げんしけんSSスレまとめサイト内検索 / 「『カエデ』」で検索した結果

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  • 『カエデ』
    『カエデ』 【投稿日 2006/12/20】 カテゴリー-笹荻  荻上千佳が笹原完士と水道橋駅の改札を出たのは、11月の終わりの日曜日のことだった。今日も空は高く、よい天気だ。朝の風はもう冬の冷たさだが、日中は小春日和の1日となるだろう、と出掛けに見た天気予報は伝えていた。 「……笹原さん、なんかニヤケてますよ?」  千佳の服装は普段とあまり変わらない。チノパンに重ね着のシャツに、ピーコートスタイルの薄手のコート。地元駅からここまでの1時間、世間話をしている間中も笹原は普段以上の緩んだ笑顔で千佳に接していた。 「いやー、ははは、ごめん。なんかさ、『デート』だなあって。カンゲキしてるとこ」  笹原も綿のパンツにセーター、ハーフコートというスタイルだ。 「まだ何回もしてないじゃない?こんなデートっぽいデート」 「んー、まあそうですね……秋葉原とか即売会とかとは、なん...
  • カテゴリー:笹荻
    ...上げて 逃げ道 『カエデ』 気付いた時が恋のはじまり きゃんでぃ☆デート 底冷え TOP
  • koyukiⅡその3
    koyukiⅡその3 【投稿日 2007/02/18】 カテゴリー-斑目せつねえ 卒業式の日の夜。新宿駅東口。 田中総市郎、加奈子夫妻は、この日無事卒業式を終えたスージーを連れて、新宿まで繰り出していた。 スージーの追い出しコンパを開催するためである。 残りの参加者は、スーの知っている現視研の現役会員やOB・OGであり、現在会長を務める朽木が駅前で掌握し、随時合流する予定であった。 「あとはお任せくださいッ!」 全力で敬礼する朽木にちょっと不安を感じつつ、総一郎と加奈子の夫婦は、真ん中にスージーを置いて目的地へと歩き始めた。 「それにしても賑わってるな」 「スー、離れちゃいけませんよ!」 3人は、駅前の雑踏をかき分けるようにして目的の居酒屋に辿り着いた。 店内もまた、歓声や拍手、叫び声のような店員の挨拶など、戦場のような賑わいを見せている...
  • げんしけんの謎
    げんしけんの謎 【投稿日 2005/10/13】 カテゴリー-他漫画・アニメパロ 第一幕 登場人物 笹原 斑目 咲 大野 荻上  舞台 部室 笹原・斑目「ちーす」 咲 「お前ら、遅いぞ。部室の年末大掃除終わっちまったぞ。」 斑目「悪い、悪い。で聞いたんだけど初代会長の遺物見つかったんだって?」 大野「そうなんですよ。咲さんたら『自分か来るまで開けるな』って言って・・・」 咲 「いや、だって盗聴テープとかカメラだったらまずいし・・・」 斑目「はっ?」 咲 「イヤイヤ、こっちの話・・・。ただのガラクタだったし・・・。」 笹原「何だったんですか?結局初代会長も謎の多い人でしたよね。」 咲 「これよ、これ」(机の上の石の破片を指差す) 笹原「何?これ」 咲 「いや、最初は民芸品の石の仮面でインテリアに使えると思って机に置いてたらさー。大野がドジってカ...
  • 30人いる!その5
    30人いる!その5 【投稿日 2007/08/15】 ・・・いる!シリーズ 第4章 笹原恵子の合宿 国松「岸野君、このビデオカメラってデジタルだよね?」 岸野「そうだよ。買った時で発売から3年ぐらいだから、当時としては新型の部類に入ると思うよ」 日垣「買ったのが3年前だから、6年前発売の品か。それにしちゃでか過ぎるんじゃ…」 岸野「そうか?昔、親戚の叔父さんがVHSのビデオのカメラ持ってたの見たことあるけど、あれに比べりゃかなりコンパクトになってるぞ」 国松「VHSって…」 日垣「そりゃあれは、カメラと別に小さいビデオデッキがある代物だからな…」 一同がカメラの大きさを話題にする中、別な観点から食い付いた者が居た。 「AG-DVX100じゃねえか、それ!」 大声を上げたのは浅田だった。 何時に無く目が輝いている。 国松「浅田君、知ってる...
