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*こんな夢を見た 【投稿日 2006/03/04】 **[[カテゴリー-斑目せつねえ>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/49.html]] 初斑目話。やっつけ風味。たぶんエンドレス。と、いうことで。 「♪~」 鼻歌を歌いながら斑目は現視研の部室へ向かう。手にはコンビニの弁当。いつも通りの日常…になるはずだった。 くい。 サークル棟の入り口をくぐったとき、何かにすそを引かれた。振り返る。誰も居ない。 くいくい。 また引かれる。視線を下げると、そこにはかわいらしい少女がいて、こちらを見上げている。どこか見覚えのある顔。 そしてその少女は満面の笑みを浮かべると、こう言った。 「お父さん♪」 「ちーす」 疲れきった顔の斑目が部室のドアを開ける。珍しい事にフルメンバー揃っている。 もの言いたげな視線をあえて無視して、無言のままパイプ椅子を引くと深深と腰掛ける。 「お父さん、だっこ」「はいよ」 少女をひざの上仁抱き上げる。少女の満面の笑み。精魂尽き果てたような斑目。沈黙が流れ、そして沸騰した。 「「「「「「犯罪だーーーーー!!!!」」」」」」 少女はきょとんとしている。斑目の返事は無い。ただのしかばねのようだ。 とりあえず、少女を女性陣にまかせて、斑目を詰問する。 「誰なんですか、あの子?」 「知らん。むしろ教えてくれ」 「そんな無責任な」 「あのな、俺が全く何もしなかったと思うのか?」 「警察呼びましょう」 「笹原…お前が普段俺をどんな目で見ているか、よくわかったよ」 「違うでしょ。まずは彼女の両親を探さないと…朽木くん、こっちに来て」 「!…ハイ…」 密かに少女の方に移動していた朽木。 一方、少女の方は… 「えっと、お名前教えてくれるかな~」 「まだらめ よーこです」 「何歳ですか?」 片手を広げて差し出す。 「お父さんとお母さんの名前は?」 「え~と、はる、の、ぶ、おとうさんと、さきおかあさん!」 「へ?」 呆ける咲。そんな彼女の顔をまじまじと見て、少女は言う。 「あ、お母さんだ」 「…つまり、あの子は私とあんたの子供、というわけね」 「…」 「あんたの子供を産んだ記憶なんて全く無いんだけど」 「こっちもねーよ」 疲れきって、半分魂の抜けた様子で会話する斑目と咲。 少女は他の4人と遊んでいる。朽木は撮影中。少女がこちらを向いて手を振る。2人は思わず手を振り返す。 「高坂が子供好きとは知らなかったな…」 「…」 咲はまっすぐに高坂を見つめている。その姿は酷くきれいで、残酷だった。 「まったく、何なんだよ、これは…」 「夢だよ」 斑目の呟きに答えが返る。時が止まる。世界が凍る。 「これは、ただの夢。ありえた世界とのありえない交差。そこには何の意味もない」 振り返ると初代会長がたっていた。 「人は選ぶ事、選ばない事で人生を築いていく。選ぶ事は何かを得て、何かを失う事。選ばない事は何も失わず、何も得られない事。選択肢は多数あって、可能性は限りなくて、時間だけが有限」 「いったい、何を言って…」 「君は何を望むのかな?…」 世界が溶ける。混ざり合ってぐるぐるまわって一つになって…消えた。 「って夢オチかよ!!」 叫びながら斑目は跳ね起きる。カーテンの隙間から差し込む朝の光。昨日と同じままの自分の部屋。 「なんか変な夢をみたような…寝る前に読んだ本が悪かったか?」 枕もとの本に目を向ける。 「まあ、いいか」 呟くと、大きく伸びをして立ち上がる。カーテンを開ける。ついでに窓も開けてみる。 朝の冷たい空気を吸い込み、斑目は決意する。 「よし、今日も弁当もって部室に行こう!」
