのえっちなとこ想像してるもん!きゃははは」
笹「・・・れも俺がえっちなことかんがえるのはおぎうえしゃんらけれす・・・。」
荻上は笹原の正面にしゃがみこんで笹原を見つめる。
荻「ほんと?」
笹「うん、エロゲー以外で俺がえっちしたいと思ってるのはこの先生涯でおぎうえしゃんだけれす・・・。」
荻上は大きな目からハラハラと涙を流して
荻「うれしい!!!」
笹原に飛びつく。そのまま倒れこみ二人とも寝てしまう。
惠子「うわっ、だっせー。エロゲー以外って・・・こんなロマンの無い告白聞いたことねー。あーあ、二人とも涙と鼻水でくしゃくしゃじゃん!ふいてやっか!」
大「やさしいですね・・・」
惠子「こんでも兄貴だしなあ。この人も身内みたいなもんか・・・もう。」
斑「どうなることかと思ったけど・・・でどうする?春日部さん?」
咲「どうするって、目的達成じゃん!なんか問題あんの?」
斑「いや・・・少し背中を押すのが最初の目的だったけど・・・これは予想以上じゃん。二人が正気に戻っても大丈夫?覚えてたらまずいんじゃないの?特に荻上さんが!!ひょっとして、なにも・・・考えて・・・無い・・・とか?」
咲「・・・!(滝汗)けっ惠子!二人を離せ!大野!その辺片付けて痕跡を消せ!これは・・・『夢落ち』!!ということにしよう!しらばっくれろ!何聞かれても!」
惠子「うわっさらにだっせー」
*その七 飲み会の様子 Bside 【投稿日 2005/11/18】
**[[カテゴリー-1月号>URL]]
「うふふふ・・・・。」
もう手がつけられない状態の荻上。まるで裏時乃・・・。
「せーんぱーいはー、なーにやってるんですかねー?」
そういいながら、向こうの部屋に突入しようとする。
「ちょ、ちょっとまてー!」
咲はそういって止めようとしたが、ときすでに遅し!
バン!
扉の開いた先には、斑目に切々と何かを語っている笹原がいた。
もうすでに相当量飲んでる様子だ。
「あ、先輩ものんでたんですかー?」
「荻上さんもー?」
「もちろんですよー、うふふふ・・・・。」
「あははは・・・・。」
変な笑い声を上げる二人。
誰もその奇妙な光景に手出しもできず、立ち尽くしていた。
そして、次の瞬間!
「さっさはらさ~ん!」
「おっぎうえさ~ん!」
妙に陽気なテンションで熱烈に絡み合う二人。
「おいおい、なにがあったんだよ!」
「それはこっちの台詞!何で笹やんまであんなに酔ってんのよ!」
「いや、なんか荻上さんのことで悩んでたらしくて・・・。
すごい飲むわけよ。止めらんなくてさ・・・。」
「ああ~、まずいです、それ以上はまずいですよ~、ふたりとも~!」
大野の声に振り向くと二人は床に抱き合ったまま転がり・・・。
ああっと、すいません、これ以上は!みなさんさようなら!さようなら~!
とはいったもののぎりぎりまで見てみましょう。
「や、やめんかー!」
「うわ、まじでー!」
咲と斑目の悲鳴がこだまする。恵子はというとその行動を面白そうに見ている。
「ちょ、ちょっとほんとに止めないと・・・!」
大野さんが止めようと近づくと・・・。
「す~。」
「ぐー・・・・。」
寝息が聞こえる。
「寝ちゃいましたね・・・。」
「寝ちゃったね・・・。」
「寝ちゃったな・・・。」
安心している三人をよそに恵子は一人不満顔。
「ええー!もう終わりかよ。兄貴マジダッセー・・・。」
「お前、それマジで言ってるのかよ・・・。」
咲は呆れ顔でそういった後、二人に奥から持ってきた布団をかぶせる。
「でも、面白そうだから朝までほっときましょ。」
「うーん、一段落したし、飲みなおそうか。」
軽く伸びをした咲が、誰に言うともなく呟いた。
「いいですねえ~。酔いもさめちゃいましたし。」
「いや、大野さんはのみたいだけでしょ。」
「じゃ、斑目も一緒に飲む?」
そう咲に振られた斑目は、少しあわてた後、
「い、いや、いいよ。もう疲れたし寝ることにするよ。」
「そう?じゃ、私たちはあっち行ってるね。」
そういって三人はにぎやかに奥へ引っ込んでしまった。
「・・・よかったじゃねえか。」
そう眠りに落ちている二人を見てから、窓辺の椅子に座る斑目。
窓の向こうにうつる星を見つめながら、少し、考え込む。
二人のことを聞いたときはびっくりもしたが、両思いなら問題はない。
そういう点で、笹原が自分と同じ思いをしなくてよかったと心から安堵していた。
「・・・針のむしろ・・・か。」
自分が見込みのない恋をしていることはとうに分かっている。
それでも、なにか起こらないかと大学に来る自分。
だからといってなにをするでもない。
「そろそろ潮時かも知れねえなあ・・・。」
飲んでいるときに笹原から聞かされた悩みごとも、
二人が両思いであることを確認した後では、
なんだかすべてノロケだったように思えてしまう。
「・・・だからといって嫉妬するわけじゃねえけど・・・。」
そう思ってまた二人の寝ているほうを見ると、少し離したはずの二人がまた近づいてる。
「あちゃー・・・。ま、いいか。起きた時が見ものだな。それくらいはいいだろ。」
きしし、と少し悪戯っぽい笑いをした後、本当に寝ようと、横になるために立ち上がった。
彼の道が明るく照らされることはあるのだろうか?
それは、天の神様にも分からないのかもしれない。