  • 名前で呼ぶ日
    名前で呼ぶ日 【投稿日 2007/03/18】 カテゴリー-現視研の日常 『明日会える?』 昨日の夜受け取ったメールを大野は電車の中で見返していた。 田中は卒業制作に追われているにもかかわらず、大野のイベントにも付き合っていた。 さすがに期限前となり、ここ暫く、大野から距離を置き、メールのやり取りだけでお互いのモチベーションを保っていた。 そんな中、l久しぶりに田中に会える喜びで携帯を見る彼女の目はどこか嬉しそうであった。 田中のアパートの前に立ち、ベルを鳴らす、ガチャっと開いた扉から以前より髭が伸び、少し疲れた様子の田中の顔が覗いた。 大野は促されるまま部屋に入り、リビングのいつも座っている場所へ腰を下ろす。 部屋の中は几帳面な田中らしくなく、物で溢れかえっていた。 忙しくて、掃除できなかったのであろうと大野は考えた。 掃除を手伝って欲しくて...
  • おひっこし
    おひっこし 【投稿日 2006/03/17】 カテゴリー-他漫画・アニメパロ 酔った勢いで「咲が好き!」とカミングアウトしてしまった斑目! その時は笑って相手にされなかったが、一度封を切られた思いは止まらない! 斑目の思いは届くのか!そして咲の選択は!! とある居酒屋にて… 「俺は春日部さんが好きだ!」 「それはもう聞き飽きたから違う事言ってください」 斑目の魂の叫びに、投げやりに荻上が答える。しかし酔っ払いには聞こえない。 「春日部さんのいいトコロ、それは…名前がオタ臭い事だ!」 「本人聞いたら怒りますよ」 大野の忠告も聞こえない。 「そんな女(ヒト)に憧れていましたッ!」 「そうか、わかるわかる、わかるぞ斑目!」 「全然わからない上にそれは俺のビールです!」 出来上がった斑目。出来上がった田中。一人苦労する笹原。 いつの...
  • 「結婚行進曲」
    「結婚行進曲」 【投稿日 2007/05/25】 カテゴリー-斑目せつねえ  *註 この作品は「どうしようもない」の続きです。そちらを読まれたほうがより楽しめます。 斑目は自宅の玄関を開き、空を仰ぐ。 (いい天気だ……。) ボウッとそんな事を考えながら、溜め息をつくと、目的地へと出発した。 結婚式場へと到着した斑目は、先に着いているであろう現視研メンバーを探す。 (来ちまったな。) 春日部の結婚式。 ふっきれてなどいない。 しかし、斑目の選択肢に「欠席」の文字は無かった。 春日部と約束した事もあるが、欠席する事で他のメンバーと顔を合わせづらくなるのが嫌だったせいだ。 「こんにちは。」 後ろから声をかけられた斑目が振り向くと、そこには白いタキシードに身を包んだ高坂が立っている。 一瞬ドキリとしながら、「よう。」と挨拶を返す...
  • 26人いる! その9
    26人いる!その9 【投稿日 2007/01/14】 ・・・いる!シリーズ 2006年夏コミ3日目、最終日。 今日も現視研の面々は、椎応大学の最寄の駅から始発に乗った。 ちなみに「やぶへび」の面々は、今日は漫研男子の出品があるので、そちらの方に行っている。 あと恵子は昨日友人の家に泊まって寝過ごしたので、後で顔を出すとのことだった。 今日は男性向け中心の出品だ。 だから1年男子は、かなり意気込んでいる。 一方1年女子は、午前中は男子たちの分担購入を手伝い、午後からは全員コスプレに参加する。 分担購入の手伝いは、1日目に売り子で頑張ってもらったお礼の意味もあってのことだ。 もっとも元来現視研の女子会員には、最終日に男子の分担購入を手伝う習わしがあった。 (まあ習わしと言っても、ここ4年ほどの話ではあるが) それを上の誰かが言うまでも無く、1年女子の...