*こんな夢を見た 【投稿日 2006/03/04】 **[[カテゴリー-斑目せつねえ>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/48.html]] 初斑目話。やっつけ風味。たぶんエンドレス。と、いうことで。 「♪~」 鼻歌を歌いながら斑目は現視研の部室へ向かう。手にはコンビニの弁当。いつも通りの日常…になるはずだった。 くい。 サークル棟の入り口をくぐったとき、何かにすそを引かれた。振り返る。誰も居ない。 くいくい。 また引かれる。視線を下げると、そこにはかわいらしい少女がいて、こちらを見上げている。どこか見覚えのある顔。 そしてその少女は満面の笑みを浮かべると、こう言った。 「お父さん♪」 「ちーす」 疲れきった顔の斑目が部室のドアを開ける。珍しい事にフルメンバー揃っている。 もの言いたげな視線をあえて無視して、無言のままパイプ椅子を引くと深深と腰掛ける。 「お父さん、だっこ」「はいよ」 少女をひざの上仁抱き上げる。少女の満面の笑み。精魂尽き果てたような斑目。沈黙が流れ、そして沸騰した。 「「「「「「犯罪だーーーーー!!!!」」」」」」 少女はきょとんとしている。斑目の返事は無い。ただのしかばねのようだ。 とりあえず、少女を女性陣にまかせて、斑目を詰問する。 「誰なんですか、あの子?」 「知らん。むしろ教えてくれ」 「そんな無責任な」 「あのな、俺が全く何もしなかったと思うのか?」 「警察呼びましょう」 「笹原…お前が普段俺をどんな目で見ているか、よくわかったよ」 「違うでしょ。まずは彼女の両親を探さないと…朽木くん、こっちに来て」 「!…ハイ…」 密かに少女の方に移動していた朽木。 一方、少女の方は… 「えっと、お名前教えてくれるかな~」 「まだらめ よーこです」 「何歳ですか?」 片手を広げて差し出す。 「お父さんとお母さんの名前は?」 「え~と、はる、の、ぶ、おとうさんと、さきおかあさん!」 「へ?」 呆ける咲。そんな彼女の顔をまじまじと見て、少女は言う。 「あ、お母さんだ」 「…つまり、あの子は私とあんたの子供、というわけね」 「…」 「あんたの子供を産んだ記憶なんて全く無いんだけど」 「こっちもねーよ」 疲れきって、半分魂の抜けた様子で会話する斑目と咲。 少女は他の4人と遊んでいる。朽木は撮影中。少女がこちらを向いて手を振る。2人は思わず手を振り返す。 「高坂が子供好きとは知らなかったな…」 「…」 咲はまっすぐに高坂を見つめている。その姿は酷くきれいで、残酷だった。 「まったく、何なんだよ、これは…」 「夢だよ」 斑目の呟きに答えが返る。時が止まる。世界が凍る。 「これは、ただの夢。ありえた世界とのありえない交差。そこには何の意味もない」 振り返ると初代会長がたっていた。 「人は選ぶ事、選ばない事で人生を築いていく。選ぶ事は何かを得て、何かを失う事。選ばない事は何も失わず、何も得られない事。選択肢は多数あって、可能性は限りなくて、時間だけが有限」 「いったい、何を言って…」 「君は何を望むのかな?…」 世界が溶ける。混ざり合ってぐるぐるまわって一つになって…消えた。 「って夢オチかよ!!」 叫びながら斑目は跳ね起きる。カーテンの隙間から差し込む朝の光。昨日と同じままの自分の部屋。 「なんか変な夢をみたような…寝る前に読んだ本が悪かったか?」 枕もとの本に目を向ける。 「まあ、いいか」 呟くと、大きく伸びをして立ち上がる。カーテンを開ける。ついでに窓も開けてみる。 朝の冷たい空気を吸い込み、斑目は決意する。 「よし、今日も弁当もって部室に行こう!」

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