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想い - (2006/05/27 (土) 23:48:45) のソース

*想い 【投稿日 2006/05/24】
**[[カテゴリー-現視研の日常>http://www7.atwiki.jp/genshikenss/pages/49.html]]

講義が休講になって、部室に来てみれば・・・ 

扉が少し開いている 

誰か居るのかと思いそっと覗くと・・そこには斑目先輩が・・・ 

驚いた事に、昨日春日部先輩が忘れていった上着を 
斑目先輩が抱きしめていた・・・力一杯、ギュッと抱きしめていた・・・ 

高坂先輩に呼ばれて慌てて出て行ってしまい 
そのまま椅子にかけてあったのを、斑目先輩が・・・ 

ここでオロオロしてたら、みつかってしまう・・・ 

早々にその場を立ち去ろうとしたけど・・・ 
斑目先輩の顔が今まで見たことのない、とても穏やかな顔を見ていると 

そこから動けなくなった・・・ 

・・・胸が熱くなる・・・ 

けど、この人には恋してはいけない・・・ 

きっと、この人が上着を忘れて、椅子にかけてあれば・・・ 

触れたいと思うから・・・温もりを感じたいと思うから・・・ 

叶わない恋は、したくない・・・ 

けど、叶わないと思っていても、人が恋に落ちていくのは簡単だから・・・

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あの日以来、まともに顔も見る事が出来ない 
恋に落ちるのは本当に簡単だった・・・ 
あの顔が、忘れられない・・・ 
斑目先輩が春日部先輩に恋をしている顔を・・・ 
そんな斑目先輩を好きだと確信してしまった自分・・・ 
そして、それがどういう事なのか自分には解っている 
茨の道・・・ 
斑目先輩と同じ道・・・それでも良いと思った・・・ 
想いを隠し続け、そして斑目先輩達の卒業式の日・・・ 

「ご卒業おめでとうございます・・・」 
「ありがとう」 

斑目先輩はそっと手を出してきた 

「色々あったけど、その、なんだ、がんばれよ」 
「はい・・・」 

驚きを隠すのに必死になりながら、斑目先輩と握手をした 
温かい・・・ 
自分の欲望が、こんなカタチで実現出来るなんて思っていなかった 

その後の事は、あまり覚えていない 
自分以外の人とも握手をしていたようだが 
少しでも温もりを逃がさないように、ずっと手を握っていた 

帰る頃には消えてしまったけど 
手を自分の胸にあて、その日は丸くなって眠りについた・・・ 

あの人の夢が見れるように、願いながら・・・