  • 手紙~さよなら、ありがとう~
    手紙~さよなら、ありがとう~【投稿日 2007/01/28】 カテゴリー-斑目せつねえ 注意:これはkoyukiに送られた感想レスです。 ですが個人的に気に入ったので掲載しました。 もし、作者の方が載せないで欲しいようでしたらご連絡ください。 『  こんな日にこんな手紙を書いている俺を、スーは許してくれないかもしれない。  でも、あんたにだけは伝えたいと思っていて、そのチャンスはたぶん今日が最後なのだ。  書けるだけ書いてみよう。舌足らずだったらごめん、俺の精一杯の気持ちを綴ります。  春日部さん、あんたが好きだった。過去形で書くのが悔しいくらい、大好きだった。  もうとっくに「春日部さん」じゃねえけどな。この手紙では春日部さんって呼ばせてください。  初めてそれを意識したのは春日部さんが2年になった春だ。それ以来ずっと……、あん...
  • 空の下、大切な場所
    空の下、大切な場所 【投稿日 2006/05/10~11】 カテゴリー-斑目せつねえ (斑目のSS「さくら」の続編。斑目の話。)  5月の初め。空は青く青く透き通り、辺りは爽やかな春の日差しに包まれている。 …痛いほどに、明るい日光が自分の心にまで差し込んでくる。 そのためだろうか。見ないようにしていた生傷まで鮮明に見えてくるのは。 もう幾度めかのため息をつく。 どうしたら、この痛みから抜け出せるのか。 何故これほどまでに痛みから解放されないのか。 あれからもう1ヶ月はたっているのに。 …いや、4年という月日を忘れるのには、1ヶ月では全然足りないということか。 卒業式の日から、あの思い出から抜け出せない。 あの花のような笑顔を忘れられない。 思い出すたびに、息苦しくなる。 なぜだろう?昔は、あの人の...
  • ラジヲのお時間【文月】
    ラジヲのお時間【文月】【投稿日 2006/04/11】 ラジヲのお時間 ~BGM・『曜湖・鳴雪のげんしけんラジヲ!』テーマソング~ ~FO~ 「どうも~、いつ誰が聞いてるか分からないげんしけんのネットラジオをお聞きの方、  今日も私、神無月曜湖と!」 「・・・於木野な・・・」 「聞こえませんよ!大きな声で言ってください!!」 「於木野鳴雪でお送りします!!」 ~BGM・完全にFO~ 「皆さん、こんばんは~、こんにちは~、おはようございます~。」 「こんばんは・・・。こんにちは・・・。おはようございます・・・。」 「ずいぶんと暑くなって、夏になってきたな~という今日この頃、皆さんは  いかがお過ごしですか?私はかわいい夏服が見つかって、少しワクワクしてます!  夏コミまでも後一月、といったところ。  ...
  • アンジェラ
    アンジェラ 【投稿日 2006/08/06】 カテゴリー-斑目せつねえ 注:データ量の関係で二分割しています。 (映画「Angel-a」のパロ) ~山崎まさよし「アンジェラ」より~ いつか流した涙と無くした言葉を探して 鏡の向こうに閉じ込めた心を取り戻して 今は渇いた瞳でやがて来る明日を見ないで 私はあなたのすぐそばでささやきつづけている そして物語は始まった… ぬかるみのような灰色の空。 最近ずっと曇りの日が続いている。 冬。もうすっかり葉の落ちた木が、冷たくなった風を受けて枝を揺らしている。 会社を出てしばらく歩いたところに少し大きな川がある。 ふと足を止め、川を橋の上から眺めてみる。 濁っているので水の中までは見えない。 まるで今の自分の心のようだと思った。 ただ、川の水は...
  • koyukiⅢ~フェチ、襲来その3
    koyukiⅢ~フェチ、襲来その3 【投稿日 2007/03/13】 カテゴリー-斑目せつねえ 【2011年4月16日/東京駅】 土曜日の朝。 東京駅八重洲口の一角にあるコーヒーテラスで、高坂真琴とアンジェラ・バートンがタンブラーを片手に談笑していた。 咲は2、3歩離れた場所に立ち、携帯電話で自分の店に連絡を入れている。 「……うん、うん。じゃあ悪いけど店の方、よろしくね」 咲は電話を切って、二人のもとに戻った。 彼らの足下には荷物のカートが置かれている。軽い朝食を終えて、これから仲間達と合流。アンジェラ主催による『高坂夫妻結婚記念温泉旅行』として、伊豆へと向かうのだ。 英語と日本語が行き交う会話。3人とも『絵になる』容姿だけに、周りを行き来する人々の中でもひときわ目立っている。 この後、別の意味で、さらに目立つことになるのだが……。 ...
  • スザンナの消失その4
    スザンナの消失その4【投稿日 2007/04/07】 カテゴリー-その他 第七幕 救出 スージーと斑目そしてアレック、千佳子 スージー一行は斑目の運転するバンで「潜伏地」に向っていた。 「そんな分かってるんだったら早く助けるなり、さらわれないようにすればよかったのに!」 斑目はスージーに対してぼやいた。 「二人に危害は及びません。準備が整わない内は動くに動けなかったのです。」 「もう準備は万端という事?」 「ええ、携帯でテレビ中継を見て御覧なさい。」 斑目は千佳子に携帯を開いてもらって、車のフォルダーに固定してテレビを観てみた。 テレビは異様な光景を実況中継していた。GX-ガノタックスで使用された国産初号機・・・機動○士ガ○ダムそっくりな機械が街中で暴れまわっていた。もちろん器物を破損するだけの示威行動であったが、マスコミ、ネットで騒然...
  • キモハラグロの城・3
    キモハラグロの城・3 【投稿日 2006/05/02】 マダラメ三世 ▼ キモハラグロ伯爵と大公家の娘オギウエの結婚式の日がやってきた。 しかし、久我山大僧正を乗せた車は、結婚式を一目見ようと押し掛けた車列に巻き込まれ身動きが取れないでいた。 「ほ ほかの道は、な ないのかな。遅れてしまうぞ」 焦る久我山。運転手の沢崎は車体を半分芝生に入れながら、大渋滞の脇を通り抜ける。 「公国政府の方に連絡を入れましたが、ヘリが迎えにくるには時間が掛かるとかで……あぁっ!」 前方に、ビーチパラソルをさしてくつろいでいる女性の姿が見えて思わず急停車する。 「どいてくれ、通れないじゃないか!」 思わず怒鳴る沢崎は、立ち上がったブロンド女性の姿に息を飲む。上は腰履きのジーンズをルーズにはいて、上はビキニブラ一枚。 『この先は崖崩れよ。復旧にはどうしたって時間...
  • Zせんこくげんしけん4
    Zせんこくげんしけん3 【投稿日 2006/03/18】 せんこくげんしけん 【8月9日/16 55】 中庭の戦場に、木村自治委員長が駆け付けた。 「旧現視研はすぐに抵抗をやめろ! サークル活動全体に迷惑をかけてはいけない!」 だが、抵抗をやめなくとも多勢に無勢。咲たちは放っておいても数に負けてしまうのが目に見えていた。木村は騒ぎが大きくなりすぎて、大学側から目をつけられたことに焦りを感じていたのだ。 現視研メンバーは、すでに大勢の緑マスクに囲まれていた。バットを持つ者、ドラムスティックを振りかざす者、カメラを構えている者……。 (カメラ?) 「テメー撮るんじゃねェ!」咲が思わずカメコマスクに向けて拳を握りしめる。その隣で斑目は(あー、この乱れた姿もイイかも。写真売ってくれんかなぁ)と妄想した。 田中は大野をかばいつつ弾倉を確認。弾はほとんど残っていな...
  • アフターストーリー『リツコ・レポート』【宇宙編】
    アフターストーリー『リツコ・レポート』【宇宙編】 【投稿日 2007/01/13】 第801小隊シリーズ この記録は、かの連盟の星「リツコ・キューベル・ケッテンクラート」が ある『仲間』の半生ということで秘蔵していたものである。 内容はその『仲間』の戦後記録となっており、 戦後起こった軍離れについて克明に記録された私的文書として、 研究の大きな対象となっている。 「もう二年か・・・。」 窓から見える無限の宇宙を見つめながら、マダラメは薄ら笑い浮かべる。 「早いもんだな。」 戦争終結から丸二年。小規模な衝突はまだあるものの、 世界は落ち着きを取り戻しつつあった。 「早いと感じるのは、無為に過ごしたせいじゃなくて?」 メガネをかけた明朗そうな女性── キタガワが奥の机に向かいながらマダラメのほうを見ずに話しかける。 「もっとあなたに...
  • koyukiⅢ~フェチ、襲来その4
    koyukiⅢ~フェチ、襲来その4 【投稿日 2007/04/01】 カテゴリー-斑目せつねえ 【2011年4月16日/旅館「天城楼」前】 「みなさんヒドイでありますよ。ワタクシが旅館に先行して手続きをしてあげていたというのに!」 皆が昼食を取っていた間、一人存在を忘れられていた朽木が嘆く。 「……ゴメン。素で忘れてた……」 田中が頭をかいた。 一行は温泉旅館「天城楼」へ。 露天風呂が自慢の宿だとアンジェラは言う。 広いロビーに入ると、天城山の天然木を用いた額や、ソファーが並んでいる。 「おー!いかにもなロビー。温泉宿って感じがするねえ」 真琴と一緒に玄関を入ってきた咲が驚きの声をあげる。その後ろに立つ斑目が、ちょっと背を伸ばして中をうかがうと、女将とおぼしき和装の女性が仲居さんを連れ立って出迎えているのが見えた。 古くからの温...
  • 26人いる! その10
    26人いる!その10 【投稿日 2007/01/14】 ・・・いる!シリーズ みんなが驚くのも無理は無かった。 豪田は可愛くなっていた。 普段の5割増しぐらいで可愛くなっていた。 気のせいか体も若干細くなっていた。 台場「どっ、どうしたの蛇衣子?」 豪田「まあ、一応ネットアイドルって役どころだから、ちょっとメイクに力入れたのよ」 沢田「どういうメイクしたら、そこまで変わるのよ…(冷や汗)」 神田「蛇衣子かーわいー」 豪田「それより千里、この暑いのにコンクリートの上で裸足はやり過ぎじゃない?」 国松「ヨク見ルネ(片足を挙げる)」 豪田「地下足袋?」 国松「田中サンガ作ッテクレタ、地下足袋べーすノ裸足風靴ネ」 豪田「さすがだ、田中さん…」 巴「て言うか千里、片仮名で喋ってるし…」 神田「役作りですね。マリアは役作りは何かしてないの?」...
  • GENSHIKEN vs LABUyan
    GENSHIKEN vs LABUyan 【投稿日 2006/05/02~06】 カテゴリー-他漫画・アニメパロ 某月某日。 講談社に多数存在する会議室の一つ。 俺はそこで、一人の男と相対していた。 頭は1000円カット屋で刈ったようなザンギリ頭。 刈ったまま整髪料などまるで使った形跡は見られず、ボーボーのボサボサである。 そして特徴的な丸メガネ……良く見ると、レンズに傷が多数つき、曇ったようになっている。 レンズの端のほうは油染みたようになっており、異様な年季を感じさせる。 トドメは全身をうっすらと覆う「異臭」だ。 数日に一度しか風呂に入っていないのだろう、激臭とはでは行かないまでも ザリガニが腐ったような感じの薄汚い匂いが10M近くはなれたココまで届いている。 おまけに、それに加えて加齢臭まで混ざっている。もう、彼も若くは無いのだ。 ...
  • サマー・エンド終
    サマー・エンド終 【投稿日 2006/04/25】 サマー・エンド ブルー・ベルベットのような青空が窓を彩る。 7月の晴天が、梅雨の終わりを告げていた。青いセロハンが空を覆う。 太陽が窓に貼られた美少女を真っ黒い影の中に隠している。 ブラウン管のテレビの頭を、ビデオデッキの背中をこんがりと焼いていた。 彼女たちはその刺すような日差しを避けて、部屋の奥に固まっている。 照り返しの光が部室の影を水の底からの軽視のように揺らめかせていた。 真っ白い腕をノースリーブから覗かせる荻上が向日葵のような笑顔を見せている。 「え~? このカプですかぁ? やっぱ大野先輩とは趣味が合わないすね。」 長い黒髪を暑苦しそうにたくし上げて、大野はその豊満な胸を張った。 「別にいいですよ。初めから荻上さんはそう言うと思ってましたから。」 恵子は机に重ねた両手の上に顎を...